JP2005095880A - 汚濁水又は汚染水浄化処理用凝集剤 - Google Patents

汚濁水又は汚染水浄化処理用凝集剤 Download PDF

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Abstract

【課題】 自然環境に影響を与えることなく凝集力を高めると共に重金属類等も除去可能としつつ、連続的に短時間で汚濁水又は汚染水を処理することができる上に、汚泥を簡易にかつ効率よく脱水することを可能とする。
【解決手段】 汚濁水又は汚染水浄化処理用凝集剤は、硫酸アルミニウムと硫酸カルシウムと炭酸ナトリウムとから成る主剤に、pH調整剤と、比重増加剤と、キレート効果促進剤とを均一に分散させて混合することにより成る。pH調整剤としてはセメントを、比重増加剤としてはセメント又は磁性材料を使用することができる。この磁性材料としては、フェライトを使用することができる。キレート効果促進剤としては、鉄、チオ酸化ナトリウム、キトサン、クエン酸の粉末から成るを使用することができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、例えば、産業廃棄物処理場等において発生する汚濁水又は汚染水に投下されて、汚染水又は汚濁水中に含まれる汚濁物又は汚染物を凝集させて水質を浄化させる汚濁水又は汚染水浄化処理用凝集剤の改良に関し、特に、汚濁物等のフロックを短時間で形成、沈降させると共に、被処理水に含まれる重金属類と、一部のハロゲン、メタロイド元素等を不溶出化することにかんするものである。
一般に、汚濁水又は汚染水等の被処理水中の汚濁物等を凝集させてフロックとすることにより水質を浄化させる凝集剤には、有機系の凝集剤と無機系の凝集剤とがある。このうち、有機系の凝集剤は、有機高分子を主剤とするが(例えば、特許文献1等参照)、処理後の被処理水に多量の有機物が残存するため、この処理後の排水を放流すると、酸化により新たな汚染を発生させるおそれがある。同時に、多量の有機物を含んだ排水を放流すると、自然界の微生物環境を破壊し、微生物による有機性汚泥の分解除去という自然の浄化作用を大幅に阻害する要因となる問題がある。
また、有機系の凝集剤は、汚濁水又は汚染水を処理するに際して、これらの被処理水のpH値を大幅に変動させるため、処理工程において薬品類等によりpH値を中和する中和槽を設置することが必要不可欠となる。このため、浄化処理の工程が増加して処理に手間を要すると共に、特に、薬品類の添加によってpH値が中性域に達するまでにかなりの時間を要する問題があった。また、その結果、浄化処理後の排水を放流前に中和槽において充分に滞留させる必要があったため、被処理水を連続的に排出して処理することができない問題もあった。
のみならず、有機系の凝集剤は、浄化後の水分、フロックのいずれも粘度が高くなる傾向があるため、水切れが良くなく、後に様々な脱水工程を経ても、フロックを充分に脱水して減容することができず、最終的に回収する汚泥ケーキの量を充分に減少することができない問題があった。
一方、無機系の凝集剤は、主にアルミニウムイオンや鉄イオンのプラス電荷イオンによる凝集力を利用するものであるが(例えば、特許文献2等参照)、有機系の凝集剤に比べると凝集力が弱い傾向にある。このため、後の様々な脱水工程において、フロックが破壊され、処理後の水に、微粒子化した懸濁物質が再混入してしまう問題を有していた。また、無機系の凝集剤は、総じて被処理水のpH値を低下させるため、有機系の場合と同様に、やはり中和槽の設置による多大な手間と時間を要する問題を解決することはできなかった。
特に、有機系、無機系を問わず、従来の凝集剤では、凝集力を向上させたとしても、凝集によって発生したフロックと水分とが充分に分離されないため、その後の脱水工程において、汚泥を濃縮する工程を経た上で、更に脱水して、最終的に脱水ケーキとして汚濁成分を回収する必要があった。即ち、非常に高価で複雑な脱水システムを使用しなければならず、処理に手間と高コストを要すると共に、脱水処理に時間を要する問題があった。
更に、従来の凝集剤では、有機系、無機系を問わず、凝集剤自体では、油分や、水銀、カドミウム、鉛、六価クロム、砒素等の重金属類や、ハロゲン元素のフッ素、金属と非金属の中間元素のメタロイドのホウ素等を充分に除去することができず、これらの油分や重金属類を除去するためには、別途様々な薬剤や、処理工程を経ることを必要としていた。
