JP2005077242A - スポットピッカー装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回収する際にゲルにできるだけ衝撃を与えることなく回収することができ、また目的とする蛋白質を含むゲルのみを簡単に取り出すことができるスポットピッカー装置を提供する。
【解決手段】二次元電気泳動用のゲル6を載せる固定台8とゲル6を切り出すための駆動部9とを備えたスポットピッカー装置において、駆動部9は、円筒状の切り出し外管10と、切り出し外管10よりも外径が小さく同一形状を有した切り出し内管11とを備え、切り出し内管11の先端部には、気体が透過する穴が一定間隔に形成された通風部12が設けられ、切り出し外管10と切り出し内管11との間に清浄化空気が流れるための通気管13を設ける。駆動部9で切り出し内管11内を少し負圧にし、通風部12から清浄化空気を導入することで、固定台8上からゲル6を浮き上がらせ、回収することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、二次元電気泳動用ゲル中に分散した蛋白質を回収するスポットピッカー装置に関する。
従来のスポットピッカー装置は、空気圧により目的とする蛋白質を含むゲルを回収している(例えば、特許文献1参照)。
図6は、従来のスポットピッカーの構成を示す斜視図である。
図6において、ゲル切り出し部1はピペッティング装置2の先端部分に装着可能に構成されており、先端の刃3の部分、ゲルストッパー4、ゲルストッパー4に設けられた空気穴5および空気穴5と連通しピペッティング装置2により先端刃部分の空間の空気を排除またはこの空間内に送りこむことができるようにされた連通孔7よりなる。
ゲル切り出し部1の先端部の内面に滑り止めを付けることでゲル切り出し部1をゲル6の切り出しを希望する部分に押し当て、空気圧により蛋白質を含むゲル6を取り出している。その際、ゲル切り出し部1の先端部分で切り出されたゲル6は空気穴5を通じて空気圧によりゲルストッパー4まで吸い付けられ、ゲル6が奥まで入らないようにしてある。そして、ゲル6を取り出したい位置で空気圧により押し出している。
このように、従来のスポットピッカー装置は、空気圧により希望とするゲル6を強制的に取り出すのである。
特開平7−132079号公報(第2−3頁、第1図)
しかしながら、従来のスポットピッカー装置は、切り出し部1内の圧力を負圧にしてゲル6を回収するようになっており、希望とするゲル6すべてを短時間に回収するには切り出し部1内の圧力をかなり負圧にする必要がある。このため、吸引されたゲル6はゲルストッパー4に衝突して初めて回収されることになり、ゲル6中の蛋白質の立体構造を安定に保持することができないので、蛋白質の回収における信頼性が低下するという問題があった。
また、切り出し部1の先端部の表面を処理していないため、ゲル6中の蛋白質が表面に接触した場合は、切り出し部1の表面と蛋白質が化学的な相互作用により吸着・残留するので、目的とする蛋白質を全量回収することができないというような問題も抱えていた。
さらに、従来のスポットピッカー装置は、空気圧により強制的に吸い取るような機構となっているので、ゲル6がゲルストッパー4に吸い取られた際の衝撃により、ゲル6中の蛋白質の立体構造を安定に保持をすることができない、また、空気圧により切り出したゲル6で取り出す時にも、ゲルは、ゲルストッパー4あるいはゲル切り出し部1の内面に残留するという問題があった。
そこで、本発明は、回収する際にゲルにできるだけ衝撃を与えることなく回収することができ、また目的とする蛋白質を含むゲルのみを簡単に取り出すことができるスポットピッカー装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明の第1の構成は、二次元電気泳動用のゲルを載せる固定台と前記ゲルを切り出すための駆動部とを備えたスポットピッカー装置において、
前記駆動部は、円筒状の切り出し外管と、前記切り出し外管よりも外径が小さく同一形状を有した切り出し内管とを備え、前記切り出し内管の先端部には、気体が透過する穴が一定間隔に形成された通風部が設けられ、前記切り出し外管と切り出し内管との間には清浄化空気が流れるための通気管が設けられたことを特徴とするものである。
この1の構成では、切り出し内管と通気管内の空気圧(加圧・負圧)を制御することで目的とする蛋白質を含むゲルを短時間に回収することができる。
