JP2005075845A - タイヤ用ゴム組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】氷上摩擦性能を更に改善した熱膨張性材料を含むゴム組成物の提供。
【解決手段】ジエン系ゴム100重量部、熱膨張性材料1〜20重量部及び分子構造内にポリメチレン型の飽和主鎖を有するゴム1〜30重量部を含んでなるゴム組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】ジエン系ゴム100重量部、熱膨張性材料1〜20重量部及び分子構造内にポリメチレン型の飽和主鎖を有するゴム1〜30重量部を含んでなるゴム組成物。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はタイヤ用ゴム組成物に係り、更に詳しくは氷上摩擦力が改善された、スタッドレスタイヤのトレッド用として好適なゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
タイヤトレッド用ゴム組成物としてゴム組成物中に硬質異物、発泡剤、中空微粒子、熱可塑性樹脂などを配合して表面にミクロな凹凸をつくることによって、氷の表面に発生する水膜を除去し、氷上摩擦力を向上させることが試みられている(例えば特許文献1〜3参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−288306号公報
【特許文献2】
特開2001−239号公報
【特許文献3】
特開2001−652号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はタイヤ用ゴム組成物、特にスタッドレスタイヤのトレッド用として有用なゴム組成物の氷上摩擦力を更に改良することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に従えば、ジエン系ゴム100重量部、熱膨張性材料1〜20重量部及び分子構造内にポリメチレン型の飽和主鎖を有するゴム1〜30重量部を含んでなるゴム組成物が提供される。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、ジエン系ゴムに、膨張性材料(中空ポリマー、膨張黒鉛、発泡剤含有樹脂)及び、分子構造内にポリメチレン型の飽和主鎖を有するゴムを配合することによって、加硫において架橋されないドメインを形成せしめ、この非架橋ドメイン部位が加硫時の膨張性材料の膨張を容易にする作用をすることを見出した。
【0007】
本発明に従ったタイヤ用ゴム組成物に使用されるジエン系ゴムとしては、例えばタイヤ用原料ゴムとして使用することができる任意のジエン系ゴムを含み、かかる代表的なジエン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、各種ポリブタジエンゴム(BR)、各種スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)などをあげることができる。これは単独又は任意のブレンドとして使用することができる。
【0008】
本発明において使用するジエン系ゴムのガラス転移温度は好ましくは−55℃以下、更に好ましくは−105℃〜−60℃である。ガラス転移温度が−55℃を超えるとゴムの耐寒性が低下し、低温領域での使用時にゴムの摩擦力が大きく低下するおそれがあるので好ましくない。
【0009】
本発明に従ったタイヤ用ゴム組成物に配合される熱膨張性材料としては、氷上摩擦性能を向上させるためにゴム組成物に配合することができる任意の熱膨張性材料を用いることができ、具体的には熱膨張性マイクロカプセル、膨張黒鉛、発泡剤含有樹脂などをあげることができ、これらはジエン系ゴム100重量部に対し、1〜30重量部、好ましくは5〜20重量部配合する。この配合量が少な過ぎると熱膨張性材料に対する所望の膨張補助効果が得られないので好ましくなく、逆に多過ぎると耐摩耗性が低下するので好ましくない。
【0010】
前記熱膨張性マイクロカプセルは、熱により気化して気体を発生する液体を熱可塑性樹脂に内包した熱膨張性熱可塑性樹脂粒子であって、該粒子をその膨張開始温度以上の温度、通常140〜190℃の温度に加熱して膨張させることにより、その熱可塑性樹脂からなる外殻中に気体を封入した気体封入熱可塑性樹脂粒子となる。この熱膨張性マイクロカプセルの粒子径は、特に限定されないが、膨張前で好ましくは5〜300μmであり、更に好ましくは10〜200μmである。
【0011】
このような熱膨張性マイクロカプセルとしては、例えば、現在、スウェーデンのEXPANCEL社より商品名「エクスパンセル091DU−80」または「エクスパンセル092DU−120」等として、あるいは松本油脂社より商品名「マツモトマイクロスフェアーF−85」または「マツモトマイクロスフェアーF−100」等として入手可能である。
