JP2005077369A - ミクロトーム - Google Patents

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Abstract

【課題】 試料支持機構の位置の微調整を雄ネジの軸心方向に沿って行うことができるミクロトームを提供する。
【解決手段】 微調整機構は、試料支持機構を支持した軸体51と、軸体51の雄ネジ部51aに螺着されると共に所定位置に設けられたナット50と、ナット50に固定されたウォームホイール63と、ウォームホイール63に噛合するウォームと、ウォームを正逆両方向に回転させる微調整ノブとを備えた。このように、ウォームとウォームホイール63とからなるウォームギアを用いたため、微調整ノブによりナット50の正逆両方向の回転を微調整することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は主に病理学的試料を薄片状に切断して検鏡試片を得るためのミクロトームに関するものである。
従来、主に病理学的試料を薄片状に切断して検鏡試片を得るためのミクロトームが知られている(例えば、特許文献1参照。)。このミクロトームは、試料を保持する試料保持部材と、前記試料を切断する切刃を支持しかつ自身の移動により試料保持部材に保持された試料を前記切刃にて切断させるホルダとを備えている。ミクロトームに備えられた昇降ネジを回動操作することにより、保持部材の上下位置が大まかに決定されるようになっている。
ミクロトームは保持部材を少量だけ上昇させるレバーを備えている。そのレバーを操作すると、保持部材を適量だけ上昇させるようになっている。保持部材を適量だけ上昇させた後、保持部材に保持された試料を切刃により切断すると、切り取られた薄片状の試料は、レバーにて保持部材を上昇させた量に相当する厚さとなる。また、ミクロトームに備えられた操作ツマミを操作することによっても、保持部材を微量だけ上昇させるようになっている。
特開平3−209145号公報
ところが、特許文献1のミクロトームでは、保持部材における位置の微調整は、上昇のみしかできないという問題があった。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、試料支持機構の位置の微調整を雄ネジの軸心方向に沿って行うことができるミクロトームを提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、試料を保持する試料支持機構と、該試料支持機構の位置調整を行う位置調整機構と、前記試料を切断する切断刃を移動可能に支持する切断機構と、を備えたミクロトームにおいて、前記位置調整機構は、微調整機構を含み、前記微調整機構は、前記試料支持機構を支持した雄ネジと、前記雄ネジに螺着されると共に所定位置に設けられた雌ネジと、前記雌ネジに固定されたウォームホイールと、前記ウォームホイールに噛合するウォームと、前記ウォームを正逆両方向に回転させる微調整ノブとを備え、前記微調整機構は、前記雌ネジと前記雄ネジとのネジ待遇により前記試料支持機構の位置調整を行う。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記微調整機構は、前記試料支持機構の位置を段階的に微調整する段階調整手段を含み、前記段階調整手段は、前記ウォームと一体回転する爪歯車と、前記爪歯車と噛合して該爪歯車を正方向に回動させる爪部材と、前記爪部材を前記爪歯車に沿って回動操作する操作部材と、前記爪歯車と前記爪部材との噛合を解除する噛合解除手段とを備える。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記噛合解除手段は、前記爪部材と当接して該爪部材を前記爪歯車から離間させるように構成されている。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の発明において、前記段階調整手段は、前記爪部材を逆方向に回動するように付勢する付勢手段を備えた。
請求項5に記載の発明は、請求項2乃至請求項4のうちいずれか1項に記載の発明において、前記段階調整手段は、前記操作部材と一体回動する回動部材と、前記回動部材の正逆両方向の回動を規制する第1ストッパ及び第2ストッパを備え、前記第1ストッパは、前記回動部材の正方向側に位置調節可能に設けられ、前記第2ストッパは、前記回動部材の逆方向側に固定されている。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記回動部材及び前記第2ストッパは、磁着可能に構成されている。
本発明によれば、試料支持機構の位置の微調整を雄ネジの軸心方向に沿って行うことができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図12に従って説明する。
図1に示すように、ミクロトーム11は、試料Sを保持する試料支持機構12と、該試料支持機構12の位置調整を行う位置調整機構13と、試料Sを切断する切断刃14を移動可能に支持する切断機構15とを備えている。
ミクロトーム11は、底板16を備えており、その底板16上に切断機構15及び位置調整機構13が設けられている。
切断機構15は、底板16上に固定された支台17、支台17上に固定されたテーブル18、テーブル18上を水平方向d1(図2における左右方向)に沿って移動するホルダ保持体19、ホルダ保持体19に取り付けられた図示しないホルダ及び前記切断刃14を備えている。水平方向d1は、「切断刃の移動方向」に相当する。
位置調整機構13は、昇降機構25、荒調整機構26、及び微調整機構27を備えている。昇降機構25には、仲介台28を介して試料支持機構12が固定されている。
ミクロトーム11は、荒調整機構26に備えられた荒調整ノブ30を正逆回転操作すると、昇降機構25と共に試料支持機構12が昇降方向d2に沿って大まかに移動するように構成されている。なお、昇降方向d2とは、図2における上下方向に相当する。また、昇降方向d2は、言い換えると「切断刃の移動方向と直交方向」及び「鉛直方向」である。