本発明の第2の構成は、前記通風部は、一定間隔に形成された空孔の表面に気体透過膜を貼り付け、前記空孔以外の領域を親水性材料でコーティングしたことを特徴とするものである。
この第2の構成では、ゲルが通風部の表面を滑るようにして移動するため、回収する際にゲルに含まれている蛋白質に圧力が加わることが殆どなないので、目的とする蛋白質の立体構造を安定に保持することができるとともに、蛋白質の回収処理における信頼性が向上する。
本発明の第3の構成は、二次元電気泳動用のゲルを載せるための固定台と前記ゲルを切り出すための駆動部とを備えたスポットピッカー装置において、前記駆動部は、内管と外管から形成された円筒状の金属管を備え、前記金属管の先端部には2個の半円筒状のイオン交換樹脂成形品同士が互いに向き合うようにして固定化され、前記イオン交換樹脂成形品の内筒部表面には第1電極が、外筒部表面には第2電極が備えられ、前記金属管の内管と外管は、表面が絶縁処理されているとともに、前記第1および第2電極には電源の正負の端子に接続されたリード線がそれぞれ接続されていることを特徴とするものである。
この第3の構成では、空気圧を用いて強制的に取り出すことがないため、蛋白質の立体構造を安定に保持することができる。
本発明の第4の構成は、前記イオン交換樹脂成形品は、高分子鎖に単層または多層のナノチューブが等間隔に固定化され、そのナノチューブの側面全体に、トリメチルアンモニウムクロライド(N(CH33 +Cl-)や、スルホン酸基(SO3H)、カルボキシル基(COOH)、リン酸基(PO3H)、水酸基(OH)などの官能基を有する芳香族化合物からなる機能性分子が固定化することにより形成された皮膜を有することを特徴とするものである。
この第4の構成では、イオン交換樹脂成形品のイオン交換能に比べて引き寄せられるイオンおよび水分子の量が多くなるので、イオン交換樹脂成形品の収縮・膨張する時間が短くなるとともに、収縮力が向上するため、希望するゲルの切り出しを簡単に行うことができる。
本発明の第5の構成は、前記イオン交換樹脂形成品の内面を不活性材料で薄くコーティングしたことを特徴とするものである。
この第5の構成では、ゲル中の蛋白質が直接、イオン交換樹脂成形品の内面に接触しても吸着することがないので、長期間、安定した切り出し処理が可能となる。
以上述べたように、本発明の第1の構成のスポットピッカー装置によれば、駆動部で切り出し内管内を少し負圧にし、通風部から清浄化空気を導入することで、固定台上からゲルを浮き上がらせることができる。一方、切り出し内管の内部は若干負圧になっているので、希望とするゲルを切り出し内管内に吸引・回収することができる。また、切り出し内管の空気圧(負圧)はそれ程高くする必要がないため、ゲルの構造を破壊させる程の圧力はかからなくなる。よって、ゲルに含まれる蛋白質の立体構造を安定に保持した状態で、目的とする蛋白質を含むゲルを回収することができる。
第2の構成のスポットピッカー装置によれば、気体透過膜を通して清浄化空気を供給するとともに、気体透過膜以外の領域を親水性材料で被覆しているような構成をしているので、気体透過膜を通過した清浄化空気はゲルの下部と固定台との隙間に入り、固定台の表面とゲルに含まれる水との表面張力が低下させ、固定台上の水が球の形になってゲルを浮き上がらせる。また、気体透過膜以外の領域を酸化チタンやその他の酸化膜などの親水性材料で被覆しているため、通風部の表面抵抗は低くなり、ゲルは通風部内を滑るようにして移動する。そのため、切り出し内管の圧力を大きく下げる必要がなくなり、目的とする蛋白質の立体構造をより一層安定に維持した状態でゲルを回収することができる。
第3の構成のスポットピッカー装置によれば、イオン交換樹脂成形品の官能基にスルホン基を用い、電源より第1および第2電極にプラス、マイナスの直流の電気を印加すると、イオン交換樹脂成形品の高分子電解質中に含まれる陽イオンが水分子を伴って負側の電極の方に移動することにより、電極近傍での含水率が増加する。そのため、イオン交換樹脂成形品の外側が膨張して伸び、一方、性側の電極の近傍では含水率が低下することにより、イオン交換樹脂成形品の内側は収縮する。
そこで、駆動部により目的とする蛋白質を含むゲルの位置でイオン交換樹脂成形品を降下させ、次に電源により電位を印加すると、半円筒状のイオン交換樹脂成形品の外側が膨張して伸びる。一方、イオン交換樹脂成形品の内側は収縮して縮むので、蛋白質の立体構造を維持した状態で目的とするゲルを簡単にすくい取ることができる。
