JP2005085242A - タッチパネル付きディスプレイ装置の表示制御方法およびその方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、タッチパネル付きディスプレイ装置 - Google Patents

タッチパネル付きディスプレイ装置の表示制御方法およびその方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、タッチパネル付きディスプレイ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】手書文字入力とソフトウェアキーボード入力とを正確に識別して自動的に制御を切り換える。
【解決手段】 所定の面上でなされたタッチのタッチ点およびこのタッチ点が面上において移動した位置を示す座標を入力し、入力した座標にタッチ点が停止していた時間を停止時間算出部1003が判定する。領域判定部1005は、座標とディスプレイ画面上の領域との対応を判定する。表示制御部1007は、座標が所定の領域に対応し、かつ、タッチ点が停止タッチであると判定した場合、ディスプレイ画面の表示制御を手書文字入力APL1009、ソフトウェアキーボード1011APLのいずれかに切り替える。
【選択図】 図10

Description

本発明は、タッチパネル付きディスプレイ装置の表示制御方法およびその方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、タッチパネル付きディスプレイ装置にかかり、特にディスプレイ画面上に表示されたキーボードと併用して手書き文字を使用する場合のタッチパネル付きディスプレイ装置の表示制御方法およびその方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、タッチパネル付きディスプレイ装置に関する。
従来、所定の面に指やペンでタッチして文字や図形を描画し、描画された文字や図形をそのままディスプレイ画面に表示する技術がある。このような技術は、手書文字入力と呼ばれ、紙等に文字を描画するのと同じ感覚でオペレータがディスプレイ画面に文字を描画できる。手書文字入力は、面へのタッチを検出するタッチパネルを一般的に用い、指やペンの軌跡を検出し、検出された軌跡に沿ってディスプレイ画面上に線を表示することによって実現される。このため、特に、ディスプレイ画面上に直接なされたタッチを検出し、このタッチにしたがって線を表示するタッチパネル、ディスプレイ画面一体型のタッチパネル付きディスプレイ装置は、手書文字入力を使用することにより、黒板やホワイトボードにより近い感覚で操作することが可能になる。
ところで、手書文字入力を使用するタッチパネル付きディスプレイ装置において、ディスプレイ画面に表示されたキーボード(ソフトウェアキーボード)を使って文字を入力する技術を手書文字入力と併用するものがある(例えば、特許文献1)。このような従来技術によれば、キーボード入力の様子を聴衆に示し、さらに入力された文字等に対する書き込みができ、いっそう臨場感の高いタッチパネル付きディスプレイ装置を使ったプレゼンテーションを実現することができる。
特開平11−305896号公報(段落[0021])
しかしながら、上記した従来技術は、ディスプレイ画面にタッチパネル用の入力領域とソフトウェアキーボード用の入力領域とを重ねて表示し、ドラッグ操作が検出された場合には手書文字入力、タッチ、デタッチが検出されればソフトウェアキーボード入力に制御を切り換えていた。ただし、従来技術では、いったんなされたタッチのデタッチが検出されたタイミングでドラッグ操作かタッチ、デタッチの操作かを判断している。このため、ドラッグのためのタッチがなされた後デタッチがなされるまで手書入力かソフトウェアキーボード入力かの判定ができず、手書文字入力中でもドラッグの途中にあるキーがソフトウェアキーボード入力時と同様に反転表示される。このような従来技術では、不必要なキーの反転表示によってディスプレイ画面の表示内容が見苦しくなるという不具合がある。
また、手書文字入力中に例えば点の描画のようにタッチ点からデタッチ点までの間隔が短い操作がなされるときがある。このような場合、上記した従来技術では、操作が手書文字入力でなくソフトウェアキーボードのタッチ操作であると誤判断する可能性がある。
本発明は、上記した点に鑑みてなされたものであり、手書文字入力とソフトウェアキーボードによる入力とを併用する場合、両者を正確に識別して自動的に制御を切り換え、より適切に表示画面を制御するタッチパネル付きディスプレイ装置の表示制御方法およびその方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、タッチパネル付きディスプレイ装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1にかかるタッチパネル付きディスプレイ装置の表示制御方法は、手書文字入力とソフトウェアキーボード入力とを併用するタッチパネル付きディスプレイ装置の表示制御方法であって、所定の面上でなされたタッチのタッチ点および該タッチ点が前記面上において移動した位置を示す座標を入力する座標入力ステップと、前記座標入力ステップにおいて入力した座標にタッチ点が停止していた時間を判定する停止時間判定ステップと、前記座標入力ステップで入力した座標とディスプレイ画面上の領域との対応を判定する領域判定ステップと、前記領域判定ステップにおいて座標が予め定められた所定の領域に対応し、かつ、前記停止時間判定ステップにおいてタッチ点が該座標に予め定められた所定の時間以上停止していたと判定された場合、前記ディスプレイ画面の表示制御を手書文字入力用の制御またはソフトウェアキーボード入力用の制御のいずれかに切り替える表示制御切替ステップと、を含むことを特徴とする。
この請求項1に記載の発明によれば、手書文字入力とソフトウェアキーボード入力とを併用する場合、入力した座標の位置と共にタッチ点の停止時間をも考慮して両者を切り替えることができる。このため、手書文字入力とソフトウェアキーボード入力との切り替えを自動的、かつ、正確に実行し、ディスプレイ画面に表示される画面をより適切に制御することができる。
請求項2に記載の発明にかかるタッチパネル付きディスプレイ装置の表示制御方法は、前記表示制御切替ステップが、領域判定ステップにおいて前記座標入力ステップで入力された座標がディスプレイ画面上のソフトウェアキーボードが表示されている領域と対応していると判定され、かつ、前記停止時間判定判定ステップにおいてタッチ点が該座標に予め定められた所定の時間以上停止していたと判定された場合、前記ディスプレイ画面の表示制御をソフトウェアキーボード入力用の制御に切り替えることを特徴とする。
この請求項2に記載の発明によれば、ソフトウェアキーボードが表示されている領域に指やペン等が所定の時間以上停止していた場合にソフトウェアキーボード入力用制御に切り替えることができる。このため、オペレータがソフトウェアキーボードを使って文字入力しようとする意図を正確に検知し、適切に表示制御方法を切り替えることができる。
請求項3に記載の発明にかかるタッチパネル付きディスプレイ装置の表示制御方法は、前記表示制御切替ステップが、領域判定ステップにおいて前記座標入力ステップで入力された座標がディスプレイ画面上の文字認識ツールバーが表示されている領域と対応していると判定され、かつ、前記停止時間判定ステップにおいてタッチ点が該座標に予め定められた所定の時間以上停止していたと判定された場合、前記ディスプレイ画面の表示制御を手書文字入力用の制御に切り替えることを特徴とする。
