JP2005069509A - 熱交換装置 - Google Patents

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Takayuki Shimamune
孝之 島宗
Masafumi Yagawa
雅史 矢川
Kunio Nishimura
国男 西村
Seiichi Ichikawa
精一 市川
Hiroyoshi Nishigori
弘宜 錦織
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Katayama Chemical Inc
Hisaka Works Ltd
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Katayama Chemical Inc
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Abstract

【課題】海水冷却水系にも十分適用できるプレート式熱交換器を備えた熱交換装置を提供すること。
【解決手段】熱交換装置は、積み重ねられた複数枚の伝熱プレートの間に交互に形成された複数の第1および第2流液室を備え、複数の第1流液室に連通して第1液体の供給と排出をそれぞれ行う細長い第1および第2連通孔と、複数の第2流液室に連通して第2液体の供給と排出をそれぞれ行う細長い第3および第4連通孔とを有するプレート式熱交換器と、プレート式熱交換器内に形成される第1および第2電極とを備え、第1および第2電極の一方が細長い棒状電極であって、第1および第2連通孔の少なくとも一方に長軸方向に挿入され、第1液体を介して第1および第2電極間に通電できるように構成される。
【選択図】図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、熱交換装置に関し、さらに詳細には、プレート式熱交換器を備えた熱交換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この発明に関連する技術としては、海水が流入・排出する海水容器内に浸漬された熱交換パイプに熱水を導入するようにした熱交換器において、熱交換パイプを陽極とし、海水容器内に陰極を設置したもの(例えば、特許文献1参照)や、海水と接する構造物の海水側表面に電気的触媒を設け、電気的触媒から酸素を発生させて海生生物の付着を防止する、海水に接する構造物の防汚装置(例えば、特許文献2参照)などが知られている。
【0003】
【特許文献1】
特公平1−46595号公報(第9欄、第27〜37行)
【特許文献2】
特開2002−167725号公報(段落[0013])
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
熱交換器は、温度の異なる2種類の流体の熱的な接触によって熱エネルギーの交換を行う装置であり、流体を介して各種装置の冷却、加温を行ったり、流体の復水、気化などに広く用いられている。なかでもプレート式熱交換器は、省スペース化が可能で機器の重量が軽く、熱効率の高い熱交換器として各種産業で利用されている。
【0005】
一方、淡水を冷却水としている工場では、その冷却水系にスライムやスケールが付着して各種障害が生じるという問題がある。
また、海水を冷却水として利用する火力発電所や石油精製工場などでは、その冷却水系にムラサキイガイ、フジツボ、ヒドロムシ、コケムシなどの海生付着生物やスライムなどが付着して各種障害が生じるという問題がある。
特に熱交換器に付着した場合には、熱交換率を著しく低下させ、さらに海生付着生物やスライムがストレーナや熱交換器を閉塞させたり、腐食させたりするなどの障害が生じる。
【0006】
従って、海水冷却水系にプレート式熱交換器を設置した場合には、伝熱プレート間距離が狭く、少量の付着物により熱交換率の低下や腐食などの障害が生じるので、海水冷却水系に適用可能なプレート式熱交換器の実現が要望されてきた。この発明はこのような事情を考慮してなされたもので、海水冷却水系にも十分適用できるプレート式熱交換器を備えた熱交換装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、積み重ねられた複数枚の伝熱プレートの間に交互に形成された複数の第1および第2流液室を備え、複数の第1流液室に連通して第1液体の供給と排出をそれぞれ行う細長い第1および第2連通孔と、複数の第2流液室に連通して第2液体の供給と排出をそれぞれ行う細長い第3および第4連通孔とを有するプレート式熱交換器と、プレート式熱交換器内に形成される第1および第2電極とを備え、第1および第2電極の一方が細長い棒状電極であって、第1および第2連通孔の少なくとも一方に長軸方向に挿入され、第1液体を介して第1および第2電極間に通電できるようにした熱交換装置を提供するものである。
