JP2005094186A - D/a変換装置およびこれに用いられるデータ伝送方法 - Google Patents

D/a変換装置およびこれに用いられるデータ伝送方法 Download PDF

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Abstract

【課題】連続してノイズが発生する場合にも、ノイズによって誤動作することを防止できるD/A変換装置およびデータ伝送方法を提供する。
【解決手段】制御基板50は、待機時に、シフトレジスタ2に保持される12ビットの値(D0〜D11)をすべて”0”に設定するとともに、データ線を伝送されるディジタル信号(DI)をシフトレジスタが保持する値と同一の値である”0”に固定し、かつ、動作クロック(CLK)をディジタル信号の値と異なる値である”1”に固定する。ここで、D8〜D11の値がすべて”0”の場合は、無効アドレス、すなわち「出力先なし」を意味する。
【選択図】図2

Description

この発明は、シリアルデータ伝送でデータを入力するD/A変換装置の制御に関する。
D/A変換装置では、ディジタル信号線を介して入力されるディジタル量を示すものをアナログ量に変換するものであるため、適正なアナログ量の出力を行うためにはディジタル信号線にノイズが入ることを可能な限り防止することが望ましい。
このため、従来のD/A変換装置におけるノイズ対策として、D/A変換装置の入力データに対してゼロが連続して入力されている場合には、DATA信号以外の制御信号(クロック等の同期信号)を停止させることで、D/A変換装置におけるノイズの発生源をなくし、D/A変換されたアナログ値にノイズの影響がでないようにするものがある(例えば、特許文献1参照。)。
また、近年、1つのICで多数(多チャンネル)のアナログ電圧を出力する多チャンネルD/A変換装置が多く使用されている。多チャンネルD/A変換装置では、通常、出力のアナログ電圧値を指定するディジタルデータと、このディジタルデータの出力先を指定するディジタルデータとが共にシリアル入力される。
このような多チャンネルD/Aコンバータでは、クロック線にノイズが乗るとD/Aコンバータ側でシリアル入力したデータがシフトし、意図しないチャンネルに意図しないアナログ電圧値が出力される虞がある。例えば、電子写真方式の画像形成装置では、ノイズの発生により定着ユニット等の所望のユニットに過不足なく電圧を供給することが困難になるという不都合があった。
そこで、多チャンネルD/Aコンバータでは、出力先データが無効アドレスを示し、かつ、単一のノイズによって出力先データに影響が出ないように構成された誤動作防止信号を用いることがあった。このような誤動作防止信号をD/Aコンバータに送った上でデータ伝送を中止すれば、出力先データが無効アドレスを示しているかぎりアナログ出力がされることがないため、データ伝送線に入るノイズによる誤動作を低減することができるとされていた。
特願平02−135823号公報
しかしながら、上述のノイズ対策を含む従来技術では、ノイズが発生する頻度が高くなるにつれてノイズの影響を受けやすい。すなわち、ノイズが発生しにくい状況ではノイズによる誤動作を防止することが可能であるが、連続してノイズが発生する状況では、ノイズによる誤動作を避けることが困難である。
例えば、連続してノイズが発生した結果、誤動作防止信号における出力先データが無効アドレスを示さなくなると、それ以降に発生するノイズによって意図しない出力先に意図しない出力値のアナログ出力がされる。
この発明の目的は、連続してノイズが発生する場合にも、ノイズによって誤動作することを防止できるD/A変換装置およびデータ伝送方法を提供することである。
この発明は以下の構成を備えている。
(1)2値のディジタル信号が伝送されるデータ線、および2値の動作クロックが伝送されるクロック線を駆動する制御装置と、
前記データ線および前記クロック線を介して前記制御装置に接続されており、前記動作クロックの立ち上がりまたは立ち下がりのタイミングで前記データ線を伝送されるディジタル信号の値が入力され、所定ビットの2値データを一時的に保持するシフトレジスタと、
前記シフトレジスタが保持する前記所定ビットの2値データに基づいてD/A変換を行うD/A変換回路と、を備え、
