JP2005075761A - バイオマスによるメタノール製造方法 - Google Patents

バイオマスによるメタノール製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005075761A
JP2005075761A JP2003306724A JP2003306724A JP2005075761A JP 2005075761 A JP2005075761 A JP 2005075761A JP 2003306724 A JP2003306724 A JP 2003306724A JP 2003306724 A JP2003306724 A JP 2003306724A JP 2005075761 A JP2005075761 A JP 2005075761A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon dioxide
biomass
hydrogen
methanol
producing methanol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003306724A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4113951B2 (ja
Inventor
Hisaaki Hanaoka
寿明 花岡
Tomoaki Minowa
智朗 美濃輪
Shinya Yokoyama
伸也 横山
Kiyohide Yoshida
清秀 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority to JP2003306724A priority Critical patent/JP4113951B2/ja
Publication of JP2005075761A publication Critical patent/JP2005075761A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4113951B2 publication Critical patent/JP4113951B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E50/00Technologies for the production of fuel of non-fossil origin
    • Y02E50/10Biofuels, e.g. bio-diesel

Abstract

【課題】バイオマスと水から効果的にメタノールを製造する。
【解決手段】 高温でバイオマスを二酸化炭素吸収物質共存下で水蒸気と反応させて、生成する二酸化炭素を二酸化炭素吸収物質に吸収させることにより効果的に水素を生成する水素生成部1、二酸化炭素を吸収した二酸化炭素吸収物質を熱化学的に分解して二酸化炭素ガスを生成する二酸化炭素再生部3と、水素生成部1で生じた水素と水素・二酸化炭素再生部4で生成した二酸化炭素からメタノール合成触媒によりメタノールを合成するメタノール合成部5を備えて、バイオマスと水とから効果的にメタノールを製造する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、バイオマスからメタノールを効率的に製造するバイオマスによるメタノール製造方法に関する。更に詳しくは、加熱した水蒸気とバイオマスを比較的低圧な環境で反応させて、生成する二酸化炭素を二酸化炭素吸収物質に吸収させて効果的に水素を生成し、この水素と吸収された二酸化炭素により、メタノールを合成するバイオマスによるメタノール製造方法に関する。
バイオマスは、生物由来の有機資源を意味し、陸上の木材や農作物、海の海藻・魚介類、これらを利用した後の有機性廃棄物等も含まれており、直接又は間接的に太陽光による光合成により再生可能な資源である。従来のバイオマスを利用してメタノールを合成する方法としては、特許文献1にバイオマスと天然ガス及び酸化剤を原料として水素・一酸化炭素の混合ガスを生成し、この混合ガスからメタノールを合成する方法及びその製造装置が開示されている。
特許文献2では燃焼酸化剤を用いバイオマスを水素、一酸化炭素等に熱化学的にガス化して、ガス化した水素と一酸化炭素とからメタノールを合成するシステムが開示されている。しかし、このシステムは生成した一酸化炭素を有効に使用することができない、特許文献3にはメタノールの生成効率をあげるために外部から水素を供給する方法が開示されている。
一方、特許文献4にはバイオマスの嫌気性微生物の発酵等によってメタンや二酸化炭素を含む発生ガスを生じさせ、メタンを分離・精製し、水素に分解して二酸化炭素と反応させてメタノールを製造する装置が開示されている。前者はメタノールの生成効率をあげるのに、バイオマスの他に天然ガスや水素を供給する必要があり、後者は、発酵時間がかかるので大量の発酵タンクを必要とする問題があり、その上バイオマスの利用率が低いという問題もある。
