JP2005083754A - 濡れ性測定装置および測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 微小液滴が濡れ広がる速度を高い時間分解能で精度良く測定する。
【解決手段】 インクジェットヘッドからなる液滴パターン形成手段20で基板30の表面に液滴パターンを形成する。液滴の濡れ面積は、液滴の濡れの有無で入射光に対する全反射条件が異なる事を利用して、全反射光の反射光強度変化として計測する。基板と液体の接触界面のみの変化を捕らえることができるため、濡れ面積を極めて正確に計測することが可能となる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、液体と固体表面の濡れ性を評価する技術に関し、詳しくは、液体が固体表面に付着した後に付着面積(濡れ面積)が動的に変化する、つまり濡れが広がる現象を極めて高い時間分解能で精度良く測定する技術に関する。
液体と固体表面の濡れを規定する指標として、液体表面が固体表面と接する線(以下コンタクトラインと呼ぶ)上で、液体表面の接平面が固体表面となす角度、すなわち接触角が一般的に利用される。この接触角には、コンタクトラインが濡れ面積を広げる方向に移動しようとする時の前進接触角と、濡れ面積を狭める方向に移動しようとする時の後退接触角があり、これらの前進・後退接触角はコンタクトラインの移動速度で変化することが知られている。このような接触角の動的な変化、つまり動的濡れ性は液体と固体の相互作用の結果として生じ、液体を利用した種々の工業プロセスにおいて重要な管理項目である。動的濡れ性の測定方法は、非特許文献1に詳しく紹介されている。
一方、近年インクジェットヘッドを用いた電子材料のパターン形成方法が注目を集めている。インクジェットヘッドは数ピコリットルと言う極めて微小な液体を液滴として噴射することができるため、数十ミクロンのパターンを基板表面に自由に描画することができる。直径数十ミクロンの液滴は、基板表面に着滴したのち、数十マイクロ秒から数十ミリ秒と言う極めて短い時間内で濡れ広がる。この濡れ広がりの挙動は最終的に得られる液滴パターンを決定するため、インクジェット技術を利用して高精細なパターンを形成する上で、この濡れ広がり挙動を把握することが極めて重要である。
しかしながら、これまで装置として提案されている従来技術の多くは、例えば数十マイクロ秒や数百マイクロ秒と言う極めて短い時間の動的な濡れ挙動を測定することは不可能であった。また、数ミクロンから数十ミクロンと言う微小な領域の濡れを測定することは極めて困難であった。
このような微小で短時間の濡れ挙動を観察する一つの方法として、インクジェットで噴射した液滴が基板に着弾し濡れ広がる様子を、横から超高速度カメラで撮影し、画像解析で濡れ面積の変化を計測する方法がある。
Dussan V., Annual Review of Fluid Mechanics, vol. 11, pp371 (1979)
しかし、超高速度カメラは空間分解能が低くコンタクトラインの検出精度が低いため、精密に濡れ面積の測定ができないという問題がある。また、一度に撮影できる駒数が極めて少ないため、駒の時間間隔を変えながら数多くの測定を行わなければならないと言う煩雑さがある。更に、超高速度カメラは極めて高額であること、着滴の瞬間・場所を捉えるのにセッティングが難しいことから、安価で簡便に微小時間の濡れ挙動を測定できる方法が強く求められている。
この発明は、従来技術における上述した課題を解決するためになされたものであり、極めて微小な液体が固体基板表面で濡れ広がる挙動を、高い時間分解能で精密にかつ安価で容易に測定可能な技術の提供を目的とする。
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の第1の濡れ性測定装置は、次の構成を採用した。すなわち、
測定対象である液体を噴射するインクジェットヘッドからなる液滴パターン形成手段と、この液滴パターン形成手段と対向して配置され、一方の表面に液滴パターンが形成される基板と、この基板の他方の表面側から測定光を照射する光源と、この測定光を計測する受光素子とからなる反射光強度測定手段と、を備え、
前記反射光強度測定手段は、前記基板の前記液滴パターンが形成される表面に前記測定光を照射し、この表面からの前記測定光の反射光強度を前記受光素子で測定するように構成され,前記液滴パターン形成手段が前記基板表面に液滴パターンを形成する過程の前記反射光強度を用いて、前記液滴パターンの付着面積の時間変化を測定する機能を備えていることを要旨とする。
