JP2005078010A - 配線基板及び液晶表示装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】安定して一定のセルギャップを得ることが可能であるとともに表示品位が良好な構造を有した配線基板及び液晶表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 マトリクス状に配置された複数の画素からなる有効表示部に柱状スペーサを形成する工程は、スペーサ材料を成膜する工程と(ST1)、スペーサパターンを有するフォトマスクを介して成膜されたスペーサ材料を露光する工程と(ST3)、露光されたスペーサ材料を現像する工程と(ST4)、現像することによって基板上に残ったスペーサ材料を焼成する工程と(ST5)、備え、焼成工程では、基板上に残ったスペーサ材料の高さに応じて基板の昇温レートが異なることを特徴とする。
【選択図】 図3
【解決手段】 マトリクス状に配置された複数の画素からなる有効表示部に柱状スペーサを形成する工程は、スペーサ材料を成膜する工程と(ST1)、スペーサパターンを有するフォトマスクを介して成膜されたスペーサ材料を露光する工程と(ST3)、露光されたスペーサ材料を現像する工程と(ST4)、現像することによって基板上に残ったスペーサ材料を焼成する工程と(ST5)、備え、焼成工程では、基板上に残ったスペーサ材料の高さに応じて基板の昇温レートが異なることを特徴とする。
【選択図】 図3
Description
この発明は、配線基板及び液晶表示装置の製造方法に係り、特に、一対の基板を支持するための柱状スペーサを有する配線基板及びこれを備えた液晶表示装置の製造方法に関する。
アクティブマトリクス型液晶表示装置は、マトリクス状に配置された画素を備え、電極を有する一対の基板間に液晶層を挟持して構成されている。すなわち、アレイ基板は、互いに直交するように配列された走査線及び信号線と、走査線と信号線との交差部近傍に配置された薄膜トランジスタ(TFT)と、画素毎にTFTに接続された画素電極と、を備えている。対向基板は、複数の画素に共通の対向電極を備えている。
また、カラー表示用液晶表示装置は、いずれか一方の基板に、画素毎に配置された赤(R)、緑(G)、青(B)にそれぞれ着色された着色樹脂層(すなわちカラーフィルタ層)を備えている。このような構成の一対の基板は、粒径の均一なプラスティックビーズなどのスペーサを挟持した状態で貼り合わせられ、スペーサによって形成された基板間のセルギャップに液晶層を保持している。
このような液晶表示装置においては、着色樹脂層をアレイ基板上の各画素に配置することによって高い開口率を得る方式や、フォトリソグラフィプロセスによって樹脂層からなる柱状スペーサを一方の基板の一主面上に形成して均一なセルギャップを保つ方式などが提案されている。
また、これらの方式でさらなるコスト低減を図るために、有効表示部周辺に配置される黒色の着色樹脂層とともに柱状スペーサを形成する方式も提案されている。このような方式によれば、柱状スペーサを形成するためだけの工程が不要となり、工程数を削減できるといったメリットがある。
樹脂層からなる柱状スペーサは、概ね、スペーサ材料を成膜する工程、所定のスペーサパターンを有するフォトマスクを介して成膜されたスペーサ材料を露光する工程、露光されたスペーサ材料を現像する工程、現像することによって基板上に残ったスペーサ材料を焼成する工程などを経たフォトリソグラフィプロセスによって形成される。
焼成工程にて基板を加熱する手法としては、加熱プレート方式、熱風炉方式、IR方式などが代表的であるが、装置コストを上げずに加熱処理のできる加熱プレート方式が多く用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−141263号公報
上述したようなフォトリソグラフィプロセスによって柱状スペーサを形成した場合、常に一定の高さを得ることが困難である。例えば、成膜工程にてスペーサ材料をスピンナーによって塗布する際、回転中心に近い部分の膜厚が周縁部分より厚くなる(膜厚ムラ)傾向にある。また、焼成工程にて基板を加熱する際、基板面内に不所望な温度分布(温度ムラ)が形成されることに起因して焼成後の最終的な柱状スペーサの高さにばらつきが生ずる場合もある。特に、大型の基板を用いて液晶表示装置を製造する場合には、成膜工程での膜厚ムラ及び焼成工程での温度ムラの影響が顕著となる。
このような柱状スペーサの高さのばらつきは、セルギャップの不均一性を招くことになり、表示品位が低下するおそれがある。また、大型基板から複数の液晶表示パネルを取り出すような製造方法の場合には、大型基板の中央部から取り出されたものと、大型基板の周辺部から取り出されたものとでセルギャップが異なる場合があり、安定して均一なセルギャップを得ることが困難となる。
この発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、安定して一定のセルギャップを得ることが可能であるとともに表示品位が良好な構造を有した配線基板及び液晶表示装置の製造方法を提供することにある。
この発明の第1の様態による配線基板は、
マトリクス状に配置された複数の画素からなる有効表示部と、
前記有効表示部に形成され、前記有効表示部を封止する封止基板を支持する柱状スペーサと、を備えた配線基板であって、
第1高さを有する第1柱状スペーサは、単位面積当たり前記封止基板を支持する第1支持面積を有し、
第1高さより大きな第2高さを有する第2柱状スペーサは、単位面積当たり前記封止基板を支持する第2支持面積を有し、しかも、第2支持面積が第1支持面積より小さいことを特徴とする。
