JP2005095019A - 植物栽培基体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】取り扱いが容易で、長期間にわたって基体本体上面へのカビの発生を効果的に抑制することのできる植物栽培基体とその製造方法。
【解決手段】植物栽培用の基体本体1と、基体本体1の上面に位置する被覆層1aにより形成される植物栽培基体とその製造方法で、基体本体1が、保水性を有する塊状の成形体で形成され、被覆層1aが、疎水性を有する合成樹脂層で形成されて、基体本体1と被覆層1aが一体化されている植物栽培基体と、保水性充填材を含有する親水性ウレタンプレポリマーを反応硬化させて、塊状の成形体からなる基体本体1を形成した後、基体本体1の上面側に疎水性ウレタンプレポリマーを被着し反応硬化させ、疎水性を有する被覆層1aを基体本体1と一体化させて形成する植物栽培基体の製造方法。
【選択図】 図2
【解決手段】植物栽培用の基体本体1と、基体本体1の上面に位置する被覆層1aにより形成される植物栽培基体とその製造方法で、基体本体1が、保水性を有する塊状の成形体で形成され、被覆層1aが、疎水性を有する合成樹脂層で形成されて、基体本体1と被覆層1aが一体化されている植物栽培基体と、保水性充填材を含有する親水性ウレタンプレポリマーを反応硬化させて、塊状の成形体からなる基体本体1を形成した後、基体本体1の上面側に疎水性ウレタンプレポリマーを被着し反応硬化させ、疎水性を有する被覆層1aを基体本体1と一体化させて形成する植物栽培基体の製造方法。
【選択図】 図2
Description
本発明は、植物栽培用の基体本体と、その基体本体の上面に位置する被覆層により形成されている植物栽培基体およびその製造方法に関する。
このような植物栽培基体としては、従来、親水性素材を主成分とする多数の粒状体により基体本体としてのウエット層を形成し、さらに、シリコーンなどの撥水性物質で表面をコーティングした多数の粒状体により被覆層としてのドライ層を形成して、そのドライ層をウエット層の上面に位置させた2層構造の植物栽培基体が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献によれば、人工培土としてセルロース球状粒子体などからなるウエット層が保水性や通気性などを備えているため、そのウエット層が植物の枯死を防止するとともに、セルロース球状粒子体などにシリコーンなどをコーティングしたドライ層が撥水性を備えているため、そのドライ層が乾燥状態に維持されて、植物栽培基体上面への雑菌の発生が抑制されるとしている。
しかしながら、この特許文献に開示の植物栽培基体では、ウエット層もドライ層も、共に多数の粒状体により形成されているので、例えば、栽培中の植物を他の植木鉢に植え替えるような場合、粒状体がばらばらになるなど、その取り扱いに煩わしさを伴うという欠点がある。
それに加えて、ドライ層を形成する多数の粒状体は、その表面にシリコーンなどの撥水性物質がコーティングされたものであるから、たとえ少しずつであっても水やりのたびに撥水性物質が徐々に流失し、比較的短期間のうちに撥水効果が低減して雑菌(カビ)が発生するという欠点がある。
さらに、粒状体ゆえに、ウエット層がドライ層の上に入れ替わるなどして、植物栽培基体の上面が乾燥状態に維持され難く、長期間にわたって上面を乾燥状態に維持するのは極めて困難である。
それに加えて、ドライ層を形成する多数の粒状体は、その表面にシリコーンなどの撥水性物質がコーティングされたものであるから、たとえ少しずつであっても水やりのたびに撥水性物質が徐々に流失し、比較的短期間のうちに撥水効果が低減して雑菌(カビ)が発生するという欠点がある。
さらに、粒状体ゆえに、ウエット層がドライ層の上に入れ替わるなどして、植物栽培基体の上面が乾燥状態に維持され難く、長期間にわたって上面を乾燥状態に維持するのは極めて困難である。
本発明は、このような従来の欠点を解消するもので、その目的は、取り扱いが容易で、しかも、長期間にわたって基体本体上面へのカビの発生を効果的に抑制することのできる植物栽培基体とその製造方法を提供することにある。