この請求項3に記載の発明によれば、文字認識ツールバーが表示されている領域に指やペン等が所定の時間以上停止していた場合に手書文字入力用制御に切り替えることができる。このため、オペレータが手書文字入力により文字入力しようとする意図を正確に検知し、適切に表示制御方法を切り替えることができる。
請求項4に記載の発明にかかるタッチパネル付きディスプレイ装置の表示制御方法は、前記停止時間判定ステップが、ディスプレイ画面が手書文字入力用の制御によって表示制御されているとき、タッチ点が予め定められた所定の時間以上停止していたか否かの判定を中止することを特徴とする。
この請求項4に記載の発明によれば、オペレータが手書文字入力中に指やペン等を座標入力面においたままにした場合、ソフトウェアキーボードによる制御に表示制御が切り替えられることを防ぐことができる。このため、オペレータの意図と異なる表示制御が切り替えを防ぎ、適切に表示制御方法を切り替えることができる。
請求項5に記載の発明にかかるタッチパネル付きディスプレイ装置の表示制御方法は、前記停止時間判定ステップが、ディスプレイ画面がソフトウェアキーボードの制御によって表示制御されているとき、タッチ点が予め定められた所定の時間以上停止していたか否かの判定を中止することを特徴とする。
この請求項5に記載の発明によれば、ソフトウェアキーボードによる文字入力中に指やペン等を座標入力面においたままにした場合、手書文字入力による制御に表示制御が切り替えられることを防ぐことができる。このため、オペレータの意図と異なる表示制御が切り替えを防ぎ、適切に表示制御方法を切り替えることができる。
請求項6に記載の発明にかかるタッチパネル付きディスプレイ装置の表示制御方法は、前記座標入力ステップにおいて入力した座標に基づいて前記面上で移動したタッチ点の移動距離を判定する移動距離判定ステップをさらに含み、前記表示制御切替ステップは、ディスプレイ画面がソフトウェアキーボードの制御によって表示制御されていて、かつ、前記移動距離判定ステップにおいてタッチ点が予め定められた所定の距離以上前記面上を移動したと判定された場合、前記ディスプレイ画面の表示制御を手書文字入力用の制御に切り替えることを特徴とする。
この請求項6に記載の発明によれば、ディスプレイ画面がソフトウェアキーボードの制御によって表示制御されている場合、タッチ点が予め定められた所定の距離以上面上を移動した場合にだけ手書文字入力用の制御に切り替えることができる。このため、ソフトウェアキーボードの操作のために行なったタッチが手書文字入力のために行なったものと誤判定されることを低減し、適切に表示制御方法を切り替えることができる。
請求項7に記載の発明にかかるタッチパネル付きディスプレイ装置の表示制御方法は、前記表示制御切替ステップが前記ディスプレイ画面の表示制御を手書文字入力用の制御に切り替える際、前記移動距離判定ステップにおいてタッチ点が予め定められた所定の距離以上前記面上を移動したと判定されたタッチ点の軌跡に沿う線画をディスプレイ画面上に描画する手書文字入力ステップをさらに含むことを特徴とする。
この請求項7に記載の発明によれば、タッチ点が予め定められた所定の距離以上面上を移動したと判定された場合にのみ、タッチ点の軌跡に沿う線画をディスプレイ画面上に描画することができる。このため、オペレータが線画の描画を意図することなく行なったタッチによってディスプレイ画面に線画が描画されることを防ぎ、適切に表示制御方法を切り替えることができる。
請求項8に記載の発明にかかるタッチパネル付きディスプレイ装置の表示制御方法は、手書文字入力ステップが、前記面の全領域について、前記移動距離判定ステップにおいてタッチ点が予め定められた所定の距離以上移動したと判定された場合に線画を描画することを特徴とする。
この請求項8に記載の発明によれば、座標の入力面とディスプレイ画面とを一体的に構成したタッチパネル付きディスプレイ装置に適用した場合、線画の入力用領域が表示用領域等他の領域によって狭まられることを抑えることができる。このため、タッチパネル付きディスプレイ装置の操作性を高めることができる。
請求項9に記載の発明にかかるプログラムは、手書文字入力とソフトウェアキーボード入力とを併用するタッチパネル付きディスプレイ装置の表示制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、所定の面上でなされたタッチのタッチ点および該タッチ点が前記面上において移動した位置を示す座標を入力する座標入力ステップと、前記座標入力ステップにおいて入力した座標にタッチ点が停止していた時間を判定する停止時間判定ステップと、前記座標入力ステップで入力した座標とディスプレイ画面上の領域との対応を判定する領域判定ステップと、前記領域判定ステップにおいて座標が予め定められた所定の領域に対応し、かつ、前記停止時間判定ステップにおいてタッチ点が該座標に予め定められた所定の時間以上停止していたと判定された場合、前記ディスプレイ画面の表示制御を手書文字入力用の制御またはソフトウェアキーボード入力用の制御のいずれかに切り替える表示制御切替ステップと、を含むことを特徴とする。
この請求項9に記載の発明によれば、手書文字入力とソフトウェアキーボード入力とを併用する場合、入力した座標の位置と共にタッチ点の停止時間をも考慮して両者を切り替えることができる。このため、手書文字入力とソフトウェアキーボード入力との切り替えを自動的、かつ、正確に実行し、ディスプレイ画面に表示される画面をより適切に制御することができる。
請求項10に記載の発明にかかるタッチパネル付きディスプレイ装置は、手書文字入力とソフトウェアキーボード入力とを併用するタッチパネル付きディスプレイ装置であって、所定の面上でなされたタッチのタッチ点および該タッチ点が前記面上において移動した位置を示す座標を入力する座標入力手段と、前記座標入力手段によって入力した座標にタッチ点が停止していた時間を判定する停止時間判定手段と、前記座標入力手段で入力した座標とディスプレイ画面上の領域との対応を判定する領域判定手段と、前記領域判定手段によって座標が予め定められた所定の領域に対応し、かつ、前記停止時間判定手段によってタッチ点が該座標に予め定められた所定の時間以上停止していたと判定された場合、前記ディスプレイ画面の表示制御を手書文字入力用の制御またはソフトウェアキーボード入力用の制御のいずれかに切り替える表示制御切替手段と、を備えることを特徴とする。
この請求項10に記載の発明によれば、手書文字入力とソフトウェアキーボード入力とを併用する場合、入力した座標の位置と共にタッチ点の停止時間をも考慮して両者を切り替えることができる。このため、手書文字入力とソフトウェアキーボード入力との切り替えを自動的、かつ、正確に実行し、ディスプレイ画面に表示される画面をより適切に制御することができる。
請求項1に記載の発明は、手書文字入力とソフトウェアキーボード入力との切り替えを自動的、かつ、正確に実行し、ディスプレイ画面に表示される画面をより適切に制御するタッチパネル付きディスプレイ装置の表示制御方法を提供できるという効果を奏する。
請求項2に記載の発明は、オペレータがソフトウェアキーボードを使って文字入力しようとする意図を正確に検知し、適切に表示制御を切り替えるタッチパネル付きディスプレイ装置の表示制御方法を提供できるという効果を奏する。
