JP2005072694A - 撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ホワイトバランス制御の成功率を最小のユーザ操作で確実に向上させる。
【解決手段】撮像素子が撮像した被写体の画像の照明色を制御するためのホワイトバランス制御量を自動決定する演算手段(14)と、前記自動決定されたホワイトバランス制御量によって制御され得る照明種別の情報(「晴天」「曇天」「蛍光灯」など)を外部に対し表示する表示手段(10、14、13)とを撮像装置に備える。この撮像装置において、前記自動決定されたホワイトバランス制御量を補正するための情報をユーザに入力させるユーザインタフェース(15)を備えれば、演算手段は、その入力された情報に応じて前記ホワイトバランス制御量を補正することができる。これが実現すれば、ホワイトバランス制御の成功率を最小のユーザ操作で確実に向上させることができる。
【選択図】 図2
【解決手段】撮像素子が撮像した被写体の画像の照明色を制御するためのホワイトバランス制御量を自動決定する演算手段(14)と、前記自動決定されたホワイトバランス制御量によって制御され得る照明種別の情報(「晴天」「曇天」「蛍光灯」など)を外部に対し表示する表示手段(10、14、13)とを撮像装置に備える。この撮像装置において、前記自動決定されたホワイトバランス制御量を補正するための情報をユーザに入力させるユーザインタフェース(15)を備えれば、演算手段は、その入力された情報に応じて前記ホワイトバランス制御量を補正することができる。これが実現すれば、ホワイトバランス制御の成功率を最小のユーザ操作で確実に向上させることができる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子カメラなどの撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
多くの電子カメラには、照明による被写体の色づきを抑えるためのホワイトバランス制御の機能が搭載されている。
最適なホワイトバランス制御の制御量(画像の色信号に乗算すべきゲイン)は被写体を照明している光の色(照明色)によって異なるので、その照明色は正確に検知されなければならない。
【0003】
このため、最近の電子カメラには、撮影した画像から被写体の照明色を推定する機能が搭載されている(特許文献1、特許文献2など)。
【特許文献1】
特開平8−322061号公報
【特許文献2】
特開平11−205812号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、その推定は、失敗することがある。例えば、日陰の緑色の芝生は、蛍光灯で照明された灰色の物体と似た色で表現されるので、その実際の照明色(ここでは自然光)は白に近いにも拘わらず緑がかっていると推定してしまうことがある。
【0005】
このため、互いに異なる複数の推定方法を組み合わせることで失敗の可能性を低減することも提案されている。
しかし、照明色及び物体色の各々が多様である限り、或る照明で照明された或る色の物体と、別の照明で照明された別の色の物体とが似た色で表現される可能性は無くならないので、その低減には限界がある。
【0006】
つまり、画像からの推定では、ホワイトバランス制御の成功率を確実に向上させることは原理的に難しい。
そこで本発明は、ホワイトバランス制御の成功率を最小のユーザ操作で確実に向上させるのに適した撮像装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の撮像装置は、撮像素子が撮像する被写体の画像の照明色を制御するためのホワイトバランス制御量を自動設定する演算手段と、前記自動設定されたホワイトバランス制御量によって制御され得る照明種別の情報を外部に対し表示する表示手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の撮像装置は、請求項1に記載の撮像装置において、前記自動設定されたホワイトバランス制御量を補正するための情報をユーザに入力させるユーザインタフェースをさらに備えたことを特徴とする。
請求項3に記載の撮像装置は、請求項2に記載の撮像装置において、前記ユーザインタフェースは、前記補正するための情報として、前記被写体の照明種別の情報をユーザに入力させることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の撮像装置は、請求項2又は請求項3に記載の撮像装置において、前記演算手段は、前記入力された情報に応じて前記ホワイトバランス制御量を補正することを特徴とする。
請求項5に記載の撮像装置は、請求項2〜請求項4の何れか一項に記載の撮像装置において、前記演算手段は、前記入力された情報に応じて前記自動設定の成功率が向上する方向にその自動設定の演算内容を更新することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
図を参照して本発明の実施形態について説明する。
本実施形態は電子カメラの実施形態である。なお、本発明は、ファインダ光学系を覗きながら撮影する一眼レフレックス電子カメラと、モニタ上のスルー画像(リアルタイムで表示される画像)を見ながら撮影できるコンパクト電子カメラとの何れにも適用可能であるが、ここでは、後者について説明する。
【0011】
図1は、本実施形態の電子カメラの外観図である。図1(a)は電子カメラを正面から見た図、図1(b)は電子カメラを背面から見た図である。
図2は、本実施形態の電子カメラの概略構成を示す図である。
電子カメラには、CPU(演算手段、表示手段に対応。)10、レリーズ釦11、撮像素子12、モニタなどの表示装置(表示手段に対応。)13、画像処理装置(演算手段に対応。)14、設定ダイヤル(ユーザインタフェースに対応。)15などが備えられる。レリーズ釦11や設定ダイヤル15の操作に応じて、CPU10は撮像素子12、表示装置13、画像処理装置14などの各部を制御する。
