JP2005081644A - ブラケットインサート成形基材 - Google Patents
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Abstract
【課題】 通常の硬化時間で十分にキュアリングすることができて膨れ等の成形不良を発生させることがなく、また優れた成形性とコストダウンを図ることができるブラケットインサート成形基材を提供する。
【解決手段】 ブラケット取付部2にセットしたリテーナブラケット10が基材1の射出成形と同時に一体化されるブラケットインサート成形基材において、前記取付部2および基材1の全ての部分の断面厚みが所定の硬化時間内で硬化可能な厚みに設計してある。また、リテーナブラケット10の下面に棒状の脚部11が延設され、該脚部11が膨出形成された取付部2のほぼ中央部に埋設されているものとすることもできる。
【選択図】 図1
【解決手段】 ブラケット取付部2にセットしたリテーナブラケット10が基材1の射出成形と同時に一体化されるブラケットインサート成形基材において、前記取付部2および基材1の全ての部分の断面厚みが所定の硬化時間内で硬化可能な厚みに設計してある。また、リテーナブラケット10の下面に棒状の脚部11が延設され、該脚部11が膨出形成された取付部2のほぼ中央部に埋設されているものとすることもできる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、自動車用ドアトリム等に用いられるリテーナブラケットが基材の成形と同時に一体成形されたブラケットインサート成形基材に関するものである。
従来から、自動車用ドアトリム等に用いられる基材として、リテーナブラケットが基材の射出成形と同時に一体化されたブラケットインサート成形基材が知られている。これは、例えば特許文献1に示されるように、上下一対からなる成形型で形成されたキャビティ内の所定位置にリテーナブラケットをセットしておき、樹脂をキャビティ内に射出してリテーナブラケットが一体成形された基材とするものである。
しかしながら、従来のものではリテーナブラケットのセット位置によっては基材の厚みが増加して成形性が著しく低下するという問題点があった。即ち、例えば図3〜図4に示されるように、リテーナブラケット10のセット位置がドアトリム用基材1の端末部にある場合、膨出形成されたブラケット取付部2の厚み(L0)が大きくなって、射出した樹脂の硬化時間(cure time)が長く必要になるという現象が生じる。この結果、基材1の一般部分の厚みに対応した通常の硬化時間で処理すると、取付部2のキュアリングが不十分となって基材の膨れを発生させ成形不良を生じるという問題点があった。一方、これを防止するには硬化時間を通常より長くとらねばならず、成形サイクルが大幅に低下しコストアップになるという問題点があった。
特許第3210498号公報
本発明が解決しようとする問題点は、通常の硬化時間で十分にキュアリングすることができて膨れ等の成形不良を発生させることがなく、また優れた成形性とコストダウンを図ることである。
本発明のブラケットインサート成形基材は、ブラケット取付部にセットしたリテーナブラケットが基材の射出成形と同時に一体化されるブラケットインサート成形基材において、前記取付部および基材の全ての部分の断面厚みが所定の硬化時間内で硬化可能な厚みに設計してあることを特徴とする。また、前記リテーナブラケットの下面に棒状の脚部が延設され、該脚部が取付部のほぼ中央部に埋設されているものとすることもできる。更には、前記リテーナブラケットの脚部に孔部あるいは凹部が形成され、該孔部あるいは凹部内に基材樹脂を回り込ませてあるものとすることもできる。
本発明のブラケットインサート成形基材は、ブラケット取付部および基材の全ての部分の断面厚みが所定の硬化時間内で硬化可能な厚みに設計してあるため、基材全体を通常の硬化時間で十分にキュアリングすることができて成形不良を発生させることがない。また、前記の膨出形成されて取付部の断面厚みが大きな場合にも、リテーナブラケットの下面に延設した棒状の脚部を中央部に埋設することで断面厚みを所定の硬化時間内で硬化可能な厚みとすることができ、通常の硬化時間で十分にキュアリングすることができることとなる。リテーナブラケットの脚部に孔部あるいは凹部が形成され、該孔部あるいは凹部内に基材樹脂を回り込ませたものとした場合には、リテーナブラケットの抜け強度を大幅に向上させることができる。
以下に、図面を参照しつつ本発明の好ましい形態を示す。
図面は、リテーナブラケットが基材の射出成形と同時に一体化された自動車用ドアトリムに用いられるブラケットインサート成形基材の要部を示すもので、図において、1は基材、1aは基材表面に貼着された表皮材、2は基材1の端縁部に膨出形成されたブラケット取付部、10はリテーナブラケットである。このブラケットインサート成形基材は、ブラケット取付部2にセットしたリテーナブラケット10が基材1の射出成形と同時に一体化されるものである。なお、図示のものでは、基材1の成形樹脂として硬質ウレタン樹脂にガラス繊維を混入して強化したものが使用されている。
そして本発明では、前記膨出形成された取付部2および基材の全ての部分の断面厚みが所定の硬化時間内で硬化可能な厚みに設計してある点に特徴を有する。このような構成とすることにより、基材全体を通常の硬化時間で十分にキュアリングすることが可能となり、キュアリング不足に起因する成形不良を発生させることもなく、また硬化時間を通常より長くとることによる成形サイクルの低下も生じない。
