JP2005069238A - エンジンの排出ガス浄化システム - Google Patents

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Abstract

【課題】走行と停止を頻繁に繰り返すディーゼル自動車の都市内走行では高温と低温に激しく変動する排気ガスが排出されるが、このような運転条件下でもDPF装置の再生を可能にすると共に、排気ガス浄化装置の排出ガス浄化を促進する。
【解決手段】並列に配設した第1排気通路フィルタ42aと第2排気通路フィルタ42bを交互に高温に維持する制御を行い、都市内走行時にもフィルタの再生を可能とする。第1排気通路フィルタ42aを高温に維持する場合は、第1気筒群72aを優先的に稼動気筒群として運転すると同時に、気筒群排気流路切替弁160の弁板61を調節して当該フィルタへの低温排気ガスの流入を禁止して、当該フィルタの冷却を防止する。第2排気通路フィルタ41bを高温に維持する場合も同様の制御を行う。
【選択図】 図4

Description

本発明は、都市内走行中の自動車のエンジンから排出されるにパティキュレートを捕集して除去するDPF装置のフィルタ再生を促進すると共に、NOx等の有害排出ガスの浄化率の向上を図ることを目的とする。
最近のディーゼル自動車では、自動車排出ガス規制の強化に適合させるため、ディーゼルエンジンから排出される黒煙およびディーゼル粒子状物質(Particulate Matter)(以下「パティキュレート」という)を浄化する粒子状物質除去装置(Diesel Particulate Filter)(以下DPF装置という)が装着されている。このDPF装置ではエンジンから排出されるパティキュレートを捕集するためにフィルタとフィルタに捕集したパティキュレートを除去する再生機構が備えられている。このフィルタの代表的な例としてのコージェライトや炭化珪素を基材とした多孔質セラミックスから成るウォールフローモノリスが多く用いられている。そして、DPF装置ではディーゼルエンジンの運転時にフィルタによるパティキュレートの捕集機能を継続的に発揮させるため、DPF装置にはフィルタに捕集されたパティキュレートをフィルタから除去するフィルタの再生機能を有していることが必要である。その他、ディーゼルエンジンからはNOx、CO、HCの有害排出ガス(以下排出ガスという)も排出されるため、CO、HCおよびパティキュレート中の可溶性有機物を酸化して浄化する酸化触媒装置、通常の酸素過剰雰囲気の運転時はNOxを触媒中に吸蔵して還元雰囲気運転時にNOxを還元して浄化するNOx吸蔵還元触媒装置(以下NOx吸蔵触媒装置という)、排気ガス中に尿素水を噴霧状で注入して尿素を熱分解と加水分解して発生したアンモニアでNOxを還元して浄化する尿素還元型NOx触媒装置(Urea Selective Catalytic Reduction system)等の排気ガス浄化装置の研究も行われている。
ところで、DPF装置のフィルタに捕集されたパティキュレートは600℃以上の温度に維持できればパティキュレート自体が燃焼し、パティキュレートはフィルタから自動的に再生される特性がある。しかし、通常のディーゼル自動車の都市内走行では、走行と停止が繰り返されるため、エンジンの負荷はアイドリングから高負荷の広い範囲で負荷が変動し、排気温度が100℃〜650℃の範囲で変動する。このような状態でフィルタに捕集堆積したパティキュレートを600℃以上の温度に維持してパティキュレートを自己燃焼させることは困難である。この問題を解決するため、フィルタに酸化触媒を担持してフィルタに捕集堆積したパティキュレートの酸化温度を下げる媒再生方式やフィルタの上流に酸化触媒を配設して排気ガス中のNOをNOに変換して酸化力の強いNOによりフィルタに捕集堆積したパティキュレートを300℃程度で酸化させる連続再生式のDPF装置が開発されている。
しかしながらこれら酸化触媒再生式や連続再生式のDPF装置においてもフィルタ温度が300℃前後の温度以下の状態ではパティキュレートを燃焼させることができないためフィルタの再生が不能となる。特にディーゼル自動車の都市内走行においては加速時にはエンジンが高負荷運転では排気ガス温度は300℃以上となるが、減速時や信号待ち停止時のアイドリング時には排気ガス温度は100℃前後に低下する。一般に都市内走行では走行の全体に占めるアイドリング運転時間は、日常的に40%に達しているのが現状である。このような都市内の信号間の距離が短いディーゼル自動車の走行の場合、加速中には300℃以上の高温の排気ガスがDPF装置に流入して触媒やフィルタを加熱できるが、数秒間の加速では触媒担体やフィルタ自体が大きな熱容量を有しているために短時間では触媒担体やフィルタの温度を300℃以上に上昇させることはできない。そして加速後の減速中には100℃前後の低温排気ガスの流入による触媒担体やフィルタの冷却によりされるため、都市内走行では触媒担体やフィルタの温度が300℃以上に上昇する機会が無いため、酸化触媒再生式や続再生式のDPF装置の再生ができないのが現状である。
酸化触媒再生式や連続再生式のDPF装置において再生機能を発揮させるためには、触媒の活性化による捕集パティキュレートが燃焼して除去できるまでの期間、フィルタに担持した触媒が十分に活性化する300℃以上の温度に持続されていることが必要がある。ディーゼル自動車の都市内走行では、エンジンの負荷はアイドリングから高負荷の広い範囲で負荷が変動するため、排気ガス温度も100℃〜650℃の範囲で著しく変動する。そのためエンジンからの排気ガスをそのまま酸化触媒再生式や続再生式のDPF装置に流入させた場合にはDPF装置のフィルタ温度を十分な温度に上昇させることができないため、フィルタは再生されない状態となる。フィルタを再生可能とする温度に上昇させるため、再生しようとするフィルタには低温の排気ガスを流入させないようにしてフィルタの冷却を防止する必要がある。
同様に、酸化触媒装置、NOx吸蔵触媒装置または尿素還元型NOx触媒装置等の排気ガス浄化装置に排出ガス浄化機能を発揮させるためには、DPF装置の再生の場合と同様に、排気ガス浄化装置の触媒が活性化する温度に上昇させる必要があり、これら排気ガス浄化装置に流入する排気ガス温度を高温化する工夫が必要である。
また、ディーゼルエンジンと同様なNOx、CO、HCおよびパティキュレートの有害排出ガスを排出する液体燃料パイロット噴射自己着火型天然ガスエンジンの排出ガス浄化のためには、ディーゼルエンジンと同様のDPF装置の装着や酸化触媒装置、NOx吸蔵触媒装置または尿素還元型NOx触媒装置等の排気ガス浄化装置の装着が必要であり、都市内走行でのDPF装置や排出ガス浄化装置の十分な機能発揮による排出ガス浄化の効果えるためにはディーゼルエンジンと同様のDPF装置のフィルタの冷却を防止対策や排気ガス浄化装置に流入する排気ガス温度の高温化を図る必要である。
かかる技術に関連する資料としては排気ガスを2つの排出ガス流れに分流する分岐部と2つ排気通路のそれぞれの途中に触媒を担持したフィルタを並列に配設し、フィルタの下流の2つ排出ガス流れを合流する排出ガス通路の集合部を備え、フィルタ上流の分岐部又はフィルタ下流の集合部の何れかに通路切替弁を設け、分岐部の上流に設けた排気ガス温度計により検知した排気温度により2つ排気通路のそれぞれにフィルタまたは触媒を設け、2つ排気通路の何れかを閉じる機構のDPF装置に関する特許文献1および知特許文献2、特許文献3および特許文献4が公知である。またディーゼルエンジンから排出されるパティキュレートを削減するため、燃料として軽油の他に天然ガスを使用する特許文献5が公知である。
特許文献1の技術は、2つ排気通路のそれぞれの途中に触媒を担持したフィルタを並列に配設し、DPF装置の上流の排気ガス温度が触媒の活性化温度を超えた状態から所定値以下に低下した時、通路切替弁により一定時間、2つ排気通路の片方のフィルタへの排出ガスの流入を停止し、排気ガスの流入を禁止したフィルタを保温して触媒による再生を行わせようとしたものである。
特許文献2の技術は、2つ排気通路のそれぞれの途中に、所定の温度条件を満たす時に高い浄化率で浄化する触媒を担持したフィルタを並列に配設し、少なくとも一方の排気通路に所定の温度条件を満たすように2つに排気通路に流れ込む排気ガスの流量の割合を変更するようにしたものである。
特許文献3の技術は、多気筒エンジンを2個の気筒群に分割し、気筒群毎に吸気通路と排気通路を設けると共に各排気通路のそれぞれにフィルタを設け、各気筒群に吸気を分流する吸気通路の分岐部に吸気絞り弁設けた、片方の気筒群に吸入する空気量を制限することにより排気ガス温度を上昇させて吸入空気量を制限した気筒群のフィルタを再生せしめるようにしたものである。
特許文献4の技術は、多気筒エンジンを複数の気筒群に分け、各気筒群の排気通路を独立して配設し、各気筒群の排気通路毎に触媒を配設し、エンジンの部分負荷条件下では一部の気筒群の運転を休止気筒群とし、残りの気筒群を稼動気筒群として運転する気筒群休止エンジンにおいて、稼動気筒群の排気温度の上昇による触媒温度の高温化を図り、稼動気筒群の触媒の活性化による排出ガスの浄化効率の向上を図ったものである。
特許文献5の技術は燃料としてパティキュレートを排出する軽油の他にパティキュレートを排出しない天然ガスをしようすることにより、エンジン全体のパティキュレート排出の削減を図ったものである。
特開平5−195748 特開2003−307127 特開昭57−124019 特開2002−349304 特開平7−11983
日本の都市では信号機が設置された交差点と交差点の距離が短く、信号機の設置密度も高い。そのため、都市内走行のディーゼル自動車では加速中にエンジンから300℃以上の高温の排気ガスが排出される期間が数秒以下と短時間であり、加速後の定常走行またはエンジンブレーキ走行では排気ガス温度が100℃前後若しくは100℃以下に低下する。特にエンジンブレーキの状態となってディーゼルエンジンは高回転数の燃料無噴射運転の状態となるため、エンジンからは100℃以下の排気ガスが大量に排出され、触媒を急速に冷却されることになる。
このようにディーゼル自動車の都市内走行では加速、蛇行、定常、エンジンブレーキ、赤信号待ち停止の繰り返しのため、エンジン負荷は短時間にアイドリングから高負荷の広い範囲で負荷が変動し、排気温度が100℃〜650℃の範囲で変動することになる。上記特許文献1のものにあっては、触媒担体やフィルタは比較的、大きな熱容量を有していることもあり、都市内の走行において触媒やフィルタの温度を触媒が活性化する温度である300℃程度以上に到達させることができない場合が多い。
しかしながら、上記特許文献1のものにあっては、DPF装置のフィルタ温度はフィルタ上流の排気ガス温度に支配されていると見なし、排気ガス温度が触媒のパティキュレート酸化開始温度以上に到達すると触媒自体の温度もパティキュレートを酸化させる300℃以上に達するとの考えから、その排気ガス温度が短時間で触媒のパティキュレート酸化開始温度以下に低下した時に一定時間、低温の排気ガスを当該フィルタに流入させないようにして当該フィルタを保温し、当該フィルタに担持した触媒により当該フィルタに捕集したパティキュレートを酸化して当該フィルタを再生しようとするものである。
しかし、DPF装置のフィルタ自体に大きな熱容量を有しているため、当該フィルタに300℃以上の高温排気ガスの短時間の流入ではフィルタ自体と当該フィルタに担持した触媒の温度は触媒の温度がパティキュレートを酸化させる300℃以上の温度まで上昇させることができないことは明らかである。このような、フィルタに流入する排気ガス温度が300℃以上になっても当該フィルタに担持した触媒の温度が300℃以下の状態で一定時間、低温の排気ガスを当該フィルタに流入させないようにして当該フィルタを保温しても該フィルタに担持した触媒の温度が300℃以下では捕集パティキュレートが酸化しないためフィルタは再生できず、特許文献1のものにあっては、フィルタの再生が不能な技術である。
また、仮に触媒の温度もパティキュレートを酸化させる300℃触媒の温度となった後に一定時間の排気ガスの流入を禁止した場合は、触媒の温度がパティキュレートを酸化させる300℃触媒の温度となった後も連続してエンジンから高温の排気ガスが排出され続けた時にはその大量に含まれる酸素を含む高温の排気ガスを連続して流入させ続けた場合に比較して当該フィルタに連続して酸素が供給されない状態のために当該フィルタ部分ではパティキュレートの酸化反応の進捗にしたがって酸素量が減少するため酸化反応速度が低下し、フィルタ再生が不十分となる不具合を生じる問題がある。
このように上記特許文献1のものにあっては、短時間に高温と低温に変動する排気ガスを排出する都市内のディーゼル自動車の走行では、走行中にフィルタに流入する高温の排気ガスが検知されたとしても、その時点ではフィルタの触媒が活性化温度に到達するまで加熱されていない状態であるため、フィルタに流入する高温排気ガスの検知後に直ちに低温排気ガスの流入を禁止して保温したとしても触媒が活性化する温度に未到達のフィルタのため、フィルタは捕集パティキュレートの酸化除去が行われず、触媒の再生機能が発揮できない。そのため特許文献1のものにあって都市内の走行での連続した長期間の走行では捕集パティキュレートによるフィルタの目詰まりを起こし、エンジン背圧の上昇によるエンジン停止等の故障が発生し、ディーゼル自動車用DPF装置として実用上、問題がある。
上記特許文献2のものにあっては、排気通路を分岐して並列に配設したフィルタの片方の再生するフィルタに流入する排気ガスの流量を排気ガス温度で多少の流量制御を行ったとしても、ディーゼル自動車の都市内走行中には、エンジンブレーキ、赤信号待ち停止の繰り返しのため、エンジンからアイドリングの100℃の排気ガスが短時間のサイクルで繰り返して排出されるためにフィルタが冷却される。そのため、フィルタ温度を300℃程度以上に維持することは難しく、上記特許文献2のものにあっては、都市内走行においては再生が機能しない不具合が発生することは明らかである。