ミクロトーム11は、微調整機構27に備えられた微調整ノブ31を正逆回転操作すると、昇降機構25及び試料支持機構12が昇降方向d2に沿って少量だけ移動し、微調整機構27に備えられたレバー部32を操作すると、昇降機構25及び試料支持機構12が上方(図2における上方)へ少量だけ移動するように構成されている。
操作者は、ミクロトーム11を使用する際には、試料支持機構12に試料Sを保持させ、荒調整ノブ30、微調整ノブ31、レバー部32等を操作して試料Sの昇降方向d2における位置を決める。そして、操作者は、ホルダ保持体19を水平方向d1に沿って移動させて、試料S上面を切断刃14により切断する。
次に、位置調整機構13について説明する。
図1に示すように、位置調整機構13は、長四角箱状のハウジング35を備えている。ハウジング35は、図1に示す上壁36、図5に示す一対の側壁37,38、蓋体39を備えている。
図5に示すように、側壁37,38は、底板16上にかつその底板16と垂直に配置され、底板16及び支台17に固定されている。側壁37は図中左側に配置され、側壁38は図中右側に配置されている。
図1に示すように、両側壁37,38には、その上面に上壁36が配置され、上壁36は、その両側壁37,38及び支台17に固定されている。底板16、両側壁37,38、上壁36には、支台17とは反対側の側面に蓋体39が固定されている。この底板16、両側壁37,38、上壁36、支台17、及び蓋体39に囲まれた空間内には、昇降機構25、荒調整機構26、及び微調整機構27の大部分が配置されている。
次に昇降機構25について詳しく説明する。
図2に示すように、昇降機構25は、下部側支持体45、第1回転機構46、第2回転機構47、上部側支持体48、スライド機構49を備えている。
昇降機構25の構成の概要を以下に説明する。
第1回転機構46は、底板16に固定された下部側支持体45に支持されて昇降方向d2に沿って移動不能にかつ回転可能とされている。第1回転機構46には雌ネジとしてのナット50を備えており、そのナット50の雌ネジ部50aには、第2回転機構47に備えられた雄ネジとしての軸体51の雄ネジ部51aが螺着されている。第2回転機構47は、第1回転機構46と相対回転することにより昇降方向d2に沿って移動する。上壁36に固定された上部側支持体48内には、昇降方向d2に沿って移動可能にスライド機構49が配置されている。スライド機構49は、第2回転機構47が昇降方向d2に沿って移動することに伴って、昇降方向d2に沿って移動する。
次に、下部側支持体45、第1回転機構46、第2回転機構47、上部側支持体48、スライド機構49をそれぞれ詳しく説明する。
底板16には、断面円形状の貫通孔55が形成されている。底板16上には、貫通孔55周縁に対応する位置に円筒状の下部側支持体45が固定されている。
下部側支持体45には、断面円形状の挿通孔56が昇降方向d2に沿って形成されている。下部側支持体45には、挿通孔56の上下両側に第2スラストベアリングとしてのスラスト玉軸受57,58がそれぞれ嵌入されている。
第1回転機構46は、ホイール固定体60、スペーサ61、締結体62、ナット50、ウォームホイール63、及びボルト65を備えている。
ホイール固定体60は、昇降方向d2において、中間部から上方へ向けてその外径が広がるように、即ち、略ラッパ形状に形成されている。ホイール固定体60は、両スラスト玉軸受57,58に嵌入(支持)されている。ホイール固定体60の上端部には、スラスト玉軸受58に圧接する当接部60aが形成されている。ホイール固定体60の下端部外周には締結体62が締結されている。締結体62は、スペーサ61を介してスラスト玉軸受57に圧接されている。
即ち、当接部60aを有するホイール固定体60、締結体62、及びスペーサ61は、スラスト玉軸受58、下部側支持体45、及びスラスト玉軸受57を昇降方向d2に沿って挟みつけ固定している。従って、ホイール固定体60、締結体62、及びスペーサ61は、軸体51の軸心O1を中心として回転可能に、かつ昇降方向d2に沿った移動が不能とされている。
ホイール固定体60には、軸心O1を軸心とした断面円形状をなす貫通孔66が形成されている。ホイール固定体60には、貫通孔66の上側を断面円形状に拡径したナット配置部67が形成されている。
ナット配置部67内には、略円筒状をなすナット50が配置されている。このナット50は、下半分がナット配置部67に配置されている。ナット50の内周には、雌ネジ部50aが形成されている。雌ネジ部50aの内径は、貫通孔66の内径よりも小さく形成されている。また、ナット50の上端外周には、鍔部50bが形成されている。ナット50は、ホイール固定体60から突出した上半分がウォームホイール63に嵌入され、鍔部50bはウォームホイール63の側面(図2における上側の側面)に当接されている。ウォームホイール63は、ホイール固定体60に固定されている。ナット50の鍔部50bは、ボルト65によりウォームホイール63に固定されている。
ナット50、ホイール固定体60、スペーサ61、締結体62、ウォームホイール63、ボルト65からなる第1回転機構46は、軸心O1を中心として回転可能に、かつ昇降方向d2に沿った移動が不能とされている。
第2回転機構47は、軸体51、第1平歯車70、スペーサ71、締結体72を備えている。
軸体51は、昇降方向d2の中間部から下端にかけて、その外周に雄ネジ部51aが形成されている。軸体51は、その雄ネジ部51aが、ナット50の雌ネジ部50aに螺着されている。軸体51は、昇降方向d2の中間部に第1平歯車70が固定されている。軸体51は、上端部に締結体72が締結されている。軸体51の外周には、締結体72の下側にスペーサ71が配置されている。
ところで、上壁36には、貫通孔75が形成され、その貫通孔75には、上部側支持体48が挿入されている。上部側支持体48の上端部外周には、上壁36の上面に当接する鍔部48aが形成され、その鍔部48aは、上壁36に固定されている。上部側支持体48には、貫通孔76が昇降方向d2に沿って形成され、その貫通孔76内には、スライド機構49が配置されている。