【0012】
前記気体封入熱可塑性樹脂粒子の外殻成分を構成する熱可塑性樹脂としては、例えば(メタ)アクリロニトリルの重合体、また(メタ)アクリロニトリル含有量の高い共重合体が好適に用いられる。その共重合体の場合の他のモノマー(コモノマー)としては、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、スチレン系モノマー、(メタ)アクリレート系モノマー、酢酸ビニル、ブタジエン、ビニルピリジン、クロロプレン等のモノマーが用いられる。なお、上記の熱可塑性樹脂は、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、トリアクリルホルマール、トリアリルイソシアヌレート等の架橋剤で架橋可能にされていてもよい。架橋形態については、未架橋が好ましいが、熱可塑性樹脂としての性質を損わない程度に部分的に架橋していてもかまわない。
【0013】
前記の熱により気化して気体を発生する液体としては、例えば、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、ブタン、イソブタン、ヘキサン、石油エーテルの如き炭化水素類、塩化メチル、塩化メチレン、ジクロロエチレン、トリクロロエタン、トリクロルエチレンの如き塩素化炭化水素のような液体が挙げられる。
【0014】
前記膨張黒鉛は従来から公知のものを使用することができ、例えば、天然の鱗片状グラファイト、熱分解グラファイト、キッシュグラファイト等を無機酸である濃硫酸又は硝酸等と強酸化剤である濃硝酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩又は重クロム酸塩等で処理してグラファイト層間化合物を生成させた炭素の層状構造を維持したままの結晶質化合物を挙げることができる。更に、酸処理した膨張黒鉛を、塩基性化合物で中和したものを使用することが好ましい。ここで、塩基性化合物としては、例えばアンモニア、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物または脂肪酸低級アミン等を挙げることができる。この脂肪族低級アミンとしては、例えばモノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等のアルキルアミン類を挙げることができる。アルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物としては、例えばカリウム、ナトリウム、カルシウム、バリウム又はマグネシウム等の水酸化物、酸化物(複酸化物及び錯酸化物を包含)、炭酸塩、炭酸水素塩(重炭酸塩)又は有機三塩を挙げることができ、有機酸塩としては、例えばギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩又はクエン酸塩を挙げることができる。
【0015】
前記膨張黒鉛は炭素原子から形成されたシートが層状に重なった構造をしており、その層間物質の気化によって高膨張させることができる。材質が硬いために混合による品質低下が起りにくく、また一定温度にて不可逆的に膨張するため、ゴムマトリックス内部に空間を伴う異物を容易に形成させることができる。このようなゴムを用いたタイヤのトレッド部は摩擦時に表面凹凸が適度に形成され、表面上の水膜を効率よく除去することによって氷上摩擦力の向上に働く。一方、膨張黒鉛は炭素原子からなる骨格構造をとっているためにゴムマトリックスやカーボンブラックとの親和性が良好であり、ゴムに配合添加しても加硫ゴムの耐磨耗性能を低下させないという利点がある。
【0016】
本発明において、発泡剤含有樹脂を構成する樹脂成分はジエン系ゴムとは共架橋性を有しないものでなければならず、具体的にはポリオレフィン系樹脂を主成分としたものが用いられる。なお、ここで主成分とはポリオレフィン系樹脂が全樹脂成分の約75重量%以上のものをいい、他の成分としては、例えばオレフィンモノマーの未反応残渣、重合開始剤や触媒等の残渣、加工助剤、ポリオレフィン系以外のポリマー状樹脂などがあげられる。このような発泡剤含有樹脂としては、例えば永和化成工業から「セルパウダー」として市販されている。
【0017】
本発明における発泡剤含有樹脂の中の化学発泡剤の含有率は、好ましくは5〜65重量%、更に好ましくは15〜50重量%である。この配合量が少なすぎると空隙の形成効果が不十分となるおそれがあり、逆に多すぎると形成させる殻の厚みが薄くなり、マイクロカプセルとしての引っ掻き効果が不十分になるおそれがある。
