JP2005078896A - 有機電界発光素子及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高温でも有機薄膜の変化が少なく、信頼性が高く、かつ、製造が容易な有機電界発光素子及びその製造方法を実現すること。
【解決手段】 有機電界発光素子100は、基板1上に、第1の電極11が図1の紙面と直交する方向に延設され、その上に低分子系材料を塗布して発光層となる第1の有機薄膜21が形成され、当該有機薄膜21の上に、ホールブロック層となる第2の有機薄膜22が形成され、当該第2の有機薄膜22上に第2の電極12が第1の電極11と直交する方向に延設された構造となっている。この構造の有機電界発光素子100では、発光層を塗布形成できるので、製造が容易であり、また、ホールブロック層を設けているので、発光効率を高めることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 有機電界発光素子100は、基板1上に、第1の電極11が図1の紙面と直交する方向に延設され、その上に低分子系材料を塗布して発光層となる第1の有機薄膜21が形成され、当該有機薄膜21の上に、ホールブロック層となる第2の有機薄膜22が形成され、当該第2の有機薄膜22上に第2の電極12が第1の電極11と直交する方向に延設された構造となっている。この構造の有機電界発光素子100では、発光層を塗布形成できるので、製造が容易であり、また、ホールブロック層を設けているので、発光効率を高めることができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、有機電界発光素子及びその製造方法に関し、詳細には、低分子系有機材料を用いることにより、発光効率を高め、駆動電圧を低減できる有機電界発光素子及びその製造方法に関する。
有機電界発光素子(有機EL素子)は、1987年のTangとVanSlykeのアプライドフィジックスレターズ誌での報告(非特許文献1参照)以来、活発に研究開発が進んでおり、それから15年が経過した現在、カーオーディオの表示部、車載用表示パネル、携帯端末の表示部等に使用されるに至っている。この有機電界発光素子の有機薄膜の成膜法の一例としては、高分子系有機材料の溶液をインクジェット法により塗布することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このインクジェット法による高分子系有機材料の塗布は、効率よく有機薄膜の製造を行うことができるという特徴がある。
アプライドフィジックスレターズ紙、第51巻、913頁 特開2003−86366号公報
アプライドフィジックスレターズ紙、第51巻、913頁
しかしながら、高分子系有機材料は、精製の難しさ、高分子鎖長の不均一、膜の分子形状の不均一に伴う伝導・発光特性の不均一、高分子鎖に接した溶媒、水分除去の困難さ等に伴い、安定性に欠け信頼性が低いという問題点があった。高分子系有機材料の塗布法に変えて、低分子系材料の蒸着法を用いることも考えられるが、低分子系材料のパターニングには、マスク蒸着を用いる必要が有り、高精細化、大面積化が難しいという問題点があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、高温でも有機薄膜の変化が少なく、信頼性が高く、かつ、製造が容易な有機電界発光素子及びその製造方法を実現することを目的とする。
上記目的を達成するための請求項1に係る発明の有機電界発光素子では、導電性を有した第1の電極を備えた絶縁性の基板と、少なくとも正孔輸送の性質を有する低分子有機材料と、少なくとも電子輸送の性質を有する低分子有機材料と、少なくとも発光の性質を有する低分子有機材料とを混合し、かつ溶媒に溶かした有機薄膜形成用溶液を用いて、前記基板の上に形成した第1の有機薄膜と、導電性を有した第2の電極とを備えている。
また、請求項2に係る発明の有機電界発光素子では、請求項1に記載の発明の構成に加えて、前記第1の有機薄膜上に、当該第1の有機薄膜を溶解しない成膜法を用いて形成したホールブロッキング層としての第2の有機薄膜を備え、当該第2の有機薄膜上に前記第2の電極を設けたことを特徴とする。
また、請求項3に係る発明の有機電界発光素子では、請求項1又は2に記載の発明の構成に加えて、前記第1の電極及び前記基板が可視光に対して透過性を有し、前記第2の電極が可視光に対して反射性を有することを特徴とする。
また、請求項4に係る発明の有機電界発光素子では、請求項1又は2に記載の発明の構成に加えて、前記第1の電極及び前記基板が可視光に対して反射性を有し、前記第2の電極が可視光に対して透過性を有することを特徴とする。
また、請求項5に係る発明の有機電界発光素子では、請求項1乃至4の何れかに記載の発明の構成に加えて、前記基板と前記第1の有機薄膜との間にホール注入層である有機薄膜からなる緩衝層を備えたことを特徴する。
また、請求項6に係る発明の有機電界発光素子では、請求項5に記載の発明の構成に加えて、前記緩衝層の有機薄膜が、polyethylenedioxy thiophene(PEDOT)系材料から構成されたことを特徴とする。
また、請求項7に係る発明の有機電界発光素子では、請求項2乃至6の何れかに記載の発明の構成に加えて、前記第2の有機薄膜が、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)から構成されたことを特徴とする。
また、請求項8に係る発明の有機電界発光素子では、請求項2乃至6の何れかに記載の発明の構成に加えて、前記第2の有機薄膜が、2−(4−ビフェニリル)−5−(p−ターシャルブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(tBu−PBD)から構成されたことを特徴とする。
また、請求項9に係る発明の有機電界発光素子では、請求項2乃至6の何れかに記載の発明の構成に加えて、前記第2の有機薄膜が、トリアゾール誘導体から構成されたことを特徴とする。
また、請求項10に係る発明の有機電界発光素子では、請求項1乃至9の何れかに記載の発明の構成に加えて、前記電子輸送の性質を有する低分子有機材料が、2−(4−ビフェニリル)−5−(p−ターシャルブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(tBu−PBD)から構成されたことを特徴とした有機電界発光素子。
また、請求項11に係る発明の有機電界発光素子では、請求項1乃至9の何れかに記載の発明の構成に加えて、前記電子輸送の性質を有する低分子有機材料が、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)から構成されたことを特徴とする。
また、請求項12に係る発明の有機電界発光素子では、請求項1乃至9の何れかに記載の発明の構成に加えて、前記電子輸送の性質を有する低分子有機材料が、4,4’−ビス(9−カルバゾール)−ビフェニル(CBP)から構成されたことを特徴とする。
また、請求項13に係る発明の有機電界発光素子では、請求項1乃至12の何れかに記載の発明の構成に加えて、前記発光の性質を有する低分子有機材料が燐光発光材料から構成されたことを特徴とする。
