JP4682969B2 - 送風ファン装置 - Google Patents

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本発明は、パーソナルコンピュータ等に使われる超小型演算処理装置(以下、MPUと称する)等の発熱電子部品、あるいはその発熱電子部品にヒートパイプなどで熱接続されたヒートシンク等を送風冷却するのに用いられる送風ファン装置及びそれの製造方法に関するものである。
最近のパーソナルコンピュータなどの電子機器におけるデータ処理の高速化の動きはきわめて急速であり、MPUなどの発熱電子部品のクロック周波数は以前と比較して格段に大きなものになってきており、その発熱量も増大している。そのため、各発熱電子部品が動作温度範囲を越えてしまい、結果としてその発熱電子部品の誤動作や熱破壊を招くことが少なからず発生している。
したがって、その電子機器内に実装された各発熱電子部品を正常な動作温度範囲内に保つことは、それらの各発熱電子部品を正常に動作させることとなり、その結果、その電子機器を安定して操作できるようにするための重要な課題となってきている。
従来の発熱電子部品の冷却方法としては、複数個の放熱フィンから構成されたヒートシンクを発熱電子部品に直接接触させて自然放熱する方法やそのヒートシンクを送風ファン装置で送風冷却する方法が多く用いられていたが、最近ではその発熱電子部品に直接接触した受熱器からヒートパイプなどを用いて離れた位置にある放熱器に熱接続したヒートシンクモジュールにおいてその放熱器を送風ファン装置によって強制的に送風冷却する方法も用いられている。
一方では、それら送風ファン装置による冷却のみでなく、液体冷媒をポンプにより強制的に循環させ受熱器から放熱器へ熱輸送を行なった後、その放熱器を送風ファン装置によって強制的に送風冷却する液体冷媒循環型の冷却装置なども必要となる高性能なコンピュータも次第に普及し始めている。
そして、それら各種電子機器において強制的な送風冷却に用いられる送風ファン装置には、高信頼性と併せて小型軽量化や低価格化が求められている。
そこで、従来の技術における送風ファン装置としては、ファンモータを構成する樹脂製のハウジングに形成された突起部を金属製のフレームに形成された嵌挿用切り欠き部に嵌挿し、その突起部がカシメられた状態でそのハウジングにフレームが締結されたものが提案されている。
図12(a)は、従来の技術におけるハウジングに形成された突起部をカシメる前の状態図で、図12(b)は、従来の技術におけるハウジングに形成された突起部をカシメた後の状態図である。
ここで、フレーム91の素材としてはポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの樹脂材料が用いられ、ハウジング92の素材としてはアルミニウム、アルミニウム合金、亜鉛、亜鉛合金、銅、銅合金、鉄などの金属材料が用いられ、それぞれ所望の外形形状に成型されている。
まず、図12(a)において、吸気口93を有するフレーム91に締結されたハウジング92の下方に形成された略円形状の開口部(図示せず)の縁端部に均等間隔で4箇所に蒲鉾形状の突起部91aがフレーム91と一体的に形成されており、その突起部91aがハウジング92の外周部に半円形状に形成された嵌挿用切り欠き部92aに嵌挿されている状態を示している。
この図でも明らかなように、均等間隔で形成された4箇所の突起部91aをそれらに対応した嵌挿用切り欠き部92aに嵌挿したのみで、フレーム91に対するハウジング92の位置が決められるので、それ以降の締結加工も行い易くなっている。
次に、図12(b)において、フレーム91の突起部91aが加熱されてカシメられた状態を示しており、予めその突起部91aとの当接部分が所定の温度に熱せられた押圧治具(図示せず)によってその突起部91aが加熱されながら下方に押圧されてカシメられているので、樹脂製の突起部91aは容易に軟化して塑性変形して潰れ、突起部91aと嵌挿用切り欠き部92aとの間の小さな隙間にその一部が入り込み両者が密着した状態となっている。
したがって、フレーム91の突起部91aとハウジング92の嵌挿用切り欠き部92aとの間の初期的なガタの発生が抑制されて両者間の位置精度が十分に確保されて固着された状態となっている。
以上のような方法により、金属材料と樹脂材料という両者が異なる素材でありながらフレーム91の突起部91aを加熱しながらカシメることによってハウジング92がフレーム91に強固に締結されている。
また、他の従来の技術としては、ファンモータのハウジングの端面の一部を伸長し小突起を形成してその小突起をフレームの嵌挿用孔部に嵌挿し、その伸長部の突出部分をカシメることによってそのファンモータをフレームに固着する送風ファン装置も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、他の従来の技術としては、ファンモータのハウジングとフレームとの間の締結による固定ではないが、ハウジングの端部に設けられた突起部をステータコアの切り欠き部に食い込ませてカシメることでステータコアをハウジングに固定したブラシレスモータ(例えば、特許文献2参照)、ハブ部材をカシメてロータフレームに締結した磁気ディスクドライブモータ(例えば、特許文献3参照)、あるいは金属製のモータヨークの爪をハウジングのカシメ部にカシメることによって、モータヨークとハウジングとを一体に結合したモータ(例えば、特許文献4参照)、などが提案されている。
実開昭62−200199号公報 特開2006−158056号公報(第11頁、図7(a)、(b)) 特開平8−339621号公報(第4頁、図1、図2) 特開2003−61292号公報(第8頁、図2)
しかしながら、前記従来の技術では、例えば自販機、冷凍機、加熱炉などの各種冷却装置や各種加温装置などの装置内において前記のような送風ファン装置が用いられる場合においては、雰囲気の温度やモータコイルの自己発熱等が起因して−40℃〜120℃の温度変化またはその温度変化の繰り返しなどでハウジングに対して熱ストレスが加わる。