マトリクス状に配置された複数の画素からなる有効表示部と、
前記有効表示部に形成され、前記有効表示部を封止する封止基板を支持する柱状スペーサと、を備えた配線基板であって、
第1高さを有する第1柱状スペーサは、単位面積当たり前記封止基板を支持する第1支持面積を有し、
第1高さより大きな第2高さを有する第2柱状スペーサは、単位面積当たり前記封止基板を支持する第2支持面積を有し、しかも、第2支持面積が第1支持面積より小さいことを特徴とする。
この発明の第2の様態による液晶表示装置の製造方法は、
マトリクス状に配置された複数の画素からなる有効表示部に形成された柱状スペーサを備え、この柱状スペーサを介して貼り合わせた一対の基板間に液晶層を挟持して構成された液晶表示装置の製造方法であって、
基板上に前記柱状スペーサを形成する工程は、
スペーサ材料を成膜する工程と、
スペーサパターンを有するフォトマスクを介して、成膜された前記スペーサ材料を露光する工程と、
露光された前記スペーサ材料を現像する工程と、
現像することによって基板上に残った前記スペーサ材料を焼成する工程と、備え、
前記焼成工程では、基板上に残った前記スペーサ材料の高さに応じて基板の昇温レートが異なることを特徴とする。
マトリクス状に配置された複数の画素からなる有効表示部に形成された柱状スペーサを備え、この柱状スペーサを介して貼り合わせた一対の基板間に液晶層を挟持して構成された液晶表示装置の製造方法であって、
基板上に前記柱状スペーサを形成する工程は、
スペーサ材料を成膜する工程と、
スペーサパターンを有するフォトマスクを介して、成膜された前記スペーサ材料を露光する工程と、
露光された前記スペーサ材料を現像する工程と、
現像することによって基板上に残った前記スペーサ材料を焼成する工程と、備え、
前記焼成工程では、基板上に残った前記スペーサ材料の高さに応じて基板の昇温レートが異なることを特徴とする。
この発明によれば、安定して一定のセルギャップを得ることが可能であるとともに表示品位が良好な構造を有した配線基板及び液晶表示装置の製造方法を提供することができる。
以下、この発明の一実施の形態に係る配線基板及び液晶表示装置の製造方法について図面を参照して説明する。
図1及び図2に示すように、液晶表示装置、例えばアクティブマトリクス型液晶表示装置は、液晶表示パネル10を備えている。この液晶表示パネル10は、アレイ基板100と、このアレイ基板100に対向配置された対向基板(封止基板)200と、アレイ基板100と対向基板200との間に配置された液晶層300とを備えている。
これらアレイ基板100と対向基板200とは、液晶層300を挟持するための所定のセルギャップを形成しつつシール部材11によって貼り合わせられている。液晶層300は、アレイ基板100と対向基板200との間に封入された液晶組成物によって構成されている。
このような液晶表示パネル10は、シール部材11によって囲まれた内側に、画像を表示する有効表示部12を備えている。この有効表示部12は、マトリクス状に配置された複数の画素PX(R、G、B)によって構成されている。これらの画素は、赤色用の画素PXR、緑色用の画素PXG、青色用の画素PXBを含んでいる。
各画素PX(R、G、B)は、基本的に同一構造であり、それぞれ対応する色の着色樹脂層24を備えている。すなわち、画素PXRは、赤色に着色された赤色樹脂層24Rを備えている。画素PXGは、緑色に着色された緑色樹脂層24Gを備えている。画素PXBは、青色に着色された青色樹脂層24Bを備えている。これらの着色樹脂層24(R、G、B)は、赤色、緑色、青色のそれぞれの顔料または染料を含有した感光性樹脂材料によって形成され、それぞれ、赤色、緑色、青色の各色成分の光を透過する。
また、液晶表示パネル10は、有効表示部12の外周に沿って額縁状の遮光部13を備えている。この遮光部13は、遮光性を有する着色樹脂層SPを備えている。この着色樹脂層SPは、有色樹脂であり、例えば黒色樹脂層である。この着色樹脂層SPは、例えば、黒色の顔料または染料を含有した感光性樹脂材料によって形成されている。
さらに、液晶表示パネル10は、有効表示部12の周辺に回路部14を備えている。この回路部14は、アレイ基板100は、m本の走査線Y1〜Ymに駆動信号(走査信号)を供給する走査線駆動回路18、n本の信号線X1〜Xnに駆動信号(映像信号)を供給する信号線駆動回路19などを有している。
有効表示部12において、アレイ基板100は、m本の走査線Y1〜Ym、n本の信号線X1〜Xn、m×n個のスイッチング素子121、m×n個の画素電極151などを備えている。また、有効表示部12において、対向基板200は、1個の対向電極204を備えている。
各走査線Y(1〜m)は、画素PXの行方向に沿って延在されている。各信号線X(1〜n)は、画素PXの列方向に沿って延在されている。これら信号線Xや走査線Yなどの配線Wは、アルミニウムや、モリブデン−タングステンなどの遮光性を有する低抵抗材料によって形成されている。この実施の形態では、走査線Yはモリブデン−タングステンによって形成され、信号線Xは主にアルミニウムによって形成されている。
各スイッチング素子121は、各画素PXにおいて、走査線Yと信号線Xとの交差部近傍に配置されている。スイッチング素子121は、例えばポリシリコン膜からなる半導体層を有するnチャネル型の薄膜トランジスタである。
このスイッチング素子121のゲート電極121Gは、走査線Yに接続されている(あるいは走査線Yと一体的に形成されている)。スイッチング素子121のドレイン電極121Dは、半導体層のドレイン領域にコンタクトするとともに信号線Xに接続されている(あるいは信号線Xと一体的に形成されている)。スイッチング素子121のソース電極121Sは、半導体層のソース領域にコンタクトするとともに画素電極151に接続されている。