現在、人類社会では、化石燃料から脱却して、二酸化炭素問題を解決するための新しいエネルギー源としてバイオマスが期待されている。人類社会が化石燃料から脱却して、バイオマスを有効なエネルギー源として利用するためには、メタノール等の液体燃料をバイマスから効果的に製造方法の開発が望まれている。
特開平10−259384号公報 特開2001−240878号公報 特開2002−193858号公報 特開平11−188262号公報
以上の理由により、バイオマスをメタノール合成の原料になる水素と一酸化炭素又は二酸化炭素に効果的に変換することが重要である。本発明は上述のような技術背景のもとになされたものであり、下記目的を達成する。
本発明の目的は、二酸化炭素吸収物質の存在下でバイオマスを水蒸気と反応させ、バイオマスの大半の炭素を二酸化炭素として分解し、これを二酸化炭素吸収物質に吸収させることにより効果的に水素を生成し、この水素と二酸化炭素を吸収している二酸化炭素吸収物質を加熱分解して脱離する二酸化炭素とをメタノール合成触媒上で反応させてメタノールを合成して、バイオマスと水から効果的にメタノールを製造する方法及びその製造装置を提供することである。
本発明の他の目的は、バイオマスから発生する二酸化炭素をメタノールに変換して固定することができる、バイオマスによるメタノール製造方法を提供することにある。
本発明は、前記目的を達成するため、次の手段を採る。第1の本発明のバイオマスによるメタノール製造方法は、二酸化炭素吸収物質共存下で、0.1MPaから8.4MPaの圧力、かつ500〜800℃の範囲で、バイオマスを水蒸気と反応させるバイオマスの熱化学的分解であって、この熱化学的分解は、前記バイオマスから分解した二酸化炭素を前記二酸化炭素吸収物質に吸収させて水素を生成し、この水素の生成と同時又は並行して前記二酸化炭素を前記二酸化炭素吸収物質に吸収させるものであり、前記二酸化炭素を吸収した前記二酸化炭素吸収物質を熱化学的に分解して二酸化炭素ガスを生成し、前記水素と二酸化炭素吸収物質から分解した前記二酸化炭素とからメタノール合成触媒上でメタノールを合成することを特徴とする。
第2の本発明のバイオマスによるメタノール製造方法は、二酸化炭素吸収物質共存下で、500〜800℃、0.1MPa〜8.4MPaの範囲でバイオマスを水蒸気と反応させて、生成する二酸化炭素を二酸化炭素吸収物質に吸収させて水素を効果的に生成する水素生成部と、生成した二酸化炭素を吸収した二酸化炭素吸収物質を熱化学的に分解して二酸化炭素ガスを生成する二酸化炭素吸収物質再生部と、前記水素生成部で生じた水素と二酸化炭素吸収物質再生部で生成した二酸化炭素とからメタノール合成触媒上でメタノールを合成するメタノール合成部とを備えることを特徴とする。
以下、本発明のバイオマスによるメタノール製造方法を、製造に用いる各原料、水素と二酸化炭素の分離方法別に詳細に説明する。
[バイオマス]
本発明で用いるバイオマスは、穀物、野菜、果物、稲藁、麦藁等の植物性の農産物、農産物の廃棄物、家畜の糞尿、山林から産出する木材等の植物性の林産物、海中から産する海藻等の海産物、それらの廃棄物を意味する。
[二酸化炭素吸収物質]
本発明に用いる二酸化炭素吸収物質としては、Ca、Mg、Sr、Ba、Fe等の酸化物(CaO,MgO,SrO、BaO、FeO,Fe23,Fe34等)及び同種金属の水酸化物(Ca(OH)2,Mg(OH)2、Sr(OH)2,Ba(OH)2,Fe(OH)2,Fe(OH)3等)が代表的なものである。これらのものとしては、例えば、石灰石及びドロマイト(苦灰石)等の炭酸カルシウム含有天然好物等がある。また、二酸化炭素吸収剤としては、Ca分等を含み特徴的な多孔性三次元構造を有する牡蠣、ホタテ等の貝殻等の生物体を構成する酸化物、水酸化物として用いるのも二酸化炭素吸収には効果的である。
この他にも、二酸化炭素吸収性能を持つ物質も本発明においては二酸化炭素吸収物質として使用することができる。これらの二酸化炭素吸収物質は、反応後に二酸化炭素吸収物質再生部において、二酸化炭素を吸収して生成した炭酸塩をマイクロ波、外部からの電気的な加熱等の既知の方法により分解して再生することができる。二酸化炭素吸収物質は、再生後に再び水素生成部に戻すことができる。本発明では、二酸化炭素吸収物質の再生時に生成される二酸化炭素を水素生成部で生じた水素と混合し、メタノール合成部においてメタノール合成触媒上でメタノールを合成する。
[第1のバイオマスの分離方法]