請求項3に記載の発明は、オペレータが手書文字入力により文字入力しようとする意図を正確に検知し、適切に表示制御を切り替えるタッチパネル付きディスプレイ装置の表示制御方法を提供できるという効果を奏する。
請求項4に記載の発明は、オペレータの意図と異なる表示制御が切り替えを防ぎ、適切に表示制御を切り替えるタッチパネル付きディスプレイ装置の表示制御方法を提供できるという効果を奏する。
請求項5に記載の発明は、オペレータの意図と異なる表示制御が切り替えを防ぎ、適切に表示制御を切り替えるタッチパネル付きディスプレイ装置の表示制御方法を提供できるという効果を奏する。
請求項6に記載の発明は、ソフトウェアキーボードの操作のために行なったタッチが手書文字入力のために行なったものと誤判定されることを低減し、適切に表示制御を切り替えるタッチパネル付きディスプレイ装置の表示制御方法を提供できるという効果を奏する。
請求項7に記載の発明は、オペレータが線画の描画を意図することなく行なったタッチによってディスプレイ画面に線画が描画されることを防ぎ、適切に表示制御を切り替えるタッチパネル付きディスプレイ装置の表示制御方法を提供できるという効果を奏する。
請求項8に記載の発明は、よりタッチパネル付きディスプレイ装置の操作性を高めるタッチパネル付きディスプレイ装置の表示制御方法を提供できるという効果を奏する。
請求項9に記載の発明は、手書文字入力とソフトウェアキーボード入力との切り替えを自動的、かつ、正確に実行し、ディスプレイ画面に表示される画面をより適切に制御するタッチパネル付きディスプレイ装置の表示制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを提供できるという効果を奏する。
請求項10に記載の発明は、手書文字入力とソフトウェアキーボード入力との切り替えを自動的、かつ、正確に実行し、ディスプレイ画面に表示される画面をより適切に制御するタッチパネル付きディスプレイ装置を提供できるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるタッチパネル付きディスプレイ装置の表示制御方法およびその方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、タッチパネル付きディスプレイ装置の最良な実施の形態を詳細に説明する。
本発明の説明に先だって、本発明の表示制御方法が適用可能なタッチパネル付きディスプレイ装置について説明する。図1は、光学式のタッチパネル付きディスプレイ装置を示す図である。図示したタッチパネル付きディスプレイ装置は、タッチパネル式の座標入力装置1と、座標入力装置1に入力された座標を検出する座標検出装置3と、座標検出装置3が検出した座標に基づいて画像データを制御するホスト装置4(本実施の形態ではPC(Personal Computer)を利用している)、ホスト装置4によって制御された画像データ(R,G,B)を液晶画面やPDP(Plasma Display Panel)といったディスプレイ画面112に表示する表示装置2とを備えている。座標入力装置1と座標検出装置3とを合わせた構成は、タッチパネルとも呼ばれる構成である。
また、図1に示したタッチパネル付きディスプレイ装置には、ディスプレイ画面112が座標入力装置1の座標入力面113と重なって設けられている。座標入力面とは、座標検出装置3が座標を検出できる領域であって、図1のタッチパネル付きディスプレイ装置はディスプレイ画面112に直接タッチする構成であるから、座標入力面113は仮想的な面である。なお、このようなタッチパネル付きディスプレイ装置は、ディスプレイ画面112に対するタッチ操作によってもホスト装置4に対するマウス操作によっても同様に制御することができる。
座標入力装置1は、後述する光学検出器を備えていて、ディスプレイ画面112上のタッチを光学的に検出する。光学検出器が検出したデータは座標検出装置3に入力し、座標検出装置3が、タッチされた座標入力面113上の点(タッチ点)tの座標(x,y)を算出する。算出される座標は、ディスプレイ画面112の画素数(例えばx:1024,y:768)によって表され、10ms、あるいは20msといった時間で周期的にホスト装置4に出力する。なお、座標検出装置3のタッチ点の座標の算出については、後に詳述する。
また、座標検出装置3は、後述する光学検出器が検出したデータを入力するための左光学検出器I/F101、右光学検出器I/F102、座標検出装置3全般を制御する中央演算装置104、中央演算装置104で使用されるプログラムが格納されているROM105、中央演算装置104の作業データが一時保存されるRAM106、周期的に時間を計測して中央演算装置104に入力するタイマ(TIMER)107とを備えている。
ホスト装置4は、PC(Personal Computer)であって、Windows(R)、Macintosh(R)、Linux(R)といった汎用的なOSを搭載しており、画像データの制御は、OSの制御下で実行されている。そして、汎用的なOSの制御下でコンピュータの周辺機器を制御するプログラム(ドライバソフト)であるドライバ108と、共通の汎用的なOSの制御下で動作する複数のアプリケーション群でなるAPL111と、画像データが一時的に保存される画像RAM115とを有している。
ここで、図1に示したタッチパネル付きディスプレイ装置におけるタッチ点の検出および座標の算出について説明する。図2は、本実施の形態の座標入力装置を示す図である。座標入力装置1は、図中の縦方向の長さがH、横の長さがWの矩形の座標入力面113と、座標入力面の三辺に設けられた再帰性反射部材201と、再帰性反射部材201が設けられていない一辺の両端に設けられた左光学検出器202L、右光学検出器202Rとを備えている。
左光学検出器202L、右光学検出器202Rは、いずれも半導体レーザである光源(図示せず)と、例えばCCD(Charged Coupled Device)を利用した受光部(図示せず)とを一体化したユニットである。光源は、座標入力面113の全域に光源を要とする扇状に光を照射する。左光学検出器202L、右光学検出器202Rが扇状の光を照射することによって、レーザ光は座標入力面113の全域に照射される。
座標入力面113に照射された光は、再帰性反射部材201に反射される。再帰性反射部材201は、光を180度の角度で反射する部材であって、例えば図中に示す照射光p1を反射して照射光p1の光軸に平行な光軸を通る反射光p2とする。座標入力面上112に光を遮るものが存在しない場合、左光学検出器202L、右光学検出器202R、は照射された光のすべての反射光を受光する。しかし、例えば指やペンが座標入力面113にタッチしたとき、タッチ点を通る光が左光学検出器202L、右光学検出器202Rに受光されない。
左光学検出器202L、右光学検出器202Rによって検出される光の情報は、アナログデータとして座標検出装置3に入力する。このとき、座標検出装置3は、扇状に照射された光のうち、受光部の光を受光しなかった位置で本来受光されるはずの光の光軸から左光学検出器202L、右光学検出器202Rの受光部を通る直線と各受光部とタッチ点tとを通る直線との角度(光遮蔽角度)θL、θRとを求める。タッチ点tの座標(x,y)は、角度θL、θRを使って以下のように算出される。
x=W×tanθR/(tanθL+tanθR)
