JP2005089154A - 画像形成装置用給紙装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】孔版印刷機等の画像形成装置の給紙装置において、用紙の大きさに拘わらず、常に、用紙の所定個所に対してエアを吹き出し、安定した用紙の捌きを確保する。
【解決手段】用紙を積載する給紙台30と、積載用紙の幅方向両側に配置されて用紙の幅方向位置を規制する一対の用紙ガイド31、32と、給紙台30の上方に配置されて積載用紙の最上位の用紙をエア吸着して搬送するエア吸着式搬送機構33と、積載用紙に向けて用紙搬送方向前方からエアを吹き出すエア吹出し機構36を備えている。エア吹出し機構36は、一方の用紙ガイド31に対して用紙幅方向に所定距離を置いた位置に吹出し口101を有し、上記所定距離を維持した状態で、一方の用紙ガイド31と連動して用紙幅方向に位置変更可能となっている。一対の用紙ガイド31、32は、好ましくは、給紙台30の用紙幅方向の中央基準線に対して対称に移動可能な中央振分式となっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、積載された用紙を1枚ずつ給紙する給紙装置に関し、特に、孔版印刷機、複写機又はプリンタ等の画像形成装置に用いられる給紙装置に関する。
画像形成装置用給紙装置において、従来は積載された用紙の最上位の用紙に給紙ローラを押し付け、捌き板との間に挟み込み、摩擦により送り出す方式が一般的に採用されていたが、摩擦を利用しているため、複数の用紙が同時に送り出されたり、反対に送り出しミスがあったり、用紙が汚損されたりあるいは用紙に皺が発生する等の課題があった。
前記課題を解決する給紙装置として、多数の吸着孔を有すると共にエア吸引機構を備えたエア吸着式搬送ベルト機構を備えると共に、用紙搬送方向前方から用紙に対してエアを吹き出すエア吹出し機構を備えたものが提案されている(特許文献1及び2参照)。これら提案された給紙装置では、積載された用紙に向けて搬送方向前方からエアを吹き出すことにより、最上位用紙を捌くと共に浮揚させ、それにより搬送ベルトの下側搬送面に吸着させ、吸着状態で搬送するようになっている。
特開昭61−254439号公報。 特開2000−203141号公報。
画像形成装置では各種大きさの用紙が使用されるため、通常、用紙の大きさに応じて給紙装置の用紙ガイドの位置(間隔)が調節できるようになっているが、前記エア吹出し機構の吹出し口の位置、特に用紙幅方向(搬送方向と直交する方向)の位置は、用紙サイズとは関係なく固定されている。
ところでエアによる用紙の捌きは、用紙の角部近傍に向けてエアを吹き付けるのが効果的であるが、前記のように用紙の大きさに応じて用紙ガイドの位置を変更した場合、特に、孔版印刷機のように一対の用紙ガイドが中央振分式に対称移動するような場合には、用紙の大きさにより、用紙の角部に対するエア吹出し口の位置が変化し、捌き性能が変化するという課題が残る。
本発明は、エア吸着式搬送機構及びエア吹出し機構を備えると共に、用紙ガイドが用紙幅方向に移動調節可能な画像形成用給紙装置において、用紙の大きさに拘わらず、常に、用紙の所定個所に対してエアを吹き出し、安定した用紙の捌きを確保できるようにすることを目的としている。
上記課題を解決するため、本発明は、用紙を積載する給紙台と、積載用紙の幅方向両側に配置されて用紙の幅方向位置を規制する一対の用紙ガイドと、給紙台の上方に配置されて前記積載用紙の最上位の用紙をエア吸着して搬送するエア吸着式搬送機構と、前記積載用紙に向けて用紙搬送方向前方からエアを吹き出すエア吹出し機構を備えた画像形成装置用給紙装置において、次のような特徴を備えている。
