JP2005072675A - アンテナ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アンテナ素子10を地板9とほぼ平行に配置し、アンテナ素子の他方の端である先端部分Bと地板9との間に地板9とアンテナ素子10で形成される線路の特性インピーダンス(R0)の抵抗11を接続し、アンテナ素子10の給電部分Aと地板9との問に複数の抵抗Rを直列に接続しそして給電部分Aおよび複数の抵抗Rの相互接続点と地板9との問のそれぞれに各々のスイッチSWを介して直流電源8を接続したものより成る送信部TXを具備し、直列接続抵抗の和を特性インピーダンスにほぼ等しく設定し、外部制御信号によりスイッチSWを選択制御して送信信号波形を生成するアンテナ装置。
【選択図】図1
Description
【産業上の利用分野】
この発明は、アンテナ装置に関し、特に、送信機、受信機、周波数変換部、フィルタの如きRF回路を用いずにディジタル信号をアンテナ素子を介して直接に送受信して、非常に広い帯域で動作すると共に高い電力送信をすることができるアンテナ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
無線機の従来例を図22を参照して説明する。この従来例はベースバンド部をディジタルで構成した最新の無線機である。この無線機が受信をする場合、アンテナ部1に受信された入力信号は入力側高周波増幅器21を通過して入力側ダウンコンバータ31で周波数変換される。なお、30は第1の局部発振器である。周波数変換された入力信号は、更に、入力側直交変換器41により直交変換される。なお、40は第2の局部発振器である。入力側直交変換器41の出力データは、I側AD変換器511およびQ側AD変換器512によりディジタルデータに変換される。DSP6は、誤差算出&係数計算部61、パラメータ更新部62、歪み補正部63、π/4シフトQPSKマッピング部64、フィルタ65より成る。ここで、先のディジタル変換された入力データは、DSP6に供給されてソフト的な回路で復調、信号処理されて信号データとなる。
【0003】
この無線機が送信をする場合、送信データは、この逆に、DSP6におけるπ/4シフトQPSKマッピング部64、フィルタ65、歪み補正部63を介して信号処理され、I側DA変換器521およびQ側DA変換器522においてDA変換され、出力側直交変換器42により直交変換され、出力側ダウンコンバータ32で周波数変換され、出力側高周波増幅器22を介してアンテナ部1に供給され、これから送信される。
【0004】
以上の如き最新の無線機であっても、そのなすべきデータ処理の内のディジタル処理化することができるところは周波数変換、直交変換した後のデータであるに過ぎない。この様な事情から、高周波RFによる送信、受信周波数、帯域、最低感度、送信出力は或る特定のものに限定されるので、或る程度特定の方式に適合する無線機しか製造することができない。そして、従来の無線機の性能はRF回路の特性により大きく支配されていた。
【0005】
図23は無線機構造の受信部の今後に予測される改良、変化の方向を示す図である。上段は、図22の現在最新の無線機でIQデータをディジタル変換してソフト的に変復調処理、信号処理を行うものである。中段は、次世代の無線機で、ダウンコンバートしたIF信号をそのままディジタル信号にして、直交変換以後を全てディジタル処理で行う。下段は、究極の無線機で、アンテナに入力されたRF信号を直接ディジタル信号にして処理を行うものである。なお、図23において、FPGAとは、ユーザ側において配線/プログラムの書き換えをすることができるゲートアレイのことである。
【0006】
これらのことから、図24に示されるが如きソフトウェアラジオが提唱されている(非特許文献1)。このソフトウェアラジオは、高周波ユニット、中間周波ユニット、ベースバンドユニットが全てソフトウェアで構成されており、そのソフトをダウンロードしてあらゆる方式に適合する無線機を実現するものである。このソフトウェアラジオを実現する上において、図25に示される如く、AD/DA変換器に接続するアンテナはあらゆる方式の受信機に接続する必要上、その送受信帯域は非常に広い帯域であることが必要になる。広帯域なアンテナの実現は大変に困難である。更に、DA変換器に直接にアンテナが接続するので、所望の送信電力を得るには高出力なDA変換器も開発する必要があり、このことも非常に困難である。即ち、従来の無線機は周波数変換部、RF部分その他の回路部はこの様にハードウェアで構成されているので、その性能が無線機の性能を決めていた。このため、各種の方式に接続する多モードの無線機を実現することが困難であった。また、アンテナ以外を全てディジタル回路で構成するソフトウェアラジオは、多モードの無線機を実現することはできるが、アンテナには非常に広帯域なものが不可欠となり、この様なアンテナの実現は大変難しかった。更に、DA変換器で高出力なものを作成することも非常に難しい。即ち、従来のアンテナ装置は、アンテナ以外を全てディジタル回路で構成するソフトウェアラジオに用いる場合、非常に広帯域なアンテナ素子とすることが困難である。更に、アンテナ受信部に直接接続されるDA変換機で高出力なものを作成することも非常に難しい、という欠点があった。
【0007】
【非特許文献1】浅野ほか「DSPを用いたソフトウェアラジオに関する研究」、平成12度電子情報通信学会信越支部大会 F1。
【非特許文献2】「進行波アンテナ」、アンテナ工学ハンドブック、電子通信学会編、p.92.307。
【非特許文献3】「マイクロ波帯のMEMS応用技術の動向」Design Wave Magazine 2002 November。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来のアンテナ装置は、アンテナ以外を全てディジタル回路で構成するソフトウェアラジオに用いる場合、非常に広帯域なアンテナ素子を実現することが難しく、更に、アンテナ受信部に直接接続されるAD/DA変換機で高出力または高感度なものを作成することが困難であるという欠点があった。
この発明は、以上の欠点を解消したアンテナ装置を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1:直流電源8、線状或いは板状のアンテナ素子10、地板9、複数のスイッチSW、複数の抵抗Rを有するアンテナ装置において、アンテナ素子10を地板9とほぼ平行に配置し、アンテナ素子の他方の端である先端部分Bと地板9との間に地板9とアンテナ素子10で形成される線路の特性インピーダンス(R0)の抵抗11を接続し、アンテナ素子10の給電部分Aと地板9との問に複数の抵抗(R1、R2、....、RN)を直列に接続し、給電部分Aおよび複数の抵抗(R1、R2、....、RN)の相互接続点と地板9との問のそれぞれに各々のスイッチ(SW1、SW2、....、SWN)を介して直流電源8を接続したものより成る送信部TXを具備し、直列接続抵抗の和(R1+R2+....+RN)を特性インピーダンス(Z0)にほぼ等しく設定し、外部制御信号によりスイッチ(SW1、SW2、....、SWN)を選択制御して送信信号波形を生成することにより電波を送信するアンテナ装置を構成した。
【0010】
そして、請求項2:直流電源8、任意形状のアンテナ素子10、地板9、複数のスイッチSW、複数の抵抗Rを有するアンテナ装置において、アンテナ素子10を地板9に対して任意に配置し、アンテナ素子10の給電部分Aと地板9との問に複数の抵抗(R1、R2、....、RN)を直列に接続し、給電部分Aおよび複数の抵抗(R1、R2、....、RN)の相互接続点と地板9との問のそれぞれに各々のスイッチ(SW1、SW2、....、SWN)を介して直流電源8を接続したものより成る送信部TXを具備し、アンテナ素子の他方の端である先端部分Bと地板9との間に地板9とアンテナ素子10で形成される線路の特性インピーダンス(R0)の抵抗11を接続し、アンテナ素子10の給電インピーダンスを入力端インピーダンスZinに設定すると共に、直列接続抵抗の和(R1+R2+....+RN)を入力端インピーダンスZinの実数値にほぼ等しく設定し、外部制御信号によりスイッチ(SW1、SW2、....、SWN)を選択制御して送信信号波形を生成することにより電波を送信するアンテナ装置を構成した。
