JP2005068896A - 扉開閉用ハンドル掛け金装置 - Google Patents

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Abstract


【課題】 ハンドル掛け金装置の不正解除を防止すること。
【解決手段】 ハンドル掛け金装置の不正解除を防止するために、取付け本体3に固定される取付け板40にフックレバーをロックするロック片55並びに該ロック片と横軸49を介して一体的に設けられ、かつ、作動杆47の伸縮動に対応して所定量回動する係合作動片48を備えた自動式錠手段45を装着し、また取付け板40に、施錠時に取付け本体3又は/及びフックレバー16を叩き付けた時の衝撃によって前記係合作動片48に回転係合する跳ね上がり係止片60を備えた不正解錠防止機構Yを装着したことを特徴とする扉開閉用ハンドル掛け金装置。
【選択図】 図12

Description

本発明は、扉開閉用ハンドル掛け金装置に関し、特にハンドル掛け金装置の不正解除を防止するための手段或いは機構を備えた扉開閉用ハンドル掛け金装置に関する。
扉開閉用ハンドル掛け金装置の基本的な構成は、特許文献1に記載されている。この特許文献1には、「開閉体の外壁面に添設状態に固定され、かつ、ハンドルクリック機構と、このハンドルクリック機構のスプリングのバネ力が作用するように取付け本体に枢軸を介して起立乃至傾倒自在に設けられたフックレバーとを備えた扉開閉用ハンドル掛け金装置」が記載されている。
この基本的な構成を備えた扉開閉用ハンドル掛け金装置には、一般的にソレノイドを駆動源とする自動式錠手段と、合鍵によって解錠できる手動式錠手段とがそれぞれ設けられている。
しかして、泥棒が自動式錠手段を備えている扉開閉用ハンドル掛け金装置の本体やフックレバーを上部から叩き付けた際に、その衝撃によってフックレバーと係脱する自動式錠手段のロック片がロック(施錠)状態を解消する(解錠状態になる)という問題点があった。例えば泥棒がハンドル掛け金装置のフックレバーの上端部をハンマーなどで叩き付けると、その衝撃でソレノイドの鉄心が上方に跳ね上がり、作動杆が解錠方向(例えば収縮方向)に移動し、その結果、ロック片がフックレバーから離れ、フックレバーを傾倒することができるという問題点があった。
特公平7−65420号公報 特公平7−65421号公報 特開2002−227494号公報
本発明の第1の目的は、泥棒が自動式錠手段を備えているハンドル掛け金装置をハンマーなどで叩き付けても、自動式錠手段のフックレバーと係脱するロック片が容易に解錠状態にならない扉開閉用ハンドル掛け金装置を提供することである(第1実施例及び第2実施例)。また第2の目的は、扉開閉用ハンドル掛け金装置をハンマーなどで叩き付けた場合に、その衝撃により不正解錠防止機構の跳ね上がり係止片が瞬時に自動式錠手段の係合作動片に係合することである(第1実施例)。また第3の目的は、安価に前記第1の目的を達成することができることである(第2実施例)。
発明の扉開閉用ハンドル掛け金装置は、ハンドルクリック機構のスプリングのバネ力が作用するように取付け本体に枢軸を介して起立乃至傾倒自在に設けられたフックレバーを備えた扉開閉用ハンドル掛け金装置に於いて、ハンドル掛け金装置の不正解除を防止するために、前記取付け本体3に固定される取付け板40にフックレバーをロックするロック片55並びに該ロック片と横軸49を介して一体的に設けられ、かつ、作動杆47の伸縮動に対応して所定量回動する係合作動片48を備えた自動式錠手段45を装着し、また取付け板40に、施錠時に取付け本体3又は/及びフックレバー16を叩き付けた時の衝撃によって前記係合作動片48に回転係合する跳ね上がり係止片60を備えた不正解錠防止機構Yを装着したことを特徴とする。