y=H−W×tanθL×tanθR/(tanθL+tanθR)
次に、本発明の表示制御方法が適用可能なタッチパネル付きディスプレイ装置として、電磁誘導方式のタブレットパーソナルコンピュータ(以下、タブレットPC)について説明する。図3〜図8は、タブレットPCを説明するための図であって、図3〜図5はタブレットPCの構成を説明する図、図6〜図8はタブレットPCの機能および座標検知の原理について説明する図である。タブレットPCは、図3に示すように、ディスプレイ301とキーボード305を備えた本体303と図示しないマウスを有する。さらにマウスに代えて電子ペン307を使ったタッチパネル操作が可能である。また、Microsoft社からタブレットPC用OSである「Windows(R) PC Tablet PC Edition」がリリースされ手書き文字認識エンジン、音声認識エンジンなどが提供されている。
図4は、ディスプレイ画面301を180度回転させ、折り畳んだ状態を示す。このような状態のディスプレイ画面301に電子ペン307でタッチすると、電子ペン307とタブレットPCに内蔵されたセンサによりディスプレイ301上の電子ペン307の位置(座標)が検知され、マウスのクリック、ドラッグ操作をエミュレートする。水平のディスプレイ画面301と電子ペン307によりマウス操作では困難な手書き文字が紙に文字を書く感覚で描画可能となる。
図5に示すように、電子ペン307が直接接触するディスプレイ画面301の表面には強化ガラス309が設置され、液晶ディスプレイユニット311が傷つくのを防止する。液晶ディスプレイユニット311の下に電子ペンの位置を検知する電磁誘導センサユニット313が設置されている。なお、図3ではディスプレイ画面301を回転して折り畳む形式のタブレットPCを示したが、ディスプレイの部分が取りはずせるタイプもある。
図6に示すように、電子ペン307には共振回路401、コンデンサ403、センサコイル405が内蔵されている。また、図7に示すように、電磁誘導センサユニット313には複数のセンサコイル405が設けられている。センサコイル405は座標検知精度に比例した密度に設置される。図はX軸方向を検知するためのセンサコイル405の一部を示しており、図示はないが図示したセンサコイル405と直交する方向にY軸方向を検知するためのセンサコイルが設置される。
電子ペン307の先端がディスプレイ画面301にタッチすると、センサコイル405に流れる電流磁界によってセンサコイル405に誘導起電圧が生じ、コンデンサ403とで構成される共振回路が励振され共振電流が流れる。電子ペン307の座標検知は、電磁誘導座標検知ユニット413の中央演算装置421によってなされる。
電磁誘導座標検知ユニット413は、まず、送受切替スイッチI/F419によって送受切替スイッチ411を制御し、送受切替スイッチ411を接点A、接点Cに接続する。この接続により、交流電源409からセンサコイル405に電流が流れる。また、X軸コイル切替スイッチI/F415によってX軸コイル切替スイッチ410を制御し、高速にスイッチを切替えて順次センサコイル405に電流を流す。センサコイル405に順次磁界が発生し、発生した磁界によって電子ペン307が共振する。次に、中央演算装置421は、送受切替スイッチ411を接点B、接点Cに接続し、X軸コイル切替スイッチ410を順次高速に切り替える。このとき、電子ペン307に共振電流により磁界が発生し、センサコイル405に誘導起電圧が発生する。センサコイル405に発生する誘導起電圧は、X軸検知I/F417によって増幅、測定される。
図8は、測定される誘導起電圧の分布を例示する図である。電子ペン307がセンサコイル405の「2」を付したものの上にある場合、このセンサコイル「2」が受信する誘導起電圧が最も高くなる。以上のように、電磁誘導座標検知ユニット413は、測定された誘導起電圧分布の最も高い点を検出することによりタッチ点のX座標を確定する。また、同様にしてY座標のタッチ点を確定する。確定されたタッチ点の座標は、PCI/F427(RS232C、USBなど汎用I/F、または専用I/F)によりタブレットPCの本体303に通知される。タブレットPCのドライバが座標のデータを受け取ると、マウスデータに変換する。そして、汎用のマウスI/Fへ通し、APL111に渡される。
なお、本実施の形態では、以上述べたタッチパネル付きディスプレイ装置において、座標入力面(本実施の形態ではディスプレイ画面)に対して指やペンが非接触状態から接触したことをタッチといい、タッチがなされた位置を示す点をタッチ点という。また、タッチ点から指やペンが離れたことをデタッチといい、デタッチすることなくタッチ点が移動することを移動タッチという。タッチ後、または移動タッチ後に指やペンが1点に所定の時間(停止タッチタイム)以上停止することを停止タッチといい、移動タッチに続いてなされる停止タッチは、移動・停止タッチという。
タッチ、デタッチはマウスでいうクリックの操作に対応し、移動・停止タッチは、マウスでいうドラッグの操作に対応する。さらに、所定の時間内、かつ所定の範囲内に連続して2回のタッチがなされたことをダブルタッチといい、ダブルタッチは、マウスのダブルクリックに対応する。
上記したように、タッチパネル付きディスプレイ装置で検出されたタッチは、いずれもマウスによって入力される座標を含むマウスデータの形式に変換され、装置側で処理される。このようにタッチ操作はマウスの操作といずれも1対1に対応でき、マウス操作と同様に取り扱うことが可能である。このため、本実施の形態では、ダブルタッチとダブルクリックとは単なる入力ツールが異なるものであり、同一の操作とみなす。また、同様に、移動・停止タッチをマウスでいうドラッグと同一の操作とみなすものとする。
次に、タッチ点の座標をマウスデータへの変換する方法について具体的に説明する。図9は、検出されたタッチ点データ(検出データ)の形式と、マウスデータの形式を説明するための図である。図9上段に示したように、検出データは、タッチ点のx座標、y座標、さらにタッチ点の座標ステータスの情報を含んでいる。座標ステータスは、検出データが、タッチ、デタッチ、移動・停止タッチのいずれであるかを1または0によって示すものである。なお、タッチパネル付きディスプレイ装置においてタッチ、デタッチ、移動・停止タッチが検出された場合、各タッチを示すフィールドに1が設定される。
また、図9下段に示したように、マウスデータは、タッチ点のx座標、y座標、さらにマウスステータスの情報を含んでいる。マウスステータスは、マウスの右ボタンのON、OFF、左ボタンのON、OFFを1または0によって示すものである。タッチ、デタッチ、移動・停止タッチは、マウスの右ボタンのON、OFF、左ボタンのON、OFFのうちいずれかと対応付けて設定されている。
次に、以上述べたタッチパネル付きディスプレイ装置に適用される、本実施の形態のタッチパネル付きディスプレイ装置の表示制御方法およびその方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、さらにはタッチパネル付きディスプレイ装置のうち、本実施の形態特有の構成について説明する。なお、本実施の形態では、前記したタッチパネル付きディスプレイ装置のうち、図1に示した光学式のタッチパネル付きディスプレイ装置に本発明の表示制御方法を適用した例を挙げて説明する。
