従来、電話機には、着信があると発信者からのメッセージを録音する留守番電話機能(以下、留守電機能と称する)が設けられているものがある。一方、携帯電話機を用いたシステムの場合には、携帯電話機の電源が入っていないことがあるため、複数の携帯電話機についての留守電機能をまとめて管理する集中型留守番電話装置(以下、留守録サーバと称する)がシステムに設けられている。どちらの場合についても、着信があると留守電機能を動作させるための設定である留守番電話設定を行うことで、発信者からのメッセージが電話機または留守録サーバに保存される。なお、以下では、留守電機能が動作することで録音されるメッセージを留守録メッセージと称する。
近年、一般の電話回線網を利用した電話機の他に、音声信号をパケット化した信号をインターネットを介して送受信するVoIP(Voice over Internet Protocol)機能を備えたIP電話機が利用され始めている(例えば、特許文献1参照)。
IP電話機はインターネットを利用しているので、受話器のある通常の電話機のような形だけでなく、インターネットに接続されたパーソナルコンピュータ(以下、PCと称する)にマイクとスピーカを備えたヘッドセットをつないだものをIP電話機として利用できる。一般的に、通常の電話機は常時起動した状態であるが、PCはユーザが利用していないときのように停止している状態がある。そのため、PCをIP電話機として利用する場合には、PCが停止中でも、インターネットに留守録サーバを接続しておくことで、留守録サーバが停止中のPCへの着信を管理可能となるため、IP電話機を用いたシステムでは留守録サーバによる留守番電話システムが適している。留守録サーバで留守録メッセージを集中的に管理すれば、ユーザが外出先からインターネット等のネットワークにPCを接続して自分宛の留守録メッセージを聞いたり、留守録サーバに蓄積された留守録メッセージをみんなで共有できる。
次に、IP電話機を用いた留守番電話システムについて説明する。
図5は従来の留守番電話システムの一構成例を示すブロック図である。
図5に示すように、留守番電話システムは、IP電話機となるクライアント端末CL1、CL2と、クライアント端末CL1、CL2への着信による留守録メッセージを蓄積する留守録サーバ100とを有する構成である。ここでは、発信側となるクライアント端末CL1をユーザ1側に備え、着信側となるクライアント端末CL2をユーザ2側に備えているものとする。これらの装置は相互にインターネットおよびIP網などのネットワークを介して接続されている。なお、クライアント端末同士が接続を確立するためのセッションサーバ(IP電話交換機)を図に示していないが、セッションサーバの動作については従来と同様なため、以下では、図に示すことを省略するとともに、その詳細な説明を省略する。
留守録サーバ100は、留守録メッセージを蓄積するためのローカルディスク104と、クライアント端末CL1から受信する留守録メッセージをローカルディスク104に格納する留守録制御部102と、ネットワークを介して情報を送受信するための通信部と、接続を確立するためのシグナリング部14と、音声信号をパケット化したデータに変換するためのRTP(Real−time Transport Protocol)15とを有する構成である。通信部にはLAN(Local Area Network)Card16が用いられている。
クライアント端末CL1、CL2は、制御部110と、通信部となるLANCard16と、シグナリング部14と、RTP15と、ユーザが入力するためのキーボード、マウス、マイクおよびカメラ等の入力部と、画面およびスピーカ等の出力部とを備えている。図5では、入力部と出力部とを合わせてAV入出力部18と表示している。また、留守番電話設定された場合に留守録メッセージを格納するための記憶部となるローカルディスク112を備えている。
次に、クライアント端末CL2に備えた留守電機能を用いた場合の動作について説明する。
図6は動作手順を示すフローチャートである。
ユーザ1がクライアント端末CL1を操作してクライアント端末CL2に電話をかけると、クライアント端末CL1はクライアント端末CL2宛にシグナリング部14を介して接続を確立するための信号である接続要求信号を送信する。クライアント端末CL2は、クライアント端末CL1から接続要求信号を受信すると、ユーザ2に対して電話をとるか留守番電話設定を行って相手のメッセージを録音するかを選択可能にするために、“着信”と“留守録”のボタンを画面に表示する。
ユーザ2がクライアント端末CL2の入力部を操作して画面上の“留守録”のボタンを押すと、クライアント端末CL2は留守番電話設定される。クライアント端末CL1はマイクから入力されたユーザ1の音声信号をデジタル化した後、RTP15でパケット化し、音声デジタル信号がパケット化されたRTPデータをクライアント端末CL2に送信する。クライアント端末CL2は受信したRTPデータをローカルディスク112に蓄積する。