スライド機構49は、支持部77、載置台78を備えている。
支持部77は、貫通孔76に遊挿されている。支持部77には、断面円形状をなす挿通孔79が昇降方向d2に沿って形成され、その挿通孔79には軸体51が挿通されている。支持部77には、挿通孔79の上下両側に第1スラストベアリングとしてのスラスト玉軸受80,81がそれぞれ嵌入されている。その両スラスト玉軸受80,81には、軸体51が嵌入(軸支)されている。
両スラスト玉軸受80,81及び支持部77は、スペーサ71と第1平歯車70との間に位置するように配置されている。軸体51に締結体72が締結されていることにより、第1平歯車70、締結体72、及びスペーサ71は、スラスト玉軸受81、支持部77、及びスラスト玉軸受80を昇降方向d2に沿って挟みつけ固定している。
支持部77上には、載置台78が固定されている。載置台78は、上部側支持体48の貫通孔76内を、軸心O1方向(昇降方向d2)に沿ってスライド移動可能に、かつ軸心O1を中心として回転不能に構成されている。載置台78の下面には、締結体72が固定された軸体51の端部を収容する収容凹部82が形成されている。また、載置台78の上面には、前記仲介台28を取り付けるための取付凹部83が形成され、その取付凹部83には仲介台28が固定されている。
図4に示すように、上部側支持体48には、蓋体39に対向する位置に下端へ向けて開口する切欠き84が形成されている。切欠き84は、昇降方向d2に沿って形成されている。蓋体39には、切欠き84に対向する位置に長孔85が昇降方向d2に沿って形成されている。支持部77には、切欠き84に対向する位置に雌ネジ部86が形成されている。
その雌ネジ部86には、軸体87の一端側の雄ネジ部87aが螺着されている。軸体87は、切欠き84及び長孔85を挿通するように配置され、その他端が蓋体39から突出されている。その軸体87の他端には、回転抑制ノブ88が固定されている。回転抑制ノブ88を回転させて軸体87の雄ネジ部87aを軸体51に圧接させると、軸体51の回転が抑制されるようになっている。
次に、荒調整機構26について説明する。
図3に示すように、荒調整機構26は、駆動機構90、該駆動機構90から動力が伝達される被動機構91を備えている。
駆動機構90は、軸挿通体92、一対のスラスト玉軸受93,94、軸体95、前記荒調整ノブ30、及び第1傘歯車96を備えている。
上壁36に固定された軸挿通体92には、一対のスラスト玉軸受93,94が嵌入されている。軸体95は、その軸心O2が蓋体39の側面39aと直交する方向(図3における左右方向)に沿うように、一対のスラスト玉軸受93,94に軸支されている。軸体95は、一端が蓋体39から突出されており、その一端に荒調整ノブ30が固定されている。軸体95の他端には、第1傘歯車96が固定されている。
軸体95、荒調整ノブ30、及び第1傘歯車96は、軸心O2を中心として回転可能に、かつ軸心O2に沿う方向へ移動不能に構成されている。
被動機構91は、軸挿通体97、一対のスラスト玉軸受98,99、第1回転軸体としての軸体100、第2傘歯車101、及び第2平歯車102を備えている。
側壁37に固定された軸挿通体97(図2参照)には、一対のスラスト玉軸受98,99が嵌入されている。軸体100は、軸体51と平行に延びるように一対のスラスト玉軸受98,99に軸支されている。そのため、軸体100の軸心O3は、軸心O1と平行とされ、軸心O2と直交されている。
軸体100の一端には、前記第1傘歯車96と噛合する第2傘歯車101が固定されている。本実施形態では、第1傘歯車96の歯数と第2傘歯車101の歯数との比は、「1:1」となるように構成されている。なお、この比を異ならすように構成してもよく、例えば、この比を「1:2」としてもよいし、「2:1」としてもよい。
また、軸体100には、前記第1平歯車70(図2参照)に噛合する第2平歯車102が固定されている。本実施形態では、第1平歯車70の歯数と第2平歯車102の歯数との比は、「1:1」となるように構成されている。なお、この比を異ならすように構成してもよく、例えば、この比を「1:2」としてもよいし、「2:1」としてもよい。
軸体100、第2傘歯車101、及び第2平歯車102は、軸心O3を中心として回転可能に、かつ軸心O3に沿う方向へ移動不能に構成されている。荒調整ノブ30を回転させると、第2平歯車102が軸心O3方向へ移動しない状態で回転するようになっている。
従って、荒調整ノブ30を1回転させると、軸体51が1回転する(以下、この比を第1歯数比という)。
ここで、第1平歯車70と第2平歯車102との噛合関係について説明する。
図2に示すように、第2回転機構47を構成する第1平歯車70は、ナット50との相対回転により昇降方向d2へ移動する。第1平歯車70は、上部側支持体48の下面48bに当接するまで上昇可能とされている。第1平歯車70は、ボルト65に当接するまで下降可能とされている。即ち、第1平歯車70は、上部側支持体48の下面48bに当接する位置から、ボルト65に当接する位置までの範囲が昇降範囲eとされている。第1平歯車70及び第2平歯車102は、昇降範囲eにおいて互いに常に噛合するように、その厚さが設定されている。
次に、微調整機構27について説明する。
図5に示すように、微調整機構27は、前記ウォームホイール63、前記ナット50、前記軸体51、軸体51を上昇及び下降させる正逆回転機構120と、軸体51を段階的に上昇させる段階調整手段としてのラチェット121とを備えている。
正逆回転機構120は、底板16上に設けられた第1支持機構122と、側壁38に設けられた第2支持機構123と、第1支持機構122と第2支持機構123とに回転可能に支持された第3回転機構124とを備えている。
第1支持機構122は、軸挿通体125及び一対のスラスト玉軸受126,127を備えている。底板16上に固定された軸挿通体125には、側壁38の側面38aと直交する方向(図5における左右方向)に沿って断面円形状の挿通孔128が形成されている。軸挿通体125には、挿通孔128の左右両側にスラスト玉軸受126,127がそれぞれ嵌入されている。