つまり、この発明による熱交換装置は、第1液体として海水又は淡水を用い、第1および第2電極間に第1液体を介して通電することにより、第1液体を電気分解し、付着物の生成や付着を防止する物質をプレート式熱交換器内に発生させることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
この発明による熱交換装置は、積み重ねられた複数枚の伝熱プレートの間に交互に形成された複数の第1および第2流液室を備え、複数の第1流液室に連通して第1液体の供給と排出をそれぞれ行う細長い第1および第2連通孔と、複数の第2流液室に連通して第2液体の供給と排出をそれぞれ行う細長い第3および第4連通孔とを有するプレート式熱交換器と、プレート式熱交換器内に形成される第1および第2電極とを備え、第1および第2電極の一方が細長い棒状電極であって、第1および第2連通孔の少なくとも一方に長軸方向に挿入され、第1液体を介して第1および第2電極間に通電できるようにしたことを特徴とする。
【0009】
この発明による熱交換装置では、例えば、第1液体を海水または淡水などの冷却水とすることができ、第2液体を被冷却水としての工場用循環水とすることができる。
また、この発明による熱交換装置において、第1および第2連通孔、並びに、第3および第4連通孔の第1および第2流液室に対する配置位置は、とくに限定されず、任意に設定できる。
【0010】
この発明に用いる熱交換器において、伝熱プレートとしては、例えば、チタン、チタン合金、ステンレス、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金などからなるものが用いられる。伝熱プレートの伝熱面には、熱伝達率を増大させるための凹凸パターンが形成されることが好ましい。
【0011】
また、この発明による熱交換装置において、第1電極は陰極であり、第2電極が陽極であり、第1電極は表面積が第2電極より大きいことが好ましい。
この場合、陰極材料としては、チタン、ニッケル、銅、ステンレススチール等が挙げられる。また、陽極材料としては、シリコン、チタン、ジルコニウム、ニオブ、タンタル等やそれらの合金、さらには表面に安定な酸化物被膜を形成するいわゆる弁金属、炭素、導電性ダイヤモンドなどの非金属、導電性酸化チタン、酸化スズ(SnO)、酸化鉛(PbO)、二酸化マンガン(MnO)等導電性化合物等が挙げられる。
また、これらの電極材料の表面の一部または全部に、白金、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)等の白金族金属やそれらの酸化物、その他の導電性化合物(窒化物等)または導電性ダイヤモンドなどの非金属の被覆処理を施すことが、電極材質の保護、導電性の保持、電極反応の促進等の点で好ましい。
これらの被覆処理には、目的に応じて種々の変形を施してもよい。例えば、電極の導電性や耐久性を保持するためには、酸化ルテニウム(RuO)と酸化チタン(TiO)とからなる複合酸化物や、酸化イリジウム(IrO)と酸化タンタル(Ta)とからなる複合酸化物を好適に使用することができる。
【0012】
また、この発明による熱交換装置は、第1および第2電極に接続される直流電源と、その極性を逆転させる切換え機構とをさらに備えることが好ましい。
このような構成によれば、陰極周辺のpHが高くなり、陰極表面やその近傍に炭酸カルシウムや水酸化マグネシウムなどの化合物が付着又は沈殿した場合に、一時的に陽極と陰極を逆転することによりその化合物を除去することができる。第1および第2電極に接続される直流電源には直流定電流電源が好適であり、出力電流値を設定できるものが好ましい。供給する直流電流は、0.0001〜10A/dm、さらに0.01〜3A/dmの範囲とするのが好ましい。
また、この熱交換装置に接続される冷却水系には、スライム防止剤やスケール防止剤、あるいは海生生物付着防止剤等の薬剤が添加されてもよい。
これらの薬剤としては、例えば、過酸化水素、塩素剤、臭素剤などが挙げられる。
【0013】
また、この発明による熱交換装置は、第1電極を、第1および第2連通孔の少なくとも一方に挿入される筒状で籠型の導電体から構成し、第2電極を筒状籠型導電体内に同軸に支持される細長い棒状導電体から構成してもよい。
【0014】