本発明の第1のバイオマスの分離方法は、高温高圧の容器である水素生成部に二酸化炭素吸収物質を配置し、500〜800℃の範囲、0.1MPa〜8.4MPaの圧力範囲の条件で、バイオマスを水蒸気と反応させる。この水蒸気の反応は、石炭と超臨界状態の水との反応(例えば、特開2000−143202号公報参照)、高温高圧下(8.0MPa以上、600℃以上)での石炭と水蒸気の反応(例えば、特開2001−19402号公報参照)の場合と同様に、次のことがいえる。バイオマスと水蒸気(H2O)の反応で形成されるガス中の一酸化炭素、水蒸気、二酸化炭素、水素は、化学平衡にある。この平衡反応は、
CO+H2O=CO2+H2 …(1)
の関係で記述される。ここで水素生成部の温度、圧力の条件で二酸化炭素と反応し固体として固定する作用をし、それ自身はこの平衡関係になんら影響を与えない二酸化炭素吸収物質を予め過剰に反応場に共存させれば、ガス中の二酸化炭素の量はこの物質との反応により減少する。この減少した二酸化炭素の量に対し前述の化学平衡関係を維持するためには、必然的に一酸化炭素と水との反応により二酸化炭素と水素を生成する方向に反応が進行する。
生じた二酸化炭素は、二酸化炭素吸収物質と反応し、ガス中から除去される。この結果最終的にはガス中には極少量の一酸化炭素と二酸化炭素および多量の水蒸気と水素が存在する形で化学平衡となる。ガスと固体(二酸化炭素吸収物質等)は冷却することにより、水蒸気は水に戻るため分離することが可能になる。この結果バイオマスから水素を主成分とするガスを製造することが可能になる。今、二酸化炭素吸収物質をXとすると、下記の全反応(2)により水蒸気を効果的に水素に還元することができる。
C+2H2O+X=(XCO2)+2H2 (X:二酸化炭素吸収剤)…(2)
[第2のバイオマスの分離方法]
本発明の第2のバイオマスの分離方法は、二酸化炭素吸収物質共存下、500〜800℃、0.1MPa〜8.4MPaの範囲で、バイオマスを水蒸気及び5%以下の濃度の酸素と反応させて、生成する二酸化炭素を二酸化炭素吸収物質に吸収させて水蒸気を効果的に還元して水素を生成する。
本発明の第2のバイオマスの分離方法は、5%以下の酸素を水蒸気(又は水)と共に加えて二酸化炭素吸収物質の存在下でバイオマスを水蒸気と反応させると、前述した(1)の反応式によりバイオマスのほとんどの炭素を二酸化炭素として二酸化炭素吸収物質に吸収させることにより効果的に水素を生成することができる。5%以下の酸素を加えることによりタール分の生成を極力抑え、吸収される二酸化炭素量を増し、水素生成が増加させることができる。従って、試料ないし原料を製造装置に装填するに際して、試料ないし、原料の中に含まれる空気等をわざわざ取り除く必要はない。
[バイオマスの効率的分離方法]
前述した2つの本発明において、バイオマスの炭素を効果的に二酸化炭素として吸収物質に吸収させて、効果的に水素を生成するには、水素生成部でのバイオマスの炭素[C]に対する水蒸気のモル比([H2O]/[C])が2以上であるのが望ましい。モル比が2未満では、バイオマスが無駄に使用され、水素は効果的に生成されない。
また、本発明において水素を効果的に生成するには、水素生成部には二酸化炭素吸収物質は、少なくとも生成したすべての二酸化炭素を吸収出来る量を存在させなければならない。しかし、二酸化炭素吸収物質が多すぎると、水素生成の特性は低下する。バイオマスを水蒸気と反応させて効果的に水素を生成するときの二酸化炭素吸収物質とバイオマスの適切なモル比は、二酸化炭素吸収物質、バイオマスの種類、粒径、形状等にもよるが、例えば顆粒状のCa系二酸化炭素吸収物質と木質系バイオマスを用いる場合は、Ca量[Ca]のバイマスの炭素量[C]に対するモル比([Ca]/[C])は5以下が好ましく、より好ましくは1〜4の範囲がよい。
二酸化炭素を効果的に二酸化炭素吸収物質に吸収するために、水素生成部での水素生成温度即ち二酸化炭素吸収温度や水素生成部の圧力は、本発明の水素生成部の温度範囲、圧力範囲内において、二酸化炭素吸収物質の二酸化炭素脱離温度によって変えることが出来る。二酸化炭素を効果的に二酸化炭素吸収物質に吸収させるには、一般に二酸化炭素吸収物質から二酸化炭素が脱離する温度が水素生成温度より高いのが好ましい。二酸化炭素吸収物質から二酸化炭素が脱離する温度が水素生成部での反応温度より低いときは、二酸化炭素を効果的に二酸化炭素吸収物質に吸収するには、水素生成部の圧力を高めるのが好ましい。
従って、水素を効果的に生成するための適切な反応温度や圧力は、二酸化炭素吸収物質、バイオマスの種類、粒径、形状等にもよる。例えば顆粒状のCa系二酸化炭素吸収物質と木質系バイオマスを用いる場合は、反応温度は500〜800℃が好ましく、より好ましくは600〜750℃の範囲がよい。一方、反応中の圧は、0.1MPa〜8.4MPaが好ましく、より好ましくは0.1MPa〜3.0MPaがよく、更に好ましくは0.3MPa〜2.0MPaであるのがよい。
[メタノールの合成]