【0011】
また、請求項3:請求範2に記載されるアンテナ装置において、アンテナ素子10を地板9の上側に配置すると共に、直流電源8、複数のスイッチ、複数の直列接続抵抗を地板9の下側に配置したアンテナ装置を構成した。
更に、請求項4:直流電源8、線状或いは板状のアンテナ素子10、地板9、複数の比較器Comp、複数の抵抗Rを有するアンテナ装置において、アンテナ素子10を地板9とほぼ平行に配置し、アンテナ素子10の給電部分Aと地板9との問に複数の抵抗(R1、R2、....、RN)を直列に接続し、給電部分Aおよび複数の抵抗(R1、R2、....、RN)の相互接続点と地板9との問のそれぞれに各々の比較器(Comp.1、Comp.2、....、Comp.N)を介して基準電源8’を接続したものより成る受信部RXを具備し、アンテナ素子の他方の端である先端部分Bと地板9との間に地板9とアンテナ素子10で形成される線路の特性インピーダンス(R0)を接続し、直列接続抵抗の和(R1+R2+....+RN)を特性インピーダンス(Z0)にほぼ等し設定し、各比較器の出力を時間的に観測することにより受信信号波形を形成して電波を受信するアンテナ装置を構成した。
【0012】
ここで、請求項5:直流電源8、任意形状のアンテナ素子10、地板9、複数の比較器Comp.、複数の抵抗Rより成るアンテナ装置において、アンテナ素子10を地板9に対して任意に配置し、アンテナ素子10の給電部分Aと地板9との問に複数の抵抗(R1、R2、....、RN)を直列に接続し、アンテナ素子の他方の端である先端部分Bと地板9との間に地板9とアンテナ素子10で形成される線路の特性インピーダンス(R0)を接続し、給電部分Aおよび複数の抵抗(R1、R2、....、RN)の相互接続点と地板9との問のそれぞれに各々の比較器(Comp.1、Comp.2、....、Comp.N)を介して直流電源8を接続し、アンテナ素子10の給電インピーダンスを入力端インピーダンスZinに設定すると共に、直列接続抵抗の和(R1+R2+....+RN)を入力端インピーダンスZinの実数値にほぼ等しく設定し、各比較器の出力を時間的に観測することにより受信信号波形を形成して電波を受信するアンテナ装置を構成した。
【0013】
そして、請求項6:請求項5に記載されるアンテナ装置において、アンテナ素子10を地板9の上側に配置すると共に、直流電源8、複数の比較器、複数の直列接続抵抗を地板9の下側に配置したアンテナ装置を構成した。
また、請求項7:請求項4ないし請求項6の内の何れかに記載されるアンテナ装置において、アンテナ素子10と直列接続抵抗との間に増幅装置12を接続したアンテナ装置を構成した。
【0014】
更に、請求項8:直流電源8、線状或いは板状のアンテナ素子10、地板9、複数のスイッチSW、比較器Comp.、複数の抵抗Rを有するアンテナ装置において、アンテナ素子10を地板9とほぼ平行に配置し、アンテナ素子10の給電部分Aと地板9との問に複数の抵抗(R1、R2、....、RN)を直列に接続し、給電部分Aおよび複数の抵抗(R1、R2、....、RN)の相互接続点と地板9との問のそれぞれに各々のスイッチ(SW1、SW2、....、SWN)を介して直流電源8tを接続したものより成る送信部TXを具備し、アンテナ素子10の先端部分Bと地板9との問に複数の抵抗(R1、R2、....、RN)を直列に接続し、先端部分Bおよび複数の抵抗(R1、R2、....、RN)の相互接続点と地板9との問のそれぞれに各々の比較器(Comp.1、Comp.2、....、Comp.N)を介して基準電源8’を接続したものより成る受信部RXを具備し、外部制御信号によりスイッチ(SW1、SW2、....、SWN)を選択制御して送信信号波形を生成し電波を送信させ、或いは各比較器の出力を時間的に観測することにより受信信号波形を生成し電波を受信するアンテナ装置を構成した。
【0015】
また、請求項9:直流電源8、線状或いは板状のアンテナ素子10、地板9、複数のスイッチSW、複数の抵抗Rを有するアンテナ装置において、アンテナ素子10を地板9とほぼ平行に配置し、アンテナ素子10の給電部分Aと地板9との問に複数の抵抗(R1、R2、....、RN)を直列に接続し、給電部分Aおよび複数の抵抗(R1、R2、....、RN)の相互接続点と地板9との問のそれぞれに各々のスイッチ(SW1、SW2、....、SWN)を介して直流電源8tを接続したものより成る送信部TXを具備し、アンテナ素子10の先端部分Bと地板9との問に複数の抵抗(R1、R2、....、RN)を直列に接続し、先端部分Bおよび複数の抵抗(R1、R2、....、RN)の相互接続点と地板9との問のそれぞれに各々のスイッチ(SW1、SW2、....、SWN)を介して直流電源8tとは極性を異にする直流電源8t’を接続したものより成る第2の送信部TX’を具備し、シリアル/パラレル変換部70、第2のシリアル/パラレル変換部70’、伝達関数演算処理部71、遅延処理部72を具備し、ディジタルの送信信号S(t)をシリアル/パラレル変換部70に直接送信すると共に、予め測定演算処理されているアンテナ素子の給電部分Aから先端部分Bまでの伝達関数T(f)および伝達時間△tを伝達関数演算処理部71、遅延処理部72において送信信号波形S(t)に掛け算処理して信号S(t’)(=S(t−△t)・T(f))を第2のシリアル/パラレル変換部70’に送信し、シリアル/パラレル変換部70においてシリアル/パラレル変換された送信信号Si(t)により送信部TX側のスイッチSWを選択制御して送信信号波形を生成すると共に、第2のシリアル/パラレル変換部70’においてシリアル/パラレル変換された掛け算処理して得られた信号So(t’)により先端部分Bの送信部TX’側のスイッチSWを選択制御して送信信号波形を生成し、先端部分Bにおいて、給電部分Aに生成された送信信号波形を先端部分Bに生成された信号波形により相殺して電波を送信するアンテナ装置を構成した。
【0016】
更に、請求項10:請求項8に記載されるアンテナ装置において、シリアル/パラレル変換器70、パラレル/シリアル変換部700、加算部73を有し、パラレル/シリアル変換部700を介して出力される受信信号R(t)を加算部73において送信信号S(t)に加算した結果の加算信号S’(t)(=S(t)+R(t))をシリアル/パラレル変換器70を介して出力してスイッチ(SW1、SW2、....、SWN)を選択制御して送信信号波形を生成することにより電波を送信するアンテナ装置を構成した。
【0017】