第2支持機構123は、軸挿通体129及び一対のスラスト玉軸受130,131を備えている。側壁38の側面38aに固定された軸挿通体129には、側面38aと直交する方向に沿って断面円形状の挿通孔132が形成されている。軸挿通体129には、挿通孔132の左右両側にスラスト玉軸受130,131がそれぞれ嵌入されている。
第3回転機構124は、軸体135、ウォーム136、微調整ノブ31を備えている。
軸体135は、その一端がスラスト玉軸受126,127に回転可能にかつその軸心O4方向へ移動不能に軸支され、その他端が可動筒体137を介してスラスト玉軸受130,131に回転可能に軸支されている。なお、可動筒体137は、スラスト玉軸受130,131に回転可能にかつ軸心O4方向に移動不能に軸支されている。軸体135は、その他端部が側壁38を貫いて外部へ突出され、その他端には微調整ノブ31が固定されている。
軸体135には、前記ウォームホイール63に噛合するウォーム136が固定されている。本実施形態では、ウォーム136の条数とウォームホイール63の歯数との比は、「1:50」となるように構成されている。なお、この比を「1:30」、「1:90」、「2:60」等に変更してもよい。
本実施形態のミクロトーム11は、ウォーム136の条数とウォームホイール63の歯数との比が「1:50」とされていることから、ウォーム136を回転させることによりウォームホイール63が回転するように構成されている。一方、本実施形態のミクロトーム11は、ウォームホイール63を回転させてウォーム136を回転させようとしても、ウォームホイール63とウォーム136との歯面の摩擦が大きくてウォーム136を回転させることができないように構成されている。
従って、微調整ノブ31を1回転させると、軸体51が50分の1回転する(以下、この比を第2歯数比という)。
ラチェット121は、爪歯車140(図10(a),(b)参照)、該爪歯車140と噛合可能な爪部材としての爪体141(図5においては図示省略)、操作部材としての操作レバー142を備えている。
爪歯車140は、ウォーム136の側壁38側に配置され、かつ軸体135に固定されている。操作レバー142は、爪歯車140の側壁38側に配置されている。操作レバー142は、可動筒体137及び可動筒体137の外周に設けられたラジアルベアリング143を介して可動筒体137に回転可能に支持されている。
図8(a)に示すように、操作レバー142は、ラジアルベアリング143を嵌入するとともに爪体141を支持する本体部144と、その本体部144に固定されたレバー部32とを備えている。図8(b)に示すように、本体部144には、爪体141を支持する軸体145が側壁37側へ向けて突出するように形成されている。
図8(a)に示すように、その軸体145には、軸心O4を中心とした円周方向に延びるように形成された爪体141の中間部が支持されている。爪体141は、その一端に爪部141aを備え、その他端にスプリング146を取り付けるための取付軸147が固定されている。爪部141aは、爪体141(操作レバー142)が軸心O4を中心として正方向r1へ回動(図12において時計回り)した際に爪歯車140と噛合し、逆方向r2へ回動(図12において反時計回り)した際に爪歯車140と噛合しないように構成されている。
ウォーム136の歯すじの向き、ウォームホイール63の歯すじの向き、雌ネジ部50aのネジ山の向き、及び雄ネジ部51aのネジ山の向きは、爪歯車140が正方向r1へ回動した際に、軸体51が上昇(図2において上方へ移動)するように選定されている。
また、本体部144には、スプリング146を取り付けるための取付軸148が、軸心O4を基準として軸体145よりも外方側に固定されている。スプリング146は、一端が取付軸147に固定され、他端が取付軸148に固定され、両取付軸147,148を互いに近づけるように付勢している。言い換えると、スプリング146は、爪体141に固定された取付軸147を軸心O4から離れるように、かつ爪体141の爪部141aを軸心O4へ近づけるように付勢している。
図5に示すように、レバー部32は、その基端が本体部144に固定され、その先端部が蓋体39の長孔149を介して蓋体39の外部へ突出されている。図1に示すように、長孔149は、昇降方向d2に沿って延びるように蓋体39に形成されており、レバー部32は、その長孔149内を昇降方向d2に沿って移動可能に構成されている。
図5に示すように、底板16上には、爪歯車140よりも支台17側に台座150が固定されている。
図11(a),(b)に示すように、ラチェット121は、爪歯車140から爪部141aを離間させるための噛合解除手段としてのラチェット解除体151を備えている。ラチェット解除体151は、台座150上に固定されている。ラチェット解除体151は、レバー部32が長孔149内の上端に位置する際(図1参照)に、爪部141aと当接して該爪部141aを爪歯車140から離間させるように構成されている。爪部141aから爪歯車140を離間させることにより、爪歯車140は、正方向r1及び逆方向r2へ回転可能となるように構成されている。
また、ラチェット121は、操作レバー142を逆方向r2に回動するように付勢する付勢手段としてのねじりバネ152を備えている。ねじりバネ152は、スペーサ153を介して可動筒体137の外周に配置され、該可動筒体137に対して回転可能に構成されている。ねじりバネ152は、その一端が本体部144に固定され、その他端が固定ストッパ155に固定されている。なお、固定ストッパ155は、軸挿通体129に固定されている。
さらに、ラチェット121は、レバー部32の回動範囲を調節する回動調節機構156を備えている。回動調節機構156は、図8(b)に示す本体部144に固定された回動部材としての引掛体157と、図5に示す軸挿通体129に固定された前記固定ストッパ155と、可動筒体137に固定された可動ストッパ158とを備えている。なお、図5においては、引掛体157は図示していない。