【0012】
なお、設定ダイヤル15は、例えば図1(a)に示すように、ユーザがレリーズ釦11と同時操作可能な場所に設けられている。
以上の構成の電子カメラが撮影モードにあるときには、撮像素子12は粗く連続的に撮像を行い、その撮像素子12から順次出力される画像(スルー画像表示用の画像)Itは、画像処理装置14を介して表示装置13に順次送出され、スルー画像としてリアルタイムで表示される。
【0013】
一方、レリーズ釦11が全押しされたときには、撮像素子12は詳細な撮像を行い、その撮像素子12から出力される画像(スチル画像)Iは、画像処理装置14にて各画像処理が施された後、不図示の記録装置に記録される。
なお、画像処理装置14における画像処理には、ホワイトバランス制御、画素補間処理、階調変換処理などが含まれる。
【0014】
このうちホワイトバランス制御は、画像処理装置14内のホワイトバランス制御回路(演算手段に対応。)17によって実行される。
以下、図3、図4に基づいてホワイトバランス制御回路17の動作を説明する。
図3は、ホワイトバランス制御回路17(及びCPU10)の動作フローチャートである。
【0015】
図4は、ホワイトバランス制御回路17における各処理の概念図である。
撮影モード中、レリーズ釦11が半押しされると(図3ステップS1)、撮像素子12から出力される1フレーム分の画像(スルー画像表示用の画像)Itが参照される(図3ステップS2)。
続く図3ステップS3において、画像(スルー画像表示用の画像)Itに基づき、その後に取得される画像(スチル画像)Iに施すべきホワイトバランス制御の制御量Gが決定される。
【0016】
このステップS3では、肌色検出による照明色判定(図4処理17a)、平均色による照明色判定(図4処理17b)、照明種別の判定(図4処理17c)が組み合わされる。
以下、各判定について順に説明する。
肌色検出による照明色判定(図4処理17a)では、先ず、図5(a)に示すように画像(スルー画像表示用の画像)Itの各小領域i(i=1,2,3,・・・)から色の評価値Ci(i=1,2,3,・・・)がそれぞれ求められる。
【0017】
求められた各小領域iの評価値Ci(i=1,2,3,・・・)は、それぞれ予め想定された複数色Cn1,Cn2,Cn3,・・・,Cb1,Cb2,Cb3,・・・,Cf1,Cf2,Cf3,・・・の何れかに属するか否か、さらにどの色に属するかが判断される。何れかに属すると判断されたときには、該当色(属する色)の頻度(小領域数)が1だけ加算される。
【0018】
ここで、予め想定された複数色Cn1,Cn2,Cn3,・・・,Cb1,Cb2,Cb3,・・・,Cf1,Cf2,Cf3,・・・は、予め想定された各照明下で肌色物体が示す各色である。
例えば、色Cn1,Cn2,Cn3,・・・は、互いに異なる色温度の自然光で照明された肌色物体が示す各色である。
【0019】
また、Cb1,Cb2,Cb3,・・・は、互いに異なる色温度の白熱灯で照明された肌色物体が示す各色である。
また、Cf1,Cf2,Cf3,・・・は、互いに異なる色温度の蛍光灯で照明された肌色物体が示す各色である。
そして、各色Cn1,Cn2,Cn3,・・・,Cb1,Cb2,Cb3,・・・,Cf1,Cf2,Cf3,・・・の頻度(小領域数)から、図5(b)に示すとおりヒストグラムが作成される。
【0020】
このようなヒストグラムにおいて最大頻度を示す色(図5ではCn2)に属する小領域の集合(図5(c)の斜線部)が、肌色の物体の存在する領域(肌色領域)とみなされる。
その肌色領域とみなされた領域の平均色から、被写体の照明色が判定される。以下、このように判定された照明色をCAとおく(以上、肌色検出による照明色判定)。
【0021】
次に、平均色による照明色判定(図4処理17b)では、画像(スルー画像表示用の画像)Itの全体の平均色が求められ、その平均色から、被写体の照明色が判定される。以下、このように判定された照明色をCBとおく(以上、平均色による照明色判定)。
次に、照明種別の判定(図4処理17c)では、肌色検出による照明色判定(図4処理17a)と同様、画像(スルー画像表示用の画像)Itの各小領域i(i=1,2,3,・・・)から色の評価値Ci(i=1,2,3,・・・)がそれぞれ求められる。
【0022】
求められた各小領域iの評価値Ci(i=1,2,3,・・・)は、それぞれ各色C01,・・・C0nのどれに属するかが判断される。また、その判断に際し、該当色の頻度(小領域数)が1だけ加算される。
そして、各色C01,・・・,C0nの頻度(小領域数)から、図6に示すとおりヒストグラムが作成される。
【0023】
ここで、各色C01,・・・,C0nは、図7に示すように色度座標上に分布する各種の照明種別E1,E2,E3,E4,E6,E7の何れかに属する。
照明種別E1は夕焼けの色が属する色度領域、照明種別E2は晴天の色が属する色度領域(以下、「晴天色」という。)、照明種別E3は曇天の色が属する色度領域、照明種別E4は日陰の色が属する色度領域、照明種別E5は白熱灯の色が属する色度領域、照明種別E6は蛍光灯の色が属する色度領域(以下、「蛍光灯色」という。)、照明種別E7は蛍光灯以外の人工照明の色が属する色度領域である。
【0024】
また、このヒストグラム作成時には、各色C01,・・・,C0nの頻度に対し、不図示のRAMに予め格納された重み係数(図4符号17c’)により重み付けがなされる。重み係数は、図8(後述)や図9(後述)に示すように、色C01,・・・C0nのそれぞれに対し与えられている。
各色C01,・・・C0nの各重み係数は、初期値は全て「1」であるが(後述する図8(a)参照)、逐次、図8(b),図9(b’),図9(b”)のように更新される(詳細は後述)。
【0025】
続いて、作成されたヒストグラム(図6参照)から、比較的高い頻度を示す色の属する照明種別(図6では晴天色E2)が求められ、この照明種別(図6では晴天色E2)が、被写体の照明色の属する照明種別と判定される。
