JP2005091684A - 画像形成方法 - Google Patents

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久保  勉
Shuichi Taniguchi
秀一 谷口
Manabu Serizawa
学 芹澤
Shigeru Seitoku
滋 清徳
Hiroyuki Tanaka
浩之 田中
Kazuhiko Yanagida
和彦 柳田
Yasuo Matsumura
保雄 松村
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Abstract

【課題】高速で画像を形成した場合においても、トナーフィルミングの発生を防止できる画像形成方法を提供すること。
【解決手段】静電潜像担体上に静電潜像を形成する潜像形成工程と、前記静電潜像をトナーを含む現像剤を用いて現像しトナー画像を形成する現像工程と、前記トナー画像を転写体上に転写する転写工程と、前記静電潜像担体上および/または前記転写体上に残留した前記トナー(残留トナー)を除去するクリーニング工程と、を含む画像形成方法において、前記トナーの、体積平均粒子径が3〜7μmの範囲内であり、形状係数の平均値が130〜140の範囲内であり、且つ、形状係数分布において形状係数が115以下であるトナーの割合が6個数%以下であることを特徴とする画像形成方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法等により形成される静電潜像を現像剤により現像する画像形成方法に関する。
電子写真法等のように、静電荷像を経て画像情報を可視化する方法は、現在各種の分野で広く利用されている。前記電子写真法においては、帯電工程、露光工程等を経て感光体上に静電荷像を形成し、トナー粒子を含有する現像剤を用いて前記静電荷像を現像し、転写工程、定着工程等を経て前記静電荷像が可視化される。
ところで、前記電子写真法は近年ではトナー粒子の形状が球形に近いものを使用することにより転写率を格段に向上させているが、100%に近い転写率を得るまでには至っていない。このため、感光体上に残留している未転写トナーを回収するクリーニング装置が不可欠である。
特にA4サイズの記録用紙を用いて毎分80枚以上で画像の形成が可能な高速のカラーマシンにおいては、中間体ベルトを用いた場合には、クリーニング装置に採用するクリーニング手段によりトナーに過大な負荷が加わり、しばしば感光体表面や中間体ベルト表面がトナー組成物で汚染されるいわゆるフィルミングが大きな問題トナーっている。例えば、これまで一般的に採用されてきた混練粉砕法トナーの場合に用いていたブレードクリーニング法は比較的短期間の使用でフィルミングが発生してしまうために高速マシンでは採用できなくなってきている。このため、静電ブラシにてクリーニングする工程を含む画像形成方法が開発されてきている(例えば、特許文献1参照)。なお、中間転写ベルトを用いた画像形成装置において、毎分80枚以上(A4サイズの用紙を用いた場合)の高速の画像形成を行う場合には、中間転写ベルトを285mm/sec以上で回転させる必要がある。
さらに、クリーニング時の負荷を小さく抑えて高い転写率を実現するために、トナー形状を球形に近ずける重合トナー製法で作製されたトナーの適応が試みられている。しかし、重合製法により製造されるトナーでは転写率が高くなるもののクリーニングしにくくなるという問題を抱えてしまう。すなわち、球形トナーは感光体との付着力は小さくなるもののブラシとの付着力も同時に小さくなってしまうため、クリーニングが困難となってしまう。
それゆえ、現実には混練粉砕法により製造されるトナーは、その転写率が低く、また高速のマシンでは許容し難い問題であるフィルミングの発生を伴うという矛盾を抱えているにもかかわらず高速のマシンに使用されている。このため、益々、高性能で高い信頼性を有する高速のマシンの提供が困難となっている。
特開2002−258709号公報
本発明は、上記問題点を解決することを課題とする。すなわち、本発明は、高速で画像を形成した場合においても、トナーフィルミングの発生を防止できる画像形成方法を提供することを課題とする。
上記課題は以下の本発明により達成される。すなわち、本発明は、
<1> 静電潜像担体上に静電潜像を形成する潜像形成工程と、前記静電潜像をトナーを含む現像剤を用いて現像しトナー画像を形成する現像工程と、前記トナー画像を転写体上に転写する転写工程と、前記静電潜像担体上および/または前記転写体上に残留した前記トナー(残留トナー)を除去するクリーニング工程と、を含む画像形成方法において、
前記トナーの、体積平均粒子径が3〜7μmの範囲内であり、形状係数の平均値が130〜140の範囲内であり、且つ、形状係数分布において形状係数が115以下であるトナーの割合が6個数%以下であることを特徴とする画像形成方法である。
<2> 前記トナーの25℃における損失弾性率G”が、5×108Pa以上であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法である。
<3> 前記トナーが、少なくとも樹脂粒子を分散させてなる分散液中で、前記樹脂粒子のガラス転移点以下の温度に加熱して凝集粒子を形成し、凝集粒子分散液を調製する工程と、前記凝集粒子分散液に微粒子を分散させてなる微粒子分散液を混合し、前記凝集粒子に前記微粒子を付着させて付着粒子を形成する工程と、前記付着粒子を加熱して融合する工程と、を少なくとも経て作製されたことを特徴とする<1>に記載の画像形成方法である。
<4> 前記クリーニング工程が、前記静電潜像担体または前記転写体からなる被クリーニング部材表面に当接する静電ブラシを少なくとも用いて行われることを特徴とする<1>に記載の画像形成方法である。
<5> 前記被クリーニング部材表面に当接する導電性ブラシと、該導電性ブラシに当接する回収体と、前記回収体表面に当接するブレード部材と、前記導電性ブラシおよび前記回収体に電圧を印加する電圧印加手段と、を含むクリーニング装置を少なくとも備えた画像形成装置を用いた<4>に記載の画像形成方法であって、
前記クリーニング工程が、前記被クリーニング部材表面上の前記残留トナーを、該残留トナーの帯電極性と逆極性の電圧が印加された前記導電性ブラシに付着させることにより除去し、前記導電性ブラシに付着した前記残留トナーを、前記導電性ブラシに印加された電圧と同極性の電圧が印加された前記回収体表面に付着させることにより除去し、前記回収体表面に付着した前記残留トナーを前記ブレード部材により除去・回収するプロセスを含み、且つ、下式(1)を満たすことを特徴とする画像形成方法である。
・式(1) |V2−V1|>0
〔但し、式(1)中、V1は前記導電性ブラシに印加される電圧(V)、V2は前記回収体に印加される電圧(V)を表す。〕
以上に説明したように本発明によれば、高速で画像を形成した場合においても、トナーフィルミングの発生を防止できる画像形成方法を提供することができる。
本発明の画像形成方法は、静電潜像担体上に静電潜像を形成する潜像形成工程と、前記静電潜像をトナーを含む現像剤を用いて現像しトナー画像を形成する現像工程と、前記トナー画像を転写体上に転写する転写工程と、前記静電潜像担体上および/または前記転写体上に残留した前記トナー(残留トナー)を除去するクリーニング工程と、を含む画像形成方法において、前記トナーの、(1)体積平均粒子径が3〜7μmの範囲内であり、(2)形状係数の平均値が130〜140の範囲内であり、且つ、(3)形状係数分布において形状係数が115以下であるトナーの割合が6個数%以下であることを特徴とする。
従って、本発明の画像形成方法を利用して高速で画像を形成した場合においても、トナーフィルミングの発生を防止することができる。
なお、トナーの体積平均粒子径値はコールターカウンター(コールター社製)を用いて、トナー粒子50000個について測定して得られた個々のトナー粒子の体積粒子径を平均することにより求めた。
また、トナーの形状係数(ML2/A)は、光学顕微鏡(ミクロフォトFXA;ニコン社製)により観察して得られたトナー粒子の拡大写真を、イメージアナライザーLuzex3(NIRECO社製)により画像解析を行って以下の下式(2)により算出した値である。
・式(2) 形状係数(ML2/A)=(トナー径の絶対最大長)2/トナーの投影面積×π/4×100
この際、上記(2)項に示すトナーの平均形状係数および形状係数分布は、5000個のトナー粒子の形状係数を測定した結果を元にして求めたものである。また、上記(3)項に示す値を求める際の形状係数分布とは、イメージアナライザーLuzex3(NIRECO社製)を用いて1回のサンプリングを100個以下に抑えたトナ−粒子分散状態でのサンプリング/測定を50回以上繰り返すことで得られた合計5000個以上のトナー粒子の分布データーに基づいて求めたものである。なお、トナー粒子の形状係数のサンプリング幅は>112,115,118,121,124,127,130,133,136,139,142,145,148,151,154,157,160,163,166,169,172とした。
なお、本発明において、トナーの体積平均粒子径は、3〜7μmの範囲内であることが必要であるが、3.5〜6.5μmの範囲内であることが好ましい。体積平均粒子径が7μmを超える場合には、きめ細かい高精細な画像を形成することができなくなり、3μmよりも小さい場合には、トナ−の流動性が極端に悪くなることからトナー供給が安定せず、突然の画像濃度低下や、TCラチチュ−ドが狭くなることによるトナー濃度性制御がむずかしくなる場合がある。
また、形状係数の平均値は、130〜140の範囲内であることが必要であるが、132〜135の範囲内であることが好ましい。形状係数の平均値が140を超える場合には、トナーの転写率が低下してしまうため、画像濃度の高い画像が得られなくなり、130未満の場合には転写時にトナー飛散が起こり、文字がにじむ等の画像欠陥が発生しやすくなる場合がある。
さらに、形状係数分布において形状係数が115以下であるトナーの割合が6個数%以下であることが必要であるが、4個数%以下であることが好ましく、0個数%に近い程より好ましい。
形状係数が115以下であるトナーの割合が6個数%を超える場合には、相対的に真球状のトナー粒子の割合が多くなり、潜像担持体上や転写体上に残留するトナーのクリーニングが困難となり、トナーフィルミングが発生してしまう。