また、請求項14に係る発明の有機電界発光素子では、請求項1乃至13の何れかに記載の発明の構成に加えて、前記溶媒が塩素系有機溶媒から構成されたことを特徴とする。
また、請求項15に係る発明の有機電界発光素子では、請求項1乃至14の何れかに記載の発明の構成に加えて、前記正孔輸送の性質を有する低分子有機材料に、N,N’−ジフェニル−N,N’−(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(TPD)と、4,4’−ビス(9−カルバゾール)−ビフェニル(CBP)とを重量比で0対10〜1対9の範囲で混合した有機材料を用いたことを特徴とする。
また、請求項16に係る発明の有機電界発光素子の製造方法では、少なくとも正孔輸送の性質を有する低分子有機材料と、少なくとも電子輸送の性質を有する低分子有機材料と、少なくとも発光の性質を有する低分子有機材料とを混合して、溶媒に溶解して有機薄膜形成用溶液を生成する有機薄膜形成用溶液生成工程と、当該有機薄膜形成用溶液生成工程で生成した有機薄膜形成用溶液を導電性を有した第1の電極を備えた絶縁性の基板上に塗布する第1の有機薄膜生成工程と、導電性を有した第2の電極の生成工程とを備えている。
また、請求項17に係る発明の有機電界発光素子の製造方法では、請求項16に記載の発明の構成に加えて、前記第1の有機薄膜上に、当該第1の有機薄膜を溶解しない成膜法を用いたホールブロッキング層としての第2の有機薄膜生成する工程を備えたことを特徴とする。
また、請求項18に係る発明の有機電界発光素子の製造方法では、請求項16又17に記載の発明の構成に加えて、前記第1の電極及び前記基板が可視光に対して透過性を有し、前記第2の電極が可視光に対して反射性を有することを特徴とする。
また、請求項19に係る発明の有機電界発光素子の製造方法では、請求項16又は17に記載の発明の構成に加えて、前記第1の電極及び前記基板が可視光に対して反射性を有し、前記第2の電極が可視光に対して透過性を有することを特徴とする。
また、請求項20に係る発明の有機電界発光素子の製造方法では、請求項16乃至19の何れかに記載の発明の構成に加えて、前記基板と前記第1の有機薄膜との間にホール注入層である有機薄膜からなる緩衝層を生成する工程を備えたことを特徴する。
また、請求項21に係る発明の有機電界発光素子の製造方法では、請求項20に記載の発明の構成に加えて、前記緩衝層の有機薄膜が、polyethylenedioxy thiophene(PEDOT)系材料から構成されたことを特徴とする。
また、請求項22に係る発明の有機電界発光素子の製造方法では、請求項17乃至21の何れかに記載の発明の構成に加えて、前記第2の有機薄膜が、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)から構成されたことを特徴とする。
また、請求項23に係る発明の有機電界発光素子の製造方法では、請求項17乃至21の何れかに記載の発明の構成に加えて、前記第2の有機薄膜が、2−(4−ビフェニリル)−5−(p−ターシャルブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(tBu−PBD)から構成されたことを特徴とする。
また、請求項24に係る発明の有機電界発光素子の製造方法では、請求項17乃至21の何れかに記載の発明の構成に加えて、前記第2の有機薄膜が、トリアゾール誘導体から構成されたことを特徴とする。
また、請求項25に係る発明の有機電界発光素子の製造方法では、請求項16乃至24の何れかに記載の発明の構成に加えて、前記電子輸送の性質を有する低分子有機材料が、2−(4−ビフェニリル)−5−(p−ターシャルブチルフェニル)−1,3,4 −オキサジアゾール(tBu−PBD)から構成されたことを特徴とする。
また、請求項26に係る発明の有機電界発光素子の製造方法では、請求項16乃至24の何れかに記載の発明の構成に加えて、前記電子輸送の性質を有する低分子有機材料が、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)から構成されたことを特徴とする。
また、請求項27に係る発明の有機電界発光素子の製造方法では、請求項16乃至24の何れかに記載の発明の構成に加えて、前記電子輸送の性質を有する低分子有機材料が、4,4’−ビス(9−カルバゾール)−ビフェニル(CBP)から構成されたことを特徴とする。
また、請求項28に係る発明の有機電界発光素子の製造方法では、請求項16乃至27の何れかに記載の発明の構成に加えて、前記発光の性質を有する低分子有機材料が燐光発光材料から構成されたことを特徴とする。
また、請求項29に係る発明の有機電界発光素子の製造方法では、請求項16乃至28の何れかに記載の発明の構成に加えて、前記溶媒が塩素系有機溶媒から構成されたことを特徴とする。
また、請求項30に係る発明の有機電界発光素子の製造方法では、請求項16乃至29の何れかに記載の発明の構成に加えて、前記正孔輸送の性質を有する低分子有機材料に、N,N’−ジフェニル−N,N’−(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(TPD)と、4,4’−ビス(9−カルバゾール)−ビフェニル(CBP)とを重量比で0対10〜1対9の範囲で混合した有機材料を用いたことを特徴とする。
請求項1に係る発明の有機電界発光素子では、第1の有機薄膜を、少なくとも正孔輸送の性質を有する低分子有機材料と、少なくとも電子輸送の性質を有する低分子有機材料と、少なくとも発光の性質を有する低分子有機材料と混合して溶媒に溶かしているので、高温でも安定性が高い低分子有機材料を溶媒に溶かした有機薄膜形成用溶液を用いて、基板の上に第1の有機薄膜をパターニング法やインクジェット法により容易に形成することができる。
また、請求項2に係る発明の有機電界発光素子では、請求項1に記載の発明の効果に加えて、第1の有機薄膜上に、当該第1の有機薄膜を溶解しない成膜法を用いて形成したホールブロッキング層としての第2の有機薄膜を備えているので、ホールの通り抜けを防止して、ホールと電子の再結合率を向上して、発光効率を高めることができる。
また、請求項3に係る発明の有機電界発光素子では、請求項1又は2に記載の効果に加えて、第1の電極及び基板が可視光に対して透過性を有し、第2の電極が可視光に対して反射性を有するので、基板側から効率良く光を放出するボトムエミッションタイプの素子を実現できる。
また、請求項4に係る発明の有機電界発光素子では、請求項1又は2に記載の効果に加えて、第1の電極及び前記基板が可視光に対して反射性を有し、第2の電極が可視光に対して透過性を有するので、第2の電極側から効率良く光を放出するトップエミッションタイプの素子を実現できる。
また、請求項5に係る発明の有機電界発光素子では、請求項1乃至4の何れかに記載の効果に加えて、基板と第1の有機薄膜との間にホール注入層である有機薄膜からなる緩衝層を備えているので、第1の有機薄膜にホールの注入が容易になり、有機電界発光素子の駆動電圧を低下させることができる。
また、請求項6に係る発明の有機電界発光素子では、請求項5に記載の効果に加えて、緩衝層の有機薄膜が、polyethylenedioxy thiophene(PEDOT)系材料であるので、第1の有機薄膜にホールの注入が容易になり、有機電界発光素子の駆動電圧を低下させることができる。
