JP2005069867A - 障害物検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】障害物検出装置において、反射波の振幅変動の影響を受けずに反射波の受信時刻が正確に求められ、障害物の位置(距離、方位)が精度良く測定できるものとする。
【解決手段】障害物によって反射された反射波は、全波整流回路で全波整流波とされ、さらに包絡線形成回路で包絡線波W4とされる。包絡線波W4と閾値電圧v1,v2の交点が求められ、その交点を通る近似直線Lによって包絡線波W4の立上り部分が近似される。近似直線Lとオフセット電圧Vofとの交点の時刻が、振幅変動の影響を受けずにオフセット補正ゼロクロス時刻To0として測定される。このゼロクロス時刻To0は、受信波の位相情報に基づいてさらに補正される。これらのゼロクロス時刻を用いて障害物の距離、及び方位が安定して精度良く算出される。
【選択図】図4

Description

本発明は、超音波を用いて障害物の位置(距離と方位)を検出する障害物検出装置に関する。
従来、距離測定技術に関して超音波の伝搬時間を利用して障害物までの距離を測定するための方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この方法においては、既知の超音波送信時刻に対する反射超音波の受信時刻として、受信波の振幅が所定の閾値電圧に達した時刻が検出される。その時刻をより精確に求めることによって障害物までの超音波の往復伝搬時間の測定精度、従って距離の測定精度が向上される。図16は、受信時刻検出の様子を示す。図16(a)に示す方法においては、反射波の受信波をそのまま用いて、中点電圧vc11に対する閾値電圧v11によって受信波WRを2値化し、得られた2値整形波Wstpの立上り時刻t51を反射超音波の受信時刻として求めている。この場合、図16(b)に示すように振幅が変動した(減衰した)反射波XWRに対しては、約1周期分遅れた2値整形波XWstpの立上り時刻xt51が得られ、その時間遅れが誤差となる。
そこで、受信波をそのまま、つまり半波整流と同等の状態で用いないで、図16(c)に示すように、受信波を全波整流した全波整形波WWRを用いることによって、受信時刻検出のずれを半周期期内に抑えることが行われている。しかしながら、この場合においても、図16(d)に示すように、閾値電圧v11のレベルが1つに固定されていることもあり、反射波の振幅の変動によって、振幅が減衰した全波整形波XWWRに対する2値整形波XWstpの立上り時刻は、本来の立上り時刻t51から約半周期遅れた2値整形波XWstpの立上り時刻x52となる。約半周期分の誤差が生じる。
また、上述の閾値電圧v11として複数の閾値レベルを持つ検知回路を用いて反射波の受信時刻を検出する技術が提案されている(例えば、特許文献2、特許文献3、特許文献4参照)。これらの技術は、送波信号の残響部に埋もれた信号の中から反射波形の有無を検出することを目的としており、超音波の波長レベルの精度で反射波の受信時刻を求めるためのものではない。
次に、従来の方位測定技術に関して説明する。複数個の受信器を用いて、各受信器への超音波の反射波到達の時間差を利用して障害物までの方位を測定するための技術が提案されている(例えば、特許文献5参照)。方位測定の原理については後述する。この従来技術では、障害物からの反射波の受信時刻を求める手段の一部としてワンショットマルチバイブレータが用いられている。反射超音波信号の受信波形は、通常、図17に示すような立上り変化をする振動波形である。上述の従来技術では、受信波の振幅がワンショットマルチバイブレータの有する閾値レベルを超えた場合に、一定時間のハイレベル信号を出力するようになっており、この出力信号の立上り時刻を反射波の受信時刻としている。
ところが、実際の超音波の受信波は、超音波の伝搬空間における風や温度分布変動、障害物の移動、超音波送波/受波器の振動等の様々な要因によって振幅が変動する。このため、上記のワンショットマルチバイブレータやその他コンパレータなどのように、一定の閾値レベルにより受信波の立上りを検出する方式では、前述と同様に受信波の振幅変動により測定受信時刻が1周期程度ずれることになる。
その結果、反射波の受信時刻の検知精度は1周期分の誤差を含むことになり、障害物の方位を示す角度の値は、各々の受信器で生じるこれらの誤差を含むことになる。つまり、障害物の方位(及び距離)の測定精度を向上させるには、反射波の受信時刻精度を向上させることが必須となる。
次に、複数の受信器を用いた方位検出原理を説明する。図18は、2方向における障害物検出例を示す。超音波センサ3は、1つの超音波送受信兼用器SRと1つの反射超音波受信専用器Rにより構成されている。送受信兼用器SRと受信専用器Rの間隔LSの中心Oから前方(紙面上方)に向かう法線nを障害物2の方位φの角度原点とし、時計回り方向を方位φの正の方向とする。図18(a)では、障害物2が前方右側(φ>0)にあり、図18(b)では、障害物2が前方左側(φ<0)にある。以下、図18(a)について説明する。送受信兼用器SRから送信された超音波は、障害物2によって反射され、略平行な反射波WRとなって、それぞれ時刻taに送受信兼用器SRへ、時刻tbに受信専用器Rへ入射して受信されるものとする。障害物2と受信兼用器SRとの距離をdとすると、障害物2と受信専用器Rとの距離はd+Δdとなる。前記の「略平行な反射波WR」の条件は、dがΔdに対して非常に大きいということであり、この場合、センサ3から障害物2までの距離をdで代表させることができる。受信時刻の測定値ta,tb、既知の間隔LS、音速C0を用いて、方位角度φが、φ=arcsin(Δd/LS)、Δd=C0・Δt、Δt=tb−ta、と求まる。
送受兼用器SRと受信専用器Rとの間隔LSをより大きくすると、同じ障害物位置(センサ3の中心Oからの距離と方位)であっても、障害物から遠い方の受信器が受信するまでの時間が増加するので、送受兼用器SRと受信専用器Rの反射波受信時刻の時間差Δtがより大きくなる。時間差Δtが大きいほど、その変動による方位角度φへの影響が少なくなり、方位角度の測定精度が向上する。しかしながら、送受兼用器SRと受信専用器Rの間隔LSを広げることによりセンサ3が大型化することになり、コスト増やセンサ3の外見が悪くなるなどの弊害を生じる。従って、送受兼用器SRと受信専用器Rの間隔LSを広げることなく、障害物位置の測定精度を向上させること、すなわち反射波の受信時刻の測定精度を向上させることが重要となる。
また、反射波形の振幅変動の影響を受けずに反射波の受信時刻をより正確に求めるために、サンプリングによるパターン照合判定を行うものが知られている(例えば、特許文献6参照)。しかしながら、サンプリングによるパターン照合判定には、サンプリング時間分(4.8μs)に起因する誤差が生じる。サンプリング時間を短くするには高速処理の可能なハードウエア(CPU)とデータ量の増加への対応(多くのメモリ領域の確保)が必要となる。
実開昭60−74071号公報 特開昭63−311190号公報 特開昭63−311191号公報 特開昭63−311192号公報 特開昭57−66372号公報 特開2000−214258公報