次に、留守録サーバ100の留守電機能を用いた場合の動作について説明する。
図7は動作手順を示すフローチャートである。
ユーザ2がクライアント端末CL2を操作して図に示さないセッションサーバに留守番電話設定を行う。これによりクライアント端末CL2に発信した電話は留守録サーバ100に接続することになる。ユーザ1がクライアント端末CL1を操作してクライアント端末CL2に電話をかけると、クライアント端末CL1は留守録サーバ100を介してクライアント端末CL2宛に接続要求信号を送信する。留守録サーバ100はクライアント端末CL2宛ての接続要求信号を受信すると、その接続要求信号の送信元であるクライアント端末CL1と接続を確立する。続いて、クライアント端末CL2が留守番電話設定されている旨の内容とユーザ2へのメッセージがあればそれを要求する旨の内容をRTPデータでクライアント端末CL1に送信する。
クライアント端末CL1は留守録サーバ100からRTPデータを受信すると、RTPデータを音声信号に変換してスピーカから出力する。ユーザ1がユーザ2へのメッセージをクライアント端末CL1のマイクを介して音声で入力すると、クライアント端末CL1は入力された音声によるメッセージをRTPデータに変換して留守録サーバ100に送信する。留守録サーバ100はクライアント端末CL1からRTPデータを受信すると、RTPデータをローカルディスク104に蓄積する。
上述のようにして、ユーザ1のメッセージが留守録サーバ100またはクライアント端末CL2に蓄積される。
特開2003−8603号公報
上述の留守録サーバを用いる場合では、発信側の電話機と留守録サーバとが接続してメッセージを残すための応答を行うので、留守録サーバにメッセージが蓄積された後、着信側のユーザは電話機を留守録サーバに接続させてメッセージを再生させなければ、発信者の音声を聞くことができなかった。
また、ユーザがPCをIP電話機として用いている場合、PCを操作して文書作成等の作業で多忙なときには、着信があっても電話に出られないため留守番電話設定を行っているが、電話の内容によっては受話したいことがある。上述の留守録サーバでは、着信があってもユーザに着信があったことを知らせずに留守電機能が動作するため、ユーザは受話したい電話を取り逃がしてしまう。
さらに、携帯電話機には発信側の電話番号を表示する機能を備えているものがあるが、発信側の電話機が公衆電話機であると、発信側の電話番号を表示できないため、着信側は自分の知っている人からの電話であっても誰からの電話であるかを知ることができない。
本発明は上記したような従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものであり、留守録サーバで留守録中でも発信者が誰であるかを判定することが可能な留守番電話システム、留守録方法、プログラム、およびプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の留守番電話システムは、留守録サーバと電話機からなる留守番電話システムであって、
前記電話機は、
留守番電話設定されているときの着信については、情報再生を行うとともに、前記留守録サーバに送信し、
前記留守録サーバは、
送信された着信を蓄積することを特徴とする。
本発明では、着信があったとき発信者からの情報を留守録サーバに蓄積するとともに、着信側の電話機が発信者からの情報を再生するので、着信側では再生された情報から発信者が誰であるかがわかり、途中で電話に出ることが可能である。また、電話に出なくても、発信者からの情報が留守録サーバに蓄積されるので、後でその情報を再生させることができる。
また、上記本発明の留守番電話システムにおいて、前記電話機はIP電話機であることとしてもよく、前記電話機は携帯電話機であることとしてもよい。
また、上記本発明の留守番電話システムにおいて、前記留守番電話設定は着信前に予め行われていることとしてもよい。
本発明では、留守番電話設定が予め行われているため、着信があったときに、ユーザは再生される情報から電話に出るか否かを判断できる。
また、上記本発明の留守番電話システムにおいて、前記留守番電話設定は前記着信があった後に行われることとしてもよい。
本発明では、着信があった後に留守番電話設定が行われるため、ユーザが留守番電話設定を忘れた場合でも、着信があってから留守番電話機能を動作させることができる。
また、上記本発明の留守番電話システムにおいて、前記留守録サーバは発信側の電話機に情報を送信することとしてもよい。