また、請求項7に係る発明の有機電界発光素子では、請求項2乃至6の何れかに記載の発明の効果に加えて、第2の有機薄膜が、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)であるので、ホールの通り抜けを防止して、ホールと電子の再結合率を向上して、発光効率を高めることができる。
また、請求項8に係る発明の有機電界発光素子では、請求項2乃至6の何れかに記載の発明の効果に加えて、第2の有機薄膜が、2−(4−ビフェニリル)−5−(p−ターシャルブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(tBu−PBD)であるので、第2の有機薄膜がホールブロッキング層として機能し、ホールの通り抜けを防止して、ホールと電子の再結合率を向上して、発光効率を高めることができる。
また、請求項9に係る発明の有機電界発光素子では、請求項2乃至6の何れかに記載の発明の効果に加えて、第2の有機薄膜が、トリアゾール誘導体であるので、第2の有機薄膜がホールブロッキング層として機能し、ホールの通り抜けを防止して、ホールと電子の再結合率を向上して、発光効率を高めることができる。
また、請求項10に係る発明の有機電界発光素子では、請求項1乃至9の何れかに記載の発明の効果に加えて、電子輸送の性質を有する低分子有機材料が、2−(4−ビフェニリル)−5−(p−ターシャルブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(tBu−PBD)であるので、高温でも安定性が高い低分子有機材料を用いて電子輸送層を構成することができる。
また、請求項11に係る発明の有機電界発光素子では、請求項1乃至9の何れかに記載の発明の効果に加えて、電子輸送の性質を有する低分子有機材料が、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)であるので、高温でも安定性が高い低分子有機材料を用いて電子輸送層を構成することができる。
また、請求項12に係る発明の有機電界発光素子では、請求項1乃至9の何れかに記載の発明の効果に加えて、前記電子輸送の性質を有する低分子有機材料が、4,4’−ビス(9−カルバゾール)−ビフェニル(CBP)であるので、高温でも安定性が高い低分子有機材料を用いて電子輸送層を構成することができる。
また、請求項13に係る発明の有機電界発光素子では、請求項1乃至12の何れかに記載の発明の効果に加えて、前記発光の性質を有する低分子有機材料が燐光発光材料であるので発光効率を高めることができる。
また、請求項14に係る発明の有機電界発光素子では、請求項1乃至13の何れかに記載の発明の効果に加えて、前記溶媒として塩素系有機溶媒を使用しているので、第1の有機薄膜の形成を塗布法、インクジェット法等で行うことができる。
また、請求項15に係る発明の有機電界発光素子では、請求項1乃至14の何れかに記載の発明の効果に加えて、前記正孔輸送の性質を有する低分子有機材料に、N,N’−ジフェニル−N,N’−(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(TPD)と、4,4’−ビス(9−カルバゾール)−ビフェニル(CBP)とを重量比で0対10〜1対9の範囲で混合した有機材料を用いているので、発光効率を高めることができる。
また、請求項16に係る発明の有機電界発光素子の製造方法では、第1の有機薄膜を、少なくとも正孔輸送の性質を有する低分子有機材料と、少なくとも電子輸送の性質を有する低分子有機材料と、少なくとも発光の性質を有する低分子有機材料と混合して溶媒に溶かしているので、高温でも安定性が高い低分子有機材料を溶媒に溶かした有機薄膜形成用溶液を用いて、基板の上に第1の有機薄膜をパターニング法やインクジェット法により容易に形成することができる。
また、請求項17に係る発明の有機電界発光素子の製造方法では、請求項16に記載の発明の効果に加えて、第1の有機薄膜上に、当該第1の有機薄膜を溶解しない成膜法を用いて形成したホールブロッキング層としての第2の有機薄膜を備えているので、ホールの通り抜けを防止して、ホールと電子の再結合率を向上して、発光効率を高めた有機電界発光素子を製造できる。
また、請求項18に係る発明の有機電界発光素子の製造方法では、請求項16又は17に記載の効果に加えて、第1の電極及び基板が可視光に対して透過性を有し、第2の電極が可視光に対して反射性を有するので、基板側から効率良く光を放出するボトムエミッションタイプの素子を製造できる。
また、請求項19に係る発明の有機電界発光素子の製造方法では、請求項16又は17に記載の効果に加えて、第1の電極及び前記基板が可視光に対して反射性を有し、第2の電極が可視光に対して透過性を有するので、第2の電極側から効率良く光を放出するトップエミッションタイプの素子を実現できる。
また、請求項20に係る発明の有機電界発光素子の製造方法では、請求項16至19の何れかに記載の効果に加えて、基板と第1の有機薄膜との間にホール注入層である有機薄膜からなる緩衝層を備えているので、第1の有機薄膜へホールの注入が容易になり、有機電界発光素子の駆動電圧を低下させることができる。
また、請求項21に係る発明の有機電界発光素子の製造方法では、請求項20に記載の効果に加えて、緩衝層の有機薄膜が、polyethylenedioxy thiophene(PEDOT)系材料であるので、ホールの注入が容易になり、有機電界発光素子の駆動電圧を低下させることができる有機電界発光素子を製造できる。
また、請求項22に係る発明の有機電界発光素子の製造方法では、請求項17乃至21の何れかに記載の発明の効果に加えて、第2の有機薄膜が、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)であるので、ホールの通り抜けを防止して、ホールと電子の再結合率を向上して、発光効率を高めた有機電界発光素子を製造できる。
また、請求項23に係る発明の有機電界発光素子の製造方法では、請求項17乃至21の何れかに記載の発明の効果に加えて、第2の有機薄膜が、2−(4−ビフェニリル)−5−(p−ターシャルブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(tBu−PBD)であるので、第2の有機薄膜がホールブロッキング層として機能し、ホールの通り抜けを防止して、ホールと電子の再結合率を向上して、発光効率を高めた有機電界発光素子を製造できる。
また、請求項24に係る発明の有機電界発光素子の製造方法では、請求項17乃至21の何れかに記載の発明の効果に加えて、第2の有機薄膜が、トリアゾール誘導体であるので、第2の有機薄膜がホールブロッキング層として機能し、ホールの通り抜けを防止して、ホールと電子の再結合率を向上して、発光効率を高めた有機電界発光素子を製造できる。
また、請求項25に係る発明の有機電界発光素子の製造方法では、請求項16乃至24の何れかに記載の発明の効果に加えて、電子輸送の性質を有する低分子有機材料が、2−(4−ビフェニリル)−5−(p−ターシャルブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(tBu−PBD)であるので、高温でも安定性が高い低分子有機材料を用いて電子輸送層を備えた有機電界発光素子を製造できる。