本発明の第1の特徴構成は、植物栽培用の基体本体と、その基体本体の上面に位置する被覆層により形成されている植物栽培基体であって、前記基体本体が、保水性を有する塊状の成形体で形成され、前記被覆層が、疎水性を有する合成樹脂層で形成されていて、前記基体本体と被覆層が一体化されているところにある。
本発明の第1の特徴構成によれば、植物栽培用の基体本体が、保水性を有する塊状の成形体で形成されているので、植物の枯死を防止して良好な栽培を行うことができるのは勿論のこと、基体本体が塊状の成形体であるため、その取り扱いもきわめて容易である。
そして、その基体本体の上面に位置する被覆層が、疎水性を有する合成樹脂層で形成されているので、疎水性物質の流失がきわめて少なく、比較的長期間にわたって疎水性を維持して、基体本体上面におけるカビの発生や繁殖を効果的に抑制することができ、さらに、その被覆層が基体本体と一体化されているので、植物栽培基体の取り扱いは容易となる。
そして、その基体本体の上面に位置する被覆層が、疎水性を有する合成樹脂層で形成されているので、疎水性物質の流失がきわめて少なく、比較的長期間にわたって疎水性を維持して、基体本体上面におけるカビの発生や繁殖を効果的に抑制することができ、さらに、その被覆層が基体本体と一体化されているので、植物栽培基体の取り扱いは容易となる。
本発明の第2の特徴構成は、上述の植物栽培基体において、前記基体本体が、保水性充填材を含有するポリウレタン成形体、発泡合成樹脂、ロックウールのいずれか1つからなるところにある。
本発明の第2の特徴構成によれば、基体本体が、保水性充填材を含有するポリウレタン成形体、発泡合成樹脂、ロックウールのいずれか1つからなるので、これらは保水性を有する塊状の成形体のなかでも、植物の栽培に必要な保水性はもちろん、保形性や柔軟性を確保しやすく、良好な植物の栽培が簡単に行える。
なお、発泡合成樹脂としては、例えば、ポリイソシアヌレートフォームやフェノールフォームを挙げることができる。
なお、発泡合成樹脂としては、例えば、ポリイソシアヌレートフォームやフェノールフォームを挙げることができる。
本発明の第3の特徴構成は、上述の植物栽培基体において、前記被覆層を形成する疎水性を有する合成樹脂層が、疎水性ポリウレタン樹脂層であるところにある。
本発明の第3の特徴構成によれば、基体本体への被覆層を形成する疎水性を有する合成樹脂層が、疎水性ポリウレタン樹脂層であるので、適切なポリオールとイソシアネートを自由に選択することにより、所望の疎水性を容易に付与することができ、なおかつ、その疎水性を長期間にわたって維持して、基体本体上面でのカビの発生や繁殖を確実に抑制することができる。
本発明の第4の特徴構成は、上述の植物栽培基体において、前記被覆層が、顔料により着色されているところにある。
本発明の第4の特徴構成によれば、被覆層が、顔料により着色されているので、顔料を適宜選択することによって、上面がいろいろな色で着色された植物栽培基体を提供することができ、使用者側からすれば、例えば、室内で植物の栽培を楽しむような場合、周囲の家具の色に合わせて好みの色のものを選択使用することができる。
本発明の第5の特徴構成は、上述の植物栽培基体において、前記被覆層を形成する疎水性を有する合成樹脂層を上にして、前記基体本体の下面側から吸水させた場合、モルタル乾燥度計による前記基体本体の測定水分値を100として、前記合成樹脂層の測定水分値が50以下であるところにある。
本発明の第5の特徴構成によれば、被覆層を形成する疎水性を有する合成樹脂層を上にして、基体本体の下面側から吸水させた場合、モルタル乾燥度計による基体本体の測定水分値を100として、合成樹脂層の測定水分値が50以下であるので、後述する実験結果から明らかなように、被覆層を形成する合成樹脂層表面におけるカビの生育はほとんど皆無で、カビ育成の抑制効果がきわめて顕著となる。