請求項1記載の発明は、上記エア吹出し機構は、一方の用紙ガイドに対して用紙幅方向に所定距離を置いた位置に吹出し口を有すると共に、上記所定距離を維持した状態で、上記一方の用紙ガイドと連動して用紙幅方向に位置変更可能となっている。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置用給紙装置において、前記一対の用紙ガイドは、給紙台の用紙幅方向の中央基準線に対して対称に移動可能な中央振分式となっている。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の画像形成装置用給紙装置において、前記吹出し口は開度調節可能となっている。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置用給紙装置において、前記エア吹出し口は、積載用紙に対して略平行な方向と斜め上向きの方向にエアを吹き出すように構成されている。
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置用給紙装置において、前記吹出し口は複数個形成されている。
請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置用給紙装置において、前記エア吹出し機構には、前記エア吸着式搬送機構の下側搬送面に対して、隙間を置いて対向する昇降調節可能な捌部材を設けてある。
(1)前記構成によると、用紙サイズの変更に対する用紙ガイドの位置変更に応じてエア吹出し口が位置変更し、用紙の大きさにかかわらず、常に、用紙の所定個所、たとえば角部に近い位置に向けてエアを吹き出すことができる。すなわち、用紙サイズを変更した場合でも、常に、捌きに最適な用紙角部近くにエアを吹き付け、最上位の用紙を分離することができる。特に、孔版印刷機で使用される中央振分式の用紙ガイドを備えている給紙装置では、その効果が大である。
(2)前記吹出し口を開度調節可能に構成することにより、エアの吹出し強さ並びに吹出し方向を容易に変更でき、それにより、用紙の大きさ、重さ及び紙質等に応じて最適な強さ及び方向のエアを吹き出すことができる。たとえば、薄くて大きな紙の場合は、用紙全体にエアが広がるように開度を設定し、また、重い用紙の場合は、強いエアが供給できるように開度を調節することにより、各用紙の状況に適したエアを吹き出させることができる。
(3)積載用紙に対して略平行な方向と斜め上向きの方向にエアを吹き出すようにすると、積載用紙と平行に吹き出すエアは、最上位の用紙又は最上位近傍の数枚の用紙を浮揚させると共にそれらの下側空間を確保し、斜め上向きに吹き出すエアは主として最上位の用紙を2枚目以下の用紙と分離する役目を果たす。これらにより、最上位の用紙を捌いて上方のエア吸着式搬送機構に確実に吸着させることができ、また、用紙自体が汚れることもない。
(4)吹出し口を複数個形成することにより、大きな用紙でも全体に隈なくエアを供給することができ、また、各吹き出し口の開度及吹き出し方向を様々に組合せることにより、用紙の大きさ、重さ及び紙質に応じたエアの吹出しを行なうことができる。
(5)エア吹出し機構に、前記エア吸着式搬送機構の搬送面に対して、隙間を置いて下側から対向する昇降調節可能な捌き部材を設けると、仮に前記吹き出しエアによっても2枚給紙となっても、捌き部材により最終的に最上位用紙を分離して送り出すことができる。また、捌き部材をエア吹出し機構に設けていることにより、用紙ガイドの位置変更にしたがって、エア吹出し口と共に捌き部材の位置も変更でき、エア吹出し口と捌き部材とが干渉しあうこともない。
図1〜図12は、本発明を孔版印刷機の給紙装置に適用した実施の形態であり、説明の都合上、図1中に記載してあるように、用紙搬送方向Fの上流側(搬送始端側)を「後側」、用紙搬送方向Fの下流側(搬送終端側)を「前側」と称し、また、図2のように用紙幅方向S(用紙搬送方向Fと直交する水平方向)を「左右方向」とし、後方から見た状態で「右側」と「左側」を規定し、以下説明する。
[孔版両面印刷機の全体構造]