かかる本発明の第1の濡れ性測定装置においては、液滴パターンが形成されている表面の反対側の表面から測定光を照射し、基板表面と液滴パターンの付着面積をこの付着面からの反射光強度を測定することで見積ることができる。反射光強度は極めて時間分解能で容易に測定できるため、インクジェットヘッドで形成した極めて微小な液滴に対して極めて微小な時間の濡れ広がり挙動を計測することが可能となる。
また、本発明の第2の濡れ性測定装置は、前述した課題の少なくとも一部を解決するために、次の構成を採用した。すなわち、
請求項1記載の濡れ性測定装置であって、前記液体が前記基板より大きい屈折率を持つ場合に、前記反射光強度測定手段は、前記液滴パターンが形成されていない前記基板表面に対して、測定光が全反射条件を満たす角度で前記基板表面に入射するよう構成されていることを要旨とする。
かかる第2の濡れ性測定装置において、屈折率の大きな媒質から小さな媒質に光が入射する場合に、基板表面に対する光の入射角が両媒質の屈折率比で決まる臨界角を越えると、入射光が全て反射される全反射が起こる。また、屈折率の小さな媒質から屈折率が大きな媒質に光が入射する場合には全反射は起こらない。空気は固体より屈折率が小さいため、基板表面から空気側に出ようとする測定光は臨界角を超えると全反射を起こし、強い反射光が得られる。しかし、基板表面に基板より大きな屈折率の液体が付着した場合には全反射が起こらなくなるため、反射光は著しく弱くなる。したがって、液滴の付着の有無で反射光の強度が大きく変化するため、大きな信号比が得られ、ノイズに影響されず高精度な測定が可能となる。
本発明の第3の濡れ性測定装置は、前述した課題の少なくとも一部を解決するために、次の構成を採用した。すなわち、
請求項1記載の濡れ性測定装置であって、前記液体が前記基板より小さい屈折率を持つ場合に、前記反射光強度測定手段は、前記液滴パターンが形成されていない前記基板表面に対して測定光が全反射条件を満たし、前記液滴パターンが形成されている前記基板表面に対して全反射条件を満たさない角度で前記基板表面に入射するよう構成されていることを要旨とする。
かかる第3の濡れ性測定装置において、液体の屈折率が基板より小さいため基板と液体の屈折率比で決まる臨界角θc2以上では全反射が起こる。しかしこの臨界角θc2は基板と空気との界面での臨界角θcに比べ大きいため、基板表面への入射角θ1をθc<θ1<θc2を満たす角度に設定することにより、液体付着の有無で全反射をオン・オフすることができ、大きな信号比が得られ、ノイズに影響されず高精度な測定が可能となる。
また、かかる第1の濡れ性測定装置に対応した本発明の濡れ性測定方法は、
インクジェットヘッドからなる液滴パターン形成手段で基板の一方の表面に液滴パターンを形成した時の、液滴と前記基板表面との濡れ面積の時間変化を測定する濡れ性測定方法であって、前記基板表面において、前記液滴の濡れの有無による全反射条件の変化を反射光強度の変化として計測し、前記濡れ面積を測定することを要旨とする。
微小液滴の濡れ面積の測定では、極めて小さな面積の変化を捉える必要があるため、面積変化に対して大きな信号変化を得る必要がある。また、濡れ広がりの先端であるコンタクトライン近傍は液体の厚さが極めて薄いため、通常の液体内部での光吸収に影響を受ける反射光を用いた計測方法では、液滴が濡れ広がり液体厚さが薄くなると測定誤差が大きくなってしまう。また、透明な液体の測定は困難である。しかし、全反射を利用する本方法は基板と液体の接触界面のみの変化を捕らえることができるため、濡れ面積を極めて正確に計測することが可能となる。
以下、次に示す順序に従って、本発明の実施をするための最良の形態を、図を用いて詳細に説明する。
A.濡れ性測定装置の装置構成:
B.濡れ面積の測定原理:
C.測定手順:
A.濡れ性測定装置の装置構成:
本発明の実施の形態を、実施例に基づいて説明する。図1は、本発明の濡れ性測定装置10の全体構成を示す説明図である。図示するように、濡れ性測定装置10は、測定対象である液体を液滴21として噴射するインクジェットヘッド20と、インクジェットヘッド20のノズルと対向して配置された基板30と、この基板30に対してインクジェットヘッド20と反対側から測定光を照射する光源40と、基板の表面31から反射した測定光41を測光する受光素子50と、装置の動作全体を制御するコントローラ60と、出力データの解析をするコンピュータ70とから構成されている。