以下、このように判定された照明種別をEとおく(以上、照明種別判定17c)。
【0026】
因みに、上述した肌色検出による照明色判定(図4処理17a)で判定された照明色CA、平均色による照明色判定(図4処理17b)で判定された照明色CB、照明種別判定で判定された照明種別Eは、図7において×印、斜線で示すとおりである。
図7に示すように、一方の照明色(ここでは照明色CA)が照明種別E(ここでは晴天色E2)に属しており、他方の照明色(ここでは照明色CB)が照明種別E(ここでは晴天色E2)に属していないときには、属している方の照明色(ここでは照明色CA)のみが信頼され、その照明色(ここでは照明色CA)に対し最適な値にホワイトバランス制御の制御量Gが自動設定される。
【0027】
また、両方の照明色CA,CBが照明種別E(ここでは晴天色E2)に属しているときには、照明色CA,CBの双方が信頼され、それらの照明色CA,CBの双方に対し最適な値(例えば両者の中間色に対し最適な値)にホワイトバランス制御の制御量Gが自動設定される(以上、図3ステップS3)。
続く図3ステップS4では、ステップS3にて判定された照明種別E(ここでは晴天色E2)を示す情報(「晴天」などの文字)が、表示装置13に対し例えば図1(b)中に符号13Aで示したごとく表示される(図4処理17d)。
【0028】
なお、この状態(レリーズ釦が半押しされている状態)では、表示装置13上にスルー画像が表示されているので、その情報は、表示装置13の全画面の一部の領域に重畳して表示されることが望ましい。
その後、ユーザがレリーズ釦11を全押しすると(図3ステップS5YES)、撮像素子12により画像(スチル画像)Iが撮像されるので、ステップS7ではホワイトバランス制御をするべく画像(スチル画像)Iに対し制御量Gが乗算される(図4処理17e)。
【0029】
さらに、画像(スチル画像)Iには、ホワイトバランス制御と共にその他の画像処理も施され、その後、不図示の記録装置に記録される(ステップS11)。また、レリーズ釦11が全押しされることなく(図3ステップS5NO)、設定ダイヤル15(図1参照)が操作されると(図3ステップS8YES)、表示装置13上の表示内容が「晴天」から別の照明種別を示す内容、例えば「曇天」などに変更される。
【0030】
また、その操作が連続的に行われると、表示内容は、「晴天」→「曇天」→「日陰」→「白熱灯」→「蛍光灯」→「その他人工照明」→「晴天」などと、サイクリックに変化する。
ユーザによるその操作が終了すると、図3ステップS9の処理が実行される。
なお、ここでは代表して、その操作によって表示内容が「蛍光灯」と変更された場合のステップS9について説明する。
【0031】
ステップS9では、その表示内容に対応する照明種別(ここでは蛍光灯色E6)が、ユーザの入力した照明種別E’とみなされる。
因みに、ユーザの入力した照明種別E’(ここでは蛍光灯色E6)を図7上で可視化すると、ドットで示すとおりである。
ユーザの入力した照明種別E’(図7のドット部)は、照明種別判定で判定された照明種別E(図7の斜線部)よりも優先される。
【0032】
つまり、肌色検出による照明色判定(図4処理17a)で判定された照明色CA、平均色による照明色判定(図4処理17b)で判定された照明色CBのうち、照明種別E’(ここでは蛍光灯色E6)に属する方の照明色(ここでは照明色CB)が信頼され、その照明色(ここでは照明色CB)に対し最適な値に制御量Gが補正される。
【0033】
なお、仮に、ユーザの入力した照明種別E’(ここでは蛍光灯色E6)に照明色CA,CBの双方が属さなかったときには、照明種別の判定(図4処理17c)にて作成されたヒストグラム(図6参照)から、照明種別E’(ここでは蛍光灯色E6)に属する各色のうち最大頻度を示す色が求められ、その色の照明色に対し最適な値に制御量Gが補正される。
【0034】
また、このステップS9では、不図示のRAMに格納された重み係数(図4符号17c’,図8(a))は、ユーザの入力した照明種別E’(ここでは蛍光灯色E6)に応じて次のとおり更新される。
すなわち、図8(a)→図8(b)のように、照明種別E’(ここでは蛍光灯色E6)に属する各色に与えられた各重み係数が、照明種別E(ここでは晴天色E2)に属する各色に与えられた各重み係数と比較して相対的に拡大される(以上、ステップS9)。
【0035】
そして、ステップS9の実行後、レリーズ釦11が全押しされると(図3ステップS5YES)、ステップS7が実行される。
このときのステップS7におけるホワイトバランス制御には、そのステップS9にて補正された制御量Gが用いられる。
また、レリーズ釦11の半押しが解除されると(図3ステップS10YES)、ステップS1,S2,S3が順に実行される。このときのステップS3における制御量Gの決定には、上述したステップS9にて更新された重み係数(図8(b))が用いられる。
【0036】
また、この重み係数(図8(b))は、ステップS9が実行される毎に、ユーザの入力した照明種別E’(ここでは蛍光灯色E6)が優先される方向に、更新される。
例えば、ユーザの入力した照明種別E’が前回と同じ蛍光灯色E6であったとすると、それに対応する重み係数は、図8(c)に示すようにさらに拡大される。
【0037】
以上説明した電子カメラのユーザは、その電子カメラが撮影モードにあるときにレリーズ釦11を半押しするだけで、制御量Gを電子カメラに自動設定させると共に、自動設定された制御量Gが制御しうる照明種別の情報を、表示装置13上で確認することができる。
しかもその情報は、制御量Gの値の情報ではなく、その制御量Gが制御しうる照明種別(「晴天」、「曇天」など)なので、ユーザは、その照明種別と、被写体を実際に照明している照明種別とが同じであるか否かを判断するだけで、自動設定された制御量Gが正しいか否か判断できる。
【0038】
