JP2005083550A - 相対回転制御装置及び四輪駆動車 - Google Patents

相対回転制御装置及び四輪駆動車 Download PDF

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Abstract

【課題】 トルク伝達強度、性能の維持、スペース的に有利な構造、電磁石等の配置を容易にすることを可能とする。
【解決手段】 中空の外ケース67と、外ケース67内に相対回転自在に配置された中空のデフケース79と、デフケース79内に相対回転自在に配置されたサイドギヤ93と、デフケース79、サイドギヤ93間の相対回転を制御するクラッチ99と、外ケース67の外側に配置されクラッチ99を操作する電磁石78と、外ケース67,デフケース79に設けられ電磁石78の電磁力をクラッチ99に及ぼすための非磁性部123,125とからなることを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、四輪駆動車のトランスファ装置等に用いられる相対回転制御装置及び該相対回転制御装置を備えた四輪駆動車に関する。
図4は、従来のトランスファ装置201の断面図である。トランスファ装置201は、トランスファケース203にセンターデファレンシャル装置205、フロントデファレンシャル装置207、ドライブピニオンシャフト209を支持している。
前記センターデファレンシャル装置205は、デフケース211内に差動機構213を備えている。差動機構213は、ピニオンギヤ215と、差動ギヤ217,219とからなっている。ピニオンギヤ215は、ピニオンシャフト221を介して、前記デフケース211に回転自在に支持されている。差動ギヤ217,219は、ピニオンギヤ215に噛み合っている。
前記フロントデファレンシャル装置207は、デフケース223内に差動機構225を備えている。差動機構255は、ピニオンギヤ227と、サイドギヤ229,231からなっている。ピニオンギヤ227は、ピニオンシャフト233によって、前記デフケース223に回転自在に支持されている。サイドギヤ229,231は、ピニオンギヤ227に噛み合っている。サイドギヤ229,231には、左右のアクスルシャフト232,234が結合されている。
前記フロントデファレンシャル装置207のデフケース223は、第1の中空シャフト235に結合されている。第1の中空シャフト235は、センターデファレンシャル装置205の差動ギヤ217に結合されている。フロントデファレンシャル装置207のデフケース223に対し外側に第1のリングギヤマウントケース237が設けられている。第1のリングギヤマウントケース237には、第1のリングギヤ239が設けられている。第1のリングギヤマウントケース237には、第2の中空シャフト241が結合されている。第2の中空シャフト241は、前記センターデファレンシャル装置205のデフケース211に結合されている。
前記センターデファレンシャル装置205の他方の差動ギヤ219には、第2のリングギヤマウントケース243が結合されている。第2のリングギヤマウントケース243には、第2のリングギヤ245が取り付けられている。第2のリングギヤ245は、ドライブピニオンシャフト209のドライブピニオンギヤ247に噛み合っている。
前記センターデファレンシャル装置205の差動ギヤ219内周側には、外部操作可能なスリーブ220が設けられている。外部操作によってスリーブ220を回転軸心に沿った方向へ前後移動させることにより、差動ギヤ219とピニオンシャフト221とを結合する状態と離脱する状態とに切り替えることができる。
そして、エンジンからトランスミッションを介して、第1のリングギヤ239にトルクが伝達されると、第1のリングギヤマウントケース237から第2の中空シャフト241を介して、センターデファレンシャル装置205のデフケース211にトルクが入力される。このトルク入力によって、センターデファレンシャル装置205のデフケース211が回転し、ピニオンシャフト221、ピニオンギヤ215を介して、差動ギヤ217,219を一体に回転する。
一方の差動ギヤ217の回転によって、第1の中空シャフト235を介して、フロントデファレンシャル装置207のデフケース223にトルクが伝達される。このトルク伝達によって、ピニオンシャフト233、ピニオンギヤ227を介し、サイドギヤ227,231が一体に回転する。サイドギヤ229,231からは、左右のアクスルシャフト232,234へトルクが伝達され、左右の前輪が回転駆動される。