画素電極151は、有効表示部12においてマトリクス状に配置されている。各画素電極151は、各画素PXにおいて、スイッチング素子121に接続されている。この画素電極151は、例えばITO(インジウム・ティン・オキサイド)などの光透過性を有する導電部材によって形成されている。
対向電極204は、すべての画素PXに対して共通に配置されており、液晶層300を介してm×n個の画素電極151すべてに対向する。この対向電極204は、例えばITOなどの光透過性を有する導電部材によって形成されている。
すなわち、図2に示した構造の液晶表示パネル10では、アレイ基板100は、ガラス基板などの光透過性を有する絶縁基板101を用いて構成され、有効表示部12において、走査線及び信号線などの各種配線W、スイッチング素子121、対応する色の画素PX毎にスイッチング素子121を覆うように配置された着色樹脂層24(R、G、B)、着色樹脂層24(R、G、B)上に配置され着色樹脂層24(R、G、B)を貫通するスルーホール26を介して対応するスイッチング素子121に接続された画素電極151、複数の画素電極151全体を覆うように配置された配向膜103などを備えている。また、アレイ基板100は、遮光部13において、黒色樹脂層SPを備えている。
一方で、対向基板200は、ガラス基板などの光透過性を有する絶縁基板201を用いて構成され、有効表示部12において、対向電極204、対向電極204全体を覆うように配置された配向膜205などを備えている。液晶表示パネル10におけるアレイ基板100の外面には、偏光板PL1が設けられているとともに、対向基板200の外面には、偏光板PL2が設けられている。
このような液晶表示装置において、バックライトユニット400から出射された光は、液晶表示パネル10をアレイ基板100の外面側から照明する。液晶表示パネル10におけるアレイ基板100側の偏光板PL1を通過して液晶表示パネル10の内部に入射した光は、液晶組成物300を介して変調され、対向基板200側の偏光板PL2によって選択的に透過される。これにより、液晶表示パネル10の表示領域102に画像が表示される。
ところで、アレイ基板100は、対向基板200との間に所定のセルギャップを形成するための柱状スペーサ31を備えている。すなわち、柱状スペーサ31は、配線W上に位置する所定のスペーサ部32に配置されている。図2に示した例では、柱状スペーサ31は、対向基板200側に向かうにしたがって細くなるテーパ形状の単層の樹脂層によって形成されている。ここでは、柱状スペーサ31は、各色の画素にそれぞれ配置された着色樹脂層24(R、G、B)を下地としている。
なお、この柱状スペーサ31は、必ずしも図2に示したような単層構造である必要はなく、複数の着色樹脂層を積層した積層体として構成してもよい。また、着色樹脂層24(R、G、B)及びSPは、アレイ基板100に配置したが、対向基板200に配置しても良い。この場合、柱状スペーサ31は、対向基板200において、アレイ基板100側に向かうにしたがって細くなるテーパ形状の単層の樹脂層によって形成される。さらに、着色樹脂層24(R、G、B)及びSPと、柱状スペーサ31とをそれぞれ別々の基板に配置しても良い。
このような構造の柱状スペーサ31は、例えば感光性樹脂材料などのスペーサ材料のフォトリソグラフィプロセスにて形成される。すなわち、柱状スペーサ31は、図3に示すように、スペーサ材料を成膜する工程(ST1)、スペーサパターンを有するフォトマスクを成膜されたスペーサ材料に対して位置合わせする工程(ST2)、成膜されたスペーサ材料を位置合わせされたフォトマスクを介して露光する工程(ST3)、露光されたスペーサ材料を現像する工程(ST4)、現像することによって基板上に残ったスペーサ材料を焼成する工程(ST5)などを経て形成される。
上述したようなフォトリソグラフィプロセスによって柱状スペーサを形成した場合、例えば、成膜工程(ST1)にてスペーサ材料を成膜する際に生ずる膜厚ムラや、焼成工程にて基板を加熱する際に生ずる温度ムラなどに起因して、焼成後の最終的な柱状スペーサの高さにばらつきが生ずることがある。特に、大型の基板を用いて液晶表示装置を製造する場合には、これらの膜厚ムラや温度ムラの影響が顕著となる。
一方で、柱状スペーサを形成するために用いられる感光性樹脂材料は、組成や分子量などによって、焼成工程での熱硬化に伴う収縮及びメルト性が異なる。すなわち、焼成工程での焼成条件、特に昇温レートが一定であっても、柱状スペーサを形成するために用いる感光性樹脂材料によっては、焼成後に得られる最終的な柱状スペーサの高さが異なる。ここで、昇温レートとは、基板を加熱する単位時間当たりに上昇した基板温度の差(上昇温度)に相当する。
例えば、図4に示したような感光性樹脂材料では、昇温レートが比較的大きい場合、硬化収縮及びメルトによってその高さが現像直後と比較して大幅に減少してしまう。これに対して、昇温レートが比較的小さい場合、硬化収縮及びメルトによる高さの減少が小さく、結果として、昇温レートが大きい場合よりも高くなる。つまり、図4に示したように、昇温レートが大きいほどその高さが収縮するような性質を有する感光性樹脂材料(スペーサ材料)を用いて柱状スペーサを形成した場合、昇温レートが比較的大きい場合には比較的低い高さの柱状スペーサが得られ、昇温レートが比較的小さい場合には比較的高い高さの柱状スペーサが得られる。
