JP2005087615A - ゴルフのインパクト現象解析システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 マークO、A、Bが付されたゴルフボール22をゴルフクラブ11により打撃するインパクト現象を撮影速度2万コマ/秒以上で撮影する高速度撮影手段20と、高速度撮影手段20で撮影された複数枚の画像を取り込むコンピュータ16とを備え、コンピュータ16は、画像の各ピクセルについて二値化処理を行ってゴルフボール22のマークO、A、Bの座標データを認識する手段と、マークO、A、Bの座標データよりインパクト時のゴルフボール22の動きを認識する動作認識手段とを備えている。
【選択図】 図1
Description
例えば、特開平9−307813号公報では、高速の電子シャッターを備えたイメージインテンシファイヤに映し出された映像をリレーレンズを通してハイビジョンカメラに撮影している。しかし、ハイビジョンカメラ自体のシャッタースピードが約1/60秒であるため、高速の電子シャッターにより取り込まれた複数の画像は1コマ内に同時に写りこんでしまい、ボールインパクト時の超短時間にフォーカスした詳細な解析が困難となる問題がある。
上記高速度撮影手段で撮影された複数枚の画像を取り込むコンピュータとを備え、
上記コンピュータは、
上記複数枚の画像の各ピクセルについて二値化処理を行って上記ゴルフボールのマークの座標データを認識する手段と、
上記マークの座標データより上記インパクト時の上記ゴルフボールの動きを認識する動作認識手段とを備えていることを特徴とするゴルフのインパクト現象解析システムを提供している。
値化処理を行うことで、画像上のマークに該当するピクセルを自動で認識して座標データを取得することができる。よって、上記動作認識手段により該座標データの変位等を解析することにより、インパクト時のゴルフボールの回転やヘッド上での滑りなどを求めることができ、インパクト現象に基づくゴルフボールの飛行特性を知得することが可能となる。
また、二値化処理の閾値は、白黒画像であれば濃淡値を用い、カラー画像である場合は輝度、色相、彩度あるいは/および明度等の値を用いるとよい。
さらに、二値化処理した閾値を満たすピクセル集合の数が、実際のマークの数より多くあるいは少なく検出された場合には、マークと考えられる画像上の面積範囲を予め設定しておき、その面積範囲内にあるピクセル集合をマークであると決定することで、背景等との誤認識を好適に防止することができる。
また、インパクト中にボールが潰れて隠れてしまい、ヘッドスピードによりボールの潰れ量が異なるため、マークの付する位置によってはマークを認識できなくなる場合が考えられるが、複数の同心円と等角度で放射状に配置された直線によって線マークを構成すれば、同心円と直線との交点を参照ポイントとして認識し易い位置に選択することができる。
なお、上記高速度撮影手段から見て上記ゴルフボールを時計に見立てた場合に9時側からクラブヘッドが衝突する場合、該衝突によるボール変形の影響を受けないように上記線分あるいは線マークを時計回りに0時〜6時の領域に設定することが好ましく、特に3時方向に設けるとより好ましい。
上記ゴルフボールに付された上記マークから上記線分へ垂直に投影した投影点が上記線分上を移動する量を算出している。
上記高速度撮影手段で撮影された複数枚の画像を取り込むコンピュータとを備え、
上記ヘッド用マークはヘッドのクラウン部に2点付していると共に、該2点のヘッド用マークを結ぶ線分はフェース面と平行とし、
上記コンピュータは、
上記複数枚の画像の各ピクセルについて二値化処理を行って上記ヘッド用マークの座標データを認識する手段と、
上記ヘッド用マークの座標データより上記ヘッド用マークを結ぶ線分の回転角度の変化を算出し、インパクトにおけるフェース面の向きの挙動を認識する動作認識手段とを備えているこことを特徴とするゴルフのインパクト現象解析システムを提供している。
図1はインパクト現象解析システム10の概略図を示し、ゴルフクラブ11のグリップ部13を把持して機械的にスイングを行うスイングロボット14と、該スイングロボット14の制御と各種信号の入出力を行うコントローラ15と、該コントローラ15に接続されてゴルフクラブ11のヘッド12の通過を検知するレーザーセンサ21と、コントローラ15に接続されてコンピュータ16と、該コンピュータ16に接続された表示手段であるモニター17と、コンピュータ16に接続された入力手段であるキーボード18およびマウス19と、コンピュータ16に接続されて飛球線方向に垂直となる正面位置に設置された高速度ビデオカメラ(高速度撮影手段)20と、ティに設置されて点マークO、A、Bが付されたゴルフボール22と、該ゴルフボール22を照らす照明23とを備えている。