第4の構成のスポットピッカー装置によれば、従来の高分子鎖に導入された官能基に加え、官能基の数が相当増えているような構成をしているので、電位を印加した場合に、高分子電解質中のイオンが電極近傍に移動する量が増加し、それに伴い水分子の移動量も増加する。そのため、電極近傍での含水率もより一層増加するので、イオン交換樹脂成形品の収縮・膨張する速度が向上し、ゲルをすくい上げる処理時間が短くなる。
第5の構成のスポットピッカー装置によれば、プラズマ処理(PVD、CVD)、紫外線照射、接着剤などを用いて、PDMS(ポリジメチルシロキサン)をイオン交換樹脂成形品の表面にコーティングする。そうすると、樹脂表面がメチル基(CH3)で覆われることになり、蛋白質がイオン交換樹脂成形品の表面に吸着・残留することがないので、目的とする蛋白質を精度よく安定に回収することができる。
以下、本発明の具体的実施例を図に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例1に係るスポットピッカー装置の構成図である。
図1において、6は固定台8上に置かれたゲル、9は駆動部、10はアルミニウムまたはステンレス製の円筒状の切り出し外管、11は切り出し外管10よりも外径が小さく同心の円筒状切り出し内管、12は切り出し内管11の先端部において気体が透過する穴が一定間隔に形成された通風部、13は切り出し外管10と切り出し内管11との間には設けられた清浄化空気が流れるための通気管である。
次に、この実施例1の動作について説明する。
二次元電気泳動用のゲル6は、乾燥を防ぐために少量の水がまかれた固定台8の上に置かれている。駆動部9は、図示していない画像化データに基づいて、切り出し外管10および切り出し内管11を希望とするゲル6の位置に移動させた後、切り出し外管10と切り出し内管11を下降させて、ゲル6を切る。次に、駆動部9により切り出し内管11内の空気圧を負圧にした状態で、切り出し外管10と切り出し内管11との間に形成された通気管13から清浄化空気を供給すると、切り出し内管11の先端部に固定化された通風部12を通ってゲル6と固定化8との隙間に清浄化空気が入り、ゲル6を浮き上がらせる。切り出し内管11の内部は負圧にしているので、浮き上がったゲル6は吸い込まれるようにして切り出し内管11の内部に回収されることになる。
このように、ゲル6を固定台8の上に置くと、固定台8上の水とゲル6に含まれる水と間には分子間引力が働いている。そのため、ゲル6を空気圧のみで回収するには、かなり負圧にする必要がある。また、二次元電気泳動用のゲル6は、厚みが数mm程度と薄く、柔らかいので、少しの衝撃でも壊れるので、負圧のみでゲル6を吸い取った場合、ゲル6にとってはかなり衝撃力でゲルストッパー4に衝突するので、ゲル6中の蛋白質の立体構造が変化する可能性が十分ある。それに比べると、駆動部9で切り出し内管11内を少し負圧にし、通風部12から清浄化空気を導入することで、固定台8上からゲル6を浮き上がらせることができる。一方、切り出し内管11の内部は若干負圧になっているので、希望とするゲル6を切り出し内管11内に吸引・回収することができる。また、切り出し内管11の空気圧(負圧)はそれ程高くする必要がないため、ゲル6の構造を破壊させる程の圧力はかからなくなる。よって、ゲル6に含まれる蛋白質の立体構造を安定に保持した状態で目的とする蛋白質を含むゲル6を回収することができる。
図2は実施例2を示す構成図である。図2において、通風部12は一定間隔に微小の空孔14が形成されており、その表面に接着剤や熱融着により気体透過膜15が貼り付けてられている。そのため、通風部12と切り出し外管10との間に供給された清浄化空気のみがその気体透過膜15を通ることになる。また、気体透過膜15以外の領域には、酸化チタン(TiO2)やその他の酸化膜から形成された親水性材料16が被覆されている。
このように、気体透過膜15を通して清浄化空気を供給するとともに、気体透過膜15以外の領域を親水性材料16で被覆した構成をしているので、気体透過膜15を通過した清浄化空気はゲル6の下部と固定台8との隙間に入り、固定台8の表面とゲル6に含まれる水との表面張力が低下し、固定台8上の水が球の形になってゲル6を浮き上がらせる。また、気体透過膜15以外の領域を酸化チタンやその他の酸化膜などの親水性材料16で被覆しているため、通風部12の表面抵抗は低くなり、ゲル6は通風部12内を滑るようにして移動する。そのため、切り出し内管11の圧力を大きく下げる必要がなくなり、目的とする蛋白質の立体構造をより一層安定に維持した状態でゲル6を回収することができる。