特開2001−129311号公報 特開平7−299500号公報
本発明が解決しようとする課題は、上記の問題点に鑑み、強固な凝集力を有すると共に重金属類等も除去可能としつつ自然環境に悪影響を与えることがないと共に、連続的に短時間で汚濁水又は汚染水を処理することができる上に、汚泥を簡易にかつ効率よく脱水することができる総合的に優れた汚濁水又は汚染水浄化処理用凝集剤を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するための第1の手段として、硫酸アルミニウムと硫酸カルシウムと炭酸ナトリウムとから成る主剤に、pH調整剤と、比重増加剤とを混合して成る汚濁水又は汚染水浄化処理用凝集剤を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第2の手段として、硫酸アルミニウムと硫酸カルシウムと炭酸ナトリウムとから成る主剤に、pH調整剤と、比重増加剤と、キレート効果促進剤とを混合して成る汚濁水又は汚染水浄化処理用凝集剤を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第3の手段として、上記第1又は第2のいずれかの解決手段において、pH調整剤は、被処理水のpH値を中和することを特徴とする汚濁水又は汚染水浄化処理用凝集剤を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第4の手段として、上記第1乃至第3のいずれかの解決手段において、pH調整剤は、セメントであることを特徴とする汚濁水又は汚染水浄化処理用凝集剤を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第5の手段として、上記第1乃至第4のいずれかの解決手段において、比重増加剤は、セメント、磁性材料のいずれか一方又は双方であることを特徴とする汚濁水又は汚染水浄化処理用凝集剤を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第6の手段として、上記第5の解決手段において、磁性材料は、フェライトであることを特徴とする汚濁水又は汚染水浄化処理用凝集剤を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第7の手段として、上記第2乃至第5のいずれかの解決手段において、キレート効果促進剤は、鉄、チオ酸化ナトリウム、キトサン、クエン酸から成ることを特徴とする汚濁水又は汚染水浄化処理用凝集剤を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第8の手段として、硫酸アルミニウムと硫酸カルシウムと炭酸ナトリウムとから成る主剤に、セメント粉と、フェライト粉と、鉄、チオ酸化ナトリウム、キトサン、クエン酸の粉末から成るキレート効果促進剤とを添加混合して成ることを特徴とする汚濁水又は汚染水浄化処理用凝集剤を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第9の手段として、硫酸アルミニウムを20〜50重量部、硫酸カルシウムを10〜40重量部、炭酸ナトリウムを5〜20重量部配合して成る主剤に、セメント粉を5〜20重量部、フェライト粉等の磁性材料粉末を5〜10重量部、鉄粉を5〜20重量部、チオ酸化ナトリウムを5〜20重量部、キトサンを1〜10重量部、クエン酸を5〜20重量部配合して成ることを特徴とする汚濁水又は汚染水浄化処理用凝集剤を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第10の手段として、上記第8の解決手段において、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、炭酸ナトリウム、セメント粉、フェライト粉等の磁性材料粉末、鉄粉、チオ酸化ナトリウム、キトサン、クエン酸を均一に分散させて混合することを特徴とする汚濁水又は汚染水浄化処理用凝集剤を提供するものである。
本発明によれば、上記のように、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、炭酸ナトリウム等の無機系の天然鉱物を主原料としているため、処理後の廃水に有機物が残留することがなく自然界に放流しても微生物環境を破壊することがないので、環境保全を実現することを可能としつつ、硫酸アルミニウムの電位に対して硫酸カルシウムと炭酸ナトリウムが大幅な電位差をもって対峙するので、塩基と酸又は数値的に離れた電位を持つ物質同士の衝突によって発生するコアギュレーション効果によって強固な凝集力を発生して、汚濁物等を効率よく凝集させることができる実益がある。また、その結果、少量の凝集剤を投入するだけで、汚濁水等の被処理水を効率良く処理することができるため、コストを低減することもできる実益がある。
