JP2005090368A - 内燃機関の筒内ガス温度推定方法、及び筒内ガス圧力推定方法 - Google Patents

内燃機関の筒内ガス温度推定方法、及び筒内ガス圧力推定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 簡易な計算により、内燃機関の筒内に吸入されている筒内ガスの着火前の温度(又は、圧力)を精度良く推定し得る内燃機関の筒内ガス温度(圧力)推定方法の提供。
【解決手段】 この方法は、吸気酸素濃度ROXCを含む4つの因子の値が任意のクランク角度CAにおいて筒内ガス温度とそれぞれ線形関係にあることを利用する。即ち、4つの因子を対応する基準値に維持した状態での任意のCAにおける筒内ガス温度(基準筒内ガス温度Tabase(CA))と、因子毎の任意のCAにおける因子の値の変化に対する筒内ガス温度の変化の割合である各傾き(gradTa_ROXC(CA)等)を予め実験等で求めておき、所望のCA、各因子の実際値と対応する前記基準値との偏差、及び前記傾きから筒内ガス補正量(DTa_ROXC(CA)等)を因子毎に求め、前記Tabase(CA)に各因子についての同筒内ガス補正量を加えた値を同所望のCAにおける筒内ガス温度Ta(CA)として求める。
【選択図】 図3

Description

本発明は、内燃機関の筒内に吸入されている筒内ガスの着火前の温度を推定する内燃機関の筒内ガス温度推定方法、及び同筒内ガスの着火前の圧力を推定する内燃機関の筒内ガス圧力推定方法に関する。
火花点火式内燃機関、ディーゼル機関等の内燃機関から排出されるNOx等のエミッションの量は、着火後の火炎温度(燃焼温度)に強い相関を有している。従って、NOx等のエミッションの排出量を低減するためには火炎温度を所定温度に制御することが有効である。一般に、この火炎温度は検出され得ないから、火炎温度を所定温度に制御するためには同火炎温度を推定する必要がある。一方、火炎温度は、着火前の筒内ガス(即ち、新気、EGRガス等)の温度、又は圧力(本願においては、単に「筒内ガス温度」、又は「筒内ガス圧力」と云うこともある。)により変化する。よって、火炎温度を推定するためには筒内ガス温度、又は筒内ガス圧力を推定することが効果的である。
また、特に、圧縮による自己着火により混合気が燃焼を開始するディーゼル機関においては、機関の運転状態に応じて着火時期を適切に制御する必要がある。この着火時期は着火前の筒内ガス温度、又は筒内ガス圧力に大きく依存する。従って、着火時期を適切に制御するためにも筒内ガス温度、又は筒内ガス圧力を推定する必要がある。
このような観点に基づき、下記特許文献1に記載のディーゼル機関の制御装置は、圧縮行程(及び膨張行程)における着火前の筒内ガスの状態(即ち、温度、圧力)が、吸気弁閉弁により同筒内ガスが密閉された後に断熱変化するとの仮定のもと、ポリトロープ指数を用いた断熱変化を表す一般的な式に基づいて任意のクランク角度における筒内ガス温度、及び筒内ガス圧力を推定している。
特開2001−20765号公報
上記装置においては、筒内ガス温度、及び筒内ガス圧力を推定する際に使用されるポリトロープ指数の値を一定としている。しかしながら、実際には、ポリトロープ指数の値は筒内ガスの組成、或いは、時々刻々と変化する筒内ガス温度等に応じて変化する。従って、筒内ガス温度、及び筒内ガス圧力が精度良く推定され得ないという問題があった。
一方、上記断熱変化を表す一般的な式に基づいて筒内ガス温度、及び筒内ガス圧力を精度良く推定するため、ポリトロープ指数の値を筒内ガスの組成、或いは、時々刻々と変化する筒内ガス温度等に応じて可変とすることも考えられる。しかしながら、この場合、計算が煩雑となってマイクロコンピュータ(CPU)の演算負荷が大きくなってしまう。
本発明は、かかる課題に対処するためになされたものであって、その目的は、簡易な計算により、内燃機関の筒内に吸入されている筒内ガスの着火前の温度、又は圧力を精度良く推定し得る内燃機関の筒内ガス温度推定方法、又は筒内ガス圧力推定方法を提供することにある。
筒内ガスの温度、又は筒内ガスの圧力に影響を与える因子には様々なものがある。本願出願人は、種々の実験等を重ねた結果、これらの因子の中で、任意のクランク角度において(少なくとも燃料噴射時期、及び/又は着火時期を含んだ圧縮行程、或いは膨張行程における所定の範囲内のいずれのクランク角度においても)その値が着火前の筒内ガス温度、又は筒内ガス圧力と線形関係にあるものが存在することを見出した。本発明は、この線形関係を利用した簡易な計算を行うことで、任意の(所望の)クランク角度における着火前の筒内ガス温度、又は筒内ガス圧力を推定する方法を提供する。
本発明による内燃機関の筒内ガス温度推定方法は、取得手段と、基準データ記憶手段と、傾きデータ記憶手段を備えた内燃機関に適用される。以下、これら各手段について順に説明する。
取得手段は、上記のようにその値が任意のクランク角度において筒内ガス温度と線形関係にある因子の値を取得する手段である。取得手段は、前記因子の値を所定の計算により推定する手段であっても、センサ等により物理的に検出する手段であってもよい。この取得手段は、取得すべき因子が複数種類存在する場合、各因子の値をそれぞれ取得する。
基準データ記憶手段は、前記因子の値が所定の基準値であるときの前記筒内ガス温度である基準筒内ガス温度を取得するための基準データをクランク角度に対応させながら予め記憶する手段である。より具体的には、基準データ記憶手段は、前記因子の実際の値を所定の基準値に維持した状態(前記因子が複数種類存在する場合、各因子の実際の値を対応する所定の各基準値にそれぞれ維持した状態)で内燃機関を運転させたときに得られる実際の筒内ガス温度(即ち、前記基準筒内ガス温度)に関するデータ(即ち、前記基準データ)を、実験等を通して、クランク角度に対応させながら(例えば、所定のクランク角度間隔毎に)予め取得しておき、これらのデータをマイクロコンピュータのROM等に記憶した手段である。この基準データから任意の(所望の)クランク角度における基準筒内ガス温度が取得され得る。
傾きデータ記憶手段は、前記因子の値の変化に対する前記筒内ガス温度の変化の程度を表す傾きを取得するための傾きデータをクランク角度に対応させながら予め記憶する手段である。上述したように、上記因子の値は、任意のクランク角度において(少なくとも燃料噴射時期、及び/又は着火時期を含んだ圧縮行程、或いは膨張行程における所定の範囲内のいずれのクランク角度においても)筒内ガス温度と線形関係にあるから、同任意のクランク角度において、同因子の値の変化に対する筒内ガス温度の変化の程度を表す傾きが存在する(因子が複数種類存在する場合、因子毎に各因子についての傾きが存在する)。