本発明に用いられるトナーは、如何様な製造方法により作製されたものであっても以上に説明したような(1)〜(3)項を満たすものであれば特に限定されるものではないが、実用上は後述するような乳化重合凝集法を利用した製造方法を利用して作製することができる。乳化重合凝集法を利用した場合、容易に上記(1)〜(3)項を満たすトナーを得ることが可能である。
また、このような製造方法を経て作製されたトナーは、その内部から表面にかけて組成、物性等が異なる層構造を有し、これらの層構造の制御により、現像性、転写性、定着性、クリーニング性等の諸特性を向上させることが容易である。また、これら諸性能を安定に発揮・維持することができるため、信頼性が高い。さらに、混練粉砕法等により製造されたトナーと異なり、上述の製法により得られるトナーは、その平均粒径が小さく、粒度分布をシャープにすることも容易である。
本発明の画像形成方法に用いられるトナーは、上記(1)〜(3)項に示す特徴を少なくとも有するものであれば特に限定されないが、25℃における損失弾性率G”が、5×108Pa以上であることが好ましく、7×108Pa以上であることがより好ましい。
損失弾性率G”が、5×108Paよりも小さい場合には、トナーが感光体表面やクリーニングブラシ表面に摩擦力でフィルミングしてしまい、クリーニングが困難になる場合がある。なお、損失弾性率G”の上限は特に限定されないが、実用上は5×109Pa以下であることが好ましい。
なお、本発明において、損失弾性率G”は粘弾性測定装置(ARES;レオメトリックサイエンチフィクFE社)を用いて測定した。具体的には、トナーを錠剤に成形してパラレルプレート(直径8mm)にセットし、室温25℃でノ−ムルフォ−スを0とした、後に6.28rad/secの振動周波数で振動を与えた状態で測定することにより損失弾性率G”を求めた。
このようなトナーの25℃における損失弾性率G”を、5×108Pa以上とするには、トナーに含まれる樹脂成分が、スチレン−アクリル樹脂系の場合には、重合度を大きくした樹脂、例えば、分子量500000以上の樹脂や、樹脂組成の一部にジビニルベンゼンを添加して架橋部位を設けた樹脂を利用する方法が挙げられ、また、ポリエステル系では重合度を大きくして分子量を100000以上にした樹脂や、樹脂の一部に、分子構造の一部にグリジジル基を2ケ以上有するモノマーを添加して架橋部位を設けたりした樹脂等を利用する方法が挙げられる。
−トナーの製造方法および構成材料−
本発明に用いられるトナーの製造方法は、上述したように、特開平10−026842号公報、特開平10−133423号公報、特開平10−198070号公報、特開平11−231570号公報等に開示されるような乳化重合凝集法を利用して作製されることが好ましく、具体的には、以下のような工程を含むものであることが好ましい。
すなわち、本発明に用いられるトナーは、少なくとも樹脂粒子を分散させてなる分散液中で、前記樹脂粒子のガラス転移点以下の温度に加熱して凝集粒子を形成し、凝集粒子分散液を調製する工程(凝集粒子形成工程)と、前記凝集粒子分散液に微粒子を分散させてなる微粒子分散液を混合し、前記凝集粒子に前記微粒子を付着させて付着粒子を形成する工程(微粒子付着工程)と、前記付着粒子を加熱して融合する工程(融合工程)と、を少なくとも経て作製されるものであることが好ましい。
このようなトナー製造方法を利用してトナーを作製した場合、トナーの体積平均粒径や形状係数(平均値およびその分布)は、凝集粒子形成工程、微粒子付着工程、融合工程の条件を調整することにより容易に調整することができる。
以下、凝集粒子形成工程、微粒子付着工程、融合工程に大きく分けて、本発明に用いられるトナーの好適な製造方法をより詳細に説明する。なお、以下の説明においては、トナーの構成材料も含めて説明するが、以下に例示するトナーの構成材料は、上記3つの工程を経て作製されるトナーのみに限定されるものでは無く、これ以外の製造方法によりトナーを作製する場合においても勿論同様の材料を利用することができる。
(凝集粒子形成工程)
凝集粒子形成工程で用いられる分散液は、少なくとも樹脂粒子を分散させてなるものである。前記樹脂粒子は、樹脂製の粒子である。前記樹脂としては、例えば熱可塑性結着樹脂などが挙げられ、具体的には、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類の単独重合体又は共重合体(スチレン系樹脂);アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類の単独重合体又は共重合体(オレフィン系樹脂);エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等の非ビニル縮合系樹脂、及びこれらの非ビニル縮合系樹脂とビニル系単量体とのグラフト重合体などが挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの樹脂の中でも、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、オレフィン系樹脂が好ましく、スチレンとアクリル酸n−ブチルとの共重合体、アクリル酸n−ブチル、ビスフェノールA・フマル酸共重合体、スチレンとオレフィンとの共重合体が特に好ましい。
前記樹脂粒子の平均粒径としては、通常1μm以下であり、0.01〜1μmであることが好ましい。前記平均粒径が1μmを越えると、最終的に得られるトナーの粒径分布が広くなったり、遊離粒子の発生が生じ、性能や信頼性の低下を招き易い。一方、前記平均粒径が前記範囲内にあると前記欠点がない上、トナー間の偏在が減少し、トナー中の分散が良好トナーり、性能や信頼性のバラツキが小さくなる点で有利である。なお、前期平均粒径は、例えばコールターカウンターなどを用いて測定することができる。
後述の微粒子付着工程における微粒子分散液として着色剤微粒子分散液を用いない場合は、前記分散液中にさらに着色剤を分散させておく必要がある。なお、その場合、樹脂粒子を分散させてなる分散液中に着色剤を分散させてもよいし、樹脂粒子を分散させてなる分散液に、着色剤を分散させてなる分散液を混合してもよい。
前記着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーメネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デイポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレレートナーどの種々の顔料;アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、チオインジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアジン系、チアゾール系、キサンテン系などの各種染料;などが挙げられる。これらの着色剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記着色剤の平均粒径としては、通常1μm以下であることが好ましく、0.01〜1μmの範囲内であることがより好ましい。前記平均粒径が1μmを越えると、最終的に得られるトナーの粒径分布が広くなったり、遊離粒子の発生が生じ、性能や信頼性の低下を招き易い場合がある。一方、前記平均粒径が前記範囲内にあると前記欠点がない上、トナー間の偏在が減少し、トナー中の分散が良好トナーり、性能や信頼性のバラツキが小さくなる点で有利である。なお、前記平均粒径は、例えばコールターカウンターなどを用いて測定することができる。
前記分散液中で、前記着色剤と前記樹脂粒子とを併用する場合には、その組み合わせとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜自由に選択することができる。
なお、本発明においては目的に応じて、前記分散液に、離型剤、内添剤、帯電制御剤、無機粒体、滑剤、研磨材などのその他の成分が分散させていてもよい。この場合、樹脂粒子を分散させてなる分散液中にその他の粒子を分散させてもよいし、樹脂粒子を分散させてなる分散液に、その他の粒子を分散させてなる分散液を混合してもよい。
前記離型剤としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油系ワックス;及びそれらの変性物などが挙げられる。
なお、これらのワックス類は、水中にイオン性界面活性剤、高分子酸、高分子塩基等の高分子電解質と共に分散し、融点以上に加熱し、強い剪断力を印加可能なホモジナイザーや圧力吐出型分散機を用いて処理すると、容易に1μm以下の微粒子にされ得る。
前記内添剤としては、例えば、フェライト、マグネタイト、還元鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等の金属、合金、又はこれら金属を含む化合物などの磁性体などが挙げられる。
前記帯電制御剤としては、例えば、4級アンモニウム塩化合物、ニグロシン系化合物、アルミ、鉄、クロムなどの錯体からなる染料、トリフェニルメタン系顔料などが挙げられる。なお、本発明における帯電制御剤としては、凝集時や融合時の安定性に影響するイオン強度の制御と廃水汚染減少の点で、水に溶解しにくい素材のものが好ましい。
前記無機粒体としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム、酸化セリウム等の通常トナー表面の外添剤として使用される総ての粒子が挙げられる。前記滑剤としては、例えば、エチレンビスステアラミド、オレイン酸アミド等の脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩が挙げられる。前記研磨材としては、例えば、前述のシリカ、アルミナ、酸化セリウムなどが挙げられる。
前記その他の成分の平均粒径としては、通常1μm以下であることが好ましく、0.01〜1μmの範囲内であることが好ましい。前記平均粒径が1μmを越えると、最終的に得られるトナーの粒径分布が広くなったり、遊離粒子の発生が生じ、性能や信頼性の低下を招き易い場合がある。一方、前記平均粒径が前記範囲内にあると前記欠点がない上、トナー間の偏在が減少し、トナー中の分散が良好となり、性能や信頼性のバラツキが小さくなる点で有利である。なお、前記平均粒径は、例えばコールターカウンターなどを用いて測定することができる。