前記制御装置は、待機時に、前記シフトレジスタに保持される値をすべて同一の値に設定するとともに、前記データ線を伝送されるディジタル信号を前記シフトレジスタが保持する値と同一の値に固定し、かつ、前記動作クロックをディジタル信号の値と異なる値に固定することを特徴とする。
この構成においては、D/A変換装置が待機状態のときに、シフトレジスタ内に保持される値がすべて”0”になるように、または、シフトレジスタ内に保持される値がすべて”1”になるように、制御装置がデータ線およびクロック線を駆動し、その後に、データ線を伝送されるディジタル信号の値がシフトレジスタが保持する値と同一の値に固定され、クロック線を伝送される動作クロックがデータ線を伝送されるディジタル信号の値と逆の値に固定される。
(2)前記シフトレジスタが保持するデータは、D/A変換されたアナログ値の出力先を示す出力先データと、出力先に対する出力値を示す出力値データと、を含んでおり、
前記シフトレジスタに保持される値がすべて同一であるときに、前記出力先データが、出力先が存在しない無効アドレスを示すことを特徴とする。
この構成においては、制御装置が待機時に設定するシフトレジスタの値における出力先データが、出力先が存在しない無効アドレスを示している。
(3)前記D/A変換回路を動作させる信号を検出したときに前記シフトレジスタの各ビットの値を一括してローにするリセット回路、または前記D/A変換回路を動作させる信号を検出したときに前記シフトレジスタの各ビットの値を一括してハイにするプリセット回路をさらに備えたことを特徴とする。
この構成においては、リセット回路またはプリセット回路により、所望のアナログ出力を行った後、シフトレジスタに保持される値がすべて同一の値に迅速に設定される。
(4)出力先データおよび出力値データを含む所定ビットのディジタルデータを多チャンネルシリアルD/A変換装置に伝送するデータ伝送方法であって、
待機時に、すべて同一の値で構成され、かつ、出力先が存在しない出力先データを含むディジタルデータを前記多チャンネルシリアルD/A変換装置に伝送する伝送工程と、
前記伝送工程の終了後に、データ線上を伝送され、前記ディジタルデータを構成する2値のディジタル信号と、クロック線上を伝送され、前記多チャンネルシリアルD/A変換装置に2値の動作クロックと、を互いに異なる値に固定する設定工程と、
を含むことを特徴とする。
この構成においては、シフトレジスタに誤ってアナログ出力がされることがないように出力先が存在しない出力先データを含む誤動作防止のためのデータが供給され、どのようなノイズが入ってもシフトレジスタの保持内容が変動しないようにデータ線およびクロック線に互いに異なる値の信号が伝送される。
この発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)同一のノイズによって、クロック線上の動作クロックおよびデータ線上のディジタル信号の両方に影響が及ぶことがないため、ノイズによってクロック線上の動作クロックが動作し、かつ、データ線上のディジタル信号の値が変動することを防止でき、シフトレジスタが保持する値が変動することを防止できる。さらに、連続してノイズが発生する場合でもシフトレジスタが保持する値が変動することを回避できる。
(2)待機時においてシフトレジスタが誤動作を防止するためのデータを常に保持するため、ノイズによって意図しないアナログ出力がされることを確実に防止することが可能になる。
(3)待機状態への移行を高速化することができる。シフトレジスタに保持される値がノイズによって変動するような場合でも、シフトレジスタを容易にリセットまたはプリセットすることが可能である。
(4)待機時に連続してノイズが発生する環境においても、シフトレジスタの保持内容が変動することを防止でき、意図しないアナログ出力がされることを確実に防止することができる。
よって、連続してノイズが発生する場合にも、ノイズによって誤動作することを防止できるD/A変換装置およびデータ伝送方法を提供することができる。
以下、図を用いて本発明のD/A変換装置の実施形態を説明する。