即ち、傾きデータ記憶手段は、前記因子の実際の値を変化させたときの実際の筒内ガス温度の変化から得られる前記傾きに関するデータ(即ち、傾きデータ。前記因子が複数種類存在する場合、残りの因子をそれぞれ各所定値(例えば、前記対応する所定の各基準値)に維持した状態で各因子の実際の値を一つずつ変化させていったときの実際の筒内ガス温度の変化から因子毎に得られる同各因子についての前記傾きに関するデータ)を、実験等を通して、クランク角度に対応させながら(例えば、所定のクランク角度間隔毎に)予め取得しておき、これらのデータをマイクロコンピュータのROM等に記憶した手段である。この傾きデータから任意の(所望の)クランク角度における傾き(前記因子が複数種類存在する場合、各因子についての因子毎の傾き)が取得され得る。
このような各手段を備えた内燃機関に適用される本発明による筒内ガス温度推定方法は、前記取得手段により前記因子の値を取得し、前記取得した因子の値(因子が複数種類存在する場合、それぞれ取得した各因子の値)と、前記基準データと、前記傾きデータ(因子が複数種類存在する場合、各因子についてのそれぞれの傾きデータ)とに基づいて、任意の(所望の)クランク角度における前記筒内ガス温度を推定する方法である。
これによれば、上記線形関係を利用することにより、前記基準データと前記傾きデータを予め実験等を通して準備しておくだけで、簡易な計算により、任意の(所望の)クランク角度における着火前の筒内ガス温度を精度良く推定することができる。
より具体的には、上記本発明による筒内ガス温度推定方法において、前記筒内ガス温度に影響を与える因子は、少なくとも、吸気管内のガス温度、前記筒内ガスの組成、同筒内ガスの圧縮開始時における筒内容積、及び燃焼室壁面温度を含み、各因子の値をそれぞれ取得するとともに、前記取得した因子の値と同因子に対応する前記所定の基準値との偏差に、同因子についての前記傾きデータから取得される任意の(所望の)クランク角度における同因子についての前記傾きを乗じることで得られる同因子についての筒内ガス温度補正量を因子毎に求め、前記基準データから取得される前記任意の(所望の)クランク角度における前記基準筒内ガス温度に、前記各因子についての筒内ガス温度補正量をそれぞれ加算することで得られる値を同任意の(所望の)クランク角度における前記筒内ガス温度として推定することが好適である。
本発明による内燃機関の筒内ガス圧力推定方法は、上記本発明による内燃機関の筒内ガス温度推定方法と同様であるので、その説明を省略する。この場合、前記取得手段により取得すべき因子(即ち、その値が任意のクランク角度において筒内ガス圧力と線形関係にある因子)としては、上記本発明による内燃機関の筒内ガス温度推定方法に使用される上記列挙した、吸気管内のガス温度、前記筒内ガスの組成、同筒内ガスの圧縮開始時における筒内容積、及び燃焼室壁面温度に加え、吸気管内のガス圧力が挙げられる。
以下、本発明の実施形態に係る内燃機関の筒内ガス温度推定方法を実施する内燃機関(ディーゼル機関)の制御装置について図面を参照しつつ説明する。
図1は、係る内燃機関の制御装置を4気筒内燃機関(ディーゼル機関)10に適用したシステム全体の概略構成を示している。このシステムは、燃料供給系統を含むエンジン本体20、エンジン本体20の各気筒の燃焼室(筒内)にガスを導入するための吸気系統30、エンジン本体20からの排ガスを放出するための排気系統40、排気還流を行うためのEGR装置50、及び電気制御装置60を含んでいる。
エンジン本体20の各気筒の上部には燃料噴射弁(噴射弁、インジェクタ)21が配設されている。各燃料噴射弁21は、図示しない燃料タンクと接続された燃料噴射用ポンプ22に燃料配管23を介して接続されている。燃料噴射用ポンプ22は、電気制御装置60と電気的に接続されていて、同電気制御装置60からの駆動信号(後述する最終燃料噴射圧力Pcrfinに応じた指令信号)により燃料の実際の噴射圧力(吐出圧力)が同最終燃料噴射圧力Pcrfinになるように同燃料を昇圧するようになっている。
これにより、燃料噴射弁21には、燃料噴射用ポンプ22から前記最終燃料噴射圧力Pcrfinまで昇圧された燃料が供給されるようになっている。また、燃料噴射弁21は、電気制御装置60と電気的に接続されていて、同電気制御装置60からの駆動信号(後述する燃料噴射量qfinに応じた指令信号)により所定時間だけ開弁し、これにより各気筒の燃焼室内に前記最終燃料噴射圧力Pcrfinにまで昇圧された燃料を前記燃料噴射量qfinだけ直接噴射するようになっている。
吸気系統30は、エンジン本体20の各気筒の燃焼室にそれぞれ接続された吸気マニホールド31、吸気マニホールド31の上流側集合部に接続され同吸気マニホールド31とともに吸気通路を構成する吸気管32、吸気管32内に回動可能に保持されたスロットル弁33、電気制御装置60からの駆動信号に応答してスロットル弁33を回転駆動するスロットル弁アクチュエータ33a、スロットル弁33の上流において吸気管32に順に介装されたインタクーラー34と過給機35のコンプレッサ35a、及び吸気管32の先端部に配設されたエアクリーナ36とを含んでいる。
排気系統40は、エンジン本体20の各気筒にそれぞれ接続された排気マニホールド41、排気マニホールド41の下流側集合部に接続された排気管42、排気管42に配設された過給機35のタービン35b、及び排気管42に介装されたディーゼルパティキュレートフィルタ(以下、「DPNR」と称呼する。)43を含んでいる。排気マニホールド41及び排気管42は排気通路を構成している。
DPNR43は、コージライト等の多孔質材料から形成されたフィルタ43aを備え、通過する排気ガス中のパティキュレートを細孔表面にて捕集するフィルタである。DPNR43は、担体としてのアルミナに、カリウムK,ナトリウムNa,リチウムLi,セシウムCsのようなアルカリ金属、バリウムBa,カルシウムCaのようなアルカリ土類金属、及びランタンLa、イットリウムYのような希土類金属から選ばれた少なくとも一つを白金とともに担持し、NOxを吸収した後に同吸収したNOxを放出して還元する吸蔵還元型NOx触媒としても機能するようになっている。
EGR装置50は、排気ガスを還流させる通路(EGR通路)を構成する排気還流管51と、排気還流管51に介装されたEGR制御弁52と、EGRクーラー53とを備えている。排気還流管51はタービン35bの上流側排気通路(排気マニホールド41)とスロットル弁33の下流側吸気通路(吸気マニホールド31)を連通している。EGR制御弁52は電気制御装置60からの駆動信号に応答し、再循環される排気ガス量(排気還流量、EGRガス流量)を変更し得るようになっている。
電気制御装置60は、互いにバスで接続されたCPU61、CPU61が実行するプログラム、テーブル(ルックアップテーブル、マップ)、及び定数等を予め記憶したROM62、CPU61が必要に応じてデータを一時的に格納するRAM63、電源が投入された状態でデータを格納するとともに同格納したデータを電源が遮断されている間も保持するバックアップRAM64、並びにADコンバータを含むインターフェース65等からなるマイクロコンピュータである。