また、請求項26に係る発明の有機電界発光素子の製造方法では、請求項16乃至24の何れかに記載の発明の効果に加えて、電子輸送の性質を有する低分子有機材料が、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)であるので、高温でも安定性が高い低分子有機材料を用いて電子輸送層を備えた有機電界発光素子を製造できる。
また、請求項27に係る発明の有機電界発光素子の製造方法では、請求項16至24の何れかに記載の発明の効果に加えて、前記電子輸送の性質を有する低分子有機材料が、4,4’−ビス(9−カルバゾール)−ビフェニル(CBP)であるので、高温でも安定性が高い低分子有機材料を用いて電子輸送層を備えた有機電界発光素子を製造できる。
また、請求項28に係る発明の有機電界発光素子の製造方法では、請求項16乃至27の何れかに記載の発明の効果に加えて、前記発光の性質を有する低分子有機材料が燐光発光材料であるので発光効率を高めた有機電界発光素子を製造できる。
また、請求項29に係る発明の有機電界発光素子の製造方法では、請求項16乃至28の何れかに記載の発明の効果に加えて、前記溶媒として塩素系有機溶媒を使用しているので、第1の有機薄膜の形成を塗布法、インクジェット法等で行うことができる。
また、請求項30に係る発明の有機電界発光素子の製造方法では、請求項16乃至29の何れかに記載の発明の効果に加えて、前記正孔輸送の性質を有する低分子有機材料に、N,N’−ジフェニル−N,N’−(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(TPD)と、4,4’−ビス(9−カルバゾール)−ビフェニル(CBP)とを重量比で0対10〜1対9の範囲で混合した有機材料を用いているので、発光効率を高めた有機電界発光素子を製造できる。
以下、本発明の第1の実施の形態である有機電界発光素子100及びその製造方法について図面を参照して説明する。図1は、有機電界発光素子100の縦断面図である。この有機電界発光素子100は、有機ELディスプレイ装置等に用いられるものであり、図1に示す基板1側から発光するボトムエミッションタイプのものを例に説明する。
まず、有機電界発光素子100の構成の概略について説明する。図1に示すように、有機電界発光素子100は、基板1上に、第1の電極11が形成され、その上に第1の有機薄膜21が形成され、当該有機薄膜21の上に、第2の有機薄膜22が形成され、当該第2の有機薄膜22上に第2の電極12が形成されている。尚、第1の電極11と第2の電極12とは互いに直交する方向に延設された構造となっている。従って、第1の電極11は、図1の紙面と直交する方向に延設され、第2の電極12は、その第1の電極11の延設方向と直交する方向(図1に於ける左右方向)に延設されている。
次に、基板1について説明する。本実施の形態の有機電界発光素子100に用いられる基板1は、可視光に対して透過性を有し(一例として、透明の性質を有し)、かつ絶縁性の性質を有する材質から構成され、一例としては、ガラス、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等が用いられる。
次に、第1の電極11について説明する。第1の電極11は、導電性を有し、かつ可視光に対して透過性を有し(一例として、透明の性質を有し)、図1の紙面と直交する方向に所定の幅で延設されている。この第1の電極11を陽極とする場合には、その材質の特性として、高仕事関数であること、表面形状が平坦であり断面が台形状に形成できること、第1の有機薄膜21に対して、充分な正孔供給が可能なこと、安定なこと等が必要である。この第1の電極11に用いられる材質の一例としては、インジュウム酸化膜とスズ酸化膜の混合物であるITOや、インジュウム酸化膜と亜鉛酸化膜の混合物であるIZO等がある。
次に、第1の有機薄膜21について説明する。有機薄膜21は、正孔輸送の性質を有する低分子系正孔輸送材料に、電子輸送の性質を有する低分子系電子輸送材料を混合し、さらに、発光の性質を有する低分子発光材を混合し、かつ塩素系有機溶媒(一例として、1,2−ジクロルエタン、クロロホルム)に溶かした有機薄膜形成用溶液を用い塗布形成されたものである。
第1の有機薄膜21に用いられる低分子系正孔輸送材料の一例として、本実施の形態では、非晶質膜が形成可能と言うことで代表的な有機EL素子特性評価に用いられているN,N’−ジフェニル−N,N’−(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(TPD)を使用した。
また、第1の有機薄膜21に用いられる低分子系電子輸送材料の一例としては、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール(BND)や、2,5−ビス(6’−(2’,2”−ビピリジル))−1,1−ジメチル−3,4−ジフェニルシロール (PyPySPyPy)や、バソフェナントロリン(BPhen)や、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP、バソクプロイン)、2−(4−ビフェニリル)−5−(p−ターシャルブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(tBu−PBD)や、4,4’−ビス(9−カルバゾール)−ビフェニル(CBP)等がある。
また、第1の有機薄膜21に用いられる低分子発光材料の一例として本実施の形態では、色素としては緑色発光剤であるクマリン6(C6)、燐光材料の場合は、facトリ(2−フェニルピリジン)イリジウム(Ir(ppy)3)を使用した。
また、有機薄膜形成用溶液にホスト材料として4,4’−ビス(9−カルバゾール)−ビフェニル(CBP)を付加した。
次に、第2の有機薄膜22について説明する。第2の有機薄膜22は、第1の有機薄膜21の発光特性を大幅に改善するために設けられ、「ホールブロック層」と呼ばれるものである。この第2の有機薄膜22は、正孔(ホール)の通過を阻止して、第1の有機薄膜21内を移動するホールと電子の再結合率を向上して、第1の有機薄膜21の発光効率上げる働きをする。この第2の有機薄膜22は、第1の有機薄膜が溶融しない、前記有機薄膜形成用溶液とは別の溶媒を用いた湿式法や、CVD、蒸着等を含む各種乾式法により第1の有機薄膜21の上に成膜される。
次に、第2の電極12について説明する。第2の電極12は、導電性を有する材質から形成されている。また、図1に示すように、第2の電極12は、第1の電極11の延設方向と直交する方向(図1に於ける左右方向)に延設されている。ここで、第2の電極12を陰極とする場合には、望ましい性質としては、低仕事関数であること、形成後の表面が平坦であること、デバイスに対し充分な電子供給が可能なこと、酸化しにくく安定なこと等がある。この第2の電極12の材質の一例としては、単体としては、Al、Cs、Er等を用いることができ、合金としては、MgAg、AlLi、AlLi、AlMg、CsTe等を用いることができ、また、積層構造にする場合には、Ca/Al、Mg/Al、Li/Al、Cs/Al、Cs2O/Al、LiF/Al、ErF3/Al等の組み合わせを用いることができる。