図10は、図1に示したAPL111のうちの1つとしてタッチパネル付きディスプレイ装置に記憶される表示制御部1001の機能ブロック図である。表示制御部1001は、手書文字入力とソフトウェアキーボード入力とを併用するタッチパネル付きディスプレイ装置の表示を制御する。このために、表示制御部1001は、図1に示したドライバ108からマウスデータdを入力する。マウスデータdは、ディスプレイ画面112上でなされたタッチのタッチ点およびこのタッチ点がディスプレイ画面112上において移動した位置を示す座標を示す。また、表示制御部1001は、図1に示したタイマ107から計時時間データdtを入力する。停止時間算出部1003は、マウスデータdmと計時時間Tとによって入力した座標に指やペン等(タッチ点)が停止していた時間を判定する。また、領域判定部1005は、マウスデータdmが示す入力した座標とディスプレイ画面上の領域との対応を判定する。
さらに、表示制御部1007は、領域判定部1005によって座標が予め定められた所定の領域に対応し、かつ、停止時間算出部1003によってタッチ点がこの座標に予め定められた所定の時間以上停止していたと判定された場合、ディスプレイ画面112の表示制御を手書文字入力用手書文字入力APLまたはソフトウェアキーボード入力用のソフトウェアキーボード入力APLのいずれかに切り替える。
手書文字入力APL1009は、入力した座標同士をつないでディスプレイ画面に線を描画する。この結果、手書文字入力APL1009によれば、タッチ点がディスプレイ画面112上で移動した軌跡に沿って線を描画することができる。このため、ディスプレイ画面112上で指やペン等を使って文字や線画を描き、この文字や線画をディスプレイ画面に表示することができる。また、ソフトウェアキーボード入力APL1011は、ディスプレイ画面112上にキーボードを表示する。キーの表示位置とキーコードとは予め対応付けられていて、タッチされたキーに対応するキーコードが図示しないキーボードI/Fへ通知される。
すなわち、本実施の形態のタッチパネル付きディスプレイ装置は、図11に示すように、ディスプレイ画面112に文字表示領域1101、ソフトウェアキーボード1103を表示する。文字表示領域1101は、汎用OSの制御下でテキストの入力を実行するアプリケーションによって文字が表示される領域をいう。また、ディスプレイ画面112には、手書文字入力に使用される文字認識ツールバー1105が表示される。文字認識ツールバー1105は、デスクトップのアイコンをダブルクリック等することによってOSが提供するプログラムが起動手段によって起動し、表示される。
本実施の形態では、ディスプレイ画面112の全領域で手書文字入力を受けつけるものとする。このため、図11に示したように、ディスプレイ画面112上の任意の位置で手書きされた文字が入力され、文字表示領域1101に表示される。また、図12に示すように、ソフトウェアキーボード1103を使って入力されたテキストは、PC等と同様に入力もードに応じた表記で文字表示領域1101に表示された後、オペレータの操作にしたがって変換される。
文字認識ツールバー1105は、文字認識ボタン、APLボタン、設定ボタン、閉じるボタンを備え、各ボタンに設定されたいずれかの制御の選択を可能にしている。文字認識ボタンは、手書文字の認識を実行するものである。また、本実施の形態では、文字認識の選択によってソフトウェアキーボード1103を表示させるものとした。APLボタンは、OSによって提供されるアプリケーションの実行を可能にするものである。設定ボタンは、手書文字認識の制御の設定を行なう。設定の選択によって表示される手書文字認識制御の設定画面を示す。設定画面の具体的な内容については、後述するものとする。
表示制御部1007は、領域判定部1005が、入力された座標がディスプレイ画面上のソフトウェアキーボード1103が表示されている領域と対応していると判定し、かつ、停止時間算出部1003によってタッチ点がソフトウェアキーボード1103上の座標に予め定められた所定の時間以上停止していたと判定した場合、ディスプレイ画面112の表示制御をソフトウェアキーボード入力APL1011に切り替える。また、領域判定ステップにおいて前記座標入力ステップで入力された座標がディスプレイ画面上の文字認識ツールバー1105が表示されている領域と対応していると判定され、かつ、停止時間算出部1003においてタッチ点が文字認識ツールバー1105に対応する座標に予め定められた所定の時間以上停止していたと判定された場合、ディスプレイ画面112の表示制御を手書文字入力APL1009に切り替える。
ただし、上記した動作において、停止時間算出部1003は、ディスプレイ画面112が手書文字入力APL1009によって表示制御されているとき、タッチ点が予め定められた所定の時間以上停止していたか否かの判定を中止する。このような動作により、オペレータが手書文字の描画中にペンや指等をソフトウェアキーボード1103の表示領域においたまま停止させたことによって表示制御がソフトウェアキーボード入力APL1011に切り替わることを防ぐことができる。
表示制御部1007は、手書文字入力APL1009による制御中に所定の時間停止タッチがない場合に手書文字入力の実行中と判断する。さらに、所定の時間(文字描画タイムアウト時間)以上手書文字描画がなされない場合、手書文字入力の終了とみなし、文字認識、文字コードの取得、文字コードをキーストロークに変換してOSが提供するキーボードI/Fへ通知する。テキスト入力用のAPLは、キーボードI/Fからキーストロークを受けとって文字表示領域1101に表示する。
また、停止時間算出部1003は、ディスプレイ画面112がソフトウェアキーボード入力APL1103によって表示制御されているとき、タッチ点が予め定められた所定の時間以上停止していたか否かの判定を中止する。このような動作により、オペレータがソフトウェアキーボード1103の操作中に指やペン等を1点においたまま停止させたことによって表示制御が手書文字入力APL1009に切り替わることを防ぐことができる。
なお、領域判定部1005には、文字認識ツールバー1105の表示領域、ソフトウェアキーボード1103の表示領域が記憶されていて、記憶された領域とマウスデータdmの示す座標とを対照して入力された座標が文字認識ツールバー1105の表示領域、あるいはソフトウェアキーボード1103の表示領域上にあるものか否か判断している。領域の記憶は、例えば、図12に示すように、ディスプレイ画面112の左辺および上辺から測ったソフトウェアキーボード1103の図中の左上の頂点との長さをX、Yと共に、ソフトウェアキーボード1103の幅W、高さHを記憶することによっても可能である。
ただし、ソフトウェアキーボード1103はディスプレイ画面112上において移動可能である。このため、ソフトウェアキーボード1103の表示位置がタッチパネル付きディスプレイ装置の操作中にオペレータによって変更されることがある。本実施の形態では、ソフトウェアキーボード1103による入力から手書文字入力の制御に移行する際、上記したX、Y、W、Hの各値をOSが提供するI/Fによってソフトウェアキーボード入力APL1101が取得しておくものとする。
また、表示制御部1007は、入力した座標に基づいてディスプレイ画面112上で移動したタッチ点の移動距離を判定する。そして、ディスプレイ画面112がソフトウェアキーボード1103によって制御されていて、かつ、タッチ点が予め定められた所定の距離以上ディスプレイ画面112上を移動したと判定された場合、ディスプレイ画面112の表示制御を手書文字入力APL1011に切り替える。