本発明によれば、上記のように、セメント等のpH調整剤を添加しているため、被処理水のpH値を低下させる主要因である硫酸アルミニウムによって被処理水のpH値が低下しないようにpH値が中和されるので、凝集剤による浄化処理の前後において、別途中和槽において薬剤等による中和処理をする必要がなくなり、コストと工程を削減して簡易な処理をすることができるのは勿論のこと、中和のために被処理水を長時間滞留させる必要がなくなるため、被処理水である汚濁水や汚染水を連続処理して効率的に浄化することができる実益がある。
また、本発明によれば、セメントを添加しているため、このセメントが、凝集により発生するフロック自体を強化するため、その後の脱水工程等においてフロックが破壊されて水分に再混入することがなく、凝集効率を向上させることができると共に、このセメントが、フロックの核を構成し、セメント自体の高い比重によって発生したフロックの沈降スピードを促進するため、フロックと水分とを充分に分離することができるので、後に別途、汚泥濃縮工程を経ることなく、充分に脱水することができ、処理工程や処理設備を大幅に簡素化することができる実益がある。
本発明によれば、上記のように、フェライト等の磁性材料を混合しているため、アルミニウム多価イオンの架橋効果によって行われる凝集に際し、その架橋されたフロック中に取り込まれた無数の磁性粉体同士が微弱な磁力(フェライト粉自身が有する微磁力)によって引き合い、より巨大にフロック化させることができると共に、フェライト等の磁性材料が持つ高い比重が、フロック全体の比重を驚異的に高めるため、磁力による吸引をしなくても、凝集により発生したフロックの沈降スピードを飛躍的に促進させて、フロックと水分との分離をより一層促進させることができる実益がある。
更に、本発明によれば、上記のように、無機系の天然鉱物を主原料としているため、有機系の凝集剤と異なり、フロックの粘性が高まることがないので、水切れが良く含水率の低いフロックを得ることができるため、脱水時間を大幅に短縮することができると同時に、簡易な処理で汚泥を充分に減容することができる実益があり、特に、上記の沈降促進と相俟って高い脱水効果を得ることができる実益がある。
加えて、本発明によれば、上記のように、更に、鉄、チオ酸化ナトリウム、キトサン、クエン酸の粉末から成るキレート効果促進剤を混合しているため、被処理水中に含まれる油分と金属元素に対する高い吸着能力を有するキトサンと鉄粉により油分や金属元素をクエン酸に反応させて吸着させ、チオ硫酸ナトリウムによる解毒作用を促すので、油分や重金属類元素、一部のハロゲンやメタロイドを除去することができると共に、更に酸化物となった金属元素等が塩基製酸化物となり、イオン製の強い共有結合性を持って化学的に安定して、これらの元素を覆うように取り込むため、再度溶出することがなく、これらの油分や重金属、ハロゲン元素のフッ素やメタロイド元素のホウ素等の、従来の凝集剤では処理することができなかった成分を、凝集処理のみで除去することができる実益がある。
本発明の実施の形態を詳細に説明すると、本発明の汚濁水又は汚染水浄化処理用凝集剤は、硫酸アルミニウムと硫酸カルシウムと炭酸ナトリウムとから成る主剤に、pH調整剤と、比重増加剤と、キレート効果促進剤とを混合して成っている。
硫酸アルミニウムと硫酸カルシウムと炭酸ナトリウムとから成る主剤は、被処理水中の汚濁物等を凝集して被処理水から汚濁物を除去する作用の中心となる成分で、無機系の天然鉱物であるため、処理後の廃水に有機物が残留することがなく、廃水を自然界に放流しても微生物環境を破壊することがなく、環境保全を実現する上で好適である。
また、有機系の凝集剤と異なり、処理後のフロックの粘性が高まることがないので、水切れが良く含水率の低いフロックを得ることができるため、脱水時間を大幅に短縮することができると同時に、簡易な処理で汚泥を充分に減容することができるので、好適である。
