JP2005091617A - 重合性組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 側鎖にスチレン基とアルカリ可溶性基とを同時に有するラジカル架橋性アルカリ可溶性ポリマー及び側鎖に(メタ)アクリル基とアルカリ可溶性基とを同時に有するラジカル架橋性アルカリ可溶性ポリマーを含有することを特徴とする。さらに、(B)重合性化合物、及び(C)重合開始剤を含有することが好ましい。
【選択図】 なし
Description
近年、画像情報をコンピューターを用いて電子的に処理、蓄積、出力する、デジタル化技術が広く普及してきている。そして、その様なデジタル化技術に対応した新しい画像出力方式が種々実用される様になってきた。その結果、レーザー光のような指向性の高い光をデジタル化された画像情報に従って走査し、リスフイルムを介すること無く、直接印刷版を製造するコンピューター トゥ プレート(CTP)技術が切望されており、これに適応した画像記録材料を得ることが重要な技術課題となっている。
特に、親水性支持体上に感光スピードに優れる光重合開始剤、付加重合可能なエチレン性不飽和化合物、及びアルカリ現像液に可溶なバインダーポリマーとを含有する光重合型の感光層(記録層)、及び必要に応じて酸素遮断性の保護層とを設けた平版印刷版原版は、生産性に優れ、更に現像処理が簡便であり、解像度や着肉性もよいといった利点から、望ましい印刷性能を有する刷版となり得る。
なお、本発明の重合性組成物には、前記側鎖にラジカル架橋可能なアルカリ可溶性基と不飽和二重結合性基とを同時に有するラジカル架橋性アルカリ可溶性ポリマーに加えて、(B)重合性化合物、及び(C)重合開始剤を含有することが好ましく、感度の観点からは、さらに(D)増感色素を併用することが好ましい。
すなわち、保存安定性を劣化させずに従来のバインダーよりも露光部−未露後部の現像性変化を拡大し、高感度化を実現しているものと類推している。
本発明の重合性組成物は、(A−1)側鎖にスチレン基とアルカリ可溶性基とを同時に有するラジカル架橋性アルカリ可溶性ポリマー及び(A−2)側鎖に(メタ)アクリル基とアルカリ可溶性基とを同時に有するラジカル架橋性アルカリ可溶性ポリマーを含有することを特徴とする。また、該重合性組成物には、さらに(B)重合性化合物、及び(C)重合開始剤を含有することが好ましく、また、感度の観点からは、(D)増感色素を併用することが好ましい。以下、本発明の特徴的な成分である(A−1)側鎖にスチレン基とアルカリ可溶性基とを同時に有するラジカル架橋性アルカリ可溶性ポリマー(以下、適宜、特定ポリマー(A−1)と称する)及び(A−2)側鎖に(メタ)アクリル基とアルカリ可溶性基とを同時に有するラジカル架橋性アルカリ可溶性ポリマー(以下、適宜、特定ポリマー(A−2)と称する)について説明する。
本発明に係る特定ポリマー(A−1)は、以下に詳述する、側鎖にスチレン基とアルカリ可溶性基とを同時に有するものであれば特に制限はなく、アルカリ可溶性ポリマーの構造単位としては公知のものを任意に組み合わせて構成することができる。なお、特定アルカリ可溶性ポリマーの分子内において、側鎖にスチレン基とアルカリ可溶性基と、を同時に有するその形態は任意であり、例えば、側鎖にスチレン基を有する構造単位と、側鎖にアルカリ可溶性基を有する構造単位と、その他、所望により併用される任意の構造単位と、を共重合させたものであっても、スチレン基とアルカリ可溶性基の双方を同時に有する構造単位を含むものでもあっても、また、ポリマー主鎖にこれらの側鎖構造を導入したものであってもよい。
好ましくは、水現像或いはアルカリ水現像を可能とする、水又はアルカリ水に可溶性或いは膨潤性である有機高分子重合体が選択される。
側鎖にスチレン基を導入する態様としては、下記一般式で表される側鎖構造を有する構造単位を共重合成分として含む態様が挙げられる。
また、このようなスチレン構造を主鎖と連結する連結基として、その構造内に複素環基を含むものが好ましく挙げられる。この複素環基としては、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、イソオキサゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、イソチアゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、チアトリアゾール環、インドール環、インダゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、ベンズセレナゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、キノリン環、キノキサリン環等の含窒素複素環、フラン環、チオフェン環等が挙げられる。これらの複素環基はさらに置換基を有していてもよく、導入可能な置換基としては、ハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基等が挙げられる。
前記一般式で表されるスチレン基を含む側鎖構造を有する構造単位の例(K−1〜K−20)を以下に示すが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
これらの構造単位は、感度と保存安定性の観点から、特定ポリマー(A−1)中に、0.01〜20mol%含有されていることが好ましく、より好ましくは0.01〜5.0mol%の範囲である。また、上記構造単位の含有率としては、特定アルカリ可溶性ポリマー1g中に、好ましくは0.01〜3.0mmol、より好ましくは0.01〜1.0mmol、最も好ましくは0.01〜0.5mmolの範囲である。