また、仮に、正しいと判断したならば、ユーザは引き続きレリーズ釦11を全押しするだけで、被写体の画像Iを記録し、しかもその画像Iに対し最適なホワイトバランス制御を施すことができる。
一方、正しくないと判断したならば、ユーザは設定ダイヤル15を操作するだけで、制御量Gを正しい方向(ここでは晴天色→蛍光灯色の方向)に補正することができる。
【0039】
また、ホワイトバランス制御回路17は、その操作に応じて、制御量Gの自動設定に用いるべき重み係数を、ユーザの入力した照明種別E’(ここでは蛍光灯色E6)が優先される方向に、逐次更新する。
よって、ユーザが撮影環境を大きく変化させない限り、制御量Gの自動設定の成功率は、徐々に高まる。
【0040】
また、このように成功率が徐々に高まれば、撮影環境を大きく変化させずに撮影を繰り返すときには、ユーザが設定ダイヤル15を操作する必要性は徐々に少なくなる。
したがって、最小のユーザ操作で確実に自動設定の成功率が高まる。
以上説明した本実施形態の電子カメラは、各種に変形可能である。
【0041】
上述したステップS9では、照明種別E’に対応する重み係数が拡大されたが(図8(a)→図8(b)→図8(c))、図9(b’)のように照明種別Eに対応する重み係数が縮小されたり、図9(b”)のように照明種別E’に対応する重み係数が拡大されると共に照明種別Eに対応する重み係数が縮小されても、同様の効果が得られる。
【0042】
因みに、1回当たりの拡大又は縮小の程度を大きくすれば、自動設定の成功率向上の応答速度を高めることができる。
また、本実施形態のホワイトバランス制御回路17は、自動設定の成功率を高めるために、照明種別の判定に用いられるパラメータ(重み係数)を更新しているが、自動設定の成功率が高まるのであれば、更新の対象は他のパラメータでもよい。
【0043】
また、本実施形態のホワイトバランス制御回路17は、ユーザにより入力された照明種別E’に応じてパラメータ(重み係数)を逐次更新したが、ユーザによる制御量Gの補正回数や、その補正の程度(照明種別Eと照明種別E’との乖離程度)などを数値化したテーブルを作成し、そのテーブルに基づいてパラメータ(重み係数)を逐次生成してもよい。
【0044】
また、このようなテーブルに蓄積される履歴(補正の履歴)を利用して、パラメータ(重み係数)を統計的に最適とみなされる値に決定してもよい。
また、本実施形態の電子カメラでは、照明種別の表示が、レリーズ釦11の半押し操作に応じて行われるが、専用の釦(例えば、図1(b)に符号15’で示す釦)の操作に応じて表示されるよう構成されていてもよい。
【0045】
また、本実施形態の電子カメラでは、照明種別の表示箇所が、スルー画像の表示箇所と同じ(表示装置13)とされたが、電子カメラの設定内容の表示箇所と同じ(図1では不図示。電子カメラの上部などに配置される液晶パネルなど)とされてもよい。
また、本実施形態の制御量Gの設定方法(図3の手順)が実行されるモードと、従来の制御量Gの設定方法(例えば図3においてS4,S5,S8,S9,S10を省略した手順)が実行されるモードとが、専用の釦(例えば、図1(b)に符号15’で示す釦)の操作によって切り換え可能なように電子カメラが構成されていてもよい。
【0046】
また、本実施形態では、スチル画像Iに施すべきホワイトバランス制御の制御量Gの設定について述べたが、スルー画像表示用の画像Itに施すべきホワイトバランス制御の制御量がそれと同様に設定されるよう、電子カメラを構成してもよい。
なお、本実施形態では、コンパクト電子カメラについて説明したが、本発明は一眼レフレックス電子カメラにも適用可能である。一眼レフレックス電子カメラに適用する場合、自動設定は、画像(スルー画像表示用の画像)Itの代わりに、カラー測光センサ(撮像素子12とは別に設けられる)からの出力信号に基づいて行われる。
【0047】
また、本実施形態のホワイトバランス制御回路17は、3つの判定の組み合わせ(肌色検出による照明色判定(図4処理17a)、平均色による照明色判定(図4処理17b)、照明種別の判定(図4処理17c)の組み合わせ)によって制御量Gを自動設定したが、別の組み合わせ、又は、2通りの判定方法、1通りの判定方法などによって制御量Gを自動設定してもよい。
【0048】
また、本実施形態の電子カメラは、記録装置に格納される情報が、ホワイトバランス制御後の画像となっているが、そのホワイトバランス制御前の画像(RAWデータ)に制御量Gの情報を添付した情報としてもよい(RAW記録)。
また、本実施形態の電子カメラは、画像やその他の情報を記録装置に格納しているが、記録装置に格納する代わりに、外部のコンピュータや別の電子カメラなどに転送してもよい。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したとおり本発明によれば、ホワイトバランス制御の成功率を最小のユーザ操作で確実に向上させるのに適した撮像装置が実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は電子カメラを正面から見た図、図1(b)は電子カメラを背面から見た図である。
【図2】本実施形態の電子カメラの概略構成を示す図である。
【図3】ホワイトバランス制御回路17の動作フローチャートである。
【図4】ホワイトバランス制御回路17における各処理の概念図である。
【図5】肌色検出による照明色判定を説明する図である。
【図6】照明種別の判定を説明する図である。
【図7】照明種別判定で判定された照明種別E、肌色検出による照明色判定(図4処理17a)で判定された照明色CA、平均色による照明色判定(図4処理17b)で判定された照明色CBを可視化した図である。
【図8】重み係数の更新方法を示す図である。
【図9】重み係数の更新方法を示す図である。
【符号の説明】
10 CPU
11 レリーズ釦
12 撮像素子
13 表示装置
14 画像処理装置
15 設定ダイヤル
17 ホワイトバランス制御回路
