JP2005083780A - 電極ユニットと該電極ユニットを用いる物質間の相互作用検出部及びバイオアッセイ用基板 - Google Patents

電極ユニットと該電極ユニットを用いる物質間の相互作用検出部及びバイオアッセイ用基板 Download PDF

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Abstract

【課題】 DNAチップに代表されるバイオアッセイ用基板に適した電極ユニットを提供すること。
【解決手段】 液相R中などでの物質間の相互作用の場を提供する反応領域21に臨むように設けられた検出用物質固定用の検出表面として機能する第1電極Eと対向可能な位置に第2電極Eが設けられている電極ユニット1aであって、前記電極ユニット1aは、外観視フレーム状の形状を有し、その枠部12の端面121部に前記第2電極Eが形成された電極ユニット及び該電極ユニット1a等を用いる物質間の相互作用検出部及びバイオアッセイ用基板を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電極が設けられた反応領域中の液相に電界を形成するための電極ユニットと、該電極ユニットを用いる物質間の相互作用検出部及び該検出部が配置されたバイオアッセイ用基板に関する。
本発明に関する主たる背景技術を説明する。まず、第一の背景技術(従来技術)は、マイクロアレイ技術によって所定のDNAが微細配列された、いわゆるDNAチップ又はDNAマイクロアレイ(以下、「DNAチップ」と総称。)と呼ばれるバイオアッセイ用の集積基板に関する技術である。このDNAチップ技術は、ガラス基板やシリコン基板上に多種・多数のDNAオリゴ鎖やcDNA(complementary DNA)等が集積されていることから、ハイブリダイゼーション等の分子間相互反応の網羅的解析が可能となる点が特徴とされている。このためDNAチップは、遺伝子の変異解析、SNPs(一塩基多型)分析、遺伝子発現頻度解析等に利用されており、創薬、臨床診断、薬理ジェノミクス、法医学その他の分野において広範囲に活用され始めている。DNAチップ以外にも、基板上にタンパク質を固定したプロテインチップや種々の物質間の相互作用を解析するためのバイオセンサーチップなども開発されている。
第二の背景技術は、液相中において荷電して存在する物質に対する電界の作用に係わる技術である。具体的には、ヌクレオチド鎖(核酸分子)は、液相中において電界の作用を受けると伸長又は移動することが知られており、その原理は、ヌクレオチド鎖の骨格をなすリン酸イオン(陰電荷)とその周辺にある水がイオン化した水素原子(陽電荷)とによってイオン曇を作っていると考えられ、これらの陰電荷及び陽電荷により生じる分極ベクトル(双極子)が、高周波高電圧の印加により全体として一方向を向き、その結果としてヌクレオチド鎖が伸長し、加えて、電気力線が一部に集中する不均一電界が印加された場合、ヌクレオチド鎖は電気力線が集中する部位に向かって移動する(非特許文献1参照)。また、数十から数百μmのギャップを持つ微細電極中にDNA溶液をおき、ここに1MV/m、1MHz程度の高周波電界を印加すると、ランダムコイル状で存在するDNAに誘電分極が生じ、その結果、DNA分子は電界と平行に直線状に引き伸ばされる。そして、この誘電泳動と呼ばれる電気力学的効果によって、分極したDNAは自発的に電極端へと引き寄せられ、電極エッジにその一端を接した形で固定されることが知られている(非特許文献2参照)。
Seiichi Suzuki,Takeshi Yamanashi,Shin-ichi Tazawa,Osamu Kurosawa and Masao Washizu:"Quantitative analysis on electrostatic orientation of DNA in stationary AC electric field using fluorescence anisotropy",IEEE Transaction on Industrial Applications,Vol.34,No.1,P75-83(1998)。 鷲津正夫、「見ながら行うDNAハンドリング」、可視化情報 Vol.20 No.76(2000年1月)。