(2)スルホンアミド基(−SO2NH−R)
(3)置換スルホンアミド系酸基(以下、「活性イミド基」という。)
〔−SO2NHCOR、−SO2NHSO2R、−CONHSO2R〕
(4)カルボン酸基(−CO2H)
(5)スルホン酸基(−SO3H)
(6)リン酸基(−OPO3H2)
(1)フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性構造単位としては、側鎖にヒドロキシアリール基を有する構造単位等が挙げられる。
また、側鎖にヒドロキシアリール基を有する構造単位としては、例えば、下記一般式(a)〜(d)で表される構造単位のうちのいずれか1種を含むものを挙げることができる。
(5)スルホン酸基を有するアルカリ可溶性構造単位としては、例えば、スルホン酸基と、重合可能な不飽和基と、を分子内にそれぞれ1以上有する化合物に由来する最小構造単位を挙げることができる。
(6)リン酸基を有するアルカリ可溶性構造単位としては、例えば、リン酸基と、重合可能な不飽和基と、を分子内にそれぞれ1以上有する化合物に由来する最小構造単位を挙げることができる。
一般式(I)におけるR1は、水素原子又はメチル基を表し、特にメチル基が好ましい。
鎖状構造の連結基としては、エチレン、プロピレン等が挙げられる。また、これらのアルキレンがエステル結合を介して連結されている構造もまた好ましいものとして例示することができる。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、へプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−ノルボルニル基等の炭素数1〜10までの直鎖状、分枝状、又は環状のアルキル基が挙げられる。
アリール基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、インデニル基等の炭素数1〜10までのアリール基、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選ばれるヘテロ原子を1個含有する炭素数1〜10までのヘテロアリール基、例えば、フリル基、チエニル基、ピロリル基、ピリジル基、キノリル基等が挙げられる。
アルケニル基の具体例としては、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、1−シクロペンテニル基、1−シクロヘキセニル基等の炭素数1〜10までの直鎖状、分枝状、又は環状のアルケニル基が挙げられる。
アルキニル基の具体例としては、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、1−オクチニル基等の炭素数1〜10までのアルキニル基が挙げられる。R3が有してもよい置換基としては、R2が導入し得る置換基として挙げたものと同様である。但し、R3の炭素数は、置換基の炭素数を含めて1〜10である。
一般式(I)におけるnは、1〜5の整数を表し、優れた膜性を得るという観点からは1であることが好ましい。
これらの構造単位は、感度と保存安定性の観点から、特定ポリマー(A−1)中に、0.01〜20mol%含有されていることが好ましく、より好ましくは0.01〜5.0mol%の範囲である。また、上記構造単位の含有率としては、特定アルカリ可溶性ポリマー1g中に、好ましくは0.01〜3.0mmol、より好ましくは0.01〜1.0mmol、最も好ましくは0.01〜0.5mmolの範囲である。
前記アクリル酸エステル類としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、(n−又はi−)プロピルアクリレート、(n−、i−、sec−又はt−)ブチルアクリレート、アミルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート、クロロエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、アリルアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ペンタエリスリトールモノアクリレート、グリシジルアクリレート、ベンジルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、クロロベンジルアクリレート、2−(p−ヒドロキシフェニル)エチルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェニルアクリレート、クロロフェニルアクリレート、スルファモイルフェニルアクリレート等が挙げられる。
前記アクリルアミド類としては、例えば、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−トリルアクリルアミド、N−(p−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(スルファモイルフェニル)アクリルアミド、N−(フェニルスルホニル)アクリルアミド、N−(トリルスルホニル)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチル−N−フェニルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルアクリルアミド等が挙げられる。