インクジェットヘッド20は、一列に配置された複数のノズルを有し、複数の液滴21を同時に噴射して基板30上に液滴パターンを形成することができる。インクジェットヘッド20はガイドレール22にしたがって左右に移動するようモータ23で制御され、基板30の表面31の予め指定された位置に正確に液滴パターンを形成できるように構成されている。コントローラ60は液滴パターンデータを持ち、測定開始信号を受けるとモータ23を制御してインクジェットヘッド20を基板30の測定領域、即ち測定光41が照射される領域に移動させるとともに、インクジェットヘッド20に液滴噴射の駆動信号を出力する。インクジェットヘッド20は、この液滴噴射の駆動信号を受けると液滴21を噴射し、基板30の表面に液滴パターンを形成する。液滴の噴射はモータ23によりインクジェットヘッド20が移動しながら行われる。もちろんインクジェットヘッド20を静止した状態で噴射させることも可能である。コントローラ60はまた、駆動信号の出力に先立ちコンピュータ70へ測定開始信号を付与する。この測定開始信号によりコンピュータ70は受光素子50からの出力計測を開始し、しかる後に計測結果を解析して濡れ面積の時間変化を算出する。
基板30は測定光に対して透明であり、その液滴パターンが形成される表面には評価目的に応じた表面処理がなされている。表面に測定光41の波長より厚い膜を形成した場合には、この形成された膜の屈折率が後に述べる全反射条件を規定する。基板30と膜との界面で全反射が生じないように、基板30と膜の屈折率がほぼ同じとなるように基板30の材料を選ぶ必要がある。表面処理膜が例えば単分子膜のように測定光41に比べ十分に薄い場合は、基板30の屈折率が全反射条件を規定することになる。
測定光41を照射する光源40はレーザダイオードあるいは発光ダイオードが適している。これらの光源にはコリメータ光学系を組み込むことで、基板30上で液滴パターンが形成される微小領域に平行な測定光41を照射することができる。光源40は基板30に対してインクジェットヘッド20と反対側から斜めに測定光41を照射するように配置されている。測定光41は基板表面への入射角と等しい出射角で反射をして、この出射角の方向に配置された受光素子50で反射光強度として測定される。基板30に対する光源40と受光素子50の配置は、後述する基板と測定対象の液体で決まる全反射の臨界角に対応するため入射角を調整できる固定台に設置されている。
反射光強度に対応した受光素子50からの出力電圧は、コンピュータ70に組み込まれたA/D変換器でデジタルデータとしてコンピュータプログラムに取り込まれる。コンピュータプログラムはコントローラ60から測定開始信号を受けるとA/D変換器からデータの取り込みを開始する。サンプリング条件は例えば16ビット、5μ秒間隔で行われる。16ビットの分解能を十分に生かすため、出力電圧は適切なオフセットとゲイン調整を施した後、A/D変換器に取り込まれる。コンピュータプログラムによるデータ解析の方法は後述する。
B.濡れ面積の測定原理:
次に、上述した濡れ性測定装置10を用いて濡れ面積の時間変化の測定原理を説明する。
図2は球形の液滴21が基板30の表面に着滴したのちの液滴の形状変化を、時間を追って模式的に表したものである。時刻t=0で基板表面に接触した飛翔液滴(図2(a))は、液滴の持つ運動エネルギにより基板表面で潰れるように濡れ広がる(図2(b))。その後液体の持つ表面張力により球形近い形状に復帰する(図2(c))。ここまでのプロセスは極めて短い時間で行われる。図2(c)の示す接触角φ1がこの液体が基板表面に対して持つ静的な前進接触角φ2と比較して大きい場合は、液滴はしばらくしてから徐々に濡れ広がり、最終的には図2(d)で示すように静的な前進接触角φ2を持つ球面が得られる。
次に、液滴の有無による全反射の変化を説明する。始めに図3を用いて全反射について説明する。図3は媒質1から媒質2に向かって下側から測定光が両媒質の境界面に対して入射角θ1で入射している状況を示している。境界面に入射した入射光は同じ角度θ1を持つ反射光と、媒質2を伝播する透過光に分かれる。この時透過光が両媒質の境界面に対してなす出射角θ2は、媒質1の屈折率をn1、媒質2の屈折率をn2とすると、次式の関係を満たしている。
Figure 2005083754
ここで、n1 > n2の場合、即ち媒質1の屈折率が媒質2の屈折率より大きい場合には、
Figure 2005083754
を満足する入射角θ1(θ1≦90°)が存在し、この式2を満たす入射角θ1に対して式1を満足するθ2は存在しない。したがって、式2を満たす入射角に対して光は媒質2に入ることはできず、全ての光が反射することになる。式2の等号で与えられる入射角度θc