上記したDNAチップ技術は、物質間の相互作用の場を提供する反応領域を基板に予め設定しておき、この反応領域中にDNAプローブ等の検出用ヌクレオチド鎖を固定しておくことによって、この検出用ヌクレオチド鎖と相補的な標的ヌクレオチド鎖との間の相互作用であるハイブリダイゼーションを解析する技術である。このDNAチップ技術を実施する場合に、前記反応領域中に前記検出用ヌクレオチド鎖を伸長した状態で固定しておくことができれば、分子高次構造に起因する立体障害や前記検出用ヌクレオチド鎖と周辺表面との干渉(例えば、付着や接触)による障害がなくなるので、ハイブリダイゼーションの効率が向上すると考えられる。
このため、既述した第二の背景技術のDNAチップ技術への応用を鋭意研究した結果、基板上の反応領域中に、検出用表面として機能する電極を予め配置しておいて、この電極とこれに対向する電極との間で、反応領域中の液相に電界を印加することによって、該液相中にランダムコイル状で存在する検出用ヌクレオチド鎖を誘電泳動の作用で伸長させ、かつ前記電極エッジにその末端部位を固定させるという手段を案出することができた。しかし、この手段をより確実に実施できるようにするためには、実験手順上での操作性が良く、かつ電極強度に優れた電極構成を開発することが必要であるという結論を得た。
そこで、本発明は、DNAチップに代表されるバイオアッセイ用基板に適した電極ユニットを提供することを主な目的とする。
まず、本発明では、物質間の相互作用の場を提供する反応領域中に、この反応領域に臨むように設けられた検出用物質固定用の検出表面として機能する第1電極を予め設けておいて、この第1電極と対向可能な位置に第2電極が設けられている電極ユニットを外観視フレーム状の形状とし、その枠部端面部に前記第2電極を形成するように工夫した。
上記構成である電極ユニットは、例えば、反応領域が形成されている基板上に重ね合わすように予め固定配置させておいたり、あるいは可動式として、必要なタイミングで前記反応領域に対向するように脱着させたりすることが可能である。いずれの場合でも、電極ユニットに設けられている第2電極は、反応領域中に貯留された液相等に浸漬して前記第1電極との間で対向電極を形成して、適宜の通電手段によって前記液相に電界を印加できるように構成されている。
この電極ユニットは、一つの反応領域のみを対象とするユニット構成(最小単位のユニット構成)のほかに、複数の反応領域を対象とするユニット構成とすることもできる。後者の構成の電極ユニットは、基板上に配設された複数の反応領域の中から選択された所定個数の反応領域群を一度に電界形成の対象とすることができる。即ち、前記反応領域群に属する各反応領域に形成された第1電極のそれぞれとの間で対向電極を形成して、前記各反応領域に対して同時に電界を印加できる。
本発明に係る電極ユニットの「フレーム形状」とは、三角形、四角形その他の多角形、円形、楕円形等の所定形状の孔を備える枠体形状を意味し、例えば、外観視したときには窓枠様の形態をなす形状を意味し、狭く解釈されない。複数の反応領域を対象とするユニット構成では、全体の外観が格子状あるいは網目状の形態をなすようになる。第2電極は、これらの孔を横断又は縦断する枠部の反応領域(の第1電極)に臨む端面部位に形成することができる。
ここで、この電極ユニットに形成された前記孔(又は孔群)は、当該電極ユニットの上方側から(標的物質を含む)サンプル水溶液を下方側の基板の反応領域に向けて滴下する際における溶液通過孔として活用することができる。
そして、前記第2電極部以外の箇所を疎水性としておけば、前記箇所がサンプル水溶液とは逆の親媒性となる結果、電極ユニットの前記孔に対して滴下されてきたサンプル水溶液が電極ユニットに付着してしまうのを防止できるので、前記サンプル水溶液をスムーズに反応領域中に滴下できるという利点が得られる。
また、前記第2電極を、前記した位置の枠部端面からさらに前記反応領域側に向けて突出させた凸部端面位置に設けるようにすれば、第2電極が反応領域中に入り込むようになる。即ち、電極ユニットの第2電極部分を液相等に確実に浸漬させることができるので、対向する第1電極との間で、前記液相等に電界形成を確実に行うことができるようになる。
また、前記第2電極の表面を誘電体材料で被覆しておくことによって、該第2電極が保護されるので、該第2電極の強度及び耐久性、ひいては電極ユニットの強度及び耐久性を向上させることができる。