次に、上記の構成を備えた有機電界発光素子100の製造方法の一例について図1乃至図5を参照して説明する。図2は、有機電界発光素子100の基板1を示す縦断面図であり、図3は、有機電界発光素子100の基板1上に第1の電極11を蒸着した状態を示す縦断面図であり、図4は、有機電界発光素子100の第1の有機薄膜21を塗布した状態を示す縦断面図であり、図5は、有機電界発光素子100の第2の有機薄膜22を塗布した状態を示す縦断面図である。有機電界発光素子100の製造工程の第1段階では、まず、図2に示すような板状の基板1の洗浄を行う。具体的には、ガラス板等から構成された基板1の表面を有機溶媒を用いて洗浄を行い、その上に、図3に示すように、ITOを一例として150nmの厚みでスパッタ法により堆積して、陽極としての第1の電極11を形成する。ITOが150nmの厚みの場合の光透過率は81%であった。そして、第1の電極11の表面を中性洗剤洗浄、アセトン洗浄、イソプロピルアルコール洗浄の一連の有機溶媒系の洗浄を行い、乾燥処理を行った後、有機層形成前処理として、紫外線オゾンクリーナ処理を25分間行った。
次に、第1の有機薄膜21の形成を行う。具体的には、前記正孔輸送の性質を有する低分子系正孔輸送材料に、前記電子輸送の性質を有する低分子系電子輸送材料を混合し、さらに、前記発光の性質を有する低分子発光材料を混合し、塩素系有機溶媒(一例として、1,2−ジクロルエタン、クロロホルム)に溶かした有機薄膜形成用溶液を生成し、この有機薄膜形成用溶液を用いて、図4に示すように、スピンコート法により、第1の有機薄膜21の形成を行う。この第1の有機薄膜21の膜厚は50〜200nm、好ましくは80〜120nmである。尚、有機薄膜形成用溶液の塗布は、スピンコート法以外にも、インクジェット法、ディップコート法、カーテンコート法、バーコート法、印刷法等も用いることができる。
次に、図5に示すように、第1の有機薄膜21の上に、ホールブロック層を形成するために、第2の有機薄膜22を形成する。この第2の有機薄膜22の一例としては、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)や、2−(4−ビフェニリル)−5−(p−ターシャルブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(tBu−PBD)や、トリアゾール誘導体等を用いることができる。これらの物質を第1の有機薄膜21が溶融しない、有機薄膜形成用溶液とは別の溶媒(一例として、親水性の溶媒、アルコール溶媒、水性溶媒等の溶媒)を用いた湿式法や、CVD法、蒸着法等を含む各種乾式法により、第1の有機薄膜21の上に成膜する。
次いで、図1に示すように、第2の有機薄膜22の上に、陰極構造の第2の電極12を形成する。この第2の電極12は、図1に示すように、第1の電極11の延設方向と直交する方向(図1に於ける左右方向)に延設されている。陰極構造の第2の電極12の材質の一例としては、単体としては、Al、Cs、Er等を用いることができ、合金としては、MgAg、AlLi、AlLi、AlMg、CsTe等を用いることができ、また、積層構造にする場合には、Ca/Al、Mg/Al、Li/Al、Cs/Al、Cs2O/Al、LiF/Al、ErF3/Al等の組み合わせを用いることができるが、ここでは、LiF(1nm)/Alを真空蒸着法により形成した。
次に、上記第1の実施の形態の有機電界発光素子100の実施例1として、TPD:CBP:Ir(ppy)3=(0〜10)重量部:(100〜90)重量部:5重量部の比率で混合した低分子有機材料を、1,2−ジクロロエタン溶媒に溶かした2重量%溶液を使用し、スピンコート法により第1の有機薄膜21の形成を行い、その上にホールブロック層としての第2の有機薄膜22を2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリンを蒸着して有機電界発光素子100を形成した。即ち、この実施例1の有機電界発光素子100では、燐光材料を発光層としての第1の有機薄膜21に用い、ホールブロック層として第2の有機薄膜22を設けている。尚、1,2−ジクロロエタン溶媒の濃度としては、0.1〜5重量%であれば良い。
上記実施例1の対比例として、TPD:CBP:Ir(ppy)3=(0〜10)重量部:(100〜90)重量部:5重量部の比率で混合した低分子有機材料を、1,2−ジクロロエタン溶媒に溶かした2重量%溶液を使用し、スピンコート法により第1の有機薄膜21の形成を行い、その上にホールブロック層としての第2の有機薄膜22を設けない比較用単層構造素子を形成し比較実験を行った。
上記の実施例1の有機電界発光素子100と対比例との比較実験結果を図6及び図7を参照して説明する。 図6は、実施例1と対比例の電流密度−電圧特性を示すグラフであり、図7は、実施例1と対比例の輝度−電流密度特性を示すグラフである。尚、図6及び図7では、白三角のマークは、TPD:CBP=0重量部:100重量部の場合を示し、白丸のマークは、TPD:CBP=5重量部:95重量部の場合を示し、白四角のマークは、TPD:CBP=10重量部:90重量部の場合を示し、黒三角のマークは、TPD:CBP=0重量部:100重量部で、BCPのホールブロック層を設けた場合を示し、黒丸のマークは、TPD:CBP=5重量部:95重量部で、BCPのホールブロック層を設けた場合を示し、黒四角のマークは、TPD:CBP=10重量部:90重量部で、BCPのホールブロック層を設けた場合を示している。
図6に示すように、印加電圧に対する電流密度の特性は、TPDの混合比を増すに従い低電圧側へ移動した。また、第2の有機薄膜22(BCP)が形成された素子が最も低電圧側の特性を示した。さらに、図7に示すように、第1の有機薄膜21(発光層)の上に第2の有機薄膜22(ホールブロック層)(BCP)を形成して有機層二層の積層構造とすることにより、電流密度に対する輝度の特性は、一桁以上の大幅な向上が図れたことが分かる。また、図7に示すように、最高輝度はTPD:CBP=0重量部:100重量部、第2の有機薄膜22(BCP)有りのときに得られ、混合比がTPD:CBP=0重量部:100重量部、5重量部:95重量部のとき最高輝度は各々20,900、18,100cd/m2(電流密度100mA/cm2)、最高効率は各々11.0、10.2lm/W (電流密度0.071、0.303mA/cm2)であった。
以上説明したように、第1の実施の形態である有機電界発光素子100では、発光層となる第1の有機薄膜21を、低分子系正孔輸送材料と、電子輸送の性質を有する低分子系電子輸送材料と、低分子発光材料とを混合し、有機溶媒に溶かした有機薄膜形成用溶液を用いて発光層の有機薄膜を生成しているので、第1の有機薄膜21が高温でも安定であり、また、有機薄膜形成用溶液用いているので、スピンコート法、インクジェット法、ディップコート法、カーテンコート法、バーコート法、印刷法等により容易に基板1に第1の有機薄膜21を塗布形成することができる。さらに、有機電界発光素子100では、ホールブロック層として第2の有機薄膜22を設けているので、第1の有機薄膜21から第2の電極12側へのホールの通過を阻止して、発光層となる第1の有機薄膜21の発光効率を高めることができる。また、従来と同じ発光量とするなら有機電界発光素子100の駆動電圧を低減することができる。