前記分散液における分散媒としては、例えば水系媒体などが挙げられる。前記水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、前記水系媒体に界面活性剤を添加混合しておくのが好ましい。前記界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤などが挙げられる。これらの中でもアニオン界面活性剤、カチオン系界面活性剤が好ましい。前記非イオン系界面活性剤は、前記アニオン界面活性剤又はカチオン系界面活性剤と併用されるのが好ましい。前記界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、前記アニオン界面活性剤の具体例としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウムなどが挙げられる。また、前記カチオン界面活性剤の具体例としては、アルキルベンゼンジメチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。これらの中でもアニオン界面活性剤、カチオン系界面活性剤等のイオン性界面活性剤が好ましい。
前記分散液における前記樹脂粒子の含有量としては、前記凝集粒子が形成された際の凝集粒子分散液中において、40重量%以下であることが好ましく、2〜20重量%程度の範囲内であることがより好ましい。また、前記分散液に前記着色剤や磁性体をも分散させる場合、前記分散液における前記着色剤の含有量としては、前記凝集粒子が形成された際の凝集粒子分散液中において、50重量%以下であることが好ましく、2〜40重量%程度の範囲内であることが好ましい。
さらに、前記分散液に前記その他の成分をも分散させる場合、前記分散液における前記その他の成分の含有量としては、本発明の目的を阻害しない程度であればよく、一般的には極く少量であり、前記凝集粒子が形成された際の凝集粒子分散液中において、0.01〜5重量%程度の範囲内であり、0.5〜2重量%程度の範囲内が好ましい。前記含有量が前記範囲外であると、前記その他の粒子を分散させたことの効果が十分でなかったり、粒度分布が広がり、特性が悪化する場合がある。
前記少なくとも樹脂粒子を分散させてなる分散液は、例えば以下のようにして調製される。前記樹脂粒子における樹脂が、前記ビニル基を有するエステル類、前記ビニルニトリル類、前記ビニルエーテル類、前記ビニルケトン類等のビニル系単量体の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂)である場合には、前記ビニル系単量体をイオン性界面活性剤中で乳化重合やシード重合等することにより、ビニル系単量体の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂)製の樹脂粒子をイオン性界面活性剤に分散させてなる分散液が調製される。
前記樹脂粒子における樹脂が、前記ビニル系単量体以外の樹脂である場合には、該樹脂が、水への溶解度が比較的低い油性溶剤に溶解するのであれば、該樹脂を該油性溶剤に溶解させ、この溶液を、ホモジナイザー等の分散機を用いてイオン性界面活性剤や高分子電解質と共に水中に微粒子分散し、その後、加熱又は減圧して該油性溶剤を蒸散させることにより、ビニル系樹脂以外の樹脂製の樹脂粒子をイオン性界面活性剤に分散させてなる分散液が調製される。
前記分散の手段としては、特に制限はないが、例えば、回転剪断型ホモジナイザーやメデイアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミルなどのそれ自体公知の分散装置が挙げられる。
前記凝集粒子は、例えば、以下のようにして調製される。イオン性界面活性剤を添加混合した水系媒体に少なくとも前記樹脂粒子を分散させてなる第1分散液に、前記イオン性界面活性剤と反対極性のイオン性界面活性剤、又は、それを添加混合した水系媒体若しくは該水系媒体を含有する第2分散液を混合する。この混合液を攪拌すると、イオン性界面活性剤の作用により、分散液中で前記樹脂粒子等が凝集し、樹脂粒子等による凝集粒子が形成され、凝集粒子分散液が調製される。前記混合は、混合液に含まれる樹脂粒子の樹脂のガラス転移点以下の温度で行われる。この温度条件下で前記混合を行うことにより、凝集が安定した状態で行うことができる。なお、前記第2分散液は、前記樹脂粒子、前記着色剤、及び/又は前記その他の粒子を分散させてなる分散液である。また、前記攪拌は、例えばそれ自体公知の攪拌装置、ホモジナイザー、ミキサー等を用いて行うことができる。
前記凝集粒子分散液の場合は、第1分散液中に分散されている樹脂粒子同士が凝集してなる凝集粒子が形成される。なお、このとき、前記第1分散液における前記樹脂粒子の含有量は、通常5〜60重量%の範囲内とすることが好ましく、10〜40重量%の範囲内がより好ましい。また、凝集粒子が形成された際における、凝集粒子分散液中の凝集粒子の含有量は、通常40重量%以下であることが好ましい。
前記第2分散液の場合は、前記第2分散液中に分散されている粒子が前記樹脂粒子であるときは、この樹脂粒子と、第1分散液中に分散されている樹脂粒子とが凝集してなる凝集粒子が形成される。一方、前記第2分散液中に分散されている粒子が前記着色剤及び/又は前記その他の粒子である場合には、これらと、第1分散液中に分散されている樹脂粒子とがヘテロ凝集してなる凝集粒子が形成される。
さらに、前記第2分散液中に分散されている粒子が、前記樹脂粒子、前記着色剤及び/又は前記その他の粒子である場合には、これらと、第1分散液中に分散されている樹脂粒子とが凝集してなる凝集粒子が形成される。このとき、前記第1分散液における前記樹脂粒子の含有量は、通常5〜60重量%の範囲内であることが好ましく、10〜40重量%の範囲内であることがより好ましく、前記第2分散液における前記樹脂粒子、前記着色剤及び/又は前記その他の粒子の含有量は、通常5〜60重量%の範囲内であることが好ましく、10〜40重量%の範囲内であることがより好ましい。前記含有量が前記範囲外であると、粒度分布が広がり、特性が悪化する場合がある。
また、凝集粒子が形成された際における、凝集粒子分散液中の凝集粒子の含有量は、通常40重量%以下であることが好ましい。なお、前記凝集粒子や前記付着粒子を形成させる場合には、添加される側の分散液に含まれるイオン性界面活性剤と、添加する側に含まれるイオン性界面活性剤とを反対の極性にしておき、その極性のバランスを変化させるのが好ましい。
形成される凝集粒子の平均粒径としては、特に制限はないが、通常、得ようとするトナーの平均粒径と同じ程度になるように制御される。前記制御は、例えば、温度と前記攪拌混合の条件とを適宜設定・変更することにより容易に行うことができる。以上の凝集粒子形成工程により、トナーの平均粒径とほぼ同じ平均粒径を有する凝集粒子が形成され、該凝集粒子を分散させてなる凝集粒子分散液が調製される。なお、本発明において、前記凝集粒子は「母粒子」と称されることがある。
(微粒子付着工程)
前記微粒子付着工程は、前記凝集粒子分散液中に、微粒子を分散させてなる微粒子分散液を添加混合して前記凝集粒子に前記微粒子を付着させて付着粒子を形成する工程である(以下、微粒子付着工程を「付着工程」と称することがある)。
前記微粒子としては、樹脂含有微粒子、無機微粒子、着色剤微粒子、離型剤微粒子、内添剤微粒子、帯電制御剤微粒子などが挙げられる。
前記樹脂含有微粒子は、上述の樹脂の少なくとも1種を含有してなる微粒子である。前記樹脂含有微粒子は、上述の樹脂の少なくとも1種を100重量%含有してなる樹脂微粒子であってもよいし、上述の樹脂の少なくとも1種と、上述の着色剤、無機粒体、離型剤、内添剤及び帯電制御剤の少なくとも1種とを含有してなる複合微粒子であってもよい。本発明においては、前記複合微粒子の中でも、上述の樹脂の少なくとも1種と上述の着色剤の少なくとも1種とを含有してなる複合(樹脂・着色剤)微粒子が好ましい。
前記無機微粒子は、上述の無機粒体の少なくとも1種を含有してなる微粒子である。前記着色剤微粒子は、上述の着色剤の少なくとも1種を含有してなる微粒子である。前記離型剤微粒子は、上述の離型剤の少なくとも1種を含有してなる微粒子である。前記内添剤微粒子は、上述の内添剤の少なくとも1種を含有してなる微粒子である。前記帯電制御剤微粒子は、上述の帯電制御剤の少なくとも1種を含有してなる微粒子である。
これらの微粒子の中でも、樹脂含有微粒子、無機微粒子、着色剤微粒子又は離型剤微粒子が好ましい。前記樹脂含有微粒子は、例えば多色のトナーを製造する場合に好適に用いられる。前記樹脂含有微粒子を使用すると、前記樹脂粒子と前記着色剤とを凝集させてなる凝集粒子の表面に、樹脂含有微粒子の層が被覆形成されるので、前記着色剤による帯電挙動への影響を最少化でき、着色剤の種類による帯電特性の差が生じにくくすることができる。また、前記樹脂含有微粒子における樹脂として、ガラス転移点の高い樹脂を選択すれば、熱保存性と定着性とを両立したトナーを製造することができる。
前記樹脂含有微粒子(樹脂と着色剤との複合粒子)を用い、これを前記凝集粒子に付着させると、より複雑な層構造を有するトナーを製造することができる。前記無機微粒子を用い、これを前記凝集粒子に付着させると、融合工程における融合後に、この無機微粒子による層でカプセル化された構造を有するトナーを製造することができる。
前記微粒子の平均粒径としては、通常1μm以下であることが好ましく、0.01〜1μmの範囲内であることがより好ましい。前記平均粒径が1μmを越えると、最終的に得られるトナーの粒径分布が広くなったり、遊離粒子の発生が生じ、性能や信頼性の低下を招き易い場合がある。一方、前記平均粒径が前記範囲内にあると前記欠点がない上、微粒子による層構造を形成する点で有利である。なお、前記平均粒径は、例えばコールターカウンターなどを用いて測定することができる。
前記微粒子の体積としては、得られるトナーの体積分率に依存し、得られるトナーの体積の50%以下であるのが好ましい。前記微粒子の体積が得られるトナーの体積の50%を越えると、前記微粒子が前記凝集粒子に付着・凝集せず、前記微粒子による新たな凝集粒子が形成されてしまい、得られるトナーの組成分布や粒度分布の変動が著しくなり、所望の性能が得られなくなることがある。
前記微粒子分散液においては、これらの微粒子を1種単独で分散させてもよいし、2種以上を併用して分散させてもよい。後者の場合、併用する微粒子の組み合わせとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記微粒子分散液における分散媒としては、例えば上述の水系媒体などが挙げられる。また、前記水系媒体に上述の界面活性剤の少なくとも1種を添加混合しておくのが好ましい。