前述した第1又は第2のバイオマスの分離方法によって、バイオマスは水素と二酸化炭素に分離された後、次の方法によりメタノールに合成される。メタノール合成触媒上で混合された水素と二酸化炭素により効果的にメタノールに変換するためには、水素と二酸化炭素のモル比が1〜10に、好ましくは2〜4の範囲に混合するのがよい。また、混合した水素と二酸化炭素から効果的にメタノールを製造するには、酸化銅−酸化亜鉛、酸化銅−酸化クロム−酸化亜鉛、又は酸化銅−酸化亜鉛−アルミナ系の公知技術であるメタノール合成用触媒を用いる(例えば、T. Fujitani,J.Nakamura/Applied Catalysis A:General 191(2000)111-129参照)。そのメタノール合成触媒の温度は、150〜400℃、より好ましくは200〜300℃が良い。
また、そのときの圧力は1.0MPa〜15.0MPa、より好ましくは3.0MPa〜15.0MPaがよい。メタノールの合成率を向上させるのには高圧下で行うのがよいが、実用上は低圧で触媒が働くものがコスト、安全性等の観点から製造システムを構築するときには好ましい。実用的には接触時間は500〜10,000/hの範囲であるのがよいが、低圧下で反応するときは、接触時間をさらに短くしてもよい。メタノール合成用触媒上では、
CO2+3H2 → CH3OH+H2
の反応が進行するので、メタノール合成触媒上で混合された水素と二酸化炭素により効果的にメタノールに変換するために、水素と二酸化炭素のモル比が1〜10に、好ましくは2〜4の範囲、より好ましくは3に近づけるようにして混合するのが効果的である。
また、このメタノール製造においては、水素、二酸化炭素と共に少量の残留水蒸気が存在してもメタノール製造効率の低下にはならなかった。むしろある程度の水蒸気の存在は、二酸化炭素と水素との反応によるメタノール生成効率を向上させた。
本発明のバイオマスによるメタノール製造方法は、バイオマスと水蒸気の反応において効果的に水素が生成され、この水素を同時に生成する二酸化炭素吸収物質に吸収分離された二酸化炭素と反応させることにより、安価にメタノールを合成することができ、且つ二酸化炭素も固定することができる。また、バイオマスから水素を分離するときに酸素を加えるとより効率的に水素と二酸化炭素を分離することができる。
以下、本発明のバイオマスによる具体的なメタノールの製造方法、及び装置の好適な実施の形態を説明する。図1は、本発明のバイオマスによるメタノール製造方法のフロー図であり、その概要を示すブロック図である。水素生成部1は、第1のバイオマスの分離方法の場合は、前述したバイオマス、二酸化炭素吸収物質、及び水を入れる容器である。第2のバイオマスの分離方法の場合は、バイオマス、二酸化炭素吸収物質、水、及び酸素を入れる容器である。
水素生成部1は、これらを導入して効果的に水素と二酸化炭素を生成するものであり、実際には特殊金属製の反応釜である。水素生成部1内では、水素と同時に生成する二酸化炭素は共存する二酸化炭素吸収物質で吸収される。発生した水素は分離されて、水素生成部1に接続されている水素を貯蔵するタンクである水素供給部2に送られる。水素生成部1から水素供給部2に送られ水素に含まれ残存している共存水、又は蒸気は、フィルター等(図示せず)で除去される。
水素生成部1内の二酸化炭素を吸収して炭酸塩を形成した二酸化炭素吸収物質は、反応後は二酸化炭素吸収物質再生部3に送られる。二酸化炭素吸収物質再生部3には、他の二酸化炭素吸収物質供給部7からも二酸化炭素を吸収した二酸化炭素吸収物質を供給することができる。他の二酸化炭素吸収物質供給部7は、並列して配置された他の水素生成部1等を意味する。
水素供給部2の水素は、水素・二酸化炭素混合部4に送られ、二酸化炭素吸収物質再生部3から供給される二酸化炭素と混合される。二酸化炭素吸収物質再生部3では、電熱線、マイクロ波等により炭酸塩を形成した二酸化炭素吸収物質を加熱して、熱化学的に分解し、二酸化炭素ガスを吐出させて生成し、同時に脱離するものである。生成された二酸化炭素は、それに含まれる水はフィルター等で除去して、水素・二酸化炭素混合部4へ送られ、ここで所定の割合に混合される。
水素・二酸化炭素混合部4で混合された、水素、及び二酸化炭素ガスはブースター装置(図示せず)により所定の圧力に加圧され、メタノール合成部5に送られる。再生された二酸化炭素吸収物質は、再度二酸化炭素吸収物質として水素生成部1に供給することができる。メタノール合成部5では、前述した酸化銅−酸化亜鉛、酸化銅−酸化クロム−酸化亜鉛、又は酸化銅−酸化亜鉛−アルミナ系等のメタノール合成用触媒を備え、水素、二酸化炭素混合部2から供給される混合水素、二酸化炭素ガスを所定の圧力、温度の下で反応させてメタノールを合成する。メタノール合成部5で合成されたメタノールはメタノール凝縮部6を通して、メタノールを凝縮させて水蒸気から分離し、液体のメタノールを得る。
[水素生成部1]