なお、図示のブラケットインサート成形基材においては、基材1の全ての部分の断面厚み、即ち基材1のどの個所で断面を見ても断面厚みが8mm以内となるように設定されている。また、この場合の硬化時間(cure time)は一般的な時間である45秒以内に設定されており、基材1の全ての部分が45秒以内で確実に硬化する構造となっている。
また、一例として図1に示すものでは、リテーナブラケット10の下面に棒状の脚部11が延設され、該脚部11が膨出形成された取付部2のほぼ中央部に埋設された構造となっている。即ち、リテーナブラケット10をドアトリム用基材1の端末部に一体化する場合、従来は膨出形成されたブラケット取付部2の厚みがL0と大きくなっていたが(図4参照)、前記リテーナブラケット10の下面に延設した棒状の脚部11を取付部2のほぼ中央部に埋設することにより、基材の断面厚みはL1とL2とに分断されることとなる。この断面厚みL1とL2は共に基準値である8mmよりは小さいため、一般的な硬化時間(cure time)である45秒で確実に硬化可能であり、この結果、キュアリング不十分で成形不良を発生させることもなく、また成形サイクル低下によるコストアップも生じないこととなる。
また、図示のものでは、リテーナブラケット10の脚部11に孔部12が形成され、該孔部12内に基材樹脂を回り込ませたものとなっている。この場合は、該孔部12内に回り込んだ基材樹脂の係合によりリテーナブラケットの抜け強度を大幅に向上させることができることとなる。また、孔部12にかえ穴状やスリット状等の凹部であってもよい。なお、孔部12内に基材樹脂が回り込んでいる場合は、その分だけ断面厚みが大きくなるが、孔部12内に回り込む樹脂量は非常に少ないため、キュアリング不十分で基材の膨れを発生させるおそれはない。
なお、前記断面厚みの基準値、および硬化時間(cure time)の条件設定は、成形する基材の材質、形状、ブラケットのインサート位置等によって任意に設定されるものであり、前述した値に限定されるものでないことは勿論である。
以上の説明からも明らかなように、本発明はブラケット取付部2および基材1の全ての部分の断面厚みが所定の硬化時間内で硬化可能な厚みとなるように設計することで、キュアリング不十分に起因する成形不良の発生を防止し、また効率的な成形サイクルの達成を実現化するものである。また、インサートする部材もリテーナブラケットに限らずあらゆる部材のインサート成形に適用することができることは勿論である。
1 基材
2 ブラケット取付部
10 リテーナブラケット
11 脚部
12 孔部
2 ブラケット取付部
10 リテーナブラケット
11 脚部
12 孔部
Claims (3)
- ブラケット取付部にセットしたリテーナブラケットが基材の射出成形と同時に一体化されるブラケットインサート成形基材において、前記取付部および基材の全ての部分の断面厚みが所定の硬化時間内で硬化可能な厚みに設計してあることを特徴とするブラケットインサート成形基材。
- リテーナブラケットの下面に棒状の脚部が延設され、該脚部が膨出形成された取付部のほぼ中央部に埋設されている請求項1に記載のブラケットインサート成形基材。
- リテーナブラケットの脚部に孔部あるいは凹部が形成され、該孔部あるいは凹部内に基材樹脂を回り込ませてある請求項2に記載のブラケットインサート成形基材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003314895A JP2005081644A (ja) | 2003-09-08 | 2003-09-08 | ブラケットインサート成形基材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003314895A JP2005081644A (ja) | 2003-09-08 | 2003-09-08 | ブラケットインサート成形基材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005081644A true JP2005081644A (ja) | 2005-03-31 |
Family
ID=34415315
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003314895A Pending JP2005081644A (ja) | 2003-09-08 | 2003-09-08 | ブラケットインサート成形基材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005081644A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10293533B2 (en) | 2016-10-12 | 2019-05-21 | Hyundai Motor Company | Method of manufacturing doorstep or door scuff |
-
2003
- 2003-09-08 JP JP2003314895A patent/JP2005081644A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US10293533B2 (en) | 2016-10-12 | 2019-05-21 | Hyundai Motor Company | Method of manufacturing doorstep or door scuff |
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