17a 肌色検出による照明色判定の処理
17b 平均色による照明色判定の処理
17c 照明種別の判定の処理
17d 照明種別の表示処理
17e ホワイトバランス制御の処理
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子カメラなどの撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
多くの電子カメラには、照明による被写体の色づきを抑えるためのホワイトバランス制御の機能が搭載されている。
最適なホワイトバランス制御の制御量(画像の色信号に乗算すべきゲイン)は被写体を照明している光の色(照明色)によって異なるので、その照明色は正確に検知されなければならない。
【0003】
このため、最近の電子カメラには、撮影した画像から被写体の照明色を推定する機能が搭載されている(特許文献1、特許文献2など)。
【特許文献1】
特開平8−322061号公報
【特許文献2】
特開平11−205812号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、その推定は、失敗することがある。例えば、日陰の緑色の芝生は、蛍光灯で照明された灰色の物体と似た色で表現されるので、その実際の照明色(ここでは自然光)は白に近いにも拘わらず緑がかっていると推定してしまうことがある。
【0005】
このため、互いに異なる複数の推定方法を組み合わせることで失敗の可能性を低減することも提案されている。
しかし、照明色及び物体色の各々が多様である限り、或る照明で照明された或る色の物体と、別の照明で照明された別の色の物体とが似た色で表現される可能性は無くならないので、その低減には限界がある。
【0006】
つまり、画像からの推定では、ホワイトバランス制御の成功率を確実に向上させることは原理的に難しい。
そこで本発明は、ホワイトバランス制御の成功率を最小のユーザ操作で確実に向上させるのに適した撮像装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の撮像装置は、撮像素子が撮像する被写体の画像の照明色を制御するためのホワイトバランス制御量を自動設定する演算手段と、前記自動設定されたホワイトバランス制御量によって制御され得る照明種別の情報を外部に対し表示する表示手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の撮像装置は、請求項1に記載の撮像装置において、前記自動設定されたホワイトバランス制御量を補正するための情報をユーザに入力させるユーザインタフェースをさらに備えたことを特徴とする。
請求項3に記載の撮像装置は、請求項2に記載の撮像装置において、前記ユーザインタフェースは、前記補正するための情報として、前記被写体の照明種別の情報をユーザに入力させることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の撮像装置は、請求項2又は請求項3に記載の撮像装置において、前記演算手段は、前記入力された情報に応じて前記ホワイトバランス制御量を補正することを特徴とする。
請求項5に記載の撮像装置は、請求項2〜請求項4の何れか一項に記載の撮像装置において、前記演算手段は、前記入力された情報に応じて前記自動設定の成功率が向上する方向にその自動設定の演算内容を更新することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
図を参照して本発明の実施形態について説明する。
本実施形態は電子カメラの実施形態である。なお、本発明は、ファインダ光学系を覗きながら撮影する一眼レフレックス電子カメラと、モニタ上のスルー画像(リアルタイムで表示される画像)を見ながら撮影できるコンパクト電子カメラとの何れにも適用可能であるが、ここでは、後者について説明する。
【0011】
図1は、本実施形態の電子カメラの外観図である。図1(a)は電子カメラを正面から見た図、図1(b)は電子カメラを背面から見た図である。
図2は、本実施形態の電子カメラの概略構成を示す図である。
電子カメラには、CPU(演算手段、表示手段に対応。)10、レリーズ釦11、撮像素子12、モニタなどの表示装置(表示手段に対応。)13、画像処理装置(演算手段に対応。)14、設定ダイヤル(ユーザインタフェースに対応。)15などが備えられる。レリーズ釦11や設定ダイヤル15の操作に応じて、CPU10は撮像素子12、表示装置13、画像処理装置14などの各部を制御する。
【0012】
なお、設定ダイヤル15は、例えば図1(a)に示すように、ユーザがレリーズ釦11と同時操作可能な場所に設けられている。
以上の構成の電子カメラが撮影モードにあるときには、撮像素子12は粗く連続的に撮像を行い、その撮像素子12から順次出力される画像(スルー画像表示用の画像)Itは、画像処理装置14を介して表示装置13に順次送出され、スルー画像としてリアルタイムで表示される。
【0013】
一方、レリーズ釦11が全押しされたときには、撮像素子12は詳細な撮像を行い、その撮像素子12から出力される画像(スチル画像)Iは、画像処理装置14にて各画像処理が施された後、不図示の記録装置に記録される。
なお、画像処理装置14における画像処理には、ホワイトバランス制御、画素補間処理、階調変換処理などが含まれる。
【0014】
このうちホワイトバランス制御は、画像処理装置14内のホワイトバランス制御回路(演算手段に対応。)17によって実行される。
以下、図3、図4に基づいてホワイトバランス制御回路17の動作を説明する。
図3は、ホワイトバランス制御回路17(及びCPU10)の動作フローチャートである。
【0015】
図4は、ホワイトバランス制御回路17における各処理の概念図である。
撮影モード中、レリーズ釦11が半押しされると(図3ステップS1)、撮像素子12から出力される1フレーム分の画像(スルー画像表示用の画像)Itが参照される(図3ステップS2)。