本発明の第6の特徴構成は、植物栽培用の基体本体と、その基体本体の上面に位置する被覆層により形成されている植物栽培基体の製造方法であって、保水性充填材を含有する親水性ウレタンプレポリマーを反応硬化させて、塊状の成形体からなる前記基体本体を形成し、その後、その基体本体の上面側に疎水性ウレタンプレポリマーを被着し反応硬化させて、疎水性を有する前記被覆層を基体本体と一体化させて形成するところにある。
本発明の第6の特徴構成によれば、塊状の成形体からなる基体本体を製造するに際し、保水性充填材を含有する親水性ウレタンプレポリマーを反応硬化させて形成するので、植物の栽培に必要な保水性、保形性、柔軟性などを兼ね備えた基体本体を容易に製造することができる。
そして、基体本体上面の被覆層に関しては、基体本体を形成した後、その基体本体の上面側に疎水性ウレタンプレポリマーを被着し反応硬化させて形成するので、被覆層と基体本体とは強固に一体化されるとともに、必要な疎水性を備え、かつ、基体本体の上面を覆う状態で容易、確実に製造することができる。
そして、基体本体上面の被覆層に関しては、基体本体を形成した後、その基体本体の上面側に疎水性ウレタンプレポリマーを被着し反応硬化させて形成するので、被覆層と基体本体とは強固に一体化されるとともに、必要な疎水性を備え、かつ、基体本体の上面を覆う状態で容易、確実に製造することができる。
本発明の第7の特徴構成は、上述の植物栽培基体の製造方法において、前記基体本体の上面側を前記疎水性ウレタンプレポリマーに浸して被着させるところにある。
本発明の第7の特徴構成によれば、基体本体の上面側を疎水性ウレタンプレポリマーに浸して被着させるので、いわゆる「ディッピング法」により被覆層を確実に製造することができ、さらに、その浸し量を調整することによって被覆量を自由に設定することもできる。
本発明の第8の特徴構成は、上述の植物栽培基体の製造方法において、前記基体本体の上面側に前記疎水性ウレタンプレポリマーを散布して被着させるところにある。
本発明の第8の特徴構成によれば、基体本体の上面側に疎水性ウレタンプレポリマーを散布して被着させるので、いわゆる「スプレー法」により被覆層を確実に製造することができ、スプレー時間などの調整によって被覆量も自由に設定することができる。
本発明の第9の特徴構成は、上述の植物栽培基体の製造方法において、前記疎水性ウレタンプレポリマーに顔料を混入して前記基体本体に被着させるところにある。
本発明の第9の特徴構成によれば、疎水性ウレタンプレポリマーに顔料を混入して基体本体に被着させるので、上述した「ディッピング法」あるいは「スプレー法」のいずれにおいても、被覆層の形成と被覆層への着色とをひとつの工程で一挙に行うことができる。
本発明による植物栽培基体およびその製造方法につき、実施の形態を図面および試験結果を参照しながら説明する。
この植物栽培基体は、例えば、植栽容器を水に浮揚させながら植栽する植栽装置に使用するもので、その浮揚式植栽装置は、図1および図2に示すように、上面に被覆層1aを有する植物栽培用の基体本体1、基体本体1を収容する植栽容器2、植栽用の水Wを貯留する貯水容器3、ならびに、植栽容器2の浮揚姿勢を維持する植栽具4などを備え、植物栽培用の基体本体1に植えた植物Pを育成するように構成されている。
この植物栽培基体は、例えば、植栽容器を水に浮揚させながら植栽する植栽装置に使用するもので、その浮揚式植栽装置は、図1および図2に示すように、上面に被覆層1aを有する植物栽培用の基体本体1、基体本体1を収容する植栽容器2、植栽用の水Wを貯留する貯水容器3、ならびに、植栽容器2の浮揚姿勢を維持する植栽具4などを備え、植物栽培用の基体本体1に植えた植物Pを育成するように構成されている。
植栽容器2は、貯留水Wに浮揚するように、例えば、水よりも小さな比重を有する樹脂により有底の円筒状に形成され、その底部には浸水孔2aが設けられている。
植栽具4は、植物Pが成長して重心が上方へ移動しても、植栽容器2の姿勢を維持して植物Pの転倒を防止するためのもので、その上端縁には、斜め上方へ突出して貯水容器3の開口縁に係止する合計4つの姿勢維持用の係止部4aが突設され、その周部と底部には、水Wの通流を許容する通水孔4bが設けられていて、係止部4aのひとつには、チェン5を介して植物Pの名前などを表示する表示具6が取り付けられている。