図8(b),(c)に示すように、引掛体157は、本体部144の側壁38側に固定されている。図6(a),(b)に示すように、固定ストッパ155は、軸挿通体129に固定されたリング状をなすストッパ本体部160と、ストッパ本体部160の側壁37側に固定された略ブロック状をなす第2ストッパとしての固定係止部161とを備えている。図9(a),(b)に示すように、固定係止部161は、引掛体157の逆方向r2側に配置され、レバー部32が長孔149内の上端に位置する際(図1参照)に引掛体157に当接するように構成されている。
図7(a),(b)に示すように、可動ストッパ158は、可動筒体137の外周に固定された断面略「p」字状をなすストッパ本体部162と、ストッパ本体部162の側壁37側に固定された略ブロック状をなす第1ストッパとしての可動係止部163とを備えている。図9(a),(b)に示すように、可動係止部163は、引掛体157の正方向r1側に配置され、引掛体157が正方向r1へ回動した際に該引掛体157と当接可能に構成されている。
図5に示すように、可動筒体137は、ラジアルベアリング143が設けられた端部とは反対側の端部137aが側壁38を貫いて蓋体39の外部へ突出されている。可動筒体137の端部137aは、微調整ノブ31よりも側壁38側に位置しており、その端部137aには回動角度調整ノブ164が固定されている。回動角度調整ノブ164を回動すると、可動筒体137及び可動ストッパ158も一体回動するようになっている。
図9(b)に示すように、本実施形態では、回動角度調整ノブ164(可動ストッパ158)は、最大50°回動可能に構成されている。回動角度調整ノブ164(可動ストッパ158)を最も逆方向r2に回動させている際には、引掛体157は最大40°回動可能に構成されている。回動角度調整ノブ164(可動ストッパ158)を最も正方向r1に回動させている際には、引掛体157は最大90°回動可能に構成されている。
また、ミクロトーム11を構成する各部材のうち、少なくとも操作レバー142に固定された引掛体157(図8(b),(c)参照)は、磁性体である鋼鉄にて形成されている。図6(a),(b)に示すように、固定ストッパ155の固定係止部161には、引掛体157と当接する当接面161aに磁石166が嵌込まれている。そのため、図9(b)に示すように、引掛体157と固定係止部161とが当接している際には、磁石166は、引掛体157を吸引するようになっている。
次に、ミクロトーム11の作用について説明する。
先ず、荒調整ノブ30による試料支持機構12の位置調整(上昇及び下降)について説明する。
荒調整ノブ30を回転させると、第1傘歯車96、第2傘歯車101、第2平歯車102、第1平歯車70、及び軸体51が回転する。第1平歯車70の歯数と第2平歯車102の歯数との比が「1:1」、及び第1傘歯車96の歯数と第2傘歯車101の歯数との比が「1:1」となっていることから、荒調整ノブ30の回転量だけ軸体51が回転する。
このとき、軸体51、第1平歯車70、スペーサ71、及び締結体72からなる第2回転機構47は、以下に示す三つの条件により、回転しながら昇降方向d2(軸心O1)に沿って移動する。
一つ目の条件は、軸体51の雄ネジ部51aがナット50の雌ネジ部50aと螺着されていることである。即ち、この雄ネジ部51aと雌ネジ部50aを有するナット50はネジ対偶であるため、この二つの部材は、軸心O1のまわりに相対的回転運動を行うと同時に、軸心O1方向(昇降方向d2)にも相対的直線運動を行う。
二つ目の条件は、ナット50が軸心O1方向へ移動不能に構成されている。
三つ目の条件は、回転していないウォーム136との歯面の摩擦によりウォームホイール63が回転不能となっていることから、ナット50が回転不能となっている。
従って、荒調整ノブ30の正逆回転量に応じて第2回転機構47(軸体51)が、回転しながら昇降方向d2に沿って移動し、この結果、試料支持機構12が上昇又は下降して位置調整される。
なお、第1平歯車70の昇降方向d2への移動により、第1平歯車70と第2平歯車102とが昇降方向d2に沿う方向に相対移動しても互いの噛合が維持されているため、荒調整ノブ30による試料支持機構12の昇降方向d2への位置調整が円滑に行える。
次に、微調整ノブ31による試料支持機構12の位置調整(上昇及び下降)について説明する。
微調整ノブ31を回転させると、軸体135、ウォーム136、ウォームホイール63、及びナット50が回転する。ウォーム136の条数とウォームホイール63の歯数との比が「1:50」となっていることから、微調整ノブ31における回転量の50分の1だけナット50が回転する。
このとき、軸体51、第1平歯車70、スペーサ71、及び締結体72からなる第2回転機構47は、以下に示す四つの条件により、回転しない状態で昇降方向d2へ移動する。
一つ目の条件は、軸体51の雄ネジ部51aがナット50の雌ネジ部50aと螺着されていることである。
二つ目の条件は、ナット50が軸心O1方向へ移動不能に構成されている。
三つ目の条件は、ウォーム136の回転により、ウォームホイール63及びナット50が回転している。
四つ目の条件は、回転していない第1平歯車70と回転していない第2平歯車102とが軸心O1方向に相対移動しても、第1平歯車70及び第2平歯車102は回転しない。
従って、微調整ノブ31の正逆回転量に応じて第2回転機構47(軸体51)が回転しない状態で昇降方向d2へ移動し、この結果、試料支持機構12が上昇又は下降して位置調整される。
また、第1歯数比が「1:1」、第2歯数比が「1:50」となっていることから、微調整ノブ31による試料支持機構12の昇降方向d2位置の調整は、荒調整ノブ30によるものよりも細かく行うことが可能となる。
次に、ラチェット121による試料支持機構12の位置調整(上昇)について説明する。
操作者は、ねじりバネ152の付勢力及び磁石166が引掛体157を吸引する力に抗してレバー部32を押し下げる(下降させる)。すると、図11(a)に示すように、本体部144が正方向r1に回動し、ラチェット解除体151に当接することにより爪歯車140から離間していた爪部141aが、該ラチェット解除体151から離れる。