続く図3ステップS3において、画像(スルー画像表示用の画像)Itに基づき、その後に取得される画像(スチル画像)Iに施すべきホワイトバランス制御の制御量Gが決定される。
【0016】
このステップS3では、肌色検出による照明色判定(図4処理17a)、平均色による照明色判定(図4処理17b)、照明種別の判定(図4処理17c)が組み合わされる。
以下、各判定について順に説明する。
肌色検出による照明色判定(図4処理17a)では、先ず、図5(a)に示すように画像(スルー画像表示用の画像)Itの各小領域i(i=1,2,3,・・・)から色の評価値Ci(i=1,2,3,・・・)がそれぞれ求められる。
【0017】
求められた各小領域iの評価値Ci(i=1,2,3,・・・)は、それぞれ予め想定された複数色Cn1,Cn2,Cn3,・・・,Cb1,Cb2,Cb3,・・・,Cf1,Cf2,Cf3,・・・の何れかに属するか否か、さらにどの色に属するかが判断される。何れかに属すると判断されたときには、該当色(属する色)の頻度(小領域数)が1だけ加算される。
【0018】
ここで、予め想定された複数色Cn1,Cn2,Cn3,・・・,Cb1,Cb2,Cb3,・・・,Cf1,Cf2,Cf3,・・・は、予め想定された各照明下で肌色物体が示す各色である。
例えば、色Cn1,Cn2,Cn3,・・・は、互いに異なる色温度の自然光で照明された肌色物体が示す各色である。
【0019】
また、Cb1,Cb2,Cb3,・・・は、互いに異なる色温度の白熱灯で照明された肌色物体が示す各色である。
また、Cf1,Cf2,Cf3,・・・は、互いに異なる色温度の蛍光灯で照明された肌色物体が示す各色である。
そして、各色Cn1,Cn2,Cn3,・・・,Cb1,Cb2,Cb3,・・・,Cf1,Cf2,Cf3,・・・の頻度(小領域数)から、図5(b)に示すとおりヒストグラムが作成される。
【0020】
このようなヒストグラムにおいて最大頻度を示す色(図5ではCn2)に属する小領域の集合(図5(c)の斜線部)が、肌色の物体の存在する領域(肌色領域)とみなされる。
その肌色領域とみなされた領域の平均色から、被写体の照明色が判定される。以下、このように判定された照明色をCAとおく(以上、肌色検出による照明色判定)。
【0021】
次に、平均色による照明色判定(図4処理17b)では、画像(スルー画像表示用の画像)Itの全体の平均色が求められ、その平均色から、被写体の照明色が判定される。以下、このように判定された照明色をCBとおく(以上、平均色による照明色判定)。
次に、照明種別の判定(図4処理17c)では、肌色検出による照明色判定(図4処理17a)と同様、画像(スルー画像表示用の画像)Itの各小領域i(i=1,2,3,・・・)から色の評価値Ci(i=1,2,3,・・・)がそれぞれ求められる。
【0022】
求められた各小領域iの評価値Ci(i=1,2,3,・・・)は、それぞれ各色C01,・・・C0nのどれに属するかが判断される。また、その判断に際し、該当色の頻度(小領域数)が1だけ加算される。
そして、各色C01,・・・,C0nの頻度(小領域数)から、図6に示すとおりヒストグラムが作成される。
【0023】
ここで、各色C01,・・・,C0nは、図7に示すように色度座標上に分布する各種の照明種別E1,E2,E3,E4,E6,E7の何れかに属する。
照明種別E1は夕焼けの色が属する色度領域、照明種別E2は晴天の色が属する色度領域(以下、「晴天色」という。)、照明種別E3は曇天の色が属する色度領域、照明種別E4は日陰の色が属する色度領域、照明種別E5は白熱灯の色が属する色度領域、照明種別E6は蛍光灯の色が属する色度領域(以下、「蛍光灯色」という。)、照明種別E7は蛍光灯以外の人工照明の色が属する色度領域である。
【0024】
また、このヒストグラム作成時には、各色C01,・・・,C0nの頻度に対し、不図示のRAMに予め格納された重み係数(図4符号17c’)により重み付けがなされる。重み係数は、図8(後述)や図9(後述)に示すように、色C01,・・・C0nのそれぞれに対し与えられている。
各色C01,・・・C0nの各重み係数は、初期値は全て「1」であるが(後述する図8(a)参照)、逐次、図8(b),図9(b’),図9(b”)のように更新される(詳細は後述)。
【0025】
続いて、作成されたヒストグラム(図6参照)から、比較的高い頻度を示す色の属する照明種別(図6では晴天色E2)が求められ、この照明種別(図6では晴天色E2)が、被写体の照明色の属する照明種別と判定される。
以下、このように判定された照明種別をEとおく(以上、照明種別判定17c)。
【0026】
因みに、上述した肌色検出による照明色判定(図4処理17a)で判定された照明色CA、平均色による照明色判定(図4処理17b)で判定された照明色CB、照明種別判定で判定された照明種別Eは、図7において×印、斜線で示すとおりである。
図7に示すように、一方の照明色(ここでは照明色CA)が照明種別E(ここでは晴天色E2)に属しており、他方の照明色(ここでは照明色CB)が照明種別E(ここでは晴天色E2)に属していないときには、属している方の照明色(ここでは照明色CA)のみが信頼され、その照明色(ここでは照明色CA)に対し最適な値にホワイトバランス制御の制御量Gが自動設定される。
【0027】
また、両方の照明色CA,CBが照明種別E(ここでは晴天色E2)に属しているときには、照明色CA,CBの双方が信頼され、それらの照明色CA,CBの双方に対し最適な値(例えば両者の中間色に対し最適な値)にホワイトバランス制御の制御量Gが自動設定される(以上、図3ステップS3)。
続く図3ステップS4では、ステップS3にて判定された照明種別E(ここでは晴天色E2)を示す情報(「晴天」などの文字)が、表示装置13に対し例えば図1(b)中に符号13Aで示したごとく表示される(図4処理17d)。
【0028】