以上に説明したような構成を備える電極ユニットを採用すれば、物質間の相互作用の場を提供する反応領域に臨むように設けられた検出用物質固定用の検出表面として機能する「第1電極」と該電極ユニットの「第2電極」との間で、基板上の前記反応領域に貯留された液相等に電界を形成することができる構成を備える物質間の相互作用検出部や該相互作用検出部が設けられたDNAチップその他のバイオアッセイ用基板を提供できる。
本発明における相互作用とは、物質間の非共有結合、共有結合を含む化学的結合あるいは解離を広く意味し、例えば、ヌクレオチド鎖間の相補的結合であるハイブリダイゼーションを含む。
本発明に係る電極ユニットは、物質間の相互作用を検出する目的で行われる、基板上での一連のバイオアッセイ手順において、基板上の所望の反応領域を選択してこれに対向配置させておき、電極間(第1電極−第2電極間)に電圧を印加するという簡易な操作によって、確実かつ容易に任意の反応領域中の液相等に電界を形成することができる。また、電極部位を誘電材料で被覆しておくことで、電極強度や耐久性を向上させることができるので、繰り返し使用に適している。
また、本発明に係る電極ユニットの基本形は、単純なフレーム形状を有している結果、このフレ−ム形状が連続的に広がるような形態も適宜採用できる。このため、電界形成が必要となる反応領域の範囲や個数に適したサイズや形態の電極ユニットを自由に設計できるので非常に便利である。このため、本電極ユニットは、基板上に多数の反応領域が設けられており、これらの反応領域に電界を形成する手段を採用したようなDNAチップ等のバイオアッセイ用基板に好適である。
以下、本発明を実施するための好適な形態について、添付図面を参照しながら説明する。まず、図1は、本発明に係る電極ユニットとして好適な第一実施形態の最小基本単位構成を説明する図である。なお、図1中のX部は、前記電極ユニットの枠部を拡大して示している。
図1中に示された符号1aは、本発明に係る電極ユニットの好適な第一実施形態を示している。符号2は、基板(の一部領域)、符号21は、同基板2に形成された上方に開口するウエル形状(凹部形状)の反応領域をそれぞれ示している。また、符号Eは、前記反応領域21の底面中央位置に配置された第1電極を示している。
この第1電極Eは、DNAプローブ等の検出用物質Dが固定化される検出表面として機能し、例えば、金、アルミニウム等の金属で形成されており、後述する第2電極Eとの間で電圧が印加される。図1中の符号Rは、前記反応領域21中に貯留されている状態の液相等を示している。
基板2は、光学的に記録情報の読み取りが可能とされた基板であって、石英ガラスやシリコン、ポリカーボネート、ポリスチレンその他の合成樹脂によって形成されている。一方の前記電極ユニット1aも前記基板2同様の基材で形成することができる。
図1に示すように、電極ユニット1aの全体的な外形は長方形を有しており、二つの四角形孔11、11が窓様に並設されてなるフレーム形状を備えている。そして、前記四角形孔11、11を左右に仕切るように、電極ユニット1aの長手方向中央位置には枠部12が形成されている。この枠部12の下側端面121には、第2電極Eが形成されている(図1参照)。なお、第2電極Eは、上記第1電極E同様に、金、アルミニウム等の金属で形成されており、上記した第1電極Eとの間で電圧が印加される構成となっている。
前記電極ユニット1aを上方視したときの縦横サイズは、下方の反応領域21の同縦横サイズよりも少し大きく設計されている(以下のすべての実施形態でも同様)。この結果、該電極ユニット1aは、反応領域21を取り囲む基板部位に接して定着することが可能となっている。電極ユニット1aが基板2に定着した状態を図2に示す。この図2は、電極ユニット1aが、反応領域21に対向するように正確に位置合わされて基板2に定着したときの様子を上方視した図である。
続いて、図3は、前記した図2中に示されているI−I線矢視断面図、図4は、同図2中に示されているII−II線矢視断面図である。
まず、図3に示すように、電極ユニット1aに形成された四角形孔11、11は、符号3で示すノズルから滴下されてくるサンプル水溶液4を通過させるための孔として使用することができる。サンプル水溶液4の例としては、検出用物質Dと特異的な相互作用(例えば、ハイブリダイゼーション)を示す標的物質Tを含むバッファー水溶液を挙げることができる。