上記のように、従来の技術では障害物からの反射超音波の受信時刻測定において、反射波の振幅変動の影響を受けやすいため反射波受信時刻の測定精度が悪く、障害物の位置(距離、方位)の測定精度が悪いという問題がある。
本発明は、上記課題を解消するものであって、反射波の振幅変動の影響を受けずに反射波の受信時刻を正確に求めることができ、障害物の位置(距離、方位)を精度良く測定できる障害物検出装置を提供することを目的とする。
上記課題を達成するために、請求項1の発明は、超音波を用いて障害物の位置を検出する障害物検出装置であって、超音波信号を送信する送信器(S)と、前記送信器で送信した超音波信号の障害物からの反射波を受信する受信器(R)と、前記受信器(R)で受信した反射波の信号処理を行う受波回路(H)と、前記受波回路部(H)の出力を演算処理して障害物の位置を求める演算部(E)と、を備え、前記受波回路部(H)は、前記受信器(R)で受信した反射波の電圧信号を増幅する増幅回路(J)と、前記増幅回路(J)により増幅して得られた増幅受信波(W0)を半波整流する半波整流回路(A1)及び前記半波整流回路(A1)により整流して得られた半波整流波(W1)の振幅を2倍に増幅する2倍増幅回路(A2)及び前記2倍増幅回路(A2)により増幅して得られた2倍半波(W2)と前記増幅受信波(W0)を加算する加算回路(A3)を備えた全波整流回路(A)と、前記全波整流回路(A)により整流して得られた全波整流波(W3)を積分する積分回路(B1)を備えた包絡線形成回路(B)と、前記包絡線形成回路(B)により形成された包絡線波(W4)を複数の閾値電圧(V(n):nは整数)により2値化整形する波形整形回路(C)と、前記波形整形回路(C)により整形して得られた各2値整形波(WQ(n):nは整数)の立上りエッジ時刻(T(n):nは整数)を求める時刻測定手段(D)と、を備え、前記演算部(E)は、前記各閾値電圧(V(n))及び各エッジ時刻(T(n))から前記包絡線波(W4)の立上り部分を直線近似して得た近似直線(L)と0Vの電圧線との交点によりゼロクロス時刻(T0)を求めて、このゼロクロス時刻(T0)に基づいて障害物までの距離(d)を算出する障害物検出装置である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の障害物検出装置において、前記演算部(E)は、各閾値電圧(V(n))及び各エッジ時刻(T(n))のうち所定の2点(V(n1),T(n1))、(V(n2),T(n2))(n1≠n2)の値を用いて包絡線波(W4)の立上り部分を直線近似するものである。
請求項3の発明は、請求項2に記載の障害物検出装置において、前記所定の2点(V(n1),T(n1))、(V(n2),T(n2))(n1≠n2)の値は閾値電圧の最も低い方の2つの電圧値を用いるものである。
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の障害物検出装置において前記受波回路部(H)は、前記包絡線波(W4)のオフセット電圧の測定を行うオフセット測定回路(I)を有し、前記演算部(E)は、前記オフセット測定回路(I)が測定したオフセット電圧(Vof)と包絡線波(W4)の立上り部分を近似した直線の傾(K)とを用いて前記ゼロクロス時刻(T0)を補正したオフセット補正ゼロクロス時刻(To0)を式、To0=T0+Vof/Kにより求めて、このオフセット補正ゼロクロス時刻(To0)に基づいて障害物までの距離(d)を算出するものである。
請求項5の発明は、請求項4に記載の障害物検出装置において、前記オフセット測定回路(I)は、送波開始から所定の前置時間(Tg)経過後に前記オフセット電圧の測定を開始し、前記包絡線波(W4)の各2値整形波(WQ(n))の最も早く受信した最早受信時刻(Te0)まで所定の測定間隔(Ts)で測定を行い、前記最早受信時刻(Te0)以前の所定の複数個の測定値の平均値をオフセット電圧(Vof)とするものである。
請求項6の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の障害物検出装置において、前記受波回路部(H)は、前記増幅受信波(W0)の振動中点電圧(Vc)を閾値電圧として2値化整形する位相整形回路(F)と、前記位相整形回路(F)により整形された位相整形波(WP)の立上り時刻を測定する位相時刻測定手段(G)と、を有し、前記位相時刻測定手段(G)は、前記エッジ時刻(T(n))の所定のエッジ検出後、位相整形波(WP)の最初の立上り時刻を位相時刻(Tp)とし、前記演算部(E)は、前記ゼロクロス時刻(T0)以前でありかつ前記ゼロクロス時刻(T0)に最も近い位相整形波(WP)の立上り時刻を、位相補正ゼロクロス時刻(T’p)として式、T’p=Tp−N・τ(N:整数、τ:超音波の周期)により求め、この位相補正ゼロクロス時刻(T’p)に基づいて障害物までの距離(d)を算出するものである。
請求項7の発明は、請求項4又は請求項3に記載の障害物検出装置において、前記受波回路部(H)は、前記増幅受信波(W0)の振動中点電圧(Vc)を閾値電圧として2値化整形する位相整形回路(F)と、前記位相整形回路(F)により整形された位相整形波(WP)の立上り時刻を測定する位相時刻測定手段(G)と、を有し、前記位相時刻測定手段(G)は、前記エッジ時刻(T(n))の所定のエッジ検出後、位相整形波(WP)の最初の立上り時刻を位相時刻(Tp)とし、前記演算部(E)は、前記オフセット補正ゼロクロス時刻(To0)以前でありかつ前記オフセット補正ゼロクロス時刻(To0)に最も近い位相整形波(WP)の立上り時刻を、位相オフセット補正ゼロクロス時刻(T’op)として式、T’op=Tp−N・τ(N:整数、τ:超音波の周期)により求めて、この位相オフセット補正ゼロクロス時刻(T’op)に基づいて障害物までの距離(d)を算出するものである。
請求項8の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の障害物検出装置において、1つ以上の超音波送信器(S)と2つ以上の超音波受信器(R(m):mは整数)と各超音波受信器(R(m))に対応する受波回路部(H(m):mは整数)とを備え、前記受波回路部(H(m))は、各受信器(R(m))により受信された信号から各包絡線波(W4(m):mは整数)を算出し、前記演算部(E)は、前記各包絡線波(W4(m))によるゼロクロス時刻(T0(m):mは整数)について所定の2つの受信器(R(m1)、R(m2):m1≠m2)のゼロクロス時刻の差(△T0)を式、△T0=T0(m2)−T0(m1)により求めて、このゼロクロス時刻の差(ΔT0)に基づいて障害物の方位を計算するものである。
請求項9の発明は、請求項4又は請求項5に記載の障害物検出装置において、1つ以上の超音波送信器(S)と2つ以上の超音波受信器(R(m):mは整数)と各超音波受信器(R(m))に対応する受波回路部(H(m):mは整数)とを備え、前記受波回路部(H(m))は、各受信器(R(m))により受信された信号から各包絡線波(W4(m):mは整数)を算出し、前記演算部(E)は、前記各包絡線波(W4(m))に対して算出されたオフセット電圧を用いて補正された各受波信号のオフセット補正ゼロクロス時刻(To0(m):mは整数)について所定の2つの受信器(R(m1)、R(m2):m1≠m2)のオフセット補正ゼロクロス時刻の差(△To0)を式、△To0=To0(m2)−To0(m1)により求めて、このオフセット補正ゼロクロス時刻の差(△To0)に基づいて障害物の方位を計算するものである。