図1は、本発明のD/A変換装置が適用されるカラーレーザプリンタの電力制御系の構成を示している。同図に示すように、それぞれ所定の高圧が印加される高圧印加部21(21A〜21L)と、高圧印加部21(21A〜21L)に対して高圧を出力する高圧電源部20と、高圧電源部20の動作を制御する制御基板50と、を備えている。制御基板50と高圧電源部20とはカラーレーザプリンタ内部において互いに離れた位置に配置されており、制御基板50と高圧電源部20とは、ディジタル信号が伝送されるデータ線(DI),動作クロックが伝送されるクロック線(CLK),D/A変換を指示する信号が伝送されるロード線(LD)の3つ線を介して接続されている。ここでは、制御基板50と高圧電源部20との間の信号の伝達がシリアル式ディジタル伝送方式で行われている。
制御基板50は、要求シリアル信号出力部51と誤動作防止信号制御部52とを備えている。一方で、高圧電源部20は、本発明のD/A変換装置1と高圧出力部22(22A〜22L)とを備えている。
制御基板50上の要求シリアル信号出力部51は、データ線(DI),クロック線(CLK),ロード線(LD)からなる3つの線を介してシリアルディジタルデータを高圧電源部20側に出力する。誤動作防止信号制御部52は、後述する誤動作防止信号を生成する。D/A変換装置1は、取り込んだディジタルデータに基づいて高圧出力部22(22A〜22L)のうちのいずれか1つに、データに基づいた量のアナログ出力を行う。すなわち、本実施形態では制御基板50から出力されるディジタルデータに基づいて、D/A変換装置1が所望の高圧出力部22(22A〜22L)に対してアナログ出力して、所望の高圧印加部21に所望の電圧が供給されるようにしている。なお、本実施形態では制御基板50が本発明の制御装置を構成する。
図2は、D/A変換装置1の構成を示している。同図に示すように、12ビット用のシフトレジスタ2、アドレスデコーダ3、8ビットのラッチ4(4A〜4L)、および8ビットのD/Aコンバータ5(5A〜5L)を備えている。シフトレジスタ2は、直列入力並列出力形(シリアル−パラレル出力)のシフトレジスタであり、端から入力を加え、各ビットから並列に出力を取り出すことができる。シフトレジスタ2には、データ線(DI)およびクロック線(CLK)が接続されており、クロック線上を伝送される動作クロックの立ち上がりのタイミングでデータ線(DI)上を伝送される信号の値(”0”または”1”)が シフトレジスタ2に取り込まれる。
一方、上述のロード信号(LD)はアドレスデコーダ3に接続されている。アドレスデコーダ3は、ロード信号(LD)が”1”(ハイ)に立ち上がるタイミングで、後述する出力先データに基づきシフトレジスタ2に保持されているデータをラッチ4(4A〜4L)を介してD/Aコンバータ5(5A〜5L)に転送する。
図3は、ビットシフトレジスタ2に保持されるディジタルデータの構成を示している。同図に示すように、シフトレジスタ2は、D0〜D11までの各ビットに”0”または”1”のデータを保持し、全体としては12ビットのディジタルデータを保持する。シフトレジスタ2に保持されるディジタルデータについて、D00〜D07に保持されるデータによってアナログ出力値データが構成され、D8〜D11に保持されるデータによってアナログ出力先データが構成される。
アナログ出力値データは、8ビットにより0〜255の256段階のアナログ出力値を表現する。一方、アナログ出力先データは、4ビットにより0〜15の16種類のアナログ出力先を表現する。ここでは、出力先となるべき高圧印加部21(21A〜21L)が12種類であるので、16種類のアナログ出力値データのうち4種類のアナログ出力先データは、出力先が存在しない無効アドレス(DON’T CARE)になる。本発明では、アナログ出力値データの4ビットがすべて”0”の場合、およびアナログ出力値データの4ビットがすべて”1”が少なくとも「DON’T CARE」として割り当てられている。
ロード線(LD)・クロック線(CLK)・データ線(DI)上では、”0”または”1”(”ロー”または”ハイ”ともいう。)の2値のディジタル信号が伝送されている。ここでは、クロック線(CLK)上を伝送される動作クロックが”0”から”1”に立ち上がる時にデータ線(DI)上を伝送される信号の値が採用されてシフトレジスタ2に格納される。格納されたデータは、「D0」に割り当てられる。さらに、次の動作クロックの立ち上がり時のデータが入力されると、先の入力された「D0」のデータが「D1」にシフトし、最後に入力されたデータが「D0」に割り当てられる。このように、最新のデータが順次「D0」に割り当てられ、それ以前にシフトレジスタ2に保持されている古いデータが、新たなデータの入力がある度に、「D0」→「D1」→「D2」→・・・→「D11」のようにシフトされる。「D11」に割り当てられているデータは、その後新たなデータが入力されたときに破棄される。このように、シフトレジスタ2には、最新の12ビット分のデータが保持される。