高速度ビデオカメラ20はモノクロ撮影であり、撮影速度が2万〜100万コマ/枚、シャッタースピードは撮影周期(コマ間の時間)の1/2〜1/8とし、カメラ内のメモリに103枚の画像を連続して上書撮影している。
先ず、高速度ビデオカメラ20をONとした状態でスイングロボット14によりゴルフボール22の打撃を行うと、ボール近傍に設置されたレーザーセンサ21によりゴルフクラブ11のヘッド12の通過が検知され、トリガー信号がコントローラ15を経由してコンピュータ16に送信される。
次いで、上記プログラムにより各画像での点マークO、A、Bの自動認識を行う。該自動認識の手順は、まず、ヘッド12がゴルフボール22に衝突する前の初期画像を特定の濃淡値を閾値として二値化処理を行い、白色とみなされたピクセルを「1」とすると共に黒色とみなされたピクセルを「0」とする。
上記モード法は、図4(A)に示すように、縦軸を画素数とし横軸を濃度値とした濃度ヒストグラムに双峰性が見られる場合、対象物(点マークO、A、B)と背景が濃度ヒストグラムに現れていると考えられるので、双峰の谷間となる極小点を閾値に採用する方法である。但し、濃度ヒストグラムは滑らかではないため、曲線を移動平均処理等によりスムージングするなどして極小値を判断するよい。
詳しくは、図4(B)に示すように、画像を2つのクラスC1およびC2に分割する場合、数式1に示す分離度η(T)が最大になるように閾値Tを決定する。
(1)それらが全て「0」ならばλ=λ+1とし、g(m、n)=λとする。(2)ラベル値が1種類でλ(0<λ)ならばg(m、n)=λとする。
ラベル値が2種類でλ0、λ’(0<λ<λ’)のとき(ラベルの衝突)、g(m、n)=λとし、(m、n)までの既走査画素でラベルλ’をもつ画素のラベルをλに付け替える。この処理を全画素が終了するまで行う。
上記のようにして点マークO、A、Bと認識したピクセル領域から点マークO、A、Bの重心座標を得て、ゴルフボール22に付された点マークO、A、Bを精度良く自動抽出することができる。
点マークO、A、Bには、図5に示すように、それぞれ点マークO、A、Bの重心座標を中心として四角形の探索範囲S1〜S3を設定する。ここで、探索範囲S1〜S3とは、点マークO、A、Bの検出処理を行う計算対象となる画像上の範囲のことを言う。探索範囲S1〜S3の概念を導入すれば、画像上の探索範囲S1〜S3外に点マークO、A、Bと同様の黒色である箇所があっても、点マークO、A、Bの検出処理を探索範囲S1〜S3内しか行わないため、点マークO、A、Bの誤認識が防止できると共に、フレーム内の全ピクセルを処理対象とする場合に比べ計算時間も大幅に短縮することが可能となる利点がある。本実施形態では、探索範囲S1〜S3は点マークO、A、Bを中心として縦横(YX)範囲をY×Xピクセルとし、X=Y=(点マーク間距離/3)としている。
このように、二値化処理を行う領域を全画面とせず探索範囲S1〜S3内だけで判断しているので、点マークO、A、Bと同様の黒色が画像中に含まれていても排除して誤認識を防止することができると共に計算時間も短縮化することができる。なお、探索範囲S1〜S3は、1コマ前の画像の点マークO、A、Bの重心を中心として設定しておけば、前後の画像間での点O、A、Bの移動距離は少ないので、点マークO、A、Bを探索範囲S1〜S3内に捉えることができる。
スピン量は、ボール中心の点マークOと3時位置の点マークAとを結ぶ線分OAの回転角を計算することで、インパクト時におけるスピン量rpmを求める。
滑り量は、2つのヘッド用マークH1、H2を結ぶ線分Lに点マークBから垂直に投影した投影点B’が線分L上を移動する量を滑り量であると近似して求める。
図6はティに設置されたゴルフボール22’を高速度ビデオカメラ20側から見たもので、同心円状の線マーク31と放射状の線マーク30とを複数本マーキングしており、中心位置を中心ポイントOとすると共に、3時方向で線マーク30、31が交差する点を交差ポイントA、6時位置から9時位置の間で径方向にボール半径の70%〜90%の領域における線マーク30、31の交差点を交差ポイントBとしている。なお、線マーク30、31の交差する点の間隔は4mm以上としており、同心円状の線マーク30の個数は1〜10個で、放射状の線マーク31の本数は2〜32としている。
ハフ変換とは、幾何学的形状の規則性を利用して直線、円などの線を発見する手法である。例えば、図7(A)に示すように、直線はそれに直交する線とx軸とのなす角度θと、原点からの距離ρによって表現できる。このθとρをパラメータとする平面を考えると、x−y平面上の直線は、θ−ρ平面上では、
上記手順で全画像について中心ポイントOおよび交差ポイントA、Bの重心座標を取得していき、その座標データよりインパクト時のゴルフボール22’のスピン量およびヘッド12のフェース上におけるボールの滑り量を計算する。