ここで、請求項11:任意形状のアンテナ素子或いは線状或いは板状のアンテナ素子10、地板9、複数のスイッチSW、複数の比較器Comp、複数の抵抗Rを有するアンテナ装置において、アンテナ素子10の給電部分Aと地板9との問に複数の抵抗(R1、R2、....、RN)を直列に接続し、給電部分Aおよび複数の抵抗(R1、R2、....、RN)の相互接続点と地板9との問のそれぞれに各々のスイッチ(SW1、SW2、....、SWN)を介して直流電源8tを接続したものより成る送信部TXを具備し、アンテナ素子10の先端部分Bと地板9との問に複数の抵抗(R1、R2、....、RN)を直列に接続し、先端部分Bおよび複数の抵抗(R1、R2、....、RN)の相互接続点と地板9との問のそれぞれに各々の比較器(Comp.1、Comp.2、....、Comp.N)を介して基準電源8’を接続したものより成る受信部RXを具備し、アンテナ素子の他方の端である先端部分Bと地板9との間に地板9とアンテナ素子10で形成される線路の特性インピーダンス(R0)を接続し、独立端子部Tと地板9との問に複数の抵抗(R1、R2、....、RN)を直列に接続し、独立端子部Tおよび複数の抵抗(R1、R2、....、RN)の相互接続点と地板9との問のそれぞれに各々のスイッチ(SW1、SW2、....、SWN)を介して直流電源8tを接続したものより成る独立送信部TX’を具備し、送信部TXの直流電源8tの電圧をVt、受信部RXの基準電源8’の電圧をVr、独立送信部TX’の直流電源8tの電圧をVcとし、送信部TXおよび独立送信部TX’の各々の各スイッチSWのON/OFF状態を常に同一として独立送信部TX’における独立端子部Tと地板9との間の電圧をVcとし、更に、独立送信部TX’の電圧Vcを受信部RXの基準電圧Vrとして、外部制御信号により送信部TXおよび受信部RXのスイッチSWを時間的にON、OFF制御することにより、送信信号波形を生成して電波を送信し或いは比較器の出力を時間的に観測し受信信号波形を形成して電波を受信するアンテナ装置を構成した。
【0018】
そして、請求項12:請求項11に記載されるアンテナ装置において、アンテナ素子10を地板9の上側に配置すると共に、直流電源8、複数のスイッチ、複数の直列接続抵抗を地板9の下側に配置したアンテナ装置を構成した。
また、請求項13:請求項8に記載されるアンテナ装置において、独立端子部Tと地板9との問に複数の抵抗(R1、R2、....、RN)を直列に接続し、独立端子部Tおよび複数の抵抗(R1、R2、....、RN)の相互接続点と地板9との問のそれぞれに各々のスイッチ(SW1、SW2、....、SWN)を介して直流電源8tを接続したものより成る独立送信部TX’を具備し、送信部TXの直流電源8tの電圧をVt、受信部RXの基準電源8’の電圧をVr、独立送信部TX’の直流電源8tの電圧をVcとし、送信部TXおよび独立送信部TX’の各々の各スイッチSWのON/OFF状態を常に同一として独立送信部TX’における独立端子部Tと地板9との間の電圧をVcとし、独立送信部TX’の電圧Vcを受信部RXの基準電圧Vrとし、更に、シリアル/パラレル変換部70、第2のシリアル/パラレル変換部70’、伝達関数演算処理部71、遅延処理部72を具備し、アンテナ素子10の給電部分Aから先端部分Bまでの伝達関数T(f)および伝達時間△tを、送信部TXから伝達関数演算処理部71および遅延処理部72を介して受信部RXに参照信号を送信し、受信部RXでその信号を受信することにより予め測定しておき、ディジタルの送信信号をS(t)をシリアル/パラレル変換部70に直接送信すると共に、アンテナ素子の給電部分Aから先端部分Bまでの伝達関数T(f)および伝達時間△tを伝達関数演算処理部71および遅延処理部72において送信信号S(t)に掛け算処理した信号S(t’)(=S(t−△t)・T(f))を第2のシリアル/パラレル変換部70’に送信し、シリアル/パラレル変換部70においてシリアル/パラレル変換された送信信号Si(t)により給電部分A側のスイッチSWを選択制御して送信信号波形を生成すると共に、第2のシリアル/パラレル変換部70’においてシリアル/パラレル変換された掛け算処理して得られた信号S(t’)により先端部分B側のスイッチSWを選択制御して送信信号波形を生成し、或いは、各比較器の出力を時間的に観測することで受信信号波形を形成し電波を受信するアンテナ装置を構成した。
【0019】
更に、請求項14:請求項11に記載されるアンテナ装置において、アンテナ素子10の先端部分Bに接続されている抵抗(R0)を外し、その代わりに、先端部分Bと地板9との問に複数の抵抗(R1、R2、....、RN)を直列に接続し、先端部分Bおよび複数の抵抗(R1、R2、....、RN)の相互接続点と地板9との問のそれぞれに各々の比較器(Comp.1、Comp.2、....、Comp.N)を介して直流電源8tを接続したものより成る第2の受信部RX’を接続し、第2の受信部RX’と送信部TXの直流電源8tの電圧を同一のVtとし、第2の受信部RX’により受信される受信信号をR(t)とするとき、送信信号S(t)に受信信号R(t)を足した信号S’(t)(=S(t)+R(t))を入力信号として送信部TXのスイッチSWを時間的にON、OFFさせることで、送信信号波形を生成して電波を送信し、或いは受信部RXの各比較器の出カを時間的に観測することで、受信信号波形を形成して電波を受信するアンテナ装置を構成した。
【0020】
そして、請求項15:請求項9に記載されるアンテナ装置において、アンテナ素子10の先端部分Bと第2の送信部TX’との間に切断スイッチSWTを挿入接続し、この先端部分Bと地板9との問に、複数の抵抗(R1、R2、....、RN)を直列に接続し、先端部分Bおよび複数の抵抗(R1、R2、....、RN)の相互接続点と地板9との問のそれぞれに各々の比較器(Comp.1、Comp.2、....、Comp.N)を介して基準電源8’を接続したものより成る受信部RXを具備し、切断スイッチSWTをOFFにして送信信号S(t)を受信部RXで受信することで、伝達関数T(f)を測定し、送信中は切断スイッチSWTをONにし、送信部TXのスイッチSWを時間的にON、OFFさせることで送信信号波形を生成して電波を送信し、或いは受信部RTの各比較器Comp.の出力を時間的に観測することで受信信号波形を形成して電波を受信するアンテナ装置を構成した。
【0021】
また、請求項16:請求項15に記載されるアンテナ装置において、切断スイッチSWTに接続しているスイッチSWを制御する信号So(t’)を送信号S(t)に加算した信号S’’(t)(=S(t)+So(t’))を入力信号Siとして送信部TXのスイッチSWを時間的にON、OFFさせることで送信信号波形を生成し電波を送信し、或いは受信部RXの各比較器Comp.の出力を時間的に観測することで受信信号波形を形成して電波を受信するアンテナ装置を構成した。
【0022】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態を図1の実施例1を参照して説明する。
(実施例1)
図1は送信装置としての実施例を説明する図である。図1(a)はアンテナ装置を示す図であり、図1(b)はその信号発生部を示す図である。
図1(a)において、1はアンテナ装置全体を示す。地板9に対してアンテナ素子である線状或いは板状の平行線路10を配置し、平行線路10の先端部分Bに平行線路10の特性インピーダンスZ0に等しい終端抵抗11を接続して伝送線路形アンテナを構成している。このアンテナ装置1は進行波アンテナであり、効率はそれ程高くはないが、広帯域アンテナとして知られている(非特許文献2)。このアンテナ装置1の平行線路10の給電部分Aには、一般に、同じく平行線路10の特性インピーダンスZ0に等しい給電インピーダンスを持つ給電線を接続する。図1においては、平行線路10の給電部分Aに、合成抵抗値が平行線路10の特性インピーダンスZ0に等しい多数の直列接続抵抗或いは抵抗値(R1、R2、....、RN)を接続し、その各抵抗の相互接続点にスイッチ(SW1、SW2、....、SWN)の一方の端子を接続すると共に他方の端子を全て相互接続して高い内部抵抗を持つ直流電源8に接続している。これら直列接続抵抗(R1、R2、....、RN)、スイッチ(SW1、SW2、....、SWN)、直流電源8、地板9を以上の通りに相互接続して送信部TXを構成している。スイッチSWとしては、機械的スイッチの他に、トランジスタその他の能動素子より成る電子的スイッチをも採用することができる。
【0023】
図1(b)において、7は信号発生部全体を示す。79は波形近似部であり、送信信号S(t)を波形近似したディジタルの送信信号S(t)に変換する部位である。スイッチ(SW1、SW2、....、SWN)は、ディジタルの送信信号S(t)の波形に対応して、シリアル/パラレル変換器70を介して適切なスイッチのON/OFFを繰り返す。これにより、周波数変換部、フィルタその他のRF回路を全く用いずにディジタルの送信信号S(t)を直接に送信し、非常に広い帯域で動作し、高い電力送信をすることができるアンテナ装置を構成することができる。
