JP2005089283A - 炭酸化硬化体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 多量の多孔材を保持しつつも十分な強度が発現可能であり、優れた吸放湿性或いは揮発性化学物質や悪臭の吸着性や分解性を有する炭酸化硬化体を提供する。
【解決手段】 炭酸化硬化体が、炭酸カルシウムと非晶質シリカからなり、非晶質シリカの含有量が6重量%以上、特定の式で求められる窒素吸着比表面積が25〜300m2/g、比強度が200m以上である、若しくは、炭酸カルシウムと非晶質シリカからなり、非晶質シリカの含有量が6重量%以上、相対湿度50〜90%の条件下において特定の式で求められる材料の重量変化率が2〜20%、比強度が200m以上である、又は、炭酸カルシウムと非晶質シリカとアタパルジャイトからなり、非晶質シリカの含有量が6〜40重量%である、若しくは、多孔材(好ましくはアタパルジャイト)10〜80重量%とワラストナイト20〜90重量%からなるからなる無機材料を炭酸化処理してなる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、炭酸化硬化体に関し、詳しくは建築部材などの吸放湿性材料として好適に用いられる炭酸化処理してなる炭酸化硬化体に関する。
近年、住宅構造の高気密高断熱化に伴い、湿気や揮発性化学物質、悪臭などが室内にこもりやすく、種々の問題を引き起こしている。例えば、湿気による問題としては、冬の時期に壁や窓に大量の結露が発生しカビの発生原因となるなどの問題が発生している。一方、揮発性化学物質、悪臭の問題としてはシックハウス症候群やペット臭、加齢臭などの悪臭問題などが深刻化してきている。
室内環境を快適にするために、室内雰囲気が高湿気状態にあるときには水分を吸収し、室内雰囲気が乾燥状態にあるときには水分を放出する作用を有する吸放湿性材料について検討がなされている。また、ホルムアルデヒド等の揮発性化学物質や悪臭を吸着する機能をもった内装材についても検討されている。このような吸放湿性材料や吸着機能付与した内装材が、例えば建築部材として壁材、天井材、間仕切り材などに用いられれば、より快適な室内環境が得られる。
このような吸放湿性を得るための技術としては、例えば、特許文献1に、火山軽石類などの多孔材であるアロフェン又はイモゴライトを用い、アロフェン又はイモゴライトと凝結硬化剤とを混合、成形、凝結させてなる調湿建材や、アロフェン又はイモゴライトを単独又は他のセラミックス原料と混合、成形、焼成させてなる調湿建材が提案されている。
しかし、上記のような多孔材を入れて石膏などの凝結硬化剤で固化する方法では、部材としての強度が不十分になりやすいという問題があり、また、多孔材を入れて焼成する方法では、多孔材の熱による変質や、基材中に多孔材が封じ込められることで必ずしも十分な吸放湿性が得られないことがあるという問題があった。また、揮発性化学物質や悪臭の吸着性や分解性についても上記同様の問題があった。
これに対して特許文献2には、ケイソウ土にキトサンが配合された組成物からなる調湿材料、及びケイソウ土にキトサンが配合された組成物が、基板または対象物に塗工されてなる調湿材料が提案されている。
しかしながら、上記組成物においても、焼成する方法や凝結硬化剤で固化する方法では、特許文献1の場合と同様に、多孔材の変質、吸放湿性が不十分、強度が不十分などの問題があり、また、組成物を基板または対象物に塗工する場合には、塗工工程に時間と手間がかかるという問題があった。更に、キトサンなどのバインダーは一般に高価であるという経済面での問題もあった。
特許第3041348号公報 特開2002−20654号公報
本発明の目的は、上記従来の吸放湿性材料の問題点に鑑み、多量の多孔材を保持しつつも十分な強度が発現可能であり、優れた吸放湿性或いは揮発性化学物質や悪臭の吸着性や分解性を有する炭酸化硬化体を提供することにある。
請求項1記載の炭酸化硬化体は、炭酸カルシウムと非晶質シリカからなり、非晶質シリカの含有量が6重量%以上、以下の式(1)で求められる窒素吸着比表面積が25〜300m2/g、比強度が200m以上であることを特徴とする。
(アルカリ処理後の窒素吸着比表面積)×(アルカリ処理後の試料重量)/(アルカリ処理前の試料重量) ・・式(1)
請求項2記載の炭酸化硬化体は、炭酸カルシウムと非晶質シリカからなり、非晶質シリカの含有量が6重量%以上、相対湿度50〜90%の条件下において以下の式(2)で求められる材料の重量変化率が2〜20%、比強度が200m以上であることを特徴とする。
(アルカリ処理後の24時間吸湿増加重量)/(アルカリ処理前の試料重量) ・・式(2)
請求項3記載の炭酸化硬化体は、炭酸カルシウムと非晶質シリカと、アタパルジャイト又はセピオライトからなり、非晶質シリカの含有量が6〜40重量%であることを特徴とする。
請求項4記載の炭酸化硬化体は、炭酸カルシウムと非晶質シリカと、アタパルジャイト又はセピオライトを150〜800℃で焼成して得られる含水マグネシウム珪酸塩鉱物からなり、非晶質シリカの含有量が6〜40重量%であることを特徴とする。
請求項5記載の炭酸化硬化体は、請求項1〜4の何れか1項記載の炭酸化硬化体であって、炭酸カルシウムと非晶質シリカの重量比(炭酸カルシウムの重量/非晶質シリカの重量)が1〜2であることを特徴とする。
請求項6記載の炭酸化硬化体は、請求項1〜5の何れか1項記載の炭酸化硬化体であって、パルプ繊維を2〜15重量%含むことを特徴とする。
請求項7記載の炭酸化硬化体は、多孔材10〜80重量%とワラストナイト20〜90重量%からなる無機材料を炭酸化処理してなることを特徴とする。
請求項8記載の炭酸化硬化体は、請求項7記載の炭酸化硬化体であって、ワラストナイトのアスペクト比が5〜25であることを特徴とする。
請求項9記載の炭酸化硬化体は、請求項7又は8記載の炭酸化硬化体であって、多孔材がアタパルジャイト又はセピオライトであることを特徴とする。
請求項10記載の炭酸化硬化体は、請求項7又は8記載の炭酸化硬化体であって、多孔材が、アタパルジャイト又はセピオライトを150〜800℃で焼成して得られる含水マグネシウム珪酸塩鉱物であることを特徴とする。
請求項11記載の炭酸化硬化体は、請求項10記載の炭酸化硬化体であって、含水マグネシウム珪酸塩鉱物のメディアン径が、5〜50μmであることを特徴とする。
請求項12記載の炭酸化硬化体は、請求項10記載の炭酸化硬化体であって、含水マグネシウム珪酸塩鉱物の繊維長が0.1〜1.5μmであることを特徴とする。
請求項13記載の炭酸化硬化体は、請求項10記載の炭酸化硬化体であって、含水マグネシウム珪酸塩鉱物の一部にカオリナイト及び珪砂を含むことを特徴とする。
請求項14記載の炭酸化硬化体は、請求項1〜13の何れか1項記載の炭酸化硬化体で
あって、炭酸化硬化体中に、更に吸着剤及び分解剤から選ばれる少なくとも1種が含まれ
ることを特徴とする。
請求項15記載の炭酸化硬化体は、請求項14記載の炭酸化硬化体であって、吸着剤が、活性炭、ゼオライト、活性白土、セピオライト、合成ゼオライト、フライポンタイト、アタパルジャイト、シリカゲル、イオン交換樹脂、尿素化合物、ヒドラジド化合物、アゾール化合物及びアジン化合物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする。
請求項16記載の炭酸化硬化体は、請求項14記載の炭酸化硬化体であって、吸着剤が、SiO2−Al23系粉体、アルカリ金属珪酸塩及び水からなる組成物の硬化体であることを特徴とする。
請求項17記載の炭酸化硬化体は、請求項14記載の炭酸化硬化体であって、分解剤が、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫及び酸化第二鉄から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする。
請求項18記載の炭酸化硬化体は、請求項117の何れか1項記載の炭酸化硬化体であって、炭酸化硬化体中に、更にアルキル基含有ポリオルガノシロキサンが0.1〜10重量%含まれることを特徴とする。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の炭酸化硬化体において、非晶質シリカの含有量は、炭酸化硬化体全重量に対して6重量%以上である。含有量が小さすぎると炭酸化硬化体の強度が小さくなる傾向があるため好ましくない。含有量の上限は特に認められないが、炭酸化硬化体中に、例えばアタパルジャイト又はセピオライトのような非晶質シリカを含まない多孔材を使用した場合には、強度保持の点で40重量%以下であることが好ましい。