図1は孔版印刷機の概略側面図であり、印刷機本体1には、後端部(用紙搬送方向Fの上流側端部)に給紙装置2が設けられ、前端部(用紙搬送方向Fの下流側端部)に排紙装置3が設けられ、上側に画像読取装置4が設けられている。
印刷機本体1内には、前後方向の概ね中間部に画像形成ユニット5が設けられ、画像形成ユニット5の上部後側には製版装置6が設けられ、画像形成ユニット5の上部前側には排版装置7が設けられている。
画像形成ユニット5は、内部にインク供給ローラ10が内接すると共に矢印R方向に回転駆動する版胴11と、該版胴11に下方から圧接可能に対向する押圧ローラ12等から構成されており、版胴11の周壁には多数の孔が形成されると共に、前記製版装置6で製版された孔版原紙Nが装着されるようになっている。
画像読取装置4は、ガラスの原稿台(図示せず)に載置された原稿の画像を読み取り、画像データを生成する。画像データは、外部のコンピュータから受信するようにしてもよい。
製版装置6は、製版用のマスターロール13及びサーマルヘッド14等を備えており、画像読取装置4で生成した画像データに基づいて、サーマルヘッド14で孔版原紙(マスター)Nを製版し、画像形成ユニット5の版胴11に装着するようになっている。
排版装置7は、引込みローラ16及び巻取りローラ17等を備えており、前記版胴11に装着された使用済みの孔版原紙Nを取り外し、引込みローラ16で排版装置内部に引き込み、排版ロールとして巻き取るようになっている。
画像形成ユニット5の画像形成部の後部近傍には、上下一対のフィードローラ(タイミングローラ等)18が配置されており、該フィードローラ18は画像形成ユニット5の版胴11の駆動と同期して適宜タイミングで回転し、印刷用紙Pを画像形成ユニット5へ送り込むようになっている。
排紙装置3は、排紙ベルト21と、ファン22と、紙受台23とを備えており、ファン22により排紙ベルト21上の用紙Pを排紙ベルト21に吸着し、紙受台23上へ排出するようになっている。
また、画像形成ユニット5の前側には剥がし爪25が配置され、該剥がし爪25の前方にはファン26が配置されており、該ファン26により版胴11の下端部分に風を送り込むと共に、印刷済みの用紙Pを孔版原紙Nから剥がすようになっている。
[給紙装置の全体構成]
給紙装置2は、昇降可能な給紙台30と、該給紙台30の左右両側に配置されて左右方向移動可能な一対の用紙ガイド31(32)と、給紙台30の前部上方に配置されたエア吸着式搬送ベルト機構33と、給紙台30の前端に隣接するように立設されたストッパー板35と、該ストッパー板35の上端前方部に配置されたエア吹出し機構36と、給紙台30から一定高さ上方に配置された上限位置センサー37等を備えている。
[エア吸着式搬送ベルト機構]
前記エア吸着式搬送ベルト機構33は、前後一対の回転ローラ40と、両回転ローラ40間に巻き掛けられた搬送ベルト41と、搬送ベルト41内に配置された吸引ボックス42等を備えており、吸引ボックス42は吸引ファン43に接続している。
図3はエア吸着式搬送ベルト機構33の底面図であり、搬送ベルト41は複数本配置されると共に多数の吸引孔44が形成されており、吸引ボックス42の下面には、複数本の吸引スリット45が形成され、該吸引スリット45からエアを吸い込むことにより、搬送ベルト41の下面(搬送面)に用紙を吸着し、前方に搬送するようになっている。
[給紙台]
図2は孔版印刷機を後方から見た斜視図であり、給紙台30には、前後方向に間隔を置いて複数本のガイド溝48が左右2列に配置されており、各ガイド溝48には、図4に示すように左右の用紙ガイド31、32の各柱部材50が、相対的に左右方向及び上下方向移動可能に挿通されている。