請求項10の発明は、請求項8に記載の障害物検出装置において、前記受波回路部(H(m))は、各受信器で受信され増幅された増幅受信波(W0(m))の振動中点電圧(Vc(m):mは整数)を閾値電圧として2値化整形する位相整形回路(F(m):mは整数)と、前記位相整形回路(F(m))により整形された位相整形波(WP(m):mは整数)の立上り時刻(TP(m):mは整数)を測定する位相時刻測定手段(G(m))と、を有し、前記位相時刻測定手段(G(m))は、前記エッジ時刻(T(n,m):n,mは整数)の所定のエッジ検出後、位相整形波(WP(m))の最初の立上り時刻を位相時刻(Tp(m):mは整数)とし、前記演算部(E)は、所定の2つの受信器の位相時刻(Tp(m1),Tp(m2):m1≠m2)について求めた位相時刻の差(ΔP)、△P=Tp(m2)−Tp(m1)、に対して式、△P0=△P+N・τ、−τ/2≦△P0≦τ/2(N:整数,τ:超音波の周期)を満たす周期内位相時刻差(△P0)を求め、前記ゼロクロス時刻の差(△T0)に対して式、△T0p=△P0+M・τ(M:整数)、△T0−τ/2≦△T0p≦△T0+τ/2を満す位相補正ゼロクロス時刻の差(△T0p)に基づいて障害物の方位を計算するものである。
請求項11の発明は、請求項9に記載の障害物検出装置において、前記受波回路部(H(m))は、各受信器で受信され増幅された増幅受信波(W0(m):mは整数)の振動中点電圧(Vc(m):mは整数)を閾値電圧として2値化整形する位相整形回路(F(m):mは整数)と、前記位相整形回路(F(m))により整形された位相整形波(WP(m):mは整数)の立上り時刻(TP(m):mは整数)を測定する位相時刻測定手段(G(m):mは整数)と、を有し、前記位相時刻測定手段(G(m))は、前記エッジ時刻(T(n、m):n,mは整数)の所定のエッジ検出後、位相整形波(WP(m))の最初の立上り時刻を位相時刻(Tp(m):mは整数)とし、前記演算部(E)は、所定の2つの受信器の位相時刻(Tp(m1),Tp(m2):m1≠m2)について求めた位相時刻の差(ΔP)、△P=Tp(m2)−Tp(m1)、に対して式、△P0=△P+N・τ、−τ/2≦△P0≦τ/2(N:整数,τ:超音波の周期)を満たす周期内位相時刻差(△P0)を求め、前記オフセット補正ゼロクロス時刻の差(△To0)に対して式、△To0p=△P0+M・τ(M:整数)、△To0−τ/2≦△To0p≦△To0+τ/2を満す位相オフセット補正ゼロクロス時刻の差(△To0p)に基づいて障害物の方位を計算するものである。
請求項12の発明は、請求項6又は請求項7又は請求項10又は請求項11に記載の障害物検出装置において、前記位相時刻測定手段(G又はG(m))は、上記エッジ時刻(T(n)又はT(n,m))の最も電圧値の高い閾値に対応するエッジ検出後の最初の立上り時刻を位相時刻(Tp又はTp(m))とするものである。
請求項1の発明によれば、反射超音波信号を全波整流した波形の包絡線波を求め、その立上り部分を直線近似して、その近似直線とゼロ電圧との交点から求めたゼロクロス時刻に基づいて障害物までの距離を算出するので、受信超音波の振幅変動に影響されずに超音波受信時刻が得られ、距離計算精度が向上する。従来例では振幅変動により時刻の変動や半波長の時間ずれが発生していたが、超音波センサの感度低下等による振幅変動が生じても反射超音波受信時刻測定値の変動を抑えることができる。
請求項2の発明によれば、包絡線波の近似直線を2点で決定するので、計算が簡単であり、処理の高速化と簡素な回路構成すなわち低コスト化とが可能である。
請求項3の発明によれば、閾値電圧の最も低い方の2つの電圧値を用いて包絡線波の近似直線を決定するので、上記効果に加え、閾値電圧の値が高い場所では波形の振幅変動の影響を受けるた波形のなまるという(非線形性)の影響を受けることなく、包絡線波の立上り近傍の傾きを求めることができる。
請求項4の発明によれば、オフセット電圧を除去して補正したオフセット補正ゼロクロス時刻に基づいて障害物までの距離を算出するので、暗ノイズレベルの影響による電圧変動などを受けることなく包絡線の立上り時刻を正確に計算することができ、距離計算精度の向上が図られる。
請求項5の発明によれば、所定時間毎の複数個のオフセット電圧の測定値の平均値をオフセット電圧とするので、一過性の音響ノイズなどの混入によるオフセット電圧値の変動の影響を排除することができ、オフセット電圧測定の耐ノイス性能が向上し、反射波受信時刻が精度良く、また安定して得られ、距離計算精度の向上が図られる。
請求項6の発明によれば、前述の包絡線の立上り近似直線から求めたゼロクロス時刻に対し、受信波の位相に基づく位相補正ゼロクロス時刻を受信時刻として、障害物までの距離算出に用いるので、受信波の振幅変動の影響をより低減して、受信時刻が精度良く、また安定して得られ、距離計算精度の向上が図られる。
請求項7の発明によれば、オフセット電圧補正と位相補正を行って反射波受信時刻を求めるので、暗ノイズレベルの影響を受けることなく距離計算精度の向上が図られる。
請求項8の発明によれば、振幅変動の影響を受けにくい前出のゼロクロス時刻の差を用いて方位を計算するので、方位測定精度が向上する。
請求項9の発明によれば、上記に加えオフセット電圧補正を行って得た受信時刻を用いるので、暗ノイズの影響を受けにくく、方位測定精度が向上する。
請求項10の発明によれば、前出のゼロクロス時刻の差にさらに位相補正を行った受信時刻を用いるので、振幅変動の影響を受けにくく、方位測定精度が向上する。
請求項11の発明によれば、前出のゼロクロス時刻の差に位相補正とオフセット電圧補正を行った受信時刻を用いるので、振幅変動の影響を受けにくく、方位測定精度が向上する。
請求項12の発明によれば、受信波形が立ち上がって「検知有り」の状態が確定した状態で位相を測定することができ、受信波形が立ち上がらない状態、すなわち検知有りが確定しない程度の低い振幅の状態で誤ってノイズを測定するということがなくなる。
以下、本発明の一実施形態に係る障害物検出装置について、図面を参照して説明する。図1は、システム概要構成を示し、図2は、システム詳細構成を示す。障害物検出装置1は、超音波を用いて障害物の位置を検出する装置であって、例えば、車両に搭載され、車両の移動中に走行路上の障害物を検知して、徐行、退避等の情報を運転手に報知・表示して提供する装置として用いることができる。
障害物検出装置1は、図1に示すように、超音波信号を送信する送信器Sと、送信した超音波信号(送波)WSの障害物2からの反射波WRを受信する受信器Rと、受信器Rで受信した反射波WRの信号処理を行う受波回路Hと、受波回路部Hの出力を演算処理して障害物の位置を求める演算部Eと、を備えている。
また、障害物検出装置1は、送信器Sを駆動する超音波送信回路部Uと、超音波送信回路部U、演算部Eを制御する中央制御部CPUを備えている。また、中央制御部CPUは、入出力部IFを介して接続された報知用のブザーBZ、表示用の表示器DSP、さらに、車両に搭載されている場合の車両の運転状態を検知するシフト位置センサPosが接続されている。