また、本発明の扉開閉用ハンドル掛け金装置は、ハンドルクリック機構のスプリングのバネ力が作用するように取付け本体に枢軸を介して起立乃至傾倒自在に設けられたフックレバーを備えた扉開閉用ハンドル掛け金装置に於いて、ハンドル掛け金装置の不正解除を防止するために、前記取付け本体3に固定される取付け板40にフックレバー16と係脱するロック片55を備えた自動式錠手段45を装着し、また取付け板40に、施錠時に取付け本体3又は/及びフックレバー16を叩き付けた時の衝撃によって前記自動式錠手段45の係合作動片48が解錠方向へと移動しないように前記ロック片の小被係合部と係合する小係合部を前記フックレバーに設けたことを特徴とする。
(1)請求項1又は請求項5に記載の発明は、棒が自動式錠手段を備えているハンドル掛け金装置をハンマーなどで叩き付けても、自動式錠手段のフックレバーと係脱するロック片が容易に解錠状態にならない。したがって、泥棒は、フックレバーを傾倒して操作ハンドルを該フックレバーから外すことが困難である。
(2)請求項1に記載の発明は、扉開閉用ハンドル掛け金装置をハンマーなどで叩き付けた場合に、その衝撃により不正解錠防止機構の跳ね上がり係止片が瞬時に自動式錠手段の係合作動片に係合する。特に請求項2に記載の発明は、跳ね上がり係止片がバネ部材に支持されているので、衝撃時にバネ部材の反発力が作用し、係止方向への跳ね上がりがスムースになる。
(3)請求項5に記載の発明は、構成部品を加味しないので、安価に前記第1の目的を達成することができる(第2実施例)。
以下、図面に示す本発明を実施するための最良の形態により、本発明を詳細に説明する。図1乃至12図は、本発明の第1実施例を示す各説明図である。
1は車輌の扉、倉庫の扉など開閉扉である。車輌の一例として観音扉を備えた宅配便を挙げることができる。扉は観音扉如何を問わない。
2は長杆状の操作ハンドルで、この操作ハンドルは、一端部が一方の扉の外壁面、倉庫の支柱等に枢支され、他端部が他方の扉(開閉扉)1の外壁面に固定された扉開閉用ハンドル掛け金装置Xに掛止めされる。
ハンドル掛け金装置Xは、バー状操作ハンドル2の自由端部を受け止めるために開閉扉1の適宜箇所に取付け板を介して、又は介さないで固定される。本実施例では、自動式錠手段45及び不正解錠防止機構Yを備えた取付け板40を介して開閉扉1に固定される。まず、ハンドル掛け金装置Xの構成を区分けして説明し、次に不正解錠防止機構Yについて説明する。なお、本発明の特定要件に関係のない事項や細部的事項については、詳細な説明を極力割愛する。
(1)取付け本体
縦長状の取付け本体3は、開閉扉1の外壁面に固着手段を介して垂直状態に添設される。そのためにやや肉厚の取付けベース部4の適宜箇所(例えば上端部側)に固着具用のネジ孔5.5が複数個形成されている。
図1で示すように、取付けベース部4の下端面は水平状であり、一方、上端面は弧状に形成されている。また、取付けベース部4の中央部(下端部寄りの部位も含む)には、後述するフックレバー16が枢軸15を介して前後に揺動することができるように開口部6が形成されている。この開口部6は、図4及び図5で示すように取付けベース部4の中央部寄りの部位から下端部にかけて隆起状に形成されたケース状支持部或いは隆起支持部7に対して形成されている。
隆起支持部7の中央部には、図1で示すように操作ハンドル2用のU字状切欠部8が形成され、該切欠部8は幅広の前記開口部6と連通している。開口部6は切欠部8よりも幅広であり、隆起支持部7まで奥深く形成されているため、本実施例ではハンドルクリック機構26用の収納部9となっている。
隆起支持部7の上端部には、U字状切欠部8の一部を形成する左右1対の指先状係止部10.10が突出形成されている。
(2)手動式錠手段
