JP2005087117A - 生体液分析器具、及びかかる生体液分析器具を用いた生体液分析方法 - Google Patents

生体液分析器具、及びかかる生体液分析器具を用いた生体液分析方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 極めて微細な構造の部位も正確かつ容易に作製され、さらに、非侵襲的に極めて安全に生体液を容易に採取して生体液の分析を行うことができる生体液分析器具、及びかかる生体液分析器具を用いた生体液分析方法を提供すること。
【解決手段】 生体液を採取する毛管状部16、毛管状部16に連通した分析部18、及び分析部18に連通し外部まで貫通した貫通孔20を有する器具本体12と、分析部18に収容された分析部材14とを備え、毛管現象を利用し生体液を採取して採取された生体液を分析するための器具であって、器具本体12が液状樹脂を用いた型取り成型によって作製され、かつ、作製された器具本体12が柔軟性を具備した生体液分析器具10、及びかかる生体液分析器具10を用いた生体液分析方法である。
【選択図】 図1


Description

本発明は、臨床検査分野、遺伝子工学分野等において、生体液の分析のために用いられる生体液分析器具、及びかかる生体液分析器具を用いた生体液分析方法に関する。
従来、生化学検査ではウイルス性疾患の予防などの観点から、ほとんどの場合、使い捨て式の測定器具が用いられている。現在の測定器具では、構造が複雑となりやすく、製造コストが大きいという問題を抱えている。また、必要検体量の低減が工夫されているが、血液のような検体では検体量が1μL程度になると毛細管現象による吸引力よりも流体摩擦力の方が大きくなり、吸引ポンプを設ける必要があった。そのため、機器の小型化が阻害されている。他方、遺伝子工学の分野でも、採取できるDNAなどの検体量はマイクログラムオーダー以下であることが多く、PCRなどの方法により増幅して取り出す方法が考案されているが、蒸発により乾燥しやすい微量検体(DNA)を、より高速で保持・分注できるハンドリング手段が求められている。
このような生体液中に含有される特定成分(検体)の測定に用いられる生体液分析器具として、本発明者らは、例えば、唾液または歯肉溝液などの生体液を採取するための、口腔内や歯肉溝に挿入できる扁平な形状を有する挿入部と、該挿入部の先端から基端へと貫通する毛細管と、前記挿入部の基端から延出し且つ前記毛細管と連通する生体液保持部と、該生体液保持部の一部に設けられた開口部とを備えた生体液分析器具(特許文献1参照。)や、生体の体液中の特定成分に対する触媒作用により呈色反応する物質を有し微量検体の分析に用いる酵素試験紙を、前記生体から採取された体液と接触する位置に配設した生体液分析器具(特許文献2参照。)を提案した。
特開2001−201437号公報 特開2002−131314号公報
しかしながら、上記生体液分析器具は、例えば、同一形状のフィルム3枚を使用し、中央に溝を形成した毛細管形成板の両側から溝の無い上板・下板で挟み込む構造として、採取口と試験紙の間に細い溝(毛管状部)を構成したものであり、その接着には両面テープや超音波溶着を用いたものであった。その結果、極めて微細な構造のキャピラリーを形成する上においては必ずしも好ましい製法であるとはいえなかった。また、製造された生体液分析器具自体も硬く、生体に直接当接して生体液を採取する上においても好ましいものであるとはいえなかった。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、極めて微細な構造の部位も正確かつ容易に作製され、さらに、非侵襲的に極めて安全に生体液を容易に採取して生体液の分析を行うことができる生体液分析器具、及びかかる生体液分析器具を用いた生体液分析方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、硬化後に柔軟性を有する液状樹脂を用いることにより、極めて微細な構造の部位も正確かつ容易に作製された生体液分析器具を製造することができ、さらに、製造された生体液分析器具は、非侵襲的に極めて安全に生体液を容易に採取して生体液の分析を行うことができることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、生体液を採取する毛管状部、該毛管状部に連通した分析部、及び該分析部に連通し外部まで貫通した貫通孔を有する器具本体と、前記分析部に収容された分析部材とを備え、毛管現象を利用し生体液を採取して採取された生体液を分析するための器具であって、