図13は、タッチ点の移動距離の算出方法を説明するための図である。図示した例は、タッチ点が座標(x0,y0)、(x1,y1)、(x2,y2)、(x3,y3)、(x4,y4)を移動して座標が入力された場合を示す。座標(x0,y0)はタッチがなされたタッチ点であり、(x4,y4)はデタッチ点である。このときの移動距離(ドラッグ長)Ldは、以下の式によって算出される。
Ld=[(x1−x0)2−(y1−y0)21/2+[(x2−x1)2−(y2−y1)21/2
+[(x3−x2)2−(y3−y2)21/2+[(x4−x3)2−(y4−y3)21/2
また、手書文字入力APL1009は、上記した計算式によって算出されたドラッグ長Ldが所定の長さ以上であり、ディスプレイ画面112の表示制御を手書文字入力APL1009に切り替える際、前記移動距離判定ステップにおいて予め定められた所定の距離以上ディスプレイ画面112上を移動したと判定されたタッチ点の軌跡に沿う線画をディスプレイ画面上に描画する。なお、ディスプレイ画面112の表示制御を手書文字入力APL1009に切り替える判断に使用される所定の長さと、線画を描画する判断に使用される所定の長さとは同じであっても良いし、異なってもよい。本実施の形態では、両者を同じ長さとし、この長さを文字描画長と記すものとする。
また、本実施の形態のタッチパネル付きディスプレイ装置では、前記したようにディスプレイ画面112の全領域で手書文字の入力を受けつける。このため、手書文字入力APL1009は、ディスプレイ画面112の全領域について、タッチ点が予め定められた所定の距離以上移動したと判定された場合に線画を描画する。
次に、以上述べた停止タッチタイム、文字描画タイムアウト時間、文字描画長の設定について説明する。停止タッチタイム、文字描画タイムアウト時間、文字描画長は、いずれもオペレータがタッチパネル付きディスプレイ装置を操作して設定することができる。図14は、停止タッチタイム、文字描画タイムアウト時間、文字描画長を設定するための設定画面を示す図であり、文字認識ツールバー1105の「設定」のボタンにタッチ等することによって開かれる。停止タッチタイム、文字描画タイムアウト時間は、各々の設定用のスライドバーを操作してより遅く、あるいは早く設定変更することがきる。また、文字描画長は、スライドバーを操作してより長く、あるいは短く設定変更することがきる。
さらに、図14に示した設定画面は、手書文字入力APL1009が線画を描画する際の太さや色を設定することも可能である。オペレータは、設定画面に表示された複数の線のうち、描画したい太さの線にタッチ等して太さを選択することができる。また、同様に、表示された複数の色のうち、描画したい色にタッチ等して線画の色を選択することができる。
図15〜図19は、以上述べたタッチパネル付きディスプレイ装置で実行されるタッチパネル付きディスプレイ装置の表示制御方法を説明するためのフローチャートである。図15は、このうち、マウスエミュレーションのフローチャートである。ホスト装置4は、座標入力装置1からタッチ点およびタッチ点が移動した点を示す座標のデータを受け取る(ステップS1101)。そして、ドライバコントロールパネルの設定値からタッチ操作を右クリックとするか左クリックとするか決定する(ステップS1103)。タッチ座標、移動・停止座標は右ボタンONマウスデータとしてマウスI/Fへ通知する(ステップS1107)。デタッチによりボタンOFFマウスデータをマウスI/Fへ通知する(ステップS1111)。
図16は、手書文字入力、認識の処理を示すフローチャートである。手書き文字入力APL1009は、OSが提供するプログラム起動手段(デスクトップアイコンのダブルクリック等)により起動される。起動により、文字認識ツールバー1105が常にAPLの前面となるように表示される(ステップS1201)。手書き文字入力APL1009の起動時、タッチパネル付きディスプレイ装置はAPL操作モードとなり、APLの通常操作が可能となる(ステップS1202)。
APL操作モード時は文字認識ツールバーへのタッチが、また、手書き文字認識モード時は画面上の任意点へのタッチ(ドラッグ)座標がマウスデータとして手書き手書文字入力APL1009に通知される(ステップS1204)。手書き文字描画中のデタッチから文字描画タイムアウトの時間内に再タッチがない場合、手書き文字描画が完了したと判定する(ステップS1206)。さらに、手書き文字のストローク情報(タッチからデタッチまでの座標情報で表されるストローク数、ストローク方向、ストローク長、ストローク間隔など)から手書き文字を認識、文字コードを取得する(ステップS1208)。
次に、手書き手書文字入力APL1009は、取得した文字コードをキーストロークに変換し、OSが提供するキーボードI/Fへ通知する(ステップS1210)。そして、テキスト入力用APLをアクティブになる(ステップS1211)。この動作により、文字描画ウィンドウが背面に回り、APLが最前面に現れキーコード入力を受信する。
また、テキスト入力用のAPLは、キーコードを入力し、入力文字をテキスト入力領域に表示するまでOS提供する機能により監視する(完了予測タイムウェイトなど)(ステップS1212)。そして、文字描画用のウィンドウをアクティブにする(ステップS1213)。この動作により、文字描画ウィンドウが最前面に現れてタッチ座標が全て入力され手書き文字描画が可能となる。
APL制御モード時は、文字認識ツールバー1105のAPLの選択によってツールバー制御が実行される(ステップS1216)。このとき、ソフトウェアキーボード1103の表示領域(左上原点座標、幅、高さ)が、領域判定部1005に取得される(ステップS1217)。また、領域判定部1005は、文字認識ツールバー1105の表示領域をツールバーウィンドウの左上原点座標、幅、高さとして取得する(ステップS1218)。さらに、手書文字入力APLは、手書き文字の描画によって入力された座標を保存し、描画軌跡を設定されている色、太さにて描画する(ステップS1220)。
次に、手書文字の入力、認識の処理では、図17に示すように、手書き文字の描画開始時、停止タッチタイム内にデタッチがあったか否か判断する。そして、デタッチがあった場合、手書き文字描画と判定する(ステップS1225)。また、手書き文字描画開始時、停止タッチタイム内に描画軌跡長(ドラッグ長)が文字描画長に達した場合(ステップS1227:Yes)、手書き文字描画と判定する(ステップS1229)。
また、手書き文字描画を開始したときのタッチ点が停止タッチであり、この停止タッチが停止タッチタイムに達するか監視する(ステップS1231)。停止タッチタイムに満たず(ステップS1231:No)、かつ、タッチ点の座標がソフトウェアキーボード1103上にある場合(ステップS1233:Yes)、ソフトウェアキーボード操作と判定されるまでに描画された点をクリアする(ステップS1234)。そして、ソフトウェアキーボード制御を実行する(ステップS1235)。このとき、ソフトウェアキーボード入力APL1011は、ソフトウェアキーボード1103の表示領域を取得する(ステップS1236)。
また、表示制御部1007は、停止タッチ点が文字認識ツールバー上1105であると判断した場合(ステップS1238:Yes)、文字認識ツールバー制御を実行する(ステップS1240)。