本発明では、留守録サーバが電話機に情報を送信可能であるため、発信側の電話に留守録の仕方について音声、文字、および画像等のいずれかによる案内の情報を送信することができる。
また、上記本発明の留守番電話システムにおいて、発信側および着信側の電話機と異なる電話機が前記留守録サーバに蓄積された着信について情報再生を行うこととしてもよい。
本発明では、発信側および着信側の電話機と異なる電話機を操作して留守録サーバに蓄積された着信の情報を再生可能となり、留守録サーバに蓄積された着信を複数の人が共有できる。
一方、上記目的を達成するための本発明の留守録方法は、留守録サーバと電話機とからなる留守番電話システムによる留守録方法であって、
前記電話機に対して留守番電話設定されているときの着信については、情報再生を行うとともに、該電話機から前記留守録サーバに送信し、
送信された着信を前記留守録サーバに蓄積するものである。
また、上記本発明の留守録方法において、前記留守番電話設定を前記着信前に行うこととしてもよく、前記留守番電話設定を前記着信後に行うこととしてもよい。
また、上記目的を達成するための本発明のプログラムは、留守録サーバと電話機とからなる留守番電話システムに実行させるためのプログラムであって、
前記電話機に対して留守番電話設定されているときの着信については、情報再生を行うとともに、該電話機から前記留守録サーバに送信し、
送信された着信を前記留守録サーバに蓄積することを実行させるものである。
さらに、上記目的を達成するための本発明のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、留守録サーバと電話機とからなる留守番電話システムに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記電話機に対して留守番電話設定されているときの着信については、情報再生を行うとともに、該電話機から前記留守録サーバに送信し、
送信された着信を前記留守録サーバに蓄積することを実行させるものである。
本発明では、着信があったとき発信者からの情報を留守録サーバに蓄積するとともに、着信側の電話機が発信者からの情報を再生するので、再生された情報から発信者が誰であるかがわかる。情報が音声によるものであれば、発信者の音声を聞いて重要な電話であるか否かを判定でき、重要な電話であれば、留守録途中で電話に出ることができる。
また、着信側の電話機が携帯電話機であり、発信側の電話番号を表示しなくても、着信が留守録サーバに蓄積されるとともに、発信者からの情報が携帯電話機で再生されるため、情報が音声によるものであれば、着信側は再生された音声で発信者が誰であるかを知ることができる。
本発明の留守番電話システムは、着信があると電話機に音声を再生させるとともに、その音声を留守録サーバに蓄積するものである。
(実施形態1)
本発明の留守番電話システムについて説明する。
図1は本発明の留守番電話システムの一構成例を示すブロック図である。なお、従来と同様の構成については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
本発明の留守番電話システムは、IP電話機となるクライアント端末CT1、CT2と、クライアント端末CT1、CT2への着信を蓄積する留守録サーバ10とを有する構成である。ここでは、発信側となるクライアント端末CT1をユーザ1側に備え、着信側となるクライアント端末CT2をユーザ2側に備えているものとする。これらの装置は相互にインターネットおよびIP網などのネットワークを介して接続されている。
留守録サーバ10は、留守録メッセージを含む着信を蓄積するための留守録保管部11と、クライアント端末CT1からの着信を留守録保管部11に蓄積する留守録制御部12と、通信部となるLANCard16と、シグナリング部14と、RTP15とを有する構成である。なお、留守録保管部11に蓄積される着信は、留守録メッセージの他、着信時刻、および発信側クライアント端末の電話番号等の情報を含んでいてもよい。
留守録制御部12はプログラムにしたがって所定の処理を実行するCPU(Central Processing Unit)(不図示)と、プログラムを格納するためのメモリ(不図示)とを備えている。留守録制御部12は留守番電話設定されたクライアント端末からRTPデータを受信すると、留守録保管部11にRTPデータを格納する。
クライアント端末CT1およびクライアント端末CT2は、制御部30と、通信部となるLANCard16と、シグナリング部14と、RTP15と、ユーザが指示や音声を入力するためのキーボード、マウスおよびマイク等の入力部と、画面およびスピーカ等の出力部とを備えている。図1では、入力部と出力部とを合わせてAV入出力部18と表示している。