また、この発明による熱交換装置は、伝熱プレートの少なくとも1枚を導電体から構成して第1電極を形成し、第2電極を第1および第2連通孔の少なくとも一方に長手方向に挿入した棒状電極から構成してもよい。
この場合、棒状電極は、単一のものでもよいが、平行な複数本の棒状のものでもよい。
また、この棒状電極は中空であってもよいし、筒状の籠型(メッシュ状)であってもよく、表面積を広くできる構造を種々選択できる。
【0015】
【実施例】
以下、図面に示す実施例に基づいてこの発明を詳細に説明する。なお、複数の図面において、同じ部材には同じ符号を用いて説明する。
【0016】
実施例1
この発明の実施例1による熱交換装置について図1〜8に基づいて説明する。図1は実施例1による熱交換装置の斜視図、図2は分解斜視図、図3は側面図、図4は背面図、図5は要部分解側面図、図6は図1のA−A断面図、図7は図1のB−B断面図、図8は装置の要部説明図である。
【0017】
これらの図に示されるように、熱交換装置100は、水平方向に重ねられた複数枚の伝熱プレート1の間に交互に形成された複数の第1および第2流液室2,3を備え、各第1流液室2に連通して第1液体の供給と排出をそれぞれ行う細長い第1および第2連通孔4,5と、各第2流液室3に連通して第2液体の供給と排出をそれぞれ行う細長い第3および第4連通孔6,7とを有するプレート式熱交換器50を備える。プレート式熱交換器50は、第1連通孔4に挿入された筒状籠型電極(第1電極)61と、筒状籠型電極61内に同軸に支持される細長い棒状電極(第2電極)65とを備え、第1液体を介して筒状籠型電極61と棒状電極65間で通電できるように構成されている。
なお、筒状籠型電極61および棒状電極65は、さらに第2連通孔5に装着されてもよい。
【0018】
図1および図2に示されるように、複数の伝熱プレート1は各々がガスケット8a,8b,8cを介して水平方向に重ねられ、正面側フレーム11および背面側フレーム12によって両端から挟まれ、6組のボルト9およびナット10で締め付けられている。
【0019】
図2に示されるように、形状の異なるガスケット8a,8bは2枚の伝熱プレート1間に設けられる。ガスケット8a,8bは、それぞれ両側から伝熱プレート1に挟まれて、第1および第2流液室2,3を形成する。
これにより、図1および図3に示されるように、第1流液室2と第2流液室3が交互に形成され、第1および第2流液室2,3に第1および第2液体をそれぞれ流すことにより、第1液体と第2液体の間で伝熱プレート1を介して熱交換が行なわれる。
また、正面側フレーム11と伝熱プレート1との間に挟まれるガスケット8cはこれらの間をシールする。なお、ガスケット8cは、第1、第2、第3および第4連通孔4,5,6,7を形成することのみを目的とし、ガスケット8a,8bのように第1および第2流液室2,3を形成しない。
【0020】
冷却水としての第1液体は、図1に示す第1連通孔4へ通ずる正面側フレーム11の第1導入口13から供給され、図6および図8の矢印で示すように各第1流液室2を通り、図1に示す第2連通孔5を介して第1排出口14から排出される。
一方、被冷却水としての第2液体は、図1に示す第3連通孔6へ通ずる正面側フレーム11の第2導入口15から供給され、図7の矢印で示すように各第2流液室3を通って第1液体と熱交換を行った後、図1に示す第4連通孔7と通ずる第2排出口16から排出される。
なお、第1導入口13から供給された第1液体が各第1流液室2を通って第2導入口15から排出され、第1排出口14から供給された第2液体が各第2流液室3を通って第2排出口16から排出されるように、ガスケット8a,8bを構成することもできる。
【0021】
図2に示されるように、背面側フレーム12には、筒状籠型電極61を第1連通孔4内へ挿入するための挿入口17が形成され、筒状籠型電極61はフランジ部62がパッキン21aを介して背面側フレーム12の表面に当接するまで挿入される。
【0022】
筒状籠型電極61が背面側フレーム12の挿入口17から挿入された状態で、背面側フレーム12の挿入口17を塞ぐように蓋部材18がパッキン21bを介してボルト止めされることにより、筒状籠型電極61はフランジ部62が背面側フレーム12の表面にパッキン21aを介して固定される。
【0023】
また、図2および図5に示されるように、蓋部材18は棒状電極65を挿通させるための挿入口19を有し、棒状電極65はフランジ部66が蓋部材18の表面に当接するまで挿通される。