【0024】
以下、アンテナ装置1と信号発生部7より成る送信装置の動作を図2および図3を参照して説明する。
図2は直列接続抵抗RおよびスイッチSWが4個である場合である。図2(a)において、スイッチはSW4がONの場合を示し、この場合は給電部分Aには直流電源8の直流電圧Vがそのまま印加される。この場合、各抵抗Rに流れる電流IはV/(R1+R2+R3+R4)となる。一方、図2(b)において、スイッチSW2がONの場合は、抵抗R2と抵抗R3の間に電圧Vが加えられることになる。この場合、R1、R2に流れる電流IはV/(R1+R2)となる。ここで、この電流IはR3、R4にも流れるので、給電点Aには電圧Vfとして、V/((R1+R2+R3+R4)/(R1+R2))となる。これらが成り立つには直流電源8の内部抵抗が各抵抗および抵抗の総和より充分高い必要がある。一般に、給電部分Aのインピーダンスはせいぜい数10Ωであるので、直流電源8の内部抵抗は数K〜MΩもあれば充分にこの条件は成り立つ。即ち、適切なスイッチSWのON/OFFを行うことで、給電電圧を変化させることができる。
【0025】
上述した通り、スイッチSWの適切なON/OFFを行うことで、給電電圧を変化させることができるということは、スイッチSWの動作を充分高速に実行すれば、RF信号を任意の波形で生成することができることを意味する。そこで、図3(a)に示される如く、或る任意のアナログ波形をディジタル化することにより送信を実行することができる。先ず、図3(b)の表1および表2に示されるが如き一般的な手法である標本化および量子化を行って任意のアナログ波形をジタル信号に変換する。次いで、その各データを電圧データとしてその電圧を実現する表3のスイッチ番号に置き換える。更に、それを時系列で表4に示される各スイッチSWのON/OFFテーブルに変換し、図1のアンテナ装置1の各スイッチSWを制御する。これを実施する装置が、即ち、図1(b)の信号発生部7である。各局の信号発生部7はディジタルの送信信号S(t)をディジタルで波形近似し、シリアル/パラレル変換を行うものである。
【0026】
このアンテナ装置1の実施例の送信電力は、直流電源8の電力供給能力と抵抗R、スイッチSWの耐電力に依存する。しかし、アンテナ装置1としての構造が、従来の送信装置のアンテナ装置と比較して非常にシンプルである上に、能動的な電子部品、コイル、コンデンサを用いないので、高電力を送信する観点から圧倒的に従来より有利である。具体的には、高電力を供給することができる直流電源8としては種々のものが開発使用されている。そして、抵抗Rは比較的耐電力を高く設計製造することができる。また、スイッチSWもマイクロマシン技術を用いた機械(MEMS(非特許文献3))により製造することで、耐電力を高く製造することができる。なお、図2の実施例は、説明の都合上、スイッチSWおよび抵抗Rを4個としているが、実際はこれらの数で入力信号の近似度、ダイナミックレンジが決定されるので、非常に多くの数のスイッチSWおよび抵抗Rが必要である。約212の解像度、および約36dBのダイナミックレンジを得るには、4096個の抵抗RとスイッチSWが必要である。約50dBのダイナミックレンジを得るには、約13万個の抵抗RとスイッチSWが必要である。そして、図3より明らかな通り、高い周波数の入力信号を送信するには、周波数の何倍〜10数倍もの速さの高速にON/OFFするスイッチSWが必要である。
【0027】
以上の構成のアンテナ装置1とその信号発生部7を使用することにより、送信機、周波数変換部、フィルタその他のRF回路を用いずにディジタル信号を直接に送信することができる。これにより、このアンテナ装置1は、ディジタル回路と直接接続することができ、一例としてソフトウェアラジオのアンテナ装置として相性が良く使用することができる。特に、複雑なRF回路を必要としないので、ソフトウェアラジオのLSI化が大変容易になり、送信装置自体の格段の小型化を達成することができる。そして、アンテナ装置としても、非常に広い帯域で動作し、高い電カ送信をすることができる。
【0028】
ところで、このアンテナ装置1はアンテナ素子が伝送線路形アンテナ素子であるところから、アンテナ装置1自体の効率は良くない。しかし、送信パワーアンプ、フィルタおよびアンテナ装置を用いる従来の送信装置は、送信パワーアンプの効率が10%以下であったり、或いはフィルタ損失が1dB以上であることが多く、送信装置総合の効率は高々数%に留まる。このことから、このアンテナ装置1を使用する送信装置は、そのアンテナ装置1の効率が悪くても総合的には、従来の送信装置より帯域が広い上に効率でも充分に高い送信装置を提供することができる。
【0029】
以上のアンテナ装置1の実施例1は、広帯域化の観点からアンテナ素子として伝送線路形の素子を用いたが、必ずしも広帯域である必要が無い場合は図4に示される如きモノポールアンテナ素子その他の共振形アンテナを採用することができる。そして、ダイポールアンテナ、ループアンテナの様に地板に構成するアンテナである必要もない。これらの場合、直列接続抵抗Rの総合抵抗(R1+R2+、....、+RN)はアンテナ給電部分Aのインピーダンスのリアルパートに合わせる。また、給電部分Aが地板9上にある必要がある時は、図5に示される如く、直列接続抵抗(R1、R2、....、RN)部とスイッチ(SW1、SW2、....、SWN)部を地板9の下に構成する。この場合、広帯域化は難しいが、送信機、周波数変換部、フィルタその他のRF回路を用いずにディジタル信号を直接送信することができるので、ソフトウェアラジオのアンテナ装置として適切で、かつ効率が高く、高い電力送信をすることができるアンテナ装置を提供することができる。
【0030】
(実施例2)
図6を参照して第2の実施例を説明する。図6は受信用のアンテナ装置としての構成を説明する図である。図6(a)は1により示されるアンテナ装置であり、図6(b)はパラレル/シリアル変換部700を有する信号発生部7を示す。79’は第2の波形近似部であり、パラレル/シリアル変換部700を介して入力した受信信号R(t)を波形近似したディジタルの受信信号R(t)に変換する部位である。このアンテナ装置1の構成は、送信アンテナ装置である実施例1とほぼ同じであり、実施例1のアンテナ装置におけるスイッチ(SW1、SW2、....、SWN)部を全て比較器(Comp.1、Comp.2、....、Comp.N)に置換したものに相当する。そして、直流電源8は基準電圧Vrの基準電源8’に置換されている。これら直列接続抵抗(R1、R2、....、RN)、比較器(Comp.1、Comp.2、....、Comp.N)、基準電源8’、地板9を図の通りに相互接続して受信部RXを構成している。図6は図1の送信部TXが左側にあることに対応して、右側に直列接続抵抗(R1、R2、....、RN)と比較器(Comp.1、Comp.2、....、Comp.N)を図示したが、必ずしも右側にある必要はない。
【0031】
以上の受信用のアンテナ装置1の動作を直列接続抵抗の数を4とした図7を参照して説明する。伝送線路形アンテナ素子である線状或いは板状の平行線路10に受信された信号は、給電部分Aに電圧として現れる。この電圧をVfとすると、直列接続抵抗(R1、R2、R3、R4)には電流IとしてVf/(R1+R2+R3+R4)が流れる。ここで、相互接続点v2における電圧V2はVf((R1+R2)/(R1+R2+R3+R4))となる。相互接続点v2の比較器Comp..2においては、この電圧V2と基準電源8’の基準電圧Vrとを比較し、基準電圧Vrが高ければ1を出力し、低ければ0を出力する。この様にして、各抵抗Rの相互接続点に設置された比較器Comp.で基準電圧Vrとの比較行われ、0或いは1が各比較器から出力される。この信号を時系列的に記録すると図7(b)の表1となる。ここで、縦の列で連続した1と0の境界の1だけを取り出す操作を行うと表2に示される如く、出力1の並びが信号波形を表すことになる。