その結果、ハウジングに熱膨張や熱収縮による形状変化が生じ、それがフレームへの変形応力として作用する。
あるいは、製品輸送中の輸送振動や製品動作中のファンの回転振動などの衝撃的な振動によってハウジングの振動がフレームへの変形応力として作用することもある。
したがって、そのような変形応力が剛性の高い金属製のハウジングから剛性の低い樹脂製のフレームへ直接作用してフレームとハウジングの双方の当接部分が経時的に塑性変形し、その結果ハウジングとフレームとの締結部分に機械的なガタやゆるみを生じるという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、フレームの係止爪とハウジングの係合部との間に機械的なガタやゆるみを生じることもなく、高い信頼性を確保できる送風ファン装置及びそれの製造方法を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の送風ファン装置は、ハウジングは鍔状の係合部を有し、前記フレームはハウジング受け部と係止爪とを有し、前記ハウジングは、前記係合部が前記ハウジング受け部と所定の弾性力で付勢された係止爪との間で挟持されて前記フレームに保持されている。
本構成によれば、ハウジングの係合部に係止爪の弾性変形による弾性力が作用して、その十分な付勢力によって保持されているだけでなく、−40℃〜120℃の温度変化またはその温度変化の繰り返しなどによるハウジングの熱膨張や熱収縮による形状変化、あるいは、製品輸送中の輸送振動や製品動作中のファンの回転振動などの衝撃的な振動によるハウジングの振動などがフレームに対して変形応力として作用するが、そのような変形応力をフレームの係止爪の弾性変形によって吸収できるので、その係止爪とハウジングの係合部との間に機械的なガタやゆるみを生じることもなくて、初期の締結状態が維持され高い信頼性を確保できる。
さらに、フレームのハウジングへの締結加工が容易となるばかりでなく、加えて金属製のフレームをプレス成形で製作すれば、樹脂成形品と比較して剛性が高く強度の確保が容易なのでより薄型化も実現できる。
また、本発明の送風ファン装置の製造方法によれば、板状の金属材料に所定の開口部を設けその縁端部にハウジング受け部と係止爪を形成する打ち抜き工程と、係止爪の付け根部を所定の角度に予め折り曲げる係止爪折り曲げ工程と、ハウジング受け部の所定の位置にハウジングの係合部が位置するように設置するハウジングセット工程と、係止爪を所定の押圧治具によって加圧してその付け根部を塑性変形させるとともに係止爪を弾性変形させて係止爪の当接部を係合部に対して所定の弾性力で付勢させるプレス工程と、を有することにより、係止爪の弾性変形部の弾性変形による弾性力が当接部に作用して十分な付勢力が得られるだけでなく、−40℃〜120℃の温度変化またはその温度変化の繰り返しなどによるハウジングの熱膨張や熱収縮による形状変化、あるいは、製品輸送中の輸送振動や製品動作中のファンの回転振動などの衝撃的な振動によるハウジングの振動などがフレームに対して変形応力として作用するが、そのような変形応力をフレームの係止爪の弾性変形によって吸収できるので、その係止爪とハウジングの係合部との間に機械的なガタやゆるみを生じることもなくて、初期の締結状態が維持され高い信頼性を確保できる。
さらに、フレームのハウジングへの締結加工が容易となるばかりでなく、加えて金属製のフレームをプレス成形で製作すれば、樹脂成形品と比較して剛性が高く強度の確保が容易なのでより薄型化も実現できる。
本発明の送風ファン装置及びそれの製造方法によれば、フレームの係止爪とハウジングの係合部との間に機械的なガタやゆるみを生じることもなく、高い信頼性を確保することができる。
請求項1記載の発明によれば、ハウジングは鍔状の係合部を有し、フレームはハウジング受け部と係止爪とを有し、ハウジングは、係合部がハウジング受け部と所定の弾性力で付勢された係止爪との間で挟持されてフレームに保持されたことにより、ハウジングの係合部に係止爪の弾性変形による弾性力が作用して、その十分な付勢力によって保持されているだけでなく、−40℃〜120℃の温度変化またはその温度変化の繰り返しなどによるハウジングの熱膨張や熱収縮による形状変化、あるいは、製品輸送中の輸送振動や製品動作中のファンの回転振動などの衝撃的な振動によるハウジングの振動などがフレームに対して変形応力として作用するが、そのような変形応力をフレームの係止爪の弾性変形によって吸収できるので、その係止爪とハウジングの係合部との間に機械的なガタやゆるみを生じることもなくて、初期の締結状態が維持され高い信頼性を確保できる。
請求項2記載の発明によれば、係止爪は、フレームにおいて弾性変形可能に形成され、ハウジングの係合部に当接する当接部と、当接部を係合部に対して所定の弾性力で付勢させる弾性変形部と、を有することにより、係止爪の弾性変形部の弾性変形による弾性力が当接部に作用して十分な付勢力が得られるだけでなく、−40℃〜120℃の温度変化またはその温度変化の繰り返しなどによるハウジングの熱膨張や熱収縮による形状変化、あるいは、製品輸送中の輸送振動や製品動作中のファンの回転振動などの衝撃的な振動によるハウジングの振動などがフレームに対して変形応力として作用するが、そのような変形応力をフレームの係止爪の弾性変形によって吸収できるので、その係止爪とハウジングの係合部との間に機械的なガタやゆるみを生じることもなくて、初期の締結状態が維持され高い信頼性を確保できる。
さらに、フレームのハウジングへの締結加工が容易となるばかりでなく、加えて金属製のフレームをプレス成形で製作すれば、樹脂成形品と比較して剛性が高く強度の確保が容易なのでより薄型化も実現できる。