また、図5に示したような感光性樹脂材料では、昇温レートが比較的小さい場合、硬化収縮及びメルトによってその高さが現像直後と比較して大幅に減少してしまう。これに対して、昇温レートが比較的大きい場合、硬化収縮及びメルトによる高さの減少が小さく、結果として、昇温レートが小さい場合よりも高くなる。つまり、図5に示したように、昇温レートが小さいほどその高さが収縮するような性質を有する感光性樹脂材料(スペーサ材料)を用いて柱状スペーサを形成した場合、昇温レートが比較的大きい場合には比較的高い高さの柱状スペーサが得られ、昇温レートが比較的小さい場合には比較的低い高さの柱状スペーサが得られる。
また、同一の昇温レート、例えば比較的高い昇温レートで現像直後の感光性樹脂材料を焼成した場合であっても、図4に示したような感光性樹脂材料を用いた場合には、図5に示したような感光性樹脂材料を用いた場合よりも低い高さの柱状スペーサが得られる。
そこで、このような感光性樹脂材料の特性を利用して、柱状スペーサの高さのばらつきに起因したセルギャップの不均一性を改善し、しかも、表示品位を良好に維持することが可能な柱状スペーサの構造及び柱状スペーサの形成方法について検討する。
(1)結果的に、高さの異なる柱状スペーサが形成されてしまうような場合には、次のような構造を採用することが望ましい。すなわち、有効表示部12に形成され有効表示部12を封止する封止基板(この実施の形態では対向基板200)を支持する柱状スペーサは、少なくとも第1高さ(低)を有する第1柱状スペーサと、第1高さより大きな第2高さ(高)を有する第2柱状スペーサとを含む。この場合、第1柱状スペーサは、単位面積当たり封止基板を支持する第1支持面積を有する。また、第2柱状スペーサは、単位面積当たり封止基板を支持する第2支持面積を有する。このとき、第2支持面積が第1支持面積より小さくなるように設定される。
つまり、低い高さの柱状スペーサは、支持面積が大きく、比較的支持強度が高い、すなわち弾性が低い。これに対して、高い高さの柱状スペーサは、支持面積が小さく、比較的支持強度が低い、すなわち弾性が高い。このため、一対の基板を加圧しながら貼り合わせる際に、小さな支持面積を有する高い柱状スペーサは大きく潰れる一方で、大きな支持面積を有する低い柱状スペーサはあまり潰れることがなく、結果として一対の基板間に形成されるセルギャップを略一定とすることが可能である。
これは、有効表示部12において、高い高さの柱状スペーサの密度が、低い高さの柱状スペーサの密度より小さいことを意味する。このスペーサ密度は、単位面積当たりの柱状スペーサによる支持面積によって定義される。したがって、有効表示部において、柱状スペーサを一定間隔で規則的に配置した場合であっても、低い高さの柱状スペーサを比較的太く形成して支持面積を大きくし、高い高さの柱状スペーサを比較的細く形成して支持面積を小さくすることで対応可能である。
また、この実施の形態において後述するように、有効表示部において、単位面積当たりに配置される低い高さの柱状スペーサの個数を、高い高さの柱状スペーサの個数より多くすることでも対応可能である。
すなわち、焼成工程における硬化収縮及びメルトによって、大幅に高さが減少するようなスペーサ材料を採用する場合には、スペーサ材料の高さが減少しやすい領域で柱状スペーサの個数を増やすことでスペーサ密度を高め、高さが減少しにくい領域とでセルギャップを均一化することができる。例えば、図4に示したような感光性樹脂材料の場合、比較的大きな昇温レートに設定したにもかかわらず、温度ムラによって昇温レートの小さな領域ができてしまった場合には、昇温レートの大きな領域で柱状スペーサを単位面積当たり密に配置し、昇温レートの小さな領域で柱状スペーサを単位面積当たり疎に配置することでセルギャップを均一化することができる。
また、焼成工程における硬化収縮及びメルトによって、高さが減少しにくいようなスペーサ材料を採用する場合には、スペーサ材料の高さが減少しにくい領域で柱状スペーサの個数を減らすことでスペーサ密度を小さくし、高さが減少しやすい領域とでセルギャップを均一化することができる。例えば、図5に示したような感光性樹脂材料の場合、比較的大きな昇温レートに設定したにもかかわらず、温度ムラによって昇温レートの小さな領域ができてしまった場合には、昇温レートの大きな領域で柱状スペーサを単位面積当たり疎に配置し、昇温レートの小さな領域で柱状スペーサを単位面積当たり密に配置することでセルギャップを均一化することができる。
以上説明したように、高さの異なる柱状スペーサが形成されてしまうような場合には、単位面積当たりの柱状スペーサの支持面積を適宜設定することにより、支持強度を制御することができ、高い柱状スペーサの支持強度を弱くして大きく潰し、低い柱状スペーサの支持強度を高くして潰れにくくすることで、均一なセルギャップを形成することが可能となる。
なお、このような柱状スペーサは、遮光部13に配置された着色樹脂層SPと同一材料によって形成しても良い。この場合、柱状スペーサ31を形成するためだけの工程が不要となり、工程数を削減することができる。また、このような遮光性を有する着色樹脂層SPと同一の感光性樹脂材料を用いた場合、露光工程において、深部まで十分露光することができず、光架橋反応が不十分となるため、焼成工程におけるメルト性がより高くなる。上述した(1)の特徴的な構造によれば、感光性樹脂材料のメルト性の影響を軽減できるため、柱状スペーサ31と着色樹脂層SPとを同時に形成する場合、より大きな効果を発揮することができる。
(2)次に、成膜工程にて膜厚ムラを生じてしまうような場合には、次のような柱状スペーサの形成方法を採用することが望ましい。すなわち、図6の(a)に示すように、成膜工程において、基板の中央部からスペーサ材料を滴下してスピンコートした場合、基板の中央部の膜厚が周辺部より厚くなる傾向にある。