なお、前記電極ユニット1aの第2電極E以外の箇所、より具体的には、電極ユニット1aの上面や四角形孔11の内壁面、第2電極E以外の下面を疎水性処理しておくことによって、親水性のサンプル水溶液4と反対の親媒性となるため、該水溶液4をはじいて、反応領域21へスムーズに滴下させることが可能となる(後述する他の実施形態でも同様)。
ここで、電極ユニット1aの第2電極Eは、既述したように枠部12の下側端面121に形成されている。この第2電極Eを、図3中のY部に拡大して示すように、その表面を誘電材料層Fで被覆した構成とすることもできる(後述する他の実施形態でも同様)。
前記誘電材料層Fの代表例としては、二酸化ケイ素(SiO)で形成した膜を挙げることができ、また、第2電極Eをアルミニウムで形成した場合には、これを酸化処理して得られるアルミナ(Al)膜を誘電材料層Fとして機能させることができる。
このような誘電材料層Fは、導電性の層であるので、第2電極Eを用いた電界形成の障害になることがなく、かつ当該第2電極Eを、脱着動作等の際の物理的衝撃等から保護するための層としての役割を有効に果たすことから、電極強度や耐久性の向上に役立てることができるので、好適である。
ここで、例えば、図1や図4を見れば容易に理解可能なように、第1電極Eのサイズ(面積)は、第2電極Eのサイズ(面積)よりも小さく形成するように工夫しておくことができる。このような構成を採用することによって、第1電極Eへの電気力線G(図5参照)の集中効果を高めることができる。
さらに、スパッタリングやエピキタシー蒸着その他の蒸着による表面形成技術とエッチング技術などの表面を部分的に剥がす技術とを組み合わせた技術等を利用することによって、第1電極Eの電極表面部位が粗面状あるいは島状になるように表面加工しておくことによって、電気力線Gがより集中し易いエッジ状部分や極小電極部分を電極表面に多数形成しておくことが望ましい。
このような電気力線の集中は、検出用物質DがDNAプローブ等のヌクレオチド鎖である場合において、電気力線が一部に集中する不均一電界が液相中に形成されるので、該ヌクレオチド鎖は電気力線が集中する電極部位に向かって移動するという作用が発揮される。
即ち、誘電泳動と呼ばれる電気力学的効果により、高周波電界の作用で分極したDNAプローブ等のヌクレオチド鎖を直線状に引き伸ばしながら、自発的に第1電極Eへと引き寄せ、その電極表面あるいはエッジに対して、前記DNAプローブ等のヌクレオチド鎖の一端を接した形で固定できる。なお、図5は、その分子鎖が直線状に引き伸ばされた検出用物質Dsの一端が第1電極Eに固定された状態を、電気力線Gとともに示している。
このような第1電極Eへの検出用物質Dの固定化作業は、検出用のDNAプローブ等が固定化されたDNAチップを製造する工程において、好適に利用することができる。
次に、電極ユニット1aの枠部12の端面121には、添付した図6に示すような凸部122を形成することもできる(後述する他の実施形態でも同様)。具体的には、前記凸部122は、枠部12の端面121からさらに下方の反応領域21側に向けて突設されており、この凸部122の下方端面1221に第2電極Eを形成する。
このような構成を採用することによって、凸部122が反応領域21中に入り込むため、当該第2電極Eが確実に液相R等に浸漬されることになり、第1電極E−第2電極E間の液相Rでの電界形成を確実に実施することができる。なお、凸部122の下方端面1221に形成された第2電極Eについても、第1電極Eよりも大きなサイズ(広い面積)に形成した方が、第1電極Eへ電気力線が集中し易くなり、ヌクレオチド鎖が該第1電極Eへ固定され易くなるのでより好適である(図6参照)。
続いて、図7は、本発明に係る電極ユニットとして好適な第二実施形態の構成を説明する図である。図7中の符号1bは、第二実施形態である電極ユニットを示している。
この電極ユニット1bは、所定形状の基板2上に設けられた二つの反応領域21,21を対象とする構成である。反応領域21,21の各上方には、四角形孔11,11がそれぞれ所定間隔で並設されており、全体外観視格子状あるいは網目状とも言える形態をなしている。なお、電極ユニット1bの四角形孔11,11も、既述した第一実施形態同様に、サンプル水溶液滴下用の孔として利用できる。
第2電極Eは、反応領域21上に並設されている各四角形孔11,11を仕切る枠部12,12の下側端面部位にそれぞれ形成されている。各第2電極E,Eは、各反応領域21,21の底面に配置されている第1電極E,Eのそれぞれの上部に位置して二対の対向電極を形成し、これらの対向電極によって、反応領域21,21の各液相R,Rにそれぞれ高周波電界等の電界を形成することが可能な構成となっている。