図5は給紙台30を昇降するための駆動機構を示しており、給紙台30の左右両側方には側板55が立設されており、該側板55には略垂直方向に延びるガイド孔56が形成されると共に該ガイド孔56の端縁に沿ってガイドレール57が形成されている。給紙台30の左右両側端にはそれぞれブラケット60を介してローラ軸61が固定されており、該ローラ軸61はガイドローラ62を回転可能に支持すると共に、外部の昇降部材64に連結している。ガイドローラ62は前記ガイド孔56内に上下方向移動可能に配置されると共にガイドレール57に当接している。
前記昇降部材64には駆動チェーン66の一端が連結されており、該駆動チェーン66は上方に延びてターンスプロケット67に係合すると共に下方に折り返し、下方の駆動スプロケット68に係合し、さらに上方に折り返して、コイルばね69に連結している。該コイルばね69は上方に延びて、側板55に設けられたブラケット70に係合している。前記駆動スプロケット68はピニオンギヤ機構を介して駆動モータ71に連動連結している。すなわち、駆動モータ71により駆動スプロケット68を矢印B1方向に回転することにより、コイルばね69に援助されながら駆動チェーン66を矢印B2方向に移動し、昇降部材64を介して給紙台30を上昇するようになっている。
[用紙ガイド]
図4において、左右一対設けられた用紙ガイド31、32は、前述のように前後方向に間隔を置いて立設された複数の柱部材50から構成されており、各柱部材50の上下端部はそれぞれ連結部材51、52により一体的に結合されている。一方の用紙ガイド、たとえば左側の用紙ガイド31の上端部には、仮想線で示すように用紙ガイド31の前端部から給紙台30の後端部まで延びる帯板状のエア漏れ防止板54が固定されている。
図2において、両用紙ガイド31、32は、給紙台30の給紙幅方向(用紙幅方向)の中央基準線O1に対して、左右対称に移動するようになっている。すなわち、中央振分式で積載用紙幅を設定できるようになっている。
図6は用紙ガイド31、32を左右に移動するための駆動機構を示す透視斜視図であり、左右の側板55の上端部間に亘って2本のラックレール75、76が架設されており、各ラックレール75、76にはそれぞれ左右方向移動可能にラック77、78が支持されている。各ラック77、78はそれぞれ連結部Wを介して左右の用紙ガイド31、32の上端に結合されると共に、両ラック77、78間に配置されたピニオンギヤ79に噛み合っている。該ピニオンギヤ79は操作つまみ80に連結しており、該操作つまみ80を回転することにより、ピニオンギヤ79及びラック77、78を介して、用紙ガイド31、32を中央基準線O1に対して左右対称に移動できるようになっている。
また、両用紙ガイド31、32が移動時に捩れないように、各用紙ガイド31、32の上下端部にはそれぞれ連結部W2を介して同期移動ベルト82が連結されている。各同期移動ベルト82はタイミングベルトであり、それぞれ左右一対のタイミングプーリ83間に巻き掛けられており、各側板55の外側に配置された上下のタイミングプーリ83は、上下方向に延びる連結軸85により連結されている。連結軸85はブラケット86により側板55に回転可能に支持されている。すなわち、両用紙ガイド31、32を左右方向に移動する時には、上下の同期移動ベルト82が連結軸85を介して同期移動し、これにより用紙ガイド31、32の捩れを防止している。
[エア吹出し機構]
図1において、エア吹出し機構36は左右方向移動可能なユニットボックス87を有しており、該ユニットボックス87内は湾曲変形可能な可撓性を有するダクト88を介して送風ファン89に接続し、該送風ファン89からユニットボックス87内にエアを圧送するようになっている。