【0018】
本発明で用いる発泡剤含有樹脂に含まれる化学発泡剤の分解温度は、好ましくは120〜180℃、更に好ましくは140〜160℃である。この温度が低すぎると混合、押出し加工中にゴムが膨張し、加工中のサイズ安定性を損ね、逆に高すぎるとゴムの加硫中に十分な大きさの樹脂被覆気泡を形成させることができない。なお、化学発泡剤の分解温度が高すぎる場合には尿素等の発泡助剤との併用によって分解温度を120〜180℃に調整することもできる。発泡助剤は例えば永和化成工業の「セルペースト」として入手可能である。
【0019】
本発明に使用する化学発泡剤成分は、アゾ化合物(ADCA)、ニトロソ化合物(DPT)、ヒドラジン誘導体(OBSH)、アゾ化合物(Ba/AC)、重炭酸塩(NaHCO3 )の中から選ばれる少なくとも1種の化学発泡剤を用いることができ、具体的にはアゾジカルボンアミド(ADCA)、N,N′−ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、4,4′−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(OBSH)、ヒドラゾジカルボンアミド(HDCA)、バリウムアゾジカルボキシレート(Ba/AC)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3 )が挙げられ、これらは永和化成工業の「ビニホール」(ADCA)、「セルラー」(DPT)、「ネオセルボン」(OBSH)、「エクセラー」(DPT/ADCA)、「スパンセル」(ADCA/OBSH)、「セルボン」(NaHCO3 )等が市販されている。
【0020】
本発明において用いる樹脂は、樹脂の組成がポリオレフィンが主成分で含有率が75重量%以上で、好ましくは85重量%以上である。この樹脂成分は分子の主鎖中に二重結合が残っていないのが好ましい(ジエン系ゴムとの共架橋を防ぐため)。ポリオレフィンの含有率が低いとゴムと架橋する恐れがあるので好ましくない。ポリオレフィンは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリブチレン−1等の中から選ばれる少なくとも1種を用いることができ、これらは混合物として用いることができ、これらの共重合体も使用することができる。
本発明で使用される発泡剤含有樹脂の粒子サイズは10〜200μmが好ましい。これより小さいとゴム表面に十分な大きなの凹凸が形成できず、大きすぎるとゴムの機械強度の低下が著しくなる。
【0021】
本発明に従えば、更に、ジエン系ゴムに前記発泡剤含有樹脂を配合して化学発泡剤成分の分解温度以下の条件にて混合及び押出し加工を行い、発泡剤成分の分解温度以上の温度条件にて加硫工程で加熱して膨張発泡せしめることによってゴム内に樹脂によって被覆されたマイクロカプセル状の気泡を分散させてタイヤとレッド用ゴムを製造することができる。
【0022】
本発明において使用される分子構造内にポリメチレン型の飽和主鎖を有するゴムとしては、例えばEPDM(エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体)、EPT(エチレン−プロピレン−ポリマー)、FKM(フッ素ゴム)などがあげられ、これらは市販品として使用することができる。これらの配合量が少な過ぎると熱膨張性材料に対する所望の膨張補助効果が得られないので好ましくない、逆に多過ぎると耐摩耗性が低下するので好ましくない。
【0023】
本発明において使用することができるカーボンブラックは、窒素吸着比表面積(N2 SA)が好ましくは70m2 /g以上、更に好ましくは80〜200m2 /gで、ジブチルフタレート吸油量(DBP)が好ましくは105ml/100g以上、更に好ましくは110〜150ml/100gである。
【0024】
本発明に係るゴム組成物には、前記した必須成分に加えて、カーボンブラックなどの補強剤(フィラー)、加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤、各種オイル、老化防止剤、可塑性剤などのタイヤ用、その他一般ゴム用に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる配合物は一般的な方法で混練、加硫して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量も本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
【0025】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を更に説明するが、本発明の範囲をこれらの実施例に限定するものでないことはいうまでもない。