この場合、主剤として、硫酸アルミニウムと硫酸カルシウムと炭酸ナトリウムとを使用するのは、硫酸アルミニウムの電位に対して硫酸カルシウムと炭酸ナトリウムが大幅な電位差をもって対峙するので、塩基と酸又は数値的に離れた電位を持つ物質同士の衝突によって発生するコアギュレーション効果によって強固な凝集力を発生させることができるためである。従って、従来の無機系の凝集剤が有する高い環境保全性を保持しつつ、同時に従来の無機系の凝集剤の弱点でもあった凝集力の弱さを克服することができる。このため、汚濁物等を効率よく凝集させることができると共に、少量の凝集剤を投入するだけで、汚濁水等の被処理水を効率良く処理することができるため、コストを低減することもできる。
pH調整剤は、主剤の成分である硫酸アルミニウムによって低下する傾向にある被処理水のpH値を中和させるもので、具体的にはセメントを使用することができる。この場合、pH調整剤は、被処理水の元来のpH値にも左右はされるが、少なくとも、被処理水のpH値が、自然界に影響を与えない中性域である4.0〜9.0の範囲で安定するように、その成分や成分割合(凝集剤全体に対する重量部)を調整することが望ましい。
このpH調整剤により、凝集処理と同時に被処理水のpH値が中性域に調整することができるため、凝集剤による浄化処理の前後において、別途中和槽において薬剤等による中和処理をする必要がなくなり、コストと工程を削減して簡易な処理をすることができるのは勿論のこと、中和のために被処理水を長時間滞留させる必要がなくなるため、被処理水である汚濁水や汚染水を連続処理して効率的に浄化することができる。即ち、本発明は、従来の無機系の凝集剤が有する高い環境保全性を保持しつつ、同時に従来の凝集剤(無機系、有機系問わず)の弱点でもあったpH値の変動(低下)を解消することができる凝集剤である。
また、このpH調整剤としてセメントを使用した場合、このセメントは、凝集により発生するフロック自体を強化するため、その後の脱水工程等においてフロックが破壊されて水分に再混入することがなく、凝集効率を向上させることができると共に、このセメントが、フロックの核を構成し、セメント自体の高い比重によって発生したフロックの沈降スピードを促進するため、フロックと水分とを充分に分離することができる。即ち、セメントは、被処理水のpH値の低下を防止するpH調整剤(中和剤)としての役割のみならず、次に述べる比重増加剤としての役割、即ち、凝集により発生するフロックの強化及びフロックの沈降スピードを促進させる役割をも兼任することができる。
比重増加剤は、凝集により発生するフロックの粗大化とフロックの沈降スピードを促進させて、水分とフロックとの分離を促進するもので、具体的には、フェライト等の磁性材料を使用することができる。このフェライトは、アルミニウム多価イオンの架橋効果によって行われる凝集に際し、その架橋されたフロック中に取り込まれた無数の磁性粉体同士が微弱な磁力(フェライト粉自身が有する微磁力)によって引き合い、より巨大にフロック化させることができると共に、フェライト等の磁性材料が持つ高い比重(フロックに比し高い比重)が、フロック全体の比重を驚異的に高めるため、磁力による吸引をしなくても、凝集により発生したフロックの沈降スピードを飛躍的に促進させて、フロックと水分との分離をより一層促進させることができる。
このように、比重増加剤により、フロックと水分とを充分に分離することができるので、後に別途、汚泥濃縮工程を経なくても充分に脱水することができ、従来凝集後に行われていた汚泥濃縮及び脱水という工程を、脱水工程のみで同様の減容率を確保することができるため、処理工程や処理設備を大幅に簡素化することができる。
なお、比重増加剤は、磁性材料であれば、フェライトに限定されるものではなく、同様の業種力を発揮することができれば、他の磁性材料を使用することもでき、また、上記のようにセメントを、単独で又は磁性材料と共に、比重増加剤として使用することもできる。
キレート効果促進剤は、具体的には、鉄、チオ酸化ナトリウム、キトサン、クエン酸から成るものであり、油分や金属元素の除去、及び、これらの成分を覆うようにして取り込むキレート効果により、これらの成分の水分への再溶出化を防止して、被処理水中から、これらの従来の凝集剤では処理することができなかった成分を除去するものである。