受波回路部Hは、図2に示すように、受信器Rで受信した反射波の電圧信号を増幅する増幅回路Jと、増幅回路Jにより増幅して得られた増幅受信波W0を半波整流する半波整流回路A1及び半波整流回路A1により整流して得られた半波整流波W1の振幅を2倍に増幅する2倍増幅回路A2及び2倍増幅回路A2により増幅して得られた2倍半波W2と増幅受信波W0を加算する加算回路A3を備えた全波整流回路Aとを備えている。
さらに、受波回路部Hは、全波整流回路Aにより整流して得られた全波整流波W3を積分する積分回路B1及び積分回路B1により積分して得られた積分波の動作点を0Vに設定して直流増幅する直流増幅回路B2を備えた包絡線形成回路(B)とを備え、さらに、包絡線形成回路Bにより形成された包絡線波W4を複数の閾値電圧V(n:nは整数)により2値化整形する波形整形回路Cと、波形整形回路Cにより整形して得られた各2値整形波WQ(n:nは整数)の立上りエッジ時刻T(n:nは整数)を求める時刻測定手段Dとを備えている。この時刻測定手段Dは、中央制御部CPU内部にソフトウエア的に構成することもできる。
演算部Eは、各閾値電圧V(n)及び各エッジ時刻T(n)から包絡線波W4の立上り部分を直線近似して得た近似直線Lと0Vの電圧線との交点によりゼロクロス時刻T0を求めて、このゼロクロス時刻T0に基づいて障害物までの距離dを算出する。
また、受波回路部Hは、包絡線波W4のオフセット電圧の測定を行うオフセット測定回路Iを有しており、さらに、増幅受信波W0の振動中点電圧Vcを閾値電圧として2値化整形する位相整形回路Fと位相整形回路Fにより整形された位相整形波WPの立上り時刻を測定する位相時刻測定手段Gとを有している。このオフセット測定回路Iは、中央制御部CPU内部に構成されたAD変換器を用いてソフトウエア的に構成することもできる。
(実施の形態1:オフセットによる距離補正)
次に、障害物検出装置1の基本動作を説明する。引き続き図2を参照する。図3は、各回路における信号波形の変遷を示す。本実施例は、車両周辺の障害物を車両に搭載された超音波送受信器を用いて検知し、運転手に障害物の存在及び障害物までの距離を報知するシステムの例である。
中央制御部CPUは、超音波信号の送信を行うための送波信号を発生する。その信号は超音波送信回路Uを通じて、車両に搭載された送受信器SR(送受信兼用)に伝達され、送受信器SRから超音波信号として外部へ送信される。外部へ送信された超音波信号WSは、障害物2によって反射され、反射波WRとして送受信器SRによって受信され、受信された受信信号は増幅回路Jにより増幅されて全波整流回路Aへと送られる。
全波整流回路Aは、下側半波整流回路A1、2倍増幅回路A2、加算回路あ3によって構成されている。増幅回路Jにより増幅された増幅受信波W0(図3(a))は、下側半波整流回路A1へと送られる。この回路により超音波の振動波形は、図3(b)に示すように振動中点電圧Vcより上側の部分がカットされ、下側の部分のみ通過するように整流される。
整流された半波整流波W1は、2倍増幅回路A2により振幅が2倍に増幅された2倍半波W2(図3(c))となり、下側半波整流前のもとの増幅受信波W0(図3(a))と加算回路A3によって加算されて、全波整流波W3(図2(d))となって、次段の包絡線形成回路Bへと送られる。
包絡線形成回路Bは、積分回路B1,直流増幅回路B2により構成されている。全波整流された全波整流波W3は、積分回路B1により積分され(図3(e))、直流増幅回路B2により動作点が振動中点電圧Vcから0Vへと修正され、所定の増幅率にて振幅が増幅される(図3(f))。このようにして包絡線波W4が得られる。
包絡線波W4は、波形整形回路Cによって複数の閾値電圧V(n)で2値化整形され、2値整形波WQ(n)となる(図3(g))。次に、各2値整形波WQ(n)の立上りエッジ時刻T(n)が、回路的に構成された時刻測定手段Dによって測定され、又は中央制御部CPU内部にソフトウエア的に構成された測定手段によって測定され、所定のメモリ領域に格納して記録される。
また、位相波形整形回路Fでは、下側半波整流前の増幅受信波W0(図3(a))が中点電圧Vcにより2値化整形されて位相整形波WPとなる(図3(h))。位相整形波WPのエッジ立上り時刻(位相時刻)は、位相時刻測定手段Gによって測定され、所定のメモリに記憶される。
中央制御部CPUでは、前記送波信号WSの発生時刻、すなわち送波開始時刻と、超音波反射波WRの到達時刻の測定結果とを用いて、距離計算処理が行われる(後述)。距離の計算結果と、シフト位置センサPosによる車両シフトポジションの入力状態(P:パーキング,R:リバース,D:ドライブ等)情報とに基づいて所定の方法により、運転手に対する報知のため、ブザーBZの鳴動、及び表示器DSPの駆動出力が行われる。
中央制御部CPUは、例えば汎用の16bit型ワンチップマイクロコンピュータで構成され、内部ROMには、超音波信号制御、及び障害物の距離・方向計算処理、表示器駆動・ブザー鳴動処理のためのプログラムを記録してある。
(手順1:包絡線波を直線近似)
次に、包絡線波の立上り部分の直線近似について説明する。図4は、包絡線波W4の立上り部分の様子を示す。包絡線形成回路Bにより形成された包絡線波W4は、波形整形回路Cにより2段階に設定された閾値電圧V(1)、V(2)(v1,v2と表記する)により2値化整形され、立上り時刻すなわちエッジ時刻T(1)、T(2)(t1,t2と表記する)を有する2値整形波WQ(1)、WQ(2)となり、中央制御部CPUへ入力される。中央制御部CPUでは送波開始時刻を時間原点として、各受波信号の立上りエッジ時刻t1,t2を内部のタイマにより測定し、測定した値を所定のメモリに格納し記録する。記録されたエッジ時刻t1,t2と閾値電圧v1,v2とにより包絡線近似直線Lが決定される。
包絡線波W4の立上り部分近似直線Lと電圧0Vとの交点時刻、すなわちゼロクロス時刻T0が、T0=t1−v1/K、K=(v2−v1)/(t2−t1)によって求められる。ここで、Kは直線Lの傾きである。求められたゼロクロス時刻T0が所定のメモリ領域に格納、記録される。
この、ゼロクロス時刻T0を用いて、障害物(超音波反射物体)の距離dが式、d=T0×C0/2+α、により計算される。ここで、C0は音速(約340m/s)であり、αは包絡線形成回路Bの応答遅延等による実測値とのズレを補正する所定のズレ補正値である。
上述の直線近似の効果について説明する。図5は、振幅が変動した場合の包絡線波AW4,BW4を示す。増幅受信波W0の振幅が変動すると、包絡線波AW4,BW4のように包絡線波W4の振幅が変動し、それぞれの立上り部分の近似直線AL,BLの傾きも変動するが、ゼロクロス時刻T0の位置(値)は変動しないことが分かる。このように、反射超音波信号を全波整流した波形の包絡線波を求め、その立上り部分を直線近似して、その近似直線とゼロ電圧との交点から求めたゼロクロス時刻は、受信超音波の振幅変動に影響されないので、安定して精確に超音波受信時刻が得られる。このゼロクロス時刻T0に基づいて障害物までの距離を算出すると距離測定精度が向上する。従来例では振幅変動により時刻の変動や半波長の時間ずれが発生していたが、超音波センサの感度低下等による振幅変動が生じても、上記の方法によると、反射超音波受信時刻測定の変動を抑えることができる。
(手順2:オフセット電圧測定)