植栽具4は、植物Pが成長して重心が上方へ移動しても、植栽容器2の姿勢を維持して植物Pの転倒を防止するためのもので、その上端縁には、斜め上方へ突出して貯水容器3の開口縁に係止する合計4つの姿勢維持用の係止部4aが突設され、その周部と底部には、水Wの通流を許容する通水孔4bが設けられていて、係止部4aのひとつには、チェン5を介して植物Pの名前などを表示する表示具6が取り付けられている。
この浮揚式の植栽装置によれば、貯留水Wに植栽容器2を浮揚させることにより、貯留水Wが浸水孔2aを介して保水性を有する基体本体1に供給され、基体本体1に植えた植物Pの成長を促進し、植物Pが成長すると、その成長に伴って貯留水Wに対する植栽容器2の沈下量が大きくなり、より多量の水Wを基体本体1に供給し、植物Pの成長に見合った量の水Wを供給して植物Pを育成するように構成されている。
そして、植栽具4が水Wに浮揚する植栽容器2の姿勢を維持しているので、植物Pが成長して重心が上方へ移動しても、植栽容器2の浮揚姿勢は安定よく維持されて、植物Pの転倒が防止され、さらに、基体本体1上面は、疎水性を有する被覆層1aによって覆われているので、基体本体1上面へのカビの発生や繁殖が抑制される。
そして、植栽具4が水Wに浮揚する植栽容器2の姿勢を維持しているので、植物Pが成長して重心が上方へ移動しても、植栽容器2の浮揚姿勢は安定よく維持されて、植物Pの転倒が防止され、さらに、基体本体1上面は、疎水性を有する被覆層1aによって覆われているので、基体本体1上面へのカビの発生や繁殖が抑制される。
植物栽培用の基体本体1は、保水性充填材、水、および、親水性ウレタンプレポリマーを含む懸濁液を反応硬化させて形成され、その結果、保水性充填材を含有する塊状のポリウレタン成形体として形成される。
その懸濁液には、基体本体1の硬さを軽減し、かつ、保形性や吸水性を向上させるためにポリオールも含まれていて、例えば、保水性充填材が20〜60重量%程度含まれたポリウレタン成形体に形成される。
その懸濁液には、基体本体1の硬さを軽減し、かつ、保形性や吸水性を向上させるためにポリオールも含まれていて、例えば、保水性充填材が20〜60重量%程度含まれたポリウレタン成形体に形成される。
親水性ウレタンプレポリマーは、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーで、各種のイソシアネート化合物とポリオールを反応させて得られる化合物である。
イソシアネート化合物としては、粘度による取り扱いの観点から、トルエンジイソシアネートが好ましく、ポリオールとしては、親水性を高めるために、比較的エチレンオキサイドの含有量の多いものが好ましく、2種以上のものを選択し混合して使用することもできる。なかでも、より親水性を高めるために、エステル基を含有するポリオールが最も好ましい。
イソシアネート化合物としては、粘度による取り扱いの観点から、トルエンジイソシアネートが好ましく、ポリオールとしては、親水性を高めるために、比較的エチレンオキサイドの含有量の多いものが好ましく、2種以上のものを選択し混合して使用することもできる。なかでも、より親水性を高めるために、エステル基を含有するポリオールが最も好ましい。
保水性充填材は、植物Pの根が吸収しやすい状態で水分を保有できるものであれば使用可能であり、例えば、ピートモス、ココピート、オガクズ、ヤシガラ、モミガラ、モミガラ堆肥、バーク堆肥、水苔、コーヒーの搾りカスなどのような植物性繊維質からなるものや、ロックウール、パーライト、バーミキュライトのような無機質、あるいは、親水性発泡樹脂粉砕物の中から選ばれたひとつまたは複数の充填材を使用することができる。
これら保水性充填材の中でも、優れた保水性を備え、嵩密度も比較的小さく、分散性がよくて発泡させた際に均一な組織を得やすく、しかも、入手容易な点からして、ピートモス、ココピート、オガクズ、ヤシガラ、モミガラ、モミガラ堆肥、パーライト、バーミキュライト、親水性発泡樹脂粉砕物の中から選ばれたひとつまたは複数の充填材を使用するのが好ましい。