このような成膜状態で露光工程及び現像工程を経た場合、図6の(b)に示すように、スペーサ材料は、成膜時の膜厚分布が維持され、基板の中央部に残ったスペーサ材料の高さが周辺部に残ったスペーサ材料の高さよりも高くなる。そして、このような状態で焼成工程にて基板面全面で均一な昇温レートで焼成(基板を加熱)した場合、高さの不均一な柱状スペーサが形成されてしまう。
そこで、この焼成工程では、図6の(c)に示すように、基板上に残ったスペーサ材料の高さに応じて基板の昇温レートが異なるように設定される。つまり、昇温レートの違いによる硬化収縮及びメルトの差を利用して、図6の(d)に示すように、最終的に焼成後に得られる柱状スペーサの高さを均一化しようとするものである。
例えば、図5に示したような特性を有する感光性樹脂材料を用いた場合、昇温レートが大きいほど高さの減少が少ないことから、第1高さを有するスペーサ材料が残った基板部分の昇温レートを、第1高さより大きな第2高さを有するスペーサ材料が残った基板部分の昇温レートより大きく設定する。
つまり、図6の(c)に示すように、比較的厚いスペーサ材料が残った基板中央部は昇温レートを小さく設定することで高さを大幅に減少させ、また、比較的薄いスペーサ材料が残った基板周辺部は昇温レートを大きく設定することで高さの減少を抑えることで、図6の(d)に示すように、基板の全面において高さの均一な柱状スペーサを形成することができる。
また、図4に示したような特性を有する感光性樹脂材料を用いた場合でも同様に、昇温レートが小さいほど高さの減少が少ないことから、第1高さを有するスペーサ材料が残った基板部分の昇温レートを、第1高さより大きな第2高さを有するスペーサ材料が残った基板部分の昇温レートより小さく設定する。
つまり、比較的厚いスペーサ材料が残った基板中央部は昇温レートを大きく設定することで高さを大幅に減少させ、また、比較的薄いスペーサ材料が残った基板周辺部は昇温レートを小さく設定することで高さの減少を抑えることで、基板の全面において高さの均一な柱状スペーサを形成することができる。
以上説明したように、成膜工程にて膜厚ムラが生じてしまうような場合には、基板上に残ったスペーサ材料の高さに応じて基板の昇温レートを適宜設定することにより、焼成後に得られる柱状スペーサの高さを均一化することができ、均一なセルギャップを形成することが可能となる。
なお、このような柱状スペーサは、遮光部13に配置された着色樹脂層SPと同一材料によって形成しても良い。この場合も先に説明した場合と同様の効果が期待できることは言うまでもない。
次に、液晶表示パネル10の製造方法について説明する。
アレイ基板100の製造工程では、まず、ガラス基板101上に、走査線Y及び信号線Xなどの各種配線Wやスイッチング素子121などを形成する。
アレイ基板100の製造工程では、まず、ガラス基板101上に、走査線Y及び信号線Xなどの各種配線Wやスイッチング素子121などを形成する。
続いて、各色の画素毎に対応する色の着色樹脂層24(R、G、B)を形成する。すなわち、スピンナーなどにより、赤色の顔料を分散させた紫外線硬化型アクリル樹脂レジストCR−2000(富士フィルムオーリン(株)製)を基板全面に塗布する。そして、このレジスト膜を、赤色画素PXRに対応した画素パターンを有するフォトマスクを介して365nmの波長で100mJ/cm2の露光量で露光する。そして、このレジスト膜をKOHの1%水溶液で20秒間現像し、さらに水洗した後、焼成する。これにより、3.2μmの膜厚を有する赤色樹脂層24Rを形成する。
続いて、同様の工程を繰り返すことにより、緑色の顔料を分散させた紫外線硬化型アクリル樹脂レジストCG−2000(富士フィルムオーリン(株)製)からなる3.2μmの膜厚を有する緑色樹脂層24G、青色の顔料を分散させた紫外線硬化型アクリル樹脂レジストCB−2000(富士フィルムオーリン(株)製)からなる3.2μmの膜厚を有する青色樹脂層24Bを形成する。また、これらの着色樹脂層24(R、G、B)の形成工程では、各画素においてスルーホール26も同時に形成する。
続いて、例えばスパッタ法により、500オングストロームの膜厚を有するITO膜を成膜した後に、所望の画素パターンにパターニングすることにより、画素電極151を形成する。
続いて、スピンナーなどにより、例えば黒色顔料を20wt%添加した感光性アクリル樹脂レジストNN600(JSR(株)製)を基板全面に所定の膜厚で塗布する。そして、この樹脂レジストを90℃で10分間乾燥した後に、遮光部13に対応した遮光パターンを有するフォトマスクを介して365nmの波長で、100mJ/cm2の露光量で露光する。そして、この樹脂レジストをpH11.5のアルカリ水溶液にて現像し、200℃で60分間焼成する。これにより、遮光部13に3.5μmの膜厚を有する黒色樹脂層SPを配置する。以上のような製造工程により、アレイ基板100が製造される。
一方、対向基板200の製造工程では、まず、ガラス基板201上に例えばスパッタ法により、1500オングストロームの膜厚を有するITO膜を成膜し、対向電極204を形成する。これにより、対向基板200が製造される。
液晶表示パネル10の製造工程では、上述した製造工程により製造されたアレイ基板100及び対向基板200の表面に、それぞれ配向膜材料AL−3046(JSR(株)製)を800オングストロームの膜厚で塗布し、焼成し、配向膜103及び205を形成する。