本発明において、炭酸カルシウム及び非晶質シリカは、珪酸カルシウムの炭酸化処理により生成するもの、及び、充填材等として添加されるものが含まれる。このため、上記の非晶質シリカの含有量においては、炭酸化処理により生成する非晶質シリカの含有量が分析できる場合には、その生成する非晶質シリカの含有量を6重量%以上とすることが好ましい。非晶質シリカの含有量を6重量%以上とするためには、無機材料における珪酸カルシウムと多孔材の配合を多孔材10〜80重量%、珪酸カルシウム20〜90重量%にすることにより効果的に非晶質シリカの量を制御することができる。
また、アタパルジャイト又はセピオライトのような非晶質シリカを含まない多孔材を使用した場合には、上記含有量は6〜40重量%とすることが好ましい。
上記非晶質シリカの含有量の分析、算出方法については特に限定されるものではないが、例えばアルカリ水溶液を使用して溶解成分より算出する方法などが採られる。
上記の炭酸化処理する際に生成する炭酸カルシウム及び非晶質シリカは、珪酸カルシウム化合物を炭酸化することによって生成される。
上記珪酸カルシウム化合物としては、例えば、セメント水和物やトバモライトのような珪酸カルシウム水和物や、セメントやワラストナイト(珪灰石)のような珪酸カルシウム無水和物が挙げられる。中でも、炭酸化硬化体の強度発現性の点から珪酸カルシウム無水和物(以下、単に「珪酸カルシウム」という)を使用することが好ましく、反応速度や硬化体物性の化学的安定性の観点からワラストナイトを用いることがより好ましい。
ワラストナイトとはCaSi03で示される珪酸カルシウムからなる珪酸塩鉱物であり、白色の繊維状又は塊状物として天然に産出される。一般にその繊維状の形状を利用して、アスベスト代替等の補強部材として利用されている。
上記ワラストナイトとしては、微粉砕処理を行い比表面積を増加させたワラストナイトが好ましく、粒子の大きさは平均粒径で10μm以下が好適である。平均粒径が10μmより大きい場合、粒子の内部まで炭酸化反応が進行しにくくなることがある。
また、上記ワラストナイトの粉体粒度の体積分布において、累積10%径が1μm以下であるものが好ましい。上記粉体粒度の体積分布とは、粉体の粒度分布を粒子の体積によって表した値であり、その累積10%径とは、粒径の小さいものから粒子全体積の10%に相当する粒子径である。累積10%径が1μmを越える場合は炭酸化処理における反応性が小さくなり、炭酸化硬化体を形成するために長時間もしくは高い圧力を必要とすることがある。
上記の、微粉砕処理により比表面積を増加させたワラストナイト以外のワラストナイトを使用する場合は、アスペクト比が5〜25であるものが好ましく、アスペクト比が10〜23であるものがより好ましい。
アスペクト比が5未満であると、炭酸化処理前の賦形工程で、ワラストナイトの配向が効率的に起こらず賦形体の緻密化が不十分で、炭酸化硬化後の機械的強度が小さくなる傾向があり、アスペクト比が25を超えると、ワラストナイト繊維同士の絡み合いが大きく、嵩密度が大きくなり、賦形に高圧かつ、長時間のプレス成形が必要となる傾向がある。
なお、上記のようなアスペクト比を有するワラストナイトは、特に限定されないが、たとえば、ジェットミルなどによる粉砕と分級処理により得ることができる。
このようなワラストナイトを配合することにより、上記窒素吸着比表面積値や材料変化率を満たしつつ、効果的に比強度を維持することができる。
また、上記ワラストナイトは、高いエネルギーを与える処理を行うなどして活性化されたものであることが好ましい。活性化することで、ワラストナイトの連鎖珪酸塩構造を変化させることができ、ワラストナイトの反応性を高めることができる。
上記活性化は、例えば、ワラストナイト粉体に粉砕媒体などを用いて機械的エネルギーを与えることにより得られる。上記機械的エネルギーとしては特に限定されず、例えば、圧縮力、剪断力、衝撃力、摩擦力等によるエネルギーが挙げられる。
上記機械的エネルギーは、0.01〜30kWh/kgであるのが好ましい。0.01kWh/kg未満であると得られる粉体の構造変化が少なくなり、炭酸化活性、即ち、粉体の炭酸化しやすさが低下する。30kWh/kgを超えると粉砕装置への負荷の増大、粉砕媒体としての、例えばボールや粉砕用容器が激しく摩耗することによる処理粉体へのコンタミネーション、処理粉体の凝集による粗大粒子化、コスト等の生産性の面での不利益等の問題が生じやすくなる。より好ましくは0.1〜5kWh/kgである。
上記機械的エネルギーを作用させる方法としては特に限定されず、例えば、粉砕を目的として一般に使用されている粉砕装置を用いて行うことができる。上記粉砕装置としては特に限定されず、例えば、ボールミル、振動ミル、遊星ミル、媒体攪拌型ミル等の衝撃、圧縮、剪断が結合したボール媒体ミルや、ジェット粉砕装置等が挙げられる。なかでも、機構的に上記ワラストナイト粉体に有効に上記機械的エネルギーを付与することができる点で、ボール媒体型のミルが好ましい。
このようなワラストナイトを配合することにより、上記窒素吸着比表面積値や材料変化率を満たしつつ、効果的に比強度を維持することができる。
本発明の炭酸化硬化体は、上記に加えて、以下の式(1)で求められる窒素吸着比表面積が25〜300m2/gとされる。
(アルカリ処理後の窒素吸着比表面積)×(アルカリ処理後の試料重量)/(アルカリ処理前の試料重量) ・・式(1)
ここで、アルカリ処理とは試料に含まれる非晶質シリカなどのアルカリ可溶成分をアルカリ性溶液に溶解させ除去する処理をいう。
従って、アルカリ処理後の試料重量とは、炭酸化硬化体にアルカリ処理を行った後の試料重量をいい、例えば、炭酸化硬化体を粉砕した試料にアルカリ性溶液を加えて可溶成分を溶解させた後に残存固形物を取り出し、洗浄、乾燥した試料の乾燥重量を計量することで求めることができる。
また、アルカリ処理後の窒素吸着比表面積は、炭酸化硬化体にアルカリ処理を行った後の試料の窒素吸着比表面積をいい、例えば、炭酸化硬化体を粉砕した試料にアルカリ性溶液を加えて可溶成分を溶解させた後に残存固形物を取り出し、洗浄、乾燥した試料の窒素吸着比表面積を計測することで求めることができる。
上記アルカリ処理に用いられるアルカリ性溶液としては、特に限定されないが、結晶性シリカは溶解せずに、非晶質シリカを溶解する溶液が用いられ、例えば2Nの水酸化ナトリウム水溶液などが好適に用いられる。
上記式(1)に示される、窒素吸着比表面積は、アルカリ処理前の重量を基準とした炭酸化硬化体中に含まれるアルカリ可溶成分を除いた部分の有効比表面積を意味し、この窒素吸着比表面積が25m2/gに満たない場合は、炭酸化硬化体中に含まれるアルカリ性溶液などに対する化学的安定性を有する成分における有効な比表面積が少ないことを意味し、吸放湿性能が不十分となったり、吸放湿性能に関する耐久性が不十分になることがある。
また、上記窒素吸着比表面積が300m2/gを越える場合は、いわゆるポーラス(多孔質)になりすぎて、得られた炭酸化硬化体の強度向上の効果が低くなることがある。
吸放湿性建材に適用し、小面積施工で十分な結露低減効果を得るためには、上記窒素吸着比表面積の範囲を45〜300m2/gとするのが好ましい。
窒素吸着比表面積を上記範囲とするためには、無機材料における珪酸カルシウムと多孔材の配合を多孔材10〜80重量%、珪酸カルシウム20〜90重量%にすることにより効果的に非晶質シリカの量を制御することができる。
本発明においては、更に、炭酸化硬化体の比強度は200m以上とされ、より好ましくは300m以上である。ここでの比強度とは、曲げ強度(kg/m2)と炭酸化硬化体のかさ密度(kg/m3)との比(曲げ強度/かさ密度)で示される値である。比強度が200mに満たない場合は、板材としての実用強度が不十分となりやすく、実用強度を確保しようとした場合、材料の厚みが大きく重い部材となりやすいので不適当である。
本発明において、炭酸化硬化体とは、ワラストナイトなど珪酸カルシウムを含む無機材料と水などとの混合物からなる賦形体を二酸化炭素に接触させ、珪酸カルシウムなどの無機材料成分が二酸化炭素と反応することで得られる硬化体を意味する。
上記混合物を得る方法としては、特に限定されず、一般にセメント等の混合に用いるミキサーを使用することができ、例えば、オムニミキサー、アイリッヒミキサー、ヘンシェルミキサー等が挙げられる。また、上記混合物から賦形体を得る方法としては、一般の窯業系建材の製造に用いられる方法が使用でき、例えば、乾式プレス法、抄造法、脱水プレス法、フローオン法、押出し法等が挙げられる。
乾式プレス成型法により賦形する場合、原料固形分全量に対する添加水量の割合は、1.7〜20重量%が好ましい。この範囲より少ないと、炭酸化処理時に粒子間への二酸化炭素の溶解量が少なく反応速度が小さくなり十分な組織の緻密化が期待できない。また、この範囲より大きくなると、ハンドリングに支障をきたすことがある。