請求項3記載の発明によれば、ハウジングの係合部の外周部に、係止爪の弾性変形部が入り込む逃げ空間部を形成したことにより、係止爪をその逃げ空間部に入り込ませるようなプレス加工が容易となるので、係止爪の弾性変形部の弾性変形による弾性力が十分に得られ、より確実にハウジングにフレームを締結することができる。
請求項4記載の発明によれば、逃げ空間部を切り欠きによって形成し、その切り欠きの最大幅を係止爪の最大幅の60%〜90%の範囲に設定したことにより、弾性変形により所定の弾性変形量を確保できるので、その係止爪の当接部とハウジングの係合部との間に係止爪の付け根部の残留ひずみによる係止爪の戻り現象が起きても機械的なガタやゆるみを生じることもなく、より高い信頼性を確保できる。
請求項5記載の発明によれば、係止爪を、突出する方向に向かって幅方向で先細りする形状としたことにより、係止爪を弾性変形させて係止爪の当接部を所定の弾性力で付勢させるプレス加工の押圧力をその係止爪の幅方向の中心へ集中し易くなるので、弾性変形部を所定の弾性変形量だけ安定して変形させることができ、加工品質を安定化できる。
請求項6記載の発明によれば、フレームには所定の開口部を設け、その開口部の縁端部に沿ってハウジング受け部と係止爪とが周方向に交互に位置するように形成し、ハウジングの係合部の外周部にハウジング受け部と係止爪を当接させたことにより、ハウジングの係合部の外周部がフレームのハウジング受け部と係止爪との間で交互にバランス良く挟持されてフレームに保持されているので、ハウジングの反りや変形を少なくして高い加工精度を確保できる。
請求項7記載の発明によれば、ハウジングの外周部に凹部を形成し、その凹部に係止爪を当接させたことにより、凹部が係止爪のガイドとして作用しフレームとハウジングとの間の相対的な位置ずれを防止できるので、フレームのハウジングへの締結加工が容易となるばかりでなく加工精度を向上できる。
また、平板状の金属材料に所定の開口部を設けその縁端部にハウジング受け部と係止爪を形成する打ち抜き工程と、係止爪の付け根部を所定の角度に予め折り曲げる係止爪折り曲げ工程と、ハウジング受け部の所定の位置にハウジングの係合部が当接するように設置するハウジングセット工程と、係止爪を所定の押圧治具によって加圧してその付け根部を塑性変形させるとともに係止爪を弾性変形させて係止爪の当接部を係合部に対して所定の弾性力で付勢させるプレス工程と、を有することにより、係止爪の弾性変形部の弾性変形による弾性力が当接部に作用して十分な付勢力が得られるだけでなく、−40℃〜120℃の温度変化またはその温度変化の繰り返しなどによるハウジングの熱膨張や熱収縮による形状変化、あるいは、製品輸送中の輸送振動や製品動作中のファンの回転振動などの衝撃的な振動によるハウジングの振動などがフレームに対して変形応力として作用するが、そのような変形応力をフレームの係止爪の弾性変形によって吸収できるので、その係止爪とハウジングの係合部との間に機械的なガタやゆるみを生じることもなくて、初期の締結状態が維持され高い信頼性を確保できる。
さらに、フレームのハウジングへの締結加工が容易となるばかりでなく、加えて金属製のフレームをプレス成形で製作すれば、樹脂成形品と比較して剛性が高く強度の確保が容易なのでより薄型化も実現できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、各図面において、フレームの底壁側を下方、ファンの位置する側を上方として説明した。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における送風ファン装置を示す斜視図で、図2は、本発明の実施の形態1における送風ファン装置のカバーを外した斜視図で、図3は、図2におけるラインA−A矢視断面図で、図4は、本発明の実施の形態1におけるハウジングに締結されたフレームの状態を示す斜視図で、図5(a)は、係止爪とその近傍の部分拡大平面図で、図5(b)は、図5(a)におけるラインB−B矢視断面図で、図5(c)は、図5(a)におけるラインC−C矢視断面図で、図6は、フレームをハウジングに締結する前の状態を示した斜視図で、図7(a)〜(c)は、フレームの係止爪を押圧治具によって加圧するプレス工程を係止爪の幅方向の断面で示した加工説明図で、図8(a)〜(c)は、フレームの係止爪を押圧治具によって加圧するプレス工程を係止爪の突出方向の断面で示した加工説明図で、図9(a)は、係止爪とその近傍の部分拡大平面図で、図9(b)は、図9(a)におけるラインD−D矢視断面図で、図10は、係止爪の最大幅と切り欠きの最大幅との比率に対する最大弾性変形量の関係を示すグラフである。
まず、図1で示したように、送風ファン装置10の外郭部分は遠心型のファン11を回転自在に収容する金属製のファンケーシング12であり、さらにそのファンケーシング12は、上部に位置するカバー13と下部に位置するフレーム14とにより構成されている。
ここで、フレーム14は、例えばスチール、アルミニウム、銅などの金属板を切断加工、打ち抜き加工、穴抜き加工、曲げ加工などのプレス成形により底壁、側壁、カバー13との連結壁などが一体的に形成され、同様にカバー13も、例えばスチール、アルミニウム、銅などの金属板を切断加工、打ち抜き加工、穴抜き加工、曲げ加工などのプレス成形により平板状に形成されている。
また、カバー13の略中央には外部の空気を吸気する略円形状の吸気口13aが配設され、フレーム14の底壁の略中央には外部の空気を吸気する略円形状の吸気口14a(図4参照)が配設されている。
そして、カバー13とフレーム14が上下方向で所定の位置関係で組み合わさって、ファンケーシング12が構成され、その二方向の側面には吸気した空気を側面方向へ吹き出す排気口15が配設されている。
さらに、そのカバー13とフレーム14に挟まれて収容されるように遠心型のファン11が配置され、そのファン11は円筒形状の外周面を有するハブ部11aとその外周面から遠心方向へ略放射状に延びる複数のブレード部11bとを備えている。
