JP2005089821A - 高炭素鋼板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 熱延段階にて、板厚が5mm以上の高炭素鋼板においても、鋼板の板厚方向全ての領域において均一な組織を造り込み、且つ初析フェライトを発生させることなく、打ち抜き端面の割れが発生しにくい伸びフランジ性に優れた高炭素鋼板の製造方法を提供する。
【解決手段】 Cを0.2〜0.7質量%含有する鋼で熱間圧延後の板厚が5mm以上の鋼板について、仕上温度(Ar3変態点−20℃)以上で熱間圧延後、鋼板の表層部および板厚中央部ともに冷却速度150℃/秒以上とする強冷却を、強冷却中の表層部の最低温度350℃以上、強冷却停止温度450〜570℃、且つ鋼板の表層部と板厚中央部で変態開始時の鋼板の組織が同じとなるような冷却条件で行い、さらに強冷却停止から巻取りまでの温度を450〜570℃の範囲内且つ変態開始時の鋼板の組織が変化しない温度範囲で保持することを特徴とする高炭素鋼板の製造方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、熱間圧延された高炭素鋼板の製造方法に関するものである。
一般に、熱延鋼板は、加熱炉においてスラブを所定の温度に加熱し、加熱されたスラブを粗圧延機で所定の厚みに圧延して粗バーとし、ついでこの粗バーを複数基のスタンドからなる仕上圧延機において仕上圧延して所定の厚みの熱延鋼板とし、この熱延鋼板をランナウトテーブル上の冷却スタンドにおいて冷却した後、コイラーで巻取ることにより製造される。仕上圧延後、熱延鋼板が冷却される際には、通常、鋼板の上面は円管上のパイプラミナーにより冷却し、鋼板の下面は搬送ロール間に設置したスプレーにて冷却される。このような冷却方法では、冷却速度は50℃/秒程度である。こうして製造された熱延鋼板の組織は、実質的にフェライトとパーライトの混相組織となっている。
工具あるいは自動車部品(ギア、ミッション)等に使用される高炭素鋼板は、打ち抜き、成形後、焼き入れ焼き戻し等の熱処理が施される。これらの部品加工を行うユーザーの要求の1つに、打ち抜き後の成形において穴広げ加工(バーリング)性の向上がある。この穴広げ加工性は、プレス成形性としては伸びフランジ性で評価されている。そのため、伸びフランジ性の優れた材料が望まれている。
このような、高炭素鋼板の伸びフランジ性の向上については、いくつかの技術が検討されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)。
特許文献1および特許文献2には、冷間圧延を経たプロセスにおいて伸びフランジ性に優れた中・高炭素鋼板を製造する方法が提案されている。この技術は、C:0.1〜0.8質量%を含有する鋼からなり、金属組織が実質的にフェライト+パーライト組織であり、必要に応じて初析フェライトの面積率がC(質量%)により決まる所定の値以上で且つ、パーライトラメラの間隔が0.1μm以上の熱延鋼板に、15%以上の冷間圧延を施し、ついで3段階または2段階の温度範囲で長時間保持する3段階または2段階焼鈍を施すというものである。
さらに、初析のフェライトを発生させない方法としては、伸びフランジ性に優れた高炭素鋼板の製造方法に関して、熱延段階での組織の造り込みに関する技術が検討されている(例えば、特許文献3参照。)。
特許文献3には、冷却速度120℃/秒以上で冷却し、冷却停止温度を650℃以下として巻取り温度を600℃以下とするか、または冷却停止温度を600℃以下として巻取り温度を500℃以下とする方法が示されている。
特開平11―269552号公報 特開平11―269553号公報 特開2003―13144号公報
しかしながら、上記した従来技術には次のような問題がある。
特許文献1および2に示された技術では、フェライト組織が初析フェライトからなり、炭化物を含まないため柔らかく延性に優れているが、伸びフランジ性は必ずしも良好ではない。それは、打ち抜き加工時に打ち抜き端面の近傍で初析フェライトの部分が大きく変形するため、初析フェライトと球状化炭化物を含むフェライトでは変化量が大きく異なる。その結果、これら変形量が大きく異なる粒の粒界付近に応力が集中し、球状化組織とフェライト界面にボイドが発生する。これがクラックに成長するため、結果的には伸びフランジ性を劣化させると考えられる。
また、特許文献3に示された技術を用いることにより、従来に比べ、初析フェライトの発生の少ない、伸びフランジ性に優れた高炭素鋼板の製造は可能となる。しかし、高炭素鋼板を製造する際には急速冷却停止後の変態発熱が顕著となり、上記の温度範囲に温度を制御することは非常に困難である。また、冷却速度120℃/秒で冷却後から巻取りまでの変態発熱を考慮した温度の制御方法については何ら記載されていない。