図3〜5に示されるように、棒状電極65が蓋部材18の挿入口19(図2および図5参照)を介して挿通された状態で、棒状電極65のフランジ部66が蓋部材18にパッキン68を介してボルト止めされることにより、棒状電極65は筒状籠型電極61と同芯状に支持固定される。
【0024】
図3および図5に示されるように、筒状籠型電極61のフランジ部62からは端子部63が突出しており、図3に示されるように、この端子部63に定電流電源70の陰極71から延びるコードの先端に設けられた端子73がボルト止めされる。
一方、棒状電極65は一端にネジ孔が形成されており、このネジ孔に定電流電源70の陽極72から延びるコードの先端に設けられた端子74がボルト止めされる。
なお、定電流電源70は出力電流が調整可能であり、定電流電源70には、その出力の極性を逆転させる切換えスイッチ(切換え機構)75が設けられている。
切換えスイッチ75は、通電によって陰極71の周辺のpHが高くなり、陰極71やその近傍に炭酸カルシウムや水酸化マグネシウムなどの化合物が沈殿した場合に、一時的に極性を逆転させて前記化合物の沈殿を除去するために用いられる。
【0025】
以下、熱交換装置を構成する各部材について詳細に説明する
伝熱プレート
伝熱プレート1はチタンからなり、通常は長方形で、板厚は0.4〜1.0mmである。図2に示すように、四隅には第1〜第4連通孔4,5,6,7に対応する第1〜第4開口23,24,25,26がそれぞれ形成されている。また、図示されないが、伝熱プレートの表面には、ガスケット8a,8bをそれぞれ嵌め込むための溝と、熱交換に寄与する表面積を増大させるための波状凹凸がプレス成型によって形成されている。
なお、図2に示されるように、最も背面側フレーム12側へ配置される伝熱プレート1aは、筒状籠型電極61および棒状電極65を挿通可能とするために、第1開口23のみが形成され、第2〜第4開口24,25,26は形成されない。伝熱プレート1aと背面側フレーム12との間はガスケット22によってシールされる。
【0026】
ガスケット
図2に示すガスケット8a,8b,8cは合成ゴムからなりる。図面では、分かり易いように厚さを拡大して描いている。
【0027】
正面側フレーム
図2に示す正面側フレーム11は長方形の鋼板からなる。図示されないが、第1および第2導入口13,15、並びに、第1および第2排出口14,16の周囲にはスタッドボルトが埋込まれ、冷却水を導入・排出するための配管および被冷却水を導入・排出するための配管のフランジがそれぞれボルト止めされるようになっている。
【0028】
背面側フレーム
図2に示す背面側フレーム12は長方形の鋼板からなる。筒状籠型電極61を挿入するための挿入口17は、第1連通孔4(図1および図3参照)の中心軸と同軸となるように形成されている。図5に示すように、挿入口17の周囲には蓋部材18を固定するためのスタッドボルトが埋込まれている。また、背面側フレーム12の伝熱プレート1a(図2参照)との対向面には、ガスケット22を嵌め込むための溝が挿入口17の周囲に形成されている。
【0029】
蓋部材
図2に示す蓋部材18は円板状で、外縁近傍にはボルトを挿通するための貫通孔20が形成されている。また、図5に示すように、蓋部材18の中心には棒状電極65を挿通するための挿入口19が形成され、挿入口19の周囲には棒状電極65のフランジ部66をボルト止めするためのネジ孔が形成されている。また、蓋部材18の背面側フレーム12と対向する面には合成ゴムからなるシート状のパッキン21bが取り付けられている。
【0030】
筒状籠型電極
図2に示す筒状籠型電極61はチタンからなり、籠部64、フランジ部62および端子部63とから構成されている。籠部64は、貫通孔が多数形成され、全体としてメッシュ状になっている。
フランジ部62は円板状で、図5に示すように、中心に棒状電極65を挿通するための開口62aが形成されている。
端子部63は細長い板状で、図5に示すように先端がクランク状に折り曲げ加工されている。
籠部64、フランジ部62および端子部63はそれぞれTIG溶接によって接合される。
【0031】
棒状電極
図2に示す棒状電極65は、表面に電極物質として厚さ約1ミクロンのRuOとTiOとからなる複合酸化物被膜を設けたチタンからなる電極棒69と、電極棒69の一端側に設けられた樹脂製の取り付け用のフランジ部66とから構成されている。電極棒69は細長い円柱状である。
図5に示すように、フランジ部66は、蓋部材18と対向する面に合成ゴムからなるシート状のパッキン68が装着されている。フランジ部66は、電極棒69が挿通された状態で蓋部材18にボルト止めされる。図2および図5に示すように、フランジ部66の外周近傍にはボルトを挿通するための貫通孔67が形成されている。