前記センターデファレンシャル装置205の他方の差動ギヤ219の回転によって、第2のリングギヤマウントケース243が共に回転する。第2のリングギヤマウントケース243からは、第2のリングギヤ245、ドライブピニオンギヤ247を介して、ドライブピニオンシャフト209へトルク伝達が行われる。ドライブピニオンシャフト209からは、後輪側へトルク出力が行われ、後輪が回転駆動される。
左右前輪間で差動回転したときには、差動機構225のサイドギヤ229,231が差動回転して、左右前輪の差動回転を許容する。前後輪間での差動回転時には、フロントデファレンシャル装置205の差動ギヤ217,219が差動回転して、前後輪間の差動を許容することができる。
前記センターデファレンシャル装置205では、前記スリーブ220を外部操作することにより移動させ、差動ギヤ219とピニオンシャフト221とを結合することにより差動機構213の差動をロックすることができる。この差動ロックによって、前後輪間の差動をロックし、悪路走破性等を向上することができる。
しかしながら、上記のような構造では、差動ロック用のクラッチを構成するスリーブ220が差動ギヤ219とピニオンシャフト221との結合を断続するために、差動ギヤ219の内周側に配置された構成となっている。このため、差動ギヤ219の大きさ等をを犠牲にしなければならず、十分なトルク伝達強度、性能を確保するのに困難を伴うものであった。
また、スリーブ220の操作は、差動ギヤ219の回転軸心に沿った方向の外部で行うものに限られ、トランスファ装置201の左右長さが長くなり、スペース的に不利な構造となっていた。
これに対し、デフケース211と差動ギヤ213,219との間に、摩擦多板クラッチを配置し、この摩擦多板クラッチをアクチュエータによる外部操作で締結制御する構成も考えられる。
しかしながら、センターデファレンシャル装置205のデフケース211の外側には、第2のリングギヤマウントケース243が存在し、アクチュエータの取り付けや配線等に困難を伴うものであった。
特開昭60−18656号公報
解決しようとする問題点は、外内二重の部材を備えた相対回転制御装置において、トルク伝達のための強度、性能を確保することが困難である点、軸方向長さが大きくスペース的に不利である点、アクチュエータ等操作源の配置、配線が困難である点である。
本発明は、トルク伝達強度、性能の確保、軸方向長さを短くしてスペース的に有利とし、電磁石の配置や配線等を容易にするため、クラッチを第2,第3の回転部材間の相対回転を制御するものとし、クラッチ操作源を第1の回転部材の外側に配置し、第1,第2の回転部材に、該第1,第2の回転部材間の相対回転を許容しつつクラッチ操作源の操作力をクラッチに及ぼすための伝達部を設けたことを最も主要な特徴とする。
前記第1,第2の回転部材は、外内二重の第1,第2回転ケースであり、前記第3の回転部材は前記第2の回転部材内に連結された差動機構の差動ギヤであることを特徴とする。
前記クラッチは、第2,第3の回転部材間に設けられ、電磁力に起因して締結操作される摩擦クラッチであり、前記クラッチ操作源は、通電制御により前記電磁力を作用させる電磁石であり、前記伝達部は非磁性部であることを特徴とする。
前記摩擦クラッチは、前記第1,第2の回転部材の回転軸心に沿った方向で締結され、前記電磁石は前記第1の回転部材の端壁部に回転軸心に沿った方向で対向配置され、前記第1,第2の回転部材間にスラストベアリングを配置したことを特徴とする。
前記第1の回転部材は、駆動源側からのトルク入力を受けて後輪側へトルク出力を行い、前記第2の回転部材は、駆動現側からのトルク入力を受けて前輪側へトルク出力を行うことを特徴とする。
本発明の相対回転制御装置は、クラッチを第2,第3の回転部材間の相対回転を制御するものとしたため、第3の回転部材の軸心部側にクラッチを配置する必要がなく、第3の回転部材の大きさを制限することを抑制し、トルク伝達強度、性能を向上することができる。
前記クラッチを第1の回転部材外に設け該クラッチと第2,第3の回転部材との間を結合する連結構造を設ける場合に比較して、クラッチを第2,第3の回転部材間に設けることができ、連結構造等の複雑化を回避することができる。
前記クラッチは、第3の回転部材の軸方向端部側から操作することなく、第1の回転部材の外側に配置されたクラッチ操作源によって操作するから、軸方向長さの増大を抑制し、スペース的に有利な構造にすることができる。