続いて、シール部材11を液晶注入口を残して対向基板200の外縁(配向膜205の周辺)に沿って印刷塗布し、さらに、アレイ基板100から対向電極204に電圧を印加するための電極転移材をシール部材11の周辺の電極転移電極上に形成する。続いて、アレイ基板100の配向膜103と対向基板200の配向膜205とが互いに対向するようにアレイ基板100と対向基板200とを配置し、加熱してシール部材11を硬化させて両基板を貼り合わせる。続いて、ZLI−1565(MERCK社製)などの正の誘電率異方性を有する液晶組成物を液晶注入口から注入し、さらに液晶注入口を紫外線硬化型樹脂などの封止部材によって封止することによって液晶層300を形成する。
以上のような製造方法によって液晶表示パネル10が製造される。液晶表示装置における表示モードとしては、例えばTN(ツイステッド ネマティック)モード、ST(スーパー ツイステッド ネマティック)モード、GH(ゲスト−ホスト)モード、ECB(電界制御複屈折)モード、強誘電性液晶などが適用可能である。
(実施例1)
実施例1の液晶表示装置の製造方法によれば、透明な感光性アクリル樹脂レジストNN600(JSR(株)製)によって柱状スペーサを形成する。すなわち、成膜工程において、スピンナーなどにより、感光性アクリル樹脂レジストを基板全面に塗布して、90℃で10分間乾燥する。そして、位置合わせ工程において、15μm×15μmのサイズを有する正方形状のスペーサパターンを含むフォトマスクの位置合わせを行う。そして、露光工程において、フォトマスクを介して365nmの波長で100mJ/cm2の露光量で樹脂レジストを露光する。そして、現像工程において、この樹脂レジストをpH11.5のアルカリ水溶液にて現像し、水洗する。そして、焼成工程において、熱風炉方式により、基板を200℃の雰囲気で60分間焼成する。
実施例1の液晶表示装置の製造方法によれば、透明な感光性アクリル樹脂レジストNN600(JSR(株)製)によって柱状スペーサを形成する。すなわち、成膜工程において、スピンナーなどにより、感光性アクリル樹脂レジストを基板全面に塗布して、90℃で10分間乾燥する。そして、位置合わせ工程において、15μm×15μmのサイズを有する正方形状のスペーサパターンを含むフォトマスクの位置合わせを行う。そして、露光工程において、フォトマスクを介して365nmの波長で100mJ/cm2の露光量で樹脂レジストを露光する。そして、現像工程において、この樹脂レジストをpH11.5のアルカリ水溶液にて現像し、水洗する。そして、焼成工程において、熱風炉方式により、基板を200℃の雰囲気で60分間焼成する。
図7に示すように、熱風炉HF内では、一方向から所定温度に加熱された熱風が噴出す。柱状スペーサのパターンに対応して樹脂レジストが残った基板(例えばアレイ基板)SUBを図7に示すように熱風炉HF内に配置した場合、基板SUBの周辺部Aは熱風の噴出し位置に最も近く、基板SUBの中央部Bは周辺部Aより熱風の噴出し位置から離れ、基板SUBの周辺部Cは熱風の噴出し位置から最も遠い。
また、熱風噴出し位置に最も近い基板SUBの周辺部Aでは、図8に示すように、中央部B及び周辺部Cと比較して最も昇温レートが大きく、約3分で設定温度200℃に到達した。中央部Bでは、周辺部Aより小さな昇温レートとなり、約8分で設定温度200℃に到達した。周辺部Cでは、周辺部A及び中央部Bと比較して最も昇温レートが小さく、設定温度200℃に到達するまでに約12分を要した。
このような熱風炉HFにおいて焼成を行った基板SUBでは、周辺部Aに形成された柱状スペーサの高さの平均値は5.05μmであり、中央部Bに形成された柱状スペーサの高さの平均値は5.23μmであり、周辺部Cに形成された柱状スペーサの高さの平均値は5.18μmであった。
このとき、スペーサ密度は、各位置での柱状スペーサの高さを考慮して、周辺部Aでは1個/3画素とし、中央部Bでは1個/15画素とし、周辺部Cでは2個/15画素とした。つまり、樹脂レジストを露光する際に用いるフォトマスクは、低い高さ(第1高さ)の柱状スペーサが形成される領域に対してはスペーサパターンが単位面積当たり大きな面積(第1面積)を有し、また、第1高さより高い高さ(第2高さ)の柱状スペーサが形成される領域に対してはスペーサパターンが単位面積当たり第1面積より小さな面積(第2面積)を有している。このようなフォトマスクを適用することにより、スペーサ密度(ここでは単位画素数当たりのスペーサ個数)を自在に調整することが可能である。
このようにして形成された柱状スペーサを介して基板SUBと封止基板(例えば対向基板)とを貼り合わせて得られた液晶表示パネルでは、有効表示部12内で4.85±0.1μmと極めて高いセルギャップ均一性が得られ、また、表示品位も非常に優れていることが確認できた。
(比較例1)
スペーサ密度を基板SUBのすべての位置で1個/15画素に固定する以外は、実施例1で説明した同一の焼成条件で柱状スペーサを形成した。このようにして形成された柱状スペーサを介して基板SUBと封止基板とを貼り合わせて得られた液晶表示パネルを点灯評価したところ、セルギャップの不均一性に起因する表示ムラが発生し、視認性が劣化した。
スペーサ密度を基板SUBのすべての位置で1個/15画素に固定する以外は、実施例1で説明した同一の焼成条件で柱状スペーサを形成した。このようにして形成された柱状スペーサを介して基板SUBと封止基板とを貼り合わせて得られた液晶表示パネルを点灯評価したところ、セルギャップの不均一性に起因する表示ムラが発生し、視認性が劣化した。
(実施例2)
実施例1の液晶表示装置の製造方法によれば、工程数削減のために、遮光部13に配置する着色樹脂層SPと同一の黒色感光性アクリル樹脂レジストによって柱状スペーサを形成する。この実施例2では、25μm×25μmのサイズを有する正方形状のスペーサパターンを含むフォトマスクを用いて樹脂レジストを露光する。なお、他の工程での処理条件は実施例1と同一とする。