前記微粒子分散液における前記微粒子の含有量としては、通常5〜60重量%の範囲内であることが好ましく、10〜40重量%の範囲内であることがより好ましい。前記含有量が前記範囲外であると、トナーの内部から表面にかけての構造及び組成の制御が十分でないことがある。また、凝集粒子が形成された際における、凝集粒子分散液中の凝集粒子の含有量は、通常40重量%以下であることが好ましい。
前記微粒子分散液は、例えば、イオン性界面活性剤等を添加混合した水系媒体に、前記微粒子を分散させることにより調製される。ただし、前記複合微粒子を分散させてなる微粒子分散液は、上述の樹脂の少なくとも1種と上述の顔料の少なくとも1種とを、前記溶剤に溶解し、この溶液をホモジナイザー等の分散機を用いてイオン性界面活性剤や高分子電解質と共に水中に微粒子分散し、その後、加熱又は減圧して前記溶剤を蒸散させて除去することにより調製される。また、乳化重合やシード重合により作製されたラテックス表面に機械的剪断又は電気的に吸着、固定化することにより調製される。
微粒子付着工程においては、凝集粒子形成工程において調製された凝集粒子分散液中に、前記微粒子分散液を添加混合して、前記凝集粒子に前記微粒子を付着させて付着粒子を形成する。前記微粒子は、前記凝集粒子から見て新たに追加される粒子に該当するので、本発明においては「追加粒子」と称されることがある。
前記添加混合の方法としては、特に制限はなく、例えば、徐々に連続的に行ってもよいし、複数回に分割して段階的に行ってもよい。このようにして、前記微粒子(追加粒子)を添加混合することにより、微小な粒子の発生を抑制し、得られるトナーの粒度分布をシャープにすることができる。なお、複数回に分割して段階的に添加混合を行うと、前記凝集粒子の表面に段階的に前記微粒子による層が積層され、トナーの粒子の内部から外部にかけて構造変化や組成勾配をもたせることができ、粒子の表面硬度を向上させることができる。さらに、融合工程における融合時において、粒度分布を維持し、その変動を抑制することができると共に、融合時の安定性を高めるための界面活性剤や塩基又は酸等の安定剤の添加を不要にしたり、それらの添加量を最少限度に抑制することができる。このため、トナーの製造コストの削減や品質を向上させることできる。
前記凝集粒子に前記微粒子を付着させる条件としては、以下の通りである。即ち、温度としては、凝集粒子形成工程における樹脂粒子の樹脂のガラス転移点以下の温度であり、室温程度であるのが好ましい。ガラス転移点以下の温度で加熱すると、前記凝集粒子と前記微粒子とが付着し易くなり、その結果、形成される付着粒子が安定し易くなる。処理時間としては、前記温度に依存するので一概に規定することはできないが、通常5分〜2時間程度の範囲内であることが好ましい。なお、前記付着の際、前記凝集粒子と前記微粒子とを含有する分散液は、静置されていてもよいし、ミキサー等により穏やかに攪拌されていてもよい。後者の場合の方が、均一な付着粒子が形成され易い点で有利である。
この微粒子付着工程が行われる回数としては、1回であってもよいし、複数回であってもよい。前者の場合、前記凝集粒子の表面に前記微粒子(追加粒子)による層が1層のみ形成されるのに対し、後者の場合、前記凝集粒子の表面に前記微粒子(追加粒子)による層が2層以上順次形成される。したがって、後者の場合、複雑かつ精密な階層構造を有するトナーを得ることができ、トナーに所望の機能を付与し得る点で有利である。
微粒子付着工程が複数回行われる場合、前記凝集粒子に対し、最初に付着させる微粒子と、次以降に付着させる微粒子とは、いかなる組み合わせであってもよく、トナーの用途、目的等に応じて適宜選択することができる。前記凝集粒子に対し、例えば、前記離型剤微粒子と前記樹脂含有微粒子とをこの順で付着させる組み合わせ、前記着色剤微粒子と前記樹脂含有微粒子とをこの順で付着させる組み合わせ、前記樹脂含有微粒子と前記無機微粒子とをこの順に付着させる組み合わせ、前記離型剤微粒子と前記無機微粒子とをこの順に付着させる組み合わせ、などが好ましい。
前記離型剤微粒子と前記樹脂含有微粒子とをこの順で付着させる組み合わせの場合、トナーの粒子の最表面に前記樹脂含有微粒子の層が存在するため、前記離型剤微粒子は、トナーの粒子表面に露出せず、該粒子表面の近傍に存在する。このため、前記離型剤微粒子の露出を抑制しつつ、定着時においては離型剤微粒子を有効に作用させることができる。前記着色剤微粒子と前記樹脂含有微粒子とをこの順で付着させる組み合わせの場合、トナーの粒子の最表面に前記樹脂含有微粒子の層が存在するため、前記着色剤微粒子は、トナーの粒子表面に露出せず、該粒子表面の近傍に存在する。このため、該粒子表面からの着色剤微粒子の脱落が防止される。
前記樹脂含有微粒子と前記無機微粒子とをこの順に付着させる組み合わせの場合、トナーの粒子の最表面に、無機微粒子による層が存在するため、該無機微粒子の層によりカプセル化された構造を有するトナーが製造される。なお、上記以外の組み合わせとして、例えば、離型剤粒子分散液と、硬度の高い樹脂含有微粒子や無機微粒子とをこの順に付着させる組み合わせを採用すると、トナーの最表面に硬質の層(シェル層)を形成することができる。
微粒子付着工程が複数回行われる場合、前記微粒子を添加混合する毎に、前記微粒子と前記凝集粒子とを含有する分散液を、凝集粒子形成工程における樹脂粒子の樹脂のガラス転移点以下の温度で加熱する態様が好ましく、この加熱の温度が段階的に上昇される態様がより好ましい。このようにすると、遊離粒子の発生を抑制することができる点で有利である。
以上の微粒子付着工程により、凝集粒子形成工程で調製された凝集粒子に前記微粒子を付着させてなる付着粒子が形成される。なお、微粒子付着工程を複数回行った場合には、凝集粒子形成工程で調製された凝集粒子に、前記微粒子が複数回付着させてなる付着粒子が形成される。したがって、微粒子付着工程において、前記凝集粒子に、適宜選択した微粒子を付着させることにより、所望の特性を有するトナーを自由に設計し、製造することができる。
(融合工程)
前記融合工程は、前記付着粒子を加熱して融合する工程である。前記加熱の温度としては、付着粒子に含まれる樹脂のガラス転移点温度〜前記樹脂の分解温度の範囲内であることが好ましい。したがって、前記加熱の温度は、前記樹脂粒子の樹脂の種類に応じて異なり、一概に規定することはできないが、一般的には付着粒子に含まれる樹脂のガラス転移点温度〜180℃の範囲内である。
なお、前記加熱は、それ自体公知の加熱装置・器具を用いて行うことができる。前記融合の時間としては、前記加熱の温度が高ければ短い時間で足り、前記加熱の温度が低ければ長い時間が必要である。即ち、前記融合の時間は、前記加熱の温度に依存するので一概に規定することはできないが、一般的には30分〜10時間である。本発明においては、融合工程の終了後に得られたトナーを、適宜の条件で洗浄、乾燥等することができる。
なお、得られたトナーの表面に、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム等の無機粒体や、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂粒子を、乾燥状態で剪断力を印加して添加してもよい。これらの無機粒体や樹脂粒子は、流動性助剤やクリーニング助剤等の外添剤として機能する。
以上の融合工程を経ることにより、前記凝集粒子(母粒子)の表面に前記微粒子(追加粒子)が付着したままの状態で、微粒子付着工程で調製された付着粒子が融合され、トナーを得ることができる。
−画像形成装置−
本発明の画像形成方法に用いられる画像形成装置は、上記(1)〜(3)項の特徴を満たすトナーを用いて、既述した潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、クリーニング工程とを少なくとも実施することが可能な構成を有するものであれば特に限定されない。
すなわち、本発明の画像形成方法に用いられる画像形成装置は、具体的には静電潜像担体上に静電潜像を形成する潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーを含む現像剤を用いて現像しトナー画像を形成する現像手段と、前記トナー画像を転写体上に転写する転写手段と、前記静電潜像担体上および/または前記転写体上に残留した前記トナー(残留トナー)を除去するクリーニング手段を少なくとも備えたものであることが好ましい。
また、このような画像形成装置において、クリーニング工程は、前記静電潜像担体または前記転写体からなる被クリーニング部材表面に当接する静電ブラシを少なくとも用いて行われることが好ましい。以下にこのような画像形成装置および画像形成装置内に設けられるクリーニング手段の具体例について、以下に図面を用いて説明する。但し、本発明の画像形成方法に用いられる画像形成装置は以下の具体例のみに限定されるものではない。
図1は本発明の画像形成方法に用いられる画像形成装置(タンデム型画像形成装置)の一例を示す概略模式図である。図1において、21は本体ハウジング、22a〜22dは四つの色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した画像形成ユニット、23はベルトユニット(ベルト搬送装置)、24は記録材供給カセット、25は記録材搬送路、30は感光体ユニット、31は感光体ドラム、32は(帯電ロール等の)帯電器、33は現像ユニット、34はドラムクリーナ、35a〜35dはトナーカートリッジ、40は露光ユニット、42はポリゴンミラー、51は一次転写ロール51、52は二次転写装置、53はベルトクリーナ、62はテイクアウェイロール、63はレジストレーションロール(レジストロール)、66は定着装置、67は排出ロール、68は収容トレイ、71は濃度検知センサ(DCセンサ)、72は画像形成プロセスを制御するコントローラー、231、232、233、234、235は張架ロール、521は二次転写ロールを表す。
図1に示す画像形成装置の概略構成は、本体ハウジング21内に4つの色に対応した画像形成ユニット22a、22b、22c、22dをこの順に横方向に配列(図1中では、右から左方向)し、その上方には各色の画像形成ユニット22a〜22dの配列方向に沿って循環搬送される中間転写ベルト230と、中間転写ベルト230の内周側に設けられ、これを張架する張架ロール231、232、233、234、235を含むベルトユニット23が配設され、画像形成ユニット22a、22b、22c、22dが配列された下方には用紙等の記録材(図示せず)が収容される記録材供給カセット24が配設され、この記録材供給カセット24から供給される記録材を搬送する記録材搬送路25が、画像形成ユニットdおよびベルトユニット23の左側に位置するように垂直方向に配置したものである。