図6は、前記用紙ガイド用の駆動機構と共に、エア吹出し機構36のユニットボックス87を左右に移動するための駆動機構も示している。左右の側板55に亘ってガイドロッド90が架設されており、該ガイドロッド90に前記ユニットボックス87が左右方向移動可能に支持されている。ユニットボックス87には左右に長いラック91が設けられ、該ラック91に噛み合うピニオンギヤ92は下方に延びる連結軸93に連結され、該連結軸93の下端部には、一対のタイミングプーリ95及びタイミングベルト94からなるベルト伝動機構が連結されている。該ベルト連動機構は後方に延びており、左側用紙ガイド31用の下側の同期移動ベルト82のタイミングプーリ83に連結している。すなわち、左側用紙ガイド31を左右方向に移動すると、ベルト連動機構、連結軸93、ピニオンギヤ92及びラック91を介して、ユニットボックス87は左側用紙ガイド31の移動距離と同じ距離だけ同方向に移動するようになっている。
図7はエア吹出し機構36の平面図であり、ユニットボックス87には左右方向に間隔をおいて後向きに開口する3つのエア吹出し口101、102、103が設けられている。説明の都合上、左側から順に第1、第2及び第3のエア吹出し口101、102、103と称する。最も左側の第1のエア吹出し口(メイン吹出し口)101は、ユニットボックス87と連動して移動する左側用紙ガイド31の近傍位置であって、左側用紙ガイド31に対して、左右方向に所定距離D1を隔てて位置している。上記所定距離D1は、用紙Pを左前端角部Paから捌く(捲る)のに最も適した距離(たとえばX1mm〜X2mm)に設定されている。
各吹出し口101、102、103の後側には、吹出し口の開度を調節するためのシャッター106がユニットボックス87に左右方向移動可能に支持され、また、吹出し口101、102、103間には最終の捌きを行なう捌き板107が昇降可能に支持されている。
図8はエア吹出し機構36を後方から見た図であり、各シャッター106は、ベース板110を介して一体成形されており、図8に示す全開位置では、各シャッター106は対応するエア吹出し口101、102、103の左側に位置しており、右方に移動することにより各エア吹出し口101、102、103を徐々に閉塞し、それらの開度を減少させるようになっている。
図9はシャッター106と捌き板107を駆動するための機構を前方から見た縦断面図である。なお、前方から見た図(図8とは反対方向から見た図)であるので、図面の左右は実際の左右と逆になっている。シャッター106のベース板110には左右方向に長いガイド溝112が形成され、該ガイド溝112にはユニットボックス87に設けられたガイドピン113が係合し、該ガイドピン113によりベース板110の移動方向を左右に規制するようになっている。ベース板110とユニットボックス87の左壁の間にはコイルばね115が張設され、ベース板110の右端部には操作ケーブル116が連結されている。操作ケーブル116は操作つまみ117に連結し、操作つまみ117を回して操作ケーブル116を引っ張ることにより、コイルばね115に抗してベース板110及びシャッター106を右方へ移動し、エア吹出し口101、102、103の開度を減少するようになっている。
左右2個配置された捌き板107は、二股状の取付板120の上端に固着されており、取付板120には上下方向に長いガイド溝121と、カムピン124が設けられている。ガイド溝121にはユニットボックス87に設けられたガイドピン122が係合し、取付板120の移動方向を上下に規制するようになっており、カムピン124は駆動プレート126の縦板部126aに形成されたカム溝125に係合している。該カム溝125は水平に対して左上がりに傾斜しており、駆動プレート126を右方に移動することにより、取付板120及び捌き板107を押し上げるようになっている。また、駆動プレート126の右端部に形成された縦板部126bには左右方向に長い長孔130が形成され、該長孔130に、ユニットボックス87に設けられたガイドピン131を係合することにより、駆動プレート126の移動方向を左右方向に規制している。駆動プレート126とユニットボックス87の左壁の間にはコイルばね132が張設され、駆動プレート126の右端部には操作ケーブル133が連結されている。操作ケーブル133は操作つまみ134に連結し、操作つまみ134を回して操作ケーブル133を引っ張ることにより、コイルばね132に抗して駆動プレート126を右側に移動し、カム溝125及びカムピン124からなるカム機構を介して、取付板110及び捌き板107を上昇させる。