さらに、熱延の仕上圧延後においてフェライト変態の開始を回避することが可能な冷却速度にて冷却を行う必要があるが、一般に熱延の冷却設備による鋼板の冷却は、鋼板の表面に冷却水を噴射することにより冷却されるため、冷却速度が大きく、鋼板の板厚が厚い場合、表層部と板厚中央部で温度差が大きくなり板厚方向で均一な組織の作りこみが困難となるが、板厚方向の温度均一化による組織の造り込みについても何ら示されていない。
本発明の目的は、上記のような従来技術の問題点を解決し、熱延段階にて、板厚が5mm以上の高炭素鋼板においても、鋼板の板厚方向全ての領域において均一な組織を造り込み、且つ初析フェライトを発生させることなく、打ち抜き端面の割れが発生しにくい伸びフランジ性に優れた高炭素鋼板の製造方法を提供することにある。
本発明者等は、高炭素鋼板の製造において、冷却速度が大きく、鋼板の板厚が厚い場合に、板厚方向で均一な組織の作りこみが困難となる理由について検討した。
図2は、板厚5mm以上の高炭素鋼板の冷却曲線および等温変態線図の概念図の一例であって、aは鋼板板厚中央部の冷却曲線、bはフェライト変態開始線、cはパーライト変態終了線、dはパーライト変態開始線、eはマルテンサイト変態開始線、fはベイナイト変態開始線、gはベイナイト変態終了線である。
図2において、板厚中央部の冷却曲線aは、強冷却停止後、ベイナイト変態開始線fとA点にて交わっている。すなわち、この例では、上部ベイナイト域であるA点にて変態が開始しており、板厚中央部の組織は上部ベイナイトとなる。
一方、鋼板表層部は板厚中央部よりも冷却速度が大きくなる。図2に、鋼板表層部の冷却曲線hを示しているが、板厚中央部の冷却曲線aよりも急激に温度低下し、強冷却停止後に復熱して温度上昇し、ベイナイト変態開始線fとB点にて交わっている。つまり、表層部が板厚中央部と同じ組織となるためには、ベイナイト変態開始前に充分に復熱して、A点とB点とが同じ組織となる領域、この例ではB点も上部ベイナイト域となる必要がある。
ところが、本発明者等は、冷却速度が増加するにつれ、鋼板の変態開始時間が短時間側にシフトすることを知見した。すなわち、図2に示す表層部のベイナイト変態開始線iは、板厚中央部のベイナイト変態開始線fよりも短時間側へシフトしており、表層部の温度が充分に復熱する前に、表層部の冷却曲線hがベイナイト変態開始線iと交わる可能性があることがわかった。表層部の冷却曲線hがベイナイト変態開始線iと交わる点をC点とする。図2の例では、C点は下部ベイナイト域にあり、上部ベイナイト域にあるA点とは異なるために、表層部と板厚中央部とが異なる組織となってしまう。
そこで、板厚が厚い場合には、鋼板の表層部と板厚中央部で変態開始時の鋼板の組織が同じとなるような強冷却条件を考慮する必要がある。
本発明はこのような知見に基づきなされたもので、その特徴は以下の通りである。
(1)Cを0.2〜0.7質量%含有する鋼で熱間圧延後の板厚が5mm以上の鋼板について、仕上温度(Ar3変態点−20℃)以上で熱間圧延後、鋼板の表層部および板厚中央部ともに冷却速度150℃/秒以上とする強冷却を、強冷却中の表層部の最低温度350℃以上、強冷却停止温度450〜570℃、且つ鋼板の表層部と板厚中央部で変態開始時の鋼板の組織が同じとなるような冷却条件で行い、さらに強冷却停止から巻取りまでの温度を450〜570℃の範囲内且つ変態開始時の鋼板の組織が変化しない温度範囲で保持することを特徴とする高炭素鋼板の製造方法。
(2)鋼板の表層部と板厚中央部で変態開始時の鋼板の組織が同じとなる強冷却中の冷却水の水量密度の範囲を予め求めておき、該水量密度範囲内で強冷却を行うことを特徴とする上記(1)に記載の高炭素鋼板の製造方法。
(3)鋼板の表層部と板厚中央部で変態開始時の鋼板の組織が同じとなる強冷却中の鋼板表層部の冷却速度の範囲を予め求めておき、該鋼板表層部の冷却速度範囲内となるように、冷却を複数回に分割して各冷却の間で冷却を休止する間欠的な強冷却を行うことを特徴とする上記(1)に記載の高炭素鋼板の製造方法。
(4)Cを0.3〜0.5質量%含有する鋼で熱間圧延後の板厚が5mm以上の鋼板について、仕上温度(Ar3変態点−20℃)以上で熱間圧延後、鋼板の表層部および板厚中央部ともに冷却速度150℃/秒以上とする強冷却を、強冷却中の表層部の最低温度350℃以上、強冷却停止温度500〜570℃、且つ表層部の冷却速度が600℃/秒以下となるような冷却条件で行い、さらに強冷却停止から巻取りまでの温度を500〜570℃の範囲で保持することを特徴とする高炭素鋼板の製造方法。