また、抄造法、脱水プレス法等の湿式法により賦形する場合は原料固形分全量に対する添加水量は200〜400重量%が好ましい。この範囲より少ないと混合物の分散性が悪く、不均一になったり、表面への型の柄の転写性が低下することがある。この範囲より多いと賦形時に余分な水を搾り出す時間が長くなることがある。
また、上記混合物を抄造法、あるいは脱水プレス法により脱水した後の賦形体の含水率は10〜50重量%であることが好ましい。上記含水率が10重量%未満の場合は、炭酸化処理する際の炭酸化反応が不十分になることがあり、含水率が50重量%を超える場合は、ハンドリングに支障をきたしたり、炭酸化反応が不十分になったりして硬化体として必要な性能を満たさなくなることがある。
上記抄造法としては、その方式について特に限定されず、丸網式や長網式などの公知の方法が好適に適用可能であり、例えば、抄造機のコンベア上にある透水性シート上に供給
されたスラリー状の上記混合物が、余剰水分が搾水されながらロールよって所望の厚さで挟み込まれて脱水され一定の長さに切断されたものをプレス等で更に加圧脱水することによって含水率が10〜50重量%になるよう賦形される方法等が好適である。
なお、本発明においては、上記材料以外にも、目的や成形方法に応じ、珪砂、フライアッシュ、炭酸カルシウム、石膏、高炉スラグ、シリカフューム、アタパルジャイト、セピオライト、タルク、マイカ等の無機充填材、パーライト、フライアッシュバルーン、ガラスバルーン、シリカフラワー、スチレンビーズ等の軽量骨材、木片、パルプ等の天然繊維、ビニロン、ポリピロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアミド等の合成樹脂繊維、カーボン繊維などが添加されても良い。
特に、パルプ繊維が炭酸化硬化体に2〜15重量%含まれる場合には、得られる硬化体が建材に使用される場合の切断加工性、端部形状加工性、釘打ち(施工)の向上に効果がある。配合割合が少なすぎる場合には、耐衝撃性が不充分となり、割れ・欠けの発生が起こり易くなる場合があり、多すぎる場合には、切断加工時において、加工端面より繊維が露出し、外観上好ましくない。
また、後述する化学物質、悪臭の吸着剤や分解剤が添加されてもよく、例えば活性炭、竹炭、無機多孔材、ホタテ貝粉、過酸化物等の酸化剤、ヒドラジド化合物、アゾール化合物、アジン化合物、等が挙げられる。
上記炭酸化硬化体を得る方法としては、例えば、気体状態あるいは超臨界状態の二酸化炭素を接触させる方法が挙げられる。この場合、炭酸ガス濃度は任意の濃度を利用して良いが、100%に近い濃度で処理することが炭酸化の効率という点で好ましい。
炭酸化処理の温度としては、特に限定されないが、反応量と工業生産性の観点から、室温〜200℃の範囲が好ましく、40℃〜120℃がより好ましい。処理温度が低すぎると、炭酸化の反応量が減少するため炭酸化硬化体の強度が低下する傾向があり、処理温度が高すぎると炭酸化の反応量が少なからず増加するものの、大きなエネルギーが必要となるため工業生産性の観点から好ましくない。
炭酸化処理の圧力としては、特に限定されないが、反応量と工業生産性の観点から、0.2MPa〜20MPaの範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.5〜1MPaである。すなわち、0.2MPaより低い場合、炭酸化反応量が低下し、強度が低下する傾向があり、20MPaより高い場合、炭酸化反応量はほとんど変化せず、大きなエネルギーが必要となるため工業生産性の観点から好ましくない。
また、炭酸化処理時間は、特に限定されないが、反応量と工業生産性の観点から、5〜120分の範囲内であることが好ましい。すなわち、処理時間が5分に満たない場合、炭酸化反応量が低下し強度が低下する傾向があり、120分を越える場合、炭酸化反応量はほとんど変化しないが、生産性の観点から効率的でない。
本発明の炭酸化硬化体は、炭酸カルシウムと非晶質シリカからなり、非晶質シリカの含有量が6重量%以上、相対湿度50〜90%の条件下において以下の式(2)で求められる材料の重量変化率が2〜20%、比強度が200m以上である炭酸化硬化体であってもよい。
(アルカリ処理後の24時間吸湿増加重量)/(アルカリ処理前の試料重量) ・・式(2)
上記式(2)に示される、重量変化率は、アルカリ処理前の重量を基準とした炭酸化硬化体中に含まれるアルカリ可溶成分を除いた部分の吸湿増加重量を意味し、この重量変化率が2%に満たない場合は、炭酸化硬化体中に含まれるアルカリ性溶液などに対する化学的安定性を有する成分の有効な吸湿増加重量が小さいことを意味し、吸放湿性能が不十分となったり、吸放湿性能に関する耐久性が不十分になることがある。また、上記重量変化率が20%を越える場合は、得られた炭酸化硬化体の強度が不十分となることがある。
本発明の炭酸化硬化体は炭酸カルシウムと非晶質シリカとアタパルジャイト又はセピオライトからなり、非晶質シリカの含有量が6〜40重量%である炭酸化硬化体であってもよい。
ここで、アタパルジャイトとは一般にSi82OMg5(OH)2(OH24・H2Oの化学式で表される含水マグネシウム珪酸塩鉱物であり、セピオライトとは、一般にMgSi1230(OH)4(OH24・8H2Oで示される含水マグネシウム珪酸塩鉱物である。アタパルジャイトの結晶構造は1μm程度の針状、繊維状であり、細かい空隙からなり、炭酸化処理されてなる組織と組み合わせた際、吸放湿性能の発現性、成形性の点で好適である。
炭酸化硬化体中のアタパルジャイトの存在は、例えば、X線回折測定によって確認することができる。炭酸化硬化体中にアタパルジャイトを含む場合、銅を管球として測定したX線回折測定において、2θ=8.4〜8.6、19.8〜19.95°に回折ピークが存在していることから確認できる。更には、上記に加えて27〜28°付近に複数のピークからなるブロードなピークが存在することから確認できる。
本発明の炭酸化硬化体は、炭酸カルシウムと非晶質シリカと、アタパルジャイト又はセピオライトが150〜800℃で焼成されて得られる含水マグネシウム珪酸塩鉱物からなり、非晶質シリカの含有量が6〜40重量%であることを特徴とする炭酸化硬化体であってもよい。上記含水マグネシウム珪酸塩鉱物は、アタパルジャイト又はセピオライトが焼成されることで、水酸基の一部が脱離されてなるものである。
ナノサイズの細孔を有するアタパルジャイトやセピオライトは、極めて優れた吸放湿性、化学物質吸着性を有するが、一次粒子が繊維状であり、その表面に多数の水酸基を有しているため水を介して建材等と成形する際には鉱物周囲に水が強固に吸着し、脱水成形が困難であるという問題点があった。特に、高性能性の吸放湿性硬化体を得る為には、アタパルジャイト等の配合量が多くなり、成形プロセスにおけるこの課題は深刻であった。しかしながら、上記温度範囲において焼成を行うと水酸基の脱離と非晶化が進行し、脱水成形上の課題を解決することができる。
即ち、炭酸化処理前の賦形プロセスにおいて、例えば、(生産性に優れた)抄造成形や(表面加飾付与に優れた)脱水プレス成形法にように原料がスラリー状態にある成形方法を用いる場合、150〜800℃で焼成した含水マグネシウム珪酸塩鉱物を用いると、未焼成のものと比較して、スラリー状態におけるチクソトロピー性が低下し、極めて効率よく脱水処理を行うことが可能となる。
このように含水マグネシウム珪酸塩鉱物の水酸基を制御することは、吸放湿機能の向上をもたらすだけで無く、無機質硬化体を得る際のプロセスにおいても効果を発揮することができる。
上記焼成温度が低すぎる場合は、得られる硬化体の吸放湿性能が不充分であることと、スラリー状態におけるチクソトロピー性が強く、生産性が低くなる傾向があり、焼成温度が高すぎる場合は、含水マグネシウム珪酸塩鉱物が有する細孔が消失して、得られる硬化体の吸放湿性能が低下することがある。また、微量に含有する鉄成分が酸化し、着色現象が起こることがある。より好ましい焼成温度は200〜500℃である。
更に、上記含水マグネシウム珪酸塩鉱物は、そのメディアン径が5〜50μmであると、製造工程における脱水性、及び得られる硬化体の物性が更に向上する点で、好ましい。
上記含水マグネシウム珪酸塩鉱物は、繊維形態を有する一次粒子が集合した二次粒子(塊)を形成しているが、水中に分散してもその粒子塊を維持している。ここでいうメディアン径とはこの二次粒子径を測定した値のことをいう。上記メディアン径が5μm未満であると、脱水成型時に粒子が密に詰まりすぎて、水の通り道が得られず、脱水性が損なわれることがある。また、メディアン径が50μmを超えると、得られる硬化体の吸放湿性能が不充分にることがあるだけでなく、二次粒子間が大きくなりすぎて、充分な効果処理が行われず、硬化体の強度が低下することがある。尚、本発明においてメディアン径とは、粒度分布を評価する際に一般に用いられる粒径であり、いわゆる50%径を意味する。