ここで、ファン11が矢印Rで示した方向に高速で回転するとそのハブ部11aの上面に対向するようにカバー13の略中央に配設された吸気口13aとフレーム14の底壁に配設された吸気口14aから空気が後述するファン11の回転軸11c(図3参照)の延長方向より吸気され、さらにその吸気された空気が、ブレード部11bの回転運動によりファンケーシング12の内部でその複数のブレード部11bの遠心方向へと風向きが変えられるので、その大部分はフレーム14の底壁と側壁の内面やカバー13の内面にぶつかりながら、それらの内面に沿って矢印Rで示したファン11の回転方向と同一の方向へそれらの空気が送られて最終的に2つの排気口15から吹き出される。
次に、図2で示したように、前述したフレーム14は、底壁14bと側壁14cとを有し、その側壁14cは略円弧状に形成された内周面を有しており、全体として薄型となるような扁平形状で形成されている。
また、側壁14cにおいて外側へ鍔状に張り出した折り曲げ部には3箇所に締結用凹部14dが設けられ、前述したように平板状のカバー13(図1参照)が組み合わされた後に、その締結用凹部14dにカバー13の締結用凸部(図示せず)がカシメられて両者が締結されている。
また、フレーム14の外周部には、カバー13と所定の間隔を持って組み合わせるための連結壁16が複数個設けられ、その連結壁16がフレーム14の底壁14bとカバー13との間を所定の間隔を保ちながら適正な機械的強度が確保されるようにスペーサの役目も果たしている。
そして、図示しないが、その連結壁16もその一部がフレーム14またはカバー13にカシメられることにより強固に締結されている。
以上のように、フレーム14とカバー13は、複数箇所においてカシメによって強固に締結され、全体が扁平形状の箱型となるように組み合わされているので、所定の機械的強度や耐久性が確保されている。
ここで、フレーム14の底壁14bにはその略中央に略円形状の吸気口14aが形成され、その吸気口14aの略中央部には、2本の連結部14e(図4参照)により支持された環状保持部14f(図4参照)が配置され、その環状保持部14fの上方にはファン11が回転自在に搭載されている。
また、前述したようにファン11は、円筒状のハブ部11aと、そのハブ部11aの外周面から略放射状に延びる複数のブレード部11bとを備えており、ファン11に回転駆動力を与えるモータ部17(図3参照)がそのハブ部11aに覆われるように配置されている。
次に、図3で示したように、そのモータ部17は前述した連結部14eに連設された環状保持部14fの内周側の上部に配置されており、鍔状の係合部18aを有しその略中央が円筒状に突出した突出部18bを有するハウジング18が環状保持部14fの内周側にフレーム14の係止爪14gによって締結され、そのハウジング18の周囲にはモータコイル19が巻かれたステータ20や図示しないホール素子等が実装された駆動回路基板21が配置されモータ部17の固定体を構成している。
一方、ハウジング18の内部には、そのモータ部17の回転体の一部を構成するファン11に一体成型により組み込まれた回転軸11cの下端が挿入され回転自在に軸支する軸受けスリーブ22が収容されており、その軸受けスリーブ22をハウジング18内に形成された受け座18cとの間で挟むように固定リング23がハウジング18の突出部18bの開口側に圧入されている。
また、回転軸11cはスラストシート24に当接した状態で軸受けスリーブ22にはめ込まれている。
そして、ファン11のハブ部11aは、環状のステータ20と対向配置するようにマグネット11dとマグネットヨーク11eが配設されモータ部17の回転体を構成している。
以上のように構成されたモータ部17において、駆動回路基板21にリード線25を介して電力が供給されると、ステータ20に巻かれた各モータコイル19に電流が流れステータ20に磁力が発生する。
するとファン11のマグネット11dは周方向にN極とS極が交互に着磁されており、ステータ20に発生した磁力と引き合ってファン11が回転する。このとき、駆動回路基板21に実装されたホール素子(図示せず)はマグネット11dのN極とS極を検出し出力信号を発生する。
各コイルに流れる電流をホール素子の出力信号により転流するように制御することで、ステータ20に発生する磁力の磁極は逐次変わってマグネット11dのN極やS極と引き合い、ファン11は、図1の矢印Rで示した所定の回転方向に連続的に回転する。
さらに、詳細に説明すると、ファン11に一体成型により組み込まれた回転軸11cは、耐摩耗性や取り扱い性を考慮してSUS420J2等のステンレス鋼が用いられ、その回転軸11cの下端が挿入され回転自在に軸支する軸受けスリーブ22は、切削性や転造性を考慮してC3604、BC6C等の銅合金が用いられている。
また、その軸受けスリーブ22は、内部に動圧発生溝(図示せず)を有する流体軸受けであり、その流体用のオイルとして、この送風ファン装置10が各種電子機器の発熱電子部品の冷却用としてその近傍に設置されることも多いことから、耐熱性の高いフッ素系合成油が用いられている。
次に、図4では、さらに分かりやすいように前述したファン11やモータ部17などを取り去り、略中央が円筒状に突出したハウジング18の鍔状の係合部18aにフレーム14がその環状保持部14fの内周側に形成された係止爪14gによって保持されている状態を示している。
この図でも明らかなように、フレーム14の底壁14bにはその略中央に略円形状の吸気口14aが形成され、その吸気口14aの略中央部には、2本の連結部14eにより支持された環状保持部14fが配置され、その環状保持部14fの内周側の4箇所に形成された係止爪14gとそれとは異なる位置の4箇所に内周側へ凸形状となるように形成されたハウジング受け部14fa(図6参照)との間でハウジング18の鍔状の係合部18aの外周部が挟持されてハウジング18がフレーム14に保持されている。