以下に本発明の構成要素について説明する。
[C含有量:0.2〜0.7質量%]
Cは、炭化物を形成し、焼き入れ後の硬度を付与する重要な元素である。C含有量が0.2質量%未満では、熱延後の組織において、初析フェライトの生成が顕著となり炭化物の分布が不均一となる。さらにその場合、焼き入れ後も機械構造用部品として充分な強度を得られない。C含有量が0.7質量%を超えると、焼鈍後でも充分な加工性が得られない。また、その場合、熱延後の鋼板の硬度が高く脆いため、取り扱いに不便であり焼き入れ後の強度も飽和する。従って、C含有量を0.2〜0.7質量%に規定する。
[仕上温度:(Ar3変態点−20℃)以上]
熱間圧延の仕上温度が(Ar3変態点−20℃)未満では、一部でフェライト変態が進行するため炭化物を含まないフェライト粒が増加し、伸びフランジ性が劣化する。そこで(Ar3変態点−20℃)以上の仕上温度で仕上圧延する。これにより、組織の均一化を図ることができ伸びフランジ性の向上が図れる。
[仕上圧延後の強冷却条件:冷却速度150℃/秒以上]
仕上圧延後に徐冷であった場合、オーステナイトの過冷度が小さく初析フェライトが生成する。冷却速度が150℃/秒未満の場合、初析フェライトの生成が顕著となり伸びフランジ性が劣化する。従って、仕上圧延後の冷却速度を150℃/秒以上とする。
[仕上圧延後の強冷却条件:冷却中の表層部の最低温度350℃以上]
冷却中の表層部の最低温度が350℃未満の場合、熱延段階において焼き入れ組織が非常に顕著となる。このため表層部の最低温度は350℃以上とする。
[仕上圧延後の強冷却条件:冷却停止温度450〜570℃]
仕上圧延後の冷却の冷却停止温度が高い場合、巻取りまでの冷却中にフェライトが生成するとともに、パーライトのラメラ間隔が粗大化する。そのため、焼鈍後に微細炭化物が得られなくなり伸びフランジ性が劣化する。冷却停止温度が570℃超えの場合、フェライト生成およびパーライトのラメラ間隔の粗大化が顕著となり伸びフランジ性が劣化する。冷却停止温度を570℃以下の場合、フェライトの生成を抑制することが可能であり、且つパーライトのラメラ粗大化の抑制も可能となる。
450℃以上の理由は、後述する[強冷却停止から巻取りまでの温度:450〜570℃保持]の項の説明と同様である。
[仕上圧延後の強冷却条件:鋼板の表層部と板厚中央部で変態開始時の鋼板の組織を同じにする]
鋼板の表層部と板厚中央部を同じ組織とするためには、例えば、板厚中央部が上部ベイナイト域で変態開始したとすれば、表層部も上部ベイナイト域で変態開始する必要がある。つまり、強冷却による温度低下が著しい表層部温度が、強冷却停止後、変態開始時間までに上部ベイナイト域まで復熱する必要がある。
ここで、前述したように、冷却速度が増加するにつれ、鋼板の変態開始時間が短時間側にシフトする。鋼板表層部は、板厚中央部よりも冷却速度が速いために変態開始までの時間が短く、板厚中央部よりも低い温度(下部ベイナイト域)にて変態が開始してしまい、板厚中央部と異なる組織となる恐れがある。
よって、このような表層部と板厚中央部の変態開始時間の差も考慮して、鋼板の表層部と板厚中央部で変態開始時の鋼板の組織を同じにするような強冷却条件とする。
なお、板厚中央部が下部ベイナイト域で変態開始する場合には、表層部も下部ベイナイト域で変態開始するような強冷却条件とすればよい。
[強冷却停止から巻取りまでの温度:450〜570℃保持]
高炭素鋼板では、変態開始から終了までの発熱が顕著であり、例えば冷却停止温度を550℃とした場合でも、巻取りまでの間に50℃程度変態発熱してしまう。変態発熱による温度上昇を抑制せず、570℃超えとなってしまった場合、パーライトのラメラ間隔の粗大化を促進してしまうため伸びフランジ性が劣化する。また、強冷却停止から巻取りまでの間で温度を450℃未満にすると鋼板の形状が劣化してしまう。以上より、強冷却停止から巻取りまでの温度を450〜570℃の範囲で保持する。
[強冷却停止から巻取りまでの温度:変態開始時の鋼板の組織が変化しない温度範囲で保持]
強冷却停止温度を上部ベイナイト域で停止させ、温度保持の間に下部ベイナイト域の温度になった場合、および、強冷却停止温度を下部ベイナイト域で停止させ、温度保持の間に上部ベイナイト域の温度になった場合には上部ベイナイトと下部ベイナイトの混相組織となって、均一な組織とならない。