また、上記特許文献3のものにあっては、多気筒エンジンを2つの気筒群に分割し、気筒群毎に吸気通路とフィルタを備えた排気通路を設けており、片方のフィルタを再生する場合は再生する気筒群の吸気量を絞ることにより再生するフィルタに流入する排気温度を上昇させるようにしたディーゼルエンジンの排気浄化装置である。ディーゼル自動車の都市内走行中には、エンジンブレーキ、赤信号待ち停止の繰り返しのため、エンジンからアイドリングの100℃の排気ガスが短時間のサイクルで繰り返して排出されるためにフィルタが冷却される。そのため、吸気絞りにより多少の排気温度を上昇させることは可能であるが、アイドリングの100℃の排気ガスをフィルタの触媒が活性する300℃程度以上まで上昇させることはエンジンの燃焼悪化を伴うため極めて困難である。上記特許文献3のものにあっては、都市内走行においては排気ガスをフィルタの触媒が活性する300℃程度以上に上昇させることが困難なためフィルタの再生が機能しない不具合が発生することは明らかである。
また、上記特許文献4のものにあっては、多気筒エンジンを複数の気筒群に分け、各気筒群の排気通路のそれぞれに触媒を配設し、エンジンの部分負荷条件下では一部の気筒群の運転を休止気筒群して残りの気筒群を稼動気筒群として運転することにより、稼動気筒群の排気温度の上昇による触媒温度の高温化により触媒による排気浄化やフィルタを再生しようとしたものである。
また、上記特許文献5のものにあっては、エンジンの気筒内に軽油をパイロット噴射し、パイロット噴射燃料の自己着火により吸気ポートから気筒内に噴射した天然ガスを点火するエンジンである。この液体燃料パイロット噴射自己着火型天然ガスエンジンではディーゼルエンジンよりもパティキュレートの排出は少ないが、更なる低公害化のためには有効なDPF装置によるパティキュレートの削減が必要であり、また部分負荷では多量のメタンを排出する不具合がある。
そのため上記特許文献4のものにあっては、都市内走行においては、フィルタの触媒が活性する300℃程度以上に上昇させることが困難なためフィルタの再生が機能しない不具合が発生することは明らかである。また、排気ガス浄化機能が温度上昇による触媒の活性に依存する酸化触媒装置、NOx吸蔵触媒装置または尿素還元型NOx触媒装置等にNOx、HC、CO等の排気浄化装置ついても、フィルタの再生機能と同様に不具合が発生することは明らかである。また、液体燃料パイロット噴射自己着火型天然ガスエンジンについてもディーゼルエンジンの場合と同様の問題がある。
以上のように特許文献1乃至4は何れも,並列に配設した複数の排気通路毎に触媒を担持した触媒担体若しくは触媒を担持したフィルタを配設し、自動車の走行中に一部の排気通路の触媒担体若しくはフィルタに流入する排出ガスを制御して触媒が活性化する300℃程度以上に上昇させようとするものである。
しかしながら、都市内走行のディーゼル自動車は交差点での青信号点灯により発進時と加速時の比較的短い時間の間には400℃以上の高温の排気ガスを排出されるが、加速された後の定常走行の排気ガス温度は加速時より大幅に低下し、エンジンブレーキによる減速走行およびアイドリング運転の赤信号による停止中の排気ガス温度は100℃前後以下の低温となる。特許文献1乃至4は何れも一部の触媒担体若しくはフィルタに流入する排出ガスを制御して高温化しようとしているが、減速走行およびアイドリング運転の赤信号による停止中の100℃前後以下の低温の排気ガスがこれら触媒担体若しくはフィルタに流入し、フィルタが冷却される構造である。そのため、ディーゼル自動車の都市内走行では、加速、エンジンブレーキ、赤信号待ち停止の繰り返しのため、触媒担体やフィルタには高温と低温の排気ガスに繰り返し暴露されることになり、ある程度の熱容量を有する触媒担体やフィルタは短時間のサイクルで400℃以上の高温と100℃の低温の排気ガスに暴露されるため、触媒は活性化する300℃程度以上に上昇させることは難しい。
このように特許文献1乃至4の方法を用いて触媒担体若しくはフィルタへの排出ガスの流入を制御して触媒担体若しくはフィルタを高温に維持して触媒を活性化しようとしても、都市内走行では低温の排気ガスにより常時、冷却されるため、触媒は活性化しなくなる不具合が生じる。そのため連続した長時間の都市内走行ではDPF装置のフィルタに過剰のパティキュレートが堆積し、排気背圧の上昇によるエンジン停止や、捕集パティキュレートの異常燃焼によるフィルタ溶損等の不具合が発生する恐れがあり、DPF装置としての実用性に問題がある。
本発明は上記問題に鑑みて案出されたものである。その構造はエンジンから排出された排出ガスは排気マニホールドの下流に2本の排気通路が並列に接続され、各排気通路の途中にはフィルタを設け、フィルタ上流の排気マニホールド出口付近に排出ガス温度計が配設されている。
本発明では2本の排気通路の片方のフィルタを優先的に再生させるために高温に維持することとし、排気ガスが所定値よりも低い排気ガス温度を検知した場合には低温排出ガスは、一方のフィルタ再生を優先とする高温維持のフィルタに流入させないようにして他方のフィルタに流入させるようにする。この方法により、再生を優先するフィルタでは低温排気ガスの流入による冷却が防止され、常に優先的に再生させるフィルタの温度を高温に維持されるようにすることにより、ディーゼル自動車の都市内走行においてもフィルタの再生を可能にしたものである。
なお、2本の並列の各排気通路のそれぞれに酸化触媒再生式や続再生式のDPF装置を設け、このDPF装置の並列に配置したフィルタの片方のフィルタを優先的に高温に維持するように制御するが、優先的に高温に維持するフィルタは、所定の基準により交互に入れ換えるものとする。また、排気ガス温度検出器が所定値よりも高い排気ガス温度を検知した場合は両方のフィルタに排出ガスを流入させて両方のフィルタの触媒再生が可能なように制御する。これにより高速道路走行や登坂走行のようにエンジンの連続した高負荷運転では両方のフィルタの触媒再生が実施できるようになる。
このように本発明はディーゼル自動車の都市内走行では加速、蛇行、定常、エンジンブレーキ、赤信号待ち停止の繰り返しのため、エンジン負荷は短時間にアイドリングから高負荷の広い範囲で負荷が変動し、排気温度が100℃〜650℃の範囲で変動する状態において、DPF装置のフィルタの触媒再生を可能にしたことが特徴である。また、DPF装置の他に酸化触媒装置、NOx吸蔵触媒装置または尿素還元型NOx触媒装置等をDPF装置を併用するに場合、高温維持制御のフィルタと排気通路に直列に接続した排気ガス浄化装置の高温化も可能となり、排気ガス浄化装置の排気浄化機能の向上が可能となる。
また、ディーゼルエンジンと同様、液体燃料パイロット噴射自己着火型天然ガスエンジンではパティキュレートの他にもNOx、CO、HCの排出ガスが排出されるために、DPF装置や酸化触媒装置、NOx吸蔵触媒装置または尿素還元型NOx触媒装置等の排気ガス浄化装置の装着による排気ガスの浄化が必要である。本発明は液体燃料パイロット噴射自己着火型天然ガス自動車の都市内走行においてもDPF装置のフィルタの触媒再生を可能にし、酸化触媒装置、NOx吸蔵触媒装置または尿素還元型NOx触媒装置等を配設して排気浄化機能を向上させるようにしたものである。
本発明は、上記目的を達成するために、次のような構成を採用することとした。
すなわち、請求項1記載の発明に係る排出ガス浄化システムは、全ての気筒が稼動する多気筒ディーゼルエンジンにおいて、
上記多気筒ディーゼルエンジンの排出ガスを排気マニホールドから排気マフラーに流下させる排気通路の一部を分岐させた第1排気通路および第2排気通路を並列に設け、
上記第1排気通路の途中にパティキュレートを捕集する第1排気通路フィルタを備え、上記第2排気通路の途中にパティキュレートを捕集する第2排気通路フィルタを備えたDPF装置を設け、
上記排気通路が上記第1排気通路と上記第2排気通路とに分岐する分岐部に排気流路切替弁が設け、
上記排気流路切替弁は上記多気筒ディーゼルエンジンの各気筒から排出された排気ガスを第1排気通路のみに流下させる形態、第2排気通路のみに流下させる形態、第1排気通路と第2排気通路の両方に流下させる形態の3種類の排出ガス流れ形態に切替えを可能とし、
上記排気流路切替弁の上流に排気ガス温度検出器を設け、上記排気流路切替弁に流入する排気ガス温度を検出し、
上記第1排気通路フィルタを優先的に高温に維持する制御と上記第2排気通路フィルタを優先的に高温に維持する制御の2種類の制御を可能とし、
上記第1排気通路フィルタを優先的に高温に維持する制御は、上記排気ガス温度が所定値より高い時には排気ガスを上記第1排気通路と第2排気通路の両方の排気通路に排気ガスを流下させ、逆に上記排出ガス温度が所定値より低い時には排気ガスを上記第2排気通路のみの単独の排気通路に流下させるように上記排気流路切替弁を調節し、
上記第2排気通路フィルタを優先的に高温に維持する制御は、上記排出ガス温度が所定値より高い時には排気ガスを上記第1排気通路と上記第2排気通路の両方の排気通路に排気ガスを流下させ、逆に上記排出ガス温度が所定値より低い時には上記第1排気通路のみの単独の排気通路に流下させるように上記排気流路切替弁を調節し
上記第1排気通路フィルタまたは上記第2排気通路フィルタの何れか一方のフィルタ温度を優先的に高温に維持できるようにしたことを特徴とする。
この請求項1記載の発明では、多気筒ディーゼルエンジンの排気マニホールドから排出された排出ガスを排気マフラーに流下させる排気通路の途中の一部を分岐させた第1排気通路および第2排気通路を並列に設ける。そして第1排気通路と第2排気通路の排気ガス流れの上流の分岐部に排気流路切替弁を設ける。この排気流路切替弁の排気ガス入口には排気通路から多気筒ディーゼルエンジンの排気ガスが流入し、排気流路切替弁の2個の排気ガス出口のそれぞれに第1排気通路および第2排気通路を並列に接続する。
この第1排気通路の途中にパティキュレートを捕集するDPF装置の第1排気通路フィルタを備え、また、第2排気通路の途中にパティキュレートを捕集するDPF装置の第2排気通路フィルタを配設する。そして排気流路切替弁は多気筒ディーゼルエンジンの各気筒から排出される排気ガスを第1排気通路のみに流出させる形態、第2排気通路のみに流出させる形態、第1排気通路と第2排気通路の両方に流出させる形態の3種類の排出ガス流れ形態に切替えを可能とする。
排気流路切替弁の上流には排気ガス温度検出器を設け、排気流路切替弁に流入する排気ガス温度を検出する。第1排気通路フィルタを優先的に高温に維持する場合は、排出ガス温度が所定値より低い時には排気ガスを第1排気通路に流下させないで第2排気通路のみに流下させるように排気流路切替弁を制御し、排出ガス温度が所定値より高い時には第1排気通路と第2排気通路の両方の排気通路に排気ガスを流下させるように排気流路切替弁を制御する。
また、第2排気通路フィルタを優先的に高温に維持する場合は、排気ガス温度が所定値より低い時には第2排気通路に流下させないで第1排気通路に流下させるように排気流路切替弁を制御する。そして排気ガス温度が所定値より高い時には第1排気通路と第2排気通路の両方の排気通路に排気ガスを流下させるように排気流路切替弁を制御する。これにより多気筒ディーゼルエンジンの運転中は第1排気通路フィルタまたは第2排気通路フィルタの何れか一方のフィルタの温度を優先的に高温に維持できるようにし、この高温に維持したフィルタではフィルタに捕集されたパティキュレートを燃焼させることによりフィルタに再生が行われるようにする。
また、第1排気通路フィルタまたは第2排気通路フィルタの何れか一方のフィルタ温度を優先的に連続して高温に維持する時間については、エンジン運転中には常に何れか一方のフィルタのフィルタ温度を高温に維持するように制御しても良いし、または、予め定めた時間の間にて何れか一方のフィルタを高温に維持するように制御しても良い。また、DPF装置としては第1排気通路フィルタと第2排気通路フィルタには酸化触媒を担持した酸化触媒再生式や第1排気通路フィルタと第2排気通路フィルタの各フィルタの直前に排気ガス中のNOをNOに変換する酸化触媒を配設した酸化触媒再生式を用いても良い。
また、請求項2記載の発明は排出ガス浄化システムに係り、多気筒ディーゼルエンジンの各気筒を第1気筒群と第2気筒群に分け、特定の部分負荷運転条件下では上記第1気筒群または上記第2気筒群の何れか一方の気筒群にエンジン出力を発生させる稼動気筒群として運転すると共に、他方の気筒群を出力の発生させない休止気筒群として運転させることが可能な気筒群休止制御多気筒ディーゼルエンジンにおいて、
上記第1気筒群の排気マニホールドに接続した第1気筒群排気通路と上記第2気筒群の排気マニホールドに接続した第2気筒群排気通路を設け、
上記第1気筒群排気通路と上記第2気筒群排気通路は気筒群排気流路切替弁の2個の排気ガス入口に個別に接続すると共に上記気筒群排気流路切替弁の2個の排気ガス出口には個別に第1排気通路と第2排気通路を接続し、
上記第1排気通路と上記第2排気通路の排気ガスは排気マフラーに流下させるようにし、
上記第1排気通路の途中にパティキュレートを捕集する第1排気通路フィルタを備え、上記第2排気通路の途中にパティキュレートを捕集する第2排気通路フィルタを備えたDPF装置を設け、
上記気筒群排気流路切替弁は、上記第1気筒群排気通路および上記第2気筒群排気通路の排気ガスを第1排気通路に流下させる形態と上記第1気筒群排気通路および上記第2気筒群排気通路の排気ガスを第2排気通路に流下させる形態と上記第1気筒群排気通路の排気ガスを上記第1排気通路に流下させると共に上記第2気筒群排気通路の排気ガスを第2排気通路に流下させる形態の3種類の排出ガス流れ形態に切替えを可能とし、