第1,第2の回転部材に、該第1,第2の回転部材の相対回転を許容しつつクラッチ操作源の操作力をクラッチに及ぼすための伝達部を設けたため、クラッチ操作源を第1の回転部材の外側で自由に、且つ容易に配置することができる。
前記第2,第3の回転部材間のクラッチを制御するために第1の回転部材の外側に配置されたクラッチ操作源を用いることで、第1,第2の回転部材の支持性を向上させることができる。
前記クラッチ操作源を、第1の回転部材の外側に配置したため、第1の回転部材の回転軸心に沿った方向両側の一方或いは双方に無理なく配置することができ、設計自由度が拡大する。
前記第1,第2の回転部材は、外内二重の第1,第2の回転ケースであり、前記第3の回転部材は、前記第2の回転部材内に支持された差動機構の差動ギヤであるため、差動ギヤの大きさを制限するのを抑制し、差動機構としてのトルク伝達強度、性能を維持することができる。全体的な軸方向長さの増大を抑制して、スペース的に有利な構造とすることができる。クラッチ操作源を第1の回転ケースの外側に配置して、自由に、且つ容易に配置することができる。
前記クラッチは第2,第3の回転部材間に設けられ、電磁力に起因して締結操作される摩擦クラッチであり、前記クラッチ操作源は、通電制御により前記電磁力を作用させる電磁石であり、前記伝達部は非磁性部であるため、電磁石の通電制御により摩擦クラッチを締結操作して、第2,第3の回転部材の相対回転を制御することができる。
前記電磁石は、第1の回転部材の外側に配置することができ、その配置や配線等を容易に行うことができる。
前記摩擦クラッチは、第1,第2の回転部材の回転軸心に沿った方向で締結され、前記電磁石は、前記第1の回転部材の端壁部に回転軸心に沿った方向で対向配置され、前記第1,第2の回転部材間にスラストベアリングを配置したため、電磁石の通電制御によって、第2の回転部材内の摩擦クラッチに電磁力を及ぼし、回転軸心に沿った方向で締結することができる。この締結状態でスラストベアリングにより第1,第2の回転部材間の相対回転を無理なく維持することができる。
前記第1の回転部材は、駆動源側からのトルク入力を受けて後輪側又は前輪側へトルク出力を行い、前記第2の回転部材は、駆動源側からのトルク入力を受けて前輪側又は後輪側へトルク出力を行うため、四輪駆動を無理なく行うことができる。
外内二重の回転部材を備えた相対回転制御装置において、トルク伝達強度、性能の維持を図ると共にスペース的に有利な構造とすること、クラッチ操作源の配置を容易にすること、という目的を、クラッチ、クラッチ操作源及び伝達部を設けて実現した。
図1は、本発明の実施例1を適用した四輪駆動車のスケルトン平面図である。図1のように、四輪駆動車1は、駆動源である内燃機関としてのエンジン3の出力をトランスミッション5を介して動力伝達装置であるトランスファ装置7へ入力するようになっている。
前記トランスファ装置7は、前輪9,11、後輪13,15へトルクを分配出力する。トランスファ装置7のフロントデファレンシャル装置19には、左右のアクスルシャフト21,23が結合されている。トランスファ装置7の後輪側への出力軸であるドライブピニオンシャフト25には、プロペラシャフト27が結合されている。プロペラシャフト27には、ドライブピニオンシャフト29が結合されている。ドライブピニオンシャフト29のドライブピニオンギヤ31には、リヤデファレンシャル装置33のリングギヤ35が噛み合っている。リヤデファレンシャル装置33には、左右のアクスルシャフト37,39が結合されている。
従って、エンジン3からトランスミッション5を介して、センターデファレンシャル装置17へ入力されたトルクは、一方ではフロントデファレンシャル装置19へ伝達され、他方ではドライブピニオンシャフト25へ伝達される。
前記フロントデファレンシャル装置19からは、左右のアクスルシャフト21,23を介して、左右の前輪9,11が回転駆動される。前記ドライブピニオンシャフト25からはプロペラシャフト27、ドライブピニオンシャフト29、ドライブピニオンギヤ31、リングギヤ35、リヤデファレンシャル装置33へトルク伝達が行われ、リヤデファレンシャル装置33から左右のアクスルシャフト37,39を介して、左右の後輪13,15が回転駆動される。
従って、四輪駆動車1は、前後輪9,11,13,15の四輪駆動によって走行することができる。
図2は、前記トランスファ装置7の一部省略断面図であり、図3はトランスファ装置の要部拡大断面図である。
図1〜図3のように、トランスファ装置7のトランスファケース37は、トランスミッションケース39にボルトナット等によって結合固定されている。