制御部30はプログラムにしたがって所定の処理を実行するCPU(不図示)と、プログラムを格納するためのメモリ(不図示)とを備えている。また、メモリにはクライアント端末同士でやり取りするデータを制御するためのIP電話アプリケーションソフト(以下、IP電話APと称する)が格納されている。IP電話APが実行されると、電話をかけるための“送信”のボタンを画面に表示させたり、着信があると“着信”および“留守録”のボタンを画面に表示させたりする。
制御部30は、予め留守番電話設定された後に着信がある場合、留守録サーバ10に接続要求し、留守録サーバ10との接続が確立すると、発信側のクライアント端末1と接続を確立する。続いて、クライアント端末1から受信するRTPデータを複製して留守録サーバ10に送信するとともに、RTPデータを音声に変換して再生する。なお、着信があった後に留守番電話設定された場合も同様である。
また、電話番号とその電話番号で特定されるクライアント端末に接続する旨の信号が入力されると、そのクライアント端末宛にシグナリング部14を介して接続要求信号を送信する。
制御部30は、着信があるとIP電話APを実行し、電話をとるか留守番電話設定を行うかをユーザが選択可能にするために、画面に“着信”および“留守録”のボタンを表示させる。また、留守電機能が動作中であっても、ユーザが電話をオフフックできるように、画面に“途中着信”のボタンを表示させる。
次に、クライアント端末CT2が留守番電話設定されていない状態で、クライアント端末CT2に着信があった場合のシステムの動作について説明する。
図2は動作手順を示すフローチャートである。
ユーザ1は、ユーザ2のクライアント端末CT2に電話をかけるために、クライアント端末CT1のキーボードおよびマウスを操作して電話番号を入力し、続いて、画面上の“送信”ボタンを押す。クライアント端末CT1は“送信”を選択する旨が入力されると、クライアント端末CT2宛にシグナリング部14を介して接続要求信号を送信する。
クライアント端末CT2は、クライアント端末CT1から着信があるとIP電話APを実行し、ユーザ2が電話を取るか電話を取らずに留守録にするかを選択可能にするために、“着信”と“留守録”のボタンを画面に表示する。ユーザ2がキーボードおよびマウスを操作して画面上の“留守録”のボタンを押すと、クライアント端末CT2は留守録サーバ10に接続要求信号を送信する。
クライアント端末CT2と留守録サーバ10の接続が確立した後、接続を維持したまま、クライアント端末CT2はクライアント端末CT1との接続を確立する。そして、クライアント端末CT2はクライアント端末CT1から受信する音声信号を複製し、複製した音声信号を留守録サーバ10に送信するとともに、元の音声信号をスピーカに送出して音声を再生する。留守録サーバ10はクライアント端末CT2から受信した音声信号を留守録保管部11に蓄積する。
上述の動作により、着信があってから留守番電話設定を行っても、留守録サーバ10がクライアント端末CT1のメッセージを録音しながら、クライアント端末CT2がそのメッセージを音声で再生するので、ユーザ2はメッセージを留守録させながらそのメッセージを聞くことができる。
なお、留守電機能が動作中に、クライアント端末CT2は、留守録を中断してユーザ2が電話を取ることができるように、画面上に“途中着信”のボタンを表示するようにしてもよい。ユーザ2が入力部を操作して“途中着信”のボタンを押すと、クライアント端末CT2はマイクを介して入力される音声をRTPデータに変換してクライアント端末CT1と留守録サーバ10に送信する。この場合には、ユーザ2は、緊急な電話がかかってきたときに、電話を取り逃がすことを防げる。ここでは、留守録サーバ10は留守番電話設定されたクライアント端末CT2からRTPデータを受信することで、この着信についての留守番電話設定を解除する。
次に、クライアント端末CT2が留守番電話設定されている状態で、クライアント端末CT2に着信があった場合のシステムの動作について説明する。
図3は動作手順を示すフローチャートである。
ユーザ2はクライアント端末CT2のキーボードおよびマウスを操作して、留守番電話設定をクライアント端末CT2に予め行う。ユーザ1は、クライアント端末CT1のキーボードおよびマウスを操作して電話番号を入力し、続いて、画面上の“送信”のボタンを押す。クライアント端末CT1は“送信”する旨が入力されると、クライアント端末CT2に接続要求信号を送信する。
クライアント端末CT2は、クライアント端末CT1から着信があると、IP電話APを実行し、留守録サーバ10に接続要求信号を送信する。クライアント端末CT2は留守録サーバ10と接続を確立した後、クライアント端末CT1と接続を確立する。そして、クライアント端末CT2はクライアント端末CT1から受信する音声信号を複製し、複製した音声信号を留守録サーバ10に送信するとともに、元の音声信号をスピーカに送出して音声を再生する。留守録サーバ10はクライアント端末CT2から受信した音声信号を留守録保管部11に蓄積する。