よって、強冷却停止から巻取りまでの温度制御については、鋼のC含有量ごとにあらかじめ上部ベイナイトと下部ベイナイトの境界温度を求めておき、強冷却停止から巻取りまでの温度制御は、変態が開始する時点での組織を保持する温度範囲にて行うことが必要である。すなわち、強冷却停止から巻取りまでの温度を、450℃〜境界温度の範囲か、または境界温度〜570℃の範囲で保持する。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば次のような効果を得ることができる。高炭素鋼板にて、初析フェライトを発生させない冷却速度で、鋼板の表層部と板厚中央部で変態開始時の鋼板の組織が同じとなるような強冷却を行い、さらに巻取りまでで変態発熱による温度上昇を抑制した制御を行い、組織の造り込みを行うことにより、板厚方向で均一な組織を造り込むことが可能となり、且つ焼鈍後に伸びフランジ性に優れた鋼板を製造することが可能となる。
図1は、本発明の高炭素鋼板の製造方法の実施に供する熱間圧延設備の一例を示す側面図である。
図1に示す熱間圧延設備は、仕上圧延機1と、仕上圧延機1の出側に冷却速度が150℃/秒以上の強冷却が可能な冷却装置9と、冷却装置9の下流側に設置された、巻取りまでの間に変態発熱による温度上昇を抑制して所定の温度にまで冷却するための冷却装置2と、仕上圧延機出側の鋼板の表面温度を測定する温度計6と、冷却装置2の中間位置での鋼板の表面温度を測定する温度計7と、コイラー5により鋼帯を巻取るときのコイラー巻取り温度を測定するための温度計8とを備えている。
前記冷却装置9は製造する高炭素鋼板の全ての板厚に対して冷却速度が150℃/秒以上の能力を有する。これは、高炭素鋼板の代表例であるSC材(機械構造用炭素鋼)において初析のフェライトを析出させないためには、例えば図3に示すSC材の等温変態線図より、時間的に最短でフェライトへの変態開始が始まるのは、冷却開始から2.5秒であり、初析フェライトの析出を回避するには、2.5秒以内に570℃以下にする必要がある。2.5秒以内に570℃まで冷却するためには、冷却速度が150℃/秒以上の能力を有する冷却装置が必要となる。
前記冷却装置2は、緩冷却を行うことが可能な冷却装置で、通常冷却速度が100℃/秒以下の能力を有する。
本発明の高炭素鋼板の製造方法を実施する場合には、鋼板の表層部および板厚中央部とも冷却速度150℃/秒以上の強冷却を、強冷却中の表層部の最低温度350℃以上、強冷却停止温度450〜570℃、且つ鋼板の表層部と板厚中央部で変態開始時の鋼板の組織が同じとなるような冷却条件で行う。さらに強冷却停止から巻取りまでの温度を450〜570℃の範囲内且つ変態開始時の鋼板の組織が変化しない温度範囲で保持する。
本実施形態では、板厚5mmでCを0.3〜0.5質量%含有する高炭素鋼板について、初析フェライトを発生させることなく、鋼板の表層部と板厚中央部で均一な上部ベイナイト組織を造り込むための強冷却条件について説明する。
まず、水量密度を変化させることによって鋼板の表層部および板厚中央部の冷却速度および組織変化を求め、鋼板の表層部と板厚中央部で変態開始時の鋼板の組織を同じとするのに最適な冷却条件を見出した。
表1は、水量密度ごとの鋼板表層部および板厚中央部の冷却速度、冷却中の表層部最低温度、表層部および板厚中央部の変態開始時間と変態開始時の温度、表層部および板厚中央部の組織の一覧を示す。また、水量密度と表層部および板厚中央部の冷却速度の変化の一例を図4に、水量密度と冷却中の表層部最低温度の変化の一例を図5に示す。表1の冷却条件は、強冷却開始温度850℃、強冷却停止温度および強冷却停止から巻取りまでの温度は、上部ベイナイト組織とするために500〜570℃とした。
Figure 2005089821
表1によれば、鋼板を連続冷却する場合、水量密度1700[l/min・m2]以下では、冷却速度が150℃/秒未満となって、冷却中にフェライト変態が開始してしまい初析フェライトが生成してしまう。また、図5に示すように、水量密度が9800[l/min・m2]以上では、冷却中に表層部の温度が350℃未満となり、マルテンサイトへの変態が起こってしまい鋼板組織は鋼板表層部と板厚中央部で異なる組織となる。
冷却速度が2000〜9600[l/min・m2]の範囲でも、水量密度の増加に伴い、図4に示すように表層部と板厚中央部での冷却速度差が大きくなるが、前述したように冷却速度が増加するにつれて鋼板の変態開始時間が短時間側にシフトするために、鋼板の表層部と板厚中央部での変態開始時間が変化する。
図6は、冷却速度と変態開始時間との関係の一例について求めたもので、冷却速度が大きくなるにつれ、変態開始時間が短くなる。表1において、水量密度が7300[l/min・m2]以上の場合に鋼板表層部と板厚中央部で組織が異なっているのは、鋼板表層部と板厚中央部の変態開始時間のズレにより、変態開始時の温度が表層部と板厚中央部で異なり、その結果表層部は下部ベイナイト組織となり、板厚中央部は上部ベイナイト組織となって組織が変わってしまうからである。