図10は、第1のエア吹出し口101の縦断面拡大図であり、第1のエア吹出し口101の下壁101bは積載用紙Pと略平行(該実施の形態では略水平)に形成され、上壁101aは後上がり傾斜状に形成されている。上壁101aの傾斜角度αは、5°〜30°程度に設定されている。下壁101bと上壁101aを上記のように形成することにより、第1の吹出し口101からは、略水平向きのエアと、後斜め上向きのエアが、後方の積載用紙Pの前端縁に向って吹き出されることになる。
図11は第3のエア吹出し口103の縦断面拡大図であり、上壁103aと下壁103bは前記図10と同様に形成されているが、上壁103aの後端には邪魔板103cが形成され、これにより、第3の吹出し口103からは略水平向きのエアのみが積載用紙Pに向けて吹き出されるようになっている。
なお、図8において、第2のエア吹出し口102は前記第1のエア吹出し口101と同じ構造になっており、水平向きのエアと、後斜め上向きのエアを吹出すように形成されている。
[印刷工程の概略]
(1)図1において、画像読取装置4で原稿を読み取り、製版装置13で製版し、製版後の孔版原紙(マスター)Nを版胴11に装着する。
(2)下降位置の給紙台30に多数の印刷用紙Pを積載し、給紙台30を上昇させる。最上位用紙Pが上限位置センサー37に当接することにより、給紙台30は停止する。
(3)印刷スタートすると、給紙台30の最上位用紙Pが、エア吹出し機構36からのエアにより捌かれると共に浮揚され、エア吸着式搬送ベルト機構33の搬送ベルト41の下面に吸着され、吸着状態で前方に送り出され、図10の捌き板107の上端隙間を抜けて図1のフィードローラ18へ搬送される。
(4)フィードローラ18が版胴11の回転と同期して駆動することにより、用紙Pは版胴11と押圧ローラ12の間の画像形成部分に送り込まれ、印刷される。
(5)印刷後の用紙は、剥がし爪25により版胴11から剥がされると共にファン26からのエアにより乾燥され、排紙ベルト21に吸着されながら紙受台23に排出される。
[給紙工程の詳細]
前記給紙工程において、図8の第1、第2及び第3のエア吹出し口101、102、103からの水平向きのエアによって、図10及び図11のように最上位用紙Pが搬送ベルト41の下面まで浮揚し、図10のように第1のエア吹出し口101から後斜め上向きに吹き出されるエアによって、最上位用紙Pの左前角部近傍が2枚目以下の用紙Pに対して分離され(捌かれ)、最終的に用紙Paは搬送ベルト41の下面に吸着する。また、水平向きのエアにより、2枚目以下の用紙Pを最上位用紙Pから完全に分離し、2枚送りを防止する。なお、該実施の形態では、第2のエア吹出し口102からも後斜め上向きのエアを吹き出しているので、これによっても、前記捌き機能を向上させている。
[用紙サイズ等の変更に対するエア吹出し口等の調節]
用紙サイズを変更する場合には、図2及び図6に示す操作つまみ80を回転することにより、用紙ガイド31、32の左右間隔を調節する。すなわち、図6の操作つまみ80を回転することにより、両ラック77、78を左右対称に移動させ、それにより左右の用紙ガイド31、32を、給紙幅方向の中央基準線O1に対して左右対称に移動する。この場合、用紙ガイド31、32の上下端部は上下の同期移動ベルト82により同期移動するので、用紙ガイド31、32が捩れることはなく、正常な直立姿勢を維持しつつ移動することができる。
しかも、上記左側用紙ガイド31の移動と共にユニットボックス87も同一距離だけ左右方向に移動するので、左側用紙ガイド31に対するエア吹出し機構36の相対位置は変化せず、図12等のように所定距離D1を維持している。