前記器具本体が液状樹脂を用いた型取り成型によって作製され、かつ、作製された器具本体が柔軟性を具備したことを特徴とする生体液分析器具(請求項1)や、毛管現象を利用して生体液を採取し、採取された生体液を分析するための器具であって、
液状樹脂を鋳型に注入し硬化して柔軟性を具備した器具本体構成部材を作製し、該器具本体構成部材を用いて前記生体液を採取する毛管状部、該毛管状部に連通した分析部、及び該分析部に連通し外部まで貫通した貫通孔を有する器具本体を作製すると共に、該器具本体の分析部に分析部材を封入することにより製造したことを特徴とする生体液分析器具(請求項2)や、器具本体構成部材が粘着性を有していることを特徴とする請求項2に記載の生体液分析器具(請求項3)や、器具本体が透明又は半透明であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の生体液分析器具(請求項4)や、毛管状部と分析部との間にセルを備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の生体液分析器具(請求項5)や、毛管状部のセルとの連接部が、他の部分に比して径が小さく構成されたことを特徴とする請求項5に記載の生体液分析器具(請求項6)に関する。
また本発明は、器具本体が2枚以上のシート状の器具本体構成部材から構成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の生体液分析器具(請求項7)や、液状樹脂が硬化剤により硬化する樹脂であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の生体液分析器具(請求項8)や、液状樹脂が磁性体を含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の生体液分析器具(請求項9)や、液状樹脂がシリコーン樹脂であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の生体液分析器具(請求項10)や、分析部材が酵素試験紙又はバイオセンサであることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の生体液分析器具(請求項11)に関する。
さらに本発明は、請求項1〜11に記載の生体液分析器具に配設された分析部材の呈色に基づいて生体液に含まれる特定成分の濃度を測定することを特徴とする生体液分析方法(請求項12)や、器具本体を通して分析部材に特定波長の光を照射し、照射した光の吸収率に基づいて生体液に含まれる特定成分の濃度を測定することを特徴とする請求項12に記載の生体液分析方法(請求項13)や、生体液が唾液又は歯肉溝液であることを特徴とする請求項12又は13に記載の生体液分析方法(請求項14)に関する。
本発明によれば、極めて微細な構造の部位も正確かつ容易に作製され、さらに、非侵襲的に極めて安全に生体液を容易に採取して生体液の分析を行うことができる生体液分析器具、及びかかる生体液分析器具を用いた生体液分析方法を提供することができる。
本発明の生体液分析器具としては、生体液を採取する毛管状部、該毛管状部に連通した分析部、及び該分析部に連通し外部まで貫通した貫通孔を有する器具本体と、前記分析部に収容された分析部材とを備え、毛管現象を利用し生体液を採取して採取された生体液を分析するための器具であって、前記器具本体が液状樹脂を用いた型取り成型によって作製され、かつ、作製された器具本体が柔軟性を具備した生体液分析器具であれば特に制限されるものではなく、極めて微細な構造の部位も正確かつ容易に作製され、さらに、非侵襲的に極めて安全に生体液を容易に採取して生体液の分析を行うことができる。また、本発明の生体液分析器具は、毛管現象を利用して生体液を採取し、採取された生体液を分析するための器具であって、液状樹脂を鋳型に注入し硬化して柔軟性を具備した器具本体構成部材を作製し、該器具本体構成部材を用いて前記生体液を採取する毛管状部、該毛管状部に連通した分析部、及び該分析部に連通し外部まで貫通した貫通孔を有する器具本体を作製すると共に、該器具本体の分析部に分析部材を封入することにより製造した生体液分析器具であってもよく、これによっても、極めて微細な構造の部位も正確かつ容易に作製され、さらに、非侵襲的に極めて安全に生体液を容易に採取して生体液の分析を行うことができる。