水素生成部1でのバイマスの水蒸気によるガス化では、固定床型炉、流動床炉や浮遊床炉を用いることができる。固定床型ガス化炉では、ある程度の粒径をもったバイオマスをガス化炉内に断続的にあるいは連続的に供給して、原料が静止あるいは上下方向に移動する状態でガス化することができるが、装置的には大量処理には向いていない。微粉化したバイオマスを急速にガス化炉に吹き込み、高温でガス化するときは浮遊床型炉が向いている。流動床炉型ガス化炉は、水等の流体を吹き込み、導入した粒状バイオマス、二酸化炭素吸収物質を流動させながらガス化するから、気体と固体との接触が良好であり、炉内温度が一定である長所があるので大量生産に適していて、装置の大型化も可能であるので、本発明では流動床炉型ガス化炉が好ましい。
[水素供給部2]
水素供給部2で多量の同伴窒素ガス(N2)が含まれるときは、PSA法(Pressure Swing Adsorption)法により水素濃度を高めて二酸化炭素と混合して、昇圧したほうがよい。以下、実験室レベルのステンレス製流通式高圧装置を用いた実施例について述べる。尚、本発明は、これらの実施例に制限されるものではないことは言うまでもない。
[その他]
本実施の形態のメタノール製造方法とその装置は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、その本質を逸脱しない範囲で、他の種々の更なる変形例が可能であることは言うまでもない。例えば、本実施の形態で示すバイオマスによるメタノールの製造装置を説明するために示すものであるが、本発明を実施するものである限り原理的に同じであれば他の実施の形態のものを採用することは当然可能である。実際、実用化の段階では、装置の大規模化やそれに伴う形態の変更が必要である。
以下、本発明の実施例を実験例に換えて説明する。この実施例のものは実験室レベルのステンレス製の流通式高圧装置を水素発生部1として用いた例である。木質系バイオマスの杉材(平均サイズ 0.11mm〜0.25mm)、二酸化炭素吸収物質として水酸化カルシウム(Ca(OH)2)及び水蒸気を、水酸化カルシウムのCa量[Ca]に対する杉材の炭素量[C]のモル比([Ca]/[C])が2、杉材の炭素[C]に対する水蒸気のモル比([H2O]/[C])が4になるようにして連続的に水素生成部1に導入し、650℃、1.0MPaで反応させて、水素を生成し、二酸化炭素を水酸化カルシウムに吸収させた。
杉材と水酸化カルシウムは混合して、ホッパーを用い、同伴の窒素ガス(N2)のもとで2.4g/min(0.8g/min(杉材)、1.6g/min(水酸化カルシウム)の供給速度で供給した。この反応条件で、定常的な水素生成がみられ、水素の生成は、理論収率(投入炭素1モルに対して水素2.05モル)に対して、62%であった(以下、「水素変換率」という)。水素生成部1ではガス成分として水素の他には少量のメタン(CH4)が検出された。水素生成部1で生成された水素は、同伴する窒素ガスにより水素供給部2へ送られ、共存する水は水素供給部2に導入する前に冷却して除去される。
この水素は、水素,二酸化炭素混合部で、二酸化炭素吸収物質再生部3から供給される二酸化炭素とモル比[水素]/[二酸化炭素]が3になるように混合して、ブースターを通り5.1MPaに加圧してから高圧固定床型反応炉からなるメタノール合成部5に導入した。二酸化炭素吸収物質再生部3には二酸化炭素を既に二酸化炭素を吸収した炭酸カルシウムが存在し、二酸化炭素は、炭酸カルシウムを800℃で再生して同時に生成する水を除去して水素・二酸化炭素混合部4に供給された。
メタノール合成部5では、高圧混合水素、二酸化炭素ガスを250℃、空間速度(S.V.)5000/hの反応条件にして顆粒状Cu/ZnO/Al23触媒上で反応させメタノールを合成した。このようなメタノール製造反応及び装置により、バイオマスの32%がメタノールに変換される。勿論、水素,二酸化炭素混合ガスの圧をさらにあげればメタノール変換率の向上はみられる。
メタノール合成部5により、実施例1の二酸化炭素吸収物質共存下での杉材と水との反応系に、酸素をさらに1%加えてメタノール合成を行った。この反応条件でも、水素生成部では定常的な水素生成がみられ、実施例1に比べて水素変換率は65%に増加し、メタン(CH4)の生成は低下し吸収二酸化炭素の増加が見られた。このようなメタノール製造反応及び装置により、250℃、空間速度(S.V.)5000/hの反応条件にして顆粒状Cu/ZnO/Al23触媒上で反応させメタノールを合成した。この場合、バイオマスの36%がメタノールに変換される。勿論、この場合も水素,二酸化炭素混合ガスの圧をさらに上げればメタノールへの変換率は向上する。
図1は、メタノール製造のプロセスを示すフロー図である。
符号の説明
1…水素生成部
2…水素供給部
3…二酸化炭素吸収物質再生部
4…水素・二酸化炭素混合部
5…メタノール合成部
6…メタノール凝縮部
7…二酸化炭素吸収物質供給部

