JP2005079176A - 電界効果トランジスタ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
高誘電体ゲート絶縁膜の導入や歪みSiチャネルの採用によりFET性能の向上が可能になるが、極薄膜ゲート絶縁膜の実現は困難であるとともに、歪みSiチャネルの製造方法は煩雑で歩留まりの低下やコスト上昇等の問題を引き起こしている。
【解決手段】
本発明では、半導体基板に形成されたチャネル領域と、このチャネル領域上に形成された半導体基板とは格子面間隔の異なる結晶質の金属酸窒化物からなるゲート絶縁膜と、このゲート絶縁膜上に形成された導電性金属酸窒化物からなるゲート電極と、チャネル領域の側部に形成されたソース・ドレイン領域とを含み、導電性金属酸窒化物の形成により、金属酸窒化物の面間隔を制御することにより、高誘電体ゲート絶縁膜を形成し、EOT低減や歪みSiチャネルの形成を実現し、FET特性の改善とその製造工程の大幅な簡略化を可能とする電界効果トランジスタ及びその製造方法を提供する。
【選択図】図1
Description
nm以下の極薄膜を実現しようとした場合、直接トンネル電流の影響を回避するため物理膜厚を5 nm程度に保つためには、誘電率としてはさらに高い40〜50程度が望まれる。誘電率を制御するために、SrTiO3などでは歪みによる誘電率の変化について理論的検討がなされている。歪みが加わることによって内部イオンが受ける力が変化し、誘電率が変化する。小さな歪みでも誘電率の変化は非常に大きく、面内の圧縮応力などを人為的に制御できれば大きな誘電率の上昇を実現することが可能である。SrTiO3などの誘電体に歪みを与えようとした場合、誘電体とは格子定数の異なる基板を用いる手法が主に用いられている。しかし、この手法では、与えられる歪みの量が基板の格子定数で決められてしまい所望の量に制御できない、また、基板と誘電体との界面で欠陥が発生すると歪みが緩和してしまう等の種々の問題があり、誘電率の向上を十分に達成できていない。また、SrTiO3などのペロブスカイト系酸化物では酸素欠損を生じると導電性が発生し、絶縁膜として機能しなくなることが知られている。
あるCe2O3という2種類の結晶構造が存在することが報告されている。C-希土類構造の単位格子は、陰イオンが欠けた8個のホタル石構造の単位格子の組み合せにより構成されている。C-希土類構造ではA2O3型で記述され、8個すべてのホタル石構造の単位格子から対角線上にある2個の酸素イオンが抜けている。金属元素1個に対する酸素原子の数は、Ce2O3ではCeO2に比べて減少するが絶縁性は保持される。これは、SrTiO3などのペロブスカイト系酸化物と大きく異なる性質である。また、格子定数は、酸素イオンが抜けることによりイオン性結晶におけるイオン相互作用が減少して平均的イオン間距離が大きくなるために、CeO2に比べCe2O3の方が約3%大きくなるとされている。
と実験値は良い一致を示している。一方、p-MOSFETでは理論的には正孔移動度の向上率はGe組成にほぼ比例して増加し、Ge組成が30%では2.4程度になると予想されている。しかし、実験的にはGe組成30%のp-MOSFETにおける正孔移動度の向上率は1.5程度しか得られておらず、その原因はわかっていない。また、SGOI基板ではSiに引張り歪みのみしか与えることができないので、圧縮歪みによる正孔移動度の変化については調べられていない。
Y. Nishikawa, N. Fukushima and N. Yasuda, Ext. Abst. Inter. Conf. on Solid State Devices and Materials, Tokyo, p.174 (2001) S. Takagi, IEICS Trans. Electron. E85-C, 1064(2002). 杉山、応用物理 69巻、1315(2000).