手動式錠手段11は、図1で示すように取付け本体3の下端部に設けられている。この手動式錠手段11は、図5で示すように、シリンダ錠12と、該シリンダ錠用の合鍵13とから成り、前記シリンダ錠12には外筒体の後端部から突出する任意形状の駆動片14が設けられている。駆動片14は、その中間部が適宜に折り曲げされ、また他端部は取付け板40に形成した開口41を介して後述する自動式錠手段45の係合作動片48に対して押し込み可能に臨んでいる(図7参照)。
(3)枢軸=水平軸
棒状枢軸15は水平軸であり、取付け本体3の中央部にフックレバー16を介して横設軸架される。枢軸15は、本実施例では、前述した収納部9の内壁面の左右1対の切欠状軸受け部17.17に嵌脱する。すなわち、枢軸15の両端部は切欠状軸受け部17.17に嵌め込まれ、後述する支持板31に支持される。したがって、支持板31を取り外すと、フックレバー16を取付け本体3から簡単に取り外すことができる。
(4)フックレバー
フックレバー16は指先状の上端部を除き、その余の部分が隆起支持部7のU字状切欠部8内に位置するように遊嵌合する。そして、フックレバー16は、その中央部の水平軸孔24を貫通する枢軸15を支点に所定角度の範囲内で前後方向に回動する。
換言すれば、フックレバー16は、中央部(中央部寄りの部位も含む)が水平軸15を介して隆起支持部7に軸支され、水平軸15を支点にして起立乃至傾倒自在に回動する。
しかして、フックレバー16は、その正面視に於いて、指状の形態をしており、外壁面の下端部には指を押し当てるための浅い凹所18が形成されている。また枢軸15を基準にしてフックレバー16の内壁面の上部側には、端面或いは断面横向き凹所状の操作ハンドル2用受け入れ部19が形成されている。
フックレバー16の上端部側は、図5で示すように、親指を折り曲げたような格好をしている。一方、フックレバー16の下端部側にはブロック形状の支持部20が設けられている。支持部20はハンドルクリック機構26を構成する上部支持球27を支持する受け孔21を有している。
22は受け入れ部19の一部を構成する指先状の当接部で、この当接部22はフックレバー16を閉じた時に取付けベース部4の上壁面に「ポン」と衝突する。また23も受け入れ部19の一部を構成する突起部で、この突起部23の内壁底面は、フックレバー16を閉じた時に前述した左右1対の係止部10.10の内壁底面と略同一平面(面一)となる。24は中央部の水平軸孔で、この水平軸孔24には前述したように棒状枢軸15が貫入される(図5参照)。
(5)ハンドルクリック機構
図4乃至図6を参照にしてハンドルクリック機構26を説明する。27はフックレバー16の支持部20の受け孔21に支持された上部支持球、28は支持板31の受け孔33に支持された下部支持球、29は上端部が前記上部支持球27の球面状突出部分に、一方、下端部が前記下部支持球28の球面状突出部分に支持されたバネ部材としてのスプリング、30はスプリングが左右に振れないように該スプリングを内装し、かつ、前記フックレバー16の支持部20の下端面20aと支持板31の受け孔33を有する下壁部32との間に揺動自在に介在するバネ保持筒である。
バネ保持筒30の上下の端縁部は、本実施例では上部支持球27又は/及び下部支持球28の球面状突出部分に摺動可能であると共に、フックレバー16の回動に対応して支持部20の下端面20aと支持板31の下壁部32の上面32aに交互に当接可能である。
(6)ハンドルクリック機構の作用
ハンドルクリック機構26を構成するスプリング29は保持筒30に保持されているから、スプリング29の本来的な使用(スプリングの長さ方向にのみ伸縮し、左右に振れないこと)が可能になる。
(7)支持板
主に図5、図6を参照にして支持板31について説明する。支持板31は取付け本体3の収納部9に複数個の固着具38.38を介して適宜に固定される。前述したように、32は受け孔33を有する下壁部である。受け孔33はやや傾斜状の中央部に形成されている。下壁部32の端縁部は下方に折り曲げ形成され、収納部9の内壁底面に当接している。