すなわち、液状樹脂を用いた型取り成型によって作製されるので、液状の樹脂が鋳型の形状に正確、確実かつ容易に適合し、毛管状部のような微細な構造を有する部位であっても正確かつ容易に作製され、極めて複雑かつ微細な構造の生体液分析器具も正確かつ容易に製造することができる。また、製造された生体液分析器具における器具本体は柔軟性を具備しているので、直接生体に当接して生体液を採取しても生体を傷つけることなく、また、生体との密着性がよいので非常に容易に効率よく生体液を直接採取することができ、さらに、器具自体の破損を防止することができる。なお、本発明において、柔軟性を具備するとは、例えば、生体に直接当接しても生体を傷つけないような柔軟性をや、後述する器具本体のセルにポンプ機能を付与することができるような柔軟性を具備することをいい、例えば、硬さが0.5〜100(デューロメータA)程度のものをいう。
本発明の生体液分析器具によって採取し分析できる生体液としては、毛管現象を利用して採取できる生体液であれば特に制限されるものではなく、例えば、唾液、歯肉溝液、血液、尿、汗、尿、涙等を例示することができる。また、本発明における液状樹脂としては、常温(25℃)で液状のプレポリマー若しくはモノマー、又はこれらの混合物をいい、例えば、常温の粘度が5000Pa・s以下の樹脂であって、硬化剤の添加や光照射等によって硬化するものをいう。かかる液状樹脂としては、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリメチルメタクリレート、ABS樹脂、セルロースアセテート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリビニルクロライド、フェノール樹脂、ポリイミド等が挙げられ、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂が好ましく、シリコーン樹脂が特に好ましい。これらの樹脂の中でも、硬化剤によって硬化する樹脂が、製造容易性の点から好ましい。具体的にシリコーン樹脂としては、例えば、シリコーンRTVゴムやPDMS(ポリジメチルシロキサン)等が挙げられ、より具体的には、シリコーン樹脂KE-1606,シリコーン樹脂KE-1310ST, シリコーン樹脂KE-1311T, シリコーン樹脂X-32-1709,シリコーン樹脂KE12,シリコーン樹脂KE1402,シリコーン樹脂KE1414(以上、信越化学工業(株))が挙げられる。また、硬化した樹脂(器具本体構成部材)が粘着性を有するものであることが、器具本体を作製する上で接着工程を省略できることから好ましく、このような樹脂としては、例えば、PDMSが挙げられる。
また、硬化後に透明性又は半透明性を有する樹脂が好ましく、半透明とは、少なくとも肉眼的又は光学的に器具本体を通して分析部材の呈色(色の変化)を確認することができる程度の透明度をいう。これにより、器具本体を通して肉眼により分析部材の呈色を確認することができると共に、器具本体を通して分析部材に特定波長の光を照射し、照射した光の吸収率に基づいて生体液に含まれる特定成分の濃度を測定することが可能となる。さらに、透明性又は半透明性を有することにより分析部に直接開口部を設けたり、器具本体から分析部材を取り出さなくても上記のように呈色を確認することができるので、生体液の蒸発を防止することができる。
本発明における型取り成型とは、鋳型を用いた成型であれば特に制限されるものではなく、例えば、注型成型が挙げられ、その他、射出成型や押出し成型等であってもよい。また、本発明の液状樹脂に磁性体を含有させてもよく、その場合、例えば、成型に用いる鋳型(金型)の周りに磁路を形成しておき、その磁路の形状により磁束線の方向を自由に制御可能として、液状樹脂に添加された磁性体を制御された磁束に沿って集中させ、その結果、液状樹脂の形状を制御して非常に容易に微細な構造の生体液分析器具を製造することができる。なお、磁性体としては、特に制限されるものではなく、例えば、鉄粉、コバルト粉、ニッケル粉等が挙げられる。
本発明における毛管状部としては、毛管現象を利用して生体液を採取することができれば特に制限されるものではなく、直線状又は曲線状であってもよく、複数設けられていてもよい。そして、内面に界面活性処理することにより親水性を付与することができる。分析部としては、前記毛管状部に連通し内部に分析部材を収容することができれば特に制限されるものではなく、例えば、平面視して円形、正方形、長方形の分析部を例示することができ、毛管状部と同様に複数設けることができる。また、貫通孔としては、分析部に連通し外部まで貫通した孔であれば特に制限されるものではなく、例えば、分析部に穿設された開口や外部まで貫通した管状部が挙げられ、管状部であることが、生体液の蒸発を抑制できる点から好ましい。この管状部は、毛管状部と同一径であってもよいし、異なる径であってもよいが、同一径の場合、かかる管状部が毛管状部の役割を果たすこともできる。