インターフェース65は、空気流量(新気流量)計測手段であって吸気管32に配置された熱線式エアフローメータ71、スロットル弁33の下流であって排気還流管51が接続された部位よりも下流の吸気通路に設けられた吸気温センサ72、スロットル弁33の下流であって排気還流管51が接続された部位よりも下流の吸気通路に配設された吸気管圧力センサ73、クランクポジションセンサ74、アクセル開度センサ75、スロットル弁33の下流であって排気還流管51が接続された部位よりも下流の吸気通路に設けられた吸気酸素濃度センサ76、及び、エンジン本体20のシリンダボアライナー部に配設された壁面温度センサ77と接続されていて、これらのセンサからの信号をCPU61に供給するようになっている。また、インターフェース65は、燃料噴射弁21、燃料噴射用ポンプ22、スロットル弁アクチュエータ33a、及びEGR制御弁52と接続されていて、CPU61の指示に応じてこれらに駆動信号を送出するようになっている。
熱線式エアフローメータ71は、吸気通路内を通過する吸入空気の質量流量(単位時間当りの吸入空気量、単位時間あたりの新気量)を計測し、同質量流量Ga(空気流量Ga)を表す信号を発生するようになっている。吸気温センサ72は、エンジン10のシリンダ(即ち、燃焼室、筒内)に吸入されるガスの温度(即ち、吸気温度)を検出し、同吸気温度Tbを表す信号を発生するようになっている。吸気管圧力センサ73は、エンジン10のシリンダに吸入されるガスの圧力(即ち、吸気管圧力)を検出し、同吸気管圧力Pbを表す信号を発生するようになっている。
クランクポジションセンサ74は、各気筒の絶対クランク角度を検出し、クランク角度CAを表すとともにエンジン10の回転速度であるエンジン回転速度NEをも表す信号を発生するようになっている。アクセル開度センサ75は、アクセルペダルAPの操作量を検出し、アクセル操作量Accpを表す信号を発生するようになっている。吸気酸素濃度センサ76は、エンジン10の気筒(即ち、筒内、燃焼室内)に吸入されるガス(従って、筒内ガス)中の酸素濃度(即ち、吸気酸素濃度)を検出し、同吸気酸素濃度ROXCを表す信号を発生するようになっている。壁面温度センサ77は、燃焼室壁面温度を検出し、同燃焼室壁面温度Twallを表す信号を発生するようになっている。
(筒内ガス温度の推定方法の概要)
次に、上記のように構成された内燃機関の制御装置(以下、「本装置」と云うこともある。)による本発明の実施形態に係る筒内ガス温度の推定方法について説明する。図2は、或る一つの気筒のシリンダ内(筒内)に吸気マニホールド31からガスが吸入され、筒内に吸入されたガス(即ち、筒内ガス)が排気マニホールド41へ排出される様子を模式的に示した図である。
図2に示したように、筒内に吸入されるガス(従って、筒内ガス)には、吸気管32の先端部からスロットル弁33を介して吸入された新気と、排気還流管51からEGR制御弁52を介して吸入されたEGRガスが含まれる。吸入される新気量(質量)と吸入されるEGRガス量(質量)の和に対するEGRガス量の割合(即ち、EGR率)は、運転状態に応じて電気制御装置60(CPU61)により適宜制御されるスロットル弁33の開度、及びEGR制御弁52の開度に応じて変化する。
かかる新気、及びEGRガスは、吸気行程において開弁している吸気弁Vinを介してピストンの下降に伴って筒内に吸入されて筒内ガスとなる。筒内ガスは、機関10の運転状態に応じて決定される吸気弁閉弁時にて吸気弁Vinが閉弁することにより筒内に密閉され、その後の圧縮行程においてピストンの上昇に伴って圧縮される。そして、ピストンが上死点近傍に達っすると(具体的には、後述する最終燃料噴射時期finjfinが到来すると)、本装置は、前記燃料噴射量qfinに応じた所定時間だけ燃料噴射弁21を開弁することで燃料を筒内に直接噴射する。この結果、噴射された燃料は、時間の経過に伴って同筒内ガスと混ざり合いながら混合気となって筒内において円錐状に拡散していき、所定のタイミングにて自己着火が発生することに起因して燃焼する。そして、燃焼後の筒内ガスは、排気行程において開弁している排気弁Voutを介してピストンの上昇に伴って排気マニホールド41へ排出されて排ガスとなる。
上記のように吸気弁閉弁時以降筒内に密閉される筒内ガスの着火前の温度に影響を与える因子には様々なものがある。本願出願人は、種々の実験等を重ねた結果、これらの因子の中で、吸気弁閉弁時以降、着火前までの間のいずれのクランク角度CAにおいても、その値が筒内ガス温度と線形関係(或いは、略線形関係)にある因子が存在することを見出した。
係る因子としては、筒内ガスの組成としての筒内ガスの酸素濃度(即ち、吸気酸素濃度ROXC)、吸気管(吸気マニホールド31)内のガス温度(即ち、吸気温度Tb)、同筒内ガスの圧縮開始時(以下、単に「圧縮開始時」と云うこともある。)における筒内容積Vastart、及び燃焼室壁面温度Twallの4つの因子が挙げられる。そして、本願出願人は、これらの各因子と筒内ガス温度との各線形関係をそれぞれ利用して、吸気弁閉弁時以降着火前の任意の(所望の)クランク角度CAにおける筒内ガス温度を推定する方法を見出した。
この方法を使用するには、上記吸気酸素濃度ROXC,吸気温度Tb,筒内容積Vastart,及び燃焼室壁面温度Twallがそれぞれ、対応する所定の基準値である、基準吸気酸素濃度ROXCbase,基準吸気温度Tbbase,基準筒内容積Vastartbase,及び基準燃焼室壁面温度Twallbaseに維持されている状態でのクランク角度CAにおける筒内ガス温度である基準筒内ガス温度Tabase(CA)と、因子毎のクランク角度CAにおける上記因子の値の変化に対する筒内ガス温度の変化の割合である傾き、即ち、後述する吸気酸素濃度についての傾きgradTa_ROXC(CA),吸気温度についての傾きgradTa_Tb(CA),圧縮開始時における筒内容積についての傾きgradTa_Vastart(CA),及び燃焼室壁面温度についての傾きgradTa_Twall(CA)を予めそれぞれ求めておく必要がある。これらの求め方については後述する。
そして、この方法は、概略的に述べると、上記各因子の実際の値を対応するセンサ等からそれぞれ検出し、所望のクランク角度CAと、同検出値と対応する基準値との偏差と、上記傾きとから因子毎の筒内ガス温度補正量、即ち、後述する吸気酸素濃度についての筒内ガス温度補正量DTa_ROXC(CA),吸気温度についての筒内ガス温度補正量DTa_Tb(CA),圧縮開始時における筒内容積についての筒内ガス温度補正量DTa_Vastart(CA),及び燃焼室壁面温度についての筒内ガス温度補正量DTa_Twall(CA)をそれぞれ求め、上記基準筒内ガス温度Tabase(CA)に上記各因子についての筒内ガス温度補正量をそれぞれ加算した値を上記所望のクランク角度CAにおける筒内ガス温度Ta(CA)として求める(推定する)方法である。