Figure 2005083754
を全反射条件の臨界角と呼び、このθcより大きな角度で入射する光は全反射することになる。
次に、屈折率がn3の液体からなる液滴が基板30の表面に付着したときの測定光の反射・透過現象を二つの場合:(1)液体の屈折率n3が基板の屈折率n1より大きい場合,(2)液体の屈折率n3が基板の屈折率n1より小さい場合についてそれぞれ説明する。以下の議論において、上記の媒質2は空気でありほぼ1の値となる。
図4は液体の屈折率n3が基板の屈折率n1より大きい場合について、液滴の無い基板表面に入射する入射光1と液滴の有る基板表面に入射する入射光2の経路を示している。測定光の基板表面に対する入射角θ1は液滴の無い基板表面における臨界角θcより大きく設定してあり、したがって入射光1は基板表面で全反射する。一方、液滴の有る基板表面では、液体の屈折率n3が基板の屈折率n1より大きいため、全反射条件
Figure 2005083754
を満足する入射角θ1は存在せず、全反射は起こらない。したがって、液体が付着した領域からの反射光強度は液体が付着していない領域からの反射光強度と比較して極めて小さくなるため、この反射光強度の減少量から液滴付着面積を容易に検出することができる。即ち、液体の屈折率n3が基板の屈折率n1より大きい場合には、式3で与えられる臨界角θcより大きな入射角θ1で入射するように測定光を調整することで、液体の無い表面からは全反射光を、液体が有る表面からは極めて弱い通常の反射光が得られ、液滴の有無を反射光強度の変化として高感度に検出することが可能となる。ところで、図4の条件では液体内に透過した光は液体と空気の界面で全反射してしまい、この全反射光がノイズとなって検出精度を低下させる可能性が危惧される。しかし、実際は液滴表面が球面であるため全反射光は散乱してしまい、ある程度の距離を離れた受光素子には殆ど入射しないため問題とはならない。それであっても液滴の前進接触角が極めて小さい場合には、液滴表面は平坦に広がり液滴表面からの全反射光の影響を無視することができなくなる。このような場合には、液体を染料で着色し液体内部で透過光を吸収する必要が生じる。
次に、液体の屈折率n3が基板の屈折率n1より小さい場合について説明する。図5には、液滴の無い基板表面に入射する入射光1と液滴の有る基板表面に入射する入射光2の経路が示されている。測定光の基板表面に対する入射角θ1は液滴の無い基板表面における臨界角θcより大きく設定してあり、したがって入射光1は基板表面で全反射する。一方、液滴の有る基板表面では、液体の屈折率n3が基板の屈折率n1より小さいため、臨界角
Figure 2005083754
より大きな入射角の場合、全反射が起こる。ここで、n2 < n3 < n1であるため、
Figure 2005083754
の大小関係がある。したがって、入射角θ1が式5で与えられる臨界角θc2より大きい場合には、液滴の有無に関係なく全反射が起こるため、液滴の有無を検出することは不可能である。そこで、入射角θ1を二つ臨界角の間に設定する。即ち、
Figure 2005083754
の条件を満足する入射角θ1を選択することで、液体の無い表面からは全反射光を、液体が有る表面からは極めて弱い通常の反射光が得られ、液滴の有無を反射光強度の変化として高感度に検出することが可能となる。
さて、これまでは基板20と液滴パターンとの界面の反射を述べてきた。一方、これまで述べてきた全反射条件を満たす測定光を基板と液滴パターンの界面に入射させるには、基板20に上記入射角を満足するような測定光を基板の反対側から入射する必要がある。しかし、図6において、平行な表面からなる基板に一方の面から入射し、他方の面から出射する光線経路から明らかなように、入射角θaと出射角θbは等しくなるため、全反射条件で出射角θbが存在しない場合は、入射角θaも存在しない。つまり、全反射条件を満足する入射角を持つ光線を基板に導入することはできない。
この問題を解決する方法は幾つか考えられる。一つの方法は、図7に示すように、測定光が基板に入射、基板から出射する面にプリズムを貼り付け、入射角・出射角が全反射の臨界角を超えないようにする方法である。
もう一つの方法は、基板面と光源と受光素子の間を基板と同じ屈折率を持つ媒質で満たす方法である。光導波路で光源と基板、基板と受光素子を接続する方法もこれに該当する。
また、液滴パターンが形成される基板表面の反対側の表面から測定光を照射する方法以外に、基板の端面から全反射条件を満たす角度で測定光を入射して、対向する基板表面間で全反射を繰り返しながら基板内を導波路として光を伝播させて、測定領域に測定光を導き、この測定領域を通過した反射光を反対側の基板端面から取り出して受光素子で測光する方法も利用できる。