Claims (8)

  1. 二酸化炭素吸収物質共存下で、0.1MPaから8.1MPaの圧力、かつ500〜800℃の範囲で、バイオマスを水蒸気と反応させるバイオマスの熱化学的分解であって、
    この熱化学的分解は、前記バイオマスから分解した二酸化炭素を前記二酸化炭素吸収物質に吸収させて水素を生成し、この水素の生成と同時又は並行して前記二酸化炭素を前記二酸化炭素吸収物質に吸収させるものであり、
    前記二酸化炭素を吸収した前記二酸化炭素吸収物質を熱化学的に分解して二酸化炭素ガスを生成し、
    前記水素と二酸化炭素吸収物質から分解した前記二酸化炭素とからメタノール合成触媒上でメタノールを合成する
    ことを特徴とするバイオマスによるメタノール製造方法。
  2. 請求項1に記載のバイオマスによるメタノール製造方法において、
    前記熱化学的分解に酸素を加える
    ことを特徴とするバイオマスによるメタノール製造方法。
  3. 請求項2に記載のバイオマスによるメタノール製造方法において、
    前記酸素濃度が5%以下である
    ことを特徴とするバイオマスによるメタノール製造方法。
  4. 請求項1ないし3から選択される1項に記載のバイオマスによるメタノール製造方法において、
    バイオマスの炭素[C]に対する水蒸気のモル比([H2O]/[C])が2以上である
    ことを特徴とするバイオマスによるメタノール製造方法。
  5. 請求項1ないし4から選択される1項に記載のバイオマスによるメタノール製造方法において、
    生成した前記二酸化炭素吸収物質は、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)及び鉄(Fe)から選択される1以上の酸化物若しくは水酸化物、又は生物体を構成する前記酸化物若しくは前記水酸化物である
    ことを特徴とするバイオマスによるメタノール製造方法。
  6. 請求項1ないし5から選択される1項に記載のバイオマスによるメタノール製造方法において、
    二酸化炭素を吸収し炭酸塩を生成した前記二酸化炭素吸収物質の再生を、マイクロ波、又は電気的加熱により加熱して前記炭酸塩を分解して行うことを特徴とするメタノール製造方法。
  7. 請求項1ないし6から選択される1項に記載のバイオマスによるメタノール製造方法において、
    前記メタノール合成用触媒として銅を主成分とする触媒を用い、このメタノール合成用触媒上で150〜400℃、0.1MPaから15.0MPaの圧力の範囲の反応条件で水素と二酸化炭素からメタノールを製造することを特徴とするメタノール製造方法。
  8. 請求項1、2、又は7に記載のバイオマスによるメタノール製造方法において、
    前記水素と二酸化炭素のモル比が2〜4であることを特徴とする
    バイオマスによるメタノール製造方法。
JP2003306724A 2003-08-29 2003-08-29 バイオマスによるメタノール製造方法 Expired - Lifetime JP4113951B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003306724A JP4113951B2 (ja) 2003-08-29 2003-08-29 バイオマスによるメタノール製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003306724A JP4113951B2 (ja) 2003-08-29 2003-08-29 バイオマスによるメタノール製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005075761A true JP2005075761A (ja) 2005-03-24
JP4113951B2 JP4113951B2 (ja) 2008-07-09