前記センターデファレンシャル装置17は、前記トランスミッションケース39側に配置されている。センターデファレンシャル装置17のデフケース41に、トランスミッション5側からトルク入力を受ける第1リングギヤ43が設けられている。
前記デフケース41は、ベアリング45,47によって、トランスミッションケース39側に回転自在に支持されている。デフケース41内には、差動機構49が設けられている。差動機構49は、ピニオンギヤ51と一対の差動ギヤ53,55とを備えている。ピニオンギヤ51は、前記デフケース41に支持されたピニオンシャフト57に回転自在に支持されている。差動ギヤ53,55は、ピニオンギヤ51に噛み合っている。
前記フロントデファレンシャル装置19は、前記トランスファケース37側に配置されている。トランスファケース37は、本体部59と、中間壁部61と、蓋体部63とからなっている。中間壁部61と蓋体部63とは、ボルト65等によって、本体部59に締結結合されている。
前記フロントデファレンシャル装置19は、中空の第1の回転部材としての外ケース67内に配置されている。外ケース67は、本体部69と端板部71とがボルト73によって締結固定されたものである。
前記外ケース67は、ベアリング75,77によって、トランスファケース37側に回転自在に支持されている。ベアリング75は、後述する電磁石79を介して、トランスファケース37の本体部59に支持され、ベアリング77は、トランスファケース37の中間壁部61に支持されている。
前記フロントデファレンシャル装置19は、デフケース79を備えている。デフケース79は、外ケース67内に相対回転自在に配置された中空の第2の回転部材を構成している。
前記外ケース67、デフケース79は、外内二重の第1,第2の回転ケースを構成し、デフケース79と外ケース67との間には、スラストベアリング81,83とラジアルベアリング85,87とが配置されている。
前記デフケース79内には、差動機構89が結合支持されている。差動機構89は、ピニオンギヤ91と一対の差動ギヤであるサイドギヤ93,95とを備えている。ピニオンギヤ91は、ピニオンシャフト97によって、デフケース79に回転自在に支持されている。サイドギヤ93,95は、前記ピニオンギヤ91に噛み合っている。サイドギヤ93は、前記デフケース79内に相対回転自在に配置された第3の回転部材を構成している。
前記デフケース79とサイドギヤ93との間には、クラッチ99が設けられている。クラッチ99は、デフケース79とサイドギヤ93との間の相対回転を制御する。
本実施形態において、クラッチ99は摩擦クラッチで構成されたメインクラッチ101と、パイロットクラッチ103とを備えている。
前記メインクラッチ101は、インナープレートがサイドギヤ93の外周にスプライン係合し、アウタープレートがデフケース79の内周にスプライン係合している。従って、メインクラッチ101は、デフケース79、サイドギヤ93に回転方向に係合し、回転軸心に沿った方向へ移動可能となっている。
前記パイロットクラッチ103のインナープレートは、カム機構105のカムプレート107外周にスプライン係合し、デフケース79の内周にスプライン係合している。従って、パイロットクラッチ103は、カム機構105と、デフケース79とに回転方向に係合し、回転軸心に沿った方向へ移動可能となっている。前記カムプレート107は、ニードルベアリング109によって、デフケース79に回転軸心に沿った方向に支持されている。
前記カム機構105は、前記カムプレート107にカムボール111を介して対向する押圧プレート113を備えている。押圧プレート113は、サイドギヤ93の外周にスプライン係合している。押圧プレート113の外周側は、前記メインクラッチ101に対向している。メインクラッチ101は、受圧部材115に支持されている。受圧部材115の内周側は球面に形成され、前記ピニオンギヤ91の球状外面を支持している。前記パイロットクラッチ103に対向してアーマチュア117が設けられている。
前記デフケース79と外ケース67とには、縦壁部119,121に非磁性部123,125が設けられている。非磁性部123,125は、デフケース79と外ケース67との相対回転を許容しつつ電磁石78の操作力である磁力をクラッチ99に及ぼすための伝達部を構成している。
前記電磁石78は、前記外ケース67の外側に配置され、該外ケース67の端壁部121に回転軸心に沿った方向で対向配置されている。電磁石78は、クラッチ操作源を構成し、通電制御により前記クラッチ99に電磁力を作用させる。前記クラッチ99を電磁力により操作する。電磁石78は、トランスファケース37の本体部59に設けられた嵌合部127に嵌合して位置決め固定されている。