分析部の内部に収容される分析部材としては、生体液の特定成分を分析するための部材であれば特に制限されるものではなく、例えば、神経伝達物質、ホルモン、抗原・抗体、代謝物質、酵素用等の分析部材が挙げられ、酵素試験紙やバイオセンサを挙げることができる。神経伝達物質としては,4級アンモニウム,アミン,アミノ酸,プリン,ペプチド,ステロイドなどが挙げられる。ホルモンとしては,インスリン,グルカゴン,エピネフリン,ノルエピネフリンやコルチゾールなどが挙げられる。抗原・抗体としては,免疫グロブリンなどが挙げられる。代謝物質としては,グルコース (ぶどう糖),フルクトース,ガラクトースなどの糖類,タンパク質,トリグリセリド,コレステロール,リン脂質,遊離脂肪酸などの脂質などが挙げられる。酵素としては,GOT,GPTなどが挙げられる。
前記グルコース濃度試験紙には、グルコースオキシダーゼ(GOD)が含浸されており、例えば、歯肉溝液に含有されるグルコースはこの酵素によって下記の反応を行う。
グルコース + O2 → グルコノラクトン + H22
グルコース濃度試験紙には酸化型と還元型との間で色調の異なる色素が含浸されているので、上記グルコースの酸化反応により発生した過酸化水素はこの色素を酸化し、発色することになる。この色調変化の程度は発生した過酸化水素の量、即ち、検体中に含有されていたグルコースの量に比例するので、肉眼で観察することによりグルコース濃度の半定量的な分析を行うことができる。また、発色の程度を検出する手段としては、肉眼で観察する態様に限らず、光学的センサを用いることにより、更に精密に測定することが可能である。
また、本発明の器具本体は2枚以上のシート状の器具本体構成部材から構成されることが好ましく、2枚のシート状の器具本体構成部材から構成することができる。例えば、シートの一方又は両方に毛管状部、分析部及び貫通孔を構成する凹部を形成してシート同士を接着することにより構成される。2枚のシート部材と分析部材のみによって製造できることから、極めて簡単な構造であり、非常に簡便に低コストで製造することができる。材料によっては、トルエン等の適当な溶剤を接着面に付与したり、材料自身のもつ粘着性によって容易に接着することができる。
本発明の生体液分析器具は、毛管状部と分析部との間にセルを備えることが好ましい。器具本体は柔軟性を具備しているので、容易にポンプ機能を付与することが可能となっている。これにより、生体液を一旦保持して一気に分析部に導入することができるので、反応時間の測定が必要な試薬系も分析部材として利用可能となる。反応時間の測定が必要な試薬系としては、例えば、体液中に含まれる酵素の濃度を測定するための試薬系が挙げられる。また、セルを有する場合、毛管状部のセルとの連接部が、他の部分に比して径が小さく構成されていることが好ましい。セル部分を両側から圧縮する際に、毛管状部の径の小さな小径部が閉塞されて逆止弁を構成することができ、生体液を分析部側に確実に導くことができる。
以上のような構成の本発明の生体液分析器具を用いた分析は、生体液分析器具の先端部を生体に接触させて毛管現象を利用して毛管状部から生体液を採取し、分析部まで導入された生体液による分析部材の呈色に基づいて生体液に含まれる特定成分の濃度を目視や機器を用いて測定することにより行うことができ、より正確に測定する場合には、器具本体を通して分析部材に特定波長の光を照射し、照射した光の吸収率に基づいて生体液に含まれる特定成分の濃度を測定することが好ましい。照射する光としては、特定波長の光であれば特に制限されるものではなく、例えば、半導体レーザー光、発光ダイオード(LED)の光等を用いることができる。また、特定波長としては、分析部材の感度が良好である波長を選択することが好ましい。
以下、図面を参照しつつ、本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
図1は本発明の一実施形態に係る生体液分析器具の斜視図であり、図2は図1に示される生体液分析器具の平面図であり、図3は図1に示される生体液分析器具の製造説明図である。
図1及び図2に示すように、本発明の一実施形態に係る生体液分析器具10は、毛管現象を利用して生体液を採取し、採取された生体液を分析するための器具であって、器具本体12と、器具本体12の内部に収容された分析部材の一例である酵素試験紙14とを備えている。
