JP2005095025A - マルチプレックスpcr用プライマーパネル、それを用いるマルチプレックスpcr法、及び遺伝子解析方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 染色体上の特定の領域をPCR増幅し得るプライマー対であって、プライマー対のいずれか一方は、特定の領域の一方の端と相補的であり、プライマー対のいずれか他方は、前記配列の他方の端と相補的であり、プライマーはそれぞれ鎖長が15〜25bp、GC含有率が30〜60%、Tm値が52〜72、及び3´末端がG又はCであるプライマー対を含み、増幅すべき特定の領域の数が2〜20であり、前記特定の領域のうち少なくとも1つがPCR増幅の陽性対照であり、かつ、増幅によって得られるPCR産物の鎖長が50〜600bpであるように設計された、マルチプレックスPCR用プライマーパネル。
【選択図】 図2
Description
染色体上の特定の領域をPCR増幅するオリゴヌクレオチドプライマー対であって、前記オリゴヌクレオチドプライマー対のいずれか一方のオリゴヌクレオチドプライマーは、前記特定の領域が有する配列の一方の端と相補的な配列を有し、前記オリゴヌクレオチドプライマー対のいずれか他方のオリゴヌクレオチドプライマーは、前記配列の他方の端と相補的な配列を有し、前記オリゴヌクレオチドプライマーはそれぞれ鎖長が15〜25bp、GC含有率が30〜60%、式:Tm=[2℃×(A+T)+4℃×(C+G)](式中、Aはアデニンの数、Tはチミンの数、Cはシトシンの数、Gはグアニンの数を表す。)
で計算されるTm値が52〜72、かつ3´末端がG又はCであるオリゴヌクレオチドプライマー対を含み、
増幅すべき前記特定の領域の数が2〜20であり、前記特定の領域のうち少なくとも1つがPCR増幅の陽性対照であり、かつ、増幅によって得られる前記特定の領域の配列を有するPCR産物の鎖長が50〜600bpであるように設計された、マルチプレックスPCR用プライマーパネルである。
本発明は、前記オリゴヌクレオチドプライマー対のうち少なくとも片方のオリゴヌクレオチドプライマーが標識されている、前記のマルチプレックスPCR用プライマーパネルである。
本発明は、前記標識が蛍光標識、化学発光標識又はアイソトープ標識である、前記のマルチプレックスPCR用プライマーパネルである。
本発明は、前記特定の領域が存在する染色体の長腕側又は短腕側の一方の端に近い領域に対応するPCR産物の鎖長よりも、他方の端に近い領域に対応するPCR産物の鎖長の方が常に大きくなるように設定された、前記のマルチプレックスPCR用プライマーパネルである。
本発明は、前記電気泳動がマイクロキャピラリー電気泳動である、前記の遺伝子解析方法である。
本発明は、前記電気泳動においてオートローダシステムが用いられる、前記の遺伝子解析方法である。
1.オリゴヌクレオチドプライマーの鎖長が15〜25bpであること、
2.オリゴヌクレオチドプライマーのGC含有率が30〜60%であること、
3.オリゴヌクレオチドプライマーの融解温度(Tm値)が52〜72であること、
4.オリゴヌクレオチドプライマーの3´末端がG又はCであること、
5.増幅すべき前記特定の領域の数が2〜20となるように設計されていること、
6.前記特定の領域のうち少なくとも1つがPCR増幅の陽性対照となるように設計されていること、
7.増幅によって得られるPCR産物の鎖長が50〜600bpとなるように設計されていること
の7つの要件を同時に満たす。
本発明のオリゴヌクレオチドプライマーは、以下の要件を満たすように設計される。
Tm=[2℃×(A+T)+4℃×(C+G)]
(式中、Aはアデニン、Tはチミン、Cはシトシン、Gはグアニンの、配列中のそれぞれの数を表す。)
で計算される。上記Tm値より小さいと増幅効率が悪くなり、上記Tm値より大きいと非特異的増幅が起こりやすくなる。1個のプライマー対においては、Tm値は互いに同じくらいになるようにする。例えば、2bp以下の差に収まる様にTm値を設定することが好ましい。
無精子症男性患者1、無精子症男性患者2、無精子症男性患者3、正常妊性男性、及び正常女性の5検体についてY染色体欠失の検出を行った。
5検体からヒト末梢血の全血200μlを採取し、DNA抽出用キット(QIAamp DNA Blood Mini Kit;キアゲン社製)を使用して、ゲノムDNAを抽出した。
本実施例で用いたPCR反応溶液の組成を表1に示す。表1の反応溶液は、全量が20μlになるまで滅菌蒸留水を加えて調製しており、最終濃度は、反応溶液調製後の濃度を表す。
反応条件は、最初の変性反応のみ94℃で10分間行い、その後は、変性反応が94℃で30秒間、アニーリングが56℃で1分間、及び伸長反応が72℃で1分間のサイクルを30サイクル繰り返し、最後に、72℃で10分間の伸長反応を行った。
泳動操作は、以下の手順で行った。
1.マイクロチップへ泳動バッファの充填
なお、泳動バッファには、2%HEC(ヒドロキシエチルセルロース)、5×TBE(トリス−ホウ酸−EDTA)の組成のものを用いた。
2.ポート1の泳動バッファの吸引
3.ポート1へサンプルとして得られた増幅物を注入
4.サンプルのローディング
5.セパレーション
6.データの取得
なお、染色液には30,000倍希釈SYBR Goldを用いた。