【0026】
実施例1〜9及び比較例1〜3
1.7リットル密閉式バンバリーミキサーを用いて、表Iに示す配合(重量部)のゴム、カーボンブラック等の配合剤を5分間混合し、ゴムを混合機外に放出させて室温冷却させた後、同バンバリーミキサーにて、表Iに示す加硫促進剤、硫黄、マイクロカプセル、膨張黒鉛及び発泡剤含有非架橋性ポリオレフィン樹脂を配合し混合した。
【0027】
膨張率
各コンパウンドの配合量や比重から算出した理論値に対して、加硫ゴムの比重を測定して発泡により軽くなった分率を膨張率として算出した。
氷上摩擦係数
表Iの各コンパウンドを加硫したシート状ゴム片を偏平円柱状の台ゴムにはりつけ、インサイドドラム型氷上摩擦試験機にて氷上摩擦係数を測定した。測定温度は−3.0℃と−1.5℃、荷重5.5kg/cm3 、ドラム回転速度は25km/hとした。結果は表Iに示す。
【0028】
【表1】
【0029】
表I脚注
RSS#3:天然ゴム
NIPOL1220:日本ゼオン(株)製 ポリブタジエンゴム(ガラス転移温度=−101℃)
FKM(VITON E−45):デュポン ダウ エラストマー ジャパン(株)製 フッ素ゴム
EPDM(MITSUI EPT4070):三井化学(株)製 EPDM
EPT(JSR EP11):JSR(株)製 EPT
SHOBLACK N220:昭和キャボット(株)製カーボンブラック、(N2 SA:111m2 /g,DBP吸油量:111ml/100g)
SANTOFLEX 6PPD:FLEXSIS製
酸化亜鉛3種:正同化学工業(株)製
ステアリン酸:日本油脂(株)製
アロマオイル:富士興産(株)製
SANTOCURE NS:FLEXSIS製 加硫促進剤 TBBS
PERKACIT DPG:FLEXSIS製 加硫促進剤 DPG
マイクロスフェア F100D:松本油脂(株)製 熱膨張性マイクロカプセル
グラフガート160−50N:巴工業(株)製 膨張黒鉛
セルパウダーF50:永和化成工業(株)製 発泡剤含有非架橋性ポリオレフィン樹脂
【0030】
実施例10〜13及び比較例4
1.7リットル密閉式バンバリーミキサーを用いて、表IIに示す配合(重量部)のゴム、カーボンブラック等の配合剤を5分間混合し、ゴムを混合機外に放出させて室温冷却させた後、同バンバリーミキサーにて、表IIに示す加硫促進剤、硫黄、発泡剤含有非架橋性ポリオレフィン樹脂を配合し混合した。
【0031】
膨張率
各コンパウンドの配合量や比重から算出した理論値に対して、加硫ゴムの比重を測定して発泡により軽くなった分率を膨張率として算出した。
氷上摩擦係数
表IIの各コンパウンドを加硫したシート状ゴム片を偏平円柱状の台ゴムにはりつけ、インサイドドラム型氷上摩擦試験機にて氷上摩擦係数を測定した。測定温度は−3.0℃と−1.5℃、荷重5.5kg/cm3 、ドラム回転速度は25km/hとした。結果は表IIに示す。
【0032】
【表2】
【0033】
表II脚注
RSS#3:天然ゴム
NIPOL1220:日本ゼオン(株)製 ポリブタジエンゴム(ガラス転移温度=−101℃)
EPT(JSR EP11):JSR(株)製 EPT
SHOBLACK N220:昭和キャボット(株)製カーボンブラック、(N2 SA:111m2 /g,DBP吸油量:111ml/100g)
SANTOFLEX 6PPD:FLEXSIS製
酸化亜鉛3種:正同化学工業(株)製
ステアリン酸:日本油脂(株)製
アロマオイル:富士興産(株)製
SANTOCURE NS:FLEXSIS製 加硫促進剤 TBBS
PERKACIT DPG:FLEXSIS製 加硫促進剤 DPG
セルパウダーF50:永和化成工業(株)製 発泡剤含有非架橋性ポリオレフィン樹脂
【0034】
【発明の効果】
上記の通り、本発明に従って、分子構造内にポリメチレン型の飽和主鎖を有するゴムを配合することよって、中空ポリマー、膨張黒鉛及び発泡剤含有樹脂の膨張性が改善され、その結果としてゴム表面でのミクロ排水効果が高まることによって氷上摩擦力が更に改善される。分子構造内にポリメチレン型飽和主鎖を有するゴムは、オイルと違い、マトリックスとしてゴム中に存在する為、従来のオイルのように、経時劣化により外部へ流出することが防止できる。
【発明の属する技術分野】
本発明はタイヤ用ゴム組成物に係り、更に詳しくは氷上摩擦力が改善された、スタッドレスタイヤのトレッド用として好適なゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
タイヤトレッド用ゴム組成物としてゴム組成物中に硬質異物、発泡剤、中空微粒子、熱可塑性樹脂などを配合して表面にミクロな凹凸をつくることによって、氷の表面に発生する水膜を除去し、氷上摩擦力を向上させることが試みられている(例えば特許文献1〜3参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−288306号公報