以下、先ず、係る方法に従って筒内ガス温度Ta(CA)を推定する際に必要となる基準筒内ガス温度Tabase(CA)と、吸気酸素濃度についての筒内ガス温度補正量DTa_ROXC(CA)について、任意のクランク角度CAにおける吸気酸素濃度ROXCと筒内ガス温度Taとの線形関係を示した図3を参照しながら説明する。
図3に示した曲線Aは、上記4つの因子が総て対応する上記基準値に維持されている状態(例えば、図3に示したように、吸気酸素濃度ROXCは上記基準吸気酸素濃度ROXCbaseに維持されている状態)におけるクランク角度CAと基準筒内ガス温度Tabase(CA)との関係を示している。従って、例えば、クランク角度CAが圧縮行程においてピストンが上死点に達した状態に対応する角度である場合(以下、「ATDC0°」と称呼する。)について考えると、この場合における基準筒内ガス温度Tabase(ATDC0°)は点Bに示した値となる。
上述したように、任意のクランク角度CAにおいて吸気酸素濃度ROXCと筒内ガス温度Taとは線形関係にあるから、例えば、ATDC0°において、直線Cに示すように、吸気酸素濃度ROXCと筒内ガス温度Taとは或る傾きを持った線形関係にある。この直線Cの傾き(即ち、ATDC0°における吸気酸素濃度についての傾き)をgradTa_ROXC(ATDC0°)と表す。そうすると、吸気酸素濃度ROXCが吸気酸素濃度センサ76に基づく検出値(検出吸気酸素濃度)ROXC0(図3を参照)であるとき(且つ、残りの3つの因子の値が総て対応する基準値に維持されているとき)、ATDC0°における筒内ガス温度Taは、点Dに示すように、ATDC0°における基準筒内ガス温度Tabase(ATDC0°)に、検出吸気酸素濃度ROXC0と基準吸気酸素濃度ROXCbaseとの偏差に直線Cの傾きを乗じた値「gradTa_ROXC(ATDC0°)・(ROXC0-ROXCbase)」を加えた値となる。この値「gradTa_ROXC(ATDC0°)・(ROXC0-ROXCbase)」を、ATDC0°における吸気酸素濃度についての筒内ガス温度補正量DTa_ROXC(ATDC0°)と表す。
同様に、例えば、ATDC-αについて考えると、この場合における基準筒内ガス温度Tabase(ATDC-α)は点Eに示した値となる。そして、ATDC-αにおいても、直線Fに示すように、吸気酸素濃度ROXCと筒内ガス温度Taとは或る傾きを持った線形関係にある。この直線Fの傾き(即ち、ATDC-αにおける吸気酸素濃度についての傾き)をgradTa_ROXC(ATDC-α)と表す。そうすると、吸気酸素濃度ROXCが前記検出吸気酸素濃度ROXC0であるとき(且つ、残りの3つの因子の値が総て対応する基準値に維持されているとき)、ATDC-αにおける筒内ガス温度Taは、点Gに示すように、ATDC-αにおける基準筒内ガス温度Tabase(ATDC-α)に、検出吸気酸素濃度ROXC0と基準吸気酸素濃度ROXCbaseとの偏差に直線Fの傾きを乗じた値「gradTa_ROXC(ATDC-α)・(ROXC0-ROXCbase)」を加えた値となる。この値「gradTa_ROXC(ATDC-α)・(ROXC0-ROXCbase)」を、ATDC-αにおける吸気酸素濃度についての筒内ガス温度補正量DTa_ROXC(ATDC-α)と表す。
即ち、吸気酸素濃度ROXCが前記検出吸気酸素濃度ROXC0であるとき(且つ、残りの3つの因子の値が総て対応する基準値に維持されているとき)、任意のクランク角度CAにおける吸気酸素濃度についての筒内ガス温度補正量DTa_ROXC(CA)は、図4から容易に理解できるように、下記(1)式に従って求められる。下記(1)式において、gradTa_ROXC(CA)は任意のクランク角度CAにおける吸気酸素濃度についての傾きである。
DTa_ROXC(CA)=gradTa_ROXC(CA)・(ROXC0-ROXCbase) ・・・(1)
そして、この任意のクランク角度CAにおける吸気酸素濃度についての筒内ガス温度補正量DTa_ROXC(CA)を用いれば、吸気酸素濃度ROXCが前記検出吸気酸素濃度ROXC0であるとき(且つ、残りの3つの因子の値が総て対応する基準値に維持されているとき)、任意のクランク角度CAにおける筒内ガス温度Ta(CA)は、図3の曲線Hに示すように、「Tabase(CA)+DTa_ROXC(CA)」と表すことができる。以上、任意のクランク角度CAにおける基準筒内ガス温度Tabase(CA)と、任意のクランク角度CAにおける吸気酸素濃度についての筒内ガス温度補正量DTa_ROXC(CA)について説明した。
次に、その他の因子についての筒内ガス温度補正量について説明する。これらも吸気酸素濃度についての筒内ガス温度補正量DTa_ROXC(CA)と同様の考え方に基づいて求めることができる。即ち、先ず、吸気温度についての筒内ガス温度補正量DTa_Tb(CA)について説明すると、吸気温度Tbが吸気温センサ72に基づく検出値(検出吸気温度)Tb0であるとき(且つ、残りの3つの因子の値が総て対応する基準値に維持されているとき)、任意のクランク角度CAにおける吸気温度についての筒内ガス温度補正量DTa_Tb(CA)は、図5から容易に理解できるように、下記(2)式に従って求められる。下記(2)式において、gradTa_Tb(CA)は任意のクランク角度CAにおける吸気温度についての傾きである。
DTa_Tb(CA)=gradTa_Tb(CA)・(Tb0-Tbbase) ・・・(2)
同様に、圧縮開始時における筒内容積についての筒内ガス温度補正量DTa_Vastart(CA)について説明すると、圧縮開始時における筒内容積Vastartが検出値(検出圧縮開始時筒内容積)Vastart0であるとき(且つ、残りの3つの因子の値が総て対応する基準値に維持されているとき)、任意のクランク角度CAにおける圧縮開始時における筒内容積についての筒内ガス温度補正量DTa_Vastart(CA)は、図6から容易に理解できるように、下記(3)式に従って求められる。下記(3)式において、gradTa_Vastart(CA)は任意のクランク角度CAにおける圧縮開始時における筒内容積についての傾きである。なお、筒内容積Vaは機関10の設計諸元に基づいてクランク角度CAの関数Va(CA)として取得することができるから、運転状態に応じて決定される吸気弁閉弁時におけるクランク角度CAに基づいて圧縮開始時における筒内容積Vastartを検出することができる。