次に、包絡線波W4におけるオフセット電圧Vofの処理について説明する。引き続き図4を参照する。包絡線形成回路Bにより形成された包絡線波W4は、中央制御部CPU内部に構成されたAD変換器を用いて超音波送波開始後所定の前置時間Tg(例えば、Tg=1.4ms)が経過後、所定の時間間隔Ts(例えば、Ts=10μs)で包絡線波W4の電圧値をサンプリングして最新の8個のサンプリング値を所定のメモリ領域に更新格納する。サンプリングは、上記閾値電圧V(1)による2値整形波WQ(1)の立上りエッジが来た時点(エッジ時刻T(1)=t1)で停止し、最新の2個を除いた残り6個のサンプリング値の平均値を計算し、その値をオフセット電圧Vofとして所定のメモリ領域に格納して記録する。このオフセットVofは、オフセット測定回路Iを用いて測定することもできる。
(手順3:オフセット電圧と包絡線近似直線とのクロス時刻測定)
次に、オフセット補正ゼロクロス時刻To0について説明する。前記手順により計算し、所定のメモリ領域に格納した包絡線近似直線Lの0Vとの交差時刻T0(ゼロクロス時刻)と、閾値電圧値(v1,v2)と、この閾値電圧に対応する2置整形波WQ(1)、WQ(2)の立上りエッジ時刻(t1,t2)と、オフセット電圧値Vofを用いて、オフセット電圧補正後のゼロクロス時刻To0=T0+Vof/Kが求められ、所定のメモリ領域に格納して記録する。
(手順4:距離計算)
上記手順により計算したオフセット電圧補正後のゼロクロス時刻To0を用いて、障害物(超音波反射物体)の距離dを式、d=To0×C0/2+α、により計算する。ここで、C0は音速(約340m/s)であり、αは包絡線形成回路Bの応答遅延等による実測値とのズレを補正する所定のズレ補正値である。
上述のオフセット電圧補正の効果について説明する。図6は、オフセット電圧が変動した例を示す。ゼロクロス時刻T0、オフセット補正ゼロクロス時刻To0、近似直線Lを有する包絡線波W4に対し、音響ノイズの印加などによりオフセット電圧値が増加して、包絡線波XW4に変動した場合が示されている。包絡線波XW4は、包絡線波W4のものと異なる近似直線XL、ゼロクロス時刻XT0を有しているが、オフセット補正ゼロクロス時刻は、両包絡線波に対して同じ値To0になっていることが分かる。オフセット電圧値による補正を行わない場合は、オフセット電圧値の増加によリゼロクロス時刻が前に(短距離側に)移動する。その結果、距離値が変動することになる。
オフセット電圧値による補正を行った場合、オフセット補正ゼロクロス時刻には殆ど変動が生じない。この結果からオフセット電圧による補正を行うことにより、オフセット電圧値の変動が生じても反射波受信時刻(従って距離計算値)の変動を抑えることができる。このように、オフセット電圧を除去して補正したオフセット補正ゼロクロス時刻に基づいて障害物までの距離を算出することで、暗ノイズレベルの影響による電圧変動などを受けることなく包絡線の立上り時刻を正確に計算することができ、距離計算精度の向上が図られる。
(実施の形態2:受信波の位相に基づく距離補正)
次に、位相補正ゼロクロス時刻T’pについて説明する。図7は、位相補正の様子を示す。上段は包絡線波の近似直線L、オフセット補正ゼロクロス時刻To0(オフセット電圧Vof=0ならば通常のゼロクロス時刻T0)を示し、中段は増幅受信波W0を示し、下段は増幅受信波W0を2値化整形した位相整形波WPを示す。前記の手順2(包絡線を直線近似)において、高い側の閾値電圧v2による2値整形波WQ(2)の立上りエッジ時刻T(2)(=t2)の受信後、位相整形波WPにおいて最初に発生した立上りエッジ時刻Tp(位相時刻と呼ぶ)が位相時刻測定手段G、又は中央制御部に内蔵した時刻測定手段によって測定される。測定された位相時刻Tpは、所定のメモリ領域に格納して記録される。
この位相時刻Tpは、受波検知の判断にも用いられる。閾値電圧v2による位相整形波WPの立上りエッジ受信が確認されれば、その回の受波を検知有りと判定し、v2による位相整形波WPの立上りエッジ受信がなければ、その回の受波は検知なし(障害物からの反射波なし、障害物なし)と判定される。
図7において、時刻tp5が位相時刻Tpとなる。オフセット補正ゼロクロス時刻To0以下で、かつTo0に最も近い時刻を位相オフセット補正ゼロクロス時刻T’pとする。すなわち、T’p=Tp−N・τ≦To0であり、ここで、整数Nは最小の値であり、τは超音波の周期(例えばτ=20.833μs、周波数48kHz駆動時)である。
また、時刻Tp3が位相オフセット補正ゼロクロス時刻T’pとなる(上式でN=2)。このようにして求めた位相補正後のゼロクロス時刻T’pを前記手順4に記載のオフセット補正ゼロクロス時刻To0の代わりに用いて距離値の計算を行う。
受信波の位相に基づく補正の効果を説明する。図8は、各方式の受信時刻(T0、To0、T’p)の測定結果を示す。受信時刻の測定は、障害物として距離約90cm、正面(0゜)位置の静止した直径φ60mmのボールを超音波照射の対象にして行われた。通常のゼロクロス時刻T0は値の変動が大きく、オフセット補正ゼロクロス時刻To0では変動が減少し、位相オフセット補正ゼロクロス時刻T’pでは殆ど変動が見られない。このように、位相補正を行ったゼロクロス時刻を受信時刻とすると、受信波の振幅変動の影響を低減して、受信時刻が精度良く、また立上り時刻の計算値の変動が1波長分を吸収して安定すると共に、距離計算精度の向上が図られる。
(実施の形態3:オフセットによる角度補正)
次に障害物の方位の測定について説明する。図9は、方位測定用のシステム構成を示す。障害物検出装置10は、車両周辺の障害物を車両に搭載された複数個の超音波送受信器を用いて検知し、運転手に障害物の存在及び障害物までの距離とその方向を報知するシステムの例である。障害物検出装置10の基本的な構成は、前出の図1、図2に示した障害物警報装置1と同様であるため省略する。障害物検出装置10は、複数個の超音波受信器(送受信兼用器SRの受信器と専用受信器Rの2個)を備えており、各受信器に対応する受波回路Hが複数系統(H(1)、H(2)の2系統)設けられている点が前出のものと異なる。
中央制御部CPUは、各受信器で得られた受信時刻の差から障害物と各受信器とのなす角度(方位角度)φ及び障害物と各受信器との距離dを算出する。中央制御部CPUは、各受信器からみた障害物の方位φと距離dとから、車両と障害物との位置関係を計算し、運転者に警報するため、その結果を表示器DSPに送って表示するとともに、ブザーBZを鳴動する。
オフセット補正ゼロクロス時刻の差ΔTo0について説明する。図10は、2つの受信器で受信された波の増幅受信波AW0,BW0を示す。それぞれの増幅受信波AW0,BW0に基づいて得られた包絡線波の立上り部分の近似直線AL,BLからオフセット補正ゼロクロス時刻To0(1)、To0(2)(それぞれta,tbと表す)が得られる。また、オフセット補正ゼロクロス時刻の差ΔTo0=To0(2)−To0(1)=tb−ta=Δtを用いて、前出の図18を参照して説明したように、方位角度φが、φ=arcsin(Δd/LS)、Δd=C0・Δt、Δt=tb−ta、と求められる。ここで、LSは両受信器の間隔、C0は音速である。
(実施の形態4:受信波の位相に基づく角度補正)