前記スチレン類としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、プロピルスチレン、シクロヘキシルスチレン、クロロメチルスチレン、トリフルオロメチルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシメチルスチレン、メトキシスチレン、ジメトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、ヨードスチレン、フルオロスチレン、カルボキシスチレン等が挙げられる。
これらのモノマーの中でも、炭素数20以下のアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、ビニルエステル類、スチレン類、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリルが好ましい。
次に、本発明の第2の必須成分である特定ポリマー(A−2)について説明する。
特定ポリマー(A−2)の主鎖構造は、特に限定されないが、効果の観点から好ましいポリマー主鎖としては、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、ポリビニル、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル系の高分子が挙げられる。より好ましくは、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル系の高分子である。
特定ポリマー(A−2)を構成する構造単位中に含まれるアルカリ可溶性基(酸性基)は、主鎖構造にアルカリ可溶性基が直接結合した態様、主鎖構造に連結基を介してアルカリ可溶性基が結合した態様のいずれであってもよい。
本発明に係るアルカリ可溶性ポリマーは、ラジカル重合性基を有することが好ましい。ラジカル重合性基は、前記アルカリ可溶性基を有する構造単位内に存在していてもよいが、併用される他の構造単位に含まれてもよい。併用可能な該構造単位としては、ラジカル重合可能なモノマーであれば、公知のものを特に制限なく使用することができる。具体的には、「高分子データハンドブック−基礎編−」(高分子学会編、培風館、1986年)に記載のモノマー類が挙げられるが、側鎖にラジカル重合性基を少なくともひとつ有する構造単位であることが好ましい。
特定ポリマー(A−2)に含まれるラジカル重合性基は、ラジカル重合可能な基であれば特に限定はないが、好ましい例としては、α−置換メチルアクリル基[−OC(=O)−C(−CH2Z)=CH2、(Z=ヘテロ原子から始まる炭化水素基)]、アクリル基、メタクリル基、アリル基、スチリル基が挙げられ、これらの中でも特に好ましくは、アクリル基、メタクリル基を挙げることができる。
また、ラジカル重合性基の含有量(ヨウ素滴定によるラジカル重合可能な不飽和2重結合の含有量)は、アルカリ可溶性ポリマー中のラジカル重合性基の総量として、ポリマー1gあたり、好ましくは0.1〜10.0mmol、より好ましくは1.0〜7.0mmol、最も好ましくは2.0〜6.0mmolである。ポリマー全体においてラジカル重合性基の含有量が少なくなるにつれて硬化性が低く低感度になる傾向にあり、このような不飽和結合が多く存在するようになるにつれて保存安定性が低下する傾向にある。
また、特定ポリマー(A−2)のガラス転移点(Tg)は、感度と膜性の観点から、好ましくは0〜300℃、より好ましくは20〜250℃、最も好ましくは50〜200℃である。
本発明の重合性組成物における特定ポリマー(A−1)と特定ポリマー(A−2)との混合比率は感度と皮膜強度の観点から、好ましくは5質量%〜95質量%、より好ましくは20質量%〜80質量%、最も好ましくは、30質量%〜70質量%の範囲である。
本発明の重合性組成物は、(B)重合性化合物を含有することが好ましい。
(B)重合性化合物としては、以下に述べる従来公知の重合性化合物、即ち、付加重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物を用いることができる。
従来公知の付加重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物としては、例えば、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、上記不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド等が挙げられる。
アクリル酸エステルとしては、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、へキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー等がある。
CH2=C(R)COOCH2CH(R′)OH (A)
(但し、R及びR′は、H又はCH3を示す。)
本発明に係る重合性組成物には、(C)重合開始剤を含有することが感度の観点から好ましい。