34は下壁部32に交差状に連設する左右1対のストッパ部である。これらのストッパ部34.34の上端部には、固着具38用の取付け孔35.35が形成されている。本実施例の支持板31のストッパ部34.34は、前述したように枢軸15の両端部を抑えるストッパ機能と、フックレバー16が完全傾倒した時に該フックレバー16の下端部を受け止めるストッパ機能の両方がある。
(8)取付け板
取付け板40は、取付け本体3の裏側に図示しない固着具を介して固定される。取付け板40は複数個の取付け孔、開口などを有するが、細部的事項については説明を割愛する。ここでは、図4を基準にして取付け本体3に対向する側を取付け板40の内面40aとして、一方、開閉扉側に対向する側を取付け板40の外面40bとする。
しかして、取付け板40を取付け本体3に取付けた場合に於いて、取付け板40の外面40bには、図7で示すように、自動式錠手段45を構成する駆動源としてのソレノイド46、その作動杆47、作動杆に連結された係合作動片48、並びに施錠時に於いて、取付け本体3又は/及びフックレバー16を叩き付けた時の衝撃によって係合作動片48に係合する跳ね上がり係止片60を備えた不正解錠防止機構Yが見える。
一方、取付け板40の内面40aには、図8で示すように、フックレバー16をロックするロック片55が見える。ロック片55はフックレバー16の支持部20と係脱可能である。なお、取付け板40の下部には、手動式錠手段11の駆動片14を通すための開口41が形成されている。
(9)自動式錠手段
自動式錠手段45は、本実施例では取付け板40の内面40a及び外面40bの両面に装着される。しかして、自動式錠手段45は、取付け本体3の外面(表面)40b側に固定された駆動源46と、この駆動源46の駆動力により作動する作動杆47と、この作動杆47の伸縮動に対応して所定量回動する係合作動片48と、この係合作動片48と横軸49を介して一体的に設けられ、かつ、取付け本体3の内面(裏面)40a側に位置すると共にフックレバー16と係脱するロック片55とから成る。
前記駆動源46はソレノイドを採用し、該ソレノイド46は取付け板40の略中央部に縦方向に配設されている。ソレノイド46の垂直作動杆47は、ソレノイド46がOFF(施錠状態)の時は、下方方向へ伸長し、これに対してソレノイド46がON(解錠状態)の時は、上方方向へと収縮する。また前記横軸49は取付け板40に回動自在に設けられていると共に、係合作動片48の一端部は、横軸49の突出外端部に固着具50を介して一体的に設けられている。
係合作動片48は、その突起状中間部が作動杆47の突出端部に適宜枢支されていると共に、その他端部には鉤状の係合部51が形成されている。さらに、係合作動片48の側壁部52は、図9及び図10で示すように、横軸49に巻装されたソレノイド用のバネ部材53の一端部を受けるバネ受け機能と、取付け板40に形成したストッパ54に当接するストッパ当接機能とを有する。
ところで、ソレノイド用バネ部材53に関し、その一端部は係合作動片48の側壁部52の内壁面に圧接するが、その他端部はソレノイド46の下端面に圧接する。このバネ部材53は、本実施例では、ソレノイド46がOFF状態の時に作動杆47が伸長するように下方方向(施錠方向)へと付勢する。また前述したストッパ54は、係合作動片48の側壁部52の外壁面と当接することができるように取付け板40の開口41付近に突設され、係合作動片48が横軸49と共に施錠方向へ所定量回動した際に該係合作動片48を所定位置に止める。
一方、ロック片55に関して説明すると、ロック片55は横軸49の突出内端部に固着具56を介してロック片55と同様に該横軸49に一体的に取付けられている。したがって、ロック片55、横軸49及び係合作動片48は、駆動源46の作動杆47が伸長又は収縮すると、一緒に回動する。
しかして、本実施例のロック片55は、ソレノイド46がOFF状態の時は、フックレバー16の回転軌跡上(例えばフックレバー16の下端部内面と対面関係)にあり、フックレバー16が傾倒しないようにロックする。