次に、方位角を求める際の補正について説明する。図11は、ゼロクロス時刻の差の位相補正の概念を示す。方位角は、前述のように、2つの超音波受信器(センサA,センサBと呼ぶ)による反射超音波受信時刻の差によって求められる。そこで、個々の受信時刻の測定補正の他に、差そのものについて適正に補正することが方位角測定精度、及び安定測定に有効となる。図11において、上段にセンサAによる増幅受信波AW0、下段にセンサBによる増幅受信波BW0がそれぞれ示されている。各増幅受信波について、包絡線波近似直線AL,BL、オフセット補正ゼロクロス時刻To0(1)、To0(2)、包絡線形成回路Bの応答遅延等による実測値とのズレを補正する所定のズレ補正値α1,α2、真の受波時刻At,Btが示されている。ズレ補正値α1、α2は通常一定であり、α1=α2である。
ここで、真の受波時刻の差ΔTrを、ΔTr=Bt−Atで定義する。この真の受波時刻の差ΔTrは、整数Mと周期τと端数成分である周期内位相時刻差ΔP’0によって、ΔTr=ΔP’0+M・τと表される。測定精度として1波長(1周期)以下、さらには半波長(半周期)以下の精度を問題としているので、ΔTrのうち周期内位相時刻差ΔP’0に注目すれば良い。現実に測定される受信時刻の差は、オフセット補正ゼロクロス時刻の差ΔTo0=To0(2)−To0(1)であり、このゼロクロス時刻の差ΔTo0に補正を施して、真の値ΔTrに近づけることが、方位角測定精度向上のための課題となる。
次に、上述の真の受信時刻At,Btに基づく周期内位相時刻差ΔP’0に着目して、オフセット補正ゼロクロス時刻の差ΔTo0を補正する方法を説明する。図12(a)(b)は、位相時刻を用いた補正方法を示す。図12(a)の上段において、センサA、Bで得られた受信波に対する包絡線波近似直線AL,BL、オフセット補正ゼロクロス時刻To0(1)、To0(2)(それぞれta、tbと表す)、閾値電圧V(2)(v2と表わされている)によるエッジ時刻T(2,1)、T(2,2)(それぞれAT2、BT2と表す)が示されている。閾値電圧v2は、センサA、Bに共通に設定されており、オフセット電圧Vofも両者に共通と仮定されている。また、ここでは、包絡線波に係る2値整形波WQ(n)のエッジ時刻T(n、m)を検出するための閾値電圧V(n)のうち、低い方から2番目(n=2)の電圧V(2)が以下に示す位相時刻を決定するのに用いられている。
また、図12(a)の中段、下段にはそれぞれ、センサA,Bに関係する位相整形波WP(1),WP(2)が示されており、上記のエッジ時刻AT2,BT2に対応して、それらの時刻の直前の立上り時刻が、それぞれ位相時刻Tp(1),Tp(2)(それぞれATp,BTpと表す)が決定されている。
上述の測定値をもとに、オフセット補正ゼロクロス時刻の差ΔTo0=To0(2)−To0(1)(ΔTo0=tb−taと表す)、及び、位相時刻の差ΔP=Tp(2)−Tp(1)=BTp−ATpが得られる。この位相時刻の差ΔPは、整数Nと周期τと端数成分である周期内位相時刻差ΔP0によって、ΔP=ΔP0+N・τと表すことができる。ところで、測定によって得られた周期内位相時刻差ΔP0は、測定誤差がゼロであれば、前述の真の値に関する周期内位相時刻差ΔP’0と一致するものである。
そこで、新たに、位相オフセット補正ゼロクロス時刻の差ΔTo0pを、式ΔTo0p=ΔP0+M・τ、(Mは整数)によって定義し、ΔTo0pとΔTo0との差が±τ/2に入るように、パラメータである整数Mを調整する。すなわち、ΔTo0−τ/2≦ΔTo0p≦ΔTo0+τ/2の関係を満たすように整数Mを決める。そして、この位相オフセット補正ゼロクロス時刻の差ΔTo0pを用いて方位角を算出する。なお、オフセット補正が不要又は補正なしの場合は、位相補正ゼロクロス時刻の差ΔT0pが上記同様に定義されΔT0−τ/2≦ΔT0p≦ΔT0+τ/2の関係を満たすように決められる。
周期内位相時刻差ΔP0は、2つの位相時刻のうち基準とした位相時刻、例えば、センサAにおける位相時刻ATpの前後±τ/2以内に定義され、ΔP=ΔP0+N・τが満たされるように決定される。言い換えると、ΔP0は、−τ/2≦ΔP0≦τ/2の範囲で定義される。図12(a)は、ΔP≧0、ΔP0≧0の場合を示しており、図12(b)はΔP≧0、ΔP0≦0の場合を示している。同様に、図12(c)にΔP<0、ΔP0≦0の場合、図12(d)にΔP<0、ΔP0≧0の場合が示してある。
次に、具体的な角度計算処理を説明する。図13は、ゼロクロス時刻と位相時刻の測定値から方位角を算出するフローを示す。以下の説明において、前出の図11、図12等の説明で用いられた前提や符号が用いられる。方位角計算処理は、周期内位相時刻差ΔP0を求めるステップS1〜S13、位相オフセット補正ゼロクロス時刻の差ΔTo0pを求めるステップS14〜S19、角度値を決定するステップS20〜S24の順に行われる。各受信器A,Bで受信された信号が、障害物検出装置の各回路、及び中央制御部において、前述のいずれかの手順に従って処理される。まず、包絡線波が直線近似されオフセット電圧値との交差時刻、すなわちオフセット補正ゼロクロス時刻ta,tbが求められ、その差△To0=tb−taが計算されて所定のメモリ領域に記憶される(S1)。
続いて、2番目の閾値電圧V(2)によるエッジ時刻に対する、位相整形波における直前の立上り時刻が位相時刻ATp、BTpとして測定され、所定のメモリ領域に記憶される。その差分(BTp−ATp)が変数ΔP(位相時刻の差)に代入される(S2)。
続いて、上記△PからN・τ(Nは正負の値を取りうる整数)が減算され、その絶対値がτ/2以下とされ、減算処理されたΔPが所定のメモリ領域に記憶され、変数ΔP0(周期内位相時刻差)に代入される(S3〜S12)。すなわち、ΔP≧0の場合(S3でY)、その値が負になるまで繰り返して周期τが減算される(S4,S5)。その後、ΔPが負になる直前の値ΔP’=ΔP+τ(これは0≦ΔP’<τを満たす)が半周期τ/2より小さければ(S6でY)、その直前の値ΔP’=ΔP+τがΔP0とされる(S7)。これは前出の図12(a)に示される場合に対応する。また、ΔP’が半周期τ/2以上であれば(S6でN)、現時点のΔP(すなわちΔP’−τ)がΔP0とされる(S8)。これは前出の図12(b)に示される場合に対応する。ΔP≧0でない場合(S3でN)も同様に処理される。
続くステップでΔTo0pが求められる。すなわち、△To0p=△P0+M・τの値が|△To0|<τ/2を満たすように、ΔP0にM・τ(Mは正負の値を取りうる整数)が加算される。得られた△To0p値が所定のメモリ領域に記憶される。まず、上限max、下限minがΔTo0+τ/2、ΔTo0−τ/2によって決められる(S14)。その後、ステップS15,S16による周期τの減算、又は、その後、ステップS17,S18による周期τの加算が行われ、得られた結果ΔP0が、位相オフセット補正時刻の差ΔTo0pに代入され、また所定のメモリ領域に記憶される(S19)。
続くステップで方位角φが決定される。方位角φは2つの超音波センサの配置寸法、超音波の周波数、及び受信時刻差で決定されるものであり、受信時刻差と方位角の対応表が予め準備され、角度テーブルとして所定のメモリ領域に記憶されている。そこで、受信時刻差であるΔTo0p(の絶対値)に対応する方位角φ(の絶対値)を角度テーブルから読み出し(S20)、その角度が所定の上限角度、例えば75゜以上であれば(S21でY)、75゜を上限とし(S22)、また、ΔTo0pの符号に従って方位角φの符号が決定され(S23,S24)、最終の方位角φが得られる。