C.測定手順:
実際に液滴パターンを用いて濡れ広がりを測定する前に、測定対象である液体の屈折率を別途測定する。この液体の屈折率が基板の屈折率より大きいか小さいかにより、先に述べたように入射角に関する条件が少し異なっている。しかし、液滴パターンが無い時の全反射の臨界角θcより僅かに大きな入射角に設定しておけば、殆どの液体に対して全反射が発生しないよう装置を対応させることができるため、通常は入射角θ1をθc+5°を標準にした。しかし、液体の屈折率が基板の屈折率より小さく、かつ基板の屈折率に近い場合は、より臨界角θcに近い角度に調整する。
測定に先立ち、測定対象である液体をインクジェットヘッド20から噴射できるように充填する。濡れ面積から接触角を算出する必要がある場合には、事前に液滴の体積を測定しておく。
測定が開始するとコントローラ60はインクジェットヘッド20を基板上の測定領域に対向した位置に移動させる。そして、測定領域に到達する前に測定開始信号をコンピュータ70に送り、この測定開始信号によりコンピュータ70はデータの計測を開始する。
インクジェットヘッド20が測定領域に到達した時点で、コントローラ60は液滴噴射の駆動信号をインクジェットヘッド20へ印加して、噴射した液滴は基板20条の指定された測定領域に正確に液滴パターンを形成する。この液滴パターンは、一つ一つの液滴が分離孤立したドット状パターンでも良いし、液滴が繋がった線状パターンでも良い。
液滴21が基板20上に着滴すると、その濡れ面積に応じて反射光強度が低下する。この変化を受光素子40で捉え、電圧調整を行った後A/D変換器でデジタルデータとしてコンピュータ70に記録する。受光素子40の出力の変化と濡れ面積の関係は、予め濡れ面積が分かった測定結果から求めておき、得られた換算係数を用いて実際の測定データを濡れ面積に変換する。
本実施例の濡れ性測定装置の概略構成図である。 液滴が基板上で濡れ広がる様子を模式的に示した説明図である。 光線の屈折の説明図である。 液滴の有無での反射挙動の違いを説明する図である。 液滴の有無での反射挙動の違いを説明する図である。 基板に入射する光線の光路を示した説明図である。 本実施例の基板を示した説明図である。
符号の説明
10…濡れ性測定装置
20…インクジェットヘッド
21…液滴
22…ガイドレール
23…モータ
30…基板
40…光源
50…受光素子
60…コントローラ
70…コンピュータ

Claims (4)

  1. 測定対象である液体を噴射するインクジェットヘッドからなる液滴パターン形成手段と、
    この液滴パターン形成手段と対向して配置され、一方の表面に液滴パターンが形成される基板と、
    この基板の他方の表面側から測定光を照射する光源と、この測定光を計測する受光素子とからなる反射光強度測定手段と、
    を備え、
    前記反射光強度測定手段は、前記基板の前記液滴パターンが形成される表面に前記測定光を照射し、この表面からの前記測定光の反射光強度を前記受光素子で測定するように構成され、
    前記液滴パターン形成手段が前記基板表面に液滴パターンを形成する過程の前記反射光強度を用いて、前記液滴パターンの付着面積の時間変化を測定する機能を備えている濡れ性測定装置。
  2. 請求項1記載の濡れ性測定装置であって、前記液体が前記基板より大きい屈折率を持つ場合に、前記反射光強度測定手段は、前記液滴パターンが形成されていない前記基板表面に対して、測定光が全反射条件を満たす角度で前記基板表面に入射するよう構成されていることを特徴とする濡れ性測定装置。
  3. 請求項1記載の濡れ性測定装置であって、前記液体が前記基板より小さい屈折率を持つ場合に、前記反射光強度測定手段は、前記液滴パターンが形成されていない前記基板表面に対して測定光が全反射条件を満たし、前記液滴パターンが形成されている前記基板表面に対して全反射条件を満たさない角度で前記基板表面に入射するよう構成されていることを特徴とする濡れ性測定装置。
  4. インクジェットヘッドからなる液滴パターン形成手段で基板の一方の表面に液滴パターンを形成した時の、液滴と前記基板表面との濡れ面積の時間変化を測定する濡れ性測定方法であって、
    前記基板表面において、前記液滴の濡れの有無による全反射条件の変化を反射光強度の変化として計測し、前記濡れ面積を測定することを特徴とする濡れ性測定方法。
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