図18は、ステップS1240で示した文字認識ツールバー制御を説明するためのフローチャートである。本実施の形態では、表示制御部1007が文字認識ツールバー1105を制御するAPLを含み、文字認識ツールバー1105を制御するものとする。表示制御部1007は、先ず、文字認識、APL等のボタンのうち、タッチによって選択されたボタンを反転表示する(ステップS1401)。そして、タッチに続いてなされたデタッチ(マウスボタンOFF)によりボタンの表示を戻し(ステップS1404)、タッチされたボタンに設定されている機能を実行する。すなわち、文字認識ボタンにタッチがなされ(ステップS1405:Yes)、かつ、現在の設定がAPLモードである場合(ステップS2:Yes)、APL制御モードから手書き文字認識モードへ移行する。
つまり、表示制御部1007は、OSが提供するI/Fを介してテキスト入力用APL情報(ウィンドウハンドルなど)を取得、取得した情報を保存する(ステップS1407)。また、ソフトウェアキーボード1103をAPLの常に前面となるよう表示する(ステップS1408)。また、手書文字入力APL1109が、全画面サイズの透明ウィンドウである文字描画ウィンドウを最前面に表示する(ステップS1409)。
また、表示制御部1007は、APLボタンが選択され(ステップS1411:Yes)、かつ、現在の操作モードがAPLでない場合(ステップS1412:No)、ソフトウェアキーボードを消去する(ステップS1413)。続いて、APL制御モードへ移行し(ステップS1414)、文字描画ウィンドウを閉じる(ステップS1415)。以上の処理により、手書き文字認識は文字認識ツールバーのみ操作可能となる。
また、設定ボタンが選択された場合(ステップS1416:Yes)、表示制御部1007は、図14に示した設定画面(手書き文字認識モード設定ダイアログボックス)を表示する。そして、このダイアログボックスで設定された描画の条件を手書文字入力APL1009に設定することによって手書文字入力モードの設定処理を実行する(ステップS1417)。閉じるボタンが選択された場合(ステップS1418:Yes)、表示制御部1007は、ソフトウェアキーボード1103を消去し(ステップS1419)、文字描画ウィンドウを閉じ(ステップS1420)、文字認識ツールバーを消去終了する(ステップS1421)。
図19は、ソフトウェアキーボード入力APL1011の制御を示すフローチャートである。ソフトウェアキーボード入力APL1011は、タッチされたキーボードのボタンを反転表示し(ステップS1501)、マウスデータを入力する(ステップS1502)。そして、入力したマウスデータを保存しながらドラッグ長を算出し(ステップS1504)、ソフトウェアキーボード1103上でなされたドラッグのドラッグ長が文字描画長に達した場合(ステップS1505:Yes)、手書き文字描画と判定する。そして、デタッチ(マウスボタンOFF)されたボタンの入力確定後、キーボタンを正表示へ戻す(ステップS1514)。また、ソフトウェアキーボード1103上でなされたドラッグの軌跡を描画し、手書き文字描画へ戻り描画を継続する(ステップS1515)。
一方、ステップS1505において、ドラッグ長が文字描画長に達していないと判断した場合(ステップS1505:No)、タッチされたボタンのキーコードをOSが提供するキーボードI/Fへ通知する(ステップS1507)。次に、テキスト入力用のAPLをアクティブにする(ステップS1509)。APLがアクティブになることにより、文字描画用のウィンドウが背面に回り、キーボードI/Fからキーコード入力が可能となる。
また、ソフトウェアキーボード入力APL1011は、テキスト入力用のAPLがキーコードを入力、入力文字を文字表示領域1101に表示するまでテキストの入力状態(完了予測タイムウェイトなど)を監視する(ステップS1510)。次に、手書文字入力を受けつける文字描画ウィンドウをアクティブとする(ステップS1510)。文字描画ウィンドウのアクティブ化により、文字描画ウィンドウが最全面に現れタッチ座標全てがマウスデータとして通知される。ソフトウェアキーボード1103の表示領域外にタッチがなされた場合(ステップS1513:Yes)、手書き文字描画へ戻る。
なお、以上、本実施の形態で説明したタッチパネル付きディスプレイ装置の表示制御方法は、あらかじめ用意されたプログラムをコンピュータで実行することにより実現される。このプログラムは、ハードディスク、フロッピー(R)ディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、上記記録媒体を介して、また伝送媒体として、インターネット等のネットワークを介して配布することができる。
以上のように、本発明にかかるタッチパネル付きディスプレイ装置の表示制御方法およびその方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、タッチパネル付きディスプレイ装置は、手書文字入力とソフトウェアキーボードを併用するタッチパネル付きディスプレイ装置およびこの装置に適用される方法に有用であり、特に、手書文字入力とソフトウェアキーボード入力とを正確に識別して自動的に制御を切り換え、より適切に表示画面を制御することが求められるタッチパネル付きディスプレイ装置の表示制御方法およびその方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、タッチパネル付きディスプレイ装置に適している。
本発明に適用できる光学式のタッチパネル付きディスプレイ装置を示す図である。 図1に示したタッチパネル付きディスプレイ装置の座標入力装置を示す図である。 本発明に適用できるタブレットPCの構成を説明するための図である。 本発明に適用できるタブレットPCの構成を説明するための他の図である。 本発明に適用できるタブレットPCの構成を説明するための他の図である。 タブレットPCの機能および座標検知の原理について説明するための図である。 タブレットPCの機能および座標検知の原理について説明するための他の図である。 タブレットPCで測定される誘導起電圧の分布を例示するための図である。 本実施の形態で検出されたタッチ点データ(検出データ)の形式と、マウスデータの形式を説明するための図である。 図1に示したAPL111のうちの1つとしてタッチパネル付きディスプレイ装置に記憶される表示制御部1001の機能ブロック図である。 本発明の一実施の形態のディスプレイ画面に表示されるソフトウェアキーボードおよび文字認識ツールバーを示す図である。 本発明の一実施の形態のディスプレイ画面に表示されるソフトウェアキーボードおよび文字認識ツールバーを示す他の図である。 本発明の一実施の形態のタッチ点の移動距離の算出方法を説明するための図である。 本発明の一実施の形態の停止タッチタイム、文字描画タイムアウト時間、文字描画長を設定するための設定画面を示す図である。 本発明の一実施の形態のタッチパネル付きディスプレイ装置で実行されるタッチパネル付きディスプレイ装置の表示制御方法を説明するためのフローチャートである。 本発明の一実施の形態のタッチパネル付きディスプレイ装置で実行されるタッチパネル付きディスプレイ装置の表示制御方法を説明するための他のフローチャートである。 本発明の一実施の形態のタッチパネル付きディスプレイ装置で実行されるタッチパネル付きディスプレイ装置の表示制御方法を説明するための他のフローチャートである。 本発明の一実施の形態のタッチパネル付きディスプレイ装置で実行されるタッチパネル付きディスプレイ装置の表示制御方法を説明するための他のフローチャートである。 本発明の一実施の形態のタッチパネル付きディスプレイ装置で実行されるタッチパネル付きディスプレイ装置の表示制御方法を説明するための他のフローチャートである。