以上より、本実施形態において、強冷却を連続冷却により行う場合には、水量密度2000〜7000[l/min・m2]の範囲内に調整した強冷却を行うことにより、均一な組織を造り込むことができる。
次に、水量密度7000[l/min・m2]を超えた範囲でも均一な組織を造り込む方法について以下に示す。
例えば、水量密度が9600[l/min・m2]の冷却装置を用いて鋼板を冷却する場合、連続冷却を行う場合には、先に述べたように、鋼板表層部と板厚中央部にて異なる組織となる。組織を均一化させるためには表層部の冷却速度を小さくする必要があるが、その方法として、連続的な冷却ではなく、冷却を複数回に分割して各冷却の間で冷却を休止する間欠的な強冷却を行うことにより、表層部の冷却速度を小さくすることができる。
もちろん、上述した間欠的な強冷却は、水量密度7000[l/min・m2]を超えた範囲のみならず、冷却速度等の他の条件を満たせば、水量密度7000[l/min・m2]以下の範囲内であっても行うことも可能である。
ここで、間欠的な冷却を行うときの冷却速度とは、鋼板表層部と板厚中央部共に、冷却開始時点から複数回の間欠冷却後の最後の冷却停止時点までの温度降下量と経過時間との比と定義する。
表2は、間欠時間を変化させた場合の鋼板表層部および板厚中央部の冷却速度、鋼板表層部および板厚中央部の変態開始時間、変態開始時の温度、変態開始時の組織を示しており、図7に示すように連続冷却の際の冷却時間を2回に分割した場合の一例である。
Figure 2005089821
表2に示すt2/t1は1段目の冷却時間と間欠時間の比を示しており、例えばt2/t1=2とは、冷却を休止する間欠時間が1段目の冷却時間の2倍とした場合である。
表2の冷却条件は、水量密度は8000[l/min・m2]、冷却開始温度850℃、強冷却停止温度および強冷却停止から巻取りまでの温度は、上部ベイナイト組織とするために500〜570℃である。
表2に示すように、間欠時間の短いt2/t1=1の場合には、表層部の冷却速度が速いために鋼板表層部で下部ベイナイト組織が発生してしまい組織が不均一となる。それに対して、間欠時間の長いt2/t1=7.5の場合には、板厚中央部での冷却速度が150℃/秒未満となり、表層部での変態開始時の温度が575℃となるために表層部、板厚中央部にてフェライトが生成してしまう。
表1および表2に示す連続冷却および間欠冷却それぞれの冷却条件から、表層部の温度が350℃以上で、板厚中央部で上部ベイナイト組織となる場合について、表層部の変態開始時間と変態開始時の表層部温度の関係を求めると図8のようになる。図8より変態開始時間が1.0秒未満の場合、変態開始時点での表層部の組織は下部ベイナイトとなり、板厚中央部と異なった組織となる。表層部と板厚中央部で均一な組織を造り込むためには、表層部の変態開始時点での温度は、500℃以上にする必要があり、そのためには変態開始時間を1.0秒以上となるように冷却をする必要がある。
変態開始時間を1.0秒以上となるように冷却をするには、図6より、連続冷却を行う場合には、表層部の冷却速度が600℃/秒以下となるように冷却装置の水量密度を調整した冷却を行うか、または、間欠冷却を行う場合には、冷却装置の水量密度および各冷却の間に冷却を休止する間欠時間、間欠の回数は、表層部の冷却速度が600℃/秒以下となる条件にて冷却を行えばよい。
つまり、本実施形態では、連続冷却を行う場合においても、間欠冷却を行う場合においても表層部の冷却速度が600℃/秒以下となる条件で冷却すればよい。
次に、強冷却停止から巻取りまでの温度制御について説明する。
本実施形態の場合、仕上圧延後、150℃/秒以上の冷却速度で500〜570℃の範囲まで強冷却した後、強冷却停止から巻取りまでの間で一切冷却を行わないとすると、高炭素鋼板では変態の進行とともに発熱が顕著となり、例えば冷却停止温度が550℃のときに、巻取りまでに50℃程度発熱する。変態発熱により、鋼板の組織はパーライトへ変化し、パーライトのラメラ間隔の粗大化が顕著となり伸びフランジ性が劣化する。パーライトへの変態を抑制するためには、強冷却停止後の変態発熱による温度上昇を抑制し、鋼板温度を500〜570℃で保持して温度を制御する。つまり、強冷却停止から巻取りまでの間は、強冷却停止から変態が開始した時点での鋼板の組織を保持する温度範囲で制御することが必要である。
そこで、冷却速度150℃/秒以上で強冷却した後に、遅延時間、変態発熱量、変態発熱時間に応じて、発熱する温度分を冷却するように冷却量を設定することにより、下流の冷却装置2により変態発熱による温度上昇の抑制を行う。
ここで、遅延時間、変態発熱量、変態発熱時間と冷却停止温度との関係は以下に示すとおりである。