。
(実施の形態1)
本発明の第1の実施形態によるMIS(Metal-Insulator-Semiconductor)FETの断面構造を図1に示す。この実施形態によるMISFETは、Siからなる半導体基板1上にSiチャネル層2、結晶質の金属酸窒化物からなるゲート絶縁膜5、導電性酸窒化物からなるゲート電極6が形成され、このチャネル層2の両側に、チャネル層2と導電型が異なるソース領域3aおよびドレイン領域3bが形成された構成となっている。
イオン性結晶であり、酸素イオンが抜けることによりイオン間の相互作用が弱まった結果、平均的なイオン間距離の拡大がおこり格子面間隔の拡大が起こっていることが確認された。CeO2-x[110]方向の格子面間隔もSiに対して+0.5%であり、等方的な格子面間隔の拡大が起こっていた。CeO2-xの形成により金属酸化物5の格子面間隔は拡大しているが、このとき、直下に位置するSiチャネル層2の格子面間隔には変化がなかった。形成された金属酸化物であるCeO2-xが2つのドメインを持つため粒界が存在し、その界面において格子面間隔の拡大に起因する歪みは緩和されチャネル層には影響を与えないからである。
にすることが望ましいことがわかった。
(実施の形態2)
本発明の第2の実施形態によるMIS(Metal-Insulator-Semiconductor)FETの断面構造を図6に示す。この実施形態によるMISFETは、Siからなる半導体基板1上に歪みSiチャネル層2
、Siとは格子面間隔が異なる結晶質の金属酸窒化物からなるゲート絶縁膜5、導電性酸窒化物からなるゲート電極6が形成され、このチャネル層2の両側に、チャネル層2と導電型が異なるソース領域3aおよびドレイン領域3bが形成された構成となっている。結晶性金属酸窒化物の格子面間隔がSiとは異なるため、チャネル層2におけるSiは結晶性金属酸窒化物から応力を受けて歪みSiチャネル層2が形成されている。
子面間隔が大きく変化するとともに導電性酸窒化物が形成され、同時に、金属酸窒物の格子面間隔の変化により歪みSiチャネル層が形成されることは、本発明者らの実験により始めて明らかとなったことである。このような効果を得るためには、金属酸窒化物と金属膜の組み合せが非常に重要でありその選定方法については後述する。
、例えば、800℃、30秒という比較的低温で、且つ、非常に短い時間で金属酸窒化物の格子面間隔の拡大とSiチャネル層への歪みの導入を同時に実現することができる。歪みSiチャネル層を有するFET形成プロセスの大幅な簡便化と時間短縮が可能であり、コストの低減を図れることは明白である。また、歪みSiチャネル層の結晶性を高めることが可能であり、FET特性の大幅な改善も可能となる。さらに、金属酸窒化物の面間隔の拡大により、誘電率の向上が達成され、EOTの低減が可能である。以上のような効果を得るための本発明における大きなポイントは、金属酸窒化物と金属膜の組み合せ選定と熱処理を行う雰囲気中の酸素分圧の設定にある。
れなくなる。つまり、金属酸窒化膜への酸素欠損の導入(酸素量の減少)が起こらないため、格子面間隔の変化は生じない。このように、本発明者らによる実験により、金属酸窒化物から金属膜へ酸素の供与が起こる場合における熱処理時の酸素分圧は、0 Torr〜1×10-5 Torrに設定することにより著しい効果が得られることが明らかとなった。最適な熱処理時間と熱処理温度は、用いる金属酸窒化物と金属膜の種類とその組み合せにより決まる。希土類酸窒化物と金属膜の組み合せでは、熱処理温度を500〜1200℃に設定し、熱処理時間はおおよそ30秒から20分の間に設定することが好ましいことがわかった。
(実施の形態3)
本発明の第3の実施形態によるMIS(Metal-Insulator-Semiconductor)FETの断面構造を図9に示す。この実施形態によるMISFETは、Siからなる半導体基板1上に歪みSiチャネル層2、Siに直接接合し、且つ、Siとは異なる格子面間隔を有する結晶質の金属酸窒化物からなるゲート絶縁膜5、導電性酸窒化物からなるゲート電極6が形成され、このチャネル層2の両側に、チャネル層2と導電型が異なるソース領域3aおよびドレイン領域3bが形成された構成となっている。結晶性金属酸窒化物の格子面間隔がSiとは異なるため、チャネル層2におけるSiは結晶性金属酸窒化物から応力を受けて歪みSiチャネル層2が形成されている。