図3は、本発明の実施例3に係るスポットピッカー装置の構成図である。
図3において、6は固定台8上に置かれたゲル、9は駆動部、20は内管20aと外管20bから形成され表面が絶縁処理されている円筒状の金属管、21は金属管20の先端部に互いに向き合うようにして固定化された2個の半円筒状のイオン交換樹脂成形品21、22a,22bはイオン交換樹脂成形品21の内筒部表面および外筒部表面に備えられた第1電極および第2電極、23は電源、24a,24bは電源23の正負の端子と第1および第2電極24a,24bとを接続するリード線である。
次に、この実施例3の動作について説明する。
図示していない二次元電気泳動装置により2000〜3000種類の蛋白質が分離・分散されたゲル6が固定台8の上に置かれている。駆動部9には、アルミまたはステンレス製で、内管と外管から形成された金属管20が接続されている。その金属管20の先端には、半円筒状のイオン交換樹脂成形品21同士が互いに向き合うようにして固定され、そのイオン交換樹脂成形品21の内筒表面には電極22a、外筒表面には電極22bが形成されている。さらに、その両方の電極表面にはプラズマ処理などによりフッ素がコーティングされて絶縁処理が施されている。また、電源23に接続されるとともに、表面を絶縁処理されたリード線24aは金属管20の内管に、同様に表面を絶縁処理されたリード線24bは金属管20の外管に接続されている。
駆動部9によりイオン交換樹脂形成品21が固定化された金属管20を希望とするゲル6の位置で下降させ、そこで電源23から数V程度の直流電圧を印加すると、金属管20の内管と外管を介してイオン交換樹脂成形品21の内筒表面および外筒表面に形成された電極22a、22bに通電される。そうすると、イオン交換樹脂形成品21の高分子電解質中のイオンが反対の極性である電極側に移動し、そのイオンに伴われて水分子も電極側に移動して電極近傍での含水率が高まり、イオン交換樹脂成形品21の片側が膨張することによって伸び、一方、反対側の電極近傍では含水率が低下して収縮する。
なお、イオン交換樹脂成形品21を構成するイオン交換樹脂としてはポリエチレン、ポリスチレン、フッ素樹脂などの陽イオン交換樹脂、陰イオン交換樹脂にスルホン基(SO3 -+またはNa+)、カルボキシル基(COO-+またはNa+)、トリメチルアンモニウム基(N(CH33 +ClまたはOH-)が挙げられる。
例えば、イオン交換樹脂成形品21の官能基にスルホン基を用い、電源23より電極22aにプラス(+)、電極22bにマイナス(−)の直流の電気を印加すると、イオン交換樹脂成形品21の高分子電解質中に含まれる陽イオンが水分子を伴って電極22bの方に移動することにより、電極22b近傍での含水率が増加する。そのため、イオン交換樹脂成形品21の外側が膨張して伸び、一方、電極22aの近傍では含水率が低下することにより、イオン交換樹脂成形品21の内側は収縮する。
そこで、駆動部9により目的とする蛋白質を含むゲル6の位置でイオン交換樹脂成形品21を降下させ、次に電源23により電位を印加すると、半円筒状のイオン交換樹脂成形品21の外側が膨張して伸びる。一方、イオン交換樹脂成形品21の内側は収縮して縮むので、蛋白質の立体構造を維持した状態で目的とするゲル6を下からすくい取り、且つ金属管20の内管の空気圧を負圧にしているので、すくい取られたゲル6は金属管20の内管に回収される。
なお、ゲル6中の蛋白質が金属管20の内面に接触することを防ぐ必要があることから、イオン交換樹脂成形品21の高さをゲル6の高さよりも大きくする方が好ましい。
図4は実施例4の構成を示す図である。
図4において、ポリエチレン、ポリスチレン、フッ素樹脂からなる高分子鎖25とカーボンナノチューブからなるナノチューブ26をグラフト重合により、高分子鎖25の幹にナノチューブ26のようなモノマーを側鎖として導入している。また、ナノチューブ26の側面には末端にスルホン基、カルボキシル基、水酸基、リン酸基、トリメチルアンモニウム基のような官能基を有したベンゼン、ナフタレン、ピレンなどの機能性分子27が固定化されている。
このように、従来の高分子鎖25に導入された官能基に加え、官能基の数が相当増えているような構成をしているので、電位を印加した場合に、高分子電解質中のイオンが電極近傍に移動する量が増加し、それに伴い水分子の移動量も増加する。そのため、電極近傍での含水率もより一層増加するので、イオン交換樹脂成形品21の収縮・膨張する速度が向上し、ゲル6をすくい上げる処理時間が短くなる。