符号の説明
1 座標入力装置
2 表示装置
3 座標検出装置
4 ホスト装置
104 中央演算装置
107 タイマ
112 ディスプレイ画面
113 座標入力面
1001 表示制御部
1003 停止時間算出部
1005 領域判定部
1007 表示制御部
1009 手書文字入力APL
1011 ソフトウェアキーボード入力APL
1101 文字表示領域
1103 ソフトウェアキーボード
1105 文字認識ツールバー

Claims (10)

  1. 手書文字入力とソフトウェアキーボード入力とを併用するタッチパネル付きディスプレイ装置の表示制御方法であって、
    所定の面上でなされたタッチのタッチ点および該タッチ点が前記面上において移動した位置を示す座標を入力する座標入力ステップと、
    前記座標入力ステップにおいて入力した座標にタッチ点が停止していた時間を判定する停止時間判定ステップと、
    前記座標入力ステップで入力した座標とディスプレイ画面上の領域との対応を判定する領域判定ステップと、
    前記領域判定ステップにおいて座標が予め定められた所定の領域に対応し、かつ、前記停止時間判定ステップにおいてタッチ点が該座標に予め定められた所定の時間以上停止していたと判定された場合、前記ディスプレイ画面の表示制御を手書文字入力用の制御またはソフトウェアキーボード入力用の制御のいずれかに切り替える表示制御切替ステップと、
    を含むことを特徴とするタッチパネル付きディスプレイ装置の表示制御方法。
  2. 前記表示制御切替ステップは、領域判定ステップにおいて前記座標入力ステップで入力された座標がディスプレイ画面上のソフトウェアキーボードが表示されている領域と対応していると判定され、かつ、前記停止時間判定判定ステップにおいてタッチ点が該座標に予め定められた所定の時間以上停止していたと判定された場合、前記ディスプレイ画面の表示制御をソフトウェアキーボード入力用の制御に切り替えることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル付きディスプレイ装置の表示制御方法。
  3. 前記表示制御切替ステップは、領域判定ステップにおいて前記座標入力ステップで入力された座標がディスプレイ画面上の文字認識ツールバーが表示されている領域と対応していると判定され、かつ、前記停止時間判定ステップにおいてタッチ点が該座標に予め定められた所定の時間以上停止していたと判定された場合、前記ディスプレイ画面の表示制御を手書文字入力用の制御に切り替えることを特徴とする請求項1または2に記載のタッチパネル付きディスプレイ装置の表示制御方法。
  4. 前記停止時間判定ステップは、ディスプレイ画面が手書文字入力用の制御によって表示制御されているとき、タッチ点が予め定められた所定の時間以上停止していたか否かの判定を中止することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のタッチパネル付きディスプレイ装置の表示制御方法。
  5. 前記停止時間判定ステップは、ディスプレイ画面がソフトウェアキーボードの制御によって表示制御されているとき、タッチ点が予め定められた所定の時間以上停止していたか否かの判定を中止することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のタッチパネル付きディスプレイ装置の表示制御方法。
  6. 前記座標入力ステップにおいて入力した座標に基づいて前記面上で移動したタッチ点の移動距離を判定する移動距離判定ステップをさらに含み、
    前記表示制御切替ステップは、ディスプレイ画面がソフトウェアキーボードの制御によって表示制御されていて、かつ、前記移動距離判定ステップにおいてタッチ点が予め定められた所定の距離以上前記面上を移動したと判定された場合、前記ディスプレイ画面の表示制御を手書文字入力用の制御に切り替えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のタッチパネル付きディスプレイ装置の表示制御方法。
  7. 前記表示制御切替ステップが前記ディスプレイ画面の表示制御を手書文字入力用の制御に切り替える際、前記移動距離判定ステップにおいてタッチ点が予め定められた所定の距離以上前記面上を移動したと判定されたタッチ点の軌跡に沿う線画をディスプレイ画面上に描画する手書文字入力ステップをさらに含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のタッチパネル付きディスプレイ装置の表示制御方法。
  8. 前記手書文字入力ステップは、前記面の全領域について、前記移動距離判定ステップにおいてタッチ点が予め定められた所定の距離以上移動したと判定された場合に線画を描画することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載のタッチパネル付きディスプレイ装置の表示制御方法。
  9. 手書文字入力とソフトウェアキーボード入力とを併用するタッチパネル付きディスプレイ装置の表示制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
    所定の面上でなされたタッチのタッチ点および該タッチ点が前記面上において移動した位置を示す座標を入力する座標入力ステップと、
    前記座標入力ステップにおいて入力した座標にタッチ点が停止していた時間を判定する停止時間判定ステップと、
    前記座標入力ステップで入力した座標とディスプレイ画面上の領域との対応を判定する領域判定ステップと、
    前記領域判定ステップにおいて座標が予め定められた所定の領域に対応し、かつ、前記停止時間判定ステップにおいてタッチ点が該座標に予め定められた所定の時間以上停止していたと判定された場合、前記ディスプレイ画面の表示制御を手書文字入力用の制御またはソフトウェアキーボード入力用の制御のいずれかに切り替える表示制御切替ステップと、
    を含むことを特徴とするプログラム。
  10. 手書文字入力とソフトウェアキーボード入力とを併用するタッチパネル付きディスプレイ装置であって、
    所定の面上でなされたタッチのタッチ点および該タッチ点が前記面上において移動した位置を示す座標を入力する座標入力手段と、
    前記座標入力手段によって入力した座標にタッチ点が停止していた時間を判定する停止時間判定手段と、
    前記座標入力手段で入力した座標とディスプレイ画面上の領域との対応を判定する領域判定手段と、
    前記領域判定手段によって座標が予め定められた所定の領域に対応し、かつ、前記停止時間判定手段によってタッチ点が該座標に予め定められた所定の時間以上停止していたと判定された場合、前記ディスプレイ画面の表示制御を手書文字入力用の制御またはソフトウェアキーボード入力用の制御のいずれかに切り替える表示制御切替手段と、
    を備えることを特徴とするタッチパネル付きディスプレイ装置。
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