これら保水性充填材の中でも、優れた保水性を備え、嵩密度も比較的小さく、分散性がよくて発泡させた際に均一な組織を得やすく、しかも、入手容易な点からして、ピートモス、ココピート、オガクズ、ヤシガラ、モミガラ、モミガラ堆肥、パーライト、バーミキュライト、親水性発泡樹脂粉砕物の中から選ばれたひとつまたは複数の充填材を使用するのが好ましい。
基体本体1を製造するには、例えば、下記の第1〜第3の方法がある。
(第1の方法)
親水性ウレタンプレポリマーを水に分散させた後、保水性充填材とポリオールを混合して硬化させる方法。
(第2の方法)
保水性充填材と親水性ウレタンプレポリマーとを攪拌混合した後、水とポリオールを混合して硬化させる方法。
(第3の方法)
保水性充填材と水とを混合攪拌して懸濁液を作製し、その懸濁液に親水性ウレタンプレポリマーとポリオールを混合して硬化させる方法。
(第1の方法)
親水性ウレタンプレポリマーを水に分散させた後、保水性充填材とポリオールを混合して硬化させる方法。
(第2の方法)
保水性充填材と親水性ウレタンプレポリマーとを攪拌混合した後、水とポリオールを混合して硬化させる方法。
(第3の方法)
保水性充填材と水とを混合攪拌して懸濁液を作製し、その懸濁液に親水性ウレタンプレポリマーとポリオールを混合して硬化させる方法。
これら第1〜第3のいずれの方法においても、最終的には、「スラブ方式」または「モールド方式」によって硬化させて基体本体1を製造することになる。
スラブ方式は、幅広で厚板状に長く連続した状態に反応、硬化させる方法で、硬化後において所定の形状に裁断して植物栽培基体を作製することになる。
モールド方式は、下型のみの基体成形用型、または、下型と上型からなる基体成形用型を使用してその型内で反応、硬化させる方法で、硬化後に裁断する必要がほとんどなく、また、裁断時にその裁断面から保水性充填材が崩れ落ちるおそれもないため、スラブ方式に比べて有利である。
スラブ方式は、幅広で厚板状に長く連続した状態に反応、硬化させる方法で、硬化後において所定の形状に裁断して植物栽培基体を作製することになる。
モールド方式は、下型のみの基体成形用型、または、下型と上型からなる基体成形用型を使用してその型内で反応、硬化させる方法で、硬化後に裁断する必要がほとんどなく、また、裁断時にその裁断面から保水性充填材が崩れ落ちるおそれもないため、スラブ方式に比べて有利である。
このようにして、保水性充填材を含有するポリウレタン成形体からなる基体本体1を製造した後、基体本体1の上面側に疎水性ウレタンプレポリマーを被着させ、かつ、反応硬化させて、疎水性を有する合成樹脂層としてのポリウレタン層からなる被覆層1aを基体本体1と一体化させて形成する。
その疎水性ウレタンプレポリマーとしては、例えば、グリセリンにプロピレンオキサイドをランダム付加重合させたポリオールとイソシアネートとを反応させて製造したウレタンプレポリマーが使用され、その疎水性ウレタンプレポリマーには、必要に応じて適当な色の顔料が混入される。
その疎水性ウレタンプレポリマーとしては、例えば、グリセリンにプロピレンオキサイドをランダム付加重合させたポリオールとイソシアネートとを反応させて製造したウレタンプレポリマーが使用され、その疎水性ウレタンプレポリマーには、必要に応じて適当な色の顔料が混入される。
前記疎水性ウレタンプレポリマーを基体本体1に被着させるには、「ディッピング法」と「スプレー法」などがある。
ディッピング法は、薄く引いた疎水性ウレタンプレポリマーに基体本体1の上面側を浸して被着させる方法である。
スプレー法は、スプレーガンを用いて疎水性ウレタンプレポリマーを基体本体1の上面側に散布して被着させる方法である。
これらいずれの方法においても、基体本体1の上面側に流動性を有する疎水性ウレタンプレポリマーを確実に被着させることができ、疎水性ウレタンプレポリマーが空気中の水分などと反応硬化することによって、基体本体1より密度の高いポリウレタン層からなる被覆層1aが、基体本体1の上面に一体化されて形成される。