なお、フランジ部66は電極棒69を金型に保持した状態でエポキシ樹脂を注入する射出成型によって電極棒69と一体的に成型される。
また、電極棒69は、半径方向に突出する複数のフィン状の絶縁体を備えて、筒状籠型電極61の軸心に確実に保持されるようにしてもよい。
【0032】
以上のように構成された実施例1による熱交換装置100に冷却水と被冷却液をそれぞれ通水し、定電流電源70から所定の電流を継続的に通電する。
ここで、冷却水は淡水または海水のいずれであってもよい。また冷却水にはスライム防止剤やスケール防止剤、あるいは海生生物付着防止剤等の薬剤が注入されることが好ましいが、必ずしも必須ではない。つまり、薬剤が注入されていない冷却水であっても所定の電流を継続的に通電することにより付着物の付着防止が図られ、薬剤の注入によりその効果はさらに増大する。
【0033】
実施例2
この発明の実施例2による熱交換装置について図9および図10に基づいて説明する。図9は実施例2による熱交換装置の側面図、図10は実施例2による熱交換装置の要部説明図である。
【0034】
図9に示されるように、実施例2による熱交換装置200は、実施例1で陰極として用いた筒状籠型電極61(図2および図3参照)の代わりに、各伝熱プレート201を陰極(第1電極)として用いている点が実施例1と異なっている。
【0035】
これに伴い、伝熱プレート201には電流を流れ易くするためのRuOコーティング(膜厚0.1μm)が施されると共に、各伝熱プレート201の下部に端子73をビス留めするための端子プレート222がTIG溶接によって取り付けられる。
各端子プレート222には、定電流電源70の陰極71から延びるコードの端子73がそれぞれビス留めによって取り付けられる。
また、筒状籠型電極61(図2および図5参照)が不要となるため、背面側フレーム212は、挿入口217の直径が15mmに縮小され、この挿入口217に、銅棒からなる心材と、その表面に被覆されたTiを含むマグネリ層酸化チタン焼結体とからなる棒状電極65のフランジ部66が固定される。その他の構成は上述の実施例1と同じである。なお、棒状電極65を、第2連通孔5内にさらに設けてもよい。
【0036】
実施例2による熱交換装置200に冷却水としての海水あるいは過酸化水素が添加された海水と、被冷却水としての加熱状態にある工場用循環水をそれぞれ図10に示すように通水し、定電流電源70から所定の電流を継続的に通電する。所定の電流を継続的に通電することにより付着物の付着防止が図られ、過酸化水素が添加された海水ではその効果がさらに増大する。その理由は、熱交換装置200内の陰極である伝熱プレート201からヒドロキシラジカルが発生し、効果的に付着物の付着防止が図られるものと考えられる。
【0037】
実施例3
この発明の実施例3による熱交換装置について図11および図12に基づいて説明する。図11は実施例3による熱交換装置の側面図、図12は実施例3による熱交換装置の要部説明図である。
図11および図12に示されるように、実施例3による熱交換装置300は、棒状電極65(図2および図3参照)の代わりに筒状籠型電極61を陽極として用い、各伝熱プレート201を陰極として用いている点が実施例1と異なっている。
なお、筒状籠型電極61はチタンで形成されており、その表面にIrOとTaからなる複合酸化物コーティングが形成されている。複合酸化物コーティングは、厚さが約0.5μmで、IrOとTaのモル比が2:1である。
【0038】
上述のように、筒状籠型電極61が陽極として用いられ、各伝熱プレート201が陰極として用いられることに伴い、実施例1とは異なる蓋部材318、すなわち実施例1の蓋部材18の挿入口19(図6参照)を塞いだものが蓋部材318として用いられる。
また、実施例2と同様に各伝熱プレート201にはRuOコーティングが施されると共に、各伝熱プレート201の下部に端子プレート222が溶接によって取り付けられ、定電流電源70の陰極71から延びるコードの端子73がビス留めされる。その他の構成は実施例1と同じである。この実施例3によっても実施例1,2と同様の効果が得られる。
【0039】
なお、この発明による熱交換装置の更に他の態様として、第1連通孔4と第2連通孔5に棒状電極65と筒状籠型電極61がそれぞれ設けられてもよい。
また、実施例1〜3において、棒状電極65および筒状籠型電極61は、正面側フレーム11側から挿入されてもよい。この場合、背面側フレーム12,212の挿入口17,217は不要となる。