図9は板厚5mm、冷却停止温度470〜570℃での冷却停止温度と遅延時間との関係の一例を示すグラフである。遅延時間とは、冷却停止から変態発熱開始までの時間である。図9によれば、冷却停止温度が高くなるほど遅延時間は短くなることが判る。遅延時間はこのように冷却停止温度では変化するが、別の調査によれば冷却速度には依らずほぼ一定となる。
また、図10は、冷却停止温度と変態発熱による温度上昇量との関係の一例を示すグラフである。図10によれば、冷却停止温度ごとに変態発熱による温度上昇量が異なるが、冷却停止温度450〜570℃の範囲では、巻取りまでの間に変態発熱により45〜85℃程度温度上昇してしまい、これに伴い熱延の組織もパーライト組織へと変態してしまう。
さらに、図11は、冷却停止温度と変態発熱時間(変態発熱の持続時間)との関係の一例を示すグラフである。図11によれば、冷却停止温度が高くなるほど変態発熱時間は短くなることが判る。
このような遅延時間、変態発熱量、変態発熱時間を考慮して、すなわち、遅延時間は空冷し、その後、変態発熱時間の間、変態発熱量に見合うだけの冷却を行うことにより、強冷却停止後の変態発熱による温度上昇を抑制し、鋼板温度を500〜570℃で保持してパーライトへの変態を抑制して、上部ベイナイト組織の均一化を実現することができる。
なお、本実施形態の説明では、板厚5mmでCを0.3〜0.5質量%含有する高炭素鋼板について、鋼板の表層部と板厚中央部で変態開始時の鋼板の組織が同じの上部ベイナイトとするのに最適な冷却条件について求めたが、板厚が変化した場合、C含有量が変化した場合、鋼板の表層部と板厚中央部で変態開始時の鋼板の組織が下部ベイナイト同士になる場合等、も同様にして最適な冷却条件について求めることができる。
また、C含有量が変化した場合、上部ベイナイトと下部ベイナイトの境界温度も変化する。よって、強冷却停止から巻取りまでの温度制御についても、鋼のC含有量ごとにあらかじめ上部ベイナイトと下部ベイナイトの境界温度を求めておき、強冷却停止から巻取りまでの温度制御は、変態が開始する時点での組織を保持する温度範囲にて行うことが必要である。すなわち、強冷却停止から巻取りまでの温度を、450℃〜境界温度の範囲か、または境界温度〜570℃の範囲で保持する。
本発明に用いる鋼は、C含有量を0.2〜0.7質量%とする他は特に規定せず、Mn、Si、P、S、Al、Nなどの元素が通常の範囲で含有されていても問題はない。
[本発明例1]
図1に示す熱間圧延設備を用いて、Cを0.35質量%含有する板厚5mmの高炭素鋼板(S35C材)を製造した。製造方法は、仕上温度850℃で熱間圧延後、連続冷却による強冷却を行った。
連続冷却による強冷却を行う際には、強冷却停止時点で板厚方向に均一な組織となるようにするために、冷却設備の水量密度を設定する必要がある。本発明例1では、連続冷却の場合、水量密度を設定するにあたり、あらかじめ表層部と板厚中央部の冷却中の最低温度、冷却速度を算出し、冷却中の表層部の最低温度については、マルテンサイトに変態しない350℃以上となる条件で、且つ、冷却速度から表層部および板厚中央部の変態開始時間を求め、変態開始時間での表層部、板厚中央部温度を算出し、変態開始時点での温度が表層部と板厚中央部で同一の組織となる条件を求めた。
本発明例1では連続冷却時の水量密度は、3600[l/min・m2] となるように設定した。このとき、表1に示すように、冷却中の表層部の最低温度は、480℃であり、表層部および板厚中央部の冷却速度は、それぞれ242℃/秒、158℃/秒である。また、変態開始時点での表層部、板厚中央部の温度はそれぞれ、554℃、554℃であり、変態開始時点での組織は表層部および板厚中央部ともに上部ベイナイトである。
強冷却停止後は、図9に示したように、冷却停止温度が560℃の場合の変態開始までの遅延時間が約0.9秒であることがあらかじめ求められているので、0.9秒間は空冷し、強冷却停止後0.9秒より変態発熱分の冷却を開始した。ここで、図11より変態発熱時間は約5秒間継続で、図10より発熱量としては約50℃程度であることがあらかじめ求められているので、変態発熱開始点から5秒間だけ冷却装置により冷却することによって、発熱する温度分を冷却するように冷却量を設定することにより、変態発熱による温度上昇を抑制した温度制御を行った。また、S35Cの上部ベイナイトと下部ベイナイトの境界温度は約500℃であることがあらかじめ求められており、巻取りまでの温度制御範囲としては、本発明例では変態が開始する時点での組織が上部ベイナイトであるので、巻取りまで上部ベイナイトの組織を保持するために500〜570℃の温度を保持するように制御を行った。