ディッピング法は、薄く引いた疎水性ウレタンプレポリマーに基体本体1の上面側を浸して被着させる方法である。
スプレー法は、スプレーガンを用いて疎水性ウレタンプレポリマーを基体本体1の上面側に散布して被着させる方法である。
これらいずれの方法においても、基体本体1の上面側に流動性を有する疎水性ウレタンプレポリマーを確実に被着させることができ、疎水性ウレタンプレポリマーが空気中の水分などと反応硬化することによって、基体本体1より密度の高いポリウレタン層からなる被覆層1aが、基体本体1の上面に一体化されて形成される。
本発明による植物栽培基体につき、その効果を確認するため、カビ生育抑制試験と水分測定試験を行ったので、その結果を図3に示す。
カビ生育抑制試験は、まず、上端面が3.5cm角の矩形形状、下端面が2.5cm角の矩形形状、高さが4cmとなる截頭錐体形状の基体本体を作製し、その上面に疎水性ウレタンプレポリマーを被着させ、かつ、反応硬化させて被覆層で覆った供試用サンプルと、被覆層のない比較用サンプルとを作製した。
そして、それらのサンプルの上面に供試菌(Acremonium sp.、Fuzarium sp.、Penicillium sp.)の胞子懸濁混合液1.0mLを接種し、室温で7日間培養した後、カビの生育状態を観察した。
カビ生育抑制試験は、まず、上端面が3.5cm角の矩形形状、下端面が2.5cm角の矩形形状、高さが4cmとなる截頭錐体形状の基体本体を作製し、その上面に疎水性ウレタンプレポリマーを被着させ、かつ、反応硬化させて被覆層で覆った供試用サンプルと、被覆層のない比較用サンプルとを作製した。
そして、それらのサンプルの上面に供試菌(Acremonium sp.、Fuzarium sp.、Penicillium sp.)の胞子懸濁混合液1.0mLを接種し、室温で7日間培養した後、カビの生育状態を観察した。
図3に示したカビ生育の判定基準は下記のとおりである。
1:被覆層表面にカビの生育を全く認めない。
2:被覆層表面のカビ成育部分の面積が全面積の1/4を超えない。
3:被覆層表面のカビ成育部分の面積が全面積の1/2を超えない。
4:被覆層表面のカビ成育部分の面積が全面積の3/4を超えない。
5:被覆層表面のカビ成育部分の面積が全面積の3/4を超える。
1:被覆層表面にカビの生育を全く認めない。
2:被覆層表面のカビ成育部分の面積が全面積の1/4を超えない。
3:被覆層表面のカビ成育部分の面積が全面積の1/2を超えない。
4:被覆層表面のカビ成育部分の面積が全面積の3/4を超えない。
5:被覆層表面のカビ成育部分の面積が全面積の3/4を超える。
水分測定試験は、上記のサンプルを使用して、基体本体の上面(被覆層)の水分値を測定した。
具体的には、サンブルの下面側を下にして水深1cmに保った容器内に2時間以上静置し、下面側から吸水させた状態で、モルタル乾燥度計MT−8A・MO型((株)ケット科学研究所製)を使用してサンプルの上面における水分値を測定した。
図3に示した水分値は、被覆層のない比較用サンプルの基体本体の上面における数値を100としたときの相対値(この相対値は、上面を被覆層で覆った供試用サンプルの基体本体における数値を100としたときの相対値に置き換えることができる)であり、各サンプル数6個の平均値で示した。
具体的には、サンブルの下面側を下にして水深1cmに保った容器内に2時間以上静置し、下面側から吸水させた状態で、モルタル乾燥度計MT−8A・MO型((株)ケット科学研究所製)を使用してサンプルの上面における水分値を測定した。
図3に示した水分値は、被覆層のない比較用サンプルの基体本体の上面における数値を100としたときの相対値(この相対値は、上面を被覆層で覆った供試用サンプルの基体本体における数値を100としたときの相対値に置き換えることができる)であり、各サンプル数6個の平均値で示した。
なお、サンプルの基体本体の作製には、下記のものを使用した。
保水性充填材:乾燥ピートモス(三省物産(株)製の商品名ツールブソン(細粒))