具体的には、このキレート効果促進剤は、被処理水中に含まれる油分と金属元素に対する高い吸着能力を有するキトサンと鉄粉により油分や金属元素をクエン酸に反応させて吸着させ、チオ硫酸ナトリウムによる解毒作用を促し、油分や重金属類元素、一部のハロゲンやメタロイドを除去することができると共に、更に酸化物となった金属元素等が塩基製酸化物となり、イオン製の強い共有結合性を持って化学的に安定して、これらの元素を覆うように取り込むため、再度溶出することがなく、これらの油分や重金属、ハロゲン元素のフッ素やメタロイド元素のホウ素等の、従来の凝集剤では処理することができなかった成分を、凝集処理のみで除去することができる。
以上より、本発明の凝集剤は、成分としては、硫酸アルミニウムと硫酸カルシウムと炭酸ナトリウムとから成る主剤に、セメント粉と、フェライト粉と、鉄、チオ酸化ナトリウム、キトサン、クエン酸の粉末から成るキレート効果促進剤とを添加混合して成るものとして実施することが最良の形態ということができる。
そこで次に、これらの好ましい成分割合について述べると、硫酸アルミニウムを20〜50重量部(凝集剤全体に対する重量部:本発明のいずれの場合においても同様)、硫酸カルシウムを10〜40重量部、炭酸ナトリウムを5〜20重量部配合して成る主剤に、セメント粉を5〜20重量部、フェライト粉等の磁性材料粉末を5〜10重量部、鉄粉を5〜20重量部、チオ酸化ナトリウムを5〜20重量部、キトサンを1〜10重量部、クエン酸を5〜20重量部配合して調整することができる。
この場合、特に、凝集作用の中心となる硫酸アルミニウムにつき、上記配合割合としたのは、硫酸アルミニウムを20重量部以下とすると凝集力が低下する一方、50重量部を超えると被処理水が白濁することが確認されたためである。
この場合、上記各成分の公用を適切に発揮させるためには、上記各成分を均一に分散させて混合することが望ましい。また、実際の製造に際しては、硫酸アルミニウムと硫酸カルシウムと炭酸ナトリウムとから成る主剤を生成した後、これにセメント粉と、フェライト粉と、キレート効果促進剤を添加して混合することにより、本発明の凝集剤を生成することができるが、全ての成分を同時に混合して生成することもできる。
次に本発明に含まれる各種成分の効能を確認するためのいくつかの実施例について説明する。具体的には、4種類の凝集剤を設定し、粒径がシルト質1,000ppmの溶液1リットル(被処理水)に対して、これらの凝集剤をそれぞれ20ppm添加して、フロックの凝集作用を確認した。これらの凝集剤としては、本発明の実施例と、その効用を確認するための比較例を設定した。具体的には、比較例1として硫酸アルミニウムのみから成る凝集剤(A剤)を、比較例2として硫酸アルミニウムに硫酸カルシウムと炭酸ナトリウムとを混合した凝集剤(B剤:本発明における主剤に相当)を、本発明の実施例1として上記B剤(本発明の主剤)にセメント粉末を添加した凝集剤(C剤)を、本発明の実施例2として、上記C剤に更に磁性材料としてのフェライト粉末を添加した凝集剤(D剤)を設定した。
この場合、実施例2であるD剤は、硫酸アルミニウム40重量部、硫酸カルシウム30重量部、炭酸ナトリウム10重量部、セメント粉末10重量部、フェライト粉末10重量部の成分割合で、これらを均一に分散させて混合することにより生成した。
その上で、これらの4つの例を上記被処理水に添加して、凝集により発生したフロックの状態(直径)と、凝集後の上澄み水の清澄度とを確認して評価した。その結果を、次の表1に示す。
Figure 2005095880
この表1から解るように、硫酸アルミニウムのみから成る凝集剤(A剤)では、凝集効果そのものは認められるものの、生成されたフロックは非常に微細で、フロックを充分に巨大化することができないことが確認できた。また、上澄み水にも、微粒子が浮遊しており、充分な沈降スピードや強固な凝集力は得ることができないことが確認できた。
この点、比較例1であるA剤に硫酸カルシウムと炭酸ナトリウムをも加えた比較例2のB剤(本発明の主剤に相当)では、A剤に比べ、フロックの径が大きく、凝集力が高いことが判明した。このことから、硫酸アルミニウムに、硫酸カルシウムと炭酸ナトリウムを加えることにより、凝集力を高めることができることを確認できた。これは、硫酸アルミニウムの電位に対して硫酸カルシウムと炭酸ナトリウムが大幅な電位差をもって対峙するため、塩基と酸又は数値的に離れた電位を持つ物質同士の衝突によって発生するコアギュレーション効果によって強固な凝集力を発生することができたものと考えられる。但し、上澄み水には、若干ではあるが未だ浮遊微粒子が確認されたため、比較例2であるB剤では、発生するフロックの比重が小さく、沈降スピードについては充分な結果を得られないことも確認できた。