希望の出力先のデータがD8〜D11に保持され、かつ、希望の出力値のデータがD0〜D7に保持されている状態で、ロード線(LD)に伝送される信号の信号値を”1”にすると、シフトレジスタ2におけるD8〜D11に保持されたデータに基づいて出力先が決定され、決定された出力先にD0〜D7に保持された出力値データがラッチ4(4A〜4L)に出力される。ラッチ4(4A〜4L)に保持されたデータからD/Aコンバータ5(5A〜5L)によりアナログ値への変換がされ、アナログ出力がされる。
図4(a)および図4(d)は、クロック線(CLK)、データ線(DATA)、およびロード線(LD)上を伝送されるディジタル信号の状態を示している。図4(b)は、図4(a)および図4(d)に示すCLK・DATA・LD信号が入力されたときのシフトレジスタ2が保持するデータの状態を示しており、図4(c)は、そのときのアナログ出力先・出力値を示している。なお、図4(d)は、ノイズを含む信号を示している。
図4(a)に示すCLK・DATA・LD信号が入力されると、最初の12クロック間は、順次、DATAの値がシフトレジスタ2に取り込まれる。また、この間、ロード線(LD)が”0”に固定されているため、D/A変換は実行されない。そして、シフトレジスタ2のD1〜D11にそれぞれ”0”または”1”のデータの割り当てがされた結果、シフトレジスタ2内には、アナログ出力先(Ao)10・アナログ出力値64を示すディジタルデータが保持されることになる。なお、その後、ロード線(LD)の信号の値が”1”にされると(LD出力)、シフトレジスタ2が保持しているデータに基づくD/A変換が実行される。なお、LD出力の後には、次の出力先・出力値変更までの間CLK,DATA,LDが”0”のまま保持される。
ここで、ロード線(LD)の信号の値が”1”になる前に、図4(d)に示すようなノイズが、クロック線(CLK)、データ線(DATA)、およびロード線(LD)のそれぞれに入った場合、クロック線(CLK)、データ線(DATA)、およびロード線(LD)のそれぞれに”1”の値を示す信号が入力されたと誤検出される。これにより、シフトレジスタ2内で1ビット分シフトし、かつ、ノイズをLD出力であると誤検出することにより、シフトした後の値がD/A変換に反映される。
この場合、図4(d)に示すノイズにより、アナログ出力先(Ao)10・アナログ出力値64を示すディジタルデータが、アナログ出力先(Ao)5・アナログ出力値160に変動してしまう。すなわち、ノイズが発生したことにより、意図していた出力先以外の出力先に、意図していた出力値以外の出力値でアナログ出力を実行してしまうという不具合が生じる。
そこで、まず、制御基板50に設けられた誤動作防止信号制御部52を用いて、ノイズによる誤動作を防止する信号を出力した3線の信号に一律追加することによって、ノイズによる誤動作を低減させていた。ここで、誤動作防止信号とは、図2(a)に出力先を指定するデータ領域における出力先データを最低1ビットシフトしても出力先が「DONT’t CARE」つまり無効な出力の状態になるような信号のことをいう。
図5は、上述のノイズ対策の処理手順を示すフローチャートである。まず、制御側で高圧の出力先および出力値を決定する(S1)。S1の工程で決定した出力先および出力値の内容を高圧電源部のシリアルD/A変換装置内のシフトレジスタにシリアルデータとして送信する(S2)。その後に、LDを送信し実際に高圧を出力させる(S3)。次に、LD送信後に1ビット分のノイズが入っても誤動作しない信号(誤動作防止信号)をシフトレジスタ2に送信する(S4)。なお、このときLDは送信しない。そして、3線の信号を停止させ、次に出力先・値の変更があるまで待機させる(S5)。
図6は、待機時におけるノイズ対策の一例を示しており、具体的にはシフトレジスタ2内の出力先データを待機時に「0000」としている状態を示している。まず、図6(a)の信号に示す信号で希望の出力先に所定の値のアナログ値が出力される。ここでは、出力先Ao10に値64が出力される。次に、図6(d)に示すように希望する出力先・出力値をシフトレジスタ2に送りLD出力した後に、”0”の値を示すDATA(DATA−0)を12回送りDI・CLK・LDとも0で待機させる。なお、図6(d)に示す信号は、1ビット分のノイズによっても出力先アドレスが変更しないため誤動作防止信号に該当する。