各画像形成ユニット22(22a〜22d)は、中間転写ベルト230の循環方向(時計回り方向。以下、循環方向側の位置を下流、逆方向側の位置を上流と略す場合がある)の上流側から順に、例えばイエロ用、マゼンタ用、シアン用、ブラック用(配列は必ずしもこの順番とは限らない)のトナー像を形成するものである。画像形成ユニット22a〜22dは、それぞれ、感光体ユニット30と、現像ユニット33と備え、また、画像形成ユニット22a〜22dに共通する一つの露光ユニット40を備えている。ここで、感光体ユニット30は、例えば感光体ドラム31と、この感光体ドラム31を予め帯電する帯電器(例えば帯電ロール)32と、感光体ドラム31上の残留トナーを除去するドラムクリーナ34とを一体的にカートリッジ化したものである。
また、現像ユニット33は、帯電された感光体ドラム31上に露光ユニット40にて露光形成された静電潜像を、対応する色のトナー(例えば負極性に帯電)で現像するものである。これら各色の現像ユニット33には各色に対応したトナーカートリッジ35(35a〜35d)から、現像剤が適宜補充される。尚、これら現像ユニット33及びトナーカートリッジ35の詳細については後述する。
一方、露光ユニット40は、ユニットケース41内に例えば四つの半導体レーザ(図示せず)、一つのポリゴンミラー42、結像レンズ(図示せず)及び各感光体ユニット30に対応するそれぞれのミラー(図示せず)を格納し、各色成分毎の半導体レーザから照射されるレーザー光をポリゴンミラー42で偏向走査し、結像レンズ、ミラーを介して対応する感光体ドラム31上の露光ポイントに光像を導くようにしたものである。
また、ベルトユニット23は、中間転写ベルト230を張架するために、この内周面に複数の張架ロール231、232,233,234,235を設けた構成を有すると共に、各感光体ユニット30の感光体ドラム31に対向配置された4つの一次転写ロール51が、中間転写ベルト230を介して、中間転写ベルト230の内周面を押圧するように配設されている。画像形成に際しては、この一次転写ロール51にトナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加することで、感光体ドラム31上に形成されたトナー像が中間転写ベルト230の外周面に静電的に転写される。
なお、ベルトユニット23は高速機の場合、260〜400mm/secの速さで駆動(中間転写ベルト230を回転)させることができ、この場合、A4サイズ(210×297mm)の記録用紙を横送り(記録用紙の短辺が搬送方向となるようにセット)で用いた場合には毎分60枚から120枚の画像形成が可能である。
更に、中間転写ベルト230の外周面に沿って配置され、最下流側に位置する画像形成ユニット22dよりも下流側に設けられた張架ロール235に対応した部位には二次転写装置52が配設されている。この二次転写装置52により、中間転写ベルト230上に元の画像情報と対応するように重ね合わせて転写された各色のトナー像(一次転写像)を記録材に二次転写(一括転写)することができる。この二次転写装置52は、中間転写ベルト230のトナー像担持面側(外周面)に圧接配置される二次転写ロール521と、中間転写ベルト230の内周面側に配置され、二次転写ロール521の対向電極をなすバックアップロール(図1に示す画像形成装置では張架ロール235がバックアップロールとして機能する)とを備えている。二次転写ロール521は接地されており、また、バックアップロール(張架ロール235)にはトナーの帯電極性と同極性のバイアスが給電ロール(図示せず)を介して印加されている。
一方、中間転写ベルト230の最上流側に位置する画像形成ユニット22aの更に上流側には、中間転写ベルト230の外周側にベルトクリーナ53が配設されており、このベルトクリーナ53により中間転写ベルト230の外周面上の残留トナーを除去することができる。なお、このベルトクリーナ53の詳細については後述する。
また、記録材供給カセット24から送出された記録材は、画像形成装置内に略垂直方向に設けられた記録材搬送路25に沿って搬送される。この記録材搬送路25の記録材搬送方向に沿って、記録材供給カセット24側から順に、記録材をピックアップするフィードロール(図示せず)、記録材を送出するテイクアウェイロール62、記録材を所定のタイミングで二次転写部位へ供給するレジストレーションロール(レジストロール)63、二次転写装置52、定着装置66、記録材排出用の排出ロール67がこの順に設けられている。また、排出ロール67を通過した記録材は、最終的に本体ハウジング21の上部に形成された収容トレイ68に収容されるようになっている。
画像形成に際しては、記録材供給カセット24から送出された記録材は、二次転写装置52にて、中間転写体230上に一括転写されたトナー像がその表面に転写される。さらに、記録材表面に転写されたトナー像は、定着装置66にて加熱溶融されることにより記録材表面に定着され、画像が形成される。そして、画像が形成された記録材は、排出ロール67により排出トレイ68に送出される。
なお、画像濃度検知センサ(DCセンサ)71は、中間転写ベルト230外周面上に、画像ユニット22dと2次転写装置52との間に位置するように配置されており、中間転写ベルト230上に形成された基準トナーパッチの画像濃度を検知するものである。また、画像形成プロセスを制御するコントローラー72は、ベルトクリーナー53の張架ロール231が設けられた側と反対側の位置に配置されている。
−クリーニング装置−
図1に示すような画像形成装置において、上述したような本発明の画像形成方法に持ちいられるトナーを用いた場合には、ドラムクリーナ34やベルトクリーナ53により、感光体ドラム31上や中間転写体230上に残留するトナーを十分にクリーニングすることが容易であるため、高速で画像を形成した場合においても、トナーフィルミングの発生を防止できる。
この際、ドラムクリーナ34やベルトクリーナ53としては、クリーニングブレード等の公知のクリーニング手段を利用することができるが、上述した効果をより一層高めるためには、クリーニング部材として導電性ブラシを用いることが好適である。さらに、クリーニング部材として導電性ブラシを用いる場合には、以下のような構成を有するクリーニング装置を用いることができる。
すなわち、このようなクリーニング装置としては中間転写体230や感光体ドラム31のような被クリーニング部材表面に当接する導電性ブラシと、該導電性ブラシに当接する回収体と、前記回収体表面に当接するブレード部材と、前記導電性ブラシおよび前記回収体に電圧を印加する電圧印加手段と、を含むものであることが好ましい。
このようなクリーニング装置を用いる場合には、被クリーニング部材表面上に残留するトナーをクリーニングするプロセスは具体的には以下のように行なわれる。
まず、被クリーニング部材表面上の残留トナーは、この残留トナーの帯電極性と逆極性の電圧が印加された導電性ブラシに付着させることにより除去される。次に、導電性ブラシに付着した残留トナーは、導電性ブラシに印加された電圧と同極性の電圧が印加された回収体表面に付着させることにより除去される。さらに、回収体表面に付着した残留トナーは、ブレード部材により除去・回収される。
但し、上記のクリーニングプロセスにおいては、導電性ブラシから回収体への残留トナーの静電的な移動をスムーズに行なうために、導電性ブラシに印加される電圧V1と、回収体に印加される電圧V2とは、下式(3)の関係式を満たすことが好ましい。
・式(3) |V2−V1|>0
但し、式(3)中、V1は導電性ブラシに印加される電圧(V)、V2は回収体に印加される電圧(V)を表す。なお、電圧V1の値は、被クリーニング部材からの導電性ブラシへの残留トナーの静電的な移動が十分に発生するように、被クリーニング部材上の残留トナーの面密度等を考慮して一定値(しきい値)以上に設定することが好ましいが、高すぎる場合には放電が発生して被クリーニング部材表面に放電生成物が発生する場合があるため、これらを考慮して選択される。
以下に、次に、図1に示す画像形成装置に用いられるベルトクリーナ(クリーニング装置)53が、上述したようなクリーニング装置である場合について、図面を用いてより詳細について説明する。
図2は、図1に示す画像形成装置に設けられるベルトクリーナ53の一例について示す概略模式図である。図2中、符号53、230および231は図1に示した部材と同様であり、531は導電性ブラシロール、532はクリーニングブレード、533はクリーナハウジング、534は回収ロール(回収体)、535はスクレーパ(ブレード部材)、536はフィルムシール、537はL字状プレート、538は排出オーガ、541はバイアス電源、542a、542b、542c、542dはツェナーダイオード、また、記号RBはバイパス抵抗、記号Tは残留トナーを表す。
図2に示すベルトクリーナ53の概略構成は、中間転写ベルト230の像担持面に当接して配置される導電性ブラシロール531と、この導電性ブラシロール531からみて中間転写ベルト230の移動方向下流側に中間転写ベルト230の像担持面に当接して配置されるクリーニングブレード532と、これら導電性ブラシロール531及びクリーニングブレード532が収容されるクリーナハウジング533とからなる。
ここで、導電性ブラシロール531は、中間転写ベルト230との対向部において、中間転写ベルト230の移動方向とは逆方向に回転するものである。また、導電性ブラシロール531は、中間転写ベルト230に対してある程度食い込むように配置されている。また、導電性ブラシロール531は、芯体表面に導電性の繊維が密に植毛されたものである。
また、導電性ブラシロール531と当接するように、導電性ブラシロール531とは逆方向に回転する回収ロール534が配置されている。なお回収ロール534には導電性ブラシロール531に対してある程度くい込むように当接して配置され、さらにその回転方向からみて所謂ドクター方向にスクレーパ535が圧接配置されている。
尚、フィルムシール536は、除去された残留トナーTの外部への飛び散りを防止するための部材で、導電性ブラシロール531からみて中間転写ベルト230の移動方向上流側に中間転写体230に近接して配置されるのである。また、L字状プレート537は、クリーナハウジング533にクリーニングブレード532を固定するように設けられている。さらに、排出オーガ538は、クリーナハウジング533内に回収された残留トナーTを図示しない廃トナー容器へ排出するものであり、クリーナハウジング533内部の下部側に設けられる。