上述の動作により、留守番電話設定を行っても、留守録サーバ10がクライアント端末CT1のメッセージを録音しながら、クライアント端末CT2がそのメッセージを音声で再生し、ユーザ2はメッセージを留守録させながらそのメッセージを聞くことができる。なお、この場合においても、上述したように、ユーザ2がクライアント端末CT2の入力部を操作して途中着信できるようにしてもよい。
(実施形態2)
実施形態1ではクライアント端末がIP電話機であったが、本実施形態のようにクライアント端末は携帯電話機であってもよい。
クライアント端末が携帯電話機である場合の留守番電話システムについて説明する。
図4は携帯電話機を用いた留守番電話システムの一構成例を示すブロック図である。
留守番電話システムは、留守録メッセージを含む着信を蓄積する留守録サーバ50と、ユーザ側に備えた携帯電話機PT1、PT2とを有する構成である。携帯電話機PT1、PT2は基地局60と無線電波をやり取りすることで、電話回線網90と接続される。電話回線網90には、基地局60と、交換機70と、携帯電話機の位置情報を格納するためのHLR(Home Location Register)80とが接続されている。携帯電話機PT1は発信側となるユーザ1に備え、携帯電話機PT2は着信側のユーザ2に備えているものとする。
なお、以下では、発明の留守電機能に関連する部分について説明し、携帯電話機PT1、PT2、基地局60、交換機70、およびHLR80についての一般的な機能についての詳細な説明を省略する。
留守録サーバ50は、電話回線90を介して携帯電話機と情報の送受信をするための通信部51と、留守録メッセージを含む着信を蓄積するための留守録保管部53と、携帯電話機からの着信を留守録保管部53に蓄積するサーバ制御部52とを有する構成である。サーバ制御部52は、プログラムにしたがって所定の処理を実行するCPU(不図示)と、プログラムを格納するためのメモリ(不図示)とを有する。サーバ録制御部52は留守番電話設定された携帯電話機から音声を符号化した信号である音声符号化データを受信すると、留守録保管部53に音声符号化データを格納する。
携帯電話機PT1は、基地局60および交換機70を介して携帯電話機PT2と情報の送受信をするための無線通信部41と、端末制御部42と、ユーザの音声や指示を入力するためのマイクおよびキー等の入力部43と、画面およびスピーカ等の出力部44とを有する。端末制御部42はプログラムにしたがって所定の処理を実行するCPU(不図示)と、プログラムを格納するためのメモリ(不図示)とを有する。携帯電話機PT2の構成は携帯電話機PT1と同様なため、その説明を省略する。
端末制御部42は、予め留守番電話設定された後に着信がある場合、留守録サーバ50に接続要求し、留守録サーバ50と接続が確立すると、発信側の携帯電話機と接続を確立する。続いて、発信側の携帯電話機から受信する音声符号化データを複製して留守録サーバ50に送信するとともに、音声符号化データを復号化して音声を再生する。着信があった後に留守番電話設定された場合も同様である。
なお、本実施形態においても実施形態1と同様に、留守録サーバ50に蓄積される着信は、留守録メッセージの他、着信時刻、および発信側携帯電話機の電話番号等の情報を含んでいてもよい。
次に、携帯電話機PT2が留守番電話設定されていない状態で、携帯電話機PT2に着信があった場合のシステムの動作について説明する。
ユーザ1が携帯電話機PT1を操作して携帯電話機PT2の電話番号を入力すると、携帯電話機PT1は携帯電話機PT2への接続要求信号を基地局60を介して交換機70に送信する。交換機70は携帯電話機PT2への接続要求信号を受信すると、携帯電話機PT2の位置情報をHLR80に問い合わせる。交換機70はHLR80から携帯電話機PT2の位置情報を受信すると、携帯電話機PT2に最も近い基地局60から携帯電話機PT2に接続要求信号を送信する。
携帯電話機PT2は接続要求信号を受信することで、携帯電話機PT1からの着信であることを認識し、電話をとるか留守番電話設定を行うかのどちらを選択するかを問う旨を画面に表示する。ユーザ2が携帯電話機PT2の画面を見ながらキーを操作して、留守番電話設定を行う旨入力すると、携帯電話機PT2は留守録サーバ50に接続要求信号を送信する。
携帯電話機PT2は、留守録サーバ50と接続を確立し、その接続を維持したまま、携帯電話機PT1との接続を確立する。そして、携帯電話機PT1から受信する音声符号化データを複製して留守録サーバ50に送信するとともに、音声符号化データを復号化して音声を再生する。留守録サーバ50は携帯電話機PT2から通信部51を介して音声符号化データを受信すると、音声符号化データを留守録保管部53に蓄積する。