好ましい重合開始剤としては、(a)芳香族ケトン類、(b)芳香族オニウム塩化合物、(c)有機過酸化物、(d)チオ化合物、(e)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(f)ケトオキシムエステル化合物、(g)ボレート化合物、(h)アジニウム化合物、(i)メタロセン化合物、(j)活性エステル化合物、(k)炭素ハロゲン結合を有する化合物等が挙げられる。以下に、上記(a)〜(k)の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明に用いられる重合開始剤として好ましい(a)芳香族ケトン類としては、「RADIATION CURING IN POLYMER SCIENCE AND TECHNOLOGY」J.P.Fouassier,J.F.Rabek(1993),p77−117記載のベンゾフェノン骨格あるいはチオキサントン骨格を有する化合物が挙げられる。例えば、下記化合物が挙げられる。
本発明に用いられる重合開始剤として好ましい(b)オニウム塩化合物としては、下記一般式(1)〜(3)で表される化合物が挙げられる。
本発明に用いられる重合開始剤として好ましい(c)有機過酸化物としては、分子中に酸素−酸素結合を1個以上有する有機化合物のほとんど全てが含まれるが、その例としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ビス(ターシャリイブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(ターシャリイブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(ターシャリイブチルパーオキシ)ブタン、ターシャリイブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジターシャリイブチルパーオキサイド、ターシャリイブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ビス(ターシャリイブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ターシャリイブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−キサノイルパーオキサイド、過酸化こはく酸、過酸化ベンゾイル、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、メタ−トルオイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ターシャリイブチルパーオキシアセテート、ターシャリイブチルパーオキシピバレート、ターシャリイブチルパーオキシネオデカノエート、ターシャリイブチルパーオキシオクタノエート、ターシャリイブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、ターシャリイブチルパーオキシラウレート、ターシャリーカーボネート、3,3′4,4′−テトラ−(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′4,4′−テトラ−(t−アミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′4,4′−テトラ−(t−ヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′4,4′−テトラ−(t−オクチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′4,4′−テトラ−(クミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′4,4′−テトラ−(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、カルボニルジ(t−ブチルパーオキシ二水素二フタレート)、カルボニルジ(t−ヘキシルパーオキシ二水素二フタレート)等がある。
本発明で用いられる重合開始剤として好ましい(d)チオ化合物としては、下記一般式(4)で示される構造を有する化合物が挙げられる。
上記一般式(4)におけるアルキル基としては、炭素原子数1〜4個のものが好ましい。また、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基のような炭素原子数6〜10個のものが好ましく、置換アリール基としては、上記のようなアリール基に塩素原子のようなハロゲン原子、メチル基のようなアルキル基、メトシキ基、エトキシ基のようなアルコキシ基で置換されたものが含まれる。R27は、好ましくは炭素原子数1〜4個のアルキル基である。一般式(4)で示されるチオ化合物の具体例としては、下記に示すような化合物が挙げられる。
本発明に用いられる重合開始剤として好ましい(e)ヘキサアリールビイミダゾール化合物としては、特公昭45−37377号、特公昭44−86516号記載のロフィンダイマー類、例えば2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2′−ビス(o,o′−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−メチルフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−トリフルオロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