回収ロール534には、残留トナーTの帯電極性と逆極性の電圧を印加するバイアス電源541が接続されている。一方、導電性ブラシロール531には、四つのツェナーダイオード群542(具体的には542a、542b、542c、542d)が直列に接続されている。ここで、これら各ツェナーダイオード542a〜542dは、所定のしきい値以上の電流の流入により、残留トナーTの帯電極性と逆極性の電圧が夫々発生するようになっており、これら4つのツェナーダイオード542a〜542dで発生した電圧が積算された電圧が導電性ブラシロール531に印加される。なお、回収ロール534に印加される電圧は、導電性ブラシロール531よりも大きくなるように設定される。
また、導電性ブラシロール531及び回収ロール534の合成抵抗R(図中破線で示す部分)と並列にバイパス抵抗RBが接続されている。一方、中間転写ベルト230を挟んで導電性ブラシロール531に対向する駆動ロール231は、接地されている。
次に、図2に示すベルトクリーナ53において、導電性ブラシロール531に電圧が印加される仕組みについて説明する。図2において、回収ロール534には、上述したようにバイアス電源541よりVb(V)のバイアスが印加される。また、ツェナーダイオード群542には、(導電性ブラシロール531及び回収ロール534の)合成抵抗R及びバイパス抵抗RBからなる並列回路を介してしきい値以上の電流が流れる。すると、各ツェナーダイオード542a〜542dよりVa/4(V)の定電圧が発生し、その結果Va(V)のバイアスが導電性ブラシロール531に印加されることとなる。
また、図2に示すベルトクリーナ53では、導電性ブラシロール531及び回収ロール534の合成抵抗Rと並列に、バイパス抵抗RBを接続しているので、湿度等の環境変動によらず、常に前記ツェナーダイオード群542にしきい値以上の電流を流入させること、すなわち、導電性ブラシロール531にVa(V)のバイアスを印加することが可能である。
例えば、高温高湿条件下においては、吸湿により導電性ブラシロール531を構成するブラシ繊維の抵抗値が低下するため、合成抵抗Rの抵抗値も低下する。この場合、バイアス電源541からの電流は、バイパス抵抗RBよりも合成抵抗Rの方を優先的に流れ(合成抵抗Rの抵抗値<バイパス抵抗RBの抵抗値)、ツェナーダイオード群542には、しきい値以上の電流が流入することとなる。
一方、低温低湿条件下においては、導電性ブラシロール531を構成するブラシ繊維の抵抗値が上昇するため、合成抵抗の抵抗値も上昇する。この場合、バイアス電源541からの電流は、合成抵抗Rよりもバイパス抵抗RBの方を優先的に流れ(合成抵抗Rの抵抗値>バイパス抵抗RBの抵抗値)、ツェナーダイオード群542には、しきい値以上の電流が流入することとなる。それゆえ、図2に示すような構成を有するベルトクリーナ53では、合成抵抗Rに並列にバイパス抵抗RBを接続することで、環境条件とは無関係に、前記導電性ブラシロール531にVa(V)のバイアスを印加することが可能となる。
従って、図2に例示したような構成を有するクリーニング装置を備えた画像形成装置により、本発明の画像形成方法を行なった場合には、高速で画像を形成した場合においても、環境変化の影響を抑制しつつトナーフィルミングの発生を防止できる。
−画像の形成−
次に、上記に説明した構成を有する画像形成装置を用いた画像形成プロセスについて説明する。
まず、各画像形成ユニット22(22a〜22d)は、感光体ドラム31上に各色のトナー像を形成し、中間転写ベルト230上に各色のトナー像を一次転写ロール51にて順次一次転写する。この際、各色のトナー像は元の画像情報と対応するように中間転写ベルト230上に重ね合わせて転写される。一方、記録材供給カセット24からは記録材が供給され、レジストロール63を経て所定のタイミングで二次転写部位へと搬送される。そして、中間転写ベルト230上に一次転写されたトナー像(4色のトナー像が積層されたトナー像)は二次転写部位へと搬送され、二次転写装置52にて記録材に一括転写される。この後、記録材は定着装置66を経て一括転写された画像を定着した後、排出ロール67を通じて収容トレイ68へと排出される。一方、各画像形成ユニット22では、転写後の感光体ドラム31上に残留するトナーがドラムクリーナ34にて清掃され、転写後の中間転写ベルト230上に残留するトナーはベルトクリーナ53にて清掃される。
ここで、ベルトクリーナ53による中間転写ベルト230のクリーニングプロセスは、次の通りである。まず、中間転写ベルト230上の残留トナーTが導電性ブラシロール531との対向部に到達すると、この残留トナーTは導電性ブラシロール531と駆動ロール231との間の電位差によって導電性ブラシロール531上に転移する。そして、導電性ブラシロール531に転移した残留トナーTが回収ロール534との対向部に到達すると、今度は、当該回収ロール534と導電性ブラシロール531との間の電位差によって回収ロール534上に転移する。そして、回収ロール534上に転移した残留トナーTは、スクレーパ535により掻き取られクリーナハウジング533内に落下する。一方、導電性ブラシロール531上に転移しなかった残留トナーTは、クリーニングブレード532により掻き取られ、クリーナハウジング533内に落下する。そして、クリーナハウジング533内の残留トナーTは、排出オーガ538により外部へと排出される。
以下に本発明を実施例を挙げてより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
<各種分散液の調整>
−−分散液(1)の調製−−
・スチレン・・・・・・・・・・・・・・・370g
・nブチルアクリレート・・・・・・・・・ 30g
・アクリル酸・・・・・・・・・・・・・・ 8g
・ドデカンチオール・・・・・・・・・・・ 24g
・四臭化炭素・・・・・・・・・・・・・・ 4g
以上の成分を混合し溶解した溶液を、非イオン性界面活性剤(三洋化成(株)製:ノニポール400)6g及びアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)10gをイオン交換水550gに溶解した溶液に、フラスコ中で分散し、乳化し、10分ゆっくりと混合しながら、この混合溶液に過硫酸アンモニウム4gを溶解したイオン交換水50gを投入し、窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながらフラスコ内の溶液が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。
その結果、平均粒径が155nm、ガラス転移点が59℃、重量平均分子量(Mw)が12,000である樹脂粒子を分散させてなる分散液(1)を得た。
−−分散液(2)の調製−−
・スチレン・・・・・・・・・・・・・・・280g
・nブチルアクリレート・・・・・・・・・120g
・アクリル酸・・・・・・・・・・・・・・ 8g
以上の成分を混合し、溶解した溶液を、非イオン性界面活性剤(三洋化成(株)製:ノニポール400)6g及びアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)12gをイオン交換水550gに溶解した溶液に、フラスコ中で分散し、乳化し、10分ゆっくりと混合しながら、この混合溶液に過硫酸アンモニウム3gを溶解したイオン交換水50gを投入し、窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながらフラスコ内の溶液が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。
その結果、平均粒径が105nm、ガラス転移点が53℃、重量平均分子量(Mw)が550,000である樹脂粒子を分散させてなる分散液(2)を得た。
−−着色剤分散液(1)の調製−−
・カーボンブラック・・・・・・・・・・・ 50g
(キャボット社製:モーガルL)
・非イオン性界面活性剤・・・・・・・・・ 5g
(三洋化成(株)製:ノニポール400)
・イオン交換水・・・・・・・・・・・・・200g
以上の成分を混合・溶解し、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて10分間分散させることにより、平均粒径が250nmである着色剤(カーボンブラック)を分散させてなる着色剤分散液(1)を得た。
−−離型剤分散液(1)の調製−−
・パラフィンワックス・・・・・・・・・・ 50g
(日本精蝋(株)製:HNP0190、融点85℃)
・カチオン性界面活性剤・・・・・・・・・ 5g
(花王(株)製:サニゾールB50)
・イオン交換水・・・・・・・・・・・・・200g
以上の成分を95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、平均粒径が550nmである離型剤を分散させてなる離型剤分散液(1)を得た。
<凝集粒子分散工程>
−−凝集粒子の調製−−
・分散液(1)・・・・・・・・・・・・120g
・分散液(2)・・・・・・・・・・・・ 80g
・着色剤分散液(1)・・・・・・・・・ 30g
・離型剤分散液(1)・・・・・・・・・ 40g
・カチオン性界面活性剤・・・・・・・・1.5g
(花王(株)製:サニゾールB50)
以上の成分を丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて混合し、分散した後、加熱用オイルバス中でフラスコ内を攪拌しながら48℃まで加熱した。次に、フラスコ内の溶液を48℃で30分間保持した後、この溶液を光学顕微鏡にて観察すると平均粒径が約5μmである凝集粒子(体積:95cm3)が形成されていることが確認された。
<微粒子付着工程>
−−付着粒子の調製−−
次に、上記の凝集粒子が形成された溶液に、樹脂含有微粒子分散液としての分散液(1)を緩やかに60g追加した。なお、前記分散液(1)に含まれる樹脂粒子の体積は25cm3である。その後、この混合溶液の温度を、加熱用オイルバスを利用して50℃に上げて1時間保持した。加熱処理後の混合溶液を光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が約5.7μmである付着粒子が形成されていることが確認された。
<融合工程>