尚、上記第1の実施の形態の有機電界発光素子100では、基板1側から発光するボトムエミッションタイプのものを例として説明したが、有機電界発光素子100は、第2の電極12側から発光するトップエミッションタイプとしても良い。この場合には、基板1は、表面を絶縁性被膜で覆った金属板や耐溶媒性プラスチック基板等を使用して、可視光に対して反射性を有するようにし、第2の電極12を薄膜として可視光に対して透過性を有するようにすればよい。このトップエミッションタイプの場合には、有機電界発光素子100の開口率を100%まで高くすることができる。
次に、本発明の第2の実施の形態である有機電界発光素子101及びその製造方法について図面を参照して説明する。図8は、有機電界発光素子101の縦断面図である。この有機電界発光素子101は、第1の実施の形態の有機電界発光素子100と同様に、有機ELディスプレイ装置等に用いられるものであり、異なる点は、基板1と第1の有機薄膜21との間にホール注入層である有機薄膜からなる緩衝層23を備えた点である。
図8を参照して、有機電界発光素子101の構成の概略について説明する。図8に示すように、有機電界発光素子101は、基板1上に、第1の電極11が形成され、その上にホール注入層である有機薄膜からなる緩衝層23が形成され、緩衝層23の上に第1の有機薄膜21が形成されている。また、当該有機薄膜21の上に、第2の有機薄膜22が形成され、当該第2の有機薄膜22上に第2の電極12が形成されている。尚、第1の電極11と第2の電極12とは互いに直交する方向に延設された構造となっている。従って、第1の電極11は、図8の紙面と直交する方向に延設され、第2の電極12は、その第1の電極11の延設方向と直交する方向(図8に於ける左右方向)に延設されている。
次に、基板1について説明する。本実施の形態の有機電界発光素子101に用いられる基板1は、有機電界発光素子100に用いられるものと同様で、可視光に対して透過性を有し(一例として、透明の性質を有し)、かつ絶縁性の性質を有する材質から構成され、一例としては、ガラス、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等が用いられる。
次に、有機電界発光素子101に用いられる第1の電極11について説明する。第1の電極11は、有機電界発光素子100に用いられるものと同様で、導電性を有し、かつ可視光に対して透過性を有し(一例として、透明の性質を有し)、図8の紙面と直交する方向に所定の幅で延設されている。この第1の電極11を陽極とする場合には、その材質の特性として、高仕事関数であること、表面形状が平坦であり断面が台形状に形成できること、第1の有機薄膜21に対して、充分な正孔供給が可能なこと、安定なこと等が必要である。この第1の電極11に用いられる材質の一例としては、インジュウム酸化膜とスズ酸化膜の混合物であるITOや、インジュウム酸化膜と亜鉛酸化膜の混合物であるIZO等がある。
次に、有機電界発光素子101に用いられる緩衝層23について説明する。この緩衝層23は、第1の電極11から発光層である第1の有機薄膜21へホールの注入を容易にするために設けられたものであり、polyethylenedioxy thiophene(PEDOT)系材料の有機薄膜が塗布により形成されている。具体的には、IPA(イソプロピルアルコール)を溶媒として、(PEDOT:IPA=3:7、可能領域1:10〜10:1)の割合で溶かし、スピンコート法、インクジェット法、スプレイ法等で塗布する。尚、緩衝層23の膜厚は、1nm〜100nmであればよく、好ましくは、5nm〜30nmであればよい。また、緩衝層23の材質としては、上記のPEDOT以外に、ポリアニリンやCuPC等も使用できる。
次に、有機電界発光素子101に用いられる第1の有機薄膜21について説明する。有機薄膜21は、有機電界発光素子100に用いられるものと同様で、正孔輸送の性質を有する低分子系正孔輸送材料に、電子輸送の性質を有する低分子系電子輸送材料を混合し、さらに、発光の性質を有する低分子発光材を混合し、かつ塩素系有機溶媒(一例として、1,2−ジクロルエタン、クロロホルム)に溶かした有機薄膜形成用溶液を用い塗布形成されたものである。
第1の有機薄膜21に用いられる低分子系正孔輸送材料の一例として、本実施の形態では、第1の実施の形態に用いられるものと同様に、非晶質膜が形成可能と言うことで代表的な有機EL素子特性評価に用いられているN,N’−ジフェニル−N,N’−(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(TPD)を使用した。
また、第1の有機薄膜21に用いられる低分子系電子輸送材料の一例としては、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール(BND)や、2,5−ビス(6’−(2’,2”−ビピリジル))−1,1−ジメチル−3,4−ジフェニルシロール (PyPySPyPy)や、バソフェナントロリン(BPhen)や、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP、バソクプロイン)、2−(4−ビフェニリル)−5−(p−ターシャルブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(tBu−PBD)や、4,4’−ビス(9−カルバゾール)−ビフェニル(CBP)等がある。
また、第1の有機薄膜21に用いられる低分子発光材料の一例として本実施の形態では、第1の実施の形態に用いられるものと同様に、色素としては緑色発光剤であるクマリン6(C6)、 燐光材料の場合は、facトリ(2−フェニルピリジン)イリジウム(Ir(ppy)3)を使用した。
また、第1の実施の形態に用いられるものと同様に、有機薄膜形成用溶液にホスト材料として4,4’−ビス(9−カルバゾール)−ビフェニル(CBP)を付加した。
次に、第2の有機薄膜22について説明する。第2の有機薄膜22は、第1の実施の形態の有機電界発光素子100に用いられるものと同様に、第1の有機薄膜21の発光特性を大幅に改善するために設けられ、「ホールブロック層」と呼ばれるものである。この第2の有機薄膜22は、正孔(ホール)の通過を阻止して、第1の有機薄膜21内を移動するホールと電子の再結合率を向上して、第1の有機薄膜21の発光効率上げる働きをする。この第2の有機薄膜22は、第1の有機薄膜が溶融しない、前記有機薄膜形成用溶液とは別の溶媒を用いた湿式法や、CVD、蒸着等を含む各種乾式法により第1の有機薄膜21の上に成膜される。
次に、第2の電極12について説明する。第2の電極12は、第1の実施の形態の有機電界発光素子100に用いられるものと同様に、導電性を有する材質から形成されている。また、図8に示すように、第2の電極12は、第1の電極11の延設方向と直交する方向(図8に於ける左右方向)に延設されている。ここで、第2の電極12を陰極とする場合には、望ましい性質としては、低仕事関数であること、形成後の表面が平坦であること、デバイスに対し充分な電子供給が可能なこと、酸化しにくく安定なこと等がある。この第2の電極12の材質の一例としては、単体としては、Al、Cs、Er等を用いることができ、合金としては、MgAg、AlLi、AlLi、AlMg、CsTe等を用いることができ、また、積層構造にする場合には、Ca/Al、Mg/Al、Li/Al、Cs/Al、Cs2O/Al、LiF/Al、ErF3/Al等を用いることができる。
