JP2005080439A - ブラシレスモータ - Google Patents

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Osamu Takahashi
修 高橋
Masaru Sakai
大 酒井
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Abstract

【課題】スライド成形型を用いることなく、製造容易で、安価で十分な通気を確保することができるケーシングを備えたブラシレスモータを提供する。
【解決手段】 モータホルダ21と共にケーシング1を構成する基板カバー22には、側面33a〜33dから底部22aへかけて、複数の通気口32が適宜な間隔を隔てて設けられており、かかる通気口32は、基板カバー22の成形に用いられる二つの成形型の分離方向(図3において紙面上下方向)に沿って形成されるようになっているため、従来と異なり、簡素な成形型を用いて安価に、小さなスペースにも容易に設けることができるものとなっている。
【選択図】図3

Description

本発明は、ブラシレスモータに係り、特に、車両用空調装置の送風ファンの回転駆動に用いられるブラシレスモータにおける熱放散効率の向上等を図ったものに関する。
従来、この種のブラシレスモータとしては、例えば、ブラシレスモータのステータが固着されたモータホルダを有し、このモータホルダに固着されたステータにロータが回転可能に支持されるよう設けられると共に、このモータホルダのステータが位置する面と反対側の面側に下部ケースが取り付けられて、モータホルダと下部ケースとの間に形成される空間に、ステータに巻装されたコイルへの通電制御を行う電子回路基板が収納されるよう構成されてなるものが公知・周知となっている(例えば、特許文献1参照)。
この従来のブラシレスモータにおいては、モータホルダの下面側に下部ケースが取り付けられて電子回路基板を収納する収納部が形成されており、下部ケースには、収納部と外部との通気による電子回路基板に設けられた電子部品の放熱向上のため、通気孔が複数形成されたものとなっている。
特開平11−346458号公報
しかしながら、上記従来例における通気孔は、押し出し工法におけるスライド型を用いて形成されるもので、しかも、下部ケースの3つの側面においてそれぞれ複数の通気孔を設けた構成であるため、3つの側面においてスライド型がそれぞれ必要とされるため、その製造コストは決して安くはなく、より安価で性能の良好なものが要求される現状にあっては、コストパフォーマンスが十分とは言えない。
また、コスト高であるスライド型を用いて形成するため、通気孔の開口面積は、さほどに大きくすることはできず、そのため、十分な通気が確保できないという問題があった。
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、スライド成形型を用いることなく、製造容易で、安価で十分な通気を確保することができるケーシングを備えたブラシレスモータを提供するものである。
本発明の他の目的は、簡易で安価に十分な開口を有した通気口を形成できるケーシングを備えたブラシレスモータを提供することにある。
上記本発明の目的を達成するため、本発明に係るブラシレスモータは、
ブラシレスモータの制御基板を収納保持すると共に、ロータを回転可能に支持するよう構成されてなるケーシングを具備してなるブラシレスモータにおいて、
前記ケーシングは、二つの成形型を用いて形成されてなり、当該成形型の抜き方向に沿う通気口が複数形成されてなるものである。
かかる構成においては、ケーシングを2つの型で形成できるようにして、その型抜き方向に通気口が形成されるものとなっているので、従来と異なり、通気口形成のためケーシングの型が複雑になることがなく、簡易で安価に通気口を形成でき、十分な通気を確保することのできるブラシレスモータが提供されることとなるものである。
本発明によれば、通気口をケーシングを形成する際に用いられる成形型の抜き方向に形成されるようにしたことにより、従来と異なり、簡易で安価に通気口を形成でき、しかも、十分な通気を確保することのできるブラシレスモータが提供されるという効果を奏するものである。
また、通気口を安価、簡易に設けたブラシレスモータとすることで、電子部品の冷却性の向上がなされるので、電子部品の動作温度の低下による内部抵抗の低下を招き、それによってモータ自体の効率向上に寄与することができるという効果を奏するものである。
さらに、本発明によれば、従来と異なり、ケーシングの各々の側面に通気口を安価に、かつ、簡易に形成することができる。
またさらに、従来と異なり、通気口形成のための成形型の制限が殆どないので、通気口の開口を大きく設定することができる一方、ケーシングの側面の小さな面にも容易に通気口を形成することができる。
また、従来と異なり、成形型が簡素であるため、製造の際のサイクルタイムが従来に比して短くて済み、製品のさらなる低価格化に寄与することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図1乃至図8を参照しつつ説明する。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
最初に、本発明の実施の形態におけるブラシレスモータの全体構成について、図1及び図2を参照しつつ説明する。