さらに、上記含水マグネシウム珪酸塩鉱物は、一次粒子の繊維長が0.5〜1.5μmであると、成型時の脱水性が向上する点でこのましい。0.5μmより短いと、比表面積が高くなりすぎて保水性がたかくなり、充分な非チクソ性が得られない場合があり、1.5μmを越えると、チクソ性が高くなりすぎて脱水不良となることがある。
また、上記含水マグネシウム珪酸塩鉱物には、カオリナイト及び珪砂が含まれていると、成型時の脱水性向上及び、得られる硬化体の強度が向上する点で好ましい。
本発明の炭酸化硬化体において、炭酸カルシウムと非晶質シリカの重量比(炭酸カルシウム/非晶質シリカ)が1〜2であると強度と化学的安定性のバランスの点で好ましい。この重量比が1に満たない場合、炭酸化硬化体の強度が十分に発現されないことがあり、重量比が2を越える場合は炭酸化硬化体の化学的安定性が劣ることがある。重量比が上述の範囲となりやすい炭酸化処理の原料としては、例えば、ワラストナイトが好適である。
本発明の炭酸化硬化体は、多孔材10〜80重量%とワラストナイト20〜90重量%からなる無機材料を炭酸化処理してなるものであってもよい。
多孔材が少なすぎると(ワラストナイトの配合量が多すぎると)結露低減などに有効な充分な吸放湿性が得られないという不具合があり、多すぎる(ワラストナイトの配合量が少なすぎると)と、充分な強度を得られないという不具合がある。なお、上記配合割合は、多孔材及びワラストナイト合計量に対する重量%を示すものである。
多孔材は、アルカリ処理では溶解しないため、多孔材の量を調整することによって上述の式の範囲を効果的に制御することができる。
上記多孔材としては一般に吸放湿性を示す多孔材であれば特に限定されず、珪藻土、シリカゲル、アタパルジャイト、セピオライト、粘土鉱物などが挙げられるが、成形性や化学的安定性の点でアタパルジャイト又はセピオライトが好ましい。
上記において、多孔材が多すぎたりワラストナイトが少なすぎる場合には、機械的強度が不足することがあり、多孔材が少なすぎたりワラストナイトが多すぎる場合には、吸放湿性が不足することがある。
本発明の炭酸化硬化体中に、更に吸着剤及び分解剤から選ばれる少なくとも1種が含まれたものであると、以下に示す揮発性化学物質や悪臭源物質の吸着性若しくは分解性が向上する点で好ましい。
上記揮発性化学物質や悪臭源物質としては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレイン、プロピオンアルデヒド、ノルマルブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ノルマルバレルアルデヒド、イソバレルアルデヒド、酢酸、プロピオン酸、ノルマル酪酸、ノルマル吉草酸、イソ吉草酸、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルイソブチルケトン、メタノール、イソブタノール、ピリジン、トルエン、キシレン、パラジクロロベンゼン、エチルベンゼン、スチレン、クロルピリホス、フタル酸ジブチル、テトラデカン、フタル酸-2-エチルヘキシル、ダイアジノン、フェノブカルブ、硫化水素、メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、硫化メチル、二硫化メチル、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、二酸化窒素等が挙げられるが、これら以外でも一般に揮発性有機化化合物、悪臭源物質といわれるものが含まれる。
上記の揮発性有機化合物、悪臭源物質の吸着剤又は分解剤としては、上記のものを吸着若しくは分解するものであれば特に限定されないが、安全性、経済性の点から以下のものが好ましい。
即ち、吸着剤としては、活性炭、ゼオライト、合成ゼオライト、フライポンタイト、活性白土、セピオライト、アタパルジャイト、シリカゲル、イオン交換樹脂、尿素、ヒドラジド化合物、アゾール化合物及びアジン化合物から選ばれる少なくとも1種であってもよい。また、SiO2−Al23系粉体、アルカリ金属珪酸塩及び水からなる組成物の硬化体(以下、「SA硬化体」ともいう)であってもよい。前記SA硬化体においては、通常、粉砕粉或いは切断や加工時に発生する屑粉が好適に用いられる。
また、分解剤としては、一般に光触媒と呼ばれているものが好ましく、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化第二鉄から選ばれる少なくとも1種があげられる。中でも通常の照射光で高い触媒効果を発揮するアナターゼ型結晶を含有する酸化チタンがより好ましく、さらには弱い紫外線下においても触媒効果が発揮されるブルーカイト型結晶を含有する酸化チタンが特に好ましい。
上記SA硬化体について更に詳しく説明する。
SiO2 −Al23 系粉体の成分構成としては、特に限定されないが、例えば、SiO2 :Al23 =1:9〜9:1(重量比)のものが好ましく、また、粉体全体としてはSiO2 とAl23 との合計が50重量%以上含有されているものが好ましい。含有量が50重量%未満ではアルカリ金属珪酸塩水溶液との反応性が低下し、得られる吸放湿層の強度が低下することがある。
上記SiO2 −Al2 3 系粉体としては、例えば以下の(1)〜(9)に示すようなものが挙げられ、これらは単独で用いられてもよいし、2種以上併用されてもよい。
(1):粒子径10μm以下の粒子を80重量%以上含有するフライアッシュ
(2):粒子径10μm以下の粒子を80重量%以上含有する脱色フライアッシュ
(3):フライアッシュや粘土を溶融し気体中に噴霧することによって得られる無機質粉体(4):粘土に0.1〜30kWh/kgの機械的エネルギーを作用させて得られる無機質粉体
(5):(4)の粉体を更に100〜750℃で加熱することによって得られる無機質粉体
(6):メタカオリンに0.1〜30kWh/kgの機械的エネルギーを作用させて得られる無機質粉体
(7):コランダム或いはムライト製造時の電気集塵機の灰
(8):粉砕仮焼ボーキサイト
(9):メタカオリン
なお、通常フライアッシュとは、JIS A 6201に規定される、微粉炭燃焼ボイラーから集塵機で採取する微小な灰の粒子の、SiO2 40%以上、湿分1%以下、比重1.95以上、比表面積2700cm2 /g以上、44μm標準ふるいを75%以上通過するものであるが、(1)のフライアッシュは、上記通常のフライアッシュを、例えば湿式沈降分級、風力分級、比重による分離等通常行われている分級機を用いて分級する方法、ジェットミル、ロールミル、ボールミル等の微粉砕機をも用いて粉砕する方法、分級機と粉砕機の連続システムを用いる方法等の従来公知の方法で処理することによって得ることができる。
上記(1)のフライアッシュにおいて、粒子径10μm以下の粒子の含有量が80重量%未満であると、アルカリ金属珪酸塩水溶液との反応性が低下し、強度低下を生じたり、硬化不良を生じたりすることがある。
上記(2)の脱色フライアッシュは、(1)のフライアッシュを400〜1000℃で焼成するか、通常のフライアッシュを400〜1000℃で焼成したのち、例えば湿式沈降分級、風力分級、比重による分離等通常行われている分級機を用いて分級する方法、ジェットミル、ロールミル、ボールミル等の微粉砕機をも用いて粉砕する方法、分級機と粉砕機の連続システムを用いる方法等の従来公知の方法で処理することによって得ることができる。
フライアッシュは一般に黒色であるが、上記焼成温度が400℃未満の場合は、脱色が不十分になることがあり、焼成温度が1000℃を超える場合には、アルカリ金属珪酸塩水溶液との反応性が低下し、十分な吸着性能得られないことがある。
(3)の無機質粉体は、フライアッシュや粘土を溶融し、気体中に噴霧することによって得られるが、気体中に溶融・噴霧する方法としては、例えば、セラミックコーティングに適用される溶射技術が用いられ、好ましくは上記フライアッシュ及び粘土が2000〜16000℃の温度で溶融され、30〜80m/sの速度で噴霧される。溶射方法としては、例えば、プラズマ溶射法、高エネルギーガス溶射法、アーク溶射法などが挙げられる。
上記 (3)の無機質粉体における比表面積としては、通常、上記溶射技術によって0.1〜60m2 /gにコントロールされる。