DTa_Vastart(CA)=gradTa_Vastart(CA)・(Vastart0-Vastartbase) ・・・(3)
同様に、燃焼室壁面温度についての筒内ガス温度補正量DTa_Twall(CA)について説明すると、燃焼室壁面温度Twallが壁面温度センサ77に基づく検出値(検出燃焼室壁面温度)Twall0であるとき(且つ、残りの3つの因子の値が総て対応する基準値に維持されているとき)、任意のクランク角度CAにおける燃焼室壁面温度についての筒内ガス温度補正量DTa_Twall(CA)は、図7から容易に理解できるように、下記(4)式に従って求められる。下記(4)式において、gradTa_Twall(CA)は任意のクランク角度CAにおける燃焼室壁面温度についての傾きである。
DTa_Twall(CA)=gradTa_Twall(CA)・(Twall0-Twallbase) ・・・(4)
以上のようにして、各因子についての筒内ガス温度補正量を求めることができる。そして、この方法では、吸気酸素濃度ROXC,吸気温度Tb,筒内容積Vastart,及び燃焼室壁面温度Twallがそれぞれ、対応する前記検出値である、検出吸気酸素濃度ROXC0,検出吸気温度Tb0,検出圧縮開始時筒内容積Vastart0,及び検出燃焼室壁面温度Twall0となっているときにおける任意のクランク角度CAにおける筒内ガス温度Ta(CA)を、下記(5)式に基づいて求める。以上が、本発明の実施形態に係る筒内ガス温度の推定方法の概要である。
Ta(CA)=Tabase(CA)+DTa_ROXC(CA)+DTa_Tb(CA)+DTa_Vastart(CA)+DTa_Twall(CA)・・・(5)
(基準筒内ガス温度Tabase(CA)の求め方)
上述したクランク角度CAにおける基準筒内ガス温度Tabase(CA)は、例えば、4つの気筒のうちのいずれか一つの気筒に筒内ガス温度を直接検出できる筒内温度センサを取り付け、所定の方法で上記4つの因子の実際の値を上記各基準値にそれぞれ維持させた状態で内燃機関10を所定時間に渡って運転させ、同所定時間内に得られた多数の筒内ガス温度検出値(サンプル値)の平均値をクランク角度に対応させながら(例えば、クランク角度1°毎に)取得することで求めることができる。
(各因子についての傾きの求め方)
例えば、吸気酸素濃度についての傾きgradTa_ROXC(CA)は、例えば、上記と同様に筒内温度センサを取り付け、所定の方法で上記4つの因子の実際の値を上記各基準値にそれぞれ維持させた状態で内燃機関10を運転させ、この状態から、吸気酸素濃度ROXCのみを基準吸気酸素濃度ROXCbaseから変化させたときの筒内ガス温度検出値の変化から得られる傾きをクランク角度に対応させながら(例えば、クランク角度1°毎に)取得することで求めることができる。残りの3つの因子についての傾きについても同様にして求めることができる。
(燃料噴射制御の概要)
上記筒内ガス温度推定方法を実施する本装置は、上記のようにして求めた基準筒内ガス温度Tabase(CA)、並びに、吸気酸素濃度についての傾きgradTa_ROXC(CA)、吸気温度についての傾きgradTa_Tb(CA)、圧縮開始時における筒内容積についての傾きgradTa_Vastart(CA)、及び燃焼室壁面温度についての傾きgradTa_Twall(CA)を取得するためのデータを、それぞれマップとしてROM62に記憶している。
本装置は、目標着火時期を所定時期(ATDCθref、例えば、ATDC10°)に設定し、燃料が噴射される対象となる気筒(以下、「燃料噴射気筒」と称呼する。)の吸気弁閉弁時が到来する毎に、同時点における吸気酸素濃度ROXC,吸気温度Tb,筒内容積Vastart,及び燃焼室壁面温度Twallを、それぞれ、検出吸気酸素濃度ROXC0,検出吸気温度Tb0,検出圧縮開始時筒内容積Vastart0,及び検出燃焼室壁面温度Twall0として検出するとともに、ATDCθrefにおける筒内ガス温度Ta(ATDCθref)を上記(1)〜(5)式に従って推定する。そして、本装置は、混合気の着火時期を目標着火時期ATDCθrefに一致させるため、ATDCθrefにおける筒内ガス温度Ta(ATDCθref)が所定の目標筒内ガス温度Tarefになるように、燃料噴射開始時期、及び燃料噴射圧力をフィードバック制御する。
具体的には、今回の燃料噴射気筒について取得された上記筒内ガス温度Ta(ATDCθref)の値が前記目標筒内ガス温度Tarefよりも高いとき、今回の燃料噴射気筒についての燃料噴射開始時期を基本燃料噴射時期よりも所定量だけ遅らせ、且つ、燃料噴射圧力を基本燃料噴射圧力よりも所定量だけ低くする。これにより、今回の燃料噴射気筒についての目標着火時期ATDCθrefにおける実際の筒内ガス温度が低くなるように制御され、この結果、今回の燃料噴射気筒の実際の着火時期が前記目標着火時期ATDCθrefに一致せしめられる。
一方、今回の燃料噴射気筒について取得された上記筒内ガス温度Ta(ATDCθref)の値が前記目標筒内ガス温度Tarefよりも高いとき、今回の燃料噴射気筒についての燃料噴射開始時期を基本燃料噴射時期よりも所定量だけ早め、且つ、燃料噴射圧力を基本燃料噴射圧力よりも所定量だけ高くする。これにより、今回の燃料噴射気筒についての目標着火時期ATDCθrefにおける実際の筒内ガス温度が高くなるように制御され、この結果、今回の燃料噴射気筒の実際の着火時期が前記目標着火時期ATDCθrefに一致せしめられる。以上が、燃料噴射制御の概要である。
(実際の作動)
次に、上記のように構成された内燃機関の制御装置の実際の作動について説明する。
<筒内ガス温度の計算>
CPU61は、図8にフローチャートにより示した上記目標着火時期ATDCθrefにおける筒内ガス温度の計算を行うためのルーチンを所定時間の経過毎に繰り返し実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPU61はステップ800から処理を開始し、ステップ805に進んで燃料噴射気筒についての吸気弁閉弁時が到来したか否かを判定し、「No」と判定する場合、ステップ895に直ちに進んで本ルーチンを一旦終了する。
いま、燃料噴射気筒についての吸気弁閉弁時が到来したものとして説明を続けると、CPU61はステップ805にて「Yes」と判定してステップ810に進み、同吸気弁閉弁時における吸気酸素濃度ROXC,吸気温度Tb,筒内容積Vastart,及び燃焼室壁面温度Twallを、それぞれ、検出吸気酸素濃度ROXC0,検出吸気温度Tb0,検出圧縮開始時筒内容積Vastart0,及び検出燃焼室壁面温度Twall0として検出する。