本発明の実施の形態におけるブラシレスモータは、ケーシング1にその基部が固定されたステータ2と、このステータ2に回転自在に設けられた回転軸12に固着されたロータ3と、ステータ2に巻装された励磁コイル7への通電制御を行う制御基板4とに大別されてなるものである(図1参照)。かかる構成を有してなるブラシレスモータは、例えば、車両用空調装置における送風ファン5の回転駆動に用いられるもので、送風ファン5は、回転軸12の先端部12aにおいて固着されたものとなっている(図1参照)。
ステータ2は、積層コア6と、この積層コア6に巻回された励磁コイル7と、上部保持部材8a及び下部保持部材8bとを有してなり、ロータ3の内側に配設されたものとなっている。積層コア6は、その中央部に支持筒9が貫通されており、この支持筒9に積層コア6が例えば圧入、固定されたものとなっている。上部保持部材8a及び下部保持部材8bは、上述の支持筒9が嵌挿される中空円筒孔10a,10bがそれぞれ形成されてなり、これら中空円筒孔10a,10bを介して積層コア6の上部及び下部にそれぞれ設けられて積層コア6を上下から挟持するようにして保持するものとなっている(図1参照)。
下部保持部材8bは、図1においては図示されていないが、外方に張り出した部位を有し、この部位がモータホルダ21に固定されるようになっており、この下部保持部材8bのモータホルダ21への固定により、ロータ3及びステータ2がモータホルダ21の上面に保持されるようになっている。
ロータ3は、大凡椀型に形成されたヨーク11を有し、その開放面がケーシング1側に、閉成面が上面を形成するようにして、その閉成面の中央部に穿設された軸通孔11aに回転軸12が挿通されて回転軸12に固着されたものとなっている。そして、ヨーク11の内周面には、複数のマグネット13が周方向で適宜な間隔を隔てて固着されている。
また、回転軸12は、軸受け14a,14bを介して支持筒9内に支持されており、その先端部12aには、シロッコ型の送風ファン5が例えば、圧入により固定されている(図1参照)。
ケーシング1は、モータホルダ21と基板カバー22とからなり、両者の間に収納空間23が形成されて後述する制御基板4が収納されるようになっている。本発明の実施の形態においては、基板カバー22がモータホルダ21の裏面側、すなわち、換言すれば、ロータ3やステータ2が位置する側の面(表面)と反対側の面側でねじ止めされるようになっている(図1及び図2参照)。
モータホルダ21の下面側においては、制御基板4がモータホルダ21に突出形成された支持柱24にねじ止めされてケーシング1内部に保持、収納されるようになっている。そして、先の回転軸12の他端は、このケーシング1内部へ伸びており、制御基板4に穿設された貫通孔25に臨むようになっている。この回転軸12の他端近傍には、円盤状に形成されてなるセンサマグネット26が固着されており、このセンサマグネット26に対向する制御基板4の適宜な位置には、ホール素子27が設けられて、センサマグネット26の磁束変化を検出することで、回転軸12の回転、すなわち、ロータ3の回転位置が検出可能となっている(図1参照)。
制御基板4は、外部から入力される制御信号に基づいて、励磁コイル7への通電を制御するよう複数の通電制御用のトランジスタ28を主たる構成要素としてなる公知・周知の構成を有する回路が設けられているものである。この制御基板4において、通電制御用の複数のトランジスタ28は、制御基板4の一側端近傍において半田付けされると共に、ヒートシンク31にねじ止めされている(図1参照)。また、制御基板4には、外部との電気信号の授受のためにコネクタ29が取着されている(図2参照)。
本発明の実施の形態における基板カバー22には、収納空間23と外部との通気を図り、制御基板4の電子部品の冷却を促進するため、複数の通気口32が次述するように複数穿設されたものとなっている(図3参照)。以下、図4乃至図7を参照すると共に、適宜図1及び図2も参照しつつ基板カバー22に形成された通気口32について詳述する。
まず、本発明の実施の形態における基板カバー22の平面外形形状は、一辺部分が弧状に形成された部位がある点を除けば凡矩形に形成されてなり、かつ、底浅の有底蓋体状に形成されてなるものである(図1及び図2参照)。
しかして、本発明の実施の形態における基板カバー22は、第1乃至第4の側面33a〜33dを有したものとなっており、その内、第1及び第2の側面33a,33bにおいては、ほぼ開口面の位置付近から脇へ、取付部34a,34bが突出形成されており、この取付部34a,34bの各々の両端部においてモータホルダ21にねじ止めされるようになっている。
また、第1乃至第4の側面33a〜33dには、複数の通気口32が穿設されたものとなっている(図2、図4乃至図7参照)。この通気口32は、基板カバー22の開口側、すなわち、換言すれば、モータホルダ21に取着される部位側の位置から底部22a側へ若干下がった位置にその一方の端部が位置するようにし、底部22aの一部を切り欠くようにして、前述の一方の端部から底部へかけて穿設されたものとなっており、第1乃至第4の側面33a〜33d側に現れる形状は、ほぼ短冊状となっている(図2,図4乃至図7参照)。
かかる基板カバー22は、例えば、ダイキャスト製法によって、上下(例えば、図4において紙面上下方向)に分離可能な二つの成形型35a,35bを用いて形成されるものである(図4参照)。すなわち、本発明の実施の形態における基板カバー22は、ダイキャスト製法による型抜き方向が、基板カバー22の上下方向(図4において紙面上下方向)、換言すれば、底部22aに対して垂直方向となっている。したがって、上述の通気口32も、ダイキャスト製法による型抜き方向に形成されるようになっているものである。