図12から図14は、用紙サイズを順次大きくした場合における用紙ガイド31、32及びユニットボックス87の位置関係を示している。中央振分式のガイド機構であるので、用紙サイズを変更しても、用紙Pはその幅方向の中心線が、必ず幅方向中央基準線O1に一致するように積載される。
図12は小サイズの用紙Pを積載した状態であり、左側用紙ガイド31に対する第1のエア吹出し口101の位置は、所定距離D1だけ右方に離れて位置している。すなわち、第1のエア吹出し口101からのエアが、最も捌き作用に適した用紙角部Paの近傍に供給される状態となっている。
図13は中間サイズの用紙Pを積載した状態であり、左側用紙ガイド31と共にユニットボックス87も移動しており、左側用紙ガイド31に対する第1のエア吹出し口101の位置は、前記図12の場合と同じく、所定距離D1だけ右方に離れて位置している。すなわち、第1のエア吹出し口101からのエアが、最も捌き作用に適した用紙角部Paの近傍に供給される状態となっている。
図14は、大サイズの用紙Pを積載した状態であり、図13の場合と同様に左側用紙ガイド31と共にユニットボックス87も移動しており、左側用紙ガイド31に対する第1のエア吹出し口101の位置は、前記図12及び図13の場合と同じく、所定距離D1だけ右方に離れて位置している。すなわち、第1のエア吹出し口101からのエアが、最も捌き作用に適した用紙角部Paの近傍に供給される状態となっている。
上記図12〜図14のいずれの場合においても、左側用紙ガイド31の上端部には前端部から給紙台後端部に至るエア逃げ防止板54が取り付けられているので、第1のエア吹出し口101からのエアが、左側用紙ガイド31の柱部50の隙間から漏れることはなく、効率良く用紙の捌き及び浮揚に利用することができる。前記エア逃げ防止板54は、右側用紙ガイド31に取り付けても良いし、左右両側の用紙ガイド31に取り付けても良い。
また、図14のように大サイズの用紙Pを用いる場合に、シャッター106を全開位置から右側へ適度に閉じ、エア吹出し口101、102、103の開度を小さくすることにより、エア吹出し口101、102、103からのエアの強さを強くすることが可能となると共に、エアの吹出し方向を右向きに傾斜させることもできる。これにより、大きな用紙でもエアを用紙全体に行き亘らせることができる。
[その他の発明の実施の形態]
(1)前記実施の形態では複数のエア吹出し口を有しているが、ユニットボックス87と連動する左側用紙ガイド31に最も近い第1のエア吹出し口101だけを備えたエア吹出し機構とすることも可能である。
(2)エア吹出し口を複数形成する場合において、2個、3個又は4個以上を左右に間隔を置いて配置する構造とは別に、前後方向にずらして配置することもできる。
(3)図10に示すエア吹出し口101の形状は、1つのエア吹出し口101から吹き出すエアの方向が、積載用紙Pと平行な方向から一定角度傾斜した方向まで亘るようになっているが、エア吹出し口内に分流板を配置して、平行方向と後斜め上向きのエアを分離して吹き出す構造とすることもできる。
(4)図8のように複数のエア吹出し口101、102、103を有するエア吹出し機構において、各エア吹出し口101、102、103から吹き出されるエアの方向を、印刷機の仕様に応じて各種組み合せることが可能である。たとえばメインの第1のエア吹出し口101からは後上向きのエアのみを吹き出させ、残りのエア吹出し口102、103からは積載用紙と平行なエアのみを吹き出させる構造とすることも可能である。
(5)本発明は、他の画像形成装置、たとえば複写機及びプリンタ等の給紙装置にも適用可能であり、また、中央振分式の用紙ガイドを備えた給紙装置には限定されず、左右の一方の用紙ガイドが固定式で、他方の用紙ガイドのみが左右方向に移動可能な給紙装置にも適用可能である。この場合は、移動式の他方の用紙ガイドと共に、エア吹出し機構が移動する構造となる。