親水性ウレタンプレポリマー:グリセリンにエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを60/40の割合でランダム付加重合させた分子量約3400のポリオール((株)三井武田ケミカル製の商品名EP−505S)1000gとイソシアネート(日本ポリウレタン工業(株)製の商品名T−80)525gとを4つ口フラスコ内にて窒素気流下、80±2℃で2時間反応させて、イソシアネート基(NCO)が11〜13%の親水性ウレタンプレポリマーを得た。
ポリエステル系ポリオール:ポリエステル変性ポリエーテルポリオールとポリエーテルポリオールとの混合物((株)三井武田ケミカル製の商品名アクトコール3p56b)
ポリエーテル系ポリオール:(株)三井武田ケミカル製の商品名MN3050S
保水性充填材:乾燥ピートモス(三省物産(株)製の商品名ツールブソン(細粒))
親水性ウレタンプレポリマー:グリセリンにエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを60/40の割合でランダム付加重合させた分子量約3400のポリオール((株)三井武田ケミカル製の商品名EP−505S)1000gとイソシアネート(日本ポリウレタン工業(株)製の商品名T−80)525gとを4つ口フラスコ内にて窒素気流下、80±2℃で2時間反応させて、イソシアネート基(NCO)が11〜13%の親水性ウレタンプレポリマーを得た。
ポリエステル系ポリオール:ポリエステル変性ポリエーテルポリオールとポリエーテルポリオールとの混合物((株)三井武田ケミカル製の商品名アクトコール3p56b)
ポリエーテル系ポリオール:(株)三井武田ケミカル製の商品名MN3050S
また、サンプルの被覆層の作製には、下記のものを使用した。
疎水性ウレタンプレポリマー:グリセリンにプロピレンオキサイドをランダム付加重合させた分子量約600のポリオールHS700N((株)三井武田ケミカル製)290gと、イソシアネートT−80(日本ポリウレタン工業(株)製)80gとを4つ口フラスコ内にて窒素気流下において80±2℃で2時間反応させて得られた生成物370gと、グリセリンにプロピレンオキサイドをランダム付加重合させた分子量約3000のポリオールMN3050S((株)三井武田ケミカル製)600gと、イソシアネートT−80(日本ポリウレタン工業(株)製)260gとを4つ口フラスコ内にて窒素気流下において80±2℃で2時間反応させて、イソシアネート基含有率(NCO%)が16〜18%の疎水性ウレタンプレポリマーを得た。
また、上記の疎水性ウレタンプレポリマー100重量部に対して、顔料としてUE13234(大日本インキ化学工業(株)製)6重量部とUE2981(大日本インキ化学工業(株)製)9重量部とを攪拌混合して、被覆層用着色プレポリマーを得た。
疎水性ウレタンプレポリマー:グリセリンにプロピレンオキサイドをランダム付加重合させた分子量約600のポリオールHS700N((株)三井武田ケミカル製)290gと、イソシアネートT−80(日本ポリウレタン工業(株)製)80gとを4つ口フラスコ内にて窒素気流下において80±2℃で2時間反応させて得られた生成物370gと、グリセリンにプロピレンオキサイドをランダム付加重合させた分子量約3000のポリオールMN3050S((株)三井武田ケミカル製)600gと、イソシアネートT−80(日本ポリウレタン工業(株)製)260gとを4つ口フラスコ内にて窒素気流下において80±2℃で2時間反応させて、イソシアネート基含有率(NCO%)が16〜18%の疎水性ウレタンプレポリマーを得た。
また、上記の疎水性ウレタンプレポリマー100重量部に対して、顔料としてUE13234(大日本インキ化学工業(株)製)6重量部とUE2981(大日本インキ化学工業(株)製)9重量部とを攪拌混合して、被覆層用着色プレポリマーを得た。
図3において、サンプルNo.1〜9は、基体本体上面への疎水性ウレタンプレポリマーの被着量を順次増やしながら、その上面水分値を測定したものであり、この試験結果から、つぎのことが確認できる。