量はCeO2-xと同じになることがわかった。これは、非晶質であるCeシリケート層が存在するとCeO2-xの歪の一部を緩和してしまうが、直接接合している場合は歪の緩和が起こらないため、より効率良くSiチャネルに歪みを与えらことが出来るからである。同時に、Pt金属膜はCeO2から移動した酸素と熱処理雰囲気中にわずかに含まれている酸素により酸化され、導電性酸化物PtO2:6が形成される(図10(e)参照)。また、図10(e)における熱処理では、イオン注入されたソース領域7aとドレイン領域7bが活性化される。次に、SiO2膜8を全面に堆積した後、ソース領域7aとドレイン領域7b上にコンタクトホールを開孔し、その後、ゲート絶縁膜5、ゲート電極6の側部に例えばSiO2からなる絶縁膜9を形成する。続いて、Al等の金属を蒸着して金属膜を全面に形成した後、この金属膜をRIE法などの異方性エッチングを行うことによりパターニングしソース電極10aとドレイン電極10bが形成され、図10(f)に示すようなMISFETが完成する。
(実施の形態第4)
本発明の第4の実施形態によるMIS(Metal-Insulator-Semiconductor)FETの断面構造を図11に示す。この実施形態によるMISFETは、Siからなる半導体基板1上にSiチャネル層2、結晶質の金属酸窒化物からなるゲート絶縁膜5、導電性酸窒化物からなるゲート電極6と7が形成され、このチャネル層2の両側に、チャネル層2と導電型が異なるソース領域3aおよびドレイン領域3bが形成された構成となっている。導電性酸窒化物からなるゲート電極7は、ゲート絶縁膜5とゲート電極6を構成する元素が混合して形成された層である。
nm成膜した(図12(b)参照)。成膜時の酸素分圧を1×10-7 Torrに精密に制御することにより、LaO2-xの膜質を向上させた。反射高速電子線回折(RHEED)と透過型電子顕微鏡(TEM)による観察から、Si基板の(001)面に対してLaO2-xは直交する2つの(110)面に配向したエピタキシャル層であることを確認した。また、LaO2-x[001]方向の格子面間隔(Si基板とLaO2-xとの平行な面の格子面間隔)を透過型電子顕微鏡による電子線回折パターンの解析から評価したところ、Siに対して4%であり、バルクのLa2O3(+5.0%)より小さい値であった。このとき、Si基板1と金属酸化物3との間には、Si基板1の表面が酸化されてLaシリケート層0.5 nmが形成されていることを透過型電子顕微鏡(TEM)で確認した。
ン打ち込みを行う。次に、例えば、ランプアニール装置を用いて、熱処理温度900℃、雰囲気は窒素ガスをベースとして酸素分圧1×10-8 Torrに設定し、5分の急速加熱処理を行った。この熱処理を行うことにより、LaO2-x金属酸化物5とTiN金属酸窒化物6との反応がおこり、導電性酸窒化物であるLaTiO3-yNy層7が新たに形成された(図12(e)参照)。このとき、LaO2-xに含まれていた酸素の一部がLaTiO3-yNy層に供与される。この結果、LaO2-xでは酸素量の減少が起こりLa2O3となっていることが、X線電子分光法(XPS)で確認された。La2O3における[001]方向の格子面間隔を透過型電子顕微鏡による電子線回折パターンの解析から評価したところ、Siに対して+5.0%であり、熱処理前に比べて格子面間隔が拡大していることが判明した。[110]方向の格子面間隔もSiに対して+5.0%であり、等方的な格子面間隔の拡大が起こっていた。La2O3の形成により金属酸化物5の格子面間隔は拡大しているが、このとき、直下に位置するSiチャネル層2の格子面間隔には変化がなかった。形成された金属酸化物であるLa2O3が2つのドメインを持つため粒界が存在し、その界面において格子面間隔の拡大による歪みが緩和されチャネル層2には影響を与えないためである。
(実施の形態5)
本発明の第5の実施形態によるMIS(Metal-Insulator-Semiconductor)FETの断面構造を図13に示す。この実施形態によるMISFETは、Siからなる半導体基板1上に歪みSiチャネル層2、Siとは格子面間隔が異なる結晶質の金属酸窒化物からなるゲート絶縁膜5、導電性酸窒化物からなるゲート電極6が形成され、このチャネル層2の両側に、チャネル層2と導電型が異なるソース領域3aおよびドレイン領域3bが形成された構成となっている。結晶性金属酸窒化物の格子面間隔がSiとは異なるため、チャネル層2におけるSiは結晶性金属酸窒化物から応力を受けて歪みSiチャネル層2が形成されている。