実施例1の液晶表示装置の製造方法によれば、工程数削減のために、遮光部13に配置する着色樹脂層SPと同一の黒色感光性アクリル樹脂レジストによって柱状スペーサを形成する。この実施例2では、25μm×25μmのサイズを有する正方形状のスペーサパターンを含むフォトマスクを用いて樹脂レジストを露光する。なお、他の工程での処理条件は実施例1と同一とする。
熱風炉において焼成を行った基板SUBでは、昇温レートの最も大きな周辺部Aに形成された柱状スペーサの高さの平均値は5.45μmであり、中央部Bに形成された柱状スペーサの高さの平均値は5.30μmであり、昇温レートの最も小さな周辺部Cに形成された柱状スペーサの高さの平均値は5.35μmであった。
このとき、スペーサ密度は、各位置での柱状スペーサの高さを考慮して、周辺部Aでは1個/15画素とし、中央部Bでは1個/5画素とし、周辺部Cでは2個/15画素とした。
このようにして形成された柱状スペーサを介して基板SUBと封止基板(例えば対向基板)とを貼り合わせて得られた液晶表示パネルでは、有効表示部12内で5.0±0.12μmと極めて高いセルギャップ均一性が得られ、また、表示品位も非常に優れていることが確認できた。
(実施例3)
実施例3の液晶表示装置の製造方法によれば、実施例2と同様に、工程数削減のために、遮光部13に配置する着色樹脂層SPと同一の黒色感光性アクリル樹脂レジストによって柱状スペーサを形成する。すなわち、成膜工程において、スピンナーなどにより、感光性アクリル樹脂レジストを基板全面に塗布して、90℃で10分間乾燥する。この実施例3では、成膜工程において基板全面に成膜された樹脂レジストの膜厚分布は、図9に示すような基板SUBにおいて、周辺部A及びEでそれぞれ5.80μm及び5.79μmであり、中央部Cで6.12μmであり、周辺部Aと中央部Cとの間の中間部B及び周辺部Eと中央部Cとの間の中間部Dでそれぞれ5.95μm及び5.93μmであった。
実施例3の液晶表示装置の製造方法によれば、実施例2と同様に、工程数削減のために、遮光部13に配置する着色樹脂層SPと同一の黒色感光性アクリル樹脂レジストによって柱状スペーサを形成する。すなわち、成膜工程において、スピンナーなどにより、感光性アクリル樹脂レジストを基板全面に塗布して、90℃で10分間乾燥する。この実施例3では、成膜工程において基板全面に成膜された樹脂レジストの膜厚分布は、図9に示すような基板SUBにおいて、周辺部A及びEでそれぞれ5.80μm及び5.79μmであり、中央部Cで6.12μmであり、周辺部Aと中央部Cとの間の中間部B及び周辺部Eと中央部Cとの間の中間部Dでそれぞれ5.95μm及び5.93μmであった。
そして、位置合わせ工程において、25μm×25μmのサイズを有する正方形状のスペーサパターンを含むフォトマスクの位置合わせを行う。このとき、基板面内で均一なスペーサ密度となるようなスペーサパターンを有するフォトマスクを適用する。この実施例3では、2個/15画素とした。
そして、露光工程において、フォトマスクを介して365nmの波長で100mJ/cm2の露光量で樹脂レジストを露光する。そして、現像工程において、この樹脂レジストをpH11.5のアルカリ水溶液にて現像し、水洗する。そして、焼成工程において、加熱プレート方式により、基板を200℃で60分間焼成する。
図10に示すように、加熱プレートHPは、加熱対象としての基板SUBを加熱するためのヒータを内蔵した主面SFを有している。加熱プレートHPは、主面SFと基板SUBとの間にギャップを形成するスペーサピンPA、PB、PC、PD、PEを備えている。主面SFの中央部に配置されたスペーサピンPCは、最も高く形成され、その周辺に配置されたスペーサピンPB及びPDより高い高さを有している。主面SFの周辺部に配置されたスペーサピンPA及びPEは、最も低く形成されている。
これにより、加熱プレートHPに載置された基板SUBと主面SFとの間のギャップは、中央部で最も大きく、周辺部で最も小さくなる。このような構造の加熱プレートHPでは、加熱プレートHPの主面SF上に載置された基板SUBの中央部は、周辺部より主面SFからの距離が離れるため、加熱されにくくなる。したがって、基板中央部の昇温レートが基板周辺部より大きくなる。
この実施例3では、スペーサピンPA及びPEの高さは0.3mmであり、スペーサピンPB及びPDの高さは1.0mmであり、スペーサピンPCの高さは1.5mmに設定されている。
このため、主面SFに最も近い基板SUBの周辺部A及びEでは、図11に示すように、中央部C、及び、中間部B及びDと比較して最も昇温レートが大きく、約3分で設定温度200℃に到達した。中間部B及びDでは、周辺部A及びEより小さな昇温レートとなり、約8分で設定温度200℃に到達した。主面SFから最も離れた基板SUBの中央部Cでは、周辺部A及びE、及び、中間部B及びDと比較して最も昇温レートが小さく、設定温度200℃に到達するまでに約12分を要した。
このような加熱プレートHPにおいて焼成を行った基板SUBでは、周辺部Aに形成された柱状スペーサの高さの平均値は5.32μmであり、中間部Bに形成された柱状スペーサの高さの平均値は5.34μmであり、中央部Cに形成された柱状スペーサの高さの平均値は5.30μmであり、中間部Dに形成された柱状スペーサの高さの平均値は5.33μmであり、周辺部Eに形成された柱状スペーサの高さの平均値は5.34μmであり、高い均一性が得られた。
このようにして形成された柱状スペーサを介して基板SUBと封止基板(例えば対向基板)とを貼り合わせて得られた液晶表示パネルでは、有効表示部12内で5.0±0.08μmと極めて高いセルギャップ均一性が得られ、また、表示品位も非常に優れていることが確認できた。