次に、CPU61はステップ815に進んで、ROM62にそれぞれ記憶されている、吸気酸素濃度についての傾きgradTa_ROXC(CA)を取得するためのマップ、吸気温度についての傾きgradTa_Tb(CA)を取得するためのマップ、圧縮開始時における筒内容積についての傾きgradTa_Vastart(CA)を取得するためのマップ、及び燃焼室壁面温度についての傾きgradTa_Twall(CA)を取得するためのマップに基づいて、上記目標着火時期ATDCθrefにおける吸気酸素濃度についての傾きgradTa_ROXC、同目標着火時期ATDCθrefにおける吸気温度についての傾きgradTa_Tb、同目標着火時期ATDCθrefにおける圧縮開始時における筒内容積についての傾きgradTa_Vastart、及び同目標着火時期ATDCθrefにおける燃焼室壁面温度についての傾きgradTa_Twallをそれぞれ求める。
次いで、CPU61はステップ820に進んで、ROM62にそれぞれ記憶されている基準筒内ガス温度Tabase(CA)を取得するためのマップに基づいて、上記目標着火時期ATDCθrefにおける基準筒内ガス温度Tabaseを求める。
続いて、CPU61はステップ825に進んで、ステップ810にて検出した各因子についての検出値、及びステップ815にて求めた各因子についての傾きに基づき、上記(1)〜(4)式に従って、上記目標着火時期ATDCθrefにおける吸気酸素濃度についての筒内ガス温度補正量DTa_ROXC、同目標着火時期ATDCθrefにおける吸気温度についての筒内ガス温度補正量DTa_Tb、同目標着火時期ATDCθrefにおける圧縮開始時における筒内容積についての筒内ガス温度補正量DTa_Vastart、及び同目標着火時期ATDCθrefにおける燃焼室壁面温度についての筒内ガス温度補正量DTa_Twallをそれぞれ求める。
そして、CPU61ステップ830に進んで、ステップ820にて求めた上記目標着火時期ATDCθrefにおける基準筒内ガス温度Tabaseと、ステップ825にて求めた同目標着火時期ATDCθrefにおける各因子についての筒内ガス補正量とに基づいて、上記(5)式に従って、同目標着火時期ATDCθrefにおける筒内ガス温度Taを求めた後、ステップ895に進んで本ルーチンを終了する。このようにして、燃料噴射気筒の吸気弁閉弁時が到来する毎に、目標着火時期ATDCθrefにおける筒内ガス温度Taが推定される。この値は後述するルーチンにて使用され、この結果、燃料噴射開始時期、及び燃料噴射圧力がフィードバック制御される。
<燃料噴射量等の制御>
CPU61は、図9にフローチャートにより示した燃料噴射量、燃料噴射時期、及び燃料噴射圧力を制御するためのルーチンを所定時間の経過毎に繰り返し実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPU61はステップ900から処理を開始し、ステップ905に進んでアクセル開度Accp、エンジン回転速度NE、及び図10に示したテーブル(マップ)Mapqfinから燃料噴射量qfinを求める。テーブルMapqfinは、アクセル開度Accp及びエンジン回転速度NEと指令燃料噴射量qfinとの関係を規定するテーブルであり、ROM62内に格納されている。
次いで、CPU61はステップ910に進み、燃料噴射量qfin、エンジン回転速度NE、及び図11に示したテーブルMapfinjbaseから基本燃料噴射時期finjbaseを決定する。テーブルMapfinjbaseは、燃料噴射量qfin及びエンジン回転速度NEと基本燃料噴射時期finjbaseとの関係を規定するテーブルであり、ROM62内に格納されている。
その後、CPU61はステップ915に進んで、燃料噴射量qfin、エンジン回転速度NE、及び図12に示したテーブルMapPcrbaseから基本燃料噴射圧力Pcrbaseを決定する。テーブルMapPcrbaseは、燃料噴射量qfin及びエンジン回転速度NEと基本燃料噴射圧力Pcrbaseとの関係を規定するテーブルであり、ROM62内に格納されている。
次に、CPU61はステップ920に進み、前記目標筒内ガス温度Tarefから先の図8のルーチンのステップ830により求められている最新の(従って、今回の燃料噴射気筒についての)目標着火時期ATDCθrefにおける筒内ガス温度Taを減じた値を筒内ガス温度偏差ΔTaとして格納する。
続いて、CPU61はステップ925に進んで、噴射時期補正値Δθを、前記筒内ガス温度偏差ΔTaと図13に示したテーブルMapΔθとから決定する。テーブルMapΔθは、筒内ガス温度偏差ΔTaと噴射時期補正値Δθとの関係を規定するテーブルであり、ROM62内に格納されている。
その後、CPU61はステップ930に進んで、噴射圧力補正値ΔPcrを、前記筒内ガス温度偏差ΔTaと図14に示したテーブルMapΔPcrとから決定する。テーブルMapΔPcrは、混合気温度偏差ΔTmixと噴射圧力補正値ΔPcrとの関係を規定するテーブルであり、ROM62内に格納されている。
次いで、CPU61はステップ935に進み、基本噴射時期finjbaseを噴射時期補正値Δθで補正して最終燃料噴射時期finjfinを決定する。これにより、筒内ガス温度偏差ΔTaに応じて噴射時期が補正されることになる。この場合、図13から明らかなように、筒内ガス温度偏差ΔTaが正の大きい値になるほど噴射時期補正値Δθが正の大きな値となって最終燃料噴射時期finjfinが進角側となり、同筒内ガス温度偏差ΔTaが負の大きい値(絶対値が大きい値)になるほど噴射時期補正値Δθは負の大きな値となって最終燃料噴射時期finjfinが遅角側に移行される。
続いて、CPU61はステップ940に進み、基本燃料噴射圧力Pcrbaseを噴射圧力補正値ΔPcrで補正して最終燃料噴射圧力Pcrfinを決定する。これにより、筒内ガス温度偏差ΔTaに応じて噴射圧力が補正されることになる。この場合、図14から明らかなように、筒内ガス温度偏差ΔTaが正の大きい値になるほど噴射圧力補正値ΔPcrが正の大きな値となって最終燃料噴射圧力Pcrfinが高圧側となり、同筒内ガス温度偏差ΔTaが負の大きい値(絶対値が大きい値)になるほど噴射圧力補正値ΔPcrは負の大きな値となって最終燃料噴射圧力Pcrfinが低圧側に移行される。この結果、燃料噴射用ポンプ22の吐出圧力が制御されることで、燃料噴射弁21には前記決定された最終燃料噴射圧力Pcrfinまで昇圧された燃料が供給される。
そして、CPU61は、続くステップ945にて燃料噴射気筒についての噴射開始時期(即ち、上記決定された最終燃料噴射時期finjfin)が到来したか否かを判定し、「Yes」と判定する場合はステップ950に進んで、上記決定された燃料噴射量qfinの燃料を燃料噴射気筒についての燃料噴射弁21から上記決定された最終燃料噴射圧力Pcrfinをもって噴射した後、ステップ995に進んで本ルーチンを一旦終了する。また、ステップ945にて「No」と判定される場合、直接ステップ995に進んで本ルーチンを一旦終了する。以上により、燃料噴射量、燃料噴射時期、及び燃料噴射圧力の制御が達成される。