ここで、それぞれの係止爪14gはフレーム14において弾性変形可能に形成されており、その係止爪14gの弾性変形による弾性力がハウジング18の鍔状の係合部18aに作用して十分な付勢力が得られるだけでなく、−40℃〜120℃の温度変化またはその温度変化の繰り返しなどによるハウジング18の熱膨張や熱収縮による形状変化、あるいは、製品輸送中の輸送振動や製品動作中のファン11の回転振動などの衝撃的な振動によるハウジング18の振動などがフレーム14に対して変形応力として作用するが、そのような変形応力をフレーム14の係止爪14gの弾性変形によって吸収できるので、その係止爪14gとハウジング18の係合部18aとの間に機械的なガタやゆるみを生じることもなくて、初期の締結状態が維持され高い信頼性を確保できる。
また、フレーム14のハウジング18への締結加工が容易となるばかりでなく、加えて金属製のフレーム14をプレス成形で製作すれば、樹脂成形品と比較して剛性が高く強度の確保が容易なのでより薄型化も実現できる。
さらに、図5(a)〜(c)を参照して詳細に説明する。
まず、図5(a)で示したように、フレーム14の連結部14eにより支持された環状保持部14fの内周側には、先端の形状が突出する方向に向かって幅方向で先細りしたU字形状の係止爪14gが形成されており、ハウジング18の鍔状の係合部18aに対してその当接部14ga(図5(b)、(c)参照)が所定の弾性力で付勢するように、その係止爪14gの付け根部14hが折り曲げられて塑性変形させられている。
ここで、その係止爪14gに対応してハウジング18の係合部18aの外周部には、その係止爪14gの幅方向の寸法よりも大きく幅方向の中心位置が一致するようにU字形状の凹部18dが形成されており、加えてその凹部18dには係止爪14gの幅方向の寸法よりも小さく幅方向の中心位置が一致するように破線で示したU字形状の切り欠き18eが形成されている。
このように、係合部18aの外周部に凹部18dを形成し、その凹部18dに係止爪14gを当接させたことにより、凹部18dが係止爪14gのガイドとして作用しフレーム14とハウジング18との間の相対的な位置ずれを防止できるので、フレーム14のハウジング18への締結加工が容易となるばかりでなく加工精度を向上できる。
次に、図5(b)で示したように、係合部18aの凹部18dのエッジ部には、係止爪14gの当接部14gaが当接しており、係止爪14gの付け根部14hから当接部14gaの内周側までの範囲の領域である弾性変形部14gbが下方へ弾性変形しているため、その弾性変形部14gbの弾性復帰しようとする弾性力が当接部14gaに作用して、その当接部14gaが係合部18aの凹部18dに対して所定の弾性力で下方へ付勢している。
つまり、係止爪14gはその外周部よりも中央部が下方へ凸となるように弾性変形しており、その弾性変形によって所定の弾性変形量だけ下方へ弾性変形した弾性変形部14gbが、切り欠き18eによって形成された逃げ空間部18fに入り込み、十分な弾性力が得られている。
また、図5(c)で示したように、係合部18aの凹部18dのエッジ部には、係止爪14gの当接部14gaが当接しており、係止爪14gの付け根部14hから当接部14gaの内周側までの範囲の領域である弾性変形部14gbが下方へ円弧状に弾性変形しているため、その弾性変形部14gbの弾性復帰しようとする弾性力が当接部14gaに作用して、その当接部14gaが係合部18aの凹部18dに対して所定の弾性力で下方へ付勢している。
つまり、係止爪14gはその外周部よりも中央部が下方へ円弧形状の凸となるように弾性変形しており、所定の弾性変形量だけ下方へ弾性変形した弾性変形部14gbが、切り欠き18eによって形成された逃げ空間部18fに入り込み、十分な弾性力が得られている。
したがって、係止爪14gがその弾性変形部14gbを有することにより、当接部14gaが所定の弾性力で係合部18aの凹部18dに付勢され、より確実にフレーム14の係止爪14gがハウジング18の係合部18aに締結できている。
また、詳細には後述するが、係止爪14gを、突出する方向に向かって幅方向で先細りする形状としたことにより、係止爪14gを弾性変形させて係止爪14gの当接部14gaに所定の弾性力で付勢させるプレス加工の押圧力をその係止爪14gの幅方向の中心へ集中し易くなるので、弾性変形部14gbを所定の弾性変形量だけ安定して変形させることができ、加工品質を安定化できる。
次に、フレーム14をハウジング18に締結する製造方法について、図6から図8までを参照して説明する。
まず、図6で示したように、例えば、スチール、アルミニウム、銅などの平板状の金属材料を所定の外形形状に成型したフレーム14に、ハウジング18を締結するための開口部14iを設け、その縁端部に複数のハウジング受け部14faと係止爪14gを打ち抜き工程により形成する。
その打ち抜き工程は、図示しない所定のパンチとダイスから構成される上下一対の金型を用いたもので、その打ち抜き工程中で前述したフレーム14の吸気口14aも同時に打ち抜いて設けるのが好ましいが、打ち抜き加工精度や加工変形などで支障がある場合には、それらを別工程で打ち抜いても構わない。
次に、係止爪14gの付け根部14hを係止爪折り曲げ工程によって係止爪14gが上向くよう所定の角度に折り曲げるが、このとき、係止爪14gは、その付け根部14hをフレーム14の環状保持部14fの平面に対して100度〜120度の範囲となるように折り曲げるのが好ましく、そのような折り曲げ角度に設定することでハウジング18を4箇所に異なる幅長で形成されたハウジング受け部14faにセットし易いようになる。
その係止爪折り曲げ工程は、図示しない所定のパンチとダイスから構成される上下一対の金型を用いたもので、そのパンチとダイスによって係止爪14gを上下方向から挟み込むようにプレスして折り曲げ成形する。