図5は実施例5の構成を示す図である。図5において、イオン交換樹脂成形品21の内面には、不活性材料28が薄くコーティングされている。
一般的に、蛋白質は20種類のアミノ酸から形成している高分子化合物である。アミノ酸は、アミノ基(NH2)とカルボキシル基(COOH)を持つ分子で、アミノ酸同士はアミノ基とカルボキシル基が脱水してペプチド結合(CONH)で結合して蛋白質を形成している。その蛋白質の特性には、(1)疎水性、(2)非電荷親水性、(3)負電荷親水性、(4)正電荷親水性の4つに分類される。そのため、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの樹脂に蛋白質を含む溶液が接触すると30%程度が吸着すると言われている。
そこで、プラズマ処理(PVD、CVD)、紫外線照射、接着剤などを用いて、PDMS(ポリジメチルシロキサン)をイオン交換樹脂成形品21の表面にコーティングする。そうすると、樹脂表面がメチル基(CH3)で覆われることになり、蛋白質がイオン交換樹脂成形品21の表面に吸着・残留することがないので、目的とする蛋白質を精度よく安定に回収することができる。
本発明は、回収する際にゲルにできるだけ衝撃を与えることなく回収することができ、また目的とする蛋白質を含むゲルのみを簡単に取り出すことができるスポットピッカー装置として有用に利用することができる。
本発明の実施例1を示すスポットピッカー装置の構成図である。 本発明の実施例2を示すスポットピッカー装置の構成図である。 本発明の実施例3を示すスポットピッカー装置の構成図である。 本発明の実施例4を示すスポットピッカー装置の構成図である。 本発明の実施例5を示すスポットピッカー装置の構成図である。 従来のスポットピッカー装置の構成図である。
符号の説明
6 ゲル
8 固定台
9 駆動部
10 切り出し外管
11 切り出し内管
12 通風部
13 通気管
14 空孔
15 気体透過膜
16 親水性材料
20 金属管
20a 内管
20b 外管
21 イオン交換樹脂成形品
22a、22b 電極
23 電源
24a、24b リード線
25 高分子鎖
26 ナノチューブ
27 機能性分子
28 不活性材料

Claims (5)

  1. 二次元電気泳動用のゲルを載せる固定台と前記ゲルを切り出すための駆動部とを備えたスポットピッカー装置において、
    前記駆動部は、円筒状の切り出し外管と、前記切り出し外管よりも外径が小さく同一形状を有した切り出し内管とを備え、前記切り出し内管の先端部には、気体が透過する穴が一定間隔に形成された通風部が設けられ、前記切り出し外管と切り出し内管との間に清浄化空気が流れるための通気管が設けられたことを特徴とするスポットピッカー装置。
  2. 前記通風部は、一定間隔に形成された空孔の表面に気体透過膜を貼り付け、前記空孔以外の領域を親水性材料でコーティングしたことを特徴とする請求項1記載のスポットピッカー装置。
  3. 二次元電気泳動用のゲルを載せるための固定台と前記ゲルを切り出すための駆動部とを備えたスポットピッカー装置において、
    前記駆動部は、内管と外管から形成された円筒状の金属管を備え、前記金属管の先端部には2個の半円筒状のイオン交換樹脂成形品同士が互いに向き合うようにして固定化され、前記イオン交換樹脂成形品の内筒部表面には第1電極が、外筒部表面には第2電極が備えられ、前記金属管の内管と外管は、表面が絶縁処理されているとともに、前記第1および第2電極には電源の正負の端子に接続されたリード線がそれぞれ接続されていることを特徴とするスポットピッカー装置。
  4. 前記イオン交換樹脂成形品は、高分子鎖に単層または多層のナノチューブが等間隔に固定化され、そのナノチューブの側面全体に、トリメチルアンモニウムクロライド(N(CH Cl)や、スルホン酸基(SOH)、カルボキシル基(COOH)、リン酸基(POH)、水酸基(OH)などの官能基を有する芳香族化合物からなる機能性分子が固定化することにより形成された皮膜を有することを特徴とする請求項3記載のスポットピッカー装置。
  5. 前記イオン交換樹脂形成品の内面を不活性材料で薄くコーティングしたことを特徴とする請求項3または4記載のスポットピッカー装置。
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