なお、他の構成は第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
高速度ビデオカメラ20をティに設置したゴルフボール22の上方から撮影するように設置すると共に、ゴルフクラブのヘッド12’のクラウン部にヘッド用マークH3、H4を付して、該ヘッド用マークH3、H4を結ぶ線分がフェース面12a’と平行となるようにしている。なお、ヘッド12’とヘッド用マークH3、H4との間に画像上のコントラストがでるように、ヘッド12’はつや消しの黒に塗る一方、ヘッド用マークH3、H4は白色の反射マークとしている。
例えば、図9(A)(B)に示すように、ゴルフボール22をフェース面12a’のトウ側20mmにセンターからズレてショットした場合、図10に示すように、インパクト中にヘッド12’のフェース面12a’が開いていくのが分かる。つまり、このように、ボール22をショットする位置とヘッドの向きに着目することで、例えば、ヘッド12’の慣性モーメントや重心深度の影響を考察することができる。
図11は線分OAの回転から算出したインパクト時のゴルフボールのスピン量の時刻歴を示し、インパクトが開始するとスピン量が一旦増加し、接触開始後300μm前後(グラフ上のX軸では400μm前後)でスピン量は減少し、インパクトが終了している。これを、図12に示す回転角の時刻歴結果で見ると、接触開始後300μm前後(グラフのX軸では400μm前後)で傾きが変わる変曲点が発生していることが確認され、ヘッド12との接触中に一旦増えたスピン量が変曲点を境界として減少していくことがわかる。
図14に5番アイアンとサンドウェッジで打撃したときのインパクト中のスピン量の時刻歴を示している。サンドウェッジの場合にも接触後しばらくしてからスピン量が増加していくが、その増加の度合いが5番アイアンに比べて緩い。
11 ゴルフクラブ
12 ヘッド
14 スイングロボット
15 コントローラ
16 コンピュータ
20 高速度ビデオカメラ
21 レーザーセンサ
22 ゴルフボール
O、A、B 点マーク
30、31 線マーク
Claims (6)
- マークが付されたゴルフボールのゴルフクラブによるインパクト現象を撮影速度2万コマ/秒以上で撮影する高速度撮影手段と、
上記高速度撮影手段で撮影された複数枚の画像を取り込むコンピュータとを備え、
上記コンピュータは、
上記複数枚の画像の各ピクセルについて二値化処理を行って上記ゴルフボールのマークの座標データを認識する手段と、
上記マークの座標データより上記インパクト時の上記ゴルフボールの動きを認識する動作認識手段とを備えていることを特徴とするゴルフのインパクト現象解析システム。 - 上記マークは、上記高速度撮影手段から見た上記ゴルフボールの中心位置を含む2点以上に付された点マーク、あるいは、同心円状と放射状とに描かれた複数本の線マークとしている請求項1に記載のゴルフのインパクト現象解析システム。
- インパクト時における上記点マークを結ぶ線分あるいは上記線マークの回転角度の変化より上記ゴルフボールのスピン量を算出する請求項2に記載のゴルフボールのインパクト現象解析システム。
- 上記高速度撮影手段は飛球線方向と垂直な正面方向に配置され、上記ゴルフクラブのヘッドのトウ側に2点のヘッド用マークを付していると共に、該2点のヘッド用マークを結ぶ線分はフェース面と平行とし、
上記ゴルフボールに付された上記マークから上記線分へ垂直に投影した投影点が上記線分上を移動する量を算出している請求項1乃至請求項3に記載のゴルフボールのインパクト現象解析システム。 - 上記高速度撮影手段から見て上記ゴルフボールを時計に見立てた場合に9時側からクラブヘッドが衝突する場合、上記ヘッド用マークを結ぶ線分へ垂直に投影する上記マークは、時計回りに6時位置から9時位置の間の領域で、かつ、径方向にボール半径の70%〜90%の領域に付されている請求項4に記載のゴルフボールのインパクト現象解析システム。
- ヘッド用マークがヘッドに付されたゴルフクラブによりゴルフボールを打撃するインパクト現象を撮影速度2万コマ/秒以上で上記ゴルフボール設置箇所の上方から撮影する高速度撮影手段と、
上記高速度撮影手段で撮影された複数枚の画像を取り込むコンピュータとを備え、
上記ヘッド用マークはヘッドのクラウン部に2点付していると共に、該2点のヘッド用マークを結ぶ線分はフェース面と平行とし、
上記コンピュータは、
上記複数枚の画像の各ピクセルについて二値化処理を行って上記ヘッド用マークの座標データを認識する手段と、
上記ヘッド用マークの座標データより上記ヘッド用マークを結ぶ線分の回転角度の変化を算出し、インパクトにおけるフェース面の向きの挙動を認識する動作認識手段とを備えていることを特徴とするゴルフのインパクト現象解析システム。
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