【特許文献2】
特開2001−239号公報
【特許文献3】
特開2001−652号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はタイヤ用ゴム組成物、特にスタッドレスタイヤのトレッド用として有用なゴム組成物の氷上摩擦力を更に改良することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に従えば、ジエン系ゴム100重量部、熱膨張性材料1〜20重量部及び分子構造内にポリメチレン型の飽和主鎖を有するゴム1〜30重量部を含んでなるゴム組成物が提供される。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、ジエン系ゴムに、膨張性材料(中空ポリマー、膨張黒鉛、発泡剤含有樹脂)及び、分子構造内にポリメチレン型の飽和主鎖を有するゴムを配合することによって、加硫において架橋されないドメインを形成せしめ、この非架橋ドメイン部位が加硫時の膨張性材料の膨張を容易にする作用をすることを見出した。
【0007】
本発明に従ったタイヤ用ゴム組成物に使用されるジエン系ゴムとしては、例えばタイヤ用原料ゴムとして使用することができる任意のジエン系ゴムを含み、かかる代表的なジエン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、各種ポリブタジエンゴム(BR)、各種スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)などをあげることができる。これは単独又は任意のブレンドとして使用することができる。
【0008】
本発明において使用するジエン系ゴムのガラス転移温度は好ましくは−55℃以下、更に好ましくは−105℃〜−60℃である。ガラス転移温度が−55℃を超えるとゴムの耐寒性が低下し、低温領域での使用時にゴムの摩擦力が大きく低下するおそれがあるので好ましくない。
【0009】
本発明に従ったタイヤ用ゴム組成物に配合される熱膨張性材料としては、氷上摩擦性能を向上させるためにゴム組成物に配合することができる任意の熱膨張性材料を用いることができ、具体的には熱膨張性マイクロカプセル、膨張黒鉛、発泡剤含有樹脂などをあげることができ、これらはジエン系ゴム100重量部に対し、1〜30重量部、好ましくは5〜20重量部配合する。この配合量が少な過ぎると熱膨張性材料に対する所望の膨張補助効果が得られないので好ましくなく、逆に多過ぎると耐摩耗性が低下するので好ましくない。
【0010】
前記熱膨張性マイクロカプセルは、熱により気化して気体を発生する液体を熱可塑性樹脂に内包した熱膨張性熱可塑性樹脂粒子であって、該粒子をその膨張開始温度以上の温度、通常140〜190℃の温度に加熱して膨張させることにより、その熱可塑性樹脂からなる外殻中に気体を封入した気体封入熱可塑性樹脂粒子となる。この熱膨張性マイクロカプセルの粒子径は、特に限定されないが、膨張前で好ましくは5〜300μmであり、更に好ましくは10〜200μmである。
【0011】
このような熱膨張性マイクロカプセルとしては、例えば、現在、スウェーデンのEXPANCEL社より商品名「エクスパンセル091DU−80」または「エクスパンセル092DU−120」等として、あるいは松本油脂社より商品名「マツモトマイクロスフェアーF−85」または「マツモトマイクロスフェアーF−100」等として入手可能である。
【0012】
前記気体封入熱可塑性樹脂粒子の外殻成分を構成する熱可塑性樹脂としては、例えば(メタ)アクリロニトリルの重合体、また(メタ)アクリロニトリル含有量の高い共重合体が好適に用いられる。その共重合体の場合の他のモノマー(コモノマー)としては、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、スチレン系モノマー、(メタ)アクリレート系モノマー、酢酸ビニル、ブタジエン、ビニルピリジン、クロロプレン等のモノマーが用いられる。なお、上記の熱可塑性樹脂は、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、トリアクリルホルマール、トリアリルイソシアヌレート等の架橋剤で架橋可能にされていてもよい。架橋形態については、未架橋が好ましいが、熱可塑性樹脂としての性質を損わない程度に部分的に架橋していてもかまわない。
【0013】