上述の動作により、着信があってから留守番電話設定を行っても、留守録サーバ50が携帯電話機PT1のメッセージを録音しながら、携帯電話機PT2がそのメッセージを音声で再生し、ユーザ2はメッセージを留守録させながらそのメッセージを聞くことができる。なお、実施形態1で説明したのと同様に、留守録中にユーザ2がオフフックできるようにしてもよい。
次に、携帯電話機PT2が留守番電話設定されている状態で、携帯電話機PT2に着信があった場合のシステムの動作について説明する。
ユーザ2は携帯電話機PT2のキーを操作して、留守番電話設定を携帯電話機PT2に予め行う。ユーザ1が携帯電話機PT1を操作して携帯電話機PT2の電話番号を入力すると、上述の場合と同様にして、携帯電話機PT1が携帯電話機PT2への接続要求信号を基地局60を介して交換機70に送信し、交換機70は基地局60を介して携帯電話機PT2に接続要求信号を送信する。
携帯電話機PT2は、携帯電話機PT1から接続要求信号を受信することで、携帯電話機PT1からの着信を認識し、留守録サーバ50に接続要求信号を送信する。携帯電話機PT2は留守録サーバ50と接続を確立した後、携帯電話機PT1と接続を確立する。そして、携帯電話機PT2は携帯電話機PT1から受信する音声符号化データを複製し、複製した音声符号化データを留守録サーバ50に送信するとともに、音声符号化データを復号化して音声をスピーカから再生する。留守録サーバ50は通信部51を介して音声符号化データを受信すると、音声符号化データを留守録保管部53に蓄積する。
上述の動作により、留守番電話設定を行っても、留守録サーバ50が携帯電話機PT1のメッセージを録音しながら、携帯電話機PT2がそのメッセージを音声で再生し、ユーザ2はメッセージを留守録させながらそのメッセージを聞くことができる。なお、この場合においても、上述したように、ユーザ2が携帯電話機PT2の入力部43を操作してオフフックできるようにしてもよい。
なお、本発明は、上述した実施形態1および実施形態2で説明したような留守録方法をコンピュータに実行可能なプログラムであってもよく、そのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であってもよい。
また、上述した実施形態1および実施形態2では、クライアント端末同士がやり取りする情報として音声の場合について説明したが、やり取りする情報は、静止画および動画の画像や文字等のデータであってもよく、音声とデータの両方であってもよい。着信に含まれる情報が画像であって、その画像が発信者の顔を写した撮像であれば、着信側は撮像から誰の電話であるかがわかる。
また、留守録サーバは留守電機能として音声を録音することについて述べたが、留守録サーバは発信側のクライアント端末に留守録の仕方の情報を送信できるようにしてもよい。例えば、ユーザに対して伝言を残すことを要求するために、「現在電話に出られません。ピーッという発信音の後に伝言をお願いします。」という案内を音声または画像でクライアント端末に送信するようにしてもよい。
また、留守録サーバとクライアント端末が社内LANや家庭内LAN上にあり、他のクライアント端末が社外や家庭外のインターネット上にあってもよい。このように、クライアント端末同士の接続はLAN、インターネット、IP電話網、および電話回線網等の複数のネットワークを経由してもよい。発信側の電話は一般の電話機であってもよい。
また、留守録サーバとクライアント端末が社内LANや家庭内LAN上にある場合、留守録サーバとクライアント端末とが一体になっていてもよい。例えば、PCに留守録サーバとクライアント端末の両方の機能を実行するためのプログラムを格納することで、留守録サーバとクライアント端末とが一体になった装置になる。
また、ユーザ2が“途中着信”を選択して電話をオフフックした場合、その後のユーザ1とユーザ2の通話内容を留守録サーバに格納するようにしてもよい。この場合、通話内容が記録されるため、後でその内容を再生させて確認できる。
さらに、実施形態1において、図1に示さないクライアント端末CT3がネットワークに接続され、クライアント端末CT3を操作して留守録サーバ10に格納されたユーザ2宛のメッセージを音声で再生したり、そのメッセージに自分の伝言を追加して留守録サーバ10の留守録保管部11に残すようにしてもよい。実施形態2の携帯電話機の場合についても同様に、留守録サーバ50に蓄積された着信が自分宛でなくても携帯電話機を操作して、その着信に含まれるメッセージを再生したり、伝言を追加できるようにしてもよい。