上記(3)の無機質粉体および(4)の無機質粉体の原料となる粘土としては、化学組成としてSiO2 ;5〜85重量%、Al2 3 ;90〜10重量%を含有する粘土が好適に用いられ、例えば、カオリナイト、ディッカイト、ナクライト、ハロイサイト等のカオリン鉱物、白雲母、イライト、フェンジャイト、海緑石、セラドナイト、パラゴナイト、ブランマライト等の雲母粘土鉱物、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サボナイト、ソーコナイト等のスメクタイト、緑泥岩、パイロフィライト、タルク、ばん土頁岩が挙げられる。
(4)〜(6)の無機質粉体製造時に用いられる機械的エネルギーとは、圧縮力、剪断力、衝撃力等により与えらエネルギーを意味し、これらは単独で作用させてもよいし、2種以上を複合させて作用させてもよい。これらを具体的に作用させる機器としては、例えば、ボールミル、振動ミル、遊星ミル、媒体攪拌型ミル、ローラミル、乳鉢、ジェット粉砕装置等が挙げられる。
上記(4)〜(6)の無機質粉体製造に使用される粘土又はメタカオリンの粒子径は特に限定されないが、機械的エネルギーを有効に作用させるには平均粒子径が0.01〜500μmが好ましく、更に好ましくは0.1〜500μmであり、特に好ましくは0.1〜100μmである。
上記(4)〜(6)の無機質粉体において、粘土又はメタカオリンに加えられる機械的エネルギーは0.1〜30kWh/kgであることが好ましく、より好ましくは1.0〜26kWh/kgである。機械的エネルギーが0.1kWh/kg未満であると、得られた無機質粉体のアルカリ金属珪酸塩水溶液との反応性が低下しやすくなり、30kWh/kgを超えると、上記粉砕装置への負荷が大きくなりすぎて、装置の摩耗、損傷が増大し、上記粘土に不純物が混入する等の問題が発生することがある。なお、上記機械的エネルギーを作用させる際に、粘土又はメタカオリンの粉体の装置内部への付着あるいは著しい凝集を防ぐため、粉砕助剤を必要に応じて添加してもよい。
上記粉砕助剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール等のアルコール類、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム等の金属石鹸類、アセトン蒸気等が挙げられる。これらは単独で使用されてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
(5)の無機質粉体は、粘土に上記機械的エネルギーを作用させた後、更に100〜750℃、好ましくは200〜600℃に加熱して得られるが、これは加熱により機械的強度の向上が認められるためで、加熱温度が100℃未満であると、強度向上が不十分になることがあり、750℃を超えると無機質粉体の結晶化が生じ、アルカリ金属珪酸塩水溶液に対する反応性が低下することがある。また、加熱時間としては、短くなると、得られる吸放湿層の機械的強度の向上が小さくなりやすく、長くなるとエネルギーコストが増大するので、1分〜5時間であることが好ましい。
(7)および(8)の無機質粉体は、例えば特公平3−9060号公報や特公平4−45471号公報に記載されるものが挙げられる。
(9)のメタカオリンとしては、特に限定されず、一般に市販のものを好適に用いることができる。
上記SA硬化体において用いられるアルカリ金属珪酸塩とは、M2 O・nSiO2 (M=K,Na,Liから選ばれる1種以上の金属)で表される珪酸塩である。上記においてnの値は小さくなると良好な外観の吸放湿層が得られにくくなり、大きくなるとゲル化が生じ易くなるため、0.01〜8が好ましく、更に好ましくは、0.5〜2.5である。
また、アルカリ金属珪酸塩水溶液は、吸放湿性をより向上させることができる点で、アルカリ金属がカリウム、若しくはカリウムと他のアルカリ金属とを混合したものであることが好ましい。
上記アルカリ金属珪酸塩は水溶液として用いられることが好ましい。水溶液の濃度としては、その濃度が薄くなるとSiO2 −Al2 3 粉体との反応性が低下し、得られる吸放湿層の強度が低下することがあり、濃度が高くなると粘度が高くなりアルカリ金属の塩が生成し易くなるので、混合・成形時の作業性が低下することがあるので、10〜70重量%とすることが好ましく、10〜60重量%であることがより好ましい。
上記SA硬化体を得るためのアルカリ金属珪酸塩の添加量は、吸放湿層にクラック等が生じることを防止するために、SiO2 −Al2 3 系粉体100重量部に対し1〜300重量部(水溶液として10〜1300重量部)が好ましく、10〜250重量部(水溶液として10〜1000重量部)がより好ましい。
上記SA硬化体の調整に用いられる水は、全配合量をアルカリ金属珪酸塩の水溶液として添加されてもよいし、アルカリ金属珪酸塩の水溶液と独立した水の両方の形態で添加されてもよい。水の添加量は、少なくなると十分に硬化しないことがあり、多くなると吸放湿層の強度が低下することがあるので、SiO2 −Al2 3 系粉体100重量部に対し10〜1000重量部、好ましくは10〜750重量部、更に好ましくは、50〜500重量部である。
上記SA硬化体を得るために、SiO2 −Al23系粉体、アルカリ金属珪酸塩及び水からなる組成物(以下、「SA組成物」ともいう)を調整する方法としては、例えば、パドル回転型混合機、揺動式混合機、スクリュー式混合機等の通常の混合機が使用できる。混合方法としては、粉体原料を乾式混合しておいて、得られた混合物にさらにアルカリ金属珪酸塩水溶液を添加し混合する方法、全原料を同時に供給して混合する方法、アルカリ金属珪酸塩水溶液と一部粉体原料を混合し、順次残りの原料を添加して混合する方法などが挙げられ、特に限定されない。
このようにして得られたスラリー状のSA組成物は、自然落下式で型内に充填してもよいし、ポンプ等によって型内へ充填してもよい。スラリー充填中或いは充填後にスラリーのレベリングや脱泡等のため振動を付与してもよい。また、スラリーの粘度が高い時にはプレス成形するようにしても構わない。型としては、特に限定されず、型の材質としては金属、樹脂、ゴム等が挙げられ、型面に凹凸模様を形成しておけば、型面の凹凸に応じた装飾性に優れた表面形状の吸放湿材を得ることができる点で好ましい。
上記SA組成物の硬化条件としては、雰囲気温度を常温〜100℃の間で、5分〜12時間保持して行うのが好ましい。加熱方法は特に限定されないが、例えばオーブンが挙げられる。加熱温度が高くなれば硬化時間が短くなるのはいうまでもない。加熱硬化を終了すれば脱型を行い、SA硬化体が得られる。
上記SA硬化体は、通常粉砕して粒経を小さくしたものが用いられる。粉砕する方法としては、一般に粉砕で使用される設備ならなんでもよく限定されない。例えば、ボールミル、振動ミル、遊星ミル、媒体攪拌型ミル、ローラミル、乳鉢、ジェット粉砕装置等が挙げられる。また、このSA硬化体を切断、粉砕、加工する際に発生する粉塵を使用してもよい。
本発明の炭酸化硬化体中に、更に、アルキル基含有ポリオルガノシロキサンが含まれていると、内装材などの建築部材に使用した際の耐汚染性が向上する点で好ましい。
ここで、アルキル基含有ポリオルガノシロキサンとしては、メチルポリシロキサン、オクタメチルトリシロキサン等のジメチルシリコン類、メチルフェニルポリシロキサン等のメチルフェニルシリコン類、メチルポリシロキサン共重合体などがある。また、特に撥水性を向上させる場合には、フッ素ハイブリッド系のポリオルガノシロキサンが好適に用いられる。
本発明の炭酸化硬化体中に、アルキル基含有ポリオルガノシロキサンを含める方法としては、予め炭酸化硬化体原料中にアルキル基含有ポリオルガノシロキサンを配合しておく方法や、硬化した後表面にアルキル基含有ポリオルガノシロキサンを分散させた塗料を積層する方法等があり、アルキル基含有ポリオルガノシロキサンの種類により適宜選択される。
アルキル基含有ポリオルガノシロキサンの量としては、炭酸化硬化体の0.1〜10重量%に限定される。上記範囲より少ないと十分な耐汚染性効果が得られず、多いと吸放湿性や吸着性を阻害することがある。
本発明の炭酸化硬化体は、本発明の効果を損なわない限り、必要に応じてその他の補強材や添加材が用いられたものであってもよい。
(作用)
請求項1記載の炭酸化硬化体は、炭酸カルシウムと非晶質シリカからなり、非晶質シリカの含有量が6重量%以上、上記の式(1)で求められる窒素吸着比表面積が25〜300m2/g、比強度が200m以上であることを特徴とするので、炭酸化硬化体中に含ま
れるアルカリ性溶液などに対する化学的安定性を有する成分の有効な比表面積が好適な範囲を有することによって、優れた吸放湿性を有しつつも十分な強度を発現可能な炭酸化硬化体が得られる。
請求項2記載の炭酸化硬化体は、炭酸カルシウムと非晶質シリカからなり、非晶質シリカの含有量が6重量%以上、相対湿度50〜90%の条件下において上記の式(2)で求められる材料の重量変化率が2〜20%、比強度が200m以上であることを特徴とするので、炭酸化硬化体中に含まれるアルカリ性溶液などに対する化学的安定性を有する成分の吸湿増加重量が好適な範囲を有することによって、優れた吸放湿性、吸着性を有しつつも十分な強度を発現可能な炭酸化硬化体が得られる。
