JP2005076355A - 手摺笠木接続装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】手摺笠木の温度変化による伸縮を許容することが可能でありながら充分な接続耐力を有し、且つ接続作業が容易であり、接続箇所の外観が優美である手摺笠木接続装置を提供すること。
【解決手段】手摺笠木接続装置は、挿入する管状笠木1の内径に沿う優弧の外面を有し且つ開口した両下縁5に連なる周板部6の上部内側には軸心向き螺孔7を有する突条8が突設されると共に両下縁内側には対向する奥狭の両傾斜面9を備えた第一接続部材2と、両傾斜面9に嵌合する両楔状側面10を有し且つ軸心向き通孔11が穿設されると共に両傾斜面と管状笠木内面とで囲まれた空間に配置される第二接続部材3と、軸心向き通孔を通じて第一接続部材の軸心向き螺孔に螺着されて締付けにより第一接続部材の周板部を拡開させる頭付き螺子4とを備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、隣接する手摺笠木の端部を接続するための接続装置、特に管状をなす手摺笠木の接続装置に関する。
手摺笠木は、工場で製作された所定の長さの笠木部材を、施工現場で接続して施工されることが多く、従来から笠木の接続のための技術が開発されている。管状断面を有する笠木の接続に関しては、隣接する笠木端部内に接続具を介在させて接続する技術が開発されており、左右の管状笠木間にボルトに螺合した上下係止板を挿入し、ボルトの回動により上下の係止板を笠木内部に当接させて連結する技術(例えば、特許文献1参照。)や、管状笠木の軸線方向に延びる螺軸にナットで挟持した弾性部材を配設し、弾性部材の両端を圧縮することによって弾性部材を円周方向に膨張させ、弾性部材を管状笠木の内面に圧着することによって連結する技術(例えば、特許文献2参照。)が存在する。しかしながらこれらの接続技術は、管状笠木と接続具との接触面積が比較的小さいため、手摺使用中に接続が緩んだり分離したりする虞がある。
特許第2795817号公報 特開2002−147420号公報
発明を解決しようとする課題は、手摺笠木の温度変化による伸縮を許容することが可能でありながら充分な接続耐力を有し、且つ接続作業が容易であり、接続箇所の外観が優美である手摺笠木接続装置を提供することにある。
本発明の手摺笠木接続装置は、接続すべき管状笠木における内周面の可成りの面積に当接する外面を有する周板部を備えた第一接続部材と、この第一接続部材の周囲板全体を拡開する手段を備えた第二接続部材とを使用することが主な特徴である。
本発明は、次のような効果を奏する。
A.第二接続部材の両楔状側面が第一接続部材の両傾斜面を摺動しながら前進すると、第一接続部材の周板部は拡開されて外面が管状笠木の内面に圧着され、この圧着によって双方の管状笠木は摩擦力により充分な接続耐力を保持して接続される。
B.手摺笠木接続装置は摩擦力による接続なので、管状笠木が温度変化による伸縮を許容することが可能であり、またこのような摩擦力を利用した接続でも管状笠木ががたついたり脱落したりすることのない充分な接続耐力を有する。
C.接続作業も容易であり格別の熟練を必要としない。さらに接続部分では外方に接続手段が露出しないから外観優美である。
本発明の手摺笠木接続装置は、隣接する管状笠木の対向する両端部に挿入して装着する手摺笠木接続装置において、挿入する該管状笠木の内径に沿う優弧の外面を有し且つ開口した両下縁に連なる周板部の上部内側には軸心向き螺孔を有する突条が突設されると共に該両下縁内側には対向する奥狭の両傾斜面を備えた第一接続部材と、該両下縁における該両傾斜面に嵌合する両楔状側面を有し且つ軸心向き通孔が穿設されると共に該両傾斜面と該管状笠木内面とで囲まれた空間に配置される第二接続部材と、該第二接続部材の該軸心向き通孔を通じて該第一接続部材の該軸心向き螺孔に螺着されて締付けにより第一接続部材の該周板部を拡開させる頭付き螺子とを備えたことを基本的な特徴とする。
また本発明の手摺笠木接続装置は、隣接する前記管状笠木が、それぞれの対向する両端部の間に目地間隙をあけた状態で接続されることを特徴とする。
さらに本発明の手摺笠木接続装置は、前記頭付き螺子が、建造物等に取り付けられたブラケットから立設する支持桿を兼用するものであり、隣接する前記管状笠木の両端が接続されると共に当該接続部を該建造物等に支持させたことを特徴とする。
また本発明の手摺笠木接続装置は、一組の前記第一接続部材と前記第二接続部材とについて、隣接して接続されるそれぞれの該管状笠木の箇所において別個の頭付き螺子が装着されることを特徴とする。
本発明の詳細な特徴について、添付図面に記載された実施例を参照して説明する。
図1乃至図3において、符号1,1は、接続すべき隣接する管状笠木である。管状笠木1,1はステンレス鋼管等の金属管や合成樹脂被覆鋼管等で製造されている。管状笠木1,1の接続は金属製の第一接続部材2、第二接続部材3および頭付き螺子4によって行われる。第一接続部材2は、挿入する管状笠木1,1の内径に沿う優弧の外面を有し且つ開口した両下縁5,5に連なる周板部6を有し、周板部6の上部内側に軸心向き螺孔7を有する突条8が突設されると共に周板部6の両下縁5,5内側には対向する奥狭の両傾斜面9,9を備えている。また第二接続部材3は、第一接続部材2の両下縁5,5における両傾斜面9,9に嵌合する両楔状側面10,10を有し且つ軸心向き通孔11が穿設されると共に両傾斜面9,9と管状笠木1内面とで囲まれた空間に配置される大きさとされる。さらに頭付き螺子4は、第二接続部材3の軸心向き通孔11を通じて第一接続部材2の軸心向き螺孔7に螺着されるものである。