本発明に用いられる重合開始剤として好ましい(f)ケトオキシムエステル化合物としては、3−ベンゾイロキシイミノブタン−2−オン、3−アセトキシイミノブタン−2−オン、3−プロピオニルオキシイミノブタン−2−オン、2−アセトキシイミノペンタン−3−オン、2−アセトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンゾイロキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、3−p−トルエンスルホニルオキシイミノブタン−2−オン、2−エトキシカルボニルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン等が挙げられる。
本発明に用いられる重合開始剤として好ましい(g)ボレート化合物の例としては、下記一般式(5)で表される化合物を挙げることができる。
上記R28〜R31のアルキル基としては、直鎖、分枝、環状のものが含まれ、炭素原子数1〜18のものが好ましい。具体的にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ステアリル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが含まれる。また置換アルキル基としては、上記のようなアルキル基に、ハロゲン原子(例えば−Cl、−Brなど)、シアノ基、ニトロ基、アリール基(好ましくはフェニル基)、ヒドロキシ基、−COOR32(ここでR32は水素原子、炭素数1〜14のアルキル基、又はアリール基を示す)、−OCOR33又は−OR34(ここでR33、R34は炭素数1〜14のアルキル基、又はアリール基を示す)、及び下記式で表されるものを置換基として有するものが含まれる。
上記R28〜R31のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基などの1〜3環のアリール基が含まれ、置換アリール基としては、上記のようなアリール基に前述の置換アルキル基の置換基又は、炭素数1〜14のアルキル基を有するものが含まれる。上記R28〜R31のアルケニル基としては、炭素数2〜18の直鎖、分枝、環状のものが含まれ。置換アルケニル基の置換基としては、前記の置換アルキル基の置換基として挙げたものが含まれる。上記R28〜R31のアルキニル基としては、炭素数2〜28の直鎖又は分枝のものが含まれ、置換アルキニル基の置換基としては、前記置換アルキル基の置換基として挙げたものが含まれる。また、上記R28〜R31の複素環基としてはN、S及びOの少なくとも1つを含む5員環以上、好ましくは5〜7員環の複素環基が挙げられ、この複素環基には縮合環が含まれていてもよい。更に置換基として前述の置換アリール基の置換基として挙げたものを有していてもよい。一般式(5)で示される化合物例としては具体的には米国特許3,567,453号、同4,343,891号、ヨーロッパ特許109,772号、同109,773号に記載されている化合物及び以下に示すものが挙げられる。
本発明に用いられる重合開始剤として好ましい(h)アジニウム塩化合物としては、特開昭63−138345号公報、特開昭63−142345号公報、特開昭63−142346号公報、特開昭63−143537号公報、及び特公昭46−42363号公報記載のN−O結合を有する化合物群を挙げることができる。
本発明に用いられる重合開始剤として好ましい(i)メタロセン化合物としては、特開昭59−152396号公報、特開昭61−151197号公報、特開昭63−41484号公報、特開平2−249号公報、特開平2−4705号公報記載のチタノセン化合物、及び、特開平1−304453号公報、特開平1−152109号公報記載の鉄−アレーン錯体を挙げることができる。
本発明に用いられる重合開始剤として好ましい(j)活性エステル化合物としては、特公昭62−6223号公報記載のイミドスルホネート化合物、特公昭63−14340号公報、特開昭59−174831号公報記載の活性スルホネート類をあげることができる。
本発明に用いられる重合開始剤として好ましい(k)炭素ハロゲン結合を有する化合物としては、下記一般式(6)から一般式(12)で表される化合物を挙げることができる。
本発明の重合性組成物に用いる重合開始剤の最も好ましい例としては、チタノセン化合物、芳香族スルホニウム塩、トリハロメチル−S−トリアジン化合物を挙げることができる。
本発明における(C)重合開始剤は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の重合性組成物における(C)重合開始剤は、全固形分中、0.01〜10質量%添加することが好ましく、0.1〜2質量%添加することがより好ましい。また、これを平版印刷版原版の記録層に用いる場合も、好ましい含有量は上記と同様である。
本発明の重合性組成物には、感度の観点から(D)増感色素を併用することが好ましい。本発明に用いられる増感色素として好ましい分光増感色素又は染料は、多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えば、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、フタロシアニン類(例えば、フタロシアニン、メタルフタロシアニン)、ポルフィリン類(例えば、テトラフェニルポルフィリン、中心金属置換ポルフィリン)、クロロフィル類(例えば、クロロフィル、クロロフィリン、中心金属置換クロロフィル)、金属錯体(例えば、下記化合物)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)等が挙げられる。