上述の上限角度は、実際の超音波送受波器における反射波検知可能領域(検知エリア)を超える領域に対する結果を除外するものである。従って、方位角φが75゜以上になる場合は、値無しという意味である。
上述の手順によって得られた障害物の方位角と、前述のいずれかに記載の方法を用いて、例えば式d=ta/2+α3(α3は所定の補正値)で得られた障害物までの距離dとが所定のメモリ領域に記憶され、所定の方法によりブザー鳴動、及び表示器駆動が行われて、運転手に対して障害物検知の報知が行われる。
次に、上述の手順で得られた方位角の値が安定する原理について説明する。図14は、上述の周期内位相時刻差△P0と、位相オフセット補正ゼロクロス時刻の差△To0pと、方位角の値の関係を模式的に示す。「△To0p±τ/2の間に含まれるΔP0±M・τを選択すること」は、「△P±M・τを中心とした±τ/2の領域(ゾーン)のどこに△To0が含まれるかによって、選択されるMを決めること」と等価である。例えば、ゾーンZ1に示す範囲内に、△To0が含まれる場合にはM=1が選択され、その際の角度値は、△P+τに相当する値が得られる。また、ゾーンZ2に△To0が来た場合には、M=2が選択され、その際の角度値は、△P0+2τに相当する値が得られる。すなわち、この方式では、△To0の変動が±τ/2生じても結果として得られる角度値は一定の値となる。
図15に上述の方法による測定データを示す。このデータは、距離が約90cm、方位角約0゜の位置の直径φ60mmのポールを静止して測定する場合の、2つの受信器の受信時刻差の測定結果である。超音波の周波数を48kHzとし、2つの超音波受信器の間隔を2cmとした場合、受信時刻の差1μsは約1゜に相当する。従来方式によると約±10゜の変動が見られるが、本方式によると測定値変動が±1゜以下に抑えられていることが分かる。なお、本発明は、上記構成に限られることなく種々の変形が可能である。
本発明の一実施形態に係る障害物検出装置のシステム構成図。 同装置の詳細システム構成図。 (a)〜(h)は同装置で処理される信号波形図。 同装置によるゼロクロス時刻の計算を示す図。 同装置によるゼロクロス時刻の実測データを示す図。 同装置によるゼロクロス時刻の比較例を示す図。 同装置による位相補正の例を示す図。 同装置による受信時刻測定結果の図。 本発明の一実施形態に係る障害物検出装置の他の例を示すシステム構成図。 同装置によるゼロクロス時刻の差を説明する信号波形図。 同装置によるゼロクロス時刻の差の位相補正を説明する図。 (a)(b)は同装置によるゼロクロス時刻差の位相補正を説明する図。 同装置による方位角計算処理フローチャート。 同装置による方位角と位相補正の概念を説明する図。 同装置による位相補正をした実測時間差の図。 (a)〜(d)は従来技術を説明する超音波の受信波形図。 障害物からの反射波の受信波形を示す波形図。 (a)(b)は本発明で用いられる方位角測定の原理図。
符号の説明
1 障害物検出装置
2 障害物
A 全波整流回路
B 包絡線形成回路
C 波形整形回路
D 時刻測定手段
E 演算回路
F 位相整形回路
G 位相時刻測定手段
H 受波回路部
I オフセット測定回路
J 増幅回路
R 受信器
SR 送受信器
U 超音波送信回路
T0 ゼロクロス時刻
To0 オフセット補正ゼロクロス時刻
T’p 位相補正ゼロクロス時刻
T’op 位相オフセット補正ゼロクロス時刻
T0 ゼロクロス時刻
T(n)、T(n,m) エッジ時刻
Tp、Tp(m) 位相時刻
W0 増幅受信波
W1 半波整流波
W2 2倍半波
W3 全波整流波
W4 包絡線波
WP 位相整形波
WQ(n) 2値整形波
ΔP0 周期内位相時刻差
ΔTo0p 位相オフセット補正ゼロクロス時刻の差

Claims (12)

  1. 超音波を用いて障害物の位置を検出する障害物検出装置であって、
    超音波信号を送信する送信器(S)と、
    前記送信器で送信した超音波信号の障害物からの反射波を受信する受信器(R)と、
    前記受信器(R)で受信した反射波の信号処理を行う受波回路(H)と、
    前記受波回路部(H)の出力を演算処理して障害物の位置を求める演算部(E)と、を備え、
    前記受波回路部(H)は、
    前記受信器(R)で受信した反射波の電圧信号を増幅する増幅回路(J)と、
    前記増幅回路(J)により増幅して得られた増幅受信波(W0)を半波整流する半波整流回路(A1)及び前記半波整流回路(A1)により整流して得られた半波整流波(W1)の振幅を2倍に増幅する2倍増幅回路(A2)及び前記2倍増幅回路(A2)により増幅して得られた2倍半波(W2)と前記増幅受信波(W0)を加算する加算回路(A3)を備えた全波整流回路(A)と、
    前記全波整流回路(A)により整流して得られた全波整流波(W3)を積分する積分回路(B1)を備えた包絡線形成回路(B)と、
    前記包絡線形成回路(B)により形成された包絡線波(W4)を複数の閾値電圧(V(n):nは整数)により2値化整形する波形整形回路(C)と、
    前記波形整形回路(C)により整形して得られた各2値整形波(WQ(n):nは整数)の立上りエッジ時刻(T(n):nは整数)を求める時刻測定手段(D)と、を備え、
    前記演算部(E)は、前記各閾値電圧(V(n))及び各エッジ時刻(T(n))から前記包絡線波(W4)の立上り部分を直線近似して得た近似直線(L)と0Vの電圧線との交点によりゼロクロス時刻(T0)を求めて、このゼロクロス時刻(T0)に基づいて障害物までの距離(d)を算出することを特徴とする障害物検出装置。
  2. 前記演算部(E)は、各閾値電圧(V(n))及び各エッジ時刻(T(n))のうち所定の2点(V(n1),T(n1))、(V(n2),T(n2))(n1≠n2)の値を用いて包絡線波(W4)の立上り部分を直線近似することを特徴とした請求項1に記載の障害物検出装置。
  3. 前記所定の2点(V(n1),T(n1))、(V(n2),T(n2))(n1≠n2)の値は閾値電圧の最も低い方の2つの電圧値を用いることを特徴とする請求項2に記載の障害物検出装置。
  4. 前記受波回路部(H)は、前記包絡線波(W4)のオフセット電圧の測定を行うオフセット測定回路(I)を有し、
    前記演算部(E)は、前記オフセット測定回路(I)が測定したオフセット電圧(Vof)と包絡線波(W4)の立上り部分を近似した直線の傾(K)とを用いて前記ゼロクロス時刻(T0)を補正したオフセット補正ゼロクロス時刻(To0)を式、
    To0=T0+Vof/K
    により求めて、このオフセット補正ゼロクロス時刻(To0)に基づいて障害物までの距離(d)を算出することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の障害物検出装置。
  5. 前記オフセット測定回路(I)は、送波開始から所定の前置時間(Tg)経過後に前記オフセット電圧の測定を開始し、前記包絡線波(W4)の各2値整形波(WQ(n))の最も早く受信した最早受信時刻(Te0)まで所定の測定間隔(Ts)で測定を行い、前記最早受信時刻(Te0)以前の所定の複数個の測定値の平均値をオフセット電圧(Vof)とすることを特徴とする請求項4に記載の障害物検出装置。