その結果、フェライトの生成を抑制することができ且つ、パーライト変態を抑制することが可能となり炭化物を微細に且つ均一に分散させることが可能となった。この鋼板を酸洗後、焼鈍させたところ、鋼板の穴広げ率が75%程度と非常に伸びフランジ性の高い鋼板が得られた。
[本発明例2]
本発明例1と同一の設備と同一の材料を用いて、高炭素鋼板(S35C材)を製造した。製造方法としては、仕上温度850℃で熱間圧延後、間欠冷却による強冷却を行った。
本発明例2は、水量密度が8000[l/min・m2]で、強冷却を2回に分割し、1回目の強冷却と2回目の強冷却の間の間欠時間は、1回目の強冷却時間の1.5倍とした。
表2に示すように前述の条件にて間欠冷却した場合、表層部および板厚中央部の冷却速度は、それぞれ524℃/秒、273℃/秒である。また、変態開始時点での表層部、板厚中央部の温度はそれぞれ、540℃、557℃であり、変態開始時点での組織は表層部および板厚中央部共に上部ベイナイトである。
強冷却停止後は、本発明例1と同様に巻取りまで温度制御した。その結果、フェライトの生成を抑制することができ且つ、パーライト変態を抑制することが可能となり炭化物を微細に且つ均一に分散させることが可能となった。この鋼板を酸洗後、焼鈍させたところ、鋼板の穴広げ率が75%程度と非常に伸びフランジ性の高い鋼板が得られた。
[比較例1]
図1に示す熱間圧延設備を用いて、Cを0.35質量%含有する板厚5mmの高炭素鋼板(S35C材)を製造した。製造方法としては、仕上温度850℃で熱間圧延後、強冷却を行ったが、その際に、まずCを0.35質量%を含有する高炭素鋼板の場合、等温変態線図より、フェライトへの変態が開始するまでの最短時間は冷却開始から2.5秒であるので、冷却開始から2.5秒以内に560℃となるように水量密度8000[l/min・m2] に設定し、連続冷却にて強冷却を実施した。
強冷却後は、変態発熱による温度上昇を考慮して後段の冷却装置にて変態発熱分を冷却し巻取りを行った。このときの冷却曲線および等温変態線図を図12に示す。変態発熱による温度上昇を抑制するように冷却制御した場合、フェライトの生成を抑制することが可能で且つ、パーライト変態を抑制することが可能となり炭化物を微細に且つ均一に分散させることが可能となったが、焼鈍後の鋼板表層部に粗大粒が発生しており、板厚方向での組織が不均一であった。これは、冷却の際の鋼板の板厚方向での冷却速度の違いにより、表層部と板厚中央部で変態開始時間が異なり、変態開始時の組織が変化したためである。
本比較例1では、表層部と板厚中央部の冷却速度はそれぞれ、677℃/秒、318℃/秒と異なっている。図6および図8に基づき、板厚中央部では570℃付近の上部ベイナイト域にて変態が開始するのに対し、鋼板の表層部では変態開始が短時間側へシフトすることに伴い、420℃付近の下部ベイナイト域での変態開始となった。この鋼板を巻取り、酸洗の後焼鈍した場合、鋼板の表層0.3mm付近まで粗大粒が発生していた。以上に述べたように、表層部と板厚中央部にて、冷却速度が異なる場合には、鋼板の表層部で組織が異なってしまう。本比較例1の場合の鋼板を酸洗の後、焼鈍した鋼板の穴広げ率は、60%程度であった。
[比較例2]
図13に示す、従来の熱間圧延設備を用いてCを0.35質量%含有する板厚5mmの高炭素鋼板(S35C材)を製造した。
図13に示す熱間圧延設備は、仕上圧延機1と、鋼板の上面は円管上のパイプラミナーにより冷却し、鋼板の下面は搬送ロール3間に設置したスプレー4にて冷却する冷却装置2と、仕上圧延機1の出側の鋼板の表面温度を測定する温度計6と、冷却装置2の中間位置での鋼板の表面温度を測定する温度計7と、コイラー5により鋼帯を巻取るときのコイラー巻取り温度を測定するための温度計8とを備えている。
仕上圧延後、ランナウトテーブル上にて、鋼板の上面は円管上のパイプラミナーにより冷却され、鋼板の下面は搬送ロール間に設置したスプレー4にて冷却された。板厚5mmの高炭素鋼板の冷却曲線および等温変態線図を図14に示す。パイプラミナーによる冷却では、冷却速度が50℃/秒程度と低いために、冷却中にフェライトが析出し、その後パーライト変態が起こった。
このような鋼板においては、初析のフェライトの生成が顕著であり、酸洗、焼鈍後の鋼板の穴広げ率は、40%程度と低いものであった。
[比較例3]
図1に示す熱間圧延設備を用いて、Cを0.35質量%含有する板厚5mmの高炭素鋼板(S35C材)を製造した。ただし、緩冷却を行うことが可能な冷却装置2は使用しなかった。