なお、この状態(レリーズ釦が半押しされている状態)では、表示装置13上にスルー画像が表示されているので、その情報は、表示装置13の全画面の一部の領域に重畳して表示されることが望ましい。
その後、ユーザがレリーズ釦11を全押しすると(図3ステップS5YES)、撮像素子12により画像(スチル画像)Iが撮像されるので、ステップS7ではホワイトバランス制御をするべく画像(スチル画像)Iに対し制御量Gが乗算される(図4処理17e)。
【0029】
さらに、画像(スチル画像)Iには、ホワイトバランス制御と共にその他の画像処理も施され、その後、不図示の記録装置に記録される(ステップS11)。また、レリーズ釦11が全押しされることなく(図3ステップS5NO)、設定ダイヤル15(図1参照)が操作されると(図3ステップS8YES)、表示装置13上の表示内容が「晴天」から別の照明種別を示す内容、例えば「曇天」などに変更される。
【0030】
また、その操作が連続的に行われると、表示内容は、「晴天」→「曇天」→「日陰」→「白熱灯」→「蛍光灯」→「その他人工照明」→「晴天」などと、サイクリックに変化する。
ユーザによるその操作が終了すると、図3ステップS9の処理が実行される。
なお、ここでは代表して、その操作によって表示内容が「蛍光灯」と変更された場合のステップS9について説明する。
【0031】
ステップS9では、その表示内容に対応する照明種別(ここでは蛍光灯色E6)が、ユーザの入力した照明種別E’とみなされる。
因みに、ユーザの入力した照明種別E’(ここでは蛍光灯色E6)を図7上で可視化すると、ドットで示すとおりである。
ユーザの入力した照明種別E’(図7のドット部)は、照明種別判定で判定された照明種別E(図7の斜線部)よりも優先される。
【0032】
つまり、肌色検出による照明色判定(図4処理17a)で判定された照明色CA、平均色による照明色判定(図4処理17b)で判定された照明色CBのうち、照明種別E’(ここでは蛍光灯色E6)に属する方の照明色(ここでは照明色CB)が信頼され、その照明色(ここでは照明色CB)に対し最適な値に制御量Gが補正される。
【0033】
なお、仮に、ユーザの入力した照明種別E’(ここでは蛍光灯色E6)に照明色CA,CBの双方が属さなかったときには、照明種別の判定(図4処理17c)にて作成されたヒストグラム(図6参照)から、照明種別E’(ここでは蛍光灯色E6)に属する各色のうち最大頻度を示す色が求められ、その色の照明色に対し最適な値に制御量Gが補正される。
【0034】
また、このステップS9では、不図示のRAMに格納された重み係数(図4符号17c’,図8(a))は、ユーザの入力した照明種別E’(ここでは蛍光灯色E6)に応じて次のとおり更新される。
すなわち、図8(a)→図8(b)のように、照明種別E’(ここでは蛍光灯色E6)に属する各色に与えられた各重み係数が、照明種別E(ここでは晴天色E2)に属する各色に与えられた各重み係数と比較して相対的に拡大される(以上、ステップS9)。
【0035】
そして、ステップS9の実行後、レリーズ釦11が全押しされると(図3ステップS5YES)、ステップS7が実行される。
このときのステップS7におけるホワイトバランス制御には、そのステップS9にて補正された制御量Gが用いられる。
また、レリーズ釦11の半押しが解除されると(図3ステップS10YES)、ステップS1,S2,S3が順に実行される。このときのステップS3における制御量Gの決定には、上述したステップS9にて更新された重み係数(図8(b))が用いられる。
【0036】
また、この重み係数(図8(b))は、ステップS9が実行される毎に、ユーザの入力した照明種別E’(ここでは蛍光灯色E6)が優先される方向に、更新される。
例えば、ユーザの入力した照明種別E’が前回と同じ蛍光灯色E6であったとすると、それに対応する重み係数は、図8(c)に示すようにさらに拡大される。
【0037】
以上説明した電子カメラのユーザは、その電子カメラが撮影モードにあるときにレリーズ釦11を半押しするだけで、制御量Gを電子カメラに自動設定させると共に、自動設定された制御量Gが制御しうる照明種別の情報を、表示装置13上で確認することができる。
しかもその情報は、制御量Gの値の情報ではなく、その制御量Gが制御しうる照明種別(「晴天」、「曇天」など)なので、ユーザは、その照明種別と、被写体を実際に照明している照明種別とが同じであるか否かを判断するだけで、自動設定された制御量Gが正しいか否か判断できる。
【0038】
また、仮に、正しいと判断したならば、ユーザは引き続きレリーズ釦11を全押しするだけで、被写体の画像Iを記録し、しかもその画像Iに対し最適なホワイトバランス制御を施すことができる。
一方、正しくないと判断したならば、ユーザは設定ダイヤル15を操作するだけで、制御量Gを正しい方向(ここでは晴天色→蛍光灯色の方向)に補正することができる。
【0039】
また、ホワイトバランス制御回路17は、その操作に応じて、制御量Gの自動設定に用いるべき重み係数を、ユーザの入力した照明種別E’(ここでは蛍光灯色E6)が優先される方向に、逐次更新する。
よって、ユーザが撮影環境を大きく変化させない限り、制御量Gの自動設定の成功率は、徐々に高まる。
【0040】
また、このように成功率が徐々に高まれば、撮影環境を大きく変化させずに撮影を繰り返すときには、ユーザが設定ダイヤル15を操作する必要性は徐々に少なくなる。
したがって、最小のユーザ操作で確実に自動設定の成功率が高まる。
以上説明した本実施形態の電子カメラは、各種に変形可能である。
【0041】
上述したステップS9では、照明種別E’に対応する重み係数が拡大されたが(図8(a)→図8(b)→図8(c))、図9(b’)のように照明種別Eに対応する重み係数が縮小されたり、図9(b”)のように照明種別E’に対応する重み係数が拡大されると共に照明種別Eに対応する重み係数が縮小されても、同様の効果が得られる。
【0042】