前記の熱により気化して気体を発生する液体としては、例えば、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、ブタン、イソブタン、ヘキサン、石油エーテルの如き炭化水素類、塩化メチル、塩化メチレン、ジクロロエチレン、トリクロロエタン、トリクロルエチレンの如き塩素化炭化水素のような液体が挙げられる。
【0014】
前記膨張黒鉛は従来から公知のものを使用することができ、例えば、天然の鱗片状グラファイト、熱分解グラファイト、キッシュグラファイト等を無機酸である濃硫酸又は硝酸等と強酸化剤である濃硝酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩又は重クロム酸塩等で処理してグラファイト層間化合物を生成させた炭素の層状構造を維持したままの結晶質化合物を挙げることができる。更に、酸処理した膨張黒鉛を、塩基性化合物で中和したものを使用することが好ましい。ここで、塩基性化合物としては、例えばアンモニア、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物または脂肪酸低級アミン等を挙げることができる。この脂肪族低級アミンとしては、例えばモノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等のアルキルアミン類を挙げることができる。アルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物としては、例えばカリウム、ナトリウム、カルシウム、バリウム又はマグネシウム等の水酸化物、酸化物(複酸化物及び錯酸化物を包含)、炭酸塩、炭酸水素塩(重炭酸塩)又は有機三塩を挙げることができ、有機酸塩としては、例えばギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩又はクエン酸塩を挙げることができる。
【0015】
前記膨張黒鉛は炭素原子から形成されたシートが層状に重なった構造をしており、その層間物質の気化によって高膨張させることができる。材質が硬いために混合による品質低下が起りにくく、また一定温度にて不可逆的に膨張するため、ゴムマトリックス内部に空間を伴う異物を容易に形成させることができる。このようなゴムを用いたタイヤのトレッド部は摩擦時に表面凹凸が適度に形成され、表面上の水膜を効率よく除去することによって氷上摩擦力の向上に働く。一方、膨張黒鉛は炭素原子からなる骨格構造をとっているためにゴムマトリックスやカーボンブラックとの親和性が良好であり、ゴムに配合添加しても加硫ゴムの耐磨耗性能を低下させないという利点がある。
【0016】
本発明において、発泡剤含有樹脂を構成する樹脂成分はジエン系ゴムとは共架橋性を有しないものでなければならず、具体的にはポリオレフィン系樹脂を主成分としたものが用いられる。なお、ここで主成分とはポリオレフィン系樹脂が全樹脂成分の約75重量%以上のものをいい、他の成分としては、例えばオレフィンモノマーの未反応残渣、重合開始剤や触媒等の残渣、加工助剤、ポリオレフィン系以外のポリマー状樹脂などがあげられる。このような発泡剤含有樹脂としては、例えば永和化成工業から「セルパウダー」として市販されている。
【0017】
本発明における発泡剤含有樹脂の中の化学発泡剤の含有率は、好ましくは5〜65重量%、更に好ましくは15〜50重量%である。この配合量が少なすぎると空隙の形成効果が不十分となるおそれがあり、逆に多すぎると形成させる殻の厚みが薄くなり、マイクロカプセルとしての引っ掻き効果が不十分になるおそれがある。
【0018】
本発明で用いる発泡剤含有樹脂に含まれる化学発泡剤の分解温度は、好ましくは120〜180℃、更に好ましくは140〜160℃である。この温度が低すぎると混合、押出し加工中にゴムが膨張し、加工中のサイズ安定性を損ね、逆に高すぎるとゴムの加硫中に十分な大きさの樹脂被覆気泡を形成させることができない。なお、化学発泡剤の分解温度が高すぎる場合には尿素等の発泡助剤との併用によって分解温度を120〜180℃に調整することもできる。発泡助剤は例えば永和化成工業の「セルペースト」として入手可能である。
【0019】
本発明に使用する化学発泡剤成分は、アゾ化合物(ADCA)、ニトロソ化合物(DPT)、ヒドラジン誘導体(OBSH)、アゾ化合物(Ba/AC)、重炭酸塩(NaHCO3 )の中から選ばれる少なくとも1種の化学発泡剤を用いることができ、具体的にはアゾジカルボンアミド(ADCA)、N,N′−ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、4,4′−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(OBSH)、ヒドラゾジカルボンアミド(HDCA)、バリウムアゾジカルボキシレート(Ba/AC)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3 )が挙げられ、これらは永和化成工業の「ビニホール」(ADCA)、「セルラー」(DPT)、「ネオセルボン」(OBSH)、「エクセラー」(DPT/ADCA)、「スパンセル」(ADCA/OBSH)、「セルボン」(NaHCO3 )等が市販されている。