すると、爪部141aは、スプリング146の付勢力により軸心O4へ近づく方向へ移動し、爪歯車140と当接する。このとき、本体部144が正方向r1に回動しているため、爪歯車140は爪部141aに噛合し、本体部144とともに正方向r1に回動する(図12参照)。
図9(b)に示すように、例えば、回動角度調整ノブ164(可動ストッパ158)が最も逆方向r2に回動している際には、本体部144(引掛体157)の回動範囲は、最大50°となる。そのため、レバー部32を一度押し下げる毎に爪歯車140は40°回動し、軸体51はその爪歯車140の回動量に応じた分だけ上昇する。即ち、レバー部32を一度押し下げる毎に軸体51に支持されている試料支持機構12は上昇する。因みに、例えば、回動角度調整ノブ164(可動ストッパ158)が最も正方向r1に回動している際には、本体部144(引掛体157)の回動範囲は、最大90°となる。
切断刃14により切り取る薄片状の試料Sの厚さは、回動角度調整ノブ164の回動量により調節が可能となっている。即ち、回動角度調整ノブ164の回動量を調節することにより、レバー部32(爪歯車140)の最大回動量を調節し、この結果、レバー部32を一度押し下げる毎の試料支持機構12の上昇量が調節される。
一方、操作者が、押し下げた状態のレバー部32から手を離すと、レバー部32(本体部144)は、ねじりバネ152の付勢力により逆方向r2に回動する。すると、爪部141aが爪歯車140と噛合しない状態で逆方向r2に回動するため、爪歯車140は逆方向r2に回動しない。そして、ねじりバネ152の付勢力により逆方向r2に回動した爪部141aは、ラチェット解除体151に当接して爪歯車140から離間し、かつ引掛体157と固定係止部161とが当接する。このとき、レバー部32は、長孔149内の上端に位置する。爪部141aと爪歯車140とが離間していることにより、爪歯車140が正逆両方向に回転可能となり、この結果、微調整ノブ31は正逆両方向において回転可能となる。
次に、回転抑制ノブ88のはたらきについて説明する。
回転抑制ノブ88を回し、その回転抑制ノブ88を軸体51に圧接させると、軸体51は回転不能となり、試料支持機構12の昇降方向d2移動が抑制される。従って、試料支持機構12に保持した試料Sを切断刃14にて切断する際に、良好に切断作業を行うことが可能となる。
次に、ミクロトーム11の使用方法を説明する。
先ず、試料支持機構12に試料Sを保持させる。次に、荒調整ノブ30を回転させて試料支持機構12の昇降方向d2位置を大まかに調整し、ホルダ保持体19を水平方向d1に沿って移動させて、試料S上面が平らになるように切断刃14により切断する。
次に、回動角度調整ノブ164を、試料Sから切り取る薄片状の試料Sの厚さに応じて所望の位置に回動させる。次に、レバー部32を限界まで一度押し下げる。すると試料支持機構12が所望の量だけ上昇する。次に、回転抑制ノブ88を締め付けて、軸体51を回転不能にする。そして、試料支持機構12に取り付けた試料Sを切断刃14により切断する。
なお、荒調整ノブ30を正逆回転させた場合よりも、試料支持機構12を僅かに上昇移動又は下降移動させたい際には、微調整ノブ31を正逆回転させる。即ち、微調整ノブ31を正逆回転させることにより、試料支持機構12の位置の微調整を軸心O1に沿って行うことが可能となる。
従って、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)微調整機構27は、試料支持機構12を支持した軸体51と、軸体51の雄ネジ部51aに螺着されると共に所定位置に設けられたナット50と、ナット50に固定されたウォームホイール63と、ウォームホイール63に噛合するウォーム136と、ウォーム136を正逆両方向に回転させる微調整ノブ31とを備えた。このように、ウォーム136とウォームホイール63とからなるウォームギアを用いたため、微調整ノブ31によりナット50の正逆両方向の回転を微調整することができる。
従って、操作者は、荒調整ノブ30を回転操作する際に比して、微調整ノブ31を回転操作することにより試料支持機構12の昇降方向d2の位置を微調整することができる。即ち、試料支持機構12の位置の微調整を軸体51の軸心O1方向に沿って行うことができる。
(2)ラチェット121は、ウォーム136と一体回転する爪歯車140と、爪歯車140と噛合して該爪歯車140を正方向r1に回動させる爪体141と、爪体141を爪歯車140に沿って回動操作する操作レバー142と、爪歯車140と爪体141との噛合を解除するラチェット解除体151とを備えた。従って、操作レバー142を正方向r1へ回動させることにより、爪歯車140を回動させ、この結果、その回動量に応じた分だけ試料支持機構12を上昇させることができる。
また、ラチェット解除体151にて爪歯車140と爪体141との噛合を解除することにより、爪歯車140は正方向r1及び逆方向r2へ回転可能となる。このため、微調整ノブ31を正逆両方向へ回転させることが可能となり、微調整ノブ31にて試料支持機構12を上昇移動又は下降移動させることができるようになる。
(3)ラチェット121は、操作レバー142を逆方向r2に回動するように付勢するねじりバネ152を備えた。このため、操作者がレバー部32に手を触れていない際(レバー部32に外力が加えられていない際)には、ねじりバネ152の付勢により、ラチェット解除体151と爪体141の爪部141aとの当接が常に維持される。この結果、爪歯車140と爪体141との噛合を常に解除しておくことができる。従って、レバー部32に外力が加えられていない際には、微調整ノブ31を正逆両方向に回転させることができ、ミクロトーム11の使い勝手をよくすることができる。
(4)ラチェット121は、操作レバー142と一体回動する引掛体157と、引掛体157の正逆両方向の回動を規制する可動係止部163及び固定係止部161とを備えた。可動係止部163は、引掛体157の正方向r1側に位置調節可能に設け、固定係止部161は、引掛体157の逆方向r2側に固定した。このため、爪歯車140の回動量を、引掛体157と、可動係止部163及び固定係止部161との当接により規制することができる。