また、実施例2または3のように、伝熱プレート201を陰極として用いる場合であって、重ねられた各伝熱プレート201が互いに十分に接触して電気的導通が得られるように構成された場合には、任意の一枚の伝熱プレート201の下部に端子プレート222を設け、それに定電流電源70の陰極71を接続することによって、各伝熱プレート201への通電を行うことができる。また、前述の状態で正面側フレーム11あるいは背面側フレーム12と各伝熱プレート201が十分な電気的導通が得られる場合には、少なくとも一方のフレームに陰極71を接続してもよい。
また、実施例1〜3による熱交換装置100,200,300は、いずれも比較的小型であるが、もちろん実施例1〜3の構成を大型の熱交換装置に適用することもできる。
大型の熱交換装置に適用した場合、筒状籠型電極や棒状電極の長さや重量が増加するため、筒状籠型電極や棒状電極の周囲に絶縁材料で形成されたフィン状のリブを第1液体が通水できるように取り付け、これらの電極の支持を確実にすることが好ましい。
【0040】
【発明の効果】
この発明によれば、第1および第2電極間に第1液体を介して通電することにより、第1液体を電気分解し、付着物の生成や付着を防止する物質をプレート式熱交換器内に発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1による熱交換装置の斜視図である。
【図2】図1に示される熱交換装置の分解斜視図である。
【図3】図1に示される熱交換装置の側面図である。
【図4】図1に示される熱交換装置の背面図である。
【図5】図1に示される熱交換装置の要部分解側面図である。
【図6】図3のA−A断面図である。
【図7】図3のB−B断面図である。
【図8】実施例1による熱交換装置の要部説明図である。
【図9】実施例2による熱交換装置の側面図である。
【図10】実施例2による熱交換装置の要部説明図である。
【図11】実施例3による熱交換装置の側面図である。
【図12】実施例3による熱交換装置の要部説明図である。
【符号の説明】
1,1a,201・・・伝熱プレート
2・・・第1流液室
3・・・第2流液室
4・・・第1連通孔
5・・・第2連通孔
6・・・第3連通孔
7・・・第4連通孔
8a,8b,8c,22・・・ガスケット
9・・・ボルト
10・・・ナット
11・・・正面側フレーム
12・・・背面側フレーム
13・・・第1導入口
14・・・第1排出口
15・・・第2導入口
16・・・第2排出口
17,19,217・・・挿入口
18,318・・・蓋部材
20,67・・・貫通孔
21a,21b,68・・・パッキン
23・・・第1開口
24・・・第2開口
25・・・第3開口
26・・・第4開口
50・・・プレート式熱交換器
61・・・筒状籠型電極
62,66・・・フランジ部
63・・・端子部
64・・・籠部
65・・・棒状電極
70・・・定電流電源
71・・・陰極
72・・・陽極
73,74・・・端子
75・・・切換えスイッチ
100,200,300・・・熱交換装置
222・・・端子プレート

Claims (5)

  1. 積み重ねられた複数枚の伝熱プレートの間に交互に形成された複数の第1および第2流液室を備え、複数の第1流液室に連通して第1液体の供給と排出をそれぞれ行う細長い第1および第2連通孔と、複数の第2流液室に連通して第2液体の供給と排出をそれぞれ行う細長い第3および第4連通孔とを有するプレート式熱交換器と、プレート式熱交換器内に形成される第1および第2電極とを備え、第1および第2電極の一方が細長い棒状電極であって、第1および第2連通孔の少なくとも一方に長軸方向に挿入され、第1液体を介して第1および第2電極間に通電できるようにした熱交換装置。
  2. 第1電極は、第1および第2連通孔の少なくとも一方に挿入される筒状で籠型の導電体からなり、第2電極は筒状籠型導電体内に同軸に支持される細長い棒状導電体からなる請求項1記載の熱交換装置。
  3. 伝熱プレートの少なくとも1枚が、導電体から構成されて第1電極を形成し、第2電極は、第1および第2連通孔の少なくとも一方に長手方向に挿入された棒状電極からなる請求項1記載の熱交換装置。
  4. 第1電極は陰極であり、第2電極が陽極であり、第1電極は表面積が第2電極より大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の熱交換装置。
  5. 第1および第2電極に接続される直流電源と、その極性を逆転させる切換え機構とをさらに備える請求項1〜4のいずれか1つに記載の熱交換装置。
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