泳動プログラムを以下に示す。なお、分離時の電解強度は300V/cmである。
1:0秒 電圧設定(HV1=0.18kV、HV2=0.60kV、HV3=0.32kV、HV4=0kV)
2:15秒 電圧設定(HV1=0.18kV、HV2=0.18kV、HV3=0kV、HV4=1.11kV)
3:15.1秒 データ取得開始
4:135.1秒 電圧設定(HV1=0kV、HV2=0kV、HV3=0kV、HV4=0kV)
5:泳動プログラム終了
臨床検体として無精子症患者25名(Azo-1、Azo-2、Azo-3、Azo-4、及び他21名)、及びコントロールとして正常妊性男性と正常女性との検体を用いて、本発明のプライマーパネルを用いたマルチプレックスPCR法と、従来より行ってきたシングルPCR法とによる解析結果に差異がないか検討を行った。この結果を表4に示す。表4中、「シングル」はシングルPCR法による解析結果を表し、「マルチ」は、本発明のマルチプレックスPCR法による解析結果を表す。表4が示すように、両方法による解析結果は全て一致していた。
Claims (12)
- 染色体上の特定の領域をPCR増幅するオリゴヌクレオチドプライマー対であって、前記オリゴヌクレオチドプライマー対のいずれか一方のオリゴヌクレオチドプライマーは、前記特定の領域の一方の端からの配列と相補的な配列を有し、前記オリゴヌクレオチドプライマー対のいずれか他方のオリゴヌクレオチドプライマーは、前記特定の領域の他方の端からの配列と相補的な配列を有し、前記オリゴヌクレオチドプライマーはそれぞれ鎖長が15〜25bp、GC含有率が30〜60%、下記式:
Tm=[2℃×(A+T)+4℃×(C+G)](式中、Aはアデニンの数、Tはチミンの数、Cはシトシンの数、Gはグアニンの数を表す。)
で計算されるTm値が52〜72、かつ3´末端がG又はCであるオリゴヌクレオチドプライマー対を含み、
増幅すべき前記特定の領域の数が2〜20であり、前記特定の領域のうち少なくとも1つがPCR増幅の陽性対照であり、かつ、増幅によって得られる前記特定の領域の配列を有するPCR産物の鎖長が50〜600bpであるように設計された、マルチプレックスPCR用プライマーパネル。 - 前記PCR産物を電気泳動で分離検出するための、請求項1に記載のマルチプレックスPCR用プライマーパネル。
- 前記オリゴヌクレオチドプライマー対のうち少なくとも片方のオリゴヌクレオチドプライマーが標識されている、請求項1又は2に記載のマルチプレックスPCR用プライマーパネル。
- 前記標識が蛍光標識、化学発光標識又はアイソトープ標識である、請求項3に記載のマルチプレックスPCR用プライマーパネル。
- 前記PCR産物の各々が互いに5bp以上の鎖長の差を有するように設定された、請求項1〜4のいずれか1項に記載のマルチプレックスPCR用プライマーパネル。
- 前記特定の領域が存在する染色体の長腕側又は短腕側の一方の端により近い領域に対応するPCR産物の鎖長よりも、前記一方の端により近い領域よりも他方の端により近い領域に対応するPCR産物の鎖長の方が常に大きくなるように設定された、請求項1〜5のいずれか1項に記載のマルチプレックスPCR用プライマーパネル。
- 前記特定の領域がY染色体上に存在する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のマルチプレックスPCR用プライマーパネル。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載のマルチプレックスPCR用プライマーパネルを用いる、マルチプレックスPCR法。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載のマルチプレックスPCR用プライマーパネルを用いるマルチプレックスPCR法によって得られるPCR産物を、電気泳動によって分離検出する、遺伝子解析方法。
- 前記電気泳動がマイクロキャピラリー電気泳動である、請求項9に記載の遺伝子解析方法。
- 前記電気泳動において、オートローダシステムが用いられる、請求項9又は10に記載の遺伝子解析方法。
- 前記検出がUV吸収検出、蛍光検出、電気化学検出、電気伝導度検出、又は化学発光検出である、請求項9〜11のいずれか1項に記載の遺伝子解析方法。
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WO2018061693A1 (ja) * | 2016-09-29 | 2018-04-05 | 富士フイルム株式会社 | マルチプレックスpcrに供するプライマーの設計方法 |
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WO2023070568A1 (zh) * | 2021-10-29 | 2023-05-04 | 京东方科技集团股份有限公司 | 一种基于迭代的多重pcr引物设计方法及系统 |
WO2023127903A1 (ja) * | 2021-12-28 | 2023-07-06 | 国立大学法人北海道大学 | 始原生殖細胞が富化された胚を調製する方法 |
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