このように、本発明の実施の形態における通気口32は、型抜き方向に沿って形成されるものとなっているため、形成スペースの小さな部位においても従来と異なり容易に形成できるものである。具体的には、例えば、本発明の実施の形態における基板カバー22の第2の側面33bにおいては、その中央部分よりやや片側(図5においては紙面左側)に片寄ってコネクタ29が嵌合されるコネクタ保護部36が取付部34bと共に突出形成されており(図2及び図5参照)、そのため、図5においてこのコネクタ保護部36の左側の部位は、従来のスライド成形型を用いる手法においては、型の複雑化を招く等から通気口を形成するには困難なスペースであるが、本発明の実施の形態においては、極限られたスペースであるが図5に示されたように2つの通気口32が形成されたものとなっている。
また、第1の側面33aの部位イ,ロ及び第2の側面33bの部位ハにおいても、上述したと同様に従来であれば通気口32を形成するスペースとしては十分ではないが、本発明の実施の形態においては極狭いスペースにも関わらず通気口32が形成されたものとなっている。すなわち、この部位イ,ロ,ハには、それぞれの側面33a,33bから脇へ取付部34a,34bと一体となって仕切片37a,37b,37cが突出形成されたものとなっているために、部位イ,ロ,ハにおける平面的なスペースは極小さいものとなっているが(図2、図4及び図5参照)、上述のように通気口32が設けられたものとなっている。
さらに、スライド成形型を用いて通気口を形成する従来品にあっては、無理の無い通気口の形成、加工という観点からすれば、通気口が形成される面は、本発明の実施の形態における基板カバー22の側面に相当する部分で精々2面であるところ、本発明の実施の形態においては、既に説明したように第1乃至第4の側面33a〜33dの4面のそれぞれに通気口32を容易に設けることができるものとなっている。
次に、通気口32の他の実施例について、図8を参照しつつ説明する。
上述した通気口32の図面に表された幅(図4において紙面左右方向)や、長さ、すなわち、図4において紙面上下方向に現れる長さ及び図2において例えば紙面上下方向に現れる長さは、あくまでも一例であり、以下に例を挙げるように種々の幅、長さに設定されるべきものである。
例えば、図8の符号Aが付された二点鎖線円で囲まれた通気口32Aは、上述した通気口32と比較して、その長さが長く、特に、基板カバー22の底部22aにおける長さが長く設定された例である。
また、図8において、符号Bが付された二点鎖線円で囲まれた通気口32Bは、 上述した通気口32と比較して、幅(図8において紙面左右方向)を広くした例である。
さらに、図8において、符号Cが付された二点鎖線円で囲まれた通気口32Cは、上述した通気口32と比較して、その長さと幅の双方を大きくした例である。
なお、本発明の実施の形態においては、基板カバー22に通気口32が設けられた例を示したが、モータホルダ21側に同様に形成しても勿論良いものである。
本発明の実施の形態におけるブラシレスモータの構成例を示す縦断面図である。 本発明の実施の形態におけるブラシレスモータの底面図である。 本発明の実施の形態におけるブラシレスモータの側面図であって、送風ファンが取り付けられていない状態における側面図である。 本発明の実施の形態におけるブラシレスモータの基板カバーの第1の側面側における側面図である。 本発明の実施の形態におけるブラシレスモータの基板カバーの第2の側面側における側面図である。 本発明の実施の形態におけるブラシレスモータの基板カバーの第3の側面側における側面図である。 本発明の実施の形態におけるブラシレスモータの基板カバーの第4の側面側における側面図 本発明の実施の形態におけるブラシレスモータの基板カバーに設けられる通気口の他の実施例を示す平面図である。
符号の説明
1…ケーシング
4…制御基板
21…モータホルダ
22…基板カバー
31…ヒートシンク
32…通気口
33a…第1の側面
33b…第2の側面
33c…第3の側面
33d…第4の側面

Claims (4)

  1. ブラシレスモータの制御基板を収納保持すると共に、ロータを回転可能に支持するよう構成されてなるケーシングを具備してなるブラシレスモータにおいて、
    前記ケーシングは、二つの形成型を用いて形成されてなり、当該形成型の抜き方向に沿う通気口が複数形成されてなることを特徴とするブラシレスモータ。
  2. ケーシングは、ロータが回転可能に支持されるモータホルダと、前記モータホルダの下面側に取着されて前記モータホルダとの間に制御基板の収納空間を形成する基板カバーとからなり、前記モータホルダと基板カバーの少なくともいずれか一方が、二つの形成型を用いて形成されてなるものであって、かつ、当該形成型の抜き方向に沿う通気口が複数形成されてなることを特徴とする請求項1記載のブラシレスモータ。
  3. 基板カバーは、有底蓋体状に形成されてなり、通気口は、基板カバーの側面から底面を一部穿設するように形成されてなることを特徴とする請求項2記載のブラシレスモータ。
  4. 基板カバーの4つの側面の各々に少なくとも一つの通気口が形成されてなることを特徴とする請求項3記載のブラシレスモータ。
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