管状笠木1,1を接続するには、それぞれの管状笠木1の端部に、頭付き螺子4を挿通操作するための接続時に円形孔を形成する半円状の切欠12を設けておく。そして双方の管状笠木1,1に亘って第二接続部材3を内包した第一接続部材2を挿入し、両者の端縁間に目地間隙13をおいて管状笠木1,1を配設する。目地間隙13は設置後の温度変化による管状笠木1の伸縮に対応するために有効である。次いで第二接続部材3の軸心向き通孔11に頭付き螺子4を挿通してその先端を第一接続部材2の軸心向き螺孔7に螺合させる。頭付き螺子4の回動を進めると、第二接続部材3の両楔状側面10,10が第一接続部材2の両傾斜面9,9を摺動しながら頭付き螺子4の頭部が第二接続部材3を軸心に向けて前進させる。第二接続部材3の両楔状側面10,10が第一接続部材2の両傾斜面9,9を摺動しながら前進すると、第一接続部材2の周板部6は拡開されて外面が管状笠木1の内面に圧着され、この圧着によって双方の管状笠木1,1は摩擦力により充分な接続耐力を保持して接続される。本発明に係る手摺笠木接続装置は摩擦力による接続なので、管状笠木1,1が温度変化による伸縮を許容することが可能であり、またこのような摩擦力を利用した接続でも管状笠木1,1ががたついたり脱落したりすることのない充分な接続耐力を有するものである。また接続作業も容易であり格別の熟練も必要としない。さらに接続部分では外方に接続手段が露出しないから外観優美である。
図4には、頭付き螺子4が建造物Bに取り付けられたブラケット14の先端における段付縦孔15にその下端部を嵌合止着された支持桿を兼用する例が示される。この場合に支持桿となる頭付き螺子4には、その下端に多角レンチを嵌合させる多角孔16に連続する止着螺孔17が設けられており、前記した管状笠木1,1を接続するための頭付き螺子4の回動操作は多角孔16に多角レンチを挿入して行い、その後頭付き螺子4は止着螺子18を下側から止着螺孔17に締め付けることによってブラケット14に接合される。なお段付縦孔15の下方直径は多角レンチの通過を許容するから、支持桿となる頭付き螺子4の管状笠木1,1を接続するための頭付き螺子4の回動操作は、頭付き螺子4をブラケット14の段付縦孔15に嵌合した状態でも可能である。このように本発明は、隣接する管状笠木の両端を接続する共に当該接続部を建造物等に支持させることも目的としている。
図5には、管状笠木1,1を接続するための頭付き螺子4が2本使用される例が示されている。この場合には、管状笠木1に設けられる頭付き螺子4を挿通操作するための切欠12は、それぞれの管状笠木1に円形状に設けられる。頭付き螺子4を2本使用すれば、ボルトによる応力が第一接続部材2および第二接続部材3に分散して加えられるために、これらの部材の変形も一様になるので管状笠木1との大きい摩擦力を得ることが可能であり、強力な接続を必要とする接続箇所に使用してより有効である。
手摺笠木接続装置の一部欠截斜視図である。 手摺笠木接続装置の横断面図である。 手摺笠木接続装置の縦断面図である。 接続部を建造物等に支持させた場合の横断面図である。 頭付き螺子を2本使用した手摺笠木接続装置の縦断面図である。
符号の説明
1 管状笠木
2 第一接続部材
3 第二接続部材
4 頭付き螺子
5 下縁
6 周板部
7 軸心向き螺孔
8 突条
9 傾斜面
10 楔状側面
11 軸心向き通孔
13 目地間隙
14 ブラケット

Claims (4)

  1. 隣接する管状笠木の対向する両端部に挿入して装着する手摺笠木接続装置において、挿入する該管状笠木の内径に沿う優弧の外面を有し且つ開口した両下縁に連なる周板部の上部内側には軸心向き螺孔を有する突条が突設されると共に該両下縁内側には対向する奥狭の両傾斜面を備えた第一接続部材と、該両下縁における該両傾斜面に嵌合する両楔状側面を有し且つ軸心向き通孔が穿設されると共に該両傾斜面と該管状笠木内面とで囲まれた空間に配置される第二接続部材と、該第二接続部材の該軸心向き通孔を通じて該第一接続部材の該軸心向き螺孔に螺着されて締付けにより第一接続部材の該周板部を拡開させる頭付き螺子とを備えたことを特徴とする手摺笠木接続装置。
  2. 隣接する前記管状笠木は、それぞれの対向する両端部の間に目地間隙をあけた状態で接続されることを特徴とする請求項1記載の手摺笠木接続装置。
  3. 前記頭付き螺子は、建造物等に取り付けられたブラケットから立設する支持桿を兼用するものであり、隣接する前記管状笠木の両端が接続されると共に当該接続部を該建造物等に支持させたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の手摺笠木接続装置。
  4. 一組の前記第一接続部材と前記第二接続部材とについて、隣接して接続されるそれぞれの該管状笠木の箇所において別個の頭付き螺子が装着されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の手摺笠木接続装置。
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