従って、レバー部32を限界まで一度押し下げた際の試料支持機構12の上昇移動量を、常に一定に保つことができ、試料Sから切り取る薄片状の試料Sの厚さを何枚も一定にすることができる。また、可動係止部163は位置調節可能なため、試料Sから切り取る薄片状の試料Sの厚さを調節することができる。
(5)引掛体157を鋼鉄にて形成した。固定係止部161には、引掛体157と当接する当接面161aに磁石166を嵌込んだ。即ち、引掛体157及び固定係止部161は、磁着可能に構成した。このため、固定係止部161と引掛体157とが当接している際には、磁石166は、引掛体157を吸引する。従って、長孔149内の上端に位置するレバー部32が不用意に下がることを抑制することができ、ミクロトーム11の使い勝手をよくすることができる。
(6)試料Sを保持する試料支持機構12の位置調整を行う位置調整機構13は、雄ネジ部51aを有する軸体51と、雌ネジ部50aを有するナット50とを備えた。位置調整機構13は、雄ネジ部51aを有する軸体51と、雌ネジ部50aを有するナット50とのネジ対偶を用いて軸体51が昇降方向d2に沿って位置調整するように構成した。このため、位置調整機構13は、試料支持機構12の位置調整を行う際に水平方向d1への移動は行わない。
従来技術のミクロトームは、保持部材(試料支持機構)が位置調整によって前後方向(水平方向)への移動することを考慮して、ホルダの前後方向(水平方向)移動範囲を設定していた。しかしながら、本実施形態のミクロトーム11は、試料支持機構12が位置調整の際に、水平方向d1へ移動することがなく、その分、ホルダ保持体19の水平方向d1の移動範囲を小さくできる。従って、ミクロトーム11は、従来技術のミクロトームに比して、水平方向d1長さを短くすることができ、材料費を低減でき、制作コストを低減することができる。
(7)軸体51には所定の厚みを有する第1平歯車70を固定し、軸体51と平行に延びる軸体100には所定の厚みを有する第2平歯車102を固定した。第1平歯車70と第2平歯車102とを噛合した。軸体51と軸体100とを、第1平歯車70及び第2平歯車102にて動力伝達可能とした。このように、軸体51と軸体100とを平歯車同士で動力伝達可能としたため、第1平歯車70と第2平歯車102とを昇降方向d2に沿って相対移動しても、動力伝達を確実に行うことができる。
ところで、軸体51と軸体100とを一対の傘歯車同士で動力伝達可能に構成すると、その両傘歯車は、昇降方向d2に沿って相対移動させた際に、互いに圧接し合って相対移動できない、或いは噛合不能に離間してしまう。このため、一対の傘歯車を用いた場合には、荒調整ノブ30の回転による試料支持機構12の昇降方向d2への位置調整ができなくなる。
また、軸体51と軸体100とを一対のやまば歯車同士で動力伝達可能に構成すると、両やまば歯車は、昇降方向d2に沿って相対移動できない。このため、一対のやまば歯車を用いた場合には、荒調整ノブ30及び微調整ノブ31の回転による試料支持機構12の昇降方向d2への位置調整ができなくなる。
さらに、軸体51と軸体100とを一対のはすば歯車同士で動力伝達可能に構成すると、微調整ノブ31の回転に基づき第2回転機構47(軸体51)を昇降方向d2へ移動させる際に、第2回転機構47(軸体51)が回転してしまい、所望の量だけ第2回転機構47(軸体51)を移動させることができない。
従って、第1平歯車70及び第2平歯車102は、上記一対の傘歯車、一対のやまば歯車、一対のはすば歯車に比して、軸体51と軸体100との動力伝達を好適に行うことができる。
(8)本実施形態のミクロトーム11は、ウォーム136を回転させることによりウォームホイール63が回転するように構成した。一方、ミクロトーム11は、ウォームホイール63を回転させてウォーム136を回転させようとしてもできないようにした。従って、第2回転機構47は、荒調整ノブ30の回転に基づいて第1回転機構46(ナット55)と相対回転する際に、ナット50が回転することなく、昇降方向d2に沿って好適に移動される。
(9)軸体51は、その一端が一対のスラスト玉軸受80,81により回転可能に軸支されるようにし、その他端が一対のスラスト玉軸受57,58により回転可能に支持したナット50により軸支されるようにした。詳述すると、軸体51の一端は、昇降方向d2において互いに離間して配置された一対のスラスト玉軸受80,81に軸支するようにしていた。
ところで、軸体51の一端を軸支する構成としては、一つのラジアル軸受を用いる機構もあるが、この機構は、軸体51の一端を一点支持する構造となるため、軸ぶれが起きやすい。軸ぶれが起きると、試料支持機構12の昇降方向d1位置の誤差を生じてしまう。しかしながら、本実施形態では、軸体51の一端をスラスト玉軸受80,81にて二点支持した構造としているため、上記一つのラジアル軸受を用いた機構に比して軸ぶれを起こしにくくすることができ、試料支持機構12の昇降方向d1位置の誤差を生じにくい。
また、軸体51の他端においても、上記軸体51の一端と同様に、スラスト玉軸受57,58にて二点支持した構造としているため、試料支持機構12の昇降方向d1位置の誤差を生じにくい。
(10)軸体51の雄ネジ部51aは、ナット50に螺着されているため、回転しながら昇降方向d2(軸心O1)に沿って移動する。軸体51に固定された第1平歯車70は、上部側支持体48の下面48bに当接する位置から、ボルト65に当接する位置まで(昇降範囲e)を移動可能とした。第1平歯車70及び第2平歯車102は、昇降範囲eにおいて互いに常に噛合するように、その厚さをそれぞれ設定した。
従って、第1平歯車70と第2平歯車102とが昇降方向d2に沿う方向に相対移動しても互いの噛合が維持されているため、荒調整ノブ30による試料支持機構12の昇降方向d2への位置調整を円滑に行うことができる。
なお、前記実施形態は、以下の別の態様に変更してもよい。
・前記実施形態では、位置調整機構13は、軸体51が昇降方向d2に沿って位置調整するように構成していたが、軸体51を昇降方向d2に沿わないように位置調整するように構成してもよい。