因みに、1回当たりの拡大又は縮小の程度を大きくすれば、自動設定の成功率向上の応答速度を高めることができる。
また、本実施形態のホワイトバランス制御回路17は、自動設定の成功率を高めるために、照明種別の判定に用いられるパラメータ(重み係数)を更新しているが、自動設定の成功率が高まるのであれば、更新の対象は他のパラメータでもよい。
【0043】
また、本実施形態のホワイトバランス制御回路17は、ユーザにより入力された照明種別E’に応じてパラメータ(重み係数)を逐次更新したが、ユーザによる制御量Gの補正回数や、その補正の程度(照明種別Eと照明種別E’との乖離程度)などを数値化したテーブルを作成し、そのテーブルに基づいてパラメータ(重み係数)を逐次生成してもよい。
【0044】
また、このようなテーブルに蓄積される履歴(補正の履歴)を利用して、パラメータ(重み係数)を統計的に最適とみなされる値に決定してもよい。
また、本実施形態の電子カメラでは、照明種別の表示が、レリーズ釦11の半押し操作に応じて行われるが、専用の釦(例えば、図1(b)に符号15’で示す釦)の操作に応じて表示されるよう構成されていてもよい。
【0045】
また、本実施形態の電子カメラでは、照明種別の表示箇所が、スルー画像の表示箇所と同じ(表示装置13)とされたが、電子カメラの設定内容の表示箇所と同じ(図1では不図示。電子カメラの上部などに配置される液晶パネルなど)とされてもよい。
また、本実施形態の制御量Gの設定方法(図3の手順)が実行されるモードと、従来の制御量Gの設定方法(例えば図3においてS4,S5,S8,S9,S10を省略した手順)が実行されるモードとが、専用の釦(例えば、図1(b)に符号15’で示す釦)の操作によって切り換え可能なように電子カメラが構成されていてもよい。
【0046】
また、本実施形態では、スチル画像Iに施すべきホワイトバランス制御の制御量Gの設定について述べたが、スルー画像表示用の画像Itに施すべきホワイトバランス制御の制御量がそれと同様に設定されるよう、電子カメラを構成してもよい。
なお、本実施形態では、コンパクト電子カメラについて説明したが、本発明は一眼レフレックス電子カメラにも適用可能である。一眼レフレックス電子カメラに適用する場合、自動設定は、画像(スルー画像表示用の画像)Itの代わりに、カラー測光センサ(撮像素子12とは別に設けられる)からの出力信号に基づいて行われる。
【0047】
また、本実施形態のホワイトバランス制御回路17は、3つの判定の組み合わせ(肌色検出による照明色判定(図4処理17a)、平均色による照明色判定(図4処理17b)、照明種別の判定(図4処理17c)の組み合わせ)によって制御量Gを自動設定したが、別の組み合わせ、又は、2通りの判定方法、1通りの判定方法などによって制御量Gを自動設定してもよい。
【0048】
また、本実施形態の電子カメラは、記録装置に格納される情報が、ホワイトバランス制御後の画像となっているが、そのホワイトバランス制御前の画像(RAWデータ)に制御量Gの情報を添付した情報としてもよい(RAW記録)。
また、本実施形態の電子カメラは、画像やその他の情報を記録装置に格納しているが、記録装置に格納する代わりに、外部のコンピュータや別の電子カメラなどに転送してもよい。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したとおり本発明によれば、ホワイトバランス制御の成功率を最小のユーザ操作で確実に向上させるのに適した撮像装置が実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は電子カメラを正面から見た図、図1(b)は電子カメラを背面から見た図である。
【図2】本実施形態の電子カメラの概略構成を示す図である。
【図3】ホワイトバランス制御回路17の動作フローチャートである。
【図4】ホワイトバランス制御回路17における各処理の概念図である。
【図5】肌色検出による照明色判定を説明する図である。
【図6】照明種別の判定を説明する図である。
【図7】照明種別判定で判定された照明種別E、肌色検出による照明色判定(図4処理17a)で判定された照明色CA、平均色による照明色判定(図4処理17b)で判定された照明色CBを可視化した図である。
【図8】重み係数の更新方法を示す図である。
【図9】重み係数の更新方法を示す図である。
【符号の説明】
10 CPU
11 レリーズ釦
12 撮像素子
13 表示装置
14 画像処理装置
15 設定ダイヤル
17 ホワイトバランス制御回路
17a 肌色検出による照明色判定の処理
17b 平均色による照明色判定の処理
17c 照明種別の判定の処理
17d 照明種別の表示処理
17e ホワイトバランス制御の処理
Claims (5)
- 撮像素子が撮像する被写体の画像の照明色を制御するためのホワイトバランス制御量を自動設定する演算手段と、
前記自動設定されたホワイトバランス制御量によって制御され得る照明種別の情報を外部に対し表示する表示手段とを備えた
ことを特徴とする撮像装置。 - 請求項1に記載の撮像装置において、
前記自動設定されたホワイトバランス制御量を補正するための情報をユーザに入力させるユーザインタフェースをさらに備えた
ことを特徴とする撮像装置。 - 請求項2に記載の撮像装置において、
前記ユーザインタフェースは、
前記補正するための情報として、前記被写体の照明種別の情報をユーザに入力させる
ことを特徴とする撮像装置。 - 請求項2又は請求項3に記載の撮像装置において、
前記演算手段は、
前記入力された情報に応じて前記ホワイトバランス制御量を補正する
ことを特徴とする撮像装置。 - 請求項2〜請求項4の何れか一項に記載の撮像装置において、
前記演算手段は、
前記入力された情報に応じて前記自動設定の成功率が向上する方向にその自動設定の演算内容を更新する
ことを特徴とする撮像装置。
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