以上、説明したように、本発明の実施形態に係る内燃機関の筒内ガス温度の推定方法によれば、上記基準筒内ガス温度Tabase(CA)、並びに、吸気酸素濃度についての傾きgradTa_ROXC(CA)、吸気温度についての傾きgradTa_Tb(CA)、圧縮開始時における筒内容積についての傾きgradTa_Vastart(CA)、及び燃焼室壁面温度についての傾きgradTa_Twall(CA)を取得するための各データを予め実験等を通して取得し、それぞれマップとしてROM62に記憶しておくことで、簡易な計算により(従って、CPU61の計算負荷を増大させることなく)、任意の(所望の)クランク角度CAにおける着火前の筒内ガス温度を精度良く推定することができた。
(筒内ガス圧力の推定方法の概要)
次に、上記のように構成された内燃機関の制御装置による本発明の実施形態に係る筒内ガス圧力の推定方法について説明する。本願出願人は、種々の実験等を重ねた結果、上述した筒内ガス温度の場合と同様、吸気弁閉弁時以降、着火前までの間のいずれのクランク角度CAにおいても、その値が筒内ガス圧力と線形関係(或いは、略線形関係)にある因子が存在することを見出した。
係る因子としては、上述した筒内ガス温度の場合において使用される吸気酸素濃度ROXC、吸気温度Tb、圧縮開始時における筒内容積Vastart、及び燃焼室壁面温度Twallの4つに加え、吸気管圧力Pbが挙げられる。そして、本願出願人は、これらの各因子と筒内ガス圧力との各線形関係をそれぞれ利用して、吸気弁閉弁時以降着火前の任意の(所望の)クランク角度CAにおける筒内ガス圧力を推定する方法を見出した。
この方法を使用するには、先に説明した筒内ガス温度の推定方法の場合と同様、上記吸気酸素濃度ROXC,吸気管圧力Pb、吸気温度Tb,筒内容積Vastart,及び燃焼室壁面温度Twallがそれぞれ、対応する所定の基準値である、基準吸気酸素濃度ROXCbase,基準吸気管圧力Pbbase,基準吸気温度Tbbase,基準筒内容積Vastartbase,及び基準燃焼室壁面温度Twallbaseに維持されている状態でのクランク角度CAにおける筒内ガス圧力である基準筒内ガス圧力Pabase(CA)と、因子毎のクランク角度CAにおける上記因子の値の変化に対する筒内ガス圧力の変化の割合である傾き、即ち、吸気酸素濃度についての傾きgradPa_ROXC(CA),吸気管圧力についての傾きgradPa_Pb(CA),吸気温度についての傾きgradPa_Tb(CA),圧縮開始時における筒内容積についての傾きgradPa_Vastart(CA),及び燃焼室壁面温度についての傾きgradPa_Twall(CA)を予めそれぞれ求めておく必要がある。これらは、先に紹介した基準筒内ガス温度Tabase(CA)の求め方、及び各因子についての傾きの求め方において、4つの気筒のうちのいずれか一つの気筒に筒内温度センサを取り付ける代わりに、同いずれか一つの気筒に筒内ガス圧力を直接検出できる筒内圧力センサを取り付けることで求めることができる。
そして、この方法は、先に説明した筒内ガス温度の推定方法の場合と同様、上記5つの因子の実際の値を対応するセンサ等からそれぞれ検出し、所望のクランク角度CAと、同検出値と対応する基準値との偏差と、上記傾きとから因子毎の筒内ガス圧力補正量、即ち、吸気酸素濃度についての筒内ガス圧力補正量DPa_ROXC(CA),吸気温度についての筒内ガス圧力補正量DPa_Tb(CA),吸気管圧力についての筒内ガス圧力補正量DPa_Pb(CA),圧縮開始時における筒内容積についての筒内ガス圧力補正量DPa_Vastart(CA),及び燃焼室壁面温度についての筒内ガス圧力補正量DPa_Twall(CA)をそれぞれ求め、上記基準筒内ガス圧力Pabase(CA)に上記各因子についての筒内ガス圧力補正量をそれぞれ加算した値を上記所望のクランク角度CAにおける筒内ガス圧力Pa(CA)として求める(推定する)方法である。係る筒内ガス圧力Pa(CA)の推定方法の詳細については、先に説明した筒内ガス温度Ta(CA)の推定方法と同様であるので、その説明を省略する。
この本発明の実施形態に係る筒内ガス圧力の推定方法を実施する内燃機関の制御装置は、先に説明した図8に示したルーチンに代えて図15に示したルーチンを所定時間の経過毎に繰り返し実行することで、燃料噴射気筒についての吸気弁閉弁時が到来する毎に、上記目標着火時期ATDCθrefにおける筒内ガス圧力Paを推定する。図15のステップ1500〜1530は、それぞれ、図8のステップ800〜830に対応するステップであるので、ここでは、これらの詳細についての説明を省略する。
そして、この制御装置は、先に説明した図9に示したルーチンにおいて、ステップ920〜930にて使用される筒内ガス温度偏差ΔTaに代わりに筒内ガス圧力偏差ΔPa(即ち、上記目標着火時期ATDCθrefにおける目標筒内ガス圧力Parefからステップ1530にて算出される上記筒内ガス圧力Paを減じた値)を使用するルーチンを所定時間の経過毎に繰り返し実行することで、ATDCθrefにおける筒内ガス圧力Paが同目標筒内ガス圧力Parefと一致するように燃料噴射開始時期、及び燃料噴射圧力をフィードバック制御する。この結果、混合気の着火時期が目標着火時期ATDCθrefに一致せしめられる。
以上、説明したように、本発明の実施形態に係る内燃機関の筒内ガス圧力の推定方法によれば、上記基準筒内ガス圧力Pabase(CA)、並びに、吸気酸素濃度についての傾きgradPa_ROXC(CA)、吸気管圧力についての傾きgradPa_Pb(CA)、吸気温度についての傾きgradPa_Tb(CA)、圧縮開始時における筒内容積についての傾きgradPa_Vastart(CA)、及び燃焼室壁面温度についての傾きgradPa_Twall(CA)を取得するための各データを予め実験等を通して取得し、それぞれマップとしてROM62に記憶しておくことで、簡易な計算により任意の(所望の)クランク角度CAにおける着火前の筒内ガス圧力を精度良く推定することができた。
本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記内燃機関の筒内ガス温度の推定方法の実施形態では、4つの因子の各々と筒内ガス温度との各線形関係を利用して同筒内ガス温度を推定しているが、同4つの因子の一部の各々と筒内ガス温度との各線形関係を利用して同筒内ガス温度を推定するように構成してもよい。また、4つの因子に他の因子を加えた5つ以上の因子の各々と筒内ガス温度との各線形関係を利用して同筒内ガス温度を推定するように構成してもよい。