・前記実施形態では、引掛体157を鋼鉄にて形成し、固定係止部161の当接面161aに磁石166を嵌込み、引掛体157及び固定係止部161を磁着可能に構成していた。これに限らず、固定係止部161を鋼鉄にて形成し、引掛体157における固定係止部161と当接する面に磁石166を嵌込み、引掛体157及び固定係止部161を磁着可能に構成してもよい。また、引掛体157と固定係止部161との互いに対向する面に、磁石をそれぞれ設けて、引掛体157及び固定係止部161を磁着可能に構成してもよい。
・前記実施形態では、可動係止部163を有する可動ストッパ158を回動可能(位置調節可能)に構成していたが、回動不能に構成してもよい。また、回動調節機構156自体を省略してもよい。
・前記実施形態では、ねじりバネ152を設けていたが、省略してもよい。
・前記実施形態では、ラチェット121を設けていたが、省略してもよい。
次に、上記各実施形態及びその態様の変更から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)前記所定位置に設けられた雌ネジは、その軸心に沿う方向へ移動不能に設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項6のうちいずれか1項に記載のミクロトーム。
(ロ)前記雄ネジは、前記切断刃の移動方向と直交方向に移動可能に設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項6、技術的思想(イ)のうちいずれか1項に記載のミクロトーム。
(ハ)前記位置調整機構は、荒調整機構を含み、前記荒調整機構は、前記雄ネジに固定された所定の厚みを有する第1平歯車と、前記第1平歯車と噛合するとともに所定の厚みを有する第2平歯車と、前記第2平歯車を正逆両方向に回転させる荒調整ノブと、を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項6、技術的思想(イ)、(ロ)のうちいずれか1項に記載のミクロトーム。
ミクロトームを示す斜視図。 ミクロトームの正面部分断面図。 図1におけるA−A線矢視断面図。 図1におけるB−B線矢視断面図。 図1におけるC−C線矢視断面図。 (a)は、固定ストッパの正面図。(b)は、固定ストッパの側面図。 (a)は、可動ストッパの正面図。(b)は、可動ストッパの側面図。 (a)は、操作レバーの正面図。(b)は、操作レバーの側面図。(c)は、引掛体の正面図。 (a)は、操作レバーと固定ストッパ及び可動ストッパとの関係を示す説明図。(b)は、引掛体と固定ストッパ及び可動ストッパとの関係を示す説明図。 (a)は、爪歯車の正面図。(b)は、爪歯車の側面図。 (a)は、ラチェット解除体と爪体と爪歯車との関係を示す説明図。(b)は、爪歯車と本体部とねじりバネと引掛体との関係を示す説明図。 ラチェット解除体と爪体と爪歯車との関係を示す説明図。
符号の説明
11…ミクロトーム、12…試料支持機構、13…位置調整機構、14…切断刃、15…切断機構、27…微調整機構、31…微調整ノブ、50…雌ネジとしてのナット、51…雄ネジとしての軸体、63…ウォームホイール、121…段階調整手段としてのラチェット、136…ウォーム、140…爪歯車、141…爪部材としての爪体、142…操作部材としての操作レバー、151…噛合解除手段としてのラチェット解除体、152…付勢手段としてのねじりバネ、157…回動部材としての引掛体、161…第2ストッパとしての固定係止部、163…第1ストッパとしての可動係止部、r1…正方向、r2…逆方向、S…試料。

Claims (6)

  1. 試料を保持する試料支持機構と、該試料支持機構の位置調整を行う位置調整機構と、前記試料を切断する切断刃を移動可能に支持する切断機構と、を備えたミクロトームにおいて、
    前記位置調整機構は、微調整機構を含み、
    前記微調整機構は、
    前記試料支持機構を支持した雄ネジと、
    前記雄ネジに螺着されると共に所定位置に設けられた雌ネジと、
    前記雌ネジに固定されたウォームホイールと、
    前記ウォームホイールに噛合するウォームと、
    前記ウォームを正逆両方向に回転させる微調整ノブとを備え、
    前記微調整機構は、前記雌ネジと前記雄ネジとのネジ待遇により前記試料支持機構の位置調整を行うことを特徴とするミクロトーム。
  2. 前記微調整機構は、前記試料支持機構の位置を段階的に微調整する段階調整手段を含み、
    前記段階調整手段は、
    前記ウォームと一体回転する爪歯車と、
    前記爪歯車と噛合して該爪歯車を正方向に回動させる爪部材と、
    前記爪部材を前記爪歯車に沿って回動操作する操作部材と、
    前記爪歯車と前記爪部材との噛合を解除する噛合解除手段と
    を備えることを特徴とする請求項1に記載のミクロトーム。
  3. 前記噛合解除手段は、前記爪部材と当接して該爪部材を前記爪歯車から離間させるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載のミクロトーム。
  4. 前記段階調整手段は、前記爪部材を逆方向に回動するように付勢する付勢手段を備えたことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のミクロトーム。
  5. 前記段階調整手段は、
    前記操作部材と一体回動する回動部材と、
    前記回動部材の正逆両方向の回動を規制する第1ストッパ及び第2ストッパを備え、
    前記第1ストッパは、前記回動部材の正方向側に位置調節可能に設けられ、
    前記第2ストッパは、前記回動部材の逆方向側に固定されている
    ことを特徴とする請求項2乃至請求項4のうちいずれか1項に記載のミクロトーム。
  6. 前記回動部材及び前記第2ストッパは、磁着可能に構成されていることを特徴とする請求項5に記載のミクロトーム。
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