【0032】
この場合も、比較器Comp.および抵抗Rの個数は、説明の都合上、4個とされているが、送信用のアンテナ装置の場合と同じく、実際はこの数で信号の近似度およびダイナミックレンジが決定されるので、非常に多くの抵抗と比較器が必要とされる。
この様な構成の受信用のアンテナ装置1を使用することにより、従来のソフトウェアラジオに不可欠な部材であった受信機、周波数変換部、フィルタその他のRF回路を用いずにディジタル信号を直接受信し、非常に広い帯域で動作する受信装置を提供することができる。ところで、送信用のアンテナ装置と同様に、この受信アンテナ装置も伝送線路形アンテナを用いているので、アンテナ素子自体の効率は良くない。しかし、受信パワーアンプ、フィルタおよびアンテナ装置を用いる従来の受信装置は、受信パワーアンプおよびフィルタの効率が良くない。このことから、この受信アンテナ装置の実施例は、そのアンテナ効率が悪くても総合的には、従来の受信装置より帯域が広い上に効率でも充分に高い受信装置を提供することができることになる。
【0033】
更に、この実施例は広帯域化の観点からアンテナ素子として伝送線路形の素子を用いているが、必ずしも広帯域である必要が無い場合は図8に示されるモノポールアンテナ素子の如き共振形アンテナ素子をアンテナ素子として用いる。そして、必ずしも、ダイポールアンテナ、ループアンテナの様に地板に構成するアンテナである必要もない。これらの場合、直列接続抵抗Rの総合抵抗(R1+R2+、....、+RN)はアンテナ素子の給電部分Aのインピーダンスのリアルパートに合わせる。また、給電部分Aが地板9上にある必要がある時は、図9に示される如く、直列接続抵抗(R1、R2、....、RN)部とスイッチ(SW1、SW2、....、SWN)部を地板9の下側に構成する。12はアンテナ素子10と直列接続抵抗との間に挿入接続された増幅装置を示す。この場合、広帯域化は難しいが、受信機、周波数変換部、フィルタその他のRF回路を用いずにディジタル信号を直接受信し、効率の高い受信アンテナ装置を提供することができる。
【0034】
(実施例3)
図10を参照して実施例3を説明する。この実施例は、図1の実施例1および図6の実施例2を組み合わせて送受信共用の送受信装置としたものである。この送受信装置の動作は実施例1および実施例2の動作と同じである。しかし、この場合、受信部RXにも直接に送信電流が流入するので、基準電源8’の基準電圧Vrの設定を適切にすると共に、受信部RXのダイナミックレンジを広く取る必要がある。効果は実施例1および実施例2の奏する効果と同じであり、共通のアンテナ素子10で送受信することができるアンテナ装置が提供されることになる。
【0035】
(実施例4)
図11を参照して実施例4を説明する。図11は送信用のアンテナ装置としての構成を説明する図である。このアンテナ装置は、アンテナ素子が伝送線路形アンテナ素子であることに起因するアンテナ効率の低下を防ぐものである。
伝送線路形アンテナ素子である平行線路10の両端に、送信部TXを構成する直列接続抵抗(R1、R2、....、RN)部とスイッチ(SW1、SW2、....、SWN)部と直流電源8tを設置すると共に、受送信部RXを構成する直列接続抵抗(R1、R2、....、RN)部とスイッチ(SW1、SW2、....、SWN)部と直流電源8t’を設置している。但し、直流電源8tと直流電源8t’とは極性を逆にしている。即ち、直流電源8tの直流電圧はVtであるのに対して、直流電源8t’の直流電圧は−Vtである。この場合、伝達関数演算処理部71、遅延処理部72を具備して、伝送線路形アンテナ素子である平行線路10の給電部分Aから先端部分Bに到る伝送特性T(f)と伝送時間△tを予め測定しておく。信号発生部7は、2個のシリアル/パラレル変換装置70、70’を有しており、一方のシリアル/パラレル変換装置70が送信部TX側のスイッチ(SW1、SW2、....、SWN)を制御する一方、他方のシリアル/パラレル変換装置70’が送信部TX’側のスイッチ(SW1、SW2、....、SWN)を制御する。(si1、si2、si3、....、siN)は送信部TX側の外部制御信号であり、(so1、so2、so3、....、soN)は送信部TX’側の外部制御信号である。
【0036】
2個のシリアル/パラレル変換装置70、70’は演算回路に接続しており、送信信号S(t)で、先ず、給電部分Aの送信部TXを動作させ、次に送信信号S(t)に伝送特性T(f)を掛け、この結果を更に時間△tだけ遅らせた信号S(t’)(=S(t−△t)・T(f))で先端部分Bの送信部TX’を動作させる。こうすることにより、先端部分Bにおいては、給電部分Aの送信部TXから送られた信号が先端部分Bに到達したときに電圧はViを発生する一方、先端部分Bに接続されている送信部TX’で発生する電圧は−Viとなり、常に相殺されて電圧は発生しない。即ち、アンテナ装置で伝送された結果発生する電圧を予め計算しておき、本来は終端抵抗が接続されている先端部分Bにおいて常に電圧を0にする操作を行っていることになる。これにより、実質的には、先端部分Bに接続される直列接続抵抗(R1、R2、....、RN)には電流が流れず、この抵抗で電力が消費されないところからアンテナ効率の低下は生起しない。この実施例の構成により、更に高いアンテナ効率を有し、広帯域で、RF回路を不要とする送信アンテナ装置を実現することができる。
【0037】
(実施例5)
図12を参照して実施例5を説明する。図12も送信アンテナ装置としての構成を説明する図である。この送信アンテナ装置も、図11の実施例と同様に、アンテナ素子が伝送線路形アンテナ素子であることに起因するアンテナ効率の低下を抑制することを目的とするものである。
図12の実施例5の場合は、図10の実施例3のアンテナ装置と構成はほぼ同じであるが、給電部分Aに電圧を印加する直流電源8tの電圧がVtであると共に、先端部分Bに電圧を印加する直流電源8tの電圧も同一のVtであり、先端部分Bに接続されている受信装置の出力が送信装置の入力に加算されて再度送信される。即ち、フィードバックがかかっている。
【0038】
この実施例5は受信装置を備えているが、送信のみに用いるものである。更に、加算部73を有し、パラレル/シリアル変換部700を介して出力される受信信号R(t)を加算部73において送信信号S(t)に加算した結果の加算信号S’(t)(=S(t)+R(t))をシリアル/パラレル変換器70を介して出力してスイッチ(SW1、SW2、....、SWN)を選択制御して送信信号波形を生成することにより電波を送信する。
【0039】
この構成により、従来例においては、送信された信号の内のアンテナ素子で完全に放射されない低い周波数の信号は、結局、終端抵抗で消費されて損失になっていた。しかし、この実施例5のアンテナ装置は、これら低周波数の信号も送信信号に加えられ、再度アンテナ素子を介して放射される。この動作が繰り返されるので、全ての信号が空間に放射されることになる。従って、この実施例の構成により、高いアンテナ効率を有し、広帯域で、RF回路を不要とする送信アンテナ装置を実現することができる。
【0040】
(実施例6)
図13を参照して実施例6を説明する。これは、送受信装置の実施例である。