比較例3では連続冷却時の水量密度は、7000[l/min・m2] となるように設定した。このとき、表1に示すように、冷却中の表層部の最低温度は390℃であり、表層部および板厚中央部の冷却速度は、それぞれ562℃/秒、287℃/秒である。また、変態開始時点での表層部、板厚中央部の温度はそれぞれ、546℃、547℃であり、変態開始時点での組織は表層部および板厚中央部ともに上部ベイナイトである。
このとき得られた板厚5mmの高炭素鋼板の冷却曲線および等温変態線図を図15に示す。フェライトの変態開始にかかることなく冷却を停止させることが可能であったが、強冷却停止後は巻取りまで冷却しなかったので、変態発熱により鋼板の温度が50℃程度上昇してしまい、パーライトへの変態が顕著となった。このような鋼板においては、パーライトのラメラ間隔の粗大化が顕著であり、酸洗の後、焼鈍した鋼板の穴広げ率は、55%程度と低いものであった。
表3に本発明例1、2および比較例1、2、3における冷却速度、冷却停止温度、中間温度、巻取り温度、穴広げ率の比較を示す。
表3において、本発明例では、冷却装置の中間位置に設けた温度計位置で変態発熱分の冷却が終了していた。そこでこの温度計設置以降は空冷により巻取り温度500℃となった。これに対して、比較例3では、冷却装置の中間位置に設けた温度計位置で変態発熱終了後の温度が605℃となって570℃を越えており、パーライトへの変態が顕著となった。
Figure 2005089821
本発明の高炭素鋼板の製造方法の実施に供する熱間圧延設備の一例を示す側面図 板厚5mm以上の高炭素鋼板の冷却曲線および等温変態線図の概念図の一例を示すグラフ 板厚5mmの高炭素鋼板の冷却曲線および等温変態線図を示すグラフ 水量密度と表層部および板厚中央部の冷却速度との関係の一例を示すグラフ 水量密度と冷却中の表層部最低温度との関係の一例を示すグラフ 冷却速度と変態開始時間との関係の一例を示すグラフ 連続冷却の際の冷却時間を2回に分割した場合、すなわち間欠冷却を1回行った場合の鋼板温度の経過時間に対する変化の一例を示すグラフ グラフ表1および表2に示す連続冷却および間欠冷却それぞれの冷却条件から求めた、表層部の変態開始時間と変態開始時の表層部温度との関係の一例を示すグラフ 板厚5mm、冷却停止温度470〜570℃での冷却停止温度と遅延時間との関係の一例を示すグラフ 冷却停止温度と変態発熱による温度上昇量との関係の一例を示すグラフ 冷却停止温度と変態発熱の持続時間との関係の一例を示すグラフ 比較例1での板厚5mmの高炭素鋼板の冷却曲線および等温変態線図を示すグラフ 従来の熱間圧延設備の一例を示す側面図 比較例2での板厚5mmの高炭素鋼板の冷却曲線および等温変態線図を示すグラフ 比較例3での板厚5mmの高炭素鋼板の冷却曲線および等温変態線図を示すグラフ
符号の説明
1 仕上圧延機
2 冷却装置
3 搬送ロール
4 スプレー
5 コイラー
6 温度計
7 温度計
8 温度計
9 冷却装置

Claims (4)

  1. Cを0.2〜0.7質量%含有する鋼で熱間圧延後の板厚が5mm以上の鋼板について、仕上温度(Ar3変態点−20℃)以上で熱間圧延後、鋼板の表層部および板厚中央部ともに冷却速度150℃/秒以上とする強冷却を、強冷却中の表層部の最低温度350℃以上、強冷却停止温度450〜570℃、且つ鋼板の表層部と板厚中央部で変態開始時の鋼板の組織が同じとなるような冷却条件で行い、さらに強冷却停止から巻取りまでの温度を450〜570℃の範囲内且つ変態開始時の鋼板の組織が変化しない温度範囲で保持することを特徴とする高炭素鋼板の製造方法。
  2. 鋼板の表層部と板厚中央部で変態開始時の鋼板の組織が同じとなる強冷却中の冷却水の水量密度の範囲を予め求めておき、該水量密度範囲内で強冷却を行うことを特徴とする請求項1に記載の高炭素鋼板の製造方法。
  3. 鋼板の表層部と板厚中央部で変態開始時の鋼板の組織が同じとなる強冷却中の鋼板表層部の冷却速度の範囲を予め求めておき、該鋼板表層部の冷却速度範囲内となるように、冷却を複数回に分割して各冷却の間で冷却を休止する間欠的な強冷却を行うことを特徴とする請求項1に記載の高炭素鋼板の製造方法。
  4. Cを0.3〜0.5質量%含有する鋼で熱間圧延後の板厚が5mm以上の鋼板について、仕上温度(Ar3変態点−20℃)以上で熱間圧延後、鋼板の表層部および板厚中央部ともに冷却速度150℃/秒以上とする強冷却を、強冷却中の表層部の最低温度350℃以上、強冷却停止温度500〜570℃、且つ表層部の冷却速度が600℃/秒以下となるような冷却条件で行い、さらに強冷却停止から巻取りまでの温度を500〜570℃の範囲で保持することを特徴とする高炭素鋼板の製造方法。
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