請求項3記載の炭酸化硬化体は、炭酸カルシウムと非晶質シリカとアタパルジャイト又はセピオライトからなり、非晶質シリカの含有量が6〜40重量%であることを特徴とするので、炭酸化硬化体の組織が発現する優れた通気性と機械的強度に加えて、アタパルジャイトの優れた粉体流動性と吸放湿性により、機械的強度と吸放湿性を両立する炭酸化硬化体を得ることができる。
請求項4記載の炭酸化硬化体は、炭酸カルシウムと非晶質シリカと、アタパルジャイト又はセピオライトを150〜800℃で焼成して得られる含水マグネシウム珪酸塩鉱物からなり、非晶質シリカの含有量が6〜40重量%であることを特徴とするので、含水マグネシウム珪酸塩鉱物の水酸基が制御され、吸放湿性が向上するとともに、生産時の脱水処理効率が向上し、上記効果は更に確実なものとなる。
請求項5記載の炭酸化硬化体は、炭酸カルシウムと非晶質シリカの重量比(炭酸カルシウムの重量/非晶質シリカの重量)が1〜2であることを特徴とするので、上記効果は更に確実なものとなる。
請求項6記載の炭酸化硬化体は、パルプ繊維を2〜15重量%を含むことを特徴とするので、硬化体とした場合の切断加工性、端部の形状加工性、釘打ち(施工)性が良好なものとなる。
請求項7記載の炭酸化硬化体は、多孔材10〜80重量%とワラストナイト20〜90重量%からなる無機材料を炭酸化処理してなるので、炭酸化硬化体の構造中に十分な多孔材が含まれるため、機械的強度と吸放湿性を両立する炭酸化硬化体を得ることができる。
請求項8記載の炭酸化硬化体は、上記ワラストナイトのアスペクト比が5〜25であることを特徴とするので、上記効果は更に確実なものとなる。
請求項9記載の炭酸化硬化体は、多孔材としてアタパルジャイト又はセピオライトを用いるので、アタパルジャイトの粉体流動性及び優れた吸放湿性により上記効果は更に確実なものとなる。
請求項10記載の炭酸化硬化体は、多孔材が、アタパルジャイト又はセピオライトを150〜800℃で焼成し得られる含水マグネシウム珪酸塩鉱物であることを特徴とするので、上記同様に、吸放湿性が向上するとともに、生産時の脱水処理効率が向上し、上記効果は更に確実なものとなる。
請求項11記載の炭酸化硬化体は、含水マグネシウム珪酸塩鉱物のメディアン径が、5〜50μmであることを特徴とするので、脱水成形時における脱水効果が良好なものとなり、得られる硬化体の吸放湿性能も向上する。
請求項12記載の炭酸化硬化体は、含水マグネシウム珪酸塩鉱物の繊維長が5〜50μmであることを特徴とするので、脱水成型時における脱水効果が良好なものとなる。
請求項13記載の炭酸化硬化体は、含水マグネシウム珪酸塩鉱物の一部にカオリナイト及び珪砂を含むことを特徴とするので、成形脱水時における脱水効果が良好なものとなり、得られる硬化体の強度も向上する。
請求項14記載の炭酸化硬化体は、炭酸化硬化体中に、更に吸着剤及び分解剤から選ばれる少なくとも1種が含まれることを特徴とするので、揮発性化学物質や悪臭の吸着性や分解性が更に向上し、上記効果は更に確実なものとなる。
請求項15記載の炭酸化硬化体は、上記吸着剤が、活性炭、ゼオライト、活性白土、セピオライト、アタパルジャイト、シリカゲル、イオン交換樹脂、尿素化合物、ヒドラジド化合物、アゾール化合物及びアジン化合物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とするので、上記効果は更に確実なものとなる。
請求項16記載の炭酸化硬化体は、上記吸着剤が、SiO2−Al23系粉体、アルカ
リ金属珪酸塩及び水からなる組成物の硬化体であることを特徴とするので、上記効果は更に確実なものとなる。
請求項17記載の炭酸化硬化体は、上記分解剤が、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫及び酸化第二鉄から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とするので、上記効果は更に確実なものとなる。
請求項18記載の炭酸化硬化体は、炭酸化硬化体中に、更にアルキル基含有ポリオルガノシロキサンが0.1〜10重量%含まれることを特徴とするので、炭酸化硬化体の耐汚染性が更に向上する。
本発明の炭酸化硬化体は、炭酸カルシウムと特定量の非晶質シリカからなり、上記式(1)で示される特定量の窒素吸着比表面積、若しくは上記式(2)で示される特定量の重量変化率を有し、且つ比強度が200m以上であるので、高い吸放湿性能や吸着性と十分な強度を発現することが可能となる。
上記炭酸化硬化体が、炭酸カルシウムと非晶質シリカとアタパルジャイト又はセピオライトからなり、非晶質シリカの含有量が6〜40重量%である場合、又は炭酸カルシウムと非晶質シリカの重量比(炭酸カルシウムの重量/非晶質シリカの重量)が1〜2である場合においては、上記効果は更に確実なものとなる。
更に、アタパルジャイト又はセピオライトを150〜800℃で焼成して得られる含水マグネシウム珪酸塩鉱物を用いた場合には、吸放湿性及び生産性を更に向上し、上記効果は更に確実なものとなる。
また、上記炭酸化硬化体が、多孔材10〜80重量%とワラストナイト20〜90重量%からなる無機材料を炭酸化処理してなるものであると、上記同様に高い吸放湿性能や吸着性と十分な強度を発現することができ、上記多孔材がアタパルジャイト又はセピオライトであると上記効果は更に確実となる。
以上のように、本発明の炭酸化硬化体によれば、建築部材などの内装材として用いられた場合に、より快適な室内環境が実現されるとともに、優れた吸放湿特性、吸着機能、及び強度特性により、結露などが有効に防止され、カビやダニの発生が防がれ、更には建築物の耐久性を向上させることができる。また、揮発性化学物質や悪臭に対して吸着性や分解性に優れたものを得ることができる。
以下に実施例および比較例を示すことにより、本発明を具体的に説明する。
尚、本発明は下記実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
ワラストナイト鉱物粉砕品(比表面積4.9m2/g,平均粒径2.6μm)とアタパルジャイト(昭和化学社製、品番「#2」)を1:1の重量割合で混合した無機材料に水を添加して混合した。混合物を面圧20MPaでプレス成型を行って賦形した後、賦形体を110℃、0.9MPaの二酸化炭素雰囲気下において30分間炭酸化処理を行い、炭酸化硬化体を得た。
(実施例2)
ワラストナイトとアタパルジャイトの混合割合を2:3とし、プレス成型時の面圧を39MPaとしたこと以外は実施例1と同様にして炭酸化硬化体を得た。
(実施例3)
多孔材としてアタパルジャイトのかわりに以下の方法で作製された珪酸アルミニウム粉体を用いたこと以外は実施例1と同様にして炭酸化硬化体を得た。
<珪酸アルミニウム粉体の作製>
メタカオリンをウルトラファインミル(三菱重工社製、ジルコニアボール10mm使用、ボール充填率85体積%)に供給し、10kWh/kgの機械的エネルギーを作用させて得られた活性メタカオリン100重量部に対してK水ガラス(日本化学工業社製〔SiO2:20%、K2O:25%、水:55%〕のもの)150重量部を混合後、85℃で3時間養生して珪酸アルミニウムを製造し粉砕して珪酸アルミニウム粉体を作製した。
(実施例4)
珪酸カルシウムとしてワラストナイト鉱物(清水工業社製、H1250F、アスペクト比5〜25)と、含水マグネシウム珪酸塩鉱物としてアタパルジャイト焼成・微粉砕品(昭和鉱業(株)製、オーストラリア産アタパルジャイト(一部にカオリナイト及び珪砂含有品)、400℃焼成、200Mesh分級品、メディアン径10μm、繊維長0.5〜1.5μm)と、パルプ繊維(未叩解パルプ ALABAMA Liver)を35:50:4の重量割合で混合した硬化体組成物100重量部と、水337重量部を市販のミキサーで30秒間混合し、スラリーを得た。得られたスラリーを、脱水面にフェルト(市川毛織社製、通気度74cc)を敷いた80×150mmの脱水プレス用金型に流し込み、0.05MPaにて120秒間脱水処理を行なった後、面圧5.9MPaで10秒間加圧して賦形体を得た。得られた賦形体を、温度100℃、圧力10.0MPaの二酸化炭素環境下に1時間放置し、炭酸化硬化体を得た。
(実施例5)
硬化体組成物中のワラストナイト鉱物100重量部に対し、吸着剤としてヒドラジド化合物(大塚化学社製「ケムキャッチ」品番:H1100)を2重量部を更に添加したこと以外は実施例4と同様にして炭酸化硬化体を得た。
(実施例6)