る例について述べた。本実施例では、熱処理時の雰囲気における酸素分圧を増やすことにより、金属酸窒化物における酸素量を増加させている。Ir金属膜が十分に酸化されIrO2となった場合、余剰の酸素を透過させて金属酸窒化物に供与する性質があるためである。
2 チャネル領域
3 素子分離領域
3a、7a ソース領域
3b、7b ドレイン領域
4、8 SiO2膜
5 ゲート絶縁膜
6 ゲート電極
6a 金属膜
7 混合層
9 絶縁膜
10a ソース電極
10b ドレイン電極
Claims (15)
- 半導体基板と、この半導体基板に形成されたチャネル領域と、このチャネル領域上に形成された、前記半導体基板とは格子面間隔の異なる結晶質の金属酸窒化物からなるゲート絶縁膜と、このゲート絶縁膜上に形成された導電性金属酸窒化物からなるゲート電極と、前記チャネル領域の側部に形成されたソース・ドレイン領域とを含むことを特徴とする電界効果トランジスタ。
- 前記チャネル領域が歪み半導体層からなることを特徴とする請求項1記載の電界効果トランジスタ。
- 前記ゲート絶縁膜と前記ゲート電極との間に、前記結晶性の金属酸窒化物の構成元素の少なくとも1つと前記導電性酸窒化物の構成元素の少なくとも1つを含有する導電性酸窒化物を含むことを特徴とする請求項1及び2記載の電界効果トランジスタ。
- 前記金属酸窒化物からなるゲート絶縁膜が前記チャネル領域に直接接合していることを特徴とする請求項1乃至3記載の電界効果トランジスタ。
- 前記結晶質の金属酸窒化物からなるゲート絶縁膜は、少なくとも一種類以上の希土類金属元素を含むことを特徴とする請求項1及至4記載の電界効果トランジスタ。
- 前記結晶質の金属酸窒化物からなるゲート絶縁膜は、Ce、Dy、Y、Gd、La、Prのいずれか一種類以上の金属元素を含むことを特徴とする請求項1至5記載の電界効果トランジスタ。
- 前記導電性金属酸窒化物からなるゲート電極は、Ru、Ir、Ptのいずれか一種類以上の金属元素を含むことを特徴とする請求項1乃至6記載の電界効果トランジスタ。
- 半導体基板のチャネル領域上に、ゲート絶縁膜となる金属酸窒化物を形成する工程と、前記金属酸窒化物上に金属膜を形成する工程を行った後、熱処理を行い前記金属酸窒化物における酸素含有量を変化させるとともに、前記金属膜を酸窒化して導電性酸窒化物からなるゲート電極を形成する工程と、前記チャネル領域の側部に配置されるソース・ドレイン領域を形成する工程を含むことを特徴とする電界効果トランジスタの製造方法。
- 前記熱処理を行う工程において、前記金属酸窒化物の格子面間隔を前記半導体基板の格子面間隔と異ならせることにより、前記チャネル領域における半導体層に歪みを導入することを特徴とした請求項8記載の電界効果トランジスタの製造方法。
- 前記熱処理を行う工程において、前記ゲート絶縁膜と前記ゲート電極との間に、前記結晶性の金属酸窒化物の構成元素の少なくとも1つと前記導電性酸窒化物の構成元素の少なくとも1つを含有する導電性酸窒化物を形成することを特徴とする請求項8及び9記載の電界効果トランジスタの製造方法。
- 前記半導体基板上に前記金属酸窒化物からなるゲート絶縁膜を形成する工程において、前記金属酸窒化物を前記チャネル領域に直接接合させたことを特徴とする請求項8乃至10記載の電界効果トランジスタの製造方法。
- 前記結晶質の金属酸窒化物からなるゲート絶縁膜は、少なくとも一種類以上の希土類金属元素を含むことを特徴とする請求項8及至11記載の電界効果トランジスタの製造方法。
- 前記結晶質の金属酸窒化物からなるゲート絶縁膜は、Ce、Dy、Y、Gd、La、Prのいずれか一種類以上の金属元素を含むことを特徴とする請求項8及至12記載の電界効果トランジスタの製造方法。
- 前記金属膜は、Ru、Ir、Ptのいずれか一種類以上の金属元素を含むことを特徴とする請求項8乃至13記載の電界効果トランジスタの製造方法。
- 前記熱処理において、雰囲気中の酸素分圧を0 Torrから1 ×10-5Torrの範囲に設定したことを特徴とする請求項8乃至14記載の電界効果トランジスタの製造方法。
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