そこで、次に本発明の実施例1であるC剤に着目すると、B剤に比べて、フロックの状態及び上澄み水の清澄度とも良好であった。これは、セメントが、フロックの核を形成して、強固なフロックとすると同時にフロックの比重を高めて、沈降スピードを促進させた結果であると考えられる。このことから、pH調整剤としてのセメント粉末は、比重増加剤としての機能をも兼任することができ、必ずしも、比重増加剤として他の磁性材料を添加することなく、B剤に更にpH調整剤及び比重増加剤としての機能を兼任するセメント粉末を添加することでも、ある程度満足できる良好な結果が得られることが判明した。
更に、C剤に比重増加剤としての磁性材料であるフェライト粉末を添加した実施例2であるD剤について実験結果を確認したところ、フロックが充分に大きく、強固な凝集力でフロックを巨大化することができる他と同時に、フロックの比重がより一層高まり上澄み水の清澄度もC剤に比べて格段に向上し、非常に良好な結果を得ることが確認できた。このことから、本発明によれば、充分な凝集力や沈降スピードを得ることができ、特に、この実施例2であるD剤が凝集力や沈降スピードを高める上で、最適な実施例ということができる。
本発明は、多種多様な水の浄化処理、具体的には、食品加工工場、金属加工工場、メッキ工場、化学工場等の各種工場から排出される産業廃水は勿論のこと、トンネル廃水、掘削、杭打ち、採石等の土木工事に伴う排水や、漁業洗浄、魚加工、養豚場、養鶏場等の推算、畜産に伴う排水の浄化処理に適用することができるほか、更には、環境に影響を与えないため、河川、湖沼等の水質浄化等に適用して、環境保全に役立たせることもできる。

Claims (10)

  1. 硫酸アルミニウムと硫酸カルシウムと炭酸ナトリウムとから成る主剤に、pH調整剤と、比重増加剤とを混合して成る汚濁水又は汚染水浄化処理用凝集剤。
  2. 硫酸アルミニウムと硫酸カルシウムと炭酸ナトリウムとから成る主剤に、pH調整剤と、比重増加剤と、キレート効果促進剤とを混合して成る汚濁水又は汚染水浄化処理用凝集剤。
  3. 請求項1又は請求項2のいずれかに記載された汚濁水又は汚染水浄化用凝集剤であって、前記pH調整剤は、被処理水のpH値を中和することを特徴とする汚濁水又は汚染水浄化処理用凝集剤。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載された汚濁水又は汚染水浄化用凝集剤であって、前記pH調整剤は、セメントであることを特徴とする汚濁水又は汚染水浄化処理用凝集剤。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載された汚濁水又は汚染水浄化用凝集剤であって、前記比重増加剤は、セメント、磁性材料のいずれか一方又は双方であることを特徴とする汚濁水又は汚染水浄化処理用凝集剤。
  6. 請求項5に記載された汚濁水又は汚染水浄化用凝集剤であって、前記磁性材料は、フェライトであることを特徴とする汚濁水又は汚染水浄化処理用凝集剤。
  7. 請求項2乃至請求項6のいずれかに記載された汚濁水又は汚染水浄化用凝集剤であって、前記キレート効果促進剤は、鉄、チオ酸化ナトリウム、キトサン、クエン酸から成ることを特徴とする汚濁水又は汚染水浄化処理用凝集剤。
  8. 硫酸アルミニウムと硫酸カルシウムと炭酸ナトリウムとから成る主剤に、セメント粉と、フェライト粉と、鉄、チオ酸化ナトリウム、キトサン、クエン酸の粉末から成るキレート効果促進剤とを添加混合して成ることを特徴とする汚濁水又は汚染水浄化処理用凝集剤。
  9. 硫酸アルミニウムを20〜50重量部、硫酸カルシウムを10〜40重量部、炭酸ナトリウムを5〜20重量部配合して成る主剤に、セメント粉を5〜20重量部、フェライト粉等の磁性材料粉末を5〜10重量部、鉄粉を5〜20重量部、チオ酸化ナトリウムを5〜20重量部、キトサンを1〜10重量部、クエン酸を5〜20重量部配合して成ることを特徴とする汚濁水又は汚染水浄化処理用凝集剤。
  10. 請求項9に記載された汚濁水又は汚染水浄化処理用凝集剤であって、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、炭酸ナトリウム、セメント粉、フェライト粉等の磁性材料粉末、鉄粉、チオ酸化ナトリウム、キトサン、クエン酸を均一に分散させて混合することを特徴とする汚濁水又は汚染水浄化処理用凝集剤。
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