硬化体組成物中のワラストナイト鉱物100重量部に対し、分解剤として酸化チタンのスラリー(石原工業社製「光触媒用酸化チタン」品番STS−21、酸化チタン濃度40wt%)10重量部を、脱水処理後、賦形体の上に均一に流し込んだこと以外は実施例4と同様にして炭酸化硬化体を得た。
(実施例7)
珪酸カルシウムとしてワラストナイト鉱物(清水工業社製、H1250F、アスペクト比5〜25)と、含水マグネシウム珪酸塩鉱物としてアタパルジャイト焼成・微粉砕品(昭和鉱業(株)製 オーストラリア産アタパルジャイト(一部にカオリナイト及び珪砂含有品)、400℃焼成、200Mesh分級品、メディアン径8μm、繊維長0.5〜1.5μm)と、パルプ繊維(未叩解パルプ ALABAMA Liver)と、メチル基含有ポリオルガノシロキサン(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)社製 トレフィルF―201)を35:50:4:2.7の重量割合で混合した硬化体組成物100重量部と、水337重量部を市販のミキサーで30秒間混合してスラリーを得、実施例4と同様にして炭酸化硬化体を得た。
(実施例8)
硬化体組成物中のワラストナイト鉱物100重量部に対し、吸着剤として合成ゼオライト(ユニオン昭和社製「モレキュラーシーブ」品番:HiSiv3000)を10重量部を更に添加したこと以外は実施例4と同様にして炭酸化硬化体を得た。
(実施例9)
硬化体組成物中のワラストナイト鉱物100重量部に対し、吸着剤としてフライポンタイト(水澤化学工業社製「ミズカナイト」品番:HP)を10重量部を更に添加したこと以外は実施例4と同様にして炭酸化硬化体を得た。
(比較例1)
ワラストナイトのかわりにALC(オートクレーブドライトウエイトコンクリート)粉砕物、アタパルジャイトのかわりに珪藻土を用いたこと以外は実施例1と同様にして炭酸化硬化体を得た。
(比較例2)
半水石膏と珪藻土を1:1で混合したものに水を加え、面圧20MPaでプレス成型を行って賦形した後凝結硬化させて、硬化体を得た。
上記実施例及び比較例にて得られた硬化体について吸湿試験、曲げ強度、密度、比強度
、化学物質吸着性能、水接触角、耐汚染性を測定した。
硬化体の吸湿試験は7mm厚の硬化体を使用し、試料の一方の表面のみを露出、残りの5面をアルミテープでシールした状態で試験を行った。試験は試料を温度25℃湿度50%の恒温恒湿雰囲気下で一定重量とし、含水平衡状態を確認した後に、温度25℃湿度90%の雰囲気下に24時間静置した後の重量を測定した。増加した重量を試料の露出した表面積で除して吸湿量とした。
硬化体の曲げ強度は、JIS A5209(陶磁器質タイル)記載の3点曲げ強度試験法に準じて測定した。
硬化体の密度に関しては水中浸漬法(アルキメデス法)により求めた。
硬化体の成分分析は、炭酸カルシウムについては、試料を6Nの塩酸で溶解した際に発生する二酸化炭素ガス量から算出し、非晶質シリカに関しては、2Nの水酸化ナトリウム水溶液で溶解するものを測定し算出した。
また、硬化体の一部を粉砕して成分分析を行った後に比表面積を測定し、以下の式(1)で求められる窒素吸着比表面積を算出した。
(アルカリ処理後の窒素吸着比表面積)×(アルカリ処理後の試料重量)/(アルカリ処理前の試料重量) ・・式(1)
更に、硬化体の一部を粉砕して成分分析を行った後に粉体の吸湿試験を行い、以下の式(2)で求められる重量変化率を算出した。
(アルカリ処理後の24時間吸湿増加重量)/(アルカリ処理前の試料重量) ・・式(2)
上記において粉体の吸湿試験は、水酸化ナトリウム水溶液で溶解、洗浄、乾燥処理後の試料を温度25℃湿度50%の恒温恒湿雰囲気下で一定重量とし、含水平衡状態を確認した後に、温度25℃湿度90%の雰囲気下に24時間静置した後の重量を測定した。増加した重量をアルカリ処理後の24時間吸湿増加重量とした。
揮発性化学物質の吸着性能として、硬化体のホルムアルデヒド吸着性能評価を以下の方法で行い、ガス袋内の一定時間後の残存濃度を測定した。
各硬化体を40×40mmに切断し、23℃、50%で養生させたものを5リットルのガス定量用袋に入れ、バック内を脱気し、溶着シールをした。この中にホルムアルデヒドを標準エアーで0.29ppmに調整した標準ガスを4リットル、コックから注入した。各試料の入ったガス袋内のホルムアルデヒドの濃度を一定時間ごとにJMS社製;ホルムアルデメーター400を用いて測定した。測定時間と温度は0,10,20,30,60,120分後は25℃で行い。その後は40℃で180、240分後に測定した。評価結果は表1、及び揮発性化学物質の吸着性能については図1に示す通りである。
接触角の測定については、1mlの水を炭酸化硬化体の表面に滴下し、顕微鏡写真にて測定した。
耐汚染性については、硬化体に醤油を1ml滴下し、1分間放置後水洗を行い、その後の表面を目視で観察した。
Figure 2005089283
表1及び図1より明らかなように、本発明の実施例においては、高い強度と吸湿性及び揮発性化学物質の吸着性、分解性を有することが判明した。
揮発性化学物質の吸着性能評価結果を例示するグラフである。
請求項1記載の炭酸化硬化体は、炭酸カルシウムと非晶質シリカと、結晶性シリカは溶解しないが、非晶質シリカを溶解するアルカリによるアルカリ処理により溶解しない多孔材とからなり、非晶質シリカの含有量が6重量%以上、以下の式(1)で求められる窒素吸着比表面積が25〜300m2/g、比強度が200m以上であることを特徴とする。
(アルカリ処理後の窒素吸着比表面積)×(アルカリ処理後の試料重量)/(アルカリ処理前の試料重量) ・・式(1)
請求項2記載の炭酸化硬化体は、炭酸カルシウムと非晶質シリカと、結晶性シリカは溶解しないが、非晶質シリカを溶解するアルカリによるアルカリ処理により溶解しない多孔材とからなり、非晶質シリカの含有量が6重量%以上、相対湿度50〜90%の条件下において以下の式(2)で求められる材料の重量変化率が2〜20%、比強度が200m以上であることを特徴とする。
(アルカリ処理後の24時間吸湿増加重量)/(アルカリ処理前の試料重量) ・・式(2)
請求項7記載の炭酸化硬化体は、結晶性シリカは溶解しないが、非晶質シリカを溶解するアルカリによるアルカリ処理により溶解しない多孔材10〜80重量%とワラストナイト20〜90重量%からなる無機材料を炭酸化処理してなることを特徴とする。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の炭酸化硬化体において、非晶質シリカの含有量は、炭酸化硬化体全重量に対して6重量%以上である。含有量が小さすぎると炭酸化硬化体の強度が小さくなる傾向があるため好ましくない。含有量の上限は特に認められないが、炭酸化硬化体中に、例えばアタパルジャイト又はセピオライトのような非晶質シリカを含まない多孔材を使用した場合には、強度保持の点で40重量%以下であることが好ましい。
上記多孔材は、結晶性シリカは溶解しないが、非晶質シリカを溶解するアルカリによるアルカリ処理、すなわち、後述のアルカリ処理により溶解しない材料からなる。
請求項1記載の炭酸化硬化体は、炭酸カルシウムと非晶質シリカと、アタパルジャイト又はセピオライトからなり、非晶質シリカの含有量が6〜40重量%以上であることを特徴とする。
請求項記載の炭酸化硬化体は、炭酸カルシウムと非晶質シリカと、アタパルジャイト又はセピオライトを150〜800℃で焼成して得られる含水マグネシウム珪酸塩鉱物からなり、非晶質シリカの含有量が6〜40重量%であることを特徴とする。
請求項記載の炭酸化硬化体は、請求項1または2に記載の炭酸化硬化体であって、炭酸カルシウムと非晶質シリカの重量比(炭酸カルシウムの重量/非晶質シリカの重量)が1〜2であることを特徴とする。
請求項記載の炭酸化硬化体は、請求項1〜の何れか1項記載の炭酸化硬化体であって、パルプ繊維を2〜15重量%含むことを特徴とする。
請求項記載の炭酸化硬化体は、請求項1〜の何れか1項記載の炭酸化硬化体であって、炭酸化硬化体中に、更に吸着剤及び分解剤から選ばれる少なくとも1種が含まれることを特徴とする。
請求項記載の炭酸化硬化体は、請求項1〜5の何れか1項記載の炭酸化硬化体であって、炭酸化硬化体中に、更にアルキル基含有ポリオルガノシロキサンが0.1〜10重量%含まれることを特徴とする。
(作用)
請求項記載の炭酸化硬化体は、炭酸カルシウムと非晶質シリカとアタパルジャイト又はセピオライトからなり、非晶質シリカの含有量が6〜40重量%であることを特徴とするので、炭酸化硬化体の組織が発現する優れた通気性と機械的強度に加えて、アタパルジャイトの優れた粉体流動性と吸放湿性により、機械的強度と吸放湿性を両立する炭酸化硬化体を得ることができる。