基体本体の上面に疎水性ウレタンプレポリマーの反応硬化による被覆層を備えた植物栽培基体は、被覆層を備えていないものと比較して、その全サンプルにおいて上面の水分値の低減が認められ、かつ、カビ育成の抑制効果があることが確認できる。
特に、被覆層を備えていないものの上面水分値を100としたときの相対値が50以下の場合には、カビ育成の抑制効果が顕著であることが認められる。
基体本体の上面に疎水性ウレタンプレポリマーの反応硬化による被覆層を備えた植物栽培基体は、被覆層を備えていないものと比較して、その全サンプルにおいて上面の水分値の低減が認められ、かつ、カビ育成の抑制効果があることが確認できる。
特に、被覆層を備えていないものの上面水分値を100としたときの相対値が50以下の場合には、カビ育成の抑制効果が顕著であることが認められる。
1 基体本体
1a 被覆層
1a 被覆層
Claims (9)
- 植物栽培用の基体本体と、その基体本体の上面に位置する被覆層により形成されている植物栽培基体であって、
前記基体本体が、保水性を有する塊状の成形体で形成され、前記被覆層が、疎水性を有する合成樹脂層で形成されていて、前記基体本体と被覆層が一体化されている植物栽培基体。 - 前記基体本体が、保水性充填材を含有するポリウレタン成形体、発泡合成樹脂、ロックウールのいずれか1つからなる請求項1に記載の植物栽培基体。
- 前記被覆層を形成する疎水性を有する合成樹脂層が、疎水性ポリウレタン樹脂層である請求項1または2に記載の植物栽培基体。
- 前記被覆層が、顔料により着色されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の植物栽培基体。
- 前記被覆層を形成する疎水性を有する合成樹脂層を上にして、前記基体本体の下面側から吸水させた場合、モルタル乾燥度計による前記基体本体の測定水分値を100として、前記合成樹脂層の測定水分値が50以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の植物栽培基体。
- 植物栽培用の基体本体と、その基体本体の上面に位置する被覆層により形成されている植物栽培基体の製造方法であって、
保水性充填材を含有する親水性ウレタンプレポリマーを反応硬化させて、塊状の成形体からなる前記基体本体を形成し、その後、その基体本体の上面側に疎水性ウレタンプレポリマーを被着し反応硬化させて、疎水性を有する前記被覆層を基体本体と一体化させて形成する植物栽培基体の製造方法。 - 前記基体本体の上面側を前記疎水性ウレタンプレポリマーに浸して被着させる請求項6に記載の植物栽培基体の製造方法。
- 前記基体本体の上面側に前記疎水性ウレタンプレポリマーを散布して被着させる請求項6に記載の植物栽培基体の製造方法。
- 前記疎水性ウレタンプレポリマーに顔料を混入して前記基体本体に被着させる請求項6〜8のいずれか1項に記載の植物栽培基体の製造方法。
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CN102232328A (zh) * | 2010-04-30 | 2011-11-09 | 北京仁创科技集团有限公司 | 一种改良盐碱地的方法及盐碱地的种植方法 |
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CN102475040A (zh) * | 2010-11-19 | 2012-05-30 | 北京仁创科技集团有限公司 | 一种盆栽种植容器及盆栽 |
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EP2907374A1 (en) * | 2014-02-14 | 2015-08-19 | Max Roots B.V. | A plant growing device |
-
2003
- 2003-09-22 JP JP2003330101A patent/JP2005095019A/ja active Pending
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