上記気筒群排気流路切替弁の上流の上記第1気筒群排気通路に排気ガス温度検出器を配設して第1気筒群排気ガス温度を検出すると共に上記第2気筒群排気通路には排気ガス温度検出器を配設して第2気筒群排気ガス温度を検出し、
上記第1排気通路フィルタを優先的に高温に維持する制御と上記第2排気通路フィルタを優先的に高温に維持する制御の2種類の制御を可能とし、
上記第1排気通路フィルタを優先的に高温に維持する制御は、上記気筒群休止制御多気筒ディーゼルエンジンの負荷の高低に係らず常に上記第1気筒群を稼動気筒群として運転させると同時に上記第1気筒群排気ガス温度が所定値より高い時には上記第1気筒群排気通路の排気ガスを上記第1排気通路に流下させると共に第2気筒群排気通路の排気ガスを上記第2排気通路に流下させ、逆に上記第1気筒群排気ガス温度が所定値より低い時には上記第1気筒群排気通路の排気ガスと上記第2気筒群排気通路の両排気通路の排気ガスを上記第2排気通路のみの単独の排気通路に流下させるように上記気筒群排気流路切替弁を制御し、
上記第2排気通路フィルタを優先的に高温に維持する制御は、上記気筒群休止制御多気筒ディーゼルエンジンの負荷の高低に係らず常に上記第2気筒群を稼動気筒群として運転させると同時に上記第2気筒群排気ガス温度が所定値より高い時には上記第1気筒群排気通路の排気ガスを上記第1排気通路に流下させると共に第2気筒群排気通路の排気ガスを上記第2排気通路に流下させ、逆に上記第2気筒群排気ガス温度が所定値より低い時には上記第1気筒群排気通路の排気ガスと上記第2気筒群排気通路の両排気通路の排気ガスを上記第1排気通路のみの単独の排気通路に流下させるように上記気筒群排気流路切替弁を制御し、
上記第1排気通路フィルタまたは上記第2排気通路フィルタの何れか一方のフィルタ温度を優先的に高温に維持できるようにしたことを特徴とする。
この請求項2記載の発明では、多気筒ディーゼルエンジンの各気筒を第1気筒群と第2気筒群に分け、多気筒ディーゼルエンジンの特定の部分負荷運転条件下では第1気筒群または第2気筒群の何れか一方の気筒群に燃料供給して燃焼させてエンジン出力を発生させる稼動気筒群として運転すると共に、他の気筒群には燃料供給を中止するか又は極めて少ない燃料供給により正味軸出力を発生させない休止気筒群として運転し、また高負荷を含むその他のエンジン運転領域では両方の気等群に燃料供給を行って第1気筒群と第2気筒群の全ての気筒群を稼動気筒群として運転することが可能な気筒群休止制御多気筒エンジンにおいて、第1気筒群の各気筒には第1気筒群排気マニホールドを接続し、第2気筒群の各気筒には第2気筒群排気マニホールドを接続する。
そして、第1気筒群排気マニホールドには第1気筒群排気通路を接続し、第2気筒群の排気マニホールドには第2気筒群排気通路を接続する。そして、第1気筒群排気通路と第2気筒群排気通路はそれぞれ独立して気筒群排気流路切替弁の2個の排気ガス入口に個別に接続すると共に、気筒群排気流路切替弁の2個の排気ガス出口には個別に第1排気通路と第2排気通路を接続する。そして排気ガスは第1排気通路と第2排気通路から排気マフラーに流下させるようにする。
また、第1排気通路の途中にパティキュレートを捕集するDPF装置の第1排気通路フィルタを備え、第2排気通路の途中にパティキュレートを捕集するDPF装置の第2排気通路フィルタを配設する。そして、気筒群排気流路切替弁は、第1気筒群排気通路および第2気筒群排気通路の排気ガスを第1排気通路に流下させる形態と第1気筒群排気通路および第2気筒群排気通路の排気ガスを第2排気通路に流下させる形態と第1気筒群排気通路の排気ガスを第1排気通路に流下させると共に第2気筒群排気通路の排気ガスを第2排気通路に流下させる形態の3種類の形態の排出ガス流れに切替えができるようにする。
また、第1気筒群排気通路および第2気筒群排気通路のそれぞれに排気ガス温度検出器を設け、気筒群排気流路切替弁に流入する第1気筒群排気通路の第1気筒群排気ガス温度および第2気筒群排気通路の第2気筒群排気ガス温度を検出する。そして、第1排気通路フィルタを優先的に高温に維持する時にはエンジン運転負荷の高低に係らず常に第1気筒群はエンジン出力を発生させる稼動気筒群として運転させるようにする。
それ同時に、第1気筒群排気通路の第1気筒群排気ガス温度が所定値より高い時には第1気筒群排気通路の排気ガスを第1排気通路に流下させ、第2気筒群排気通路の排気ガスを第2排気通路に流下させる。しかし第1気筒群排気通路の排気ガス温度が所定値より低い時には第1気筒群排気通路および第2気筒群排気通路の両排気通路の排気ガスは第2排気通路に流下させ、第1排気通路には排気ガスが流下するのを禁止するように気筒群排気流路切替弁を制御する。
また、第2排気通路フィルタを優先的に高温に維持する時にはエンジン運転負荷の高低に係らず常に第2気筒群はエンジン出力を発生させる稼動気筒群として運転させるようにする。それと同時に、第2気筒群排気通路の第2気筒群排気ガス温度が所定値より高い時には第2気筒群排気通路の排気ガスを第2排気通路に流入させ、第1気筒群排気通路の排気ガスを第1排気通路に流入させる。しかし第2気筒群排気通路の第2気筒群排気ガス温度が所定値より低い時には第1気筒群排気通路および第2気筒群排気通路の両排気通路の排気ガスは第1排気通路に流下さ、第2排気通路には排気ガスが流下するのを禁止するように気筒群排気流路切替弁を制御する。
以上のように気筒群排気流路切替弁を制御することにより、気筒群休止制御多気筒ディーゼルエンジンの運転中は第1排気通路フィルタまたは第2排気通路フィルタの何れか一方のフィルタ温度を優先的に高温に維持できるようにし、この高温に維持したフィルタではフィルタに捕集したパティキュレートを燃焼させるようにしてフィルタの再生を行わせるようにする。
また、第1排気通路フィルタまたは第2排気通路フィルタの何れか一方のフィルタ温度を優先的に連続して高温に維持する時間については、エンジン運転中には常に何れか一方のフィルタのフィルタ温度を高温に維持するように制御しても良いし、または、予め定めた時間の間にて何れか一方のフィルタを高温に維持するように制御しても良い。
また、DPF装置としては第1排気通路フィルタと第2排気通路フィルタには酸化触媒を担持した酸化触媒再生式や第1排気通路フィルタと第2排気通路フィルタの各フィルタの直前に排気ガス中のNOをNOに変換する酸化触媒を配設した連続再生式のDPF装置を用いても良い。
また、請求項3記載の発明は、請求項1乃至2のいずれか一項に記載の排出ガス浄化システムに係り、上記第1排気通路フィルタを優先的に高温に維持する制御の場合と上記第2排気通路フィルタを優先的に高温に維持する制御の場合とを定期的に入れ換えることを特徴とする。
この請求項3記載の発明では、予め定めたディーゼル自動車の走行距離、走行時間またはディーゼルエンジンの運転時間等の基準に従い、第1排気通路フィルタを優先的に高温に維持する制御の場合と第2排気通路フィルタを優先的に高温に維持する制御の場合とを定期的に入れ換えることにより、第1排気通路フィルタおよび第2排気通路フィルタの両方を再生できるようにしたことである。
また、請求項4記載の発明は請求項乃至3のいずれか一項に記載の排出ガス浄化システムに係り、上記気筒群排気流路切替弁の下流の上記第1排気通路と上記第2排気通路のそれぞれに酸化触媒装置、NOx吸蔵触媒装置または尿素還元型NOx触媒装置等のパティキュレート以外のNOx、HC、CO等を浄化する排気ガス浄化装置を追加したことを特徴とする。
この請求項4記載の発明では、多気筒ディーゼルエンジまたは気筒群休止制御多気筒ディーゼルエンジンにおいてパティキュレートを捕集するフィルタを備えたDPF装置に酸化触媒装置、NOx吸蔵触媒装置または尿素還元型NOx触媒装置等のパティキュレート以外のNOx、HC、CO等の有害排気ガス成分を浄化する排気ガス浄化装置を組み合わせる場合に、DPF装置以外の排気ガス浄化装置を気筒群排気流路切替弁の下流の第1排気通路と第2排気通路のそれぞれに配設するようにしたことである。
この請求項4記載の発明では、排気流路切替弁の下流の第1排気通路と第2排気通路のそれぞれの通路に独立して第1排気通路フィルタと直列に1台の尿素還元型NOx触媒装置等の排気ガス浄化装置を配設し、第2排気通路フィルタと直列に1台の尿素還元型NOx触媒装置の等排気ガス浄化装置を配設する。そのため、第1排気通路フィルタまたは第2排気通路フィルタの何れか一方のフィルタ温度を優先的に高温に維持した時には、高温に維持する制御を行ったフィルタに直列に結合した排気ガス浄化装置の触媒温度も高温化することができる。
このように第1排気通路と第2排気通路のそれぞれの通路に独立して排気ガス浄化装置を配設することにより、第1排気通路フィルタまたは第2排気通路フィルタの何れか一方のフィルタ温度を優先的に連続して高温に維持する制御を利用して、多気筒ディーゼルエンジまたは気筒群休止制御多気筒ディーゼルエンジンの部分負荷運転状態における排気ガス浄化装置の高温化が可能となる。
また、請求項5記載の発明は請求項1乃至4のいずれか一項に記載の排出ガス浄化システムに係り、上記多気筒ディーゼルエンジンまたは上記気筒群休止制御多気筒ディーゼルエンジンが気筒群休止制御の液体燃料パイロット噴射自己着火型天然ガス多気筒エンジンであることを特徴とする。
この請求項5記載の発明では、全ての気筒が稼動運転する多気筒ディーゼルエンジンまたは気筒群休止制御多気筒ディーゼルエンジンの場合と同様の手段により、吸気ポートから気筒内に向けて噴射した天然ガスをパイロット噴射した液体燃料の自己着火により点火して運転する液体燃料パイロット噴射自己着火型天然ガスエンジンにおいて天然ガスと液体燃料の2種類の燃料供給を2つの気筒群に分けて気筒群毎に個別に制御できるようにした気筒群休止制御多気筒の液体燃料パイロット噴射自己着火型天然ガスエンジンについて、
2本の排気通路の片方のフィルタを優先的に再生させるために高温に維持することとし、排気ガスが所定値よりも低い排気ガス温度を検知した場合には低温排出ガスは、一方のフィルタ再生を優先とする高温維持のフィルタに流入させないようして他方のフィルタに流入させるようにする。この方法により、再生を優先するフィルタでは低温排気ガスの流入による冷却が防止され、常に優先的に再生させるフィルタの温度を高温に維持されるようにすることにより、ディーゼル自動車の都市内走行においてもフィルタの再生を可能にしたものである。
気筒群排気流路切替弁から第1排気通路と第2排気通路に流下させる排気ガスの流れの形態の制御による第1排気通路フィルタまたは第2排気通路フィルタの高温化は、同時に、第1排気通路フィルタまたは第2排気通路フィルタのそれぞれに直列に結合した酸化触媒装置、NOx吸蔵触媒装置または尿素還元型NOx触媒装置等の排気ガス浄化装置を高温化させることができる。
一般に、都市内走行のDPF装着のディーゼル自動車では交差点での青信号点灯により発進時と加速時には300℃以上の高温の排気ガスを排出されてフィルタが加熱されるが、加速後は次の交差点での信号による車両停止するまでの定速走行、エンジンブレーキによる減速走行の走行状態では、エンジンから100℃前後以下の低温の排気ガスが排出されてフィルタに流入するため、フィルタは冷却される。このようにディーゼル自動車の都市内走行では定速走行、エンジンブレーキによる減速走行および赤信号や渋滞による停止の時間は加速の数倍の時間となる。そのためフィルタは短時間の加速時の高温排気ガスによるフィルタの加熱後に加速時間の数倍の時間の減速走行や停止による低温排気ガスによるフィルタ冷却が行われる。
特に交差点から交差点までの短い都市内の走行状態では1回の加速では加速の時間が数秒の短い時間の間に比較的、大きな熱容量を有しているフィルタ自体の温度をフィルタに捕集したパティキュレートを燃焼させる600℃まで上昇させることは極めた困難である。
また仮にフィルタに酸化触媒を担持して300℃程度でパティキュレートを燃焼させるフィルタを装着したとしても、交差点から交差点までの短い都市内の走行状態では1回の加速では加速の時間が数秒の短い時間の間に比較的、大きな熱容量を有しているフィルタに担持した触媒の温度をフィルタに捕集したパティキュレートを燃焼させる600℃まで上昇させることは不可能である。また触媒の酸化作用によりパティキュレート堆積のフィルタを再生させるためには、フィルタおよび触媒温度を300℃程度まで上昇させることが必要であるが、都市内の交差点から交差点までの短い距離の加速中の排気ガスの加熱ではフィルタおよび触媒温度を300℃程度まで上昇させることは難しい。このように加速と減速を繰り返す都市内走行を長時間繰り返しても、例えフィルタに触媒を担持した場合であっても触媒を活性化させてフィルタに堆積したパティキュレートを除去することは極めて困難である。
請求項1記載の発明では排気マニホールドに接続した排気流路切替弁の下流に第1排気通路フィルタと第2排気通路フィルタを並列に備え、例えば第1排気通路フィルタを優先的に高温に維持する場合は、排出ガス温度が所定値より低い時には排気ガスを上記第1排気通路に流入させないで第2排気通路のみに流入させるようにして高温に維持する第1排気通路フィルタの冷却を防止する。そして、排出ガス温度が所定値より高い時には第1排気通路と第2排気通路の両方の排気通路に排気ガスを流入させて高温に維持する第1排気通路フィルタを高温の排気ガスで加熱されるようにする。このように、高温に維持する第1排気通路フィルタは定常走行、減速走行および停止中の100℃前後以下の低温の排気ガスを流入させないようにして低温排気ガスの流入によるフィルタの冷却を回避することにより、フィルタを高温に維持することが可能になる。