次に、上記の構成を備えた有機電界発光素子101の製造方法の一例について図8乃至図13を参照して説明する。図9は、有機電界発光素子101の基板1を示す縦断面図であり、図10は、有機電界発光素子101の基板1上に第1の電極11を蒸着した状態を示す縦断面図であり、図11は、有機電界発光素子101の緩衝層23を塗布形成した状態を示す縦断面図であり、図12は、有機電界発光素子101の第1の有機薄膜21を塗布した状態を示す縦断面図であり、図13は、有機電界発光素子101の第2の有機薄膜22を塗布した状態を示す縦断面図である。
有機電界発光素子101の製造工程の第1段階では、まず、図9に示すような板状の基板1の洗浄を行う。具体的には、ガラス板等から構成された基板1の表面を有機溶媒を用いて洗浄を行い、その上に、図10に示すように、ITOを一例として150nmの厚みでスパッタ法により堆積して、陽極としての第1の電極11を形成する。ITOが150nmの厚みの場合の光透過率は81%であった。そして、第1の電極11の表面を中性洗剤洗浄、アセトン洗浄、イソプロピルアルコール洗浄の一連の有機溶媒系の洗浄を行い、乾燥処理を行った後、有機層形成前処理として、紫外線オゾンクリーナ処理を25分間行った。
次に、図11に示すように、緩衝層23を、polyethylenedioxy thiophene(PEDOT)系材料の有機薄膜から形成する。一例としては、IPA(イソプロピルアルコール)を溶媒として溶かし(PEDOT:IPA=3重量部:7重量部、可能領域としては、1重量部:10重量部〜10重量部:1重量部)、スピンコート法、インクジェット法、スプレイ法で塗布する。
次いで、図12に示すように、緩衝層23の上に、第1の有機薄膜21の形成を行う。具体的には、前記正孔輸送の性質を有する低分子系正孔輸送材料に、前記電子輸送の性質を有する低分子系電子輸送材料を混合し、さらに、前記発光の性質を有する低分子発光材料を混合し、有機溶媒に溶かした有機薄膜形成用溶液を生成し、この有機薄膜形成用溶液を用いて、図12に示すように、スピンコート法により、第1の有機薄膜21の形成を行う。この第1の有機薄膜21の膜厚は50〜200nm、好ましくは80〜120nmである。尚、有機薄膜形成用溶液の塗布は、スピンコート法以外にも、インクジェット法、ディップコート法、カーテンコート法、バーコート法、印刷法等も用いることができる。
次に、第1の有機薄膜21の上に、有機電界発光素子100と同様に、ホールブロック層を形成するために、第2の有機薄膜22を形成する。この第2の有機薄膜22の一例としては、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)や、2−(4−ビフェニリル)−5−(p−ターシャルブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(tBu−PBD)や、トリアゾール誘導体等を用いることができる。これらの物質を第1の有機薄膜21が溶融しない、有機薄膜形成用溶液とは別の溶媒(一例として、親水性の溶媒、アルコール溶媒、水性溶媒等の溶媒)を用いた湿式法や、CVD法、蒸着法等を含む各種乾式法により、図13に示すように、第1の有機薄膜21の上に成膜する。
次いで、第2の有機薄膜22の上に、有機電界発光素子100と同様に、陰極構造の第2の電極12を形成する。この第2の電極12は、図8に示すように、第1の電極11の延設方向と直交する方向(図8に於ける左右方向)に延設されている。陰極構造の第2の電極12の材質の一例としては、単体としては、Al、Cs、Er等を用いることができ、合金としては、MgAg、AlLi、AlLi、AlMg、CsTe等を用いることができ、また、積層構造にする場合には、Ca/Al、Mg/Al、Li/Al、Cs/Al、Cs2O/Al、LiF/Al、ErF3/Al等の組み合わせを用いることができるが、ここでは、LiF(1nm)/Alを真空蒸着法により形成した。
以上説明したように、第2の実施の形態である有機電界発光素子101では、第1の実施の形態である有機電界発光素子100と同様の効果を奏するのに加えて、緩衝層23はを設けたので、第1の電極11から発光層である第1の有機薄膜21へホールの注入が容易になり、駆動電圧を低下することができる。
尚、上記第1の実施の形態の有機電界発光素子101では、基板1側から発光するボトムエミッションタイプのものを例として説明したが、有機電界発光素子101は、第2の電極12側から発光するトップエミッションタイプとしても良い。この場合には、基板1は、表面を絶縁性被膜で覆った金属板や耐溶媒性プラスチック基板等を使用して、可視光に対して反射性を有するようにし、第2の電極12を薄膜として可視光に対して透過性を有するようにすればよい。このトップエミッションタイプの場合には、有機電界発光素子101の開口率を100%まで高くすることができる。
尚、本発明は、上記実施の形態に限られず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の形態で実施可能である。例えば、上記の実施の形態では、発光材料については、C6、Ir(ppy)3を使用したが、これに限定されず、有機電界発光素子に使用されているすべての発光材料が使用可能である。たとえば、低分子系材料である色素系材料、発光材料、燐光材料、また、デンドリマー系材料等も適用可能である。また、上記の実施の形態では、ボトムエミッションタイプのものと、トップエミッションタイプのものを説明したが、基板1、第1の電極11及び第2の電極12の全てを可視光を透過可能(一例として透明)にして、両側に発光を取り出せる透明発光素子、また基板上に櫛形状に電極を形成したインプレーン発光素子等、デバイス構造に限定されず、各種の有機電界発光素子に適用できる。さらに、本発明は、応用上、例えばインクジェット法等の塗り分けで発光色の異なる画素を形成し、その後(ホール/エキシトン)ブロック層を蒸着形成することで素子性能を向上させる構造にも応用できる。
本発明は、有機電界発光ディスプレイ装置等の表示装置に利用可能であり、トップエミッションタイプ、ボトムエミッションタイプ及び両面発光タイプ等の各種の有機電界発光ディスプレイ装置に利用可能である。
1 基板
11 第1の電極
12 第2の電極
21 第1の有機薄膜
22 第2の有機薄膜
23 緩衝層
100 有機電界発光素子
101 有機電界発光素子
11 第1の電極
12 第2の電極
21 第1の有機薄膜
22 第2の有機薄膜
23 緩衝層
100 有機電界発光素子
101 有機電界発光素子
Claims (30)
- 導電性を有した第1の電極を備えた絶縁性の基板と、
少なくとも正孔輸送の性質を有する低分子有機材料と、少なくとも電子輸送の性質を有する低分子有機材料と、少なくとも発光の性質を有する低分子有機材料とを混合し、かつ溶媒に溶かした有機薄膜形成用溶液を用いて、前記基板の上に形成した第1の有機薄膜と、
導電性を有した第2の電極と
を備えたことを特徴とする有機電界発光素子。 - 前記第1の有機薄膜上に、当該第1の有機薄膜を溶解しない成膜法を用いて形成したホールブロッキング層としての第2の有機薄膜を備え、