請求項記載の炭酸化硬化体は、炭酸カルシウムと非晶質シリカと、アタパルジャイト又はセピオライトを150〜800℃で焼成して得られる含水マグネシウム珪酸塩鉱物からなり、非晶質シリカの含有量が6〜40重量%であることを特徴とするので、含水マグネシウム珪酸塩鉱物の水酸基が制御され、吸放湿性が向上するとともに、生産時の脱水処理効率が向上し、上記効果は更に確実なものとなる。
請求項記載の炭酸化硬化体は、炭酸カルシウムと非晶質シリカの重量比(炭酸カルシウムの重量/非晶質シリカの重量)が1〜2であることを特徴とするので、上記効果は更に確実なものとなる。
請求項記載の炭酸化硬化体は、パルプ繊維を2〜15重量%を含むことを特徴とするので、硬化体とした場合の切断加工性、端部の形状加工性、釘打ち(施工)性が良好なものとなる。
請求項記載の炭酸化硬化体は、炭酸化硬化体中に、更に吸着剤及び分解剤から選ばれる少なくとも1種が含まれることを特徴とするので、揮発性化学物質や悪臭の吸着性や分解性が更に向上し、上記効果は更に確実なものとなる。
請求項記載の炭酸化硬化体は、炭酸化硬化体中に、更にアルキル基含有ポリオルガノシロキサンが0.1〜10重量%含まれることを特徴とするので、炭酸化硬化体の耐汚染性が更に向上する。
参考
多孔材としてアタパルジャイトのかわりに以下の方法で作製された珪酸アルミニウム粉体を用いたこと以外は実施例1と同様にして炭酸化硬化体を得た。
<珪酸アルミニウム粉体の作製>
メタカオリンをウルトラファインミル(三菱重工社製、ジルコニアボール10mm使用、ボール充填率85体積%)に供給し、10kWh/kgの機械的エネルギーを作用させて得られた活性メタカオリン100重量部に対してK水ガラス(日本化学工業社製〔SiO2:20%、K2O:25%、水:55%〕のもの)150重量部を混合後、85℃で3時間養生して珪酸アルミニウムを製造し粉砕して珪酸アルミニウム粉体を作製した。
(実施例
珪酸カルシウムとしてワラストナイト鉱物(清水工業社製、H1250F、アスペクト比5〜25)と、含水マグネシウム珪酸塩鉱物としてアタパルジャイト焼成・微粉砕品(昭和鉱業(株)製、オーストラリア産アタパルジャイト(一部にカオリナイト及び珪砂含有品)、400℃焼成、200Mesh分級品、メディアン径10μm、繊維長0.5〜1.5μm)と、パルプ繊維(未叩解パルプ ALABAMA Liver)を35:50:4の重量割合で混合した硬化体組成物100重量部と、水337重量部を市販のミキサーで30秒間混合し、スラリーを得た。得られたスラリーを、脱水面にフェルト(市川毛織社製、通気度74cc)を敷いた80×150mmの脱水プレス用金型に流し込み、0.05MPaにて120秒間脱水処理を行なった後、面圧5.9MPaで10秒間加圧して賦形体を得た。得られた賦形体を、温度100℃、圧力10.0MPaの二酸化炭素環境下に1時間放置し、炭酸化硬化体を得た。
(実施例
硬化体組成物中のワラストナイト鉱物100重量部に対し、吸着剤としてヒドラジド化合物(大塚化学社製「ケムキャッチ」品番:H1100)を2重量部を更に添加したこと以外は実施例と同様にして炭酸化硬化体を得た。
(実施例
硬化体組成物中のワラストナイト鉱物100重量部に対し、分解剤として酸化チタンのスラリー(石原工業社製「光触媒用酸化チタン」品番STS−21、酸化チタン濃度40wt%)10重量部を、脱水処理後、賦形体の上に均一に流し込んだこと以外は実施例と同様にして炭酸化硬化体を得た。
(実施例
珪酸カルシウムとしてワラストナイト鉱物(清水工業社製、H1250F、アスペクト比5〜25)と、含水マグネシウム珪酸塩鉱物としてアタパルジャイト焼成・微粉砕品(昭和鉱業(株)製 オーストラリア産アタパルジャイト(一部にカオリナイト及び珪砂含有品)、400℃焼成、200Mesh分級品、メディアン径8μm、繊維長0.5〜1.5μm)と、パルプ繊維(未叩解パルプ ALABAMA Liver)と、メチル基含有ポリオルガノシロキサン(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)社製 トレフィルF―201)を35:50:4:2.7の重量割合で混合した硬化体組成物100重量部と、水337重量部を市販のミキサーで30秒間混合してスラリーを得、実施例と同様にして炭酸化硬化体を得た。
(実施例
硬化体組成物中のワラストナイト鉱物100重量部に対し、吸着剤として合成ゼオライト(ユニオン昭和社製「モレキュラーシーブ」品番:HiSiv3000)を10重量部を更に添加したこと以外は実施例と同様にして炭酸化硬化体を得た。
(実施例
硬化体組成物中のワラストナイト鉱物100重量部に対し、吸着剤としてフライポンタイト(水澤化学工業社製「ミズカナイト」品番:HP)を10重量部を更に添加したこと以外は実施例と同様にして炭酸化硬化体を得た。
Figure 2005089283

Claims (18)

  1. 炭酸カルシウムと非晶質シリカからなり、非晶質シリカの含有量が6重量%以上、以下の式(1)で求められる窒素吸着比表面積が25〜300m2/g、比強度が200m以上であることを特徴とする炭酸化硬化体。
    (アルカリ処理後の窒素吸着比表面積)×(アルカリ処理後の試料重量)/(アルカリ処理前の試料重量) ・・式(1)
  2. 炭酸カルシウムと非晶質シリカからなり、非晶質シリカの含有量が6重量%以上、相対湿度50〜90%の条件下において以下の式(2)で求められる材料の重量変化率が2〜20%、比強度が200m以上であることを特徴とする炭酸化硬化体。
    (アルカリ処理後の24時間吸湿増加重量)/(アルカリ処理前の試料重量) ・・式(2)
  3. 炭酸カルシウムと非晶質シリカと、アタパルジャイト又はセピオライトからなり、非晶質シリカの含有量が6〜40重量%であることを特徴とする炭酸化硬化体。
  4. 炭酸カルシウムと非晶質シリカと、アタパルジャイト又はセピオライトを150〜800℃で焼成して得られる含水マグネシウム珪酸塩鉱物からなり、非晶質シリカの含有量が6〜40重量%であることを特徴とする炭酸化硬化体。
  5. 炭酸カルシウムと非晶質シリカの重量比(炭酸カルシウムの重量/非晶質シリカの重量)が1〜2であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載の炭酸化硬化体。
  6. パルプ繊維を2〜15重量%含むことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項記載の炭酸化硬化体。
  7. 多孔材10〜80重量%とワラストナイト20〜90重量%からなる無機材料を炭酸化処理してなることを特徴とする炭酸化硬化体。
  8. ワラストナイトのアスペクト比が5〜25であることを特徴とする請求項7記載の炭酸化硬化体。
  9. 多孔材がアタパルジャイト又はセピオライトであることを特徴とする請求項7又は8記載の炭酸化硬化体。
  10. 多孔材が、アタパルジャイト又はセピオライトを150〜800℃で焼成して得られる含水マグネシウム珪酸塩鉱物であることを特徴とする請求項7又は8記載の炭酸化硬化体。
  11. 含水マグネシウム珪酸塩鉱物のメディアン径が、5〜50μmであることを特徴とする請求項10記載の炭酸化硬化体。
  12. 含水マグネシウム珪酸塩鉱物の繊維長が、0.1〜1.5μmであることを特徴とする請求項10記載の炭酸化硬化体。
  13. 含水マグネシウム珪酸塩鉱物の一部にカオリナイト及び珪砂を含むことを特徴とする請求項10記載の炭酸化硬化体。
  14. 炭酸化硬化体中に、更に吸着剤及び分解剤から選ばれる少なくとも1種が含まれることを特徴とする請求項1〜13の何れか1項記載の炭酸化硬化体。
  15. 吸着剤が、活性炭、ゼオライト、合成ゼオライト、フライポンタイト、活性白土、セピオライト、アタパルジャイト、シリカゲル、イオン交換樹脂、尿素化合物、ヒドラジド化合物、アゾール化合物及びアジン化合物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項14記載の炭酸化硬化体。
  16. 吸着剤が、SiO2−Al23系粉体、アルカリ金属珪酸塩及び水からなる組成物の硬
    化体であることを特徴とする請求項14記載の炭酸化硬化体。
  17. 分解剤が、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫及び酸化第二鉄から選ばれる少なくとも1種
    であることを特徴とする請求項14記載の炭酸化硬化体。
  18. 炭酸化硬化体中に、更にアルキル基含有ポリオルガノシロキサンが0.1〜10重量%含まれることを特徴とする請求項1〜17の何れか1項記載の炭酸化硬化体。

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