このときに、図6(e)に示すようにCLK線・DATA線・LD線に同時にノイズが入った場合に、CLK・DATA・LDが入力されたと誤検出し、図6(b)に示すようにシフトレジスタ2が1ビットシフトしその内容でアナログ値が出力される。ところが、ここでは誤動作防止信号により1ビットシフトしても、出力先は「DON’T CARE」であるため実際の出力値への影響はない。
一方、図7は、待機時におけるノイズ対策の一例を示しており、具体的にはシフトレジスタ2内の出力先データを待機時に「1111」としている状態を示している。図6で説明したのと同様に、まず、図7(a)に示すように希望する出力先・出力値のデータを示す信号をシフトレジスタ2に入力する。ここでは出力先Ao10に出力値64を出力するための信号を入力している。希望する出力先・出力値をシフトレジスタ2に送りLD出力したら、”1”の値を示すDATA(DATA−1)を12回連続して送り、DI・CLK・LDともに”0”で待機させる。
その後、CLK・DATA・LDを”0”(停止状態)で待機させる。このときに、図7(e)に示すようにCLK線・DATA線・LD線のそれぞれに同時にノイズが入力されるとCLK・DATA・LDが入力されたと誤検出して、図7(b)に示すようにシフトレジスタ2が1ビットシフトしてシフト後の内容でアナログ値が出力される。ところが、上述と同様に誤動作防止信号により1ビットシフトしても出力先は「DON’T CARE」であるため出力値に影響がでることが防止されている。
上述のように、図6および図7を用いて、誤動作防止信号によるノイズ対策を説明したが、この誤動作防止信号によるノイズ対策では、ノイズが連続して発生した場合に誤動作の発生を適正に防止することができないことがある。すなわち、CLK線・DATA線・LD線にノイズが複数回入ると、”0”で埋めているところに”1”が入力されたり、”1”で埋めているところに”0”が入力される等シフトレジスタ2に逆の値が入り、新たなデータが入力される度にシフトレジスタ2内で入力された逆の値が出力値指定から出力先指定にシフトしていく。そして、出力先指定が「DON’T CARE」ではなくなり、LDがノイズで誤検出したときに意図しないアナログ値が出力されてしまう。
図8は、アナログ値出力後、シフトレジスタ2をすべて”1”で埋めて、CLK・DATA・LDの3信号を停止させる場合の例を示している。同図に示すように、CLK・DATA・LDの3信号を停止させて待機しているときに、図8(e)に示すランダムなノイズが複数回シフトレジスタ2に入った場合、シフトレジスタ2内は図8(b)に示すようになり、1度”0”のデータが侵入した後に8回シフトすると、この”0”のデータが出力先指定まで到達し、出力先が「DON’T CARE」ではなくAo07になってしまう。なお、この現象は、シフトレジスタ2内を”0”で埋めてCLK・DATA・LDの3信号を停止させる場合も同様である。
さらに、シフトレジスタ2におけるD0〜D3に保持されたデータに基づいて出力先が決定され、D4〜D11に保持されたデータに基づいて出力値が決定されるシリアルD/Aコンバータにおいては、より顕著にノイズの影響を受ける。
図9は、連続したノイズに対処するための制御の一例を示す図である。同図に示すように、ここではシフトレジスタ2内の出力先データを”0000”にし、さらにCLKを”1”で待機させるようにしている。
まず、図9(a)に示すディジタル信号をシフトレジスタ2に入力して希望の出力先に希望の出力値のアナログ出力を行う。ここでは、出力先Ao10に値64が出力される。次に、図9(d)の誤動作防止信号としてDATA線にローレベル(0)を出力したままの状態で少なくとも12クロック間維持し、シフトレジスタ2内をすべて”0”にする。
その後、図9(e)に示すように、CLKを”1”で、DATAおよびDIを”0”に固定して待機する。このときに、図9(f)に示す正のノイズが入ったら、CLKは既に”1”なので立ち上がりおよび立ち下がりをしないためDATAを伝送される信号値がシフトレジスタ2に取り込まれることがない。