そして、ハウジングセット工程ではハウジング18の係合部18aを下向きにして、フレーム14の開口部14iに向かって下方に下し、フレーム14の環状保持部14fの内周側の4箇所に異なる幅長で形成されたハウジング受け部14faの所定の位置にハウジング18の係合部18aの底面が当接するように設置される。
そのとき、フレーム14に形成された4つの係止爪14gとハウジング18の外周部の4箇所の切り欠き18eが回転方向において一致するようにしている。
次に、図7(a)及び図8(a)は、プレス工程における初期の状態を示しており、前述のようにフレーム14のハウジング受け部14faの所定の位置にハウジング18がセットされた状態で、2点鎖線で示した押圧治具26の平坦な下端面26aが矢印で示した方向へ下降して、その下端面26aが係止爪14gの先端部14gcに所定の加圧力で加圧し始めている。
また、図7(b)及び図8(b)は、プレス工程における中期の状態を示しており、2点鎖線で示した押圧治具26の下端面26aの下方への加圧力が係止爪14gの先端部14gcに作用するので、その支点となる付け根部14hは少しずつその内角が広がる方向へ塑性変形されるとともに、係止爪14gの幅方向の外周部がハウジング18の係合部18aの凹部18dのエッジ部と当接し始めるので、係止爪14gはその幅方向の外周部よりも幅方向の中央部が下方へ凸となるように弾性変形し始めている。
ここで、その弾性変形によって少しずつ下方へ変形した弾性変形部14gb(図7(c)参照)が、切り欠き18eによって形成された逃げ空間部18fに入り込むので、プレス加工が容易にもなり十分な弾性力が得られるようになっている。
さらに、図7(c)及び図8(c)は、プレス工程における終期の状態を示しており、2点鎖線で示した押圧治具26がさらに下降して係止爪14gの先端外周部の当接部14gaにおいても係合部18aの凹部18dのエッジ部と当接し、係止爪14gの付け根部14hがその内角が広がる方向へ塑性変形されるとともに、係止爪14gはその外周部よりも中央部が下方へ凸となるように弾性変形しており、ハウジング18の鍔状の係合部18aの凹部18dに対してその当接部14gaが所定の弾性力で付勢する状態にまでプレスされている。
つまり、係止爪14gはその外周部よりも中央部が下方へ円弧形状の凸となるように弾性変形しており、その弾性変形によって所定の弾性変形量だけ下方へ弾性変形した弾性変形部14gbが、切り欠き18eによって形成された逃げ空間部18fに入り込み、十分な弾性力が得られている。
したがって、係止爪14gがその弾性変形部14gbを有することにより、当接部14gaが所定の弾性力で係合部18aに付勢され、より確実にフレーム14の係止爪14gがハウジング18の係合部18aに締結できている。
つまり、係合部18aの凹部18dのエッジ部には、係止爪14gの当接部14gaが当接しており、係止爪14gの付け根部14hから当接部14gaの内周側までの範囲の領域である弾性変形部14gbが下方へ凸となるように円弧状に弾性変形しているため、その弾性変形部14gbの弾性復帰しようとする弾性力が当接部14gaに作用して、その当接部14gaが係合部18aの凹部18dに対して所定の弾性力で下方へ付勢している。
また、前述したように、係合部18aの外周部に形成された凹部18dが、係止爪14gが当接するときのガイドとして作用しフレーム14とハウジング18との間の相対的な位置ずれを防止できるので、フレーム14のハウジング18への締結加工が容易となるばかりでなく加工精度を向上できる。
また、係止爪14gを、突出する方向に向かって幅方向で先細りする形状としたことにより、係止爪14gを弾性変形させて係止爪14gの当接部14gaを所定の弾性力で付勢させるプレス加工の押圧力をその係止爪14gの幅方向の中心へ集中し易くなるので、弾性変形部14gbを所定の弾性変形量だけ安定して変形させることができ、加工品質を安定化できる。
なお、前述した打ち抜き工程においては、フレーム14の開口部14iの縁端部に沿ってハウジング受け部14faと係止爪14gとが周方向に交互に位置するように形成されており、ハウジング18の係合部18aの外周部にハウジング受け部14faと係止爪14gを当接させたことにより、ハウジング18は、その係合部18aの外周部がフレーム14のハウジング受け部14faと所定の弾性力で付勢された係止爪14gとの間で交互にバランス良く挟持されてフレーム14に保持されているので、ハウジング18の反りや変形を少なくして高い加工精度を確保できる。
また、前述したプレス工程においては、押圧治具26はフレーム14の4つの係止爪14gを同時に加圧するのが作業効率的に好ましく、ハウジング18の円筒状の突出部18b(図6参照)を囲繞するような円筒形状に設計されたものがよい。
次に、係止爪14gの最大幅に対して最適となる切り欠き18eの最大幅について図9と図10を参照して説明する。
まず、図9(a)においては切り欠き18eの一方の外周側端部18eaと他方の外周側端部18ebとを結ぶ直線をD−Dラインとしており、図9(b)で示したように、そのD−Dラインで切断したときの係止爪14gの最大幅をTmaxとし、切り欠き18eの最大幅をKmaxとし、係止爪14gの弾性変形部14gbの幅方向の中央における最大弾性変形量Smaxを係止爪14gの上面端部に対する上面の最大くぼみ量とする。
ここで、係止爪14gは、その幅方向において上面端部よりも中央部が下方へ凸となりその最大幅Tmaxに対して最大弾性変形量Smaxとなるように弾性変形しており、係止爪14gの当接部14gaがハウジング18の係合部18aの凹部18dに対して所定の弾性力で付勢している。
したがって、仮にハウジング18のみをこの状態より除去したとするとその係止爪14gは2点鎖線で示した状態に弾性復帰するわけであるから、所定の弾性力で付勢させるためには係止爪14gの最大弾性変形量Smaxを十分に確保することが必要となる。