当該第2の有機薄膜上に前記第2の電極を設けたことを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。 - 前記第1の電極及び前記基板が可視光に対して透過性を有し、前記第2の電極が可視光に対して反射性を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の有機電界発光素子。
- 前記第1の電極及び前記基板が可視光に対して反射性を有し、前記第2の電極が可視光に対して透過性を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の有機電界発光素子。
- 前記基板と前記第1の有機薄膜との間にホール注入層である有機薄膜からなる緩衝層を備えたことを特徴する請求項1乃至4の何れかに記載の有機電界発光素子。
- 前記緩衝層の有機薄膜が、polyethylenedioxy thiophene(PEDOT)系材料から構成されたことを特徴とした請求項5に記載の有機電界発光素子。
- 前記第2の有機薄膜が、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)から構成されたことを特徴とした請求項2乃至6の何れかに記載の有機電界発光素子。
- 前記第2の有機薄膜が、2−(4−ビフェニリル)−5−(p−ターシャルブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(tBu−PBD)から構成されたことを特徴とした請求項2乃至6の何れかに記載の有機電界発光素子。
- 前記第2の有機薄膜が、トリアゾール誘導体から構成されたことを特徴とした請求項2乃至6の何れかに記載の有機電界発光素子。
- 前記電子輸送の性質を有する低分子有機材料が、2−(4−ビフェニリル)−5−(p−ターシャルブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(tBu−PBD)から構成されたことを特徴とした請求項1乃至9の何れかに記載の有機電界発光素子。
- 前記電子輸送の性質を有する低分子有機材料が、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)から構成されたことを特徴とした請求項1乃至9の何れかに記載の有機電界発光素子。
- 前記電子輸送の性質を有する低分子有機材料が、4,4’−ビス(9−カルバゾール)−ビフェニル(CBP)から構成されたことを特徴とした請求項1乃至9の何れかに記載の有機電界発光素子。
- 前記発光の性質を有する低分子有機材料が燐光発光材料から構成されたことを特徴とした請求項1乃至12の何れかに記載の有機電界発光素子。
- 前記溶媒が塩素系有機溶媒から構成されたことを特徴とする請求項1乃至13の何れかに記載の有機電界発光素子。
- 前記正孔輸送の性質を有する低分子有機材料に、N,N’−ジフェニル−N,N’−(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(TPD)と、4,4’−ビス(9−カルバゾール)−ビフェニル(CBP)とを重量比で0対10〜1対9の範囲で混合した有機材料を用いたことを特徴とする請求項1乃至14の何れかに記載の有機電界発光素子。
- 少なくとも正孔輸送の性質を有する低分子有機材料と、少なくとも電子輸送の性質を有する低分子有機材料と、少なくとも発光の性質を有する低分子有機材料とを混合して、溶媒に溶解して有機薄膜形成用溶液を生成する有機薄膜形成用溶液生成工程と、
当該有機薄膜形成用溶液生成工程で生成した有機薄膜形成用溶液を導電性を有した第1の電極を備えた絶縁性の基板上に塗布する第1の有機薄膜生成工程と、
導電性を有した第2の電極の生成工程と
を備えたことを特徴とする有機電界発光素子の製造方法。 - 前記第1の有機薄膜上に、当該第1の有機薄膜を溶解しない成膜法を用いたホールブロッキング層としての第2の有機薄膜生成する工程を備えたことを特徴とする請求項16に記載の有機電界発光素子の製造方法。
- 前記第1の電極及び前記基板が可視光に対して透過性を有し、前記第2の電極が可視光に対して反射性を有することを特徴とする請求項16又は17に記載の有機電界発光素子の製造方法。
- 前記第1の電極及び前記基板が可視光に対して反射性を有し、前記第2の電極が可視光に対して透過性を有することを特徴とする請求項16又は17に記載の有機電界発光素子の製造方法。
- 前記基板と前記第1の有機薄膜との間にホール注入層である有機薄膜からなる緩衝層を生成する工程を備えたことを特徴する請求項16乃至19の何れかに記載の有機電界発光素子の製造方法。
- 前記緩衝層の有機薄膜が、polyethylenedioxy thiophene(PEDOT)系材料から構成されたことを特徴とした請求項20に記載の有機電界発光素子の製造方法。
- 前記第2の有機薄膜が、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)から構成されたことを特徴とした請求項17乃至21の何れかに記載の有機電界発光素子の製造方法。
- 前記第2の有機薄膜が、2−(4−ビフェニリル)−5−(p−ターシャルブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(tBu−PBD)から構成されたことを特徴とした請求項17乃至21の何れかに記載の有機電界発光素子の製造方法。
- 前記第2の有機薄膜が、トリアゾール誘導体から構成されたことを特徴とした請求項17乃至21の何れかに記載の有機電界発光素子の製造方法。
- 前記電子輸送の性質を有する低分子有機材料が、2−(4−ビフェニリル)−5−(p−ターシャルブチルフェニル)−1,3,4 −オキサジアゾール(tBu−PBD)から構成されたことを特徴とした請求項16乃至24の何れかに記載の有機電界発光素子の製造方法。
- 前記電子輸送の性質を有する低分子有機材料が、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)から構成されたことを特徴とした請求項16乃至24の何れかに記載の有機電界発光素子の製造方法。
- 前記電子輸送の性質を有する低分子有機材料が、4,4’−ビス(9−カルバゾール)−ビフェニル(CBP)から構成されたことを特徴とした請求項16乃至24の何れかに記載の有機電界発光素子の製造方法。
- 前記発光の性質を有する低分子有機材料が燐光発光材料から構成されたことを特徴とした請求項16乃至27に記載の有機電界発光素子の製造方法。
- 前記溶媒が塩素系有機溶媒から構成されたことを特徴とする請求項16乃至28の何れかに記載の有機電界発光素子の製造方法。
- 前記正孔輸送の性質を有する低分子有機材料に、N,N’−ジフェニル−N,N’−(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(TPD)と、4,4’−ビス(9−カルバゾール)−ビフェニル(CBP)とを重量比で0対10〜1対9の範囲で混合した有機材料を用いたことを特徴とする請求項16乃至29の何れかに記載の有機電界発光素子の製造方法。
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