なお、電磁石78(クラッチ操作源)は、トランスファケース37(固定側)の嵌合部127に支持するものに限らず、外ケース(回転側)の周回状面に対しベアリングなどの相対回転を許容する手段を介して支持することもできる。
前記電磁石78は、前記外ケース67の周回状の舌部129と、周回状の段部131とに径方向のエアギャップを有している。電磁石78は、リード線133を介して、コネクタ135に接続されている。コネクタ135は、トランスファケース37の本体部59に支持されている。
そして、前記外ケース67,デフケース79,サイドギヤ93,クラッチ99,電磁石78,非磁性部123,125は、本実施形態において相対回転制御装置を構成している。
前記フロントデファレンシャル装置19のデフケース79は、中空シャフト137を介して、前記センターデファレンシャル装置17の差動ギヤ53に結合されている。前記外ケース67の一端は、前記センターデファレンシャル装置17の他方の差動ギヤ55にスプライン係合している。外ケース67には、前記ボルト73によって、第2リングギヤ139が締結固定されている。第2リングギヤ139は、前記ドライブピニオンシャフト25のドライブピニオンギヤ141に噛み合っている。
前記トランスファケース37の中間壁部61と蓋体部63との間には、前記センターデファレンシャル装置17の差動制限装置143が配置されている。
前記作動制限装置143は、多板の摩擦クラッチ145で形成されている。摩擦クラッチ145のインナープレートは、インナーハブ147にスプライン係合し、アウタープレートはアウターハブ149にスプライン係合している。
前記インナーハブ147は、前記外ケース67の端板部71にスプライン結合されている。前記アウターハブ149は、前記フロントデファレンシャル装置19のデフケース79にスプライン結合され、且つベアリング151によって、蓋体部63に回転自在に支持されている。
前記摩擦クラッチ145には、可動プレート153、ニードルベアリング155を介して、ピストンプレート157が対向している。ピストンプレート157と、前記中間壁部61の間に、圧力室159が区画形成されている。
次に、作用を説明する。
前記第1リングギヤ43に、前記のようにトルクが入力されると、デフケース41が回転する。デフケース41の回転によって、ピニオンシャフト57、ピニオンギヤ51を介し、差動ギヤ53,55が一体的に回転する。
前記一方の差動ギヤ53からは、中空シャフト137を介して、フロントデファレンシャル装置19のデフケース79へトルクが伝達され、デフケース79が回転する。デフケース79の回転によって、ピニオンシャフト97、ピニオンギヤ91を介し、サイドギヤ93,95が一体的に回転する。この回転によって、左右のアクスルシャフト21,23を介し、前記のように左右の前輪9,11が回転駆動される。
前記他方の差動ギヤ55からは、外ケース67へトルクが伝達される。外ケース67からは、リングギヤ139、ドライブピニオンギヤ141を介し、ドライブピニオンシャフト25へトルクが伝達され、前記のようにして後輪13,15が回転駆動される。
従って、四輪駆動車1は、四輪駆動状態で走行することができる。コーナリング走行や悪路走行において、左右前輪9,11が差動回転したときには、アクスルシャフト21,23を介し、サイドギヤ93,95へ差動回転が伝達され、ピニオンシャフト91が自転することによって差動回転を許容することができる。サイドギヤ93,95間の差動回転は、前記電磁石78による電磁力によって前記クラッチ99を締結させることにより制御することができる。
前記電磁石78に通電制御を行うと、電磁石78とアーマチュア117との間で非磁性部125,123の周りに磁力線のループが形成され、電磁石78の電磁力をクラッチ99のアーマチュア117に作用させることができる。
前記アーマチュア117は、前記電磁力に応じてパイロットクラッチ103を締結する。パイロットクラッチ103が締結されると、デフケース79とカムプレート107との相対回転が制限され、サイドギヤ93と共に回転している押圧プレート113との間に相対回転が起こる。
この相対回転により、カムボール111にカム面が乗り上げ、カムプレート107がニードルベアリング109によってデフケース79の端壁部119に支えられ、反力として押圧プレート113がメインクラッチ101側へ移動する。この押圧プレート113の移動によって、メインクラッチ101が締結される。メインクラッチ101の締結によって、デフケース79とサイドギヤ93との間の相対回転が締結力に応じて制御される。締結力が強くなると、デフケース79に対するサイドギヤ93の相対回転がロックされることになる。