Family

ID=34409737

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003306724A Expired - Lifetime JP4113951B2 (ja) 2003-08-29 2003-08-29 バイオマスによるメタノール製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4113951B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007055849A (ja) * 2005-08-24 2007-03-08 Murata Mfg Co Ltd 水蒸気改質触媒機能を備えた二酸化炭素吸収材、その製造方法、および水素製造システムにおける燃料ガスの改質方法
JP2007261960A (ja) * 2006-03-01 2007-10-11 Tokyo Electric Power Co Inc:The Co2から高級脂肪酸メチルエステルを連続的に製造する方法
JP2010529992A (ja) * 2007-06-15 2010-09-02 ユーオーピー エルエルシー 熱分解油からの化学物質の製造
JP2010189350A (ja) * 2009-02-20 2010-09-02 Tokyo Electric Power Co Inc:The 二酸化炭素のメタノールへの転化装置
CN101863736A (zh) * 2010-05-28 2010-10-20 中国科学技术大学 一种制取生物质基甲醇的方法
JP2011527337A (ja) * 2008-07-10 2011-10-27 アルケマ フランス ヒドロ(クロロ)フルオロオレフィンと、その製造方法
JP2011529052A (ja) * 2008-07-24 2011-12-01 ユニバーシティ オブ サザン カリフォルニア 地熱源とそのエネルギーのみからメタノール及びその生成物を製造すること
US20140000157A1 (en) * 2011-03-04 2014-01-02 Antecy B.V. Catalytic process for converting carbon dioxide to a liquid fuel or platform chemical
JP2015534534A (ja) * 2012-09-18 2015-12-03 プロトン パワー, インク.Proton Power, Inc. 水素又は液体燃料を製造する為のc−o−h化合物処理
US10315967B2 (en) * 2012-11-26 2019-06-11 Kansas State University Research Foundation Thermochemical ammonia and hydrocarbons