図13(a)は送信部TXを示す。この送信部TXは、アンテナ素子10の給電部分Aと地板9との問に複数の抵抗(R1、R2、....、RN)を直列に接続し、給電部分Aおよび複数の抵抗(R1、R2、....、RN)の相互接続点と地板9との問のそれぞれに各々のスイッチ(SW1、SW2、....、SWN)を介して直流電源8tを接続したものより成る。図13(b)は受信部RXを示す。この受信部RXは、アンテナ素子10の給電部分Aと地板9との問に複数の抵抗(R1、R2、....、RN)を直列に接続し、給電部分Aおよび複数の抵抗(R1、R2、....、RN)の相互接続点と地板9との問のそれぞれに各々の比較器(Comp.1、Comp.2、....、Comp.N)を介して基準電源8’を接続したものより成る。図13(c)は独立送信部TX’である。この独立送信部TX’は、先の給電部分Aに対応する独立端子部Tと地板9との問に複数の抵抗(R1、R2、....、RN)を直列に接続し、独立端子部Tおよび複数の抵抗(R1、R2、....、RN)の相互接続点と地板9との問のそれぞれに各々のスイッチ(SW1、SW2、....、SWN)を介して直流電源8tを接続したものより成る。即ち、アンテナ素子である平行線路10の給電部分Aに送信部TXと受信部RXを同時に接続し、別途に独立してアンテナ素子である平行線路10に接続していない独立送信部TX’が存在するということである。
【0041】
ここで、図13(c)に図示される状態の送信部TXの動作自体は実施例1の動作と異なるところはないが、同時に、図13(b)の独立送信部TX’のスイッチ(SW1、SW2、....、SWN)も同様にON/OFF制御される。この独立送信部TX’の本来アンテナ素子である平行線路10に接続されるべき最上端の抵抗RNと地板9の間の電圧をVcとすると、この電圧Vcが図13(a)の電源電圧Vrとする。このことで、図13(b)の独立送信部TX’の直流電源8tの電圧は、図13(c)の送信部TXがアンテナ素子である平行線路10に加える電圧と全く同じとなり、送信信号で変化することとなる。即ち、図13(a)の受信部RXの基準電圧Vr、換言すれば、基準電圧Vrが図13(c)の送信部TXの平行線路10に印加する電圧に等しいことになり、受信部RXは常に送信部TXが供給する信号電圧を基準にして受信信号を比較、測定することができることになる。このことは、受信信号に対する送信信号の回り込みを無くすることができることを意味し、受信部RXを独立に動作させることができるので、ダイナミックレンジを広くしたり、CNを上げたりすることができる。
【0042】
(実施例7)
図14、図15を参照して実施例7を説明する。これは送受信装置の実施例である。図10の実施例3と同様に、アンテナ素子である平行線路10の給電部分Aに送信部TXを具備し、先端部分Bに受信部RXを具備する。ここで、更に、独立受信部RX’が存在する。また、図11の実施例4に類似して、給電部分Aの送信部TXは送信信号により各々のスイッチが制御される一方、独立受信部RX’は送信信号にアンテナ素子である平行線路10の伝達関数および遅延時間を掛けられて得られた信号により各々のスイッチが制御される。更に、この後者の独立受信部RX’の電圧Vcは受信部RXAの基準電圧Vrにする。この構成により、平行線路10の先端部分Bに接続されている受信部RXは、送信信号が先端部分Bに到達するときに生じる電圧と同じ電圧が常に基準電圧であることになる。
【0043】
この実施例7は、アンテナ素子である平行線路10の両端に送信部XTおよび受信部RXが各々接続されているので、平行線路10の伝達関数および遅延時間を容易に測定することができる利点がある。このことは、送受信アンテナの動作を実使用状態において最適に調整設定することができることを示している。
例えば、この送受信アンテナが携帯電話のアンテナとして用いられた場合、アンテナ形状を実施例の如く直線状にすることは難しく、また、地板も不充分なものとなる。更に、使用状態は、通話時、待ち受け時その他あらゆる状態が存在する。これに対応して、平行線路10の伝達関数はアンテナ製造時に測定した値と常に一致するとは限らない。従って、実使用状態においては、この送受信アンテナの動作は製造時とは異なるに到る。そこで、送受信アンテナ装置は、通信状態にない時に、リファレンス信号を送信装置から送り、受信部で受信した信号と比較することにより、常に最新の状態で送受信アンテナの伝送係数、遅延時間を測定することができる。これにより、常に最適な状態でアンテナ装置が動作することになる。即ち、実施例6と同様に、この場合も、受信信号に対する送信信号の回り込みを、あらゆる状態において無くすことができ、受信部は独立に動作させることができるので、ダイナミックレンジを広くしたり、CNを上げたりすることができる。
【0044】
(実施例8)
図16、図17を参照して実施例8を説明する。この実施例8も送受信装置である。
アンテナ素子である平行線路10の給電部分Aに送信部TXと受信部RXを接続し、先端部分Bに受信部RX’を接続し、更に、独立して独立送信部TX’が存在する。また、独立送信部TX’の出力は受信部RXの基準電源8’に繋がっており、同じ電圧Vrになるようにしてある。この場合、実施例6と実施例7の組み合わせになっている。即ち、送信部TXから出力された信号はアンテナ素子である平行線路10を介して放射され、残りの低周波の信号は受信部RX’で受信されて、再び送信部TXに戻される。即ち、フィードバックがかかっている。シリアル/パラレル変換器70、パラレル/シリアル変換部700、パラレル/シリアル変換部700を介して出力される受信信号R(t)を加算部73において送信信号S(t)に加算した結果の加算信号S’(t)(=S(t)+R(t))をシリアル/パラレル変換器70を介して出力してスイッチ(SW1、SW2、....、SWN)を選択制御して送信信号波形を生成することにより電波を送信する。一方、平行線路10の給電部分Aの受信部RXはその基準電圧Vrが独立送信部TX’で作られた送信電圧になるので、常に送信信号も回り込みがない状態で受信することができる。また、平行線路10の両端に送信部TX、受信部RX’が接続されているので、実動作状態で平行線路10の伝達関数を測定することができる。従って、以上の構成に依っても、高いアンテナ効率を持ち、広帯域で、RF回路が不要な送信アンテナ装置を実現することができると共に、受信信号に対する送信信号の回り込みをあらゆる状態において無くすことができ、受信部を独立に動作させることができるので、ダイナミックレンジを広くしたり、CNを上げたりすることができる。
【0045】
(実施例9)
図18、図19を参照して実施例9を説明する。この実施例9も送受信装置である。
アンテナ素子である平行線路10の給電部分Aに送信部TXを接続し、先端部分Bに受信部RXを接続すると共にスイッチTを介して送信部TX’を接続している。この実施例9は実施例4と実施例3を組み合わせたものに相当する。
通信中はスイッチTをONにしておき、平行線路10の伝達関数を測定するときはスイッチTをOFFにする。即ち、平行線路10のの先端部分Bで送信信号電圧が常に0になるので、終端抵抗で損失が無いことからアンテナの効率が良く、また、そこに受信部RXが接続しているので、送信信号以外の信号、即ち、受信信号のみを受信することになる。この実施例の効果も、実施例7および実施例8の効果と同様である。
【0046】
(実施例10)
図20、図21を参照して実施例10を説明する。この実施例10も送受信装置である。
アンテナ構成自体は実施例9と同様であるが、図21(c)の信号発生部に加算部73を有するフィードバック回路が追加付与されている。これにより、送信信号は平行線路10の先端部分Bで電圧0となって終端抵抗における損失が無くなり、また、フィードバックにより、アンテナそしである平行線路10で空間に放射されなかった低周波の信号は再び平行線路10へ給電されることで、繰り返し放射される。また、先端部分Bに接続された受信部RXは送信信号も回り込みもなく受信することができる。更に、実動作状態で平行線路10の伝達関数を測定することができる。これらによる効果は、実施例4、5、9の効果を総合した非常に高いものとなる。
【0047】
【発明の効果】