次に、図10は、前述したプレス工程における押圧治具26による加圧力を加工精度や加工変形などを考慮した最適値に設定した条件下において、横軸を切り欠き18eの最大幅と係止爪14gの最大幅との比率(Kmax/Tmax)とし、縦軸を最大弾性変形量Smaxとして、その関係をグラフで示したものである。
この図からも明らかなように、切り欠き18eの最大幅を係止爪14gの最大幅の60%〜90%の範囲に設定することで、最大弾性変形量Smaxの下限値を0.07mmに設定することができる。
ここで、係止爪14gの付け根部14hは、前述したプレス工程において塑性変形しているが残留ひずみによって塑性変形前の状態に戻ろうとする性質があり、その残留ひずみによる戻り量は、0.02mm〜0.05mmであることが分かっている。
したがって、最大弾性変形量Smaxの下限値は、その残留ひずみによる戻り量よりも十分に大きく設定されているので、たとえそのような残留ひずみの影響がある場合においても係止爪14gの弾性変形している状態を維持できるので、所定の弾性力で付勢させることができている。
一方、位置精度の加工ばらつきを考慮して切り欠き18eの最大幅を係止爪14gの最大幅の90%以下の範囲に設定することが好ましく、この範囲に設定することで余裕をもって係止爪14gの外周部をハウジング18の係合部18aに当接させることができるので、安定した品質を確保できる。
つまり、逃げ空間部18fを切り欠き18eによって形成し、その切り欠き18eの最大幅を係止爪14gの最大幅の60%〜90%の範囲に設定したことにより、弾性変形による所定の弾性変形量を確保しながら加工精度のばらつきにも対応できるので、その係止爪14gの当接部14gaとハウジング18の係合部18aとの間に係止爪14gの付け根部14hの残留ひずみによる係止爪14gの戻り現象が起きても機械的なガタやゆるみを生じることもなく、高い信頼性を確保できる。
(実施の形態2)
次に、図11(a)、(b)を参照して係止爪と切り欠きの形状の変形例を説明する。
図11(a)は、三角形状の係止爪の場合における係止爪とその近傍の部分拡大平面図で、図11(b)は、先端が台形形状の係止爪の場合における係止爪とその近傍の部分拡大平面図である。
まず、図11(a)で示したように、フレーム30の連結部30aにより支持された環状保持部30bの内周側には、先端の形状が突出する方向に向かって幅方向で先細りした三角形状の係止爪30cが形成されており、ハウジング31の鍔状の係合部31aに対してその当接部(図示せず)が所定の弾性力で付勢するように、その係止爪30cの付け根部30dが折り曲げられて塑性変形させられている。
ここで、その係止爪30cに対応してハウジング31の係合部31aの外周部には、その係止爪30cの幅方向の寸法よりも大きく幅方向の中心位置が一致するように三角形状の凹部31bが形成されており、加えてその凹部31bには係止爪30cの幅方向の寸法よりも小さく幅方向の中心位置が一致するように破線で示した三角形状の切り欠き31cが形成されている。
このように、係合部31aの外周部に凹部31bを形成し、その凹部31bに係止爪30cを当接させたことにより、凹部31bが係止爪30cのガイドとして作用しフレーム30とハウジング31との間の相対的な位置ずれを防止できるので、フレーム30のハウジング31への締結加工が容易となるばかりでなく加工精度を向上できる。
また、図示しないが、係合部31aの凹部31bには、係止爪30cの当接部が当接しており、係止爪30cの付け根部30dから当接部の内周側までの範囲の領域である弾性変形部が下方へ弾性変形しているため、その弾性変形部の弾性復帰しようとする弾性力が当接部に作用して、その当接部が係合部31aの凹部31bに対して所定の弾性力で下方へ付勢している。
次に、図11(b)で示したように、フレーム40の連結部40aにより支持された環状保持部40bの内周側には、先端の形状が突出する方向に向かって幅方向で先細りした台形形状の係止爪40cが形成されており、ハウジング41の鍔状の係合部41aに対してその当接部(図示せず)が所定の弾性力で付勢するように、その係止爪40cの付け根部40dが折り曲げられて塑性変形させられている。
ここで、その係止爪40cに対応してハウジング41の係合部41aの外周部には、その係止爪40cの幅方向の寸法よりも大きく幅方向の中心位置が一致するように台形形状の凹部41bが形成されており、加えてその凹部41bには係止爪40cの幅方向の寸法よりも小さく幅方向の中心位置が一致するように破線で示した台形形状の切り欠き41cが形成されている。
このように、係合部41aの外周部に凹部41bを形成し、その凹部41bに係止爪40cを当接させたことにより、凹部41bが係止爪40cのガイドとして作用しフレーム40とハウジング41との間の相対的な位置ずれを防止できるので、フレーム40のハウジング41への締結加工が容易となるばかりでなく加工精度を向上できる。
また、図示しないが、係合部41aの凹部41bには、係止爪40cの当接部(図示せず)が当接しており、係止爪40cの付け根部40dから当接部の内周側までの範囲の領域である弾性変形部が下方へ弾性変形しているため、その弾性変形部の弾性復帰しようとする弾性力が当接部に作用して、その当接部が係合部41aの凹部41bに対して所定の弾性力で下方へ付勢している。
なお、以上の実施の形態の説明において、構成要素の寸法、数量、材質、形状、その相対的な配置などは、特にそれらに限定される旨の記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではなく、単なるひとつの実施の形態の説明に過ぎず、様々な変形が可能である。
特に、主要な構成要素である係止爪や逃げ空間部である切り欠きの寸法、数量、形状、その相対的な配置などについては、前記の実施の形態に限定されず、4箇所に略均等間隔で設けるのではなく、1箇所、2箇所、3箇所、あるいは4箇所よりも多くても構わない。