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007055849A (ja) * 2005-08-24 2007-03-08 Murata Mfg Co Ltd 水蒸気改質触媒機能を備えた二酸化炭素吸収材、その製造方法、および水素製造システムにおける燃料ガスの改質方法
JP2007261960A (ja) * 2006-03-01 2007-10-11 Tokyo Electric Power Co Inc:The Co2から高級脂肪酸メチルエステルを連続的に製造する方法
JP2010529992A (ja) * 2007-06-15 2010-09-02 ユーオーピー エルエルシー 熱分解油からの化学物質の製造
JP2011527337A (ja) * 2008-07-10 2011-10-27 アルケマ フランス ヒドロ(クロロ)フルオロオレフィンと、その製造方法
JP2011529052A (ja) * 2008-07-24 2011-12-01 ユニバーシティ オブ サザン カリフォルニア 地熱源とそのエネルギーのみからメタノール及びその生成物を製造すること
JP2010189350A (ja) * 2009-02-20 2010-09-02 Tokyo Electric Power Co Inc:The 二酸化炭素のメタノールへの転化装置
CN101863736A (zh) * 2010-05-28 2010-10-20 中国科学技术大学 一种制取生物质基甲醇的方法
CN101863736B (zh) * 2010-05-28 2013-03-27 中国科学技术大学 一种制取生物质基甲醇的方法
US20140000157A1 (en) * 2011-03-04 2014-01-02 Antecy B.V. Catalytic process for converting carbon dioxide to a liquid fuel or platform chemical
JP2015534534A (ja) * 2012-09-18 2015-12-03 プロトン パワー, インク.Proton Power, Inc. 水素又は液体燃料を製造する為のc−o−h化合物処理
US10315967B2 (en) * 2012-11-26 2019-06-11 Kansas State University Research Foundation Thermochemical ammonia and hydrocarbons

Also Published As

Publication number Publication date
JP4113951B2 (ja) 2008-07-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Ge et al. Hydrogen production by catalytic gasification of coal in supercritical water with alkaline catalysts: Explore the way to complete gasification of coal
CA2609103C (en) Method for gasifying solid fuel with unified gas purification and gasifier using said method
Udomsirichakorn et al. Review of hydrogen-enriched gas production from steam gasification of biomass: the prospect of CaO-based chemical looping gasification
US7691182B1 (en) Process for hydrogen production via integrated processing of landfill gas and biomass
CN100383223C (zh) 生物质的气化方法
CN103113917B (zh) 一种固体燃料化学链气化制氢系统与方法
CN103062910B (zh) 一种集成化学链燃烧与co2捕集的方法和装置
CN102796561B (zh) 生物质燃料二氧化碳循环无氧气化方法及设备
EP1910500A2 (en) Mild catalytic steam gasification process
WO2010045232A4 (en) Calcium looping process for high purity hydrogen production intergrated with capture of carbon dioxide, sulfur and halides
CN103242134A (zh) 一种生活垃圾热解气化净化方法
JP4113951B2 (ja) バイオマスによるメタノール製造方法
WO2011021944A1 (en) Combined processes for utilizing synthesis gas at low co2 emission and high energy output
US3890432A (en) Catalytic hydrogen manufacture
WO2005049767A3 (en) In-situ gasification of soot contained in exothermically generated syngas stream
CA2695116C (en) A process of preventing polymerization of cracked volatile products during pyrolysis and gasification
CN203144344U (zh) 固体燃料化学链气化制氢系统
Zhou et al. Bio-energy with carbon capture and storage via alkaline thermal Treatment: Production of high purity H2 from wet wheat straw grass with CO2 capture
Liu et al. Integrated CO2 capture and utilisation: A promising step contributing to carbon neutrality
JP2004182501A (ja) バイオマスからの水素製造方法
JP3915010B2 (ja) 熱化学的分解による水素の製造方法
JP2000178467A (ja) アンモニア製造工程排出ガス利用カーボンブラック製造装置
JP4296271B2 (ja) 石膏の処理方法
Fernández et al. Novel process for hydrogen production through the sorption enhanced reforming of methane combined with chemical looping combustion
JP2005279361A (ja) 廃材の処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050315

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080311

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080318

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4113951

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term