また、第2排気通路フィルタを優先的に高温に維持する場合は、排出ガス温度が所定値より低い時には排気ガスを第2排気通路に流入させないで第1排気通路のみに流入させるようにして高温に維持する第2排気通路フィルタの冷却を防止する。そして、排出ガス温度が所定値より高い時には第1排気通路と第2排気通路の両方の排気通路に排気ガスを流入させて高温に維持する第2排気通路フィルタを高温の排気ガスで加熱されるようにする。このように、高温に維持する第2排気通路フィルタは定常走行、減速走行および停止中の100℃前後以下の低温の排気ガスを流入させないようにして低温排気ガスの流入によるフィルタの冷却を回避することにより、フィルタを高温に維持することが可能になる。
このようにして自動車走行中は何れか一方のフィルタは常に高温に維持することにより、都市内走行においてもフィルタの高温化によりフィルタに捕集したパティキュレートを燃焼させてフィルタ再生を可能にすることができる。特に、フィルタに触媒を担持させた場合にはフィルタと触媒の高温化により触媒が活性化されパティキュレートの酸化が促進され、従来のDPF装置では困難であった通常の都市内走行中にも確実なフィルタ再生が実現できる効果がある。
また、多気筒ディーゼルエンジンの排気ガス温度の低い運転状態では、排気ガス体積流量が少ないために排気ガスを第1排気通路フィルタまたは第2排気通路フィルタの何れか片方のフィルタに流下させてもエンジン排気の背圧の上昇は少なく、エンジンの燃料消費率への悪影響は回避できる効果がある。
また請求項2記載の発明では、第1排気通路フィルタを優先的に高温に維持する時にはエンジン運転負荷の高低に係らず常に上記第1気筒群を優先的に稼動気筒群として運転する。そして、第1気筒群排気ガス温度が所定値より高い時には第1気筒群の排気ガスを第1排気通路に流入させ、第2気筒群の排気ガスを第2排気通路に流入させる。第1気筒群排気ガス温度が所定値より低い時には第1気筒群と第2気筒群の排気ガスを第2排気通路に流入さて、所定値以下の温度の排気ガスが第1排気通路に流入するのを禁止する。このようにして定常走行、減速走行および停止中の100℃前後以下の低温の排気ガスが第1排気通路フィルタに流入して第1排気通路フィルタが冷却されるのを回避することにより、第1排気通路フィルタが高温に保持されるようにする。
また、第2排気通路フィルタを優先的に高温に維持する時にはエンジン運転負荷の高低に係らず常に上記第2気筒群を優先的に稼動気筒群として運転する。そして、第2気筒群排気ガス温度が所定値より高い時には第2気筒群の排気ガスを第2排気通路に流入させ、第1気筒群の排気ガスを第1排気通路に流入させる。第2気筒群排気ガス温度が所定値より低い時には第1気筒群と第2気筒群の排気ガスを第1排気通路に流入さて、所定値以下の温度の排気ガスが第2排気通路に流入するのを禁止する。このようにして定常走行、減速走行および停止中の100℃前後以下の低温の排気ガスが第2排気通路フィルタに流入して第2排気通路フィルタが冷却されるのを回避することにより、第2排気通路フィルタが高温に保持されるようにする
このようにしてディーゼル自動車の走行都市内走行中においても何れか一方のフィルタは常に高温に維持することにより、フィルタに捕集したパティキュレートを燃焼させてフィルタ再生を行わせることができる。特に、フィルタに触媒を担持させた場合にはフィルタと触媒の高温化により触媒が活性化してパティキュレートの酸化を促進し、都市内走行中にも確実なフィルタ再生が実現できる効果がある。
特に、請求項2記載の発明では、エンジン部分負荷運転時においては同一のエンジン出力の運転条件下においては、気筒群の休止運転制御をしないエンジンの場合に比較し、気筒群休止制御多気筒ディーゼルエンジンの場合では稼動気筒群の排気ガス温度が高温となる。そのため部分負荷運転状態の多い都市内走行において第1排気通路フィルタを優先的に高温に維持する時には常に第1気筒群を優先的に稼動気筒群とし、第2排気通路フィルタを優先的に高温に維持する時には常に第2気筒群を優先的に稼動気筒群として運転することにより、優先的に高温に維持するフィルタに流入する排気ガス温度が高温化できるために優先的に高温に維持するフィルタの温度が上昇し、そのフィルタの再生が促進される。
更に、フィルタに触媒を担持させた場合にはフィルタと触媒の高温化により触媒が活性化してパティキュレートの酸化を促進し、都市内走行中にも更なる確実なフィルタ再生が実現できる効果がある。また、気筒群休止制御多気筒ディーゼルエンジンの排気ガス温度の低いエンジン運転状態では排気ガスの体積流量が少ないため、第1気筒群と第2気筒群の排気ガスを第1排気通路フィルタまたは第2排気通路フィルタの何れか片方のフィルタに流下させてもエンジン排気の背圧の上昇は少なく、エンジンの燃料消費率への悪影響は回避できる効果がある。
そして、請求項3記載の発明では、請求項2記載の発明による高温に維持するフィルタとして第1排気通路フィルタと第2排気通路フィルタを定期的に入れ換えることにより、都市内のみを走行する場合においてもディーゼル自動車に装着したDPF装置のフィルタの良好な再生が可能となる。
そのためため、市内バスのような都市内のみを走行するディーゼル自動車においても、第1排気通路フィルタと第2排気通路フィルタの全てのフィルタを長期にわたり連続して使用しても、ディーゼルエンジンのDPF装置としての機能を発揮させることができる。このように、都市内走行中に確実なフィルタ再生が可能なDPF装置を実現できることから、都市内走行中でのフィルタの再生不良による背圧上昇に起因する燃費悪化や堆積パティキュレートの異常燃焼によるフィルタ溶損の不具合発生の危険が大幅に低下し、DPF装置の信頼性の向上に大きな効果がある。
また請求項4記載の発明では、パティキュレートを捕集するフィルタを備えたDPF装置に酸化触媒装置、NOx吸蔵触媒装置または尿素還元型NOx触媒装置等のパティキュレート以外のNOx、HC、CO等の有害排気ガス成分を浄化する排気ガス浄化装置を組み合わせる場合に、DPF装置以外の排気ガス浄化装置を気筒群排気流路切替弁の下流の第1排気通路と第2排気通路のそれぞれに配設する。
そして、第1排気通路フィルタと第2排気通路フィルタのそれぞれに直列に排気ガス浄化装置を接続することにより、高温化制御のフィルタに接続した排気ガス浄化装置も高温化することが可能となる。従来より、自動車用として多く実用化されている触媒を使用した排気ガス浄化装置は、この装置に流入する排気ガス温度および触媒温度の高い方が高い浄化率を得ることができことから、請求項4記載の発明の高温化制御のフィルタに直列に接続した排気ガス浄化装置では排気ガス浄化装置の高温化が可能となるため、排気ガス浄化装置の浄化率の向上も可能となる。
また請求項5記載の発明では、多気筒ディーゼルエンジンまたは気筒群休止制御多気筒ディーゼルエンジンの場合と同様の方法により、気筒群休止制御の液体燃料パイロット噴射自己着火型天然ガス多気筒エンジンから排出されパティキュレートを捕集した第1排気通路フィルタまたは第2気通路フィルタは、気筒群排気流路切替弁により2つの気筒群から排出される排気ガスの温度の高低により気筒群排気流路切替弁の下流に並列に配置したDPF装置のフィルタに流入する排気ガスの流れの形態を変更して、部分負荷運転状態の多い都市内走行において第1排気通路フィルタまたは第2気通路フィルタの何れか片方のフィルタを優先的に高温に維持することが可能となる。
この優先的に高温に維持するフィルタではフィルタに捕集したパティキュレート酸化が促進され、都市内走行中にも確実なフィルタ再生が実現できる効果がり、高温に維持するフィルタとして第1排気通路フィルタと第2排気通路フィルタを定期的に入れ換えることにより、気筒群休止制御の液体燃料パイロット噴射自己着火型天然ガス多気筒エンジンの自動車が都市内のみを走行する場合においてもDPF装置のフィルタの再生が可能となる。また、フィルタに触媒を担持させた場合にはフィルタと触媒の高温化により触媒が活性化してパティキュレートの酸化を促進し、都市内走行中にも確実なフィルタ再生が実現できる効果がある。
そして、第1排気通路フィルタと第2排気通路フィルタのそれぞれに直列に排気ガス浄化装置を接続することにより、高温化制御のフィルタに接続した排気ガス浄化装置も高温化できる。この高温化制御のフィルタに直列に接続した排気ガス浄化装置でも排気ガス浄化装置の高温化が可能となり、排気ガス浄化装置の浄化率の向上も可能となる。
本発明の第1実施の形態について、図1乃至図3に基づいて詳述する。先ず、本第1実施の形態における自動車用の直列4気筒の4サイクル直噴式過給多気筒ディーゼルエンジンとDPF装置を含む吸排気系および切替弁制御ECUの具体的構成を示す模式的平面図である図1に基づいて説明する。この直列4気筒の多気筒ディーゼルエンジン本体70の各気筒には図示のようにクーリングファン71の近くの気筒から順番に「1」〜「4」の番号を付し、それぞれを「第1気筒」〜「第4気筒」と呼ぶこととする。
第1気筒1、第2気筒2、第3気筒3および第4気筒4の各気筒には1本の電子制御燃料インジェクタ30、2個の吸気弁10、2個の排気弁20が配設されている。エアクリーナ11から吸入された吸気は、吸気通路12を通りターボ過給機(Turbocharger)50の給気ブロア51により加圧される。この加圧されて高温高圧化した吸気は、吸気通路13により空冷式給気インタークーラ14に導かれて冷却された後、吸気通路15により吸気マニホールド16に導かれて、多気筒ディーゼルエンジン本体70の各気筒の吸気弁10を経由して各気筒に吸入される。各気筒に吸入された吸気は、図示しないピストンにより断熱圧縮された時点で各気筒の電子制御燃料インジェクタ30から軽油が各気筒の燃焼室に噴射されることにより、多気筒ディーゼルエンジン本体70が運転される。
各気筒の排気ガスは、それぞれの気筒の排気弁20を経由して排気マニホールド21を通り、排気通路22を経てターボ過給機50に導かれる。ターボ過給機50に導かれた排気ガスは、排気タービン52を回転させる。この排気タービン52はこれと同軸の給気ブロア51を回転させる。これにより給気ブロア51は多気筒ディーゼルエンジン本体70に吸入される吸気を加圧する。
次に排気タービン52から流下した排気ガスは、排気通路23を通って排気流路切替弁60に導かれる。そして排気流路切替弁60には第1排気通路41aと第2排気通路41bが接続されている。この第1排気通路41aの途中にパティキュレートを捕集するDPF装置の触媒を担持した第1排気通路フィルタ42aが接続され、第2排気通路41bの途中にパティキュレートを捕集するDPF装置の触媒を担持した第2排気通路フィルタ42bが接続されている。
そして排気流路切替弁60は多気筒ディーゼルエンジン本体70の各気筒から排気される排気ガスを第1排気通路41aのみに流出させる形態、第2排気通路41bのみに流出させる形態、第1排気通路41aと第2排気通路41bの両方に流出させる形態の3種類の形態の排出ガス流れに切替えを可能としたものである。排気流路切替弁60により多気筒ディーゼルエンジン本体70の排気ガスの流れを3種類の何れの排出ガス流れの形態に切替えた場合においても、多気筒ディーゼルエンジン本体70から排出される排気ガスは第1排気通路フィルタ42aと第2排気通路フィルタ42bの両方または片方のフィルタによりパティキュレートが浄化される構造となっている。
そして第1排気通路フィルタ42aまたは第2排気通路フィルタ42bより流出した排出ガスは、それぞれ第1排気通路41aを通過して排気通路25に導かれ、第2排気通路フィルタ42bより流出した排出ガスは、第2排気通路41bを通過して排気通路25に導かれた後、排気マフラー26に流入し、その後、大気に放出される。
次に排気流路切替弁60の構造および弁板61の位置を示した模式的断面図である図2に基づいて排気流路切替弁60の作動を詳細に説明する。排気流路切替弁60は排気通路23から流入された排気ガスを第1排気通路41aおよび第2排気通路41bに流出させる排気通路を形成するハウジング64と該ハウジング64内には回転軸62に取り付けられた弁板61を内臓し、該ハウジング64の外部には回転軸62を駆動するアクチュエータ63から構成されている。
そして弁板61は回転軸62に固定的に取り付けられており、アクチュエータ63が回転軸62を回転させることにより弁板6を回動させ弁板61の停止位置が変更できるようになっている。これにより、弁板61は破線で示したAの位置、一点鎖線で示したBの位置および実線で示したCの位置の三つの位置に設定できるようになっている。弁板61がAの位置では排気通路23が第2排気通路41bと連通し、Bの位置では排気通路23が第1排気通路41aと連通し、Cの位置では排気通路23が第1排気通路41aと第2排気通路41bの両方に連通する構造となっている。弁板61の三つの位置の設定は図1に示した通り、切替弁制御ECU80により制御する。また、図1に示した通り、排気流路切替弁60の上流に排気ガス温度検出器24を設け、排気流路切替弁60に流入する排気ガス温度T23を検出する。
先ず、第1排気通路フィルタ42aを優先的に高温に維持する場合について説明する。排気ガス温度検出器24で検出の排気通路23の排気ガス温度T23が切替弁制御ECU80に入力され、切替弁制御ECU80のメモリに予め記憶させた温度の所定値T80のより低い時には、切替弁制御ECU80からの信号に基づいてアクチュエータ63が弁板61をAの位置に調節し、排気ガスを第1排気通路41aに流入させないで第2排気通路41bのみに流下させるようする。そして、排出ガス温度T23が所定値T80より高い時にはアクチュエータ63が弁板61をCの位置に設定して第1排気通路41aと第2排気通路41bの両方の排気通路に排気ガスを流入させるように設定する。