このようなメインクラッチ101による相対回転制御、相対回転ロックにより、サイドギヤ93,95間の差動制限或いは差動ロックが行われる。この差動制限、差動ロックにより、左右前輪9,11間の差動回転が制限され、或いはロックされ、悪路での走破性を向上することができる。
前記電磁石78の電磁力による締結時に、前記アーマチュア117は電磁石78側に引かれ、パイロットクラッチ103を回転軸心に沿った方向で締結する。このとき外ケース67とデフケース79との端壁部119,121間には、スラストベアリング81が介在しているため、両者間が密着することなく、相対回転を円滑に行わせることが可能となっている。従って、外ケース67とデフケース79との二重のケース構造であっても、両者の相対回転を許容しつつ電磁石78による制御を円滑に行わせることができる。
また、コーナリング走行や悪路走行で前後輪9,11,13,15間に差動回転を生じたときには、該差動回転がセンターデファレンシャル装置17の差動ギヤ53,55に入力され、ピニオンギヤ51の自転によって差動回転を許容することができる。このセンターデファレンシャル装置17の差動回転は、差動制限装置143によって制御することができる。
前記圧力室159に外部操作によって差動オイル等を供給して圧力を作用させると、ピストンプレート157が摩擦クラッチ145側へ移動する。このピストンプレート157の移動によって、ニードルベアリング155、可動プレート153を介し、摩擦クラッチ145がアウターハブ149に対して締結される。この締結によって、インナーハブ147、アウターハブ149間の相対回転が締結力に応じて制限され、或いはロックされる。この差動制限力或いはロック力は、一方でインナーハブ147から外ケース67を介しセンターデファレンシャル装置17の一方の差動ギヤ55へ伝達され、他方でアウターハブ149からフロントデファレンシャル装置19のデフケース79、中空シャフト137を介し、センターデファレンシャル装置17の他方の差動ギヤ53に伝達される。
この伝達によって、センターデファレンシャル装置17の差動ギヤ53,55間の差動回転は制限され、或いはロックされることになる。この差動制限或いはロックによって、前後輪9,11,13,15間の差動回転が制限され、或いはロックされることになり、悪路での走破性を向上することができる。
以上のように、クラッチ99をデフケース79とサイドギヤ93との間の相対回転を制御するものとしたため、サイドギヤ93の軸心部側に差動ロック用のスリーブ等を配置する必要がなく、サイドギヤ93の大きさを制限することを抑制し、トルク伝達強度、性能を向上することができる。
前記クラッチ99は、サイドギヤ93の軸方向端部側から操作することなく、外ケース67の外側に配置された電磁石78によって操作するから、軸方向長さの増大を抑制し、スペース的に有利な構造にすることができる。
前記外ケース67とデフケース79とに、両者の相対回転を許容しつつ電磁石78の電磁力をクラッチ99に及ぼすための非磁性部123,125を設けたため、電磁石78を外ケース67の外側で自由に、かつ容易に配置することができる。
二重ケースである外ケース67及びデフケース79内の差動回転を制御するために、外ケース67外に配置された電磁石78を用いることで、外ケース67はベアリング75,77でトランスファケース39側に確実に支持することができる。また、デフケース79もこの外ケース67に対してスラストベアリング81,83、ラジアルベアリング85,87によって確実に支持することができ、全体的に支持剛性、支持性を向上することができる。
前記電磁石78を、外ケース67の外側に配置したため、外ケース67の回転軸心に沿った方向両側の一方或いは双方に無理なく配置することができ、設計自由度が拡大する。
前記電磁石78は、外ケース67の端壁部121に対向して配置され、フロントデファレンシャル装置19とセンターデファレンシャル装置17との間に形成される空間部を利用して、極めて容易に、かつコンパクトに配置することができる。
前記電磁石78に対するリード線133等も固定側のトランスファーケース37の本体部59側で配置することができ、操作源としての電磁石78側の組み込みを極めて容易に行うことができる。