(比較例2)
加熱プレートHPにおけるスペーサピンの高さをすべて1mmに固定する以外は、実施例3で説明した同一の焼成条件で柱状スペーサを形成した。このようにして形成された柱状スペーサを介して基板SUBと封止基板とを貼り合わせて得られた液晶表示パネルを点灯評価したところ、セルギャップの不均一性に起因する表示ムラが発生し、視認性が劣化した。
加熱プレートHPにおけるスペーサピンの高さをすべて1mmに固定する以外は、実施例3で説明した同一の焼成条件で柱状スペーサを形成した。このようにして形成された柱状スペーサを介して基板SUBと封止基板とを貼り合わせて得られた液晶表示パネルを点灯評価したところ、セルギャップの不均一性に起因する表示ムラが発生し、視認性が劣化した。
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
10…液晶表示パネル、12…有効表示部、13…遮光部、24(R、G、B)…着色樹脂層、31…柱状スペーサ、100…アレイ基板、200…対向基板、300…液晶層、PX(R、G、B)…画素、SP…着色樹脂層、W…配線、
Claims (8)
- マトリクス状に配置された複数の画素からなる有効表示部と、
前記有効表示部に形成され、前記有効表示部を封止する封止基板を支持する柱状スペーサと、を備えた配線基板であって、
第1高さを有する第1柱状スペーサは、単位面積当たり前記封止基板を支持する第1支持面積を有し、
第1高さより大きな第2高さを有する第2柱状スペーサは、単位面積当たり前記封止基板を支持する第2支持面積を有し、しかも、第2支持面積が第1支持面積より小さいことを特徴とする配線基板。 - 前記第1柱状スペーサは、前記第2柱状スペーサより単位面積当たり密に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
- さらに、前記有効表示部の外周に沿った遮光部に配置された遮光性を有する着色樹脂層を備え、
前記第1柱状スペーサ及び前記第2柱状スペーサは、前記着色樹脂層と同一材料によって形成されたことを特徴とする請求項1に記載の配線基板。 - マトリクス状に配置された複数の画素からなる有効表示部に形成された柱状スペーサを備え、この柱状スペーサを介して貼り合わせた一対の基板間に液晶層を挟持して構成された液晶表示装置の製造方法であって、
基板上に前記柱状スペーサを形成する工程は、
スペーサ材料を成膜する工程と、
スペーサパターンを有するフォトマスクを介して、成膜された前記スペーサ材料を露光する工程と、
露光された前記スペーサ材料を現像する工程と、
現像することによって基板上に残った前記スペーサ材料を焼成する工程と、備え、
前記焼成工程では、基板上に残った前記スペーサ材料の高さに応じて基板の昇温レートが異なることを特徴とする液晶表示装置の製造方法。 - 前記スペーサ材料は昇温レートが小さいほどその高さが収縮する性質を有し、
第1高さを有する前記スペーサ材料が残った基板部分の昇温レートを、第1高さより大きな第2高さを有する前記スペーサ材料が残った基板部分の昇温レートより大きく設定したことを特徴とする請求項4に記載の液晶表示装置の製造方法。 - 前記スペーサ材料は昇温レートが大きいほどその高さが収縮する性質を有し、
第1高さを有する前記スペーサ材料が残った基板部分の昇温レートを、第1高さより大きな第2高さを有する前記スペーサ材料が残った基板部分の昇温レートより小さく設定したことを特徴とする請求項4に記載の液晶表示装置の製造方法。 - 前記柱状スペーサは、前記有効表示部の外周に沿った遮光部に遮光性を有する着色樹脂層を配置する工程で同時に形成されることを特徴とする請求項4に記載の液晶表示装置の製造方法。
- マトリクス状に配置された複数の画素からなる有効表示部に形成された柱状スペーサを備え、この柱状スペーサを介して貼り合わせた一対の基板間に液晶層を挟持して構成された液晶表示装置の製造方法であって、
基板上に前記柱状スペーサを形成する工程は、
スペーサ材料を成膜する工程と、
スペーサパターンを有するフォトマスクを介して、成膜された前記スペーサ材料を露光する工程と、
露光された前記スペーサ材料を現像する工程と、
現像することによって基板上に残った前記スペーサ材料を焼成する工程と、備え、
前記露光工程で用いるフォトマスクは、第1高さを有する前記スペーサ材料を露光するためのスペーサパターンが単位面積当たり第1面積を有し、第1高さより大きな第2高さを有する前記スペーサ材料を露光するためのスペーサパターンが単位面積当たり第1面積より小さな第2面積を有することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
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JP2003311476A JP2005078010A (ja) | 2003-09-03 | 2003-09-03 | 配線基板及び液晶表示装置の製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008122563A (ja) * | 2006-11-10 | 2008-05-29 | Toppan Printing Co Ltd | White設計を利用したサブPS付きカラーフィルタ及びその製造方法 |
-
2003
- 2003-09-03 JP JP2003311476A patent/JP2005078010A/ja active Pending
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