特公平37−13034号公報に記載のスチリル系色素。好ましい具体例としては、下記化合物が挙げられる。
本発明において使用される顔料としては、市販の顔料及びカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)に記載されている顔料が利用できる。
特に、本発明の重合性組成物を後述する平版印刷版原版のネガ型記録層に使用する場合、該記録層の同一の層に添加してもよいし、別の層を設け、そこへ添加してもよいが、ネガ型平版印刷版原版を作製した際に、記録層の波長300nm〜1200nmの範囲における吸収極大での光学濃度が、0.1〜3.0の間にあることが好ましい。この範囲において、高感度での記録が可能となる。光学濃度は前記増感色素の添加量と記録層の厚みとにより決定されるため、所定の光学濃度は両者の条件を制御することにより得られる。
これらの顔料もしくは染料は、重合性組成物を構成する全固形分に対し0.01〜50質量%、好ましくは0.1〜10質量%、染料の場合特に好ましくは0.5〜10質量%、顔料の場合特に好ましくは0.1〜10質量%の割合で添加することができる。顔料もしくは染料の添加量がこの範囲において、高感度が達成され、、且つ、均一で耐久性に優れた皮膜を形成しうる。
このような共増感剤の例としては、アミン類、例えばM. R. Sanderら著「Journal of Polymer Society」第10巻3173頁(1972)、特公昭44−20189号、特開昭51−82102号、特開昭52−134692号、特開昭59−138205、特開昭60−84305号、特開昭62−18537号、特開昭64−33104号、Research Disclosure 33825号記載の化合物、等があげられ、具体的には、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチルチオジメチルアニリン等があげられる。
本発明の重合性組成物には、既述した成分の他、必要に応じて、例えば、レーザー光吸収剤、着色剤、可塑剤、重合禁止剤などの種々の添加剤を加えてもよい。
適当な熱重合防止剤としてはハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。
熱重合防止剤の添加量は、全組成物の質量に対して約0.01質量%〜約5質量%が好ましい。
また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにべヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で感光層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、全組成物の約0.5質量%〜約10質量%が好ましい。
前記した本発明の重合性組成物は、平版印刷版原版のネガ型記録層として好適に用いられる。以下、これを用いた平版印刷版原版について説明する。該平版印刷版原版は、支持体上に、本発明の重合性組成物を含む記録層、及び必要によりその他の層を設けて構成される。
本発明に係る平版印刷版原版における記録層(感光層)は、必須成分として、上述した(A)アルカリ可溶性ポリマー〔特定ポリマー(A−1)及び特定ポリマー(A−2)〕、(B)重合性化合物(付加重合性化合物ともいう)、及び(C)重合開始剤を含有する重合性組成物を含んでなる重合性感光層である。このような重合性感光層は、レーザー光により重合開始剤が分解し、ラジカルを発生させ、この発生したラジカルにより重合性化合物が重合反応を起こすという機構を有する。更に、本発明における平版印刷版原版は、300〜1,200nmの波長を有するレーザー光での直接描画での製版に特に好適であり、従来の平版印刷版原版に比べ、高い耐刷性及び画像形成性を発現する。
また、記録層中に支持体基板と相互作用を形成し得る化合物を添加することも可能である。そのような化合物としては、例えば、ジアゾニウム構造を有する化合物や、ホスホン化合物等が挙げられ、これらは記録層に添加したり、下塗り層形成用塗布組成物に添加して用いられ、これにより、密着性が向上し、耐刷性を高めることが可能となる。また、非画像部領域の除去性を向上させるためには、ポリアクリル酸や、ポリスルホン酸のような親水性ポリマーを添加したり、これを含有する下塗り層を形成するといった手段をとればよく、これにより、非画像部の現像性が向上し、非画像部領域の汚れを効果的に抑制することが可能となる。
ここで使用する溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、エチレンジクロライド、テトラヒドロフラン、トルエン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシプロパノール、メトキシメトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、乳酸メチル、乳酸エチルなどがある。これらの溶媒は、単独あるいは混合して使用することができる。そして、塗布溶液中の固形分の濃度は、2〜50質量%が適当である。
本発明の重合性組成物を用いた平版印刷版原版を、走査露光用平版印刷版原版として用いる場合の記録層塗布量は、乾燥後の質量で約0.1〜約10g/m2の範囲が適当であり、より好ましくは0.5〜5g/m2である。
平版印刷版原版に用い得る支持体としては、表面が親水性の支持体が望ましく、従来公知の、平版印刷版に使用される親水性支持体であれば、特に限定無く使用することができる。