そのため、シフトレジスタの保持内容は変化しない。LDはノイズで影響を受けるがシフトレジスタ2のすべてのレジスタの値が誤動作防止信号の”0”で埋められて変わっていないため、出力先「DON’T CARE」で実際の出力への影響はない。
また、図9(g)の負のノイズが入った場合、ノイズで1クロック分DATAをシフトレジスタに取り込むが、DATA”0”を取り込むので図9(b)のシフトレジスタ2内の値は結果的に変動せず、さらに、LDはノイズの影響を受けていないので、ノイズによってアナログ出力されることがない。
そして、図9(h)に示すようにランダムなノイズが連続して入った場合、図9(f)の場合と同様にCLKが影響を受けないのでシフトレジスタ2の保持内容が変動することがなく、LDがノイズで入力されても常に「DON’T CARE」になり、アナログ出力に影響を与えない。
図10は、連続したノイズに対処するための制御の一例を示す図である。同図に示すように、ここではシフトレジスタ2内の出力先データを”1111”にし、さらにCLKを”0”で待機させるようにしている。図10(a)に示すディジタル信号をDATA線に伝送させることにより希望の出力先に希望の出力値のアナログ出力を行うことができる。同図に示す例では、出力先がAo10で出力値が64にされている。
次に図10(d)に示すようにDATAに12クロック分ハイレベルの信号を伝送させてシフトレジスタ2の内部のレジスタの値がすべて”1”になるようにする。その後、図10(e)に示すように、DATAを”1”でCLKおよびLDを”0”に固定して待機させる。このときに、図10(f)のように正のノイズが入ると、CLKはノイズを誤検出してDATAを1ビット分シフトレジスタ2に取り込むが、DATAの値およびシフトレジスタ2の値はともに”1”であるため、シフトレジスタ2の保持するデータの内容が変動することがない。
また、LDもノイズによってアナログ出力を促す”1”の信号を誤検出するが、出力先が「DON’T CARE」であるため、出力値に影響はない。または、図10(g)に示すように負のノイズが入った場合には、CLKは”0”なのでシフトレジスタ2の内容に全く変動はない。
同様にLDも”0”であるのでノイズの影響はない。したがって、アナログ出力値にノイズの影響は出ない。そして、図10(h)に示すようにランダムなノイズが入った場合には、図10(f)の場合と同様に、DATAが常に”1”として取り込まれるのでシフトレジスタ2内は影響を受けず、LDがノイズで入力されても常に「DON’T CARE」になり、アナログ出力に影響を与えない。
図11は、D/A変換装置1のバリエーションの構成を示している。ここでは、シフトレジスタ2に”0”が入力されると、シフトレジスタ内部をすべて”0”にリセットするリセット回路2Aと、LD端子とリセット回路2Aとの間に配置された遅延反転素子6とが、新たな構成として追加されている。
この構成において、図11(b)に示すようにLD端子に”1”の信号が入力されると、この”1”の信号が遅延反転素子6により反転されて”0”の信号になり、所定のタイミングだけ遅延してリセット回路2Aに入力される。この”0”の信号がリセット回路2Aに入力されることにより、シフトレジスタ2内がすべて”0”で埋められる。この図11に示す構成と図9に示す転送方法を組み合わせることにより、12クロックのあいだ誤動作防止信号を送る必要がなくなる。
なお、万が一シフトレジスタ内に”1”がノイズにより入力されるようなことがあっても、その場合にはLDにも”1”がノイズとして入力されている可能性が高い。この結果、シフトレジスタ2内が”0”で埋められるため、ノイズがアナログ出力に悪影響を与えることがない。
図12は、D/A変換装置1のバリエーションの構成を示している。ここでは、シフトレジスタ2に”0”が入力されると、シフトレジスタ2内部をすべて”1”にプリセットするプリセット回路2Bと、LD端子とプリセット回路2Bとの間に配置された遅延反転素子6とが、新たな構成として追加されている。
この構成において、図12(b)に示すようにLD端子に”1”の信号が入力されると、この”1”の信号が遅延反転素子6により反転されて”0”の信号になり、所定のタイミングだけ遅延してプリセット回路2Bに入力される。この”0”の信号がプリセット回路2Bに入力されることにより、シフトレジスタ2内がすべて”1”で埋められる。この図12に示す構成と図10に示す転送方法を組み合わせることにより、12クロックのあいだ誤動作防止信号を送る必要がなくなる。