同様に、第2排気通路フィルタ42bを優先的に高温に維持する場合は、排気ガス温度T23が所定値T80より低い時には切替弁制御ECU80からの信号に基づいてアクチュエータ63が弁板61をBの位置に調節し、排気ガスを第2排気通路41bに流下させないで第1排気通路41aのみに流下させるようにする。そして、排気ガス温度T23が所定値T80より高い時には弁板61をCの位置に調節し、第1排気通路41aと第2排気通路41bの両方の排気通路に排気ガスを流下させるようにする。
ここで、第1排気通路フィルタ42aおよび第2排気通路フィルタ42bにフィルタに捕集されたパティキュレートを300℃以上で酸化できる酸化触媒を担持し、排気ガス温度T23により気筒群排気流路切替弁60に排気ガスの流れを制御させる切替弁制御ECU80の所定値T80を350℃とし、第1排気通路フィルタ42aおよび第2排気通路フィルタ42bの中から、先ず、最初に第1排気通路フィルタ42aを高温維持してフィルタの再生を促進する場合について説明する。
ディーゼル自動車の長い登坂走行や重量貨物積載の連続した高速道路走行では多気筒ディーゼルエンジン本体70は高負荷で運転されるため、排気ガス温度T23には350℃以上の排気ガス温度が連続して検知され、切替弁制御ECU80からの信号に基づいて排気流路切替弁60の弁板61はCの位置に調節される。そのため排気ガスは第1排気通路41aと第2排気通路41bに流入し、長い時間、第1排気通路フィルタ42aと第2排気通路41b流入し、両フィルタの触媒は300℃以上に上昇して活性化する。このような状態では、第1排気通路フィルタ42aおよび第2排気通路41bに捕集されて堆積したパティキュレートは、300℃以上で高い酸化機能を発揮する触媒によりCOとHOに酸化されてガス化されて除去され、第1排気通路フィルタ42aおよび第2排気通路41bは再生される。
これに対し、通常の都市内では道路の交差点の間の距離が短い。特に大都市では、ディーゼル自動車は交差点の信号が青信号の点灯により発進し、次の交差点までの加速、定速走行、エンジンブレーキ、赤信号待ち停止の走行が長い時間、繰り返される。このような都市内の走行時に第1排気通路フィルタ42aを高温に維持する制御を行った場合の排気流路切替弁60の弁板61の調節位置と排気通路23の排気ガス温度T23、第1排気通路フィルタ42aの触媒温度T42aおよび第2排気通路フィルタ42bの触媒温度T42bについての模式図を図3に示した。
都市内の走行時に第1排気通路フィルタ42aを高温に維持する制御を行った場合の各温度状態と排気流路切替弁60の弁板61の調節位置について図3に基づいて説明する。ディーゼル自動車は時間t0でエンジンが始動され、アイドリング運転され、t1から走行が開始される。t0からt1の間の排気ガス温度T23は実線で示した約100℃であり、所定値T80の350℃以下であるため、排気流路切替弁60の弁板61はAの位置である。そのため、排気ガスは第1排気通路41aへの流入が中止されて第2排気通路41bのみに流入されるようになる。この状態では第1排気通路フィルタ42aは排気ガスによる加熱されることは無い。また、排気ガス温度T23も100℃であるため第1排気通路フィルタ42aおよび第2排気通路フィルタ42bは共に100℃以下である。次にディーゼル自動車はt1で走行が開始され、t2まで加速される。
このt1からの[第1加速]の加速走行の開始後には排気通路23の排気ガス温度T23は実線で示した通りに急激に上昇し、排気温度が350℃に達したt2で弁板61はCの位置に調節され、排気ガス温度T23が400℃〜500℃となる高温の排気ガスは第1排気通路41aと第2排気通路41bの両通路に流下されて第1排気通路フィルタ42aおよび第2排気通路フィルタ42bが加熱されて、破線の第1排気通路フィルタ42aの触媒温度T42aおよび一点鎖線の第2排気通路フィルタ42bの触媒温度T42bは排気ガス加熱されてフィルタ温度は上昇する。しかしながら都市内走行のt1からt4の加速時間は短いため、排気通路23の排気ガス温度T23が350℃以上となるt2からt3の期間が短いため、第1排気通路フィルタ42aの触媒温度T42aおよび第2排気通路フィルタ42bの触媒温度T42bは共にフィルタの触媒が活性化する300℃を超える温度に加熱されないため、触媒によるフィルタの再生は殆ど行われない状態である。
次にディーゼル自動車が加速を終了するt4の直前のt3で排気ガス温度T23が350℃以下に低下するため、t3で弁板61はAの位置に調節され、低温の排気ガスは第1排気通路41aへの流入が中止されて第2排気通路41bのみに流入されるようになる。このt3から第1回目の信号停止後の[第2加速]の加速走行により排気ガス温度T23が350℃を超えるt8までの間は、第2排気通路41bに低温の排気ガスが流し、第2排気通路フィルタ42bは冷却されてフィルタ温度が大幅に低下する。
しかし、排気通路23の排気ガス温度T23が350℃以下に低下するt3から第1回目の信号停止後の[第2加速]の加速走行で排気ガス温度T23が350℃に達するt8までの間の低温の排気ガスは排気流路切替弁60により第1排気通路フィルタ42aに流下しないようにされるため、t8の時点では第1排気通路フィルタ42aの触媒温度T42aは、低温の排気ガスによるフィルタの冷却は無く、第1排気通路フィルタ42aのフィルタ温度は高温に保持される。第1回目の信号停止後の[第2加速]の加速走行で排気温度が350℃に達するt8の時点で、弁板61はCの位置に調節され、400℃〜500℃の高温の排気ガスは排気通路23から第1排気通路41aと第2排気通路41bの両通路に流下され、破線の第1排気通路フィルタ42aの触媒温度および一点鎖線の第2排気通路フィルタ42bは排気ガス加熱されてフィルタ温度は上昇する。
しかし、t8の時点で第2排気通路フィルタ42bのフィルタ温度は大幅に低下しているため、t7からt10までの短い加速期間に高温の排気ガスが第2排気通路フィルタ42b流入してもてフィルタの触媒が活性化する300℃を僅かに超える程度しか加熱されないため、触媒によるフィルタの再生は殆ど行われない状態である。しかし、第1排気通路フィルタ42aは、t8の時点で高温に維持され、これに[第2加速]走行時の高温の排気ガスが排気通路23から第1排気通路フィルタ42aに流下するため、第1排気通路フィルタ42aでは触媒温度T42aが触媒が活性化する300℃を大幅に超える温度まで加熱される。その結果、第1排気通路フィルタ42aは、図3の斜線で示した部分では触媒温度T42aが300℃以上の状態が確保されるようになり、この時には触媒による捕集パティキュレートの酸化が活発に進行し、フィルタの再生がは促進されるようになる。
同様に、[第2加速]と[第3加速]の間の定速走行、減速走行および信号待ちの間の排気ガス温度が350℃以下となるt9とt14の間には、弁板61はAの位置に調節し、低温の排気ガスは第1排気通路41aへの流下を禁止して第2排気通路41bのみに流下するように排気流路切替弁60を調節する。これにより第1排気通路フィルタ42aは、低温の排気ガスの流入による冷却が回避されて触媒温度T42aを300℃以上の状態に維持されるようになり、継続して第1排気通路フィルタ42aの捕集パティキュレートの酸化が進み、触媒によるフィルタ再生が促進される。
以上のように、排気流路切替弁60を調節して第1排気通路フィルタ42aまたは第2排気通路フィルタ42bを高温に維持した場合には、短時間で排気ガス温度が高温と低温に繰り返し変動するディーゼル自動車の大都市内走行中においても高温に維持したフィルタの再生が可能となる。そのため本発明の第1実施の形態では、従来のDPF装置におけるフィルタの再生不良によるパティキュレートの過剰捕集時に生じた異常燃焼によるフィルタ溶損の不具合が防止できる効果がある。また、高温に維持するフィルタに排気ガスが流入する状態に排気流路切替弁60の弁板61が調節されている時には、吸気通路15に設けた図示しない絞り弁により吸入空気量を減少させて高温に維持するフィルタに流入する排気ガス温度の上昇を図ってフィルタの再生を促進しても良い。
そして第1排気通路フィルタ42aと上記第2排気通路フィルタ42bの中の片方のフィルタを優先的に高温に維持する方法としては、図示しないディーゼル自動車の走行距離、走行時間またはディーゼルエンジンの運転時間を切替弁制御ECU80に入力し、切替弁制御ECU80に記憶させた予め定めた基準に互い従い、切替弁制御ECU80からの出力信号により第1排気通路フィルタ42aを優先的に高温に維持する制御の場合と第2排気通路フィルタ42bを優先的に高温に維持する制御の場合とを定期的に入れ換えるように排気流路切替弁60を制御する。
このように優先的に高温に維持するフィルタを定期的に入れ換えることにより、ディーゼル自動車の走行中に第1排気通路フィルタ42aと第2排気通路フィルタ42bの両方のフィルタの交互に再生できるようにすることにより、DPF装置の長期の使用が可能となり、保守点検が不要な実用性の高いDPF装置を実現することが可能となる。
本発明の第2実施の形態について図4乃至図6に基づいて詳述する。先ず、本第2実施の形態における自動車用の直列6気筒の4サイクル過給直噴式の気筒群休止制御多気筒ディーゼルエンジンとDPF装置を含む吸排気系および切替弁制御ECUの具体的構成を示す模式的平面図である図4に基づいて説明する。本第2実施の形態に係るエンジンは自動車用の直列6気筒の4サイクル過給直噴式の気筒群休止制御多気筒ディーゼルエンジン170である。この気筒群休止制御多気筒ディーゼルエンジン本体170の各気筒には図示のようにクーリングファン71近くの気筒から順番に「1」〜「6」の番号を付し、それぞれを「第1気筒」〜「第6気筒」と呼ぶこととする。
第1気筒1、第2気筒2、第3気筒3、第4気筒4、第5気筒5および第6気筒6の各気筒には1本の電子制御燃料インジェクタ30、2個の吸気弁10、2個の排気弁20が配設されている。この気筒群休止制御多気筒ディーゼルエンジン本体170は120度(クランク角度)の等間隔着火で着火の気筒順序が1−5−3−6−2−4であるたため、第1気筒1と第2気筒2と第3気筒3を第1気筒群70aとして1−3−2の気筒順序で240度(クランク角度)の間隔の着火とし、第4気筒4と第5気筒5と第6気筒6を第2気筒群70bとして5−6−4の気筒順序で240度(クランク角度)の間隔の着火とする。
また、第1気筒群72aの吸気マニホールド16aには第1気筒群72aの各気筒の吸気弁10が接続され、第2気筒群72bの吸気マニホールド16bには第2気筒群72bの各気筒の吸気弁10が接続されている。そして第1気筒群72aの第1気筒群排気マニホールド21aには第1気筒群72aの各気筒の排気弁20が接続され、第2気筒群72bの第2気筒群排気マニホールド21bには第2気筒群72bの各気筒の排気弁20が接続されている。
次に、第1気筒群72aの吸気と排気について説明する。エアクリーナ11から吸入された吸気は、吸気通路12aを通りターボ過給機50aの給気ブロア51aにより加圧される。この加圧されて高温高圧化した吸気は吸気通路13aにより空冷式給気インタークーラ14aに導かれて冷却される。この冷却された吸気は、吸気通路15aにより吸気マニホールド16aに導かれて、気筒群休止制御多気筒ディーゼルエンジン本体170の各気筒の吸気弁10を経由して第1気筒群72aの各気筒に吸入される。各気筒に吸入された吸気は図示しないピストンにより断熱圧縮された時点で各気筒の電子制御燃料インジェクタ30から軽油が噴射されることにより、気筒群休止制御多気筒ディーゼルエンジン本体170が運転される。
各気筒の排気ガスは、それぞれの気筒の排気弁20を経由して第1気筒群排気マニホールド21aを通り、第1気筒群排気通路22aを経てターボ過給機50aに導かれる。ターボ過給機50aに導かれた排気ガスは、排気タービン52aを回転させる。この排気タービン52aはこれと同軸の給気ブロア51aを回転させる。給気ブロア51aは気筒群休止制御多気筒ディーゼル本体170に吸入される吸気を加圧する。
また、次に排気タービン52aから流下した排気ガスは、第1気筒群排気通路23aを通って気筒群排気流路切替弁160に導かれる。そして気筒群排気流路切替弁160の2個の排気ガス出口のそれぞれに第1排気通路41aと第2排気通路41bが接続されている。この第1排気通路41aにDPF装置の触媒を担持したパティキュレートを捕集する第1排気通路フィルタ42aが接続され、第2排気通路にDPF装置の触媒を担持したパティキュレートを捕集する第2排気通路フィルタ42bが接続されている。
また、エアクリーナ11の下流から気筒群排気流路切替弁160の上流に至る間の第2気筒群72bの吸気および排気の流れ回路の部品である吸気通路12b、13b、15b、空冷式給気インタークーラ14b、吸気マニホールド16b、ターボ過給機50b、第2気筒群排気マニホールド21b、第2気筒群排気通路22b、23b、排気ガス温度検出器24bは、第1気筒群72aの吸気および排気の流れ回路の部品と同様に配設されているため、第2気筒群72bの吸気および排気の流れについての詳細説明は省略する。また、第2気筒群70bの流れ回路の部品用は第1気筒群72aの流れ回路の部品と互いの通路が連通しないように独立して配設されているため、エアクリーナ11の下流から気筒群排気流路切替弁160の上流に至る間の第1気筒群72aと第2気筒群70bの吸気および排気は互いに混合しない構造となっている