上述した通りであって、この発明に依れば、ソフトウェアラジオに不可欠な送信機、受信機、周波数変換部、フィルタその他のRF回路を用いずにディジタル信号を直接送受信し、非常に広い帯域で動作し、高い電力送信が可能なアンテナ装置を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1を説明する図。
【図2】実施例1の動作を説明する図。
【図3】アナログ波形をディジタル化してスイッチ動作に変換する手順を説明する図。
【図4】アンテナ素子として共振形アンテナを用いた場合を説明する図。
【図5】給電部分が地板上にある場合を説明する図。
【図6】実施例2を説明する図。
【図7】実施例2の動作を説明す図。
【図8】アンテナ素子として共振形アンテナを用いた場合を説明する図。
【図9】給電部分が地板上にある場合を説明する図。
【図10】実施例3を説明する図。
【図11】実施例4を説明する図。
【図12】実施例5を説明する図。
【図13】実施例6を説明する図。
【図14】実施例7のアンテナ部および信号発生部を説明する図。
【図15】実施例7の独立送信部を説明する図。
【図16】実施例8の全体、受信部、独立送信部を説明する図。
【図17】実施例8の信号発生部を説明する図。
【図18】実施例9の全体、受信部を説明する図。
【図19】実施例9の信号発生部を説明する図。
【図20】実施例10の全体、受信部を説明する図。
【図21】実施例10の信号発生部を説明する図。
【図22】従来例を説明する図。
【図23】無線機構造の今後の変化を説明する図。
【図24】ソフトウェアラジオを説明する図。
【図25】将来のアンテナ装置および無線機を示す図。
【符号の説明】
8 直流電源 9 地板
10 アンテナ素子 11 抵抗
A 給電部分 B 先端部分
R 抵抗 SW スイッチ
TX 送信部
Claims (16)
- 直流電源、線状或いは板状のアンテナ素子、地板、複数のスイッチ、複数の抵抗を有するアンテナ装置において、
アンテナ素子を地板とほぼ平行に配置し、
アンテナ素子の他方の端である先端部分と地板との間に地板とアンテナ素子で形成される線路の特性インピーダンスの抵抗を接続し、
アンテナ素子の給電部分と地板との問に複数の抵抗を直列に接続し、給電部分Aおよび複数の抵抗の相互接続点と地板との問のそれぞれに各々のスイッチを介して直流電源を接続したものより成る送信部を具備し、
直列接続抵抗の和を特性インピーダンスにほぼ等しく設定し、
外部制御信号によりスイッチを選択制御して送信信号波形を生成することにより電波を送信することを特徴とするアンテナ装置。 - 直流電源、任意形状のアンテナ素子、地板、複数のスイッチ、複数の抵抗を有するアンテナ装置において、
アンテナ素子を地板に対して任意に配置し、
アンテナ素子の給電部分と地板との問に複数の抵抗を直列に接続し、給電部分および複数の抵抗の相互接続点と地板との問のそれぞれに各々のスイッチを介して直流電源を接続したものより成る送信部を具備し、
アンテナ素子の他方の端である先端部分と地板との間に地板とアンテナ素子で形成される線路の特性インピーダンスの抵抗を接続し、
アンテナ素子の給電インピーダンスを入力端インピーダンスに設定すると共に直列接続抵抗の和を入力端インピーダンスの実数値にほぼ等しく設定し、
外部制御信号によりスイッチを選択制御して送信信号波形を生成することにより電波を送信することを特徴とするアンテナ装置。 - 請求範2に記載されるアンテナ装置において、
アンテナ素子を地板の上側に配置すると共に、直流電源、複数のスイッチ、複数の直列接続抵抗を地板の下側に配置したことを特徴とするアンテナ装置。 - 直流電源、線状或いは板状のアンテナ素子、地板、複数の比較器、複数の抵抗を有するアンテナ装置において、
アンテナ素子を地板とほぼ平行に配置し、
アンテナ素子の給電部分と地板との問に複数の抵抗を直列に接続し、給電部分および複数の抵抗の相互接続点と地板との問のそれぞれに各々の比較器を介して基準電源を接続したものより成る受信部を具備し、
アンテナ素子の他方の端である先端部分と地板との間に地板とアンテナ素子で形成される線路の特性インピーダンスを接続し、
直列接続抵抗の和を特性インピーダンスにほぼ等し設定し、
各比較器の出力を時間的に観測することにより受信信号波形を形成して電波を受信することを特徴とするアンテナ装置。 - 直流電源、任意形状のアンテナ素子、地板、複数の比較器、複数の抵抗より成るアンテナ装置において、
アンテナ素子を地板に対して任意に配置し、
アンテナ素子の給電部分と地板との問に複数の抵抗を直列に接続し、
アンテナ素子の他方の端である先端部分と地板との間に地板とアンテナ素子で形成される線路の特性インピーダンスを接続し、
給電部分および複数の抵抗の相互接続点と地板との問のそれぞれに各々の比較器を介して直流電源を接続し、
アンテナ素子の給電インピーダンスを入力端インピーダンスに設定すると共に直列接続抵抗の和を入力端インピーダンスの実数値にほぼ等しく設定し、
各比較器の出力を時間的に観測することにより受信信号波形を形成して電波を受信することを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項5に記載されるアンテナ装置において、
アンテナ素子を地板の上側に配置すると共に、直流電源、複数の比較器、複数の直列接続抵抗を地板の下側に配置したことを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項4ないし請求項6の内の何れかに記載されるアンテナ装置において、
アンテナ素子と直列接続抵抗との間に増幅装置を接続したことを特徴とするアンテナ装置。 - 直流電源、線状或いは板状のアンテナ素子、地板、複数のスイッチ、比較器、複数の抵抗を有するアンテナ装置において、
アンテナ素子を地板とほぼ平行に配置し、
アンテナ素子の給電部分と地板との問に複数の抵抗を直列に接続し、給電部分および複数の抵抗の相互接続点と地板との問のそれぞれに各々のスイッチを介して直流電源を接続したものより成る送信部を具備し、
アンテナ素子の先端部分と地板との問に複数の抵抗を直列に接続し、先端部分および複数の抵抗の相互接続点と地板との問のそれぞれに各々の比較器を介して基準電源を接続したものより成る受信部を具備し、
外部制御信号によりスイッチを選択制御して送信信号波形を生成し電波を送信させ、或いは各比較器の出力を時間的に観測することにより受信信号波形を生成し電波を受信することを特徴とするアンテナ装置。 - 直流電源、線状或いは板状のアンテナ素子、地板、複数のスイッチ、複数の抵抗を有するアンテナ装置において、
アンテナ素子を地板とほぼ平行に配置し、
アンテナ素子の給電部分と地板との問に複数の抵抗を直列に接続し、給電部分および複数の抵抗の相互接続点と地板との問のそれぞれに各々のスイッチを介して直流電源を接続したものより成る送信部を具備し、
アンテナ素子の先端部分と地板との問に複数の抵抗を直列に接続し、先端部分および複数の抵抗の相互接続点と地板との問のそれぞれに各々のスイッチを介して直流電源とは極性を異にする直流電源を接続したものより成る第2の送信部を具備し、
更に、シリアル/パラレル変換部、第2のシリアル/パラレル変換部、伝達関数演算処理部、遅延処理部を具備し、
ディジタルの送信信号S(t)をシリアル/パラレル変換部に直接送信すると共に、予め測定演算処理されているアンテナ素子の給電部分から先端部分までの伝達関数T(f)および伝達時間△tを伝達関数演算処理部、遅延処理部において送信信号波形S(t)に掛け算処理して信号S(t’)(=S(t−△t)・T(f))を第2のシリアル/パラレル変換部に送信し、
シリアル/パラレル変換部においてシリアル/パラレル変換された送信信号Si(t)により送信部側のスイッチを選択制御して送信信号波形を生成すると共に、第2のシリアル/パラレル変換部においてシリアル/パラレル変換された掛け算処理して得られた信号So(t’)により先端部分の送信部側のスイッチを選択制御して送信信号波形を生成し、