また、ファンの形状についても、特に限定はなく、複数のブレードを有し、そのブレードの回転によって空気を送風するファンであればよく、シロッコファンのようにブレードが外周部のみに形成されたような形態の遠心型のファン、あるいは回転軸方向に空気を吹き出す軸流型のファンであってもよい。
また、ファンケーシングの外形についても、特に限定はなく、略円形、略三角形、略四角形、略平行四辺形、あるいはそれ以外の種々の多角形でも構わなく、吸気口も、カバーとフレームの両方ではなくカバーまたはフレームのいずれか一方のみに形成してもよいし、空気吹出口も2方向ではなく1方向や3方向以上に設けてもよい。
また、ファンケーシングの構成についても、単にカバーとフレームとからのみ構成されたものではなく、そのカバーまたはフレームの一部に発熱電子部品と熱的な接続を行う受熱部を設けたり、放熱性を有する放熱フィンからなるヒートシンクなどをダイカスト成型やプレス成形などによって一体的に設けたりする構成でもよいし、さらにその間の熱輸送を効率的に行うヒートパイプや熱伝導性シートなどの熱輸送部材を別に備えていてもよい。
本発明にかかる送風ファン装置及びそれの製造方法は、フレームの係止爪とハウジングの係合部との間に機械的なガタやゆるみを生じることもなく、高い信頼性を確保することができるので、例えば自販機、冷凍機、加熱炉などの各種冷却装置や各種加温装置などの装置内に用いるための送風ファン装置として有用である。
本発明の実施の形態1における送風ファン装置を示す斜視図 本発明の実施の形態1における送風ファン装置のカバーを外した斜視図 図2におけるラインA−A矢視断面図 本発明の実施の形態1におけるハウジングに締結されたフレームの状態を示す斜視図 (a)係止爪とその近傍の部分拡大平面図、(b)図5(a)におけるラインB−B矢視断面図、(c)図5(a)におけるラインC−C矢視断面図 フレームをハウジングに締結する前の状態を示した斜視図 (a)〜(c)フレームの係止爪を押圧治具によって加圧するプレス工程を係止爪の幅方向の断面で示した加工説明図 (a)〜(c)フレームの係止爪を押圧治具によって加圧するプレス工程を係止爪の突出方向の断面で示した加工説明図 (a)係止爪とその近傍の部分拡大平面図、(b)図9(a)におけるラインD−D矢視断面図 係止爪の最大幅と切り欠きの最大幅との比率に対する最大弾性変形量の関係を示すグラフ (a)三角形状の係止爪の場合における係止爪とその近傍の部分拡大平面図、(b)先端が台形形状の係止爪の場合における係止爪とその近傍の部分拡大平面図 (a)従来の技術におけるハウジングに形成された突起部をカシメる前の状態図、(b)従来の技術におけるハウジングに形成された突起部をカシメた後の状態図
符号の説明
10 送風ファン装置
11 ファン
11a ハブ部
11b ブレード部
11c 回転軸
11d マグネット
11e マグネットヨーク
12 ファンケーシング
13 カバー
13a 吸気口
14 フレーム
14a 吸気口
14b 底壁
14c 側壁
14d 締結用凹部
14e 連結部
14f 環状保持部
14fa ハウジング受け部
14g 係止爪
14ga 当接部
14gb 弾性変形部
14gc 先端部
14h 付け根部
14i 開口部
15 排気口
16 連結壁
17 モータ部
18 ハウジング
18a 係合部
18b 突出部
18c 受け座
18d 凹部
18e 切り欠き
18ea 一方の外周側端部
18eb 他方の外周側端部
18f 逃げ空間部
19 モータコイル
20 ステータ
21 駆動回路基板
22 軸受けスリーブ
23 固定リング
24 スラストシート
25 リード線
26 押圧治具
26a 下端面
30 フレーム
30a 連結部
30b 環状保持部
30c 係止爪
30d 付け根部
31 ハウジング
31a 係合部
31b 凹部
31c 切り欠き
40 フレーム
40a 連結部
40b 環状保持部
40c 係止爪
40d 付け根部
41 ハウジング
41a 係合部
41b 凹部
41c 切り欠き
R ファンの回転方向

Claims (7)

  1. ファンと、前記ファンの回転軸を回転自在に軸支する軸受けスリーブを収容するハウジングと、前記ファンと前記ハウジングを収容するファンケーシングとを有し、前記ファンケーシングはカバーと前記ハウジングを保持する金属製のフレームとを備えた送風ファン装置であって、前記ハウジングは鍔状の係合部を有し、前記フレームはハウジング受け部と係止爪とを有し、前記ハウジングは、前記係合部が前記ハウジング受け部と所定の弾性力で付勢された係止爪との間とで挟持されて前記フレームに保持された送風ファン装置。
  2. 前記係止爪は、前記フレームにおいて弾性変形可能に形成され、前記ハウジングの係合部に当接する当接部と、前記当接部を前記係合部に対して所定の弾性力で付勢させる弾性変形部と、を有する請求項1記載の送風ファン装置。
  3. 前記ハウジングの係合部の外周部に、前記係止爪の前記弾性変形部が入り込む逃げ空間部を形成した、請求項2記載の送風ファン装置。
  4. 前記逃げ空間部を切り欠きによって形成し、その切り欠きの最大幅を前記係止爪の最大幅の60%〜90%の範囲に設定した、請求項3記載の送風ファン装置。
  5. 前記係止爪を、突出する方向に向かって幅方向で先細りする形状とした、請求項1記載の送風ファン装置。
  6. 前記フレームには所定の開口部を設け、その開口部の縁端部に沿ってハウジング受け部と前記係止爪とが周方向に交互に位置するように形成し、前記ハウジングの係合部の外周部に前記ハウジング受け部と前記係止爪を当接させた、請求項1記載の送風ファン装置。
  7. 前記ハウジングの外周部に凹部を形成し、その凹部に前記係止爪を当接させた、請求項1記載の送風ファン装置。
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