  6. 前記受波回路部(H)は、前記増幅受信波(W0)の振動中点電圧(Vc)を閾値電圧として2値化整形する位相整形回路(F)と、
    前記位相整形回路(F)により整形された位相整形波(WP)の立上り時刻を測定する位相時刻測定手段(G)と、を有し、
    前記位相時刻測定手段(G)は、前記エッジ時刻(T(n))の所定のエッジ検出後、位相整形波(WP)の最初の立上り時刻を位相時刻(Tp)とし、
    前記演算部(E)は、前記ゼロクロス時刻(T0)以前でありかつ前記ゼロクロス時刻(T0)に最も近い位相整形波(WP)の立上り時刻を、位相補正ゼロクロス時刻(T’p)として式、
    T’p=Tp−N・τ(N:整数、τ:超音波の周期)
    により求め、この位相補正ゼロクロス時刻(T’p)に基づいて障害物までの距離(d)を算出することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の障害物検出装置。
  7. 前記受波回路部(H)は、前記増幅受信波(W0)の振動中点電圧(Vc)を閾値電圧として2値化整形する位相整形回路(F)と、
    前記位相整形回路(F)により整形された位相整形波(WP)の立上り時刻を測定する位相時刻測定手段(G)と、を有し、
    前記位相時刻測定手段(G)は、前記エッジ時刻(T(n))の所定のエッジ検出後、位相整形波(WP)の最初の立上り時刻を位相時刻(Tp)とし、
    前記演算部(E)は、前記オフセット補正ゼロクロス時刻(To0)以前でありかつ前記オフセット補正ゼロクロス時刻(To0)に最も近い位相整形波(WP)の立上り時刻を、位相オフセット補正ゼロクロス時刻(T’op)として式、
    T’op=Tp−N・τ(N:整数、τ:超音波の周期)
    により求めて、この位相オフセット補正ゼロクロス時刻(T’op)に基づいて障害物までの距離(d)を算出することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の障害物検出装置。
  8. 1つ以上の超音波送信器(S)と2つ以上の超音波受信器(R(m):mは整数)と各超音波受信器(R(m))に対応する受波回路部(H(m):mは整数)とを備え、
    前記受波回路部(H(m))は、各受信器(R(m))により受信された信号から各包絡線波(W4(m):mは整数)を算出し、
    前記演算部(E)は、前記各包絡線波(W4(m))によるゼロクロス時刻(T0(m):mは整数)について所定の2つの受信器(R(m1)、R(m2):m1≠m2)のゼロクロス時刻の差(△T0)を式、
    △T0=T0(m2)−T0(m1)
    により求めて、このゼロクロス時刻の差(ΔT0)に基づいて障害物の方位を計算することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の障害物検出装置。
  9. 1つ以上の超音波送信器(S)と2つ以上の超音波受信器(R(m):mは整数)と各超音波受信器(R(m))に対応する受波回路部(H(m):mは整数)とを備え、
    前記受波回路部(H(m))は、各受信器(R(m))により受信された信号から各包絡線波(W4(m):mは整数)を算出し、
    前記演算部(E)は、前記各包絡線波(W4(m))に対して算出されたオフセット電圧を用いて補正された各受波信号のオフセット補正ゼロクロス時刻(To0(m):mは整数)について所定の2つの受信器(R(m1)、R(m2):m1≠m2)のオフセット補正ゼロクロス時刻の差(△To0)を式、
    △To0=To0(m2)−To0(m1)
    により求めて、このオフセット補正ゼロクロス時刻の差(△To0)に基づいて障害物の方位を計算することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の障害物検出装置。
  10. 前記受波回路部(H(m))は、各受信器で受信され増幅された増幅受信波(W0(m))の振動中点電圧(Vc(m):mは整数)を閾値電圧として2値化整形する位相整形回路(F(m):mは整数)と、
    前記位相整形回路(F(m))により整形された位相整形波(WP(m):mは整数)の立上り時刻(TP(m):mは整数)を測定する位相時刻測定手段(G(m))と、を有し、
    前記位相時刻測定手段(G(m))は、前記エッジ時刻(T(n,m):n,mは整数)の所定のエッジ検出後、位相整形波(WP(m))の最初の立上り時刻を位相時刻(Tp(m):mは整数)とし、
    前記演算部(E)は、所定の2つの受信器の位相時刻(Tp(m1),Tp(m2):m1≠m2)について求めた位相時刻の差(ΔP)、
    △P=Tp(m2)−Tp(m1)、
    に対して式、
    △P0=△P+N・τ、−τ/2≦△P0≦τ/2(N:整数,τ:超音波の周期)
    を満たす周期内位相時刻差(△P0)を求め、前記ゼロクロス時刻の差(△T0)に対して式、
    △T0p=△P0+M・τ(M:整数)、
    △T0−τ/2≦△T0p≦△T0+τ/2
    を満す位相補正ゼロクロス時刻の差(△T0p)に基づいて障害物の方位を計算することを特徴とする請求項8に記載の障害物検出装置。
  11. 前記受波回路部(H(m))は、各受信器で受信され増幅された増幅受信波(W0(m):mは整数)の振動中点電圧(Vc(m):mは整数)を閾値電圧として2値化整形する位相整形回路(F(m):mは整数)と、
    前記位相整形回路(F(m))により整形された位相整形波(WP(m):mは整数)の立上り時刻(TP(m):mは整数)を測定する位相時刻測定手段(G(m):mは整数)と、を有し、
    前記位相時刻測定手段(G(m))は、前記エッジ時刻(T(n、m):n,mは整数)の所定のエッジ検出後、位相整形波(WP(m))の最初の立上り時刻を位相時刻(Tp(m):mは整数)とし、
    前記演算部(E)は、所定の2つの受信器の位相時刻(Tp(m1),Tp(m2):m1≠m2)について求めた位相時刻の差(ΔP)、
    △P=Tp(m2)−Tp(m1)、
    に対して式、
    △P0=△P+N・τ、−τ/2≦△P0≦τ/2(N:整数,τ:超音波の周期)
    を満たす周期内位相時刻差(△P0)を求め、前記オフセット補正ゼロクロス時刻の差(△To0)に対して式、
    △To0p=△P0+M・τ(M:整数)、
    △To0−τ/2≦△To0p≦△To0+τ/2
    を満す位相オフセット補正ゼロクロス時刻の差(△To0p)に基づいて障害物の方位を計算することを特徴とする請求項9に記載の障害物検出装置。
  12. 前記位相時刻測定手段(G又はG(m))は、上記エッジ時刻(T(n)又はT(n,m))の最も電圧値の高い閾値に対応するエッジ検出後の最初の立上り時刻を位相時刻(Tp又はTp(m))とすることを特徴とする請求項6又は請求項7又は請求項10又は請求項11に記載の障害物検出装置。
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