なお、ターボ過給機50a、50bは、第1気筒群72aと第2気筒群72bのそれぞれの気筒群の出力に適した容量のものを独立して配設されている。それ以外の気筒群排気流路切替弁160、排気通路25、エアクリーナ11、排気マフラー26は図4に示したように、第1気筒群72aと第2気筒群72bとは共用とする構造である。そのため気筒群排気流路切替弁160には並列に2個の排気ガス入口を設けており、第1気筒群72aの排気ガスは第1気筒群排気通路23aから気筒群排気流路切替弁160の一方の排気ガス入口流入し、第2気筒群72bの排気ガスは第2気筒群排気通路23bから気筒群排気流路切替弁160の他方の排気ガス入口に独立して流入する構造となっている。
この気筒群排気流路切替弁160では、第1気筒群排気通路23aから流入する第1気筒群72aの排気ガスを第1排気通路41aに流出させると共に第2気筒群排気通路23bから流入する第2気筒群72bの排気ガスを第2排気通路41bに流出させる形態、第1気筒群排気通路23aと第2気筒群排気通路23bの両排気通路から流入する排気ガスを第1排気通路41aのみに流出させる形態、第1気筒群排気通路23aと第2気筒群排気通路23bの両排気通路から流入する排気ガスを第2排気通路41bのみに流出させる形態の3種類の排出ガス流れ形態に切替えが可能な構造となっている。
そして第1排気通路41aにパティキュレートを捕集する触媒を担持した第1排気通路フィルタ42aが接続され、第2排気通路にパティキュレートを捕集する触媒を担持した第2排気通路フィルタ42bが接続されている。そのため、気筒群排気流路切替弁160により排気ガスの流れ形態が3種類の何れの排出ガス流れ形態に切替えられたとしても気筒群休止制御多気筒ディーゼルエンジン170の排気ガスは、全てのエンジン運転条件下において第1排気通路フィルタ42aと第2排気通路フィルタ42bの両方または片一方の何れかのフィルタによりパティキュレートが捕集されて排気ガスが浄化され構造となっている。
そして第1排気通路フィルタ42aより流出した排出ガスは第1排気通路43aを通過して排気通路25に導かれ、第2排気通路フィルタ42bより流出した排出ガスは、第2排気通路43bを通過して排気通路25に導かれた後、排気マフラー26に流入し、その後、大気に放出される。
次に気筒群排気流路切替弁160の構造および板弁161の位置を示した模式的断面図である図5に基づいて気筒群排気流路切替弁160の作動を詳細に説明する。
気筒群排気流路切替弁160は、第1気筒群排気通路23aおよび第2気筒群排気通路23bから流入した排気ガスを第1排気通路41aと第2排気通路41bの両排気通路または片一方の排気通路に流出させる排気通路を形成するハウジング164と、該ハウジング164内には回転軸162に取り付けられた弁板161を内臓し、該ハウジング164の外部には回転軸162を駆動するアクチュエータ63から構成されている。
そしてアクチュエータ63により回転軸162を回転させて弁板161の位置を変えることにより、弁板161は破線で示したAAの位置、一点鎖線で示したBBの位置および実線で示したCCの位置の三つの位置に設定できるようになっている。弁板161がAAの位置では第1気筒群排気通路23aおよび第2気筒群排気通路23bが第2排気通路41bに連通し、BBの位置では第1気筒群排気通路23aおよび第2気筒群排気通路23bが第1排気通路41aに連通し、CCの位置では第1気筒群排気通路23aが第1排気通路41aに連通すると共に第2気筒群排気通路23bが第1排気通路41bに連通する構造となっている。切替弁制御ECU80からの制御信号によりアクチュエータ63が回転軸162を駆動し、弁板161はAA,BBおよびCCの三つの位置に調節される。
また、気筒群排気流路切替弁160の上流の第1気筒群排気通路23aには排気ガス温度検出器24aを設けて第1気筒群72aの第1気筒群排気ガス温度T23aを検知し、第2気筒群排気通路23bには、排気ガス温度検出器24bを設けて第2気筒群72bの第2気筒群排気ガス温度T23bを検知する。これら第1気筒群排気ガス温度T23aおよび第2気筒群排気ガス温度T23bは切替弁制御ECU80に入力され、切替弁制御ECU80はこれら入力温度を基に気筒群排気流路切替弁160の弁板161を決定し、気筒群排気流路切替弁160に弁板161を調節する信号を出力する。
次に燃料供給について説明する。図示しない燃料タンクから供給された軽油燃料は図示しない燃料サプライポンプにより加圧された高圧燃料が図示しないコモンレールに導かれ、このコモンレールの高圧燃料が図示しない高圧燃料管により第1気筒群72aおよび第2気筒群72bの各気筒の電子制御燃料インジェクタ30に供給される。そして、図示しない自動車のアクセルペダル位置の信号が図示しないエンジンECUに入力され、エンジンECUからからの制御信号により、電子制御燃料インジェクタ30からアクセルペダル位置に対応した気筒群休止制御多気筒ディーゼルエンジン本体170のエンジン出力が得られる燃料が各気筒の燃焼室内に噴射される。
この時、エンジンECUに入力した切替弁制御ECU80の信号に基づいて、エンジンECUの制御プログラムにより第1気筒群72aと第2気筒群72bへの燃料供給量の制御を行い、第1気筒群72aと第2気筒群72bの片方の気筒群を休止運転することを含めて、第1気筒群72aと第2気筒群72bの各気筒群の出力運転の制御を任意に行えるようにする。
次に本第2実施の形態に係る気筒群休止制御多気筒ディーゼルエンジン本体170の第1排気通路フィルタ42aを優先的に高温に維持する方法を説明する。第1排気通路フィルタ42aを優先的に高温に維持する時のアクセルペダル踏込み量と第1気筒群72aおよび第2気筒群72bのエンジントルクの関係を図6に示す。アクセルペダル踏込み量が完全な踏込みの50%以下では第1気筒群72aを稼動気筒群として運転し、第2気筒群72bを休止気筒群として運転する。そしてアクセルペダル踏込み量に比例して主に第1気筒群72aの第1気筒1、第2気筒2および第3気筒に燃料を供給して必要なエンジントルクを発生させると同時に、第2気筒群72bの第4気筒4、第5気筒5および第6気筒6への燃料供給を制限または中止して第2気筒群72bの出力を生じさせない休止気筒群として運転とする。
また、アクセルペダル踏込み量が50%〜100%でエンジントルクが50%から100%の範囲では、第1気筒群72aの各気筒には最大正味平均有効圧を発生させるのに必要な燃料を供給すると同時に、第1気筒群72aの出力のみでは不足となっているエンジントルクを発生させるために、第2気筒群72bの各気筒に必要な燃料供給を行って第2気筒群72bも稼動気筒群として運転させるようにする。このような気筒群毎の出力制御により、アクセルペダル踏込み量に対応したエンジントルクを発生させるようにする。
このように、第1排気通路フィルタ42aを優先的に高温に維持する場合は、気筒群休止制御多気筒ディーゼルエンジンECUにより低負荷運転状態では第1気筒群72aのみを稼動気筒群して運転し、高負荷運転状態では第1気筒群72aの各気筒を常に最大正味平均圧力の出力を発生させるように運転すると共に、アクセルペダル踏込み量に対応したエンジントルク発生の必要なエンジントルクを発生させるために第2気筒群72bも稼動気筒群として運転する。このように、第1排気通路フィルタ42aを優先的に高温に維持する場合には第1気筒群72aは、全てのエンジン運転条件下で優先的に稼動気筒群として運転させるため、第1気筒群72aの第1気等群排気ガス温度T23aは常に第2気筒群72bの第2気筒群排気ガス温度T23bと同等以上の高い温度となる。
そのため第1排気通路フィルタ42aを優先的に高温に維持する場合には、第1気筒群排気ガス温度T23aが所定値T80を超えるか否かにより、切替弁制御ECU80からアクチュエータ63に信号を出力して弁板161を予め定めた位置に調節して第1排気通路フィルタ42aに高温の排気ガスのみを流入させるようにする。
その方法は、第1気筒群排気ガス温度T23aが所定値T80より低い時には、切替弁制御ECU80からアクチュエータ63に信号を出力して弁板161をAAの位置に調節する。これにより第1気筒群72aと第2気筒群72bの両気筒群の排気ガスは第1排気通路41aに流下させず、第2排気通路41bに流下させる。また、第1気筒群排気ガス温度T23aが所定値T80を超える時には、切替弁制御ECU80からアクチュエータ63が弁板161に信号を出力して弁板161をCCの位置に調節する。これにより気筒群排気流路切替弁160は第1気筒群排気通路23aから流入の第1気筒群72aの排気ガスを第1排気通路41aに流下させると共に、第2気筒群排気通路23bから流入の第2気筒群72bの排気ガスは第2排気通路41bに流下させるよう制御する。
この方法により、第1排気通路フィルタ42aの高温維持運転中は、気筒群休止制御多気筒ディーゼルエンジン本体170の全ての運転条件下において、所定値T80より低い温度の排気ガスが第1排気通路41aに流下されることは無く、第1排気通路フィルタ42aの触媒温度T42aが所定値T80より低い温度の排気ガスにより冷却されて大幅に温度低下を招くようなことはない。
次に第2排気通路フィルタ42bを優先的に高温に維持する方法を説明する。第2排気通路フィルタ42bを優先的に高温に維持する時のアクセルペダル踏込み量と第1気筒群72aおよび第2気筒群72bのエンジン運転状態について図7に示す。アクセルペダル踏込み量が完全な踏込みの50%以下では第2気筒群72bを稼動気筒群として運転し、第1気筒群72aを休止気筒群として運転する。そしてアクセルペダル踏込み量に比例して主に第2気筒群72bの第4気筒4、第5気筒5および第6気筒6に燃料を供給して必要なエンジントルクを発生させると同時に、第1気筒群72aの第1気筒1、第2気筒2および第3気筒3への燃料供給を制限または中止して第1気筒群72aを休止気筒群として運転とする。
また、アクセルペダル踏込み量が50%〜100%でエンジントルクが50%から100%の範囲では、第2気筒群72bの各気筒には最大正味平均有効圧を発生させるのに必要な燃料を供給すると同時に、第2気筒群72bの出力のみでは不足となっているエンジントルクを発生させるために、第1気筒群72aの各気筒に必要な燃料供給を行って第1気筒群72aも稼動気筒群として運転させるようにする。このような気筒群毎の出力制御により、アクセルペダル踏込み量に対応したエンジントルクを発生させるようにする。
このように、第2排気通路フィルタ42bを優先的に高温に維持する場合は、気筒群休止制御多気筒ディーゼルエンジンECUにより、低負荷運転状態では第2気筒群72bのみを稼動気筒群して運転し、高負荷運転状態では第2気筒群72bの各気筒を常に最大正味平均圧力の出力を発生させるように運転すると共に、第1気筒群72aも稼動気筒群として運転してアクセルペダル踏込み量に対応したエンジントルク発生させるようにする。このように、第2排気通路フィルタ42bを優先的に高温に維持する場合には第2気筒群72bは、全てのエンジン運転条件下で優先的に稼動気筒群として運転させるため、第2気筒群72bの第2気筒群排気ガス温度T23bは常に第1気筒群72aの排気ガス温度はと同等以上の高い温度となる。
そのため第2排気通路フィルタ42bを優先的に高温に維持する場合には、第2気筒群排気ガス温度T23bが所定値T80を超えるか否かにより、切替弁制御ECU80からアクチュエータ63に信号を出力して弁板161を予め定めた位置に調節して第1排気通路フィルタ42bに高温の排気ガスのみを流入させるようにする。
その方法は、第2気筒群排気ガス温度T23bが所定値T80より低い時には、切替弁制御ECU80からアクチュエータ63に信号を出力して弁板161をBBの位置に調節する。これにより第1気筒群72aと第2気筒群72bの両気筒群の排気ガスは第2排気通路41bに流下させず、第1排気通路41aに流下させる。また、第2気筒群排気ガス温度T23bが所定値T80を超える時には、切替弁制御ECU80からアクチュエータ63が弁板161に信号を出力して弁板161をCCの位置に調節する。これにより気筒群排気流路切替弁160は第1気筒群排気通路23aから流入の第1気筒群72aの排気ガスを第1排気通路41aに流下させると共に、第2気筒群排気通路23bから流入の第2気筒群72bの排気ガスは第2排気通路41bに流下させるよう制御する。
この方法により、第2排気通路フィルタ42bの高温維持運転中は、気筒群休止制御多気筒ディーゼルエンジン本体170の全ての運転条件下において、所定値T80より低い温度の排気ガスが第2排気通路41bに流下されることは無く、第2排気通路フィルタ42bの触媒温度T42bが所定値T80より低い温度の排気ガスにより冷却されて大幅に温度低下を招くようなことはない。
また、図示しないディーゼル自動車の走行距離、走行時間またはディーゼルエンジンの運転時間等の自動車またはエンジンの運転経歴を切替弁制御ECU80に入力し、切替弁制御ECU80に記憶させた予め定めた一定の自動車またはエンジンの運転経歴の基準に従い、自動車またはエンジンの切替弁制御ECU80からの出力信号により気筒群排気流路切替弁160を制御し、第1排気通路フィルタ42aを優先的に高温に維持する制御の場合と第2排気通路フィルタ42bを優先的に高温に維持する制御の場合とを定期的に入れ換える。
ここで、第1排気通路フィルタ42aおよび第2排気通路フィルタ42bにフィルタで捕集したパティキュレートを酸化できる温度T2が300℃以上である酸化触媒を担持し、気筒群排気流路切替弁160の弁板161で排気ガスの流れを切替える切替弁制御ECU80の所定値T80を350℃と設定し、且つ第1排気通路フィルタ42aを優先的に高温に維持する制御を行った場合について、都市内走行時の第1排気通路フィルタ42aおよび第2排気通路フィルタ42bのフィルタの温度状態について説明する。