続いて、図8は、本発明に係る電極ユニットとして好適な第三実施形態の構成を説明する図、図9は、図8中に示されたIII−III線矢視断面図である。図8、図9中の符号1cは、第三実施形態である電極ユニットを示している。
この電極ユニット1cは、所定形状の基板2上に設けられた上方視円形の二つの反応領域22,22を電界形成の対象とする構成であり、反応領域22,22の各上方位置に円形孔13,13が所定間隔で並設されている。なお、電極ユニット1cの円形孔13,13も、既述した第一実施形態同様に、サンプル水溶液滴下用の孔として利用できる。
各円形孔13,13の直径線上には枠部14,14がそれぞれ形成されている。枠部14,14の下側端面141,141にはそれぞれ下方側に突設された凸部142,142が形成されており、この凸部142,142のそれぞれの下側端面1421,1421には第2電極Eが設けられている(特に図9参照)。
各第2電極E,Eは、基板2上の各反応領域22,22の底面に配置されている第1電極E,Eのそれぞれの上部に位置して二対の対向電極を形成し、これらの対向電極によって、各反応領域22,22の液相R,Rにそれぞれ高周波電界等の電界を形成することが可能な構成となっている。
なお、図7に示された電極ユニット1bや図8(及び図9)に示された電極ユニット1cは、いずれも基板2上に形成された二つの反応領域21,21(22,22)を電界形成の対象とする構成であるが、これは、電界形成の対象とする反応領域数を二つに限定する趣旨ではない。
即ち、図面に開示されたような電極ユニット1bや1cのような基本形態を連続的に拡大していけば、所望する数分の反応領域を電界形成の対象とすることができる電極ユニットを自由に設計することが可能である。
例えば、図10に示されたような外観視円盤状の基板2上に、所定規則に基づいて配列された反応領域21群の全体を一度に電界形成の対象とすることができる電極ユニット(図示せず)や例えば図10の符号5、6、7で示されたような一部領域内の反応領域21グループのみを電界対象とすることが可能な電極ユニット(図示せず)を提供することができる。
また、上記したような電極ユニット1a〜1c、あるいはこれらを必要数形成して、格子状あるいは網目状の形態をなす、より広い面積をカバーする電極ユニットを形成し、これらの電極ユニットを必須の構成部材とした物質間の相互作用検出部やバイオアッセイ用基板、あるいはバイオアッセイ装置を提供することができる。
前記相互作用検出部やバイオアッセイ用基板では、反応領域21(22)の第1電極Eに予め固定化されているDNAプローブ等の検出用物質Dを、第1電極Eと第2電極Eとの間の高周波電界の作用で伸長させ、この伸長状態とされた検出用物質Dに対し、同電界の作用を用いて、サンプル水溶液4(図3参照)中に含まれる標的物質T(図3参照)を伸長させながら第1電極Eに引き寄せた後、電界オフの状態で物質の自然なブラウン運動に委ねる反応環境を形成するようにする。このような手順を実施することにより、物質間の特異的な相互作用(例えば、ハイブリダイゼーション)を、物質の高次構造形態が原因して発生する立体障害による悪影響や検出用物質Dと第1電極Eとの間の干渉を排除しながら、効率的に進行させることができる。
そして、基板2上に設けられたいずれかの反応領域21(22)中において進行した相互作用の検出は、第1電極E表面に固定された検出用物質Dに予め標識されている蛍光物質や相互作用を示した物質に結合する蛍光インターカレーター等に対して、所定波長の蛍光励起光を照射し、これを検出する公知の光学的検出手段によって、実施することができる。
本発明に係る電極ユニットは、基板上に形成された反応領域中の第1電極と対向電極を構成する第2電極が、簡易なフレーム形状の枠部端面に設けられている基本単位構成を備えている結果、この基本単位構成を必要数形成した構成を自由に設計できる。このため、所望する数の反応領域群や所定範囲内(所定グループ内)の反応領域群のすべての液相等の反応場に対して、同時に高周波電界等の電界を形成する際に利用することができる。
また、本発明に係る電極ユニットの第2電極部分を誘電体材料から膜で被覆しておくことによって、電極部分の強度が増して耐久性が向上するため、繰り返し使用により適したものとなる。