器具本体12は、シリコーン樹脂からなって、平面視して六角形の中央部から先端に向かってその幅を徐々に小さくして構成された透明の部材であって、その内部に先端部側から毛管状部16、分析部18及び管状部20を直線的に備えている。毛管状部16は、先端部から延びて中央部に設けられた分析部18に連通する直線状の管状部である。また、分析部18は、平面視して円形であって、内部に酵素試験紙14を収容している。かかる分析部18から後端に向かって延びる管状部20は、毛管状部16とほぼ同一径であって、外部まで貫通している。また、器具本体12の分析部18に収容された酵素試験紙14は、平面視して円形の例えばグルコースオキシダーゼ(GOD)が含浸されたグルコース濃度試験紙である。
次に、図1に示される生体液分析器具10の製造方法について説明する。
生体液分析器具10を製造するには、まず、図3(A)に示すような毛管状部16、分析部18及び管状部20が形成されたシート部材22と、シート部材22と同一形状の平坦なシート部材24とを、液状のシリコーン樹脂を鋳型に注入して硬化剤を添加等して硬化させることにより製造する。他方、分析部18に収容する酵素試験紙14を用意する。そして、図3(B)に示すように、かかるシート部材22,24間に酵素試験紙14を収容して、シート部材22,24同士を接着することにより製造する。
かかる生体液分析器具10を使用するには、生体液分析器具10の先端部を生体に接触させて毛管現象を利用して毛管状部16から生体液を採取し、生体液を分析部18の酵素試験紙14に保持する。そして、器具本体12を通して酵素試験紙14に特定波長の光を照射し、照射した光の吸収率に基づいて生体液に含まれる特定成分の濃度を測定する。
次に、本発明の他の実施形態に係る生体液分析器具について説明する。図4は、本発明の他の実施形態に係る生体液分析器具の使用説明図であり、(A)が通常の状態を示し、(B)がセルを両側から圧縮した状態を示す。
図4に示すように、本発明の他の実施形態に係る生体液分析器具50は、毛管現象を利用して生体液を採取し、採取された生体液を分析するための器具であって、器具本体52と、器具本体12の内部に収容された分析部材の一例である酵素試験紙54とを備えている。
器具本体52は、シリコーンゴムからなる透明の直方体部材であって、その内部に先端部側(図面上左側)から毛管状部56、セル58、分析部60及び管状部62を直線的に備えている。毛管状部56は、先端部から延びて中央部に設けられたセル58に連通する直線状の管状部あり、セル58との連接部において他の部分に比して径の小さな小径部64を形成している。セル58は平面視して四角形の部位であって、毛管状部56より導入された生体液を一旦保持することができる。分析部60は、セル58に連通する管状部66を介して設けられた平面視して四角形の部位であって、内部に酵素試験紙14を収容している。かかる分析部60から延びる管状部62は、毛管状部56とほぼ同一径であって、後端部から外部に連通している。器具本体52の分析部60に収容された酵素試験紙54は、平面視して四角形の例えばグルコースオキシダーゼ(GOD)が含浸されたグルコース濃度試験紙である。
かかる生体液分析器具50を使用するには、先端部を生体に接触させて毛管現象を利用して毛管状部56から生体液を採取する。採取された生体液はセル58内に一旦保持される。所定量の生体液をセル58に導入すると、セル58の両側から圧縮する。これにより、毛管状部56の小径部64が閉塞されると共に生体液はセル58のポンプ作用によって分析部60に一気に導かれる。そして、器具本体52を通して酵素試験紙54に特定波長の光を照射し、照射した光の吸収率に基づいて生体液に含まれる特定成分の濃度を測定する。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
(生体液分析器具)
液状樹脂としてシリコーン樹脂(KE−1606信越化学工業(株))を用い、硬化剤としてCAT−RG(信越化学工業(株))を用いて、注型成型により、毛管状部、分析部、及び管状部(貫通孔)が形成されたシート状の器具本体構成部材と、平坦なシート状器具本体構成部材とを作製した。その2枚のシート状の器具本体構成部材の間に形成される分析部に厚さ0.25mm,直径5mmのぶどう糖試験紙を封入して、生体液分析器具を製造した。生体液分析器具は、平面視して四角形で透明の、縦約3.5cm、横約1.5cm、厚さ約5mmの直方体であって、毛管状部は長さが約1.5cm、分析部はの径が約6mm、管状部は長さが約1.4cmであった。
(試験)
手の甲に保持したぶどう糖溶液を毛管現象を利用して約200μL生体液分析器具内に流入させた。このとき、生体液分析器具は柔軟性を具備しているので、直接当接しても全く痛み等もなく極めて安全に効率よく採取することができた。そして、この生体液分析器具に器具本体を通して640nmの光を照射して10分間の比反射率を測定した。比反射率の測定は、赤色LEDレーザ(FS−V21R,(株)キーエンス)を用いた。上記の操作を10,20,50,100mg/dLの濃度の4種類のぶどう糖溶液について行った。比反射率が安定した600秒の値を用いて、ぶどう糖試験紙の検量線を求めた。