先端部分において、給電部分に生成された送信信号波形を先端部分に生成された信号波形により相殺して電波を送信することを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項8に記載されるアンテナ装置において、
更に、シリアル/パラレル変換器、パラレル/シリアル変換部、加算部を有して、パラレル/シリアル変換部を介して出力される受信信号R(t)を加算部において送信信号S(t)に加算した結果の加算信号S’(t)(=S(t)+R(t))をシリアル/パラレル変換器を介して出力してスイッチを選択制御して送信信号波形を生成することにより電波を送信することを特徴とするアンテナ装置。 - 任意形状のアンテナ素子或いは線状或いは板状のアンテナ素子、地板、複数のスイッチ、複数の比較器、複数の抵抗を有するアンテナ装置において、
アンテナ素子の給電部分と地板との問に複数の抵抗を直列に接続し、給電部分および複数の抵抗の相互接続点と地板との問のそれぞれに各々のスイッチを介して直流電源を接続したものより成る送信部を具備し、
アンテナ素子の先端部分と地板との問に複数の抵抗を直列に接続し、先端部分および複数の抵抗の相互接続点と地板との問のそれぞれに各々の比較器を介して基準電源を接続したものより成る受信部を具備し、
アンテナ素子の他方の端である先端部分と地板との間に地板とアンテナ素子で形成される線路の特性インピーダンスを接続し、
独立端子部と地板との問に複数の抵抗を直列に接続し、独立端子部および複数の抵抗の相互接続点と地板との問のそれぞれに各々のスイッチを介して直流電源を接続したものより成る独立送信部を具備し、
送信部の直流電源の電圧をVt、受信部の基準電源の電圧をVr、独立送信部の直流電源の電圧をVcとし、
送信部および独立送信部の各々の各スイッチのON/OFF状態を常に同一として独立送信部における独立端子部と地板との間の電圧をVcとし、
更に、独立送信部の電圧Vcを受信部の基準電圧Vrとして、
外部制御信号により送信部および受信部のスイッチを時間的にON、OFF制御することにより、送信信号波形を生成して電波を送信し或いは比較器の出力を時間的に観測し受信信号波形を形成して電波を受信することを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項11に記載されるアンテナ装置において、
アンテナ素子を地板の上側に配置すると共に、直流電源、複数のスイッチ、複数の直列接続抵抗を地板の下側に配置したことを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項8に記載されるアンテナ装置において、
独立端子部と地板との問に複数の抵抗を直列に接続し、独立端子部および複数の抵抗の相互接続点と地板との問のそれぞれに各々のスイッチを介して直流電源を接続したものより成る独立送信部を具備し、
送信部の直流電源の電圧をVt、受信部の基準電源の電圧をVr、独立送信部の直流電源の電圧をVcとし、
送信部および独立送信部の各々の各スイッチのON/OFF状態を常に同一として独立送信部における独立端子部と地板との間の電圧をVcとし、独立送信部の電圧Vcを受信部の基準電圧Vrとし、
更に、シリアル/パラレル変換部、第2のシリアル/パラレル変換部、伝達関数演算処理部、遅延処理部を具備し、
アンテナ素子の給電部分から先端部分までの伝達関数T(f)および伝達時間△tを、送信部から伝達関数演算処理部および遅延処理部を介して受信部に参照信号を送信し、受信部でその信号を受信することにより予め測定しておき、
ディジタルの送信信号をS(t)をシリアル/パラレル変換部に直接送信すると共に、アンテナ素子の給電部分から先端部分までの伝達関数T(f)および伝達時間△tを伝達関数演算処理部および遅延処理部において送信信号S(t)に掛け算処理した信号S(t’)(=S(t−△t)・T(f))を第2のシリアル/パラレル変換部に送信し、シリアル/パラレル変換部においてシリアル/パラレル変換された送信信号Si(t)により給電部分側のスイッチを選択制御して送信信号波形を生成すると共に、第2のシリアル/パラレル変換部においてシリアル/パラレル変換された掛け算処理して得られた信号S(t’)により先端部分側のスイッチを選択制御して送信信号波形を生成し、或いは、各比較器の出力を時間的に観測することで受信信号波形を形成し電波を受信することを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項11に記載されるアンテナ装置において、
アンテナ素子の先端部分に接続されている抵抗を外し、その代わりに、先端部分と地板との問に複数の抵抗を直列に接続し、先端部分および複数の抵抗の相互接続点と地板との問のそれぞれに各々の比較器を介して直流電源を接続したものより成る第2の受信部を接続し、
第2の受信部と送信部の直流電源の電圧を同一とし、第2の受信部により受信される受信信号をR(t)とするとき、送信信号S(t)に受信信号R(t)を足した信号S’(t)(=S(t)+R(t))を入力信号として送信部のスイッチを時間的にON、OFFさせることで、送信信号波形を生成して電波を送信し、或いは受信部の各比較器の出カを時間的に観測することで、受信信号波形を形成して電波を受信することを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項9に記載されるアンテナ装置において、
アンテナ素子の先端部分と第2の送信部との間に切断スイッチを挿入接続し、
この先端部分と地板との問に、複数の抵抗を直列に接続し、先端部分および複数の抵抗の相互接続点と地板との問のそれぞれに各々の比較器を介して基準電源を接続したものより成る受信部を具備し、
切断スイッチをOFFにして送信信号S(t)を受信部で受信することで、伝達関数T(f)を測定し、送信中は切断スイッチをONにし、
送信部のスイッチを時間的にON、OFFさせることで送信信号波形を生成して電波を送信し、或いは受信部の各比較器の出力を時間的に観測することで受信信号波形を形成して電波を受信することを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項15に記載されるアンテナ装置において、
切断スイッチに接続しているスイッチを制御する信号So(t’)を送信号S(t)に加算した信号S’’(t)(=S(t)+So(t’))を入力信号Siとして送信部のスイッチを時間的にON、OFFさせることで送信信号波形を生成し電波を送信し、或いは受信部の各比較器の出力を時間的に観測することで受信信号波形を形成して電波を受信することを特徴とするアンテナ装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009004986A (ja) * | 2007-06-20 | 2009-01-08 | Tokyo Fm Broadcasting Co Ltd | 送信アンテナおよび地上放送再送信システム |
JP2009147424A (ja) * | 2007-12-11 | 2009-07-02 | Sony Corp | アンテナ装置 |
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KR101715217B1 (ko) * | 2016-02-23 | 2017-03-22 | 한국과학기술원 | Mimo 시스템에서 송신 장치 및 그의 송신 방법 |
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2003
- 2003-08-27 JP JP2003209045A patent/JP2005072675A/ja active Pending
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