前記のように、フロントデファレンシャル装置19の内部にクラッチ99を設けているため、クラッチ99を二重のケースである外ケース67、デフケース79外に別途配置して中空シャフト等により結合する構造に比較して、クラッチ99をフロントデファレンシャル装置19にコンパクトに収容することができ、連結構造等の複雑化を回避することができる。
前記電磁石78は、トランスファケース37の本体部59に設けられた嵌合部127位置決め固定され、外ケース67及びデフケース79は、前記のようにトランスファーケース37側に支持剛性高く支持されているため、前記舌部129及び段部131に対するエアギャップを正確に確保することができると共に、維持しクラッチ99の動作を確実に行わせることができる。
尚、クラッチ99は、摩擦クラッチに限定されず、断続クラッチ(ON−OFF機構)で構成することもできる。クラッチ99の操作源は電磁石78に限らず、油圧シリンダ、ピストン、或いはモータ等によって構成することもできる。
上記実施例では、電磁石78の電磁力によって、クラッチ99を操作したが、電磁力に限らず、第1,第2の回転部材外の一部を通じてクラッチ操作源からクラッチに機械的に操作力を及ぼす構成にすることもできる。例えば、第1,第2の回転部材のそれぞれの一部を貫通するロッドを設け、該ロッドの一端部側に配置され相対回転部の自由な回転を確保するベアリング又はワッシャを介して、操作力を伝達する構成にすることもできる。
前記電磁石78等の操作源及びクラッチ99は、フロントデファレンシャル装置19に対し、両側に設けることもできるし、反対側にのみ設けることも可能である。
前記電磁石78等の操作源及びクラッチ99の構成は、センターデファレンシャル装置17側に設けることも可能である。
四輪駆動車のスケルトン平面図である(実施例1)。 トランスファ装置の一部省略断面図である(実施例1)。 トランスファ装置の要部拡大断面図である(実施例1)。 トランスファ装置の断面図である(従来例)。
符号の説明
1 四輪駆動車
3 エンジン(駆動源)
67 外ケース(第1の回転部材、第1の回転ケース)
79 デフケース(第2の回転部材、第2の回転ケース)
78 電磁石(クラッチ操作源)
81 スラストベアリング
93 サイドギヤ(第3の回転部材)
99 クラッチ
101 メインクラッチ(摩擦クラッチ)
121 端壁部
123,125 非磁性部(伝達部)

Claims (5)

  1. 中空の第1の回転部材と、
    該第1の回転部材内に相対回転自在に配置された中空の第2の回転部材と、
    該第2の回転部材内に相対回転自在に配置された第3の回転部材と、
    前記第2,第3の回転部材間の相対回転を制御するクラッチと、
    前記第1の回転部材の外側に配置され前記クラッチを操作するクラッチ操作源と、
    前記第1,第2の回転部材に設けられ該第1,第2の回転部材間の相対回転を許容しつつ前記クラッチ操作源の操作力を前記クラッチに及ぼすための伝達部とからなることを特徴とする相対回転制御装置。
  2. 請求項1記載の相対回転制御装置であって、
    前記第1,第2の回転部材は、外内二重の第1,第2の回転ケースであり、
    前記第3の回転部材は、前記第2の回転部材内に連結された差動機構の差動ギヤであることを特徴とする相対回転制御装置。
  3. 請求項1又は2記載の相対回転制御装置であって、
    前記クラッチは、第2,第3の回転部材間に設けられ電磁力に起因して締結操作される摩擦クラッチであり、
    前記クラッチ操作源は、通電制御により前記電磁力を作用させる電磁石であり、
    前記伝達部は、非磁性部であることを特徴とする相対回転制御装置。
  4. 請求項3記載の相対回転制御装置であって、
    前記摩擦クラッチは、前記第1,第2の回転部材の回転軸心に沿った方向で締結され、
    前記電磁石は、前記第1の回転部材の端壁部に回転軸心に沿った方向で対向配置され、
    前記第1,第2の回転部材間に、スラストベアリングを配置したことを特徴とする相対回転制御装置。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載の相対回転制御装置であって、
    前記第1の回転部材は、駆動源側からのトルク入力を受けて後輪側又は前輪側へトルク出力を行い、
    前記第2の回転部材は、駆動源側からのトルク入力を受けて前輪側又は後輪側へトルク出力を行うことを特徴とする四輪駆動車。
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