図5は各サンプルについての比反射率の経時変化を示すグラフであり、図6は図5に示されるグラフに基づき作成した検量線を示すグラフである。
図5及び図6から明らかなように、本発明の生体液分析器具を用いることにより、簡易に精度よくグルコース濃度の測定を行うことができることが判明した。
本発明の一実施形態に係る生体液分析器具の斜視図である。 図1に示される生体液分析器具の平面図である。 図1に示される生体液分析器具の製造説明図である。 本発明の他の実施形態に係る生体液分析器具の使用状態の説明図である。 本発明の実施例における各サンプルについての比反射率の経時変化を示すグラフである。 図5に示されるグラフに基づき作成した検量線を示すグラフである。
符号の説明
10,50 生体液分析器具
12,52 器具本体
14,54 酵素試験紙
16,56 毛管状部
18,60 分析部
20,62,66 管状部
22,24 シート部材
58 セル
64 小径部

Claims (14)

  1. 生体液を採取する毛管状部、該毛管状部に連通した分析部、及び該分析部に連通し外部まで貫通した貫通孔を有する器具本体と、前記分析部に収容された分析部材とを備え、毛管現象を利用し生体液を採取して採取された生体液を分析するための器具であって、
    前記器具本体が液状樹脂を用いた型取り成型によって作製され、かつ、作製された器具本体が柔軟性を具備したことを特徴とする生体液分析器具。
  2. 毛管現象を利用して生体液を採取し、採取された生体液を分析するための器具であって、
    液状樹脂を鋳型に注入し硬化して柔軟性を具備した器具本体構成部材を作製し、該器具本体構成部材を用いて前記生体液を採取する毛管状部、該毛管状部に連通した分析部、及び該分析部に連通し外部まで貫通した貫通孔を有する器具本体を作製すると共に、該器具本体の分析部に分析部材を封入することにより製造したことを特徴とする生体液分析器具。
  3. 器具本体構成部材が粘着性を有していることを特徴とする請求項2に記載の生体液分析器具。
  4. 器具本体が透明又は半透明であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の生体液分析器具。
  5. 毛管状部と分析部との間にセルを備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の生体液分析器具。
  6. 毛管状部のセルとの連接部が、他の部分に比して径が小さく構成されたことを特徴とする請求項5に記載の生体液分析器具。
  7. 器具本体が2枚以上のシート状の器具本体構成部材から構成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の生体液分析器具。
  8. 液状樹脂が硬化剤により硬化する樹脂であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の生体液分析器具。
  9. 液状樹脂が磁性体を含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の生体液分析器具。
  10. 液状樹脂がシリコーン樹脂であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の生体液分析器具。
  11. 分析部材が酵素試験紙又はバイオセンサであることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の生体液分析器具。
  12. 請求項1〜11に記載の生体液分析器具に配設された分析部材の呈色に基づいて生体液に含まれる特定成分の濃度を測定することを特徴とする生体液分析方法。
  13. 器具本体を通して分析部材に特定波長の光を照射し、照射した光の吸収率に基づいて生体液に含まれる特定成分の濃度を測定することを特徴とする請求項12に記載の生体液分析方法。
  14. 生体液が唾液又は歯肉溝液であることを特徴とする請求項12又は13に記載の生体液分析方法。
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CN111936845A (zh) * 2018-03-30 2020-11-13 株式会社普欧威盖特 传感器芯片、感测装置、罩、体液收集设备及传感器

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