支持体基板は、寸度的に安定な板状物であることが好ましく、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上記のような金属がラミネートもしくは蒸着された紙もしくはプラスチックフィルム等が含まれる。支持体としては、これらの基材表面に、必要に応じ親水性の付与や、強度向上等の目的で適切な公知の物理的、化学的処理を施したものを用いることができる。
また、特公昭48−18327号公報に記載されているようなポリエチレンテレフタレートフィルム上にアルミニウムシートが結合された複合体シートも好ましい。
このように本発明に適用されるアルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、従来より公知公用の素材のアルミニウム板を適宜に利用することができる。本発明で用いられるアルミニウム板の厚みはおよそ0.1mm〜0.6mm程度、好ましくは0.15mm〜0.4mm、特に好ましくは0.2mm〜0.3mmである。
また、特開昭56−28893号公報に開示されているような機械的粗面化、化学的エッチング、電解グレイン、陽極酸化処理さらに珪酸ソーダ処理を順に行ったものも好適である。
その他好ましい例として、任意の支持体上に表面層として耐水性の親水性層を設けたものも挙げることができる。このような表面層としては例えばUS3055295号や、特開昭56−13168号公報記載の無機顔料と結着剤とからなる層、特開平9−80744号公報記載の親水性膨潤層、特表平8−507727号公報記載の酸化チタン、ポリビニルアルコール、珪酸類からなるゾルゲル膜等を挙げることができる。
平版印刷版原版を、走査露光用平版印刷版に用いる場合、記録層の上に、必要に応じて保護層を設けることができる。このような平版印刷版原版は、通常、露光を大気中で行うが、保護層は、感光層中で露光により生じる画像形成反応を阻害する大気中に存在する酸素や塩基性物質等の低分子化合物の感光層への混入を防止し、大気中での露光を可能とする。従って、このような保護層に望まれる特性は、酸素等の低分子化合物の透過性が低いことであり、更に、露光に用いる光の透過は実質阻害せず、感光層との密着性に優れ、かつ、露光後の現像工程で容易に除去できることが望ましい。
ガスレーザーとしては、Arイオンレーザー(364nm、351nm、10mW〜1W)、Krイオンレーザー(356nm,351nm,10mW〜1W)、He−Cdレーザー(441nm,325nm,1mW〜100mW)、固体レーザーとして、Nd:YAG(YVO4)とSHG結晶×2回の組み合わせ(355mm、5mW〜1W)、Cr:LiSAFとSHG結晶の組み合わせ(430nm,10mW)が挙げられる。半導体レーザー系としては、KNbO3、リング共振器(430nm,30mW)、導波型波長変換素子とAlGaAs、InGaAs半導体の組み合わせ(380nm〜450nm、5mW〜100mW)、導波型波長変換素子とAlGaInP、AlGaAs半導体の組み合わせ(300nm〜350nm、5mW〜100mW)、AlGaInN(350nm〜450nm、5mW〜30mW)、その他、パルスレーザーとしてN2レーザー(337nm、パルス0.1〜10mJ)、XeF(351nm、パルス10〜250mJ)が挙げられる。
特に、この中でAlGaInN半導体レーザー(市販InGaN系半導体レーザー400〜410nm、5〜30mW)が波長特性、コストの面で好適である。
上記の中でも、本発明に係る画像記録材料の像露光に用いられる光線の光源としては、近赤外から赤外領域に発光波長を持つ光源が好ましく、固体レーザ、半導体レーザが特に好ましい。
さらに、特開昭50−26601号公報、同58−54341号公報、特公昭56−39464号公報、同56−42860号に記載されている現像液も優れている。
また、現像液として、特願2001−62270明細書に記載の特定の芳香族ノニオン界面活性剤含有現像液を用いることが、ポリマーを主体とする重合性組成物を用いた本系に対し、現像性の点でより好ましい。
その他、該平版印刷版原版の製版プロセスとしては、必要に応じ、露光前、露光中、露光から現像までの間に、全面を加熱してもよい。このような加熱により、記録層中の画像形成反応が促進され、感度や耐刷性の向上や、感度の安定化といった利点が生じ得る。さらに、画像強度・耐刷性の向上を目的として、現像後の画像に対し、全面後加熱もしくは、全面露光を行うことも有効である。通常現像前の加熱は150℃以下の穏和な条件で行うことが好ましい。温度が高すぎると、非画像部までがかぶってしまう等の問題を生じる。現像後の加熱には非常に強い条件を利用する。通常は200〜500℃の範囲である。この温度範囲においては、充分な画像強化作用が発揮され、支持体の劣化や画像部の熱分解といった問題を生じることもない。走査露光平版印刷版の露光方法は、公知の方法を制限なく用いることができる。
(支持体の作製)
厚さ0.3mmのアルミニウム板を10質量%水酸化ナトリウムに60℃で25秒間浸漬してエッチングした後、流水で水洗後20質量%硝酸で中和洗浄し、次いで水洗した。これを正弦波の交番波形電流を用いて1質量%硝酸水溶液中で300クーロン/dm2の陽極時電気量で電解粗面化処理を行った。引き続いて1質量%水酸化ナトリウム水溶液中に40℃で5秒間浸漬後30質量%の硫酸水溶液中に浸漬し、60℃で40秒間デスマット処理した後、20質量%硫酸水溶液中、電流密度2A/dm2において、陽極酸化皮膜の厚さが2.7g/m2になるように、2分間陽極酸化処理した。その表面粗さを測定したところ、0.3μm(JIS B0601によるRa表示)であった。