同様に、上記内燃機関の筒内ガス圧力の推定方法の実施形態では、5つの因子の各々と筒内ガス圧力との各線形関係を利用して同筒内ガス圧力を推定しているが、同5つの因子の一部の各々と筒内ガス圧力との各線形関係を利用して同筒内ガス圧力を推定するように構成してもよい。また、5つの因子に他の因子を加えた6つ以上の因子の各々と筒内ガス圧力との各線形関係を利用して同筒内ガス圧力を推定するように構成してもよい。
また、上記内燃機関の筒内ガス温度の推定方法の実施形態、及び上記内燃機関の筒内ガス圧力の推定方法の実施形態においては、筒内ガスの組成として筒内ガスの酸素濃度を採用しているが、例えば、吸気濃度NOxセンサにより検出される吸気NOx濃度を採用してもよい。
また、上記内燃機関の筒内ガス温度の推定方法の実施形態、及び上記内燃機関の筒内ガス圧力の推定方法の実施形態においては、各因子の値をセンサ等により物理的に検出しているが、所定の計算により推定するように構成してもよい。
本発明の実施形態に係る内燃機関の筒内ガス温度推定方法を実施する内燃機関の制御装置を4気筒内燃機関(ディーゼル機関)に適用したシステム全体の概略構成図である。 或る一つの気筒のシリンダ内(筒内)に吸気マニホールドからガスが吸入され、筒内に吸入された筒内ガスが排気マニホールドへ排出される様子を模式的に示した図である。 任意のクランク角度における吸気酸素濃度と筒内ガス温度との線形関係を示した図である。 任意のクランク角度における吸気酸素濃度についての筒内ガス温度補正量を求めるための式の理解を容易にするための図である。 任意のクランク角度における吸気温度についての筒内ガス温度補正量を求めるための式の理解を容易にするための図である。 任意のクランク角度における圧縮開始時における筒内容積についての筒内ガス温度補正量を求めるための式の理解を容易にするための図である。 任意のクランク角度における燃焼室壁面温度についての筒内ガス温度補正量を求めるための式の理解を容易にするための図である。 図1に示したCPUが実行する筒内ガス温度の計算を行うためのルーチンを示したフローチャートである。 図1に示したCPUが実行する燃料噴射量等を制御するためのルーチンを示したフローチャートである。 図1に示したCPUが図9に示したルーチンを実行する際に参照する燃料噴射量を決定するためのテーブルである。 図1に示したCPUが図9に示したルーチンを実行する際に参照する基本燃料噴射時期を決定するためのテーブルである。 図1に示したCPUが図9に示したルーチンを実行する際に参照する基本燃料噴射圧力を決定するためのテーブルである。 図1に示したCPUが図9に示したルーチンを実行する際に参照する噴射時期補正値を決定するためのテーブルである。 図1に示したCPUが図9に示したルーチンを実行する際に参照する噴射圧力補正値を決定するためのテーブルである。 本発明の実施形態に係る内燃機関の筒内ガス圧力推定方法を実施する内燃機関の制御装置のCPUが実行する筒内ガス圧力の計算を行うためのルーチンを示したフローチャートである。
符号の説明
21…燃料噴射弁、22…燃料噴射用ポンプ、60…電気制御装置、61…CPU、72…吸気温センサ、73…吸気管圧力センサ、74…クランクポジションセンサ、76…吸気酸素濃度センサ、77…壁面温度センサ

Claims (4)

  1. 筒内に吸入されている筒内ガスの温度に影響を与える因子であってその値が任意のクランク角度において同筒内ガス温度と線形関係にある因子の値を取得する取得手段と、
    前記因子の値が所定の基準値であるときの前記筒内ガス温度である基準筒内ガス温度を取得するための基準データをクランク角度に対応させながら予め記憶する基準データ記憶手段と、
    前記因子の値の変化に対する前記筒内ガス温度の変化の程度を表す傾きを取得するための傾きデータをクランク角度に対応させながら予め記憶する傾きデータ記憶手段と、
    を備えた内燃機関に適用される筒内ガス温度推定方法であって、
    前記取得手段により前記因子の値を取得し、
    前記取得した因子の値と、前記基準データと、前記傾きデータとに基づいて、任意のクランク角度における前記筒内ガス温度を推定する内燃機関の筒内ガス温度推定方法。
  2. 請求項1に記載の筒内ガス温度推定方法において、
    前記筒内ガス温度に影響を与える因子は、少なくとも、吸気管内のガス温度、前記筒内ガスの組成、同筒内ガスの圧縮開始時における筒内容積、及び燃焼室壁面温度を含み、
    前記取得した因子の値と同因子に対応する前記所定の基準値との偏差に、同因子についての前記傾きデータから取得される任意のクランク角度における同因子についての前記傾きを乗じることで得られる同因子についての筒内ガス温度補正量を因子毎に求め、
    前記基準データから取得される前記任意のクランク角度における前記基準筒内ガス温度に、前記各因子についての筒内ガス温度補正量をそれぞれ加算することで得られる値を同任意のクランク角度における前記筒内ガス温度として推定する内燃機関の筒内ガス温度推定方法。
  3. 筒内に吸入されている筒内ガスの圧力に影響を与える因子であってその値が任意のクランク角度において同筒内ガス圧力と線形関係にある因子の値を取得する取得手段と、
    前記因子の値が所定の基準値であるときの前記筒内ガス圧力である基準筒内ガス圧力を取得するための基準データをクランク角度に対応させながら予め記憶する基準データ記憶手段と、
    前記因子の値の変化に対する前記筒内ガス圧力の変化の程度を表す傾きを取得するための傾きデータをクランク角度に対応させながら予め記憶する傾きデータ記憶手段と、
    を備えた内燃機関に適用される筒内ガス圧力推定方法であって、
    前記取得手段により前記因子の値を取得し、
    前記取得した因子の値と、前記基準データと、前記傾きデータとに基づいて、任意のクランク角度における前記筒内ガス圧力を推定する内燃機関の筒内ガス圧力推定方法。
  4. 請求項3に記載の筒内ガス圧力推定方法において、
    前記筒内ガス圧力に影響を与える因子は、少なくとも、吸気管内のガス温度、吸気管内のガス圧力、前記筒内ガスの組成、同筒内ガスの圧縮開始時における筒内容積、及び燃焼室壁面温度を含み、
    前記取得した因子の値と同因子に対応する前記所定の基準値との偏差に、同因子についての前記傾きデータから取得される任意のクランク角度における同因子についての前記傾きを乗じることで得られる同因子についての筒内ガス圧力補正量を因子毎に求め、
    前記基準データから取得される前記任意のクランク角度における前記基準筒内ガス圧力に、前記各因子についての筒内ガス圧力補正量をそれぞれ加算することで得られる値を同任意のクランク角度における前記筒内ガス圧力として推定する内燃機関の筒内ガス圧力推定方法。
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