これに対し、ソレノイド46がON状態の時は、作動杆47が収縮するので、係合作動片48及びロック片55は、解錠方向へと回転し、その結果、ロック片55はフックレバー16の回転軌跡上から外れ、フックレバー16を倒すことが可能となる。
その他の構成について説明すると、前述した横軸49の中央部には、取付け板40の内面40aと摺接する周鍔57が設けられ、さらに、該周鍔57をカバーする軸受板58が取付け板40の内面40aに固定的に添設されている。
(10)不正解錠防止機構
前述したように取付け板40の外面40bには、自動式錠手段45の係合作動片48に関係付けられた不正解錠防止機構Yが設けられている。この不正解錠防止機構Yは、施錠時に取付け本体3又は/及びフックレバー16の上部を叩き付けた時の衝撃によって係合作動片48に係合する跳ね上がり係止片60を備えている。
しかして、本実施例の不正解錠防止機構Yは、取付け板40の固定軸61に軸支された跳ね上がり係止片60と、この跳ね上がり係止片60を所定の係合解除の位置に支持することができるように固定軸61に設けられた支持バネ62と、この支持バネ62の支持端部62aが当接する取付け板40の支持片42とから成る。
支持バネ62の支持端部62aは、前記支持片42に当接した状態で係合解除の位置にある跳ね上がり係止片60の一端部側を支持している。
換言すれば、跳ね上がり係止片60の一端部の下面は、反発力を有する支持バネ62の傾斜状支持端部62aに乗っかっているので、支持バネ62の支持端部62aは、扉開閉用ハンドル掛け金装置の上部をハンマーなどで叩き付けた場合に、その衝撃と共に支持バネ62の反発力(復帰力)により、跳ね上がり係止片60を係合方向へと助長回転させる踏み台的機能を果たす。
ところで、跳ね上がり係止片60の固定軸61に軸支された一端部側には、係合作動片48と係脱するフック状係合部60aが形成され、一方、他端部側には、図4で示すように錘63が設けられている。該錘63は跳ね上がり係止片60の他端部(自由端部)に設けられているから、衝撃時、支持バネ62の支持端部62aの弾性変位を促し、跳ね上がり係止片60の跳ね上がりを「はずませる」補助機能を有する。
(11)不正解錠防止機構の作用
図7、図11及び図12を参照にして不正解錠防止機構の作用について説明する。図7はハンドル掛け金装置の施錠時の状態を示す。この場合には、駆動源46の作動杆47が矢印方向に伸長し、係合作動片48はストッパ54に当接している。また、ロック片55は、図8の実線で示す位置、すなわち、フックレバー16の回転軌跡上にある。
したがって、自動式錠手段45のロック片55は、フックレバー16の傾倒回転を阻止し得る関係にある。一方、不正解錠防止機構Yの跳ね上がり係止片60は、支持バネ62の支持端部62aに支持された状態で水平状態或いは多少傾斜状態になっており、そのフック状係合部60aは、自動式錠手段45の係合作動片48から離れている。
これに対して、図11はハンドル掛け金装置の解錠時の状態を示す。この場合には、駆動源46の作動杆47が矢印方向に収縮し、係合作動片48はストッパ54から離れる。
また、ロック片55は、図8の仮想線で示す位置、すなわち、ロック片55はフックレバー16の回転軌跡上から外れているので、フックレバー16を倒すことが可能となる。このように自動式錠手段45の駆動源46の駆動力により、作動杆47が伸縮すると、係合作動片48及び可動横軸49を介してロック片55はフックレバー16を施・解錠する。
上記のような施・解錠態様に於いて、施錠時に、泥棒が取付け本体3又は/及びフックレバー16の上端部を、図示しない道具で叩き付けたと仮定する。この時、当然のことながら、取付け本体3に上下方向に「ドーン」というような振動が発生する。この時、取付け本体3の上下方向の衝撃(振動)により、