その後、付着粒子が形成された溶液中にアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)3gを追加した後、前記ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら、105℃まで加熱し、3時間保持した。そして、冷却後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、乾燥させることにより、黒色トナーを得た。
<トナーの評価>
得られた黒色トナーについて、コールターカウンターを用いてその体積平均粒径を測定してみると、5.8μmであった。また、黒色トナーの形状係数の平均値は135であり、形状係数が115以下であるトナーの割合が5個数%であった。
また、上述した黒色トナーと同様にして、黒色顔料(カーボンブラック)の代りに、イエロー顔料としてベンジジンイエロー ピグメント#17、マゼンタ顔料としてカ−ミン6B、及び、シアン顔料としてフタロシアニンブルーを用いることにより、イエロー色トナー、マゼンタ色トナー、シアン色トナーを作製した。これら3色のトナーについて体積平均粒子径、形状係数、および、形状係数が115以下を示すトナーの割合を求めたところ上記の黒色トナーと全く同じであった。さらに、これら4色のトナーの損失弾性率G”を既述した方法により測定したところ1×109Paであった。
<現像剤の調整>
これら4色のトナーには、帯電性、転写性を高めるため、該トナーに、平均粒径10〜150nmのシリカ2.0重量%及び酸化チタン(チタニア)1.0重量%程度等の無機微粒子を外添剤として適宜量外添した。その後、外添剤を添加したトナーと、平均粒径35μmのフェライトビーズの表面を例えば0.5重量%程度アクリル樹脂でコートしたキャリアとを混合し、各色の現像剤を得た。
<評価>
次に、既述した図1に示す画像形成装置に図2に示すような構成を有するクリーニング装置を設けた画像形成装置(富士ゼロックス社製、Color Docutech 60)により高速で画像を連続10万枚形成するテストを実施し、トナーフィルミングの発生具合について評価した。
なお、このテストにおいては、中間転写ベルト230の回転速度を295mm/secに設定した。また、画像形成に際しては、記録用紙として富士ゼロックス社製A4−Jコート紙を用い、この記録用紙にフルカラーの画像を形成した。
また、用いた画像形成装置内に配置されたクリーニング装置の詳細な構成は以下の通りである。
−ベルトクリーナ53−
・導電性ブラシロール531の構成:金属製の芯金(φ6mm)に10デニールの導電性ナイロン(商品名:ベルトロン)が1平方インチあたり80000本の密度で植毛され、外径が18mmになるよう刈り揃えたもの(ブラシ繊維部の軸方向の長さは312mm)
・導電性ブラシロール531に対する中間転写ベルト230の食い込み深さ:1.5mm
・導電性ブラシロール531の回転速度:約235rpm(周速度220mm/s)
・回収ロール534の構成:アルミニウムの円筒ロールの表面に、タフラム処理(General Magnaplate社の商標)により絶縁皮膜を形成したもの
・回収ロール534の導電性ブラシロール531に対するくい込み量:2mm
・回収ロール534の回転速度:約235rpm(周速度220mm/s)
・バイパス抵抗RBの抵抗値:5MΩ
また、中間転写体230上に残留するトナーは負極性に帯電するものであるため、導電性ブラシロール531および回収ロール534に印加する電圧は以下のように設定した。
・導電性ブラシロール531:+400V(各ツェナーダイオード542a〜542d当りの発生電圧は+100V)
・回収ロール534:+800V
−ドラムクリーナ34−
ドラムクリーナ34は、形状は異なるもののその構成はベルトクリーナ53と全く同じものを用いた。具体的な仕様は以下の通りである。
・導電性ブラシロールの構成:金属製の芯金(φ6mm)に10デニールの導電性ナイロン(商品名:ベルトロン)が1平方インチあたり80000本の密度で植毛され、外径が18mmになるよう刈り揃えたもの(ブラシ繊維部の軸方向の長さは312mm)
・導電性ブラシロールに対する感光体ドラム30の食い込み深さ:1.5mm
・導電性ブラシロールの回転速度:約235rpm(周速度220mm/s)
・回収ロールの構成:アルミニウムの円筒ロールの表面に、タフラム処理(General Magnaplate社の商標)により絶縁皮膜を形成したもの
・回収ロールの導電性ブラシロールに対するくい込み量:2mm
・回収ロールの回転速度:約235rpm(周速度220mm/s)
・バイパス抵抗RBの抵抗値:5MΩ
また、感光体30に残留するトナーは負極性に帯電するものであるため、導電性ブラシロールおよび回収ロールに印加する電圧は、ベルトクリーナ53同様に以下のように設定した。
・導電性ブラシロール:+400V(4つの各ツェナーダイオード当りの発生電圧は+100V)
・回収ロール:+800Vとした。
その結果、10万枚の連続画像形成を実施した後においても中間転写ベルト230や感光体ドラム31表面にはトナーフィルミングの発生はみられず、終始、欠陥の無い画像を形成することができた。結果を表1に示す。
(実施例2)
<トナーおよび現像剤の作製>
−−分散液(1−3)の調製−−
・スチレン・・・・・・・・・・・・・・・370g
・nブチルアクリレート・・・・・・・・・ 30g
・アクリル酸・・・・・・・・・・・・・・ 8g
・ドデカンチオール・・・・・・・・・・・ 24g
・四臭化炭素・・・・・・・・・・・・・・ 4g
以上の成分を混合し、溶解した溶液を、非イオン性界面活性剤(三洋化成(株)製:ノニポール400)6g及びアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)10gをイオン交換水550gに溶解した溶液に、フラスコ中で分散し、乳化し、10分ゆっくりと混合しながら、この混合溶液に過硫酸アンモニウム6gを溶解したイオン交換水50gを投入し、窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、2時間そのまま乳化重合を継続した。
その結果、平均粒径が135nm、ガラス転移点が52℃、重量平均分子量(Mw)が10,000である樹脂粒子を分散させてなる分散液(1−3)を得た。次に、実施例1において、分散液(1)の代りに分散液(1−3)を用いた以外は同様にして4色のトナーおよびこれらのトナーを用いた現像剤を作製した。
<トナーの評価>
得られた4色のトナーについて、コールターカウンターを用いてその体積平均粒径を測定してみると、いずれも5.8μmであった。また、4色のトナーの形状係数の平均値はいずれも135であり、形状係数が115以下を示すトナーの割合はいずれも5個数%であった。さらに、これら4色のトナーの損失弾性率G”を既述した方法により測定したところ6×108Paであった。
<評価>
上述の現像剤を用いて実施例1と同様の評価を実施したところ、10万枚の連続画像形成を実施した後において、中間転写ベルト230や感光体ドラム31表面にはごく僅かにトナーフィルミングが発生していたものの、得られた画像には白抜けは発生しておらず、実用上全く問題の無いレベルであった。結果を表1に示す。
(比較例1)
<凝集粒子形成工程>
−−凝集粒子の調製−−
・分散液(1)・・・・・・・・・・・・120g
・分散液(2)・・・・・・・・・・・・ 80g
・着色剤分散液(1)・・・・・・・・・ 30g
・離型剤分散液(1)・・・・・・・・・ 40g
・カチオン性界面活性剤・・・・・・・・2.3g
(花王(株)製:サニゾールB50)
以上の成分を丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて混合し、分散した後、加熱用オイルバス中でフラスコ内を攪拌しながら48℃まで加熱した。48℃で30分間保持した後、溶液を、光学顕微鏡にて観察すると平均粒径が約5μmである凝集粒子(体積:95cm3)が形成されていることが確認された。
<微粒子付着工程>
−−付着粒子の調製−−
この凝集粒子が形成された溶液に、樹脂含有微粒子分散液としての分散液(1)を緩やかに60g追加した。なお、前記分散液(1)に含まれる樹脂粒子の体積は25cm3である。次に、これらの混合溶液の温度を、加熱用オイルバスにて50℃に上げて30分間保持した。その後、この溶液を光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が約5.4μmである付着粒子が形成されていることが確認された。
<融合工程>
次に、この付着粒子が形成された溶液に、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)3gを追加した後、前記ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら、105℃まで加熱し、3時間保持した。そして、この溶液を冷却後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、乾燥させることにより、黒色トナーを得た。
<トナーの評価>
得られた黒色トナーについて、コールターカウンターを用いてその体積平均粒径を測定してみると、5.5μmであった。また、トナーの形状係数の平均値は140であり、形状係数が115以下を示すトナーの割合は8個数%であった。
また、上述の黒色トナーと同様にして黒色顔料(カーボンブラック)の代りに、イエロー顔料としてベンジジンイエロー ピグメント#17、マゼンタ顔料としてカ−ミン6B、及び、シアン顔料としてフタロシアニンブルーを用いることにより、イエロー色トナー、マゼンタ色トナー、シアン色トナーを作製した。これら3色のトナーについて体積平均粒子径、形状係数、および、形状係数が115以下を示すトナーの割合を求めたところ上記の黒色トナーと全く同じであった。さらに、これら4色のトナーの損失弾性率G”を既述した方法により測定したところ1×109Paであった。
<評価>
上述の4色のトナーを用いて、実施例1と同様に現像剤を調整し、これを用いて実施例1と同様に画像形成テストを行った。
その結果、約5000枚の画像形成を実施した後において、中間転写ベルト230や感光体ドラム31表面にトナーフィルミングが発生し、得られた画像には白抜けが確認された。結果を表1に示す。
(比較例2)
<微粒子付着工程>
付着粒子を含む溶液は、実施例1と同様にして作製したものを準備した。
<融合工程>
次に、この溶液に、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)3gを追加した後、前記ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら、90℃まで加熱し、3時間保持した。そして、この溶液を冷却後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、乾燥させることにより、黒色トナーを得た。