・テトラエチルシリケート 50質量部
・水 20質量部
・メタノール 15質量部
・リン酸 0.05質量部
ジメチルフタレート 5質量部
フッ素系界面活性剤 0.7質量部
(N−ブチルペルフルオロオクタン
スルホンアミドエチルアクリレート/ポリオキシエチレン
アクリレート共重合体:分子量2万)
メタノールシリカゾル 50質量部
(日産化学工業(株)製、メタノール30質量%)
メタノール 800質量部
上記のようにバックコート層を設けたアルミニウム支持体上に、下記組成の光重合性組成物(記録層塗布液)を乾燥塗布量が1.5g/m2となるように塗布し、100℃で1分乾燥させ記録層を形成させた。
・バインダーポリマー 1.0g
〔(A−1)、(A−2)成分の特定ポリマー又は比較ポリマー、
表15〜表17に記載の化合物〕
・増感色素((D)成分、表8〜表10に記載の化合物) 0.3g
・重合開始剤((C)成分、表8〜表10に記載の化合物) 0.4g
・重合性化合物((B)成分、表8〜表10に記載の化合物) 1.2g
・N-(p−シアノフェニル)グリシン 0.2 g
・フッ素系ノニオン界面活性剤 0.03g
(大日本インキ化学工業(株)製、メガファックF−780F)
・ビクトリアピュアブルーのナフタレンスルホン酸塩 0.04g
・メチルエチルケトン 9.0g
・プロピレングリコールモノメチルエーテル 8.0g
・メタノール 10.0g
前記記録層上にポリビニルアルコール(ケン化度98モル%、重合度550)の3質量%の水溶液を乾燥塗布質量が2g/m2となるように塗布し、100℃で2分間乾燥して保護層を設けた。なお、保護層の有無は、下記表8〜表10に記載した。
以上のようにして、実施例1〜17及び比較例1〜24の平版印刷版原版を作製した。
上記のように得られた平版印刷版原版に対して、各感材に応じたレーザーで走査露光を行った。露光条件の詳細は以下の通りである。
得られた平版印刷版原版に対し、発振波長400nmのInGaN系半導体レーザを用い、版面でのビーム系25μm、露光エネルギー密度0.15mJ/cm2となる条件で、走査露光行った。
(2)実施例7〜10、比較例10〜15の平版印刷版原版
得られた平版印刷版原版に対し、FD−YAG(532nm)レーザ露光機(ハイデンベルグ社製プレートセッター:グーテンベルグ)を用い、版面露光エネルギー密度200μJ/cm2となるように露光した。
得られた各平版印刷版原版に、水冷式40W赤外線半導体レーザー(830nm)を搭載したCreo社製Trendsetter3244VFSにて、出力9W、外面ドラム回転数210rpm、版面エネルギー100mJ/cm2、解像度2400dpiの条件で露光した。
露光後、富士写真フイルム(株)製自動現像機スタブロン900Nに、下記の現像液とフィニッシャー富士写真フイルム(株)製FN−6の1:1水希釈液現像をそれぞれ仕込み、30℃で現像/製版し、平版印刷版を得た。
・水 800g
・DV−2(富士写真フイルム(株)製) 200g
上記に示した各露光光源を利用し、感度評価を行った。
感度評価は、上記標準露光量を下げて行き、現像後に画像が形成される最小露光量を平版印刷版原版の感度として算出した。評価結果は、各露光波長に応じ実施例1、7、11をそれぞれ各露光系での基準とし1.0とした相対感度で表している。
なお、相対感度は以下の基準で定義した。相対感度は数値が大きい方が高感度であり、性能が良好であることを表す。
相対感度=(基準感材の感度/対象感材の感度)で定義する。
上記平版印刷版原版を各感材に対応したレーザで走査露光し、0.5%網点(ハイライト)を形成し、露光後、上記現像液で現像した。この際得られた感光材料を印刷版として用いハイデルKOR−D機で印刷後、刷了枚数を耐刷性の指標として相対比較した。
ここで、露光波長に応じ実施例1、7、11をそれぞれ各露光系での基準とし200とした。製造上、指標が大きいほど良好であり好ましい。すなわち、数字が大きいことは高精細なハイライト部がどれだけ耐刷性があるかを表しており、実質的に高画質と耐刷性の両立を達成している指標となる。
上記感度評価用の平版印刷版原版サンプル100m2を上記現像液20Lで処理し、1ヶ月放置後の現像カス発生の有無を目視で確認した。評価は以下の基準に従った。実用上は、評価結果が△以上であることを要し、○であることが好ましい。
○:現像カスなし。
△:現像カス浮遊し、水洗で容易に除去可能。
×:現像カス沈降&堆積し、水洗除去困難。
感度評価に用いたのと同じ露光前の試料を60℃にて4ヶ月保存した後、同様にして感度の評価を行い、保存前の試料の評価結果との感度変動比を下記式により算出した。この感度変動比を保存安定性の指標とした。感度の変動が全くないものが1.0であり、その数値に近いほど保存安定性が良好であると評価する。
感度変動比=〔(保存前の感度)/(60℃4ヶ月保存後の感度)〕
Claims (3)
- (A−1)側鎖にスチレン基とアルカリ可溶性基とを同時に有するラジカル架橋性アルカリ可溶性ポリマー及び(A−2)側鎖に(メタ)アクリル基とアルカリ可溶性基とを同時に有するラジカル架橋性アルカリ可溶性ポリマーを含有することを特徴とする重合性組成物。
- さらに、(B)重合性化合物、及び(C)重合開始剤を含有する請求項1に記載の重合性組成物。
- さらに、(D)増感色素を含有する請求項1又は請求項2に記載の重合性組成物。
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