通常、ディーゼル自動車の登坂走行や重量貨物積載の高速道路走行では気筒群休止制御多気筒ディーゼルエンジン本体170は高負荷運転となるため、排気ガス温度検出器24aで検出に第1気筒群排気温度T23aは350℃以上の高温が連続して検知されるため、気筒群排気流路切替弁160の弁板161はCCの位置に調節される。そのため第1気筒群72aの高温の排気ガスは長い時間、連続して第1排気通路フィルタ42a流入するため、第1排気通路フィルタ42aの触媒は触媒温度T42aが300℃以上に上昇して活性化する。このような状態では、第1排気通路フィルタ42aに捕集されて堆積したパティキュレートは、300℃以上で高い酸化機能を発揮する触媒でCOとHOに酸化されてガス化されて除去され、第1排気通路フィルタ42aは再生される。
一方、都市内では、ディーゼル自動車は、距離の短い交差点の間で発進、加速、定速走行、エンジンブレーキ、赤信号待ち停止の走行が繰り返される。このような都市の交差点間の走行時において第1排気通路フィルタ42aを高温に維持する制御を行った場合について、気筒群排気流路切替弁160の弁板161の調節位置と模式的に表した第1気筒群排気通路23aから気筒群排気流路切替弁160に流入する第1気筒群排気ガス温度T23a、第2気筒群排気通路23bから気筒群排気流路切替弁160に流入する第2気筒群排気ガス温度T23b、第1排気通路フィルタ42aの触媒温度T42aおよび第2排気通路フィルタ42bの触媒温度T42bを模式的に表した図8に基づいて、都市内の走行時に第1排気通路フィルタ42aを高温に維持する制御を行った場合の各温度状態と排気流路切替弁160の弁板161の調節位置について説明する。
第1排気通路フィルタ42aを優先的に高温に維持した場合には、第1気筒群72aを優先的に稼動気筒群として運転させるため、全負荷以外は第1気筒群72aの第1気筒群排気ガス温度T23aは常に第2気筒群72bの第2気筒群排気ガス温度T23bより高い温度となる。そのため、第1気筒群72aの第1気筒群排気ガス温度T23aが所定値T80の350℃を超えているか又はそれ以下であるかによって弁板161の位置が調節される。第1排気通路フィルタ42aを高温維持の時のディーゼル自動車はエンジン始動の時間t0から走行開始t1までのアイドリング運転時は第1気筒群72aを稼動気筒群として運転し、第2気筒群72bを休止気筒群として運転されている。
そのため図8に示したように第1気筒群72aの第1気筒群排気ガス温度T23aは実線で示した100℃近傍であり、第2気筒群72bは休止気筒群であるため、第2気筒群排気ガス温度T23bは破線で示した40℃近傍である。エンジン始動t0から走行開始t1までの期間は第1気筒群排気ガス温度T23aが100℃近傍であるため、弁板161はAAの位置に調節されているため、第1気筒群72aと第2気筒群72bの両気筒群に排気ガスは第1排気通路41aに流入されず、第2排気通路41bのみに流入されている。この状態では第1排気通路フィルタ42aは排気ガスにより加熱されることは無い。
次にディーゼル自動車はt1で走行が開始され、t4までの間に加速される。この加速の開始後に第1気筒群72aの各気筒は最大正味平有効圧で運転され、第1気筒群排気ガス温度T23aが実線で示した通りに600℃まで急激に上昇し、第2気筒群72bの各気筒は比較的高い正味平有効圧で運転されるため、第2気筒群排気ガス温度T23bは一点鎖線で示した通りに430℃近傍まで急激に上昇する。このt1からt4までの[第1加速]の期間に第1気筒群排気ガス温度T23aが350℃に達したt2点で弁板161はCCの位置に調節され、600℃の第1気筒群72aの排気ガスは第1排気通路41aに流入し、430℃近傍の第2気筒群72bの排気ガスは第2排気通路41bに流入する。そのため、破線の第1排気通路フィルタ42aの触媒温度T42aおよび二点鎖線の第2排気通路フィルタ42bの触媒温度T42bは上昇する。
しかしながら[第1加速]のt1からt4の加速時間は短いため、第1排気通路フィルタ42aと第2排気通路フィルタ42bの両フィルタの触媒は活性化する300℃を超えるまで加熱されない。そのため、この時点では触媒によるフィルタの再生は行われない状態である。
次にディーゼル自動車の[第1加速]加速走行が終了に近づいて第1気筒群排気ガス温度T23aが350℃以下に低下するt3で弁板161はAAの位置に調節される。そして、このt3から第1回目の信号停止後の[第2加速]加速走行で第1気筒群排気ガス温度T23aが350℃を超えるt8までの間は弁板161がAAの位置に調節されているため、第1気筒群72aと第2気筒群72bの両気筒群に低温の排気ガスは第1排気通路41aへの流入が中止されて第2排気通路41bのみに流入されるようになる。そのため、第2排気通路41bに低温の排気ガスが流入し、第2排気通路フィルタ42bは冷却され、t8の時点の第2排気通路フィルタ42bの触媒温度T42bは50℃程度まで低下する。
一方、弁板161がAAに位置するt3からt8までの間、第1排気通路フィルタ42aには350℃以下の低温の排気ガスの流入によるフィルタの冷却が行われない。そのためt8の時点では第1排気通路フィルタ42aの触媒温度T42aは280℃程度の高い温度が保持されている。そして、[第2加速]加速走行で第1気筒群排気ガス温度T23aが350℃に上昇するt8から第1気筒群排気ガス温度T23aが350℃以下に低下するt9の期間では弁板161はCCの位置に調節され、第1気筒群排気ガス温度T23aが600℃の第1気筒群72aの排気ガスは第1排気通路41aに流下され、第1排気通路フィルタ42aの触媒温度T42aはt9の時点では400℃に加熱されて、第1排気通路フィルタ42aでは触媒によるフィルタ再生が促進される。
次に、第1気筒群排気ガス温度T23aが350℃以下に低下するt9の時点で弁板161はAAに調節される。このt9から第2回目の信号停止後の[第3加速]加速走行が開始されて第1気筒群排気ガス温度T23aが350℃に到達するt14までの間では弁板161はAAの位置に保持され、第1気筒群72aと第2気筒群72bの両気筒群の低温の排気ガスは第1排気通路41aへの流下が中止されて第2排気通路41bのみに流入されるようになる。弁板161がAAに位置するt9からt14までの間では第1気筒群72aと第2気筒群72bの両気筒群の低温の排気ガスによる第1排気通路フィルタ42aの冷却が行われないため、t14の時点では第1排気通路フィルタ42aの触媒温度T42aは360℃程度の高い温度が保持されている。このようにt9からt14までの間でも第1排気通路フィルタ42aの触媒温度T42aは触媒が活性化する300℃程度以上に保持されているため、第1排気通路フィルタ42aではフィルタ内に酸素が残留している限り触媒によるフィルタ再生が促進される。
同様に、t14の時点で弁板161はCCの位置に調節され、[第3加速]加速走行による600℃の第1気筒群72aの排気ガスは第1排気通路41aに流入し、t14の時点で触媒温度T42aが360℃程度の第1排気通路フィルタ42aは更に加熱されると共に排気ガスの流入により酸素も供給され、第1排気通路フィルタ42aのフィルタ再生が促進される。このように優先的に高温維持の制御を行う第1排気通路フィルタ42aでは、触媒温度T42aが斜線に示したように300℃以上に維持されるため、第1排気通路フィルタ42aのフィルタ内に酸素が存在している限り触媒による第1排気通路フィルタ42aの再生が継続して行われることになる。
一方、t8の時点で触媒温度T42bが50℃程度まで低下した第2排気通路フィルタ42bには、[第2加速]加速走行で弁板161がCCの位置に調節されるt8からt9の期間では430℃近傍の第2気筒群72bの排気ガスが流入する。そのため、二点鎖線の第2排気通路フィルタ42bの触媒温度T42bは上昇するが、t8の時点で触媒温度T42bが50℃程度まで低下しているため、[第2加速]加速走行のt8からt9の加速時間は短いため、第2排気通路フィルタ42bの触媒温度T42bは200℃までしか上昇させることができず、第2排気通路フィルタ42bの触媒が活性化する300℃を超えるまで加熱されないため、第2排気通路フィルタ42bは[第2加速]加速走行では触媒によるフィルタの再生は行われない状態となる。同様にt14からt15の[第3加速]加速走行でも第2排気通路フィルタ42bは触媒によるフィルタの再生は行われない状態となる。
本発明の第2実施の形態の気筒群休止制御多気筒ディーゼルエンジン本体170の自動車が都市内走行をした場合、優先的に高温維持の制御を行わない第2排気通路フィルタ42bでは、高温と低温の排気ガスによる短時間の周期的な加熱と冷却が繰り返されるため、第2排気通路フィルタ42bの触媒は活性化する温度まで上昇せず、触媒によるフィルタの再生は行われない。しかし、フィルタの高温に維持制御を行った第1排気通路フィルタ42aでは、触媒によるフィルタ再生を促進させることが可能となる。
また、第1排気通路フィルタ42aおよび第2排気通路フィルタ42bの両方が交互に優先的に高温に維持に制御を行うようにすることにより、全てのフィルタの再生が可能となり、自動車走行中にフィルタ再生が可能な実用性の高いDPF装置とすることができる。第1排気通路フィルタ42aと第2排気通路フィルタ42bの中の片方のフィルタを優先的に高温に制御する切替える方法としては、図示しないディーゼル自動車の走行距離を切替弁制御ECU80に入力し、例えば、第1排気通路フィルタ42aまたは第2排気通路フィルタ42bの何れか一方のフィルタを優先的に高温に維持した状態でのディーゼル自動車の走行距離が20kmを走行した時点で他方のフィルタを優先的に高温に維持するように、切替弁制御ECU80からの出力信号により気筒群排気流路切替弁160を制御して第1排気通路フィルタ42aを優先的に高温に維持する制御の場合と上記第2排気通路フィルタ42bを優先的に高温に維持する制御の場合と切替えるようにする。
以上の例では優先的に高温に維持するフィルタとして第1排気通路フィルタ42aと第2排気通路フィルタ42bを交互に優先的に高温に維持する際、ディーゼル自動車の走行距離を20km毎にフィルタを切り替えるとしたが、この切替えは他の走行距離としても良いし、一定のディーゼル自動車の走行時間やディーゼルエンジンの運転時間等としも良い。また、ディーゼル自動車の走行距離やディーゼルエンジンの運転時間等の累積された運転経過の一定基準毎、第1排気通路フィルタ42aを優先的に高温に維持する制御の場合と第2排気通路フィルタ42bを優先的に高温に維持する制御の場合とを定期的に入れ換えて高温維持制御を行い、フィルタを再生しても良い。
一般に大都市内走行中では交差点毎に信号があるため信号間の距離が短いため、交差点の信号間でディーゼル自動車は発進し、加速走行、定常走行、エンジンブレーキ、赤信号待ち停止の走行が短い時間間隔で繰り返される走行状態である。そのため、従来のDPF装置では、都市内走行においては、触媒担体や触媒付フィルタの本体および触媒温度が上昇せず、触媒の活性化による捕集パティキュレートの酸化によるフィルタの再生が機能しない不具合があった。
これに対し、本第2実施の形態に係る気筒群休止制御多気筒ディーゼルエンジンのDPF装置では、都市内走行状態においても、第1排気通路フィルタ42aと第2排気通路フィルタ42bの2つのフィルタの片方を優先的に高温に維持する制御を行うことにより、優先的に高温に維持するフィルタ再生が可能となり、ディーゼル自動車の走行時間やディーゼルエンジンの運転時間等の運転経過の予め定めた基準にしたがって優先的に高温に維持するフィルタを切替えることにより、第1排気通路フィルタ42aと第2排気通路フィルタ42bの両方のフィルタの再生が可能となる。
また、本第2実施の形態に係る気筒群休止制御多気筒ディーゼルエンジンのDPF装置では、第1排気通路フィルタ42aを優先的に高温に維持する場合は、エンジンECUにより低負荷運転状態では第1気筒群72aのみを稼動気筒群して運転し、50%負荷超えの高負荷運転状態では第1気筒群72aの各気筒を常に最大正味平均圧力の出力を発生させるように運転すると共に、アクセルペダル位置に対応したエンジントルクを発生させるために第2気筒群72bも稼動気筒群として運転する第1気筒群72aを優先的に稼動気筒群として運転する制御を行う。これにより、第1気筒群72aの第1気筒群排気ガス温度T23aは常に第2気筒群72bの第2気筒群排気ガス温度T23bと同等か又は第2気筒群排気ガス温度T23bよりも高温となり、都市内走行において高温の排気ガスが第1排気通路フィルタ42a流入させる機会が増加し、第2排気通路フィルタ42bの高温維持に大きな効果が得られる。
同様に、第2排気通路フィルタ42bを優先的に高温に維持する場合は、第2気筒群72bを優先的に稼動気筒群として運転するエンジンの運転制御を行う。これにより、第2気筒群72bの第2気筒群排気ガス温度T23bは常に第1気筒群72aの第1気筒群排気ガス温度T23aと同等か又は第1気筒群排気ガス温度T23aよりも高温となり、都市内走行において高温の排気ガスが第2排気通路フィルタ42b流入させる機会が増加し、第2排気通路フィルタ42bの高温維持に大きな効果が得られる。
また、蝶弁方式の気筒群排気流路切替弁260の構造および弁板261の位置を示した模式的断面図を図9に示す。蝶弁方式の気筒群排気流路切替弁260の弁板261のAAA,BBB,CCCの各位置は気筒群排気流路切替弁160の板弁のAA,BB,CCの各位置に相当し、気筒群排気流路切替弁260の構造および作動は気筒群排気流路切替弁160と同様であるので詳細な説明は省略する。そして蝶弁方式の気筒群排気流路切替弁260は本第2実施の形態の気筒群排気流路切替弁160の代わりに使用しても良い。その他、DPF装置としては触媒再生式の代わりに連続再生式のDPF装置を使用しても良い。