このような電極ユニットを用いる物質間の相互作用検出部や該検出部を備えるバイオアッセイ用基板では、電極ユニットの操作性がよいので、アッセイ作業の効率を向上させることができるとともに、電界の作用効果を有効に利用して、物質間の相互作用を短時間の間に、効率よく確実に進行させることができる。例えば、ハイブリダイゼーションを短時間の間に、効率よく確実に進行させることができるので、本発明はDNAチップ技術に利用するのに適している。
本発明に係る電極ユニット(1a)として好適な第一実施形態の最小基本単位構成を説明する図である。 電極ユニット(1a)が反応領域(21)に対向して基板(2)に定着した様子を上方視した図である。 図2中に示されているI−I線矢視断面図である。 同図2中に示されているII−II線矢視断面図である。 直線状に引き伸ばされた検出用物質(Ds)の一端が第1電極(E)に固定された状態を電気力線Gとともに示すII−II線矢視断面図である。 枠部(12)に突設された凸部(122)の端面に第2電極(E)が形成されている形態構成を説明するためのII−II線矢視断面図である。 本発明に係る電極ユニットとして好適な第二実施形態の構成を説明する図である。 本発明に係る電極ユニットとして好適な第三実施形態の構成を説明する図である。 図8中に示されたIII−III線矢視断面図である。 本発明に係る電極ユニット(1a等)を適用可能なバイオアッセイ用基板の一例を示す図である。
符号の説明
1a,1b,1c 電極ユニット
2 基板
11 (電極ユニット1a又は1bの)四角形孔
12 (電極ユニット1a又は1bの)枠部
13 (電極ユニット1cの)円形孔
14 (電極ユニット1cの)枠部
21,22 反応領域
122,142 凸部
1221,1421 凸部端面
第1電極
第2電極
F 誘電体材料層
R 液相

Claims (10)

  1. 物質間の相互作用の場を提供する反応領域に臨むように設けられた検出用物質固定用の検出表面として機能する第1電極と対向可能な位置に第2電極が設けられている電極ユニットであって、
    前記電極ユニットは外観視フレーム状の形状を有し、その枠部端面部に前記第2電極が形成された電極ユニット。
  2. 複数の前記反応領域を対象として対向配置されることを特徴とする請求項1記載の電極ユニット。
  3. 前記フレーム形状は、格子状又は網目状をなすことを特徴とする請求項2記載の電極ユニット。
  4. 前記第2電極以外の箇所が疎水性であることを特徴とする請求項1記載の電極ユニット。
  5. 前記第2電極は、前記枠部端面部からさらに前記反応領域側に向けて突出された凸部端面に設けられていることを特徴とする請求項1記載の電極ユニット。
  6. 前記第2電極の表面が誘電体材料で被覆されたことを特徴とする請求項1記載の電極ユニット。
  7. 請求項1記載の第1電極と第2電極との間で前記反応領域に貯留された液相に電界を形成することを特徴とする物質間の相互作用検出部。
  8. 前記相互作用は、ハイブリダイゼーションであることを特徴とする請求項7記載の物質間の相互作用検出部。
  9. 請求項7記載の相互作用検出部が設けられたことを特徴とするバイオアッセイ用基板。
  10. 前記相互作用は、ハイブリダイゼーションであることを特徴とする請求項9記載のバイオアッセイ用基板。
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JP2007508554A (ja) * 2003-10-16 2007-04-05 ホンコン・ディエヌエイ・チップス・リミテッド 生物サンプル中の核酸を検出するための器具および方法
JP2007212248A (ja) * 2006-02-08 2007-08-23 Toppan Printing Co Ltd ハイブリダイゼーションの検出方法
WO2017033898A1 (ja) * 2015-08-25 2017-03-02 旭硝子株式会社 細胞培養装置および生体試料製造方法
JP2018031740A (ja) * 2016-08-26 2018-03-01 国立大学法人東京海洋大学 電極およびバイオセンサ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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