(6)用紙ガイドを移動するための駆動機構及びエア吹出し機構を移動するための駆動機構は、図6に示すようなラックを利用した構造には限定されず、ワイヤあるいは空圧シリンダ等のアクチュエータを利用した駆動方式とすることも可能である。
(7)エア吸着式ベルト搬送機構を、エア吹出し機構と同様に、一方の用紙ガイドと連動して用紙幅方向に位置変更可能に構成し、上記一方の用紙ガイドとエア吸着式ベルト搬送機構との用紙幅方向の距離を一定に保つようにすることも可能である。
(8)エア吹出し機構を前後方向(用紙搬送方向)にも位置変更可能とし、用紙ガイドの前端とエア吹出し口との前後方向距離を、用紙サイズに応じて変更するように構成することもできる。
(9)前記図12〜図14等において、一方(左側)の用紙ガイド31と該用紙ガイド31に最も近いエア吹出し口101との用紙幅方向の所定距離D1は、用紙の種類等に応じて任意に変更調節可能な構造とすることもできる。
本願発明が適用される孔版両面印刷機であって、内部を透視して示す概略正面図である。 図1の孔版両面印刷機を後上方から見た斜視図である。 エア吸着式搬送機構の底面図である。 給紙台と用紙ガイドとの係合状態を示す斜視図である。 給紙台の昇降駆動機構を示す側面図である。 用紙ガイド及びエア吹出し機構の駆動機構を示す斜視図である。 エア吹出し機構の平面図である。 エア吹出し機構の後面図である。 エア吹出し機構を前方から見た縦断面図である。 第1のエア吹出し口の縦断面拡大図である。 第3のエア吹出し口の縦断面拡大図である。 小サイズの用紙を積載した時の用紙ガイド及びエア吹出し機構の位置関係を示す平面図である。 中間サイズの用紙を積載した時の用紙ガイド及びエア吹出し機構の位置関係を示す平面図である。 大サイズの用紙を積載した時の用紙ガイド及びエア吹出し機構の位置関係を示す平面図である。
符号の説明
1 印刷機本体
2 給紙装置
5 画像形成ユニット
30 給紙台
31、32 用紙ガイド
33 エア吸着式搬送ベルト機構
36 エア吹出し機構
101 第1のエア吹出し口
102 第2のエア吹出し口
101 第3のエア吹出し口
106 シャッター
107 捌き板

Claims (6)

  1. 用紙を積載する給紙台と、積載用紙の幅方向両側に配置されて用紙の幅方向位置を規制する一対の用紙ガイドと、給紙台の上方に配置されて前記積載用紙の最上位の用紙をエア吸着して搬送するエア吸着式搬送機構と、前記積載用紙に向けて用紙搬送方向前方からエアを吹き出すエア吹出し機構を備えた画像形成装置用給紙装置において、
    上記エア吹出し機構は、一方の用紙ガイドに対して用紙幅方向に所定距離を置いた位置に吹出し口を有すると共に、上記所定距離を維持した状態で、上記一方の用紙ガイドと連動して用紙幅方向に位置変更可能となっていることを特徴とする画像形成装置用給紙装置。
  2. 前記一対の用紙ガイドは、給紙台の用紙幅方向の中央基準線に対して対称に移動可能な中央振分式となっていることを特徴とする画像形成装置用給紙装置。
  3. 前記吹出し口は開度調節可能となっていることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置用給紙装置。
  4. 前記吹出し口は、積載用紙に対して略平行な方向と斜め上向きの方向にエアを吹き出すように構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置用給紙装置。
  5. 前記吹出し口は複数個形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置用給紙装置
  6. 前記エア吹出し機構には、前記エア吸着式搬送機構の搬送面に対して、隙間を置いて下側から対向する昇降調節可能な捌き部材を設けてあることを特徴とする画像形成装置用給紙装置。
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