【0020】
本発明において用いる樹脂は、樹脂の組成がポリオレフィンが主成分で含有率が75重量%以上で、好ましくは85重量%以上である。この樹脂成分は分子の主鎖中に二重結合が残っていないのが好ましい(ジエン系ゴムとの共架橋を防ぐため)。ポリオレフィンの含有率が低いとゴムと架橋する恐れがあるので好ましくない。ポリオレフィンは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリブチレン−1等の中から選ばれる少なくとも1種を用いることができ、これらは混合物として用いることができ、これらの共重合体も使用することができる。
本発明で使用される発泡剤含有樹脂の粒子サイズは10〜200μmが好ましい。これより小さいとゴム表面に十分な大きなの凹凸が形成できず、大きすぎるとゴムの機械強度の低下が著しくなる。
【0021】
本発明に従えば、更に、ジエン系ゴムに前記発泡剤含有樹脂を配合して化学発泡剤成分の分解温度以下の条件にて混合及び押出し加工を行い、発泡剤成分の分解温度以上の温度条件にて加硫工程で加熱して膨張発泡せしめることによってゴム内に樹脂によって被覆されたマイクロカプセル状の気泡を分散させてタイヤとレッド用ゴムを製造することができる。
【0022】
本発明において使用される分子構造内にポリメチレン型の飽和主鎖を有するゴムとしては、例えばEPDM(エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体)、EPT(エチレン−プロピレン−ポリマー)、FKM(フッ素ゴム)などがあげられ、これらは市販品として使用することができる。これらの配合量が少な過ぎると熱膨張性材料に対する所望の膨張補助効果が得られないので好ましくない、逆に多過ぎると耐摩耗性が低下するので好ましくない。
【0023】
本発明において使用することができるカーボンブラックは、窒素吸着比表面積(N2 SA)が好ましくは70m2 /g以上、更に好ましくは80〜200m2 /gで、ジブチルフタレート吸油量(DBP)が好ましくは105ml/100g以上、更に好ましくは110〜150ml/100gである。
【0024】
本発明に係るゴム組成物には、前記した必須成分に加えて、カーボンブラックなどの補強剤(フィラー)、加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤、各種オイル、老化防止剤、可塑性剤などのタイヤ用、その他一般ゴム用に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる配合物は一般的な方法で混練、加硫して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量も本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
【0025】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を更に説明するが、本発明の範囲をこれらの実施例に限定するものでないことはいうまでもない。
【0026】
実施例1〜9及び比較例1〜3
1.7リットル密閉式バンバリーミキサーを用いて、表Iに示す配合(重量部)のゴム、カーボンブラック等の配合剤を5分間混合し、ゴムを混合機外に放出させて室温冷却させた後、同バンバリーミキサーにて、表Iに示す加硫促進剤、硫黄、マイクロカプセル、膨張黒鉛及び発泡剤含有非架橋性ポリオレフィン樹脂を配合し混合した。
【0027】
膨張率
各コンパウンドの配合量や比重から算出した理論値に対して、加硫ゴムの比重を測定して発泡により軽くなった分率を膨張率として算出した。
氷上摩擦係数
表Iの各コンパウンドを加硫したシート状ゴム片を偏平円柱状の台ゴムにはりつけ、インサイドドラム型氷上摩擦試験機にて氷上摩擦係数を測定した。測定温度は−3.0℃と−1.5℃、荷重5.5kg/cm3 、ドラム回転速度は25km/hとした。結果は表Iに示す。
【0028】
【表1】
【0029】
表I脚注
RSS#3:天然ゴム
NIPOL1220:日本ゼオン(株)製 ポリブタジエンゴム(ガラス転移温度=−101℃)
FKM(VITON E−45):デュポン ダウ エラストマー ジャパン(株)製 フッ素ゴム
EPDM(MITSUI EPT4070):三井化学(株)製 EPDM
EPT(JSR EP11):JSR(株)製 EPT