このように、上述の実施形態によれば、多チャンネルシリアル伝送式のD/A変換装置において、外部ノイズにより出力先チャンネル・出力値が誤出力されるのを防止するデータ伝送方法およびシリアルD/A変換装置を提供することが可能である。
本発明のD/A変換装置が適用されるカラーレーザプリンタの一部の構成を示す図である。 本発明のD/A変換装置の構成を示す図である。 シフトレジスタに保持されるディジタルデータの構成を示す図である。 D/A変換装置に入力されるディジタルデータの状態を示す図である。 本発明のD/A変換装置の動作手順を示すフローチャートである。 D/A変換装置に入力されるディジタルデータの状態を示す図である。 D/A変換装置に入力されるディジタルデータの状態を示す図である。 D/A変換装置に入力されるディジタルデータの状態を示す図である。 本発明におけるディジタルデータの状態を示す図である。 本発明におけるディジタルデータの状態を示す図である。 本発明のD/A変換装置の構成を示す図である。 本発明のD/A変換装置の構成を示す図である。
符号の説明
1−D/A変換装置
2−シフトレジスタ
3−アドレスデコーダ
4−ラッチ
5−D/Aコンバータ
20−高圧電源部
50−制御基板
51−要求シリアル信号出力部
52−誤動作防止信号制御部

Claims (4)

  1. 2値のディジタル信号が伝送されるデータ線、および2値の動作クロックが伝送されるクロック線を駆動する制御装置と、
    前記データ線および前記クロック線を介して前記制御装置に接続されており、前記動作クロックの立ち上がりまたは立ち下がりのタイミングで前記データ線を伝送されるディジタル信号の値が入力され、所定ビットの2値データを一時的に保持するシフトレジスタと、
    前記シフトレジスタが保持する前記所定ビットの2値データに基づいてD/A変換を行うD/A変換回路と、を備え、
    前記制御装置は、待機時に、前記シフトレジスタに保持される値をすべて同一の値に設定するとともに、前記データ線を伝送されるディジタル信号を前記シフトレジスタが保持する値と同一の値に固定し、かつ、前記動作クロックをディジタル信号の値と異なる値に固定することを特徴とするD/A変換装置。
  2. 前記シフトレジスタが保持するデータは、D/A変換されたアナログ値の出力先を示す出力先データと、出力先に対する出力値を示す出力値データと、を含んでおり、
    前記シフトレジスタに保持される値がすべて同一であるときに、前記出力先データが、出力先が存在しない無効アドレスを示すことを特徴とする請求項1に記載のD/A変換装置。
  3. 前記D/A変換回路を動作させる信号を検出したときに前記シフトレジスタが保持する2値の値を一括してローにするリセット回路、または前記D/A変換回路を動作させる信号を検出したときに前記シフトレジスタが保持する2値の値を一括してハイにするプリセット回路をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のD/A変換装置。
  4. 出力先データおよび出力値データを含む所定ビットのディジタルデータを多チャンネルシリアルD/A変換装置に伝送するデータ伝送方法であって、
    待機時に、すべて同一の値で構成され、かつ、出力先が存在しない出力先データを含むディジタルデータを前記多チャンネルシリアルD/A変換装置に伝送する伝送工程と、
    前記伝送工程の終了後に、データ線上を伝送され、前記ディジタルデータを構成する2値のディジタル信号と、クロック線上を伝送され、前記多チャンネルシリアルD/A変換装置に2値の動作クロックと、を互いに異なる値に固定する設定工程と、
    を含むことを特徴とするデータ伝送方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006303247A (ja) * 2005-04-21 2006-11-02 Mitsumi Electric Co Ltd データ設定回路
JP2013205687A (ja) * 2012-03-29 2013-10-07 Seiko Epson Corp 投射型表示装置、表示システム及び表示方法

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