また、第1排気通路フィルタ42aを高温に維持するように気筒群排気流路切替弁160を制御している場合、気筒群排気流路切替弁160の弁板161が第1排気通路フィルタ42aに排気ガスが流入する状態に調節されている状態で吸気通路15aに設けた図示しない絞り弁により優先的に稼動気筒群として運転する第1気筒群72aの吸入空気量を減少させて第1気筒群72aの排気ガス温度を上昇させて第1排気通路フィルタ42aのフィルタの再生を促進しても良い。
同様に、第2排気通路フィルタ42bを高温に維持するように排気流路切替弁60を制御している場合、気筒群排気流路切替弁160の弁板161が第2排気通路フィルタ42bに排気ガスが流入する状態に調節されている状態で吸気通路15bに設けた図示しない絞り弁により優先的に稼動気筒群として運転する第2気筒群72bの吸入空気量を減少させて第1気筒群72bの排気ガス温度を上昇させて第1排気通路フィルタ42aのフィルタの再生を促進しても良い。
次に本発明の第3実施の形態における自動車用の気筒群休止制御の直列6気筒の4サイクル過給液体燃料パイロット噴射自己着火型多気筒天然ガスエンジンとDPF装置および排気ガス浄化装置を含む吸排気系、および切替弁制御ECUの具体的構成を示す模式的平面図である図10に基づいて説明する。
この本発明の第3実施の形態は、本発明の第2実施の形態の気筒群休止制御多気筒ディーゼルエンジン本体170を気筒群休止制御の液体燃料パイロット噴射自己着火型天然ガスエンジンエンジン本体270に変更するために各気筒に天然ガスを供給する電子制御天然ガス噴射ノズル90を吸気マニホールド16a、16bに追加し、第2実施の形態の第1排気通路41aの途中に酸化触媒装置43aを追加すると共に第2気筒群排気通路41bの途中のそれぞれに酸化触媒装置43bを追加し、液体燃料パイロット噴射自己着火型天然ガスエンジンエンジン本体270から排出されるメタンを主成分とするHCを酸化触媒装置43a、43bで浄化し、DPF装置の第1排気通路フィルタ42aと第2排気通路フィルタ42bでパティキュレートを浄化するようにしたものである。
本発明の第3実施の形態は、本発明の第2実施の形態と同様に、第1排気通路フィルタ42aを優先的に高温に維持する制御の時には第1気筒群72aは優先的に稼動気筒群として運転し、同様に第2排気通路フィルタ42bを優先的に高温に維持する制御の時には第2気筒群72bは優先的に稼動気筒群として運転するように制御する。これと同時に第1排気通路フィルタ42aを優先的に高温に維持する制御の時には第1気筒群排気ガス温度T23aが所定値T80より低い低温の時には、気筒群排気流路切替弁160は板弁160のAAの位置を調節して低温の排気ガスを第1排気通路41aに流下させないようにして第1排気通路フィルタ42aの冷却を防止する。また、第2排気通路フィルタ42bを優先的に高温に維持する制御の時には第2気筒群排気ガス温度T23bが所定値T80より低い低温の時には、気筒群排気流路切替弁160は板弁160のBBの位置を調節して低温の排気ガスを第1排気通路41aに流下させないように第1排気通路フィルタ42aの冷却を防止する。
一方、第1排気通路41aの途中には第1排気通路フィルタ42aに直列に酸化触媒装置43aが結合され、第2排気通路41bの途中には第2排気通路フィルタ42bに直列に酸化触媒装置43bが結合されているため、第1排気通路フィルタ42aを優先的に高温に維持する制御の時には酸化触媒装置43aも高温化されてメタンを主成分とするHCを酸化促進され、第2排気通路フィルタ42bを優先的に高温に維持する制御の時には酸化触媒装置43bも高温化されてメタンを主成分とするHCを酸化促進され、液体燃料パイロット噴射自己着火型天然ガスエンジンエンジン本体270から排出されるメタンの浄化が促進され、排気ガス浄化装置の浄化率の向上も可能となる。
なお、本発明の第3実施の形態の酸化触媒装置43a、43bの代わりにNOx吸蔵触媒装置または尿素還元型NOx触媒装置等のパティキュレート以外のNOx、HC、CO等の排気ガス浄化装置を配設しても良く、その場合には液体燃料パイロット噴射自己着火型多気筒天然ガスエンジンのNOx低減が可能となる。また、DPF装置としては連続再生式のDPF装置を使用しても良い。
本第1実施の形態における多気筒ディーゼルエンジンとDPF装置を含む吸排気系および切替弁制御ECUの具体的構成を示す模式的平面図である。 上記第1実施の形態の排気流路切替弁の構造および板弁位置を示した模式的断面図である。 本第1実施の形態における都市内走行時の第1排気通路フィルタの高温維持制御時における排気流路切替弁の弁板位置と各温度変化を模式的に表した図である。 本第2実施の形態の気筒群休止制御多気筒ディーゼルエンジンとDPF装置を含む吸排気系および切替弁制御ECUの具体的構成を示す模式的平面図である。 本第2実施の形態の気筒群排気流路切替弁の構造および板弁位置を示した模式的断面図である。 本第2実施の形態の第1排気通路フィルタの高温維持制御時のアクセルペダル踏込み量と第1気筒群および第2気筒群のエンジントルクの関係である。 本第2実施の形態の第2排気通路フィルタの高温維持制御時のアクセルペダル踏込み量と第1気筒群および第2気筒群のエンジントルクの関係である。 本第2実施の形態の都市内走行時の第1排気通路フィルタの高温維持制御時における気筒群排気流路切替弁の弁板位置と各温度変化を模式的に表した図である。 本第2実施の形態の蝶弁方式の気筒群排気流路切替弁の構造および蝶弁位置を示した模式的断面図である。 本発明の第3実施の形態の気筒群休止制御液体燃料パイロット噴射自己着火型多気筒天然ガスエンジンとDPF装置と排気ガス浄化装置を含む吸排気系および切替弁制御ECUの具体的構成を示す模式的平面図である。
符号の説明
1 第1気筒
2 第2気筒
3 第3気筒
4 第4気筒
5 第5気筒
6 第6気筒
10 吸気弁
11 エアクリーナ
12,13、15、12a,13a、15a、12b,13b、15b 吸気通路
14、14a,14b 空冷式給気インタークーラ
16 16a、16b 吸気マニホールド
20 排気弁
21 排気マニホールド
21a 第1気等群排気マニホールド
21b 第1気等群排気マニホールド
22、23、25、排気通路
22a、23a 第1気等群排気通路
22b、23b 第2気等群排気通路
24、24a,24b 排気ガス温度検出器
26 排気マフラー
43a,43b 酸化触媒装置
30 電子制御燃料インジェクタ
41a 第1排気通路
41b 第2排気通路
42a 第1排気通路フィルタ
42b 第2排気通路フィルタ
50、50a,50b ターボ過給機
52,52a,52b 排気タービン
51,51a,52b 給気ブロア
60 排気流路切替弁
61、161,261 弁板
62、162,262 回転軸
63 アクチュエータ
64、164、264 ハウジング
70 多気筒ディーゼルエンジン本体
71 クーリングファン
72a 第1気筒群
72b 第2気筒群
80 切替弁制御ECU
160 気筒群排気流路切替弁
170 気筒群休止制御多気筒ディーゼルエンジン本体
270 液体燃料パイロット噴射自己着火型天然ガスエンジンエンジン本体
T23 排気ガス温度
T23a 第1気筒群排気ガス温度
T23b 第2気筒群排気ガス温度
T42a、T42b 触媒温度
T80 所定値

Claims (5)

  1. 全ての気筒が稼動する多気筒ディーゼルエンジンにおいて、
    上記多気筒ディーゼルエンジンの排出ガスを排気マニホールドから排気マフラーに流下させる排気通路の一部を分岐させた第1排気通路および第2排気通路を並列に設け、
    上記第1排気通路の途中にパティキュレートを捕集する第1排気通路フィルタを備え、上記第2排気通路の途中にパティキュレートを捕集する第2排気通路フィルタを備えたDPF装置を設け、
    上記排気通路が上記第1排気通路と上記第2排気通路とに分岐する分岐部に排気流路切替弁が設け、
    上記排気流路切替弁は上記多気筒ディーゼルエンジンの各気筒から排出された排気ガスを第1排気通路のみに流下させる形態、第2排気通路のみに流下させる形態、第1排気通路と第2排気通路の両方に流下させる形態の3種類の排出ガス流れ形態に切替えを可能とし、
    上記排気流路切替弁の上流に排気ガス温度検出器を設け、上記排気流路切替弁に流入する排気ガス温度を検出し、
    上記第1排気通路フィルタを優先的に高温に維持する制御と上記第2排気通路フィルタを優先的に高温に維持する制御の2種類の制御を可能とし、
    上記第1排気通路フィルタを優先的に高温に維持する制御は、上記排気ガス温度が所定値より高い時には排気ガスを上記第1排気通路と第2排気通路の両方の排気通路に排気ガスを流下させ、逆に上記排出ガス温度が所定値より低い時には排気ガスを上記第2排気通路のみの単独の排気通路に流下させるように上記排気流路切替弁を調節し、
    上記第2排気通路フィルタを優先的に高温に維持する制御は、上記排出ガス温度が所定値より高い時には排気ガスを上記第1排気通路と上記第2排気通路の両方の排気通路に排気ガスを流下させ、逆に上記排出ガス温度が所定値より低い時には上記第1排気通路のみの単独の排気通路に流下させるように上記排気流路切替弁を調節し
    上記第1排気通路フィルタまたは上記第2排気通路フィルタの何れか一方のフィルタ温度を優先的に高温に維持できるようにしたことを特徴とする排出ガス浄化システム。
  2. 多気筒ディーゼルエンジンの各気筒を第1気筒群と第2気筒群に分け、特定の部分負荷運転条件下では上記第1気筒群または上記第2気筒群の何れか一方の気筒群にエンジン出力を発生させる稼動気筒群として運転すると共に、他方の気筒群を出力の発生させない休止気筒群として運転させることが可能な気筒群休止制御多気筒ディーゼルエンジンにおいて、
    上記第1気筒群の排気マニホールドに接続した第1気筒群排気通路と上記第2気筒群の排気マニホールドに接続した第2気筒群排気通路を設け、
    上記第1気筒群排気通路と上記第2気筒群排気通路は気筒群排気流路切替弁の2個の排気ガス入口に個別に接続すると共に上記気筒群排気流路切替弁の2個の排気ガス出口には個別に第1排気通路と第2排気通路を接続し、
    上記第1排気通路と上記第2排気通路の排気ガスは排気マフラーに流下させるようにし、
    上記第1排気通路の途中にパティキュレートを捕集する第1排気通路フィルタを備え、上記第2排気通路の途中にパティキュレートを捕集する第2排気通路フィルタを備えたDPF装置を設け、
    上記気筒群排気流路切替弁は、上記第1気筒群排気通路および上記第2気筒群排気通路の排気ガスを第1排気通路に流下させる形態と上記第1気筒群排気通路および上記第2気筒群排気通路の排気ガスを第2排気通路に流下させる形態と上記第1気筒群排気通路の排気ガスを上記第1排気通路に流下させると共に上記第2気筒群排気通路の排気ガスを第2排気通路に流下させる形態の3種類の排出ガス流れ形態に切替えを可能とし、
    上記気筒群排気流路切替弁の上流の上記第1気筒群排気通路に排気ガス温度検出器を配設して第1気筒群排気ガス温度を検出すると共に上記第2気筒群排気通路には排気ガス温度検出器を配設して第2気筒群排気ガス温度を検出し、
    上記第1排気通路フィルタを優先的に高温に維持する制御と上記第2排気通路フィルタを優先的に高温に維持する制御の2種類の制御を可能とし、
    上記第1排気通路フィルタを優先的に高温に維持する制御は、上記気筒群休止制御多気筒ディーゼルエンジンの負荷の高低に係らず常に上記第1気筒群を稼動気筒群として運転させると同時に上記第1気筒群排気ガス温度が所定値より高い時には上記第1気筒群排気通路の排気ガスを上記第1排気通路に流下させると共に第2気筒群排気通路の排気ガスを上記第2排気通路に流下させ、逆に上記第1気筒群排気ガス温度が所定値より低い時には上記第1気筒群排気通路の排気ガスと上記第2気筒群排気通路の両排気通路の排気ガスを上記第2排気通路のみの単独の排気通路に流下させるように上記気筒群排気流路切替弁を制御し、
    上記第2排気通路フィルタを優先的に高温に維持する制御は、上記気筒群休止制御多気筒ディーゼルエンジンの負荷の高低に係らず常に上記第2気筒群を稼動気筒群として運転させると同時に上記第2気筒群排気ガス温度が所定値より高い時には上記第1気筒群排気通路の排気ガスを上記第1排気通路に流下させると共に第2気筒群排気通路の排気ガスを上記第2排気通路に流下させ、逆に上記第2気筒群排気ガス温度が所定値より低い時には上記第1気筒群排気通路の排気ガスと上記第2気筒群排気通路の両排気通路の排気ガスを上記第1排気通路のみの単独の排気通路に流下させるように上記気筒群排気流路切替弁を制御し、
    上記第1排気通路フィルタまたは上記第2排気通路フィルタの何れか一方のフィルタ温度を優先的に高温に維持できるようにしたことを特徴とする排出ガス浄化システム。
  3. 上記第1排気通路フィルタを優先的に高温に維持する制御の場合と上記第2排気通路フィルタを優先的に高温に維持する制御の場合とを定期的に入れ換えることを特徴とする請求項1乃至2のいずれか一項に記載の排出ガス浄化システム。
  4. 上記気筒群排気流路切替弁の下流の上記第1排気通路と上記第2排気通路のそれぞれに酸化触媒装置、NOx吸蔵触媒装置または尿素還元型NOx触媒装置等のパティキュレート以外のNOx、HC、CO等を浄化する排気ガス浄化装置を追加したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の排出ガス浄化システム。
  5. 上記多気筒ディーゼルエンジンまたは上記気筒群休止制御多気筒ディーゼルエンジンが気筒群休止制御の液体燃料パイロット噴射自己着火型天然ガス多気筒エンジンであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の排出ガス浄化システム。
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