SHOBLACK N220:昭和キャボット(株)製カーボンブラック、(N2 SA:111m2 /g,DBP吸油量:111ml/100g)
SANTOFLEX 6PPD:FLEXSIS製
酸化亜鉛3種:正同化学工業(株)製
ステアリン酸:日本油脂(株)製
アロマオイル:富士興産(株)製
SANTOCURE NS:FLEXSIS製 加硫促進剤 TBBS
PERKACIT DPG:FLEXSIS製 加硫促進剤 DPG
マイクロスフェア F100D:松本油脂(株)製 熱膨張性マイクロカプセル
グラフガート160−50N:巴工業(株)製 膨張黒鉛
セルパウダーF50:永和化成工業(株)製 発泡剤含有非架橋性ポリオレフィン樹脂
【0030】
実施例10〜13及び比較例4
1.7リットル密閉式バンバリーミキサーを用いて、表IIに示す配合(重量部)のゴム、カーボンブラック等の配合剤を5分間混合し、ゴムを混合機外に放出させて室温冷却させた後、同バンバリーミキサーにて、表IIに示す加硫促進剤、硫黄、発泡剤含有非架橋性ポリオレフィン樹脂を配合し混合した。
【0031】
膨張率
各コンパウンドの配合量や比重から算出した理論値に対して、加硫ゴムの比重を測定して発泡により軽くなった分率を膨張率として算出した。
氷上摩擦係数
表IIの各コンパウンドを加硫したシート状ゴム片を偏平円柱状の台ゴムにはりつけ、インサイドドラム型氷上摩擦試験機にて氷上摩擦係数を測定した。測定温度は−3.0℃と−1.5℃、荷重5.5kg/cm3 、ドラム回転速度は25km/hとした。結果は表IIに示す。
【0032】
【表2】
【0033】
表II脚注
RSS#3:天然ゴム
NIPOL1220:日本ゼオン(株)製 ポリブタジエンゴム(ガラス転移温度=−101℃)
EPT(JSR EP11):JSR(株)製 EPT
SHOBLACK N220:昭和キャボット(株)製カーボンブラック、(N2 SA:111m2 /g,DBP吸油量:111ml/100g)
SANTOFLEX 6PPD:FLEXSIS製
酸化亜鉛3種:正同化学工業(株)製
ステアリン酸:日本油脂(株)製
アロマオイル:富士興産(株)製
SANTOCURE NS:FLEXSIS製 加硫促進剤 TBBS
PERKACIT DPG:FLEXSIS製 加硫促進剤 DPG
セルパウダーF50:永和化成工業(株)製 発泡剤含有非架橋性ポリオレフィン樹脂
【0034】
【発明の効果】
上記の通り、本発明に従って、分子構造内にポリメチレン型の飽和主鎖を有するゴムを配合することよって、中空ポリマー、膨張黒鉛及び発泡剤含有樹脂の膨張性が改善され、その結果としてゴム表面でのミクロ排水効果が高まることによって氷上摩擦力が更に改善される。分子構造内にポリメチレン型飽和主鎖を有するゴムは、オイルと違い、マトリックスとしてゴム中に存在する為、従来のオイルのように、経時劣化により外部へ流出することが防止できる。
Claims (4)
- ジエン系ゴム100重量部、熱膨張性材料1〜20重量部及び分子構造内にポリメチレン型の飽和主鎖を有するゴム1〜30重量部を含んでなるタイヤ用ゴム組成物。
- 熱膨張性材料が熱膨張性マイクロカプセル、膨張黒鉛及び発泡剤含有樹脂から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 分子構造内にポリメチレン型の飽和主鎖を有するゴムがEPDM,EPT及びFKMから選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
- ジエン系ゴムがガラス転移温度が−55℃以下のものである請求項1、2又は3に記載のタイヤ用ゴム組成物。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003209688A JP2005075845A (ja) | 2003-08-29 | 2003-08-29 | タイヤ用ゴム組成物 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016124999A (ja) * | 2015-01-06 | 2016-07-11 | 横浜ゴム株式会社 | スタッドレスタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いたスタッドレスタイヤ |
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2003
- 2003-08-29 JP JP2003209688A patent/JP2005075845A/ja active Pending
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