<トナーの評価>
得られた黒色トナーについて、コールターカウンターを用いてその体積平均粒径を測定してみると、5.7μmであった。また、この黒色トナーの形状係数の平均値は145であり、形状係数が115以下を示すトナーの割合は1個数%であった。
また、上述した黒色トナーと同様にして、黒色顔料(カーボンブラック)の代りに、イエロー顔料としてベンジジンイエロー ピグメント#17、マゼンタ顔料としてカ−ミン6B、及び、シアン顔料としてフタロシアニンブルーを用いることにより、イエロー色トナー、マゼンタ色トナー、シアン色トナーを作製した。これら3色のトナーについて体積平均粒子径、形状係数、および、形状係数が115以下を示すトナーの割合を求めたところ上記の黒色トナーと全く同じであった。さらに、これら4色のトナーの損失弾性率G”を既述した方法により測定したところ1×109Paであった。
<評価>
上述の4色のトナーを用いて、実施例1と同様に現像剤を調整し、これを用いて実施例1と同様に画像形成テストを行った。
その結果、約10000枚の画像形成を実施した後において、中間転写ベルト230や感光体ドラム31表面にトナーフィルミングが発生し、得られた画像には白抜けが確認された。
なお、導電性ブラシロール531のブラシ部分を目視にて観察したところトナーの付着が激しかった。これはトナーの形状が悪いため転写率が下がりクリーニングブラシへの負荷が大きくなったためと考えられる。結果を表1に示す。
(比較例3)
<微粒子付着工程>
付着粒子を含む溶液は、実施例1と同様にして作製したものを準備した。
<融合工程>
次に、この溶液に、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)3gを追加した後、前記ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら、105℃まで加熱し、24時間保持した。そして、この溶液を冷却後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、乾燥させることにより、黒色トナーを得た。
<トナーの評価>
得られた黒色トナーについて、コールターカウンターを用いてその体積平均粒径を測定してみると、5.8μmであった。また、この黒色トナーの形状係数の平均値は125であり、形状係数が115以下を示すトナーの割合は5個数%であった。
また、上述した黒色トナーと同様にして、黒色顔料(カーボンブラック)の代りに、イエロー顔料としてベンジジンイエロー ピグメント#17、マゼンタ顔料としてカ−ミン6B、及び、シアン顔料としてフタロシアニンブルーを用いることにより、イエロー色トナー、マゼンタ色トナー、シアン色トナーを作製した。これら3色のトナーについて体積平均粒子径、形状係数、および、形状係数が115以下を示すトナーの割合を求めたところ上記の黒色トナーと全く同じであった。さらに、これら4色のトナーの損失弾性率G”を既述した方法により測定したところ1×109Paであった。
<評価>
上述の4色のトナーを用いて、実施例1と同様に現像剤を調整し、これを用いて実施例1と同様に画像形成テストを行った。
その結果、約20000枚の画像形成を実施した後において、中間転写ベルト230や感光体ドラム31表面にトナーフィルミングが発生し、得られた画像には白抜けが確認された。
感光体31及び中間転写ベルト230表面を良く観察するとトナーが極僅かに残留していた。これは、トナーの形状係数が小さくなったため導電性ブラシロール531では十分なクリーニング効果が得られなくなり、その結果、感光体31及び中間転写ベルト230表面への負荷が大きくなったためフィルミングしているものと考えられる。結果を表1に示す。
(実施例3)
<トナーの作製>
−−凝集粒子の調製−−
・分散液(1)・・・・・・・・・・・・180g
・分散液(2)・・・・・・・・・・・・ 20g
・着色剤分散液(1)・・・・・・・・・ 30g
・離型剤分散液(1)・・・・・・・・・ 40g
・カチオン性界面活性剤・・・・・・・・1.5g
(花王(株)製:サニゾールB50)
凝集粒子の調整に際して上記成分を用いた以外は、実施例1と同様にして以上の成分を丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて混合し、分散した後、加熱用オイルバス中でフラスコ内を攪拌しながら48℃まで加熱した。次に、フラスコ内の溶液を48℃で30分間保持した後、この溶液を光学顕微鏡にて観察すると平均粒径が5.7μmである凝集粒子を作製した。その後、この凝集粒子を用いて、実施例1と同様にして、微粒子付着工程および融合工程を実施し黒色トナーを得た。
<トナーの評価>
得られた黒色トナーについて、コールターカウンターを用いてその体積平均粒径を測定してみると、5.8μmであった。また、トナーの形状係数の平均値は135であり、形状係数が115以下を示すトナーの割合は5個数%であった。
また、上述の黒色トナーと同様にして黒色顔料(カーボンブラック)の代りに、イエロー顔料としてベンジジンイエロー ピグメント#17、マゼンタ顔料としてカ−ミン6B、及び、シアン顔料としてフタロシアニンブルーを用いることにより、イエロー色トナー、マゼンタ色トナー、シアン色トナーを作製した。これら3色のトナーについて体積平均粒子径、形状係数、および、形状係数が115以下を示すトナーの割合を求めたところ上記の黒色トナーと全く同じであった。さらに、これら4色のトナーの損失弾性率G”を既述した方法により測定したところ1×107Paであった。次いで、これら4色のトナーを用いて実施例1と同様にして現像剤を作製した。
<評価>
次に、上述の現像剤を用いて実施例1と同様にしてプリントテストしたところ、100000枚後にトナーフィルミングが観察され、また白い抜けも確認された。しかしながら、100000枚の画像形成は、感光体ドラムや中間体転写ベルトの消耗時期を十分に超えるものであるため、この時点での欠陥の発生は実用上は問題とならない。。結果を表1に示す。
Figure 2005091684
本発明の画像形成方法に用いられる画像形成装置(タンデム型画像形成装置)の一例を示す概略模式図である。 図1に示す画像形成装置に設けられるベルトクリーナ53の一例について示す概略模式図である。
符号の説明
21 本体ハウジング
22a〜22d 画像形成ユニット
23 ベルトユニット(ベルト搬送装置)
24 記録材供給カセット
25 記録材搬送路
30 感光体ユニット
31 感光体ドラム
32 (帯電ロール等の)帯電器
33 現像ユニット
34 ドラムクリーナ
35a〜35d トナーカートリッジ
40 露光ユニット
42 ポリゴンミラー
51 一次転写ロール51
52 二次転写装置
53 ベルトクリーナ
62 テイクアウェイロール
63 レジストレーションロール(レジストロール)
66 定着装置
67 排出ロール
68 収容トレイ
71 濃度検知センサ(DCセンサ)
72 画像形成プロセスを制御するコントローラー
231、232、233、234、235 張架ロール
521 二次転写ロール
531 導電性ブラシロール
532 クリーニングブレード
533 クリーナハウジング
534 回収ロール(回収体)
535 スクレーパ(ブレード部材)
536 フィルムシール
537 L字状プレート
538 排出オーガ
541 バイアス電源
542a、542b、542c、542d ツェナーダイオード

Claims (5)

  1. 静電潜像担体上に静電潜像を形成する潜像形成工程と、前記静電潜像をトナーを含む現像剤を用いて現像しトナー画像を形成する現像工程と、前記トナー画像を転写体上に転写する転写工程と、前記静電潜像担体上および/または前記転写体上に残留した前記トナー(残留トナー)を除去するクリーニング工程と、を含む画像形成方法において、
    前記トナーの、体積平均粒子径が3〜7μmの範囲内であり、形状係数の平均値が130〜140の範囲内であり、且つ、形状係数分布において形状係数が115以下であるトナーの割合が6個数%以下であることを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記トナーの25℃における損失弾性率G”が、5×108Pa以上であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記トナーが、少なくとも樹脂粒子を分散させてなる分散液中で、前記樹脂粒子のガラス転移点以下の温度に加熱して凝集粒子を形成し、凝集粒子分散液を調製する工程と、前記凝集粒子分散液に微粒子を分散させてなる微粒子分散液を混合し、前記凝集粒子に前記微粒子を付着させて付着粒子を形成する工程と、前記付着粒子を加熱して融合する工程と、を少なくとも経て作製されたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  4. 前記クリーニング工程が、前記静電潜像担体または前記転写体からなる被クリーニング部材表面に当接する静電ブラシを少なくとも用いて行われることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  5. 前記被クリーニング部材表面に当接する導電性ブラシと、該導電性ブラシに当接する回収体と、前記回収体表面に当接するブレード部材と、前記導電性ブラシおよび前記回収体に電圧を印加する電圧印加手段と、を含むクリーニング装置を少なくとも備えた画像形成装置を用いた請求項4に記載の画像形成方法であって、
    前記クリーニング工程が、前記被クリーニング部材表面上の前記残留トナーを、該残留トナーの帯電極性と逆極性の電圧が印加された前記導電性ブラシに付着させることにより除去し、前記導電性ブラシに付着した前記残留トナーを、前記導電性ブラシに印加された電圧と同極性の電圧が印加された前記回収体表面に付着させることにより除去し、前記回収体表面に付着した前記残留トナーを前記ブレード部材により除去・回収するプロセスを含み、且つ、下式(1)を満たすことを特徴とする画像形成方法。
    ・式(1) |V2−V1|>0
    〔但し、式(1)中、V1は前記導電性ブラシに印加される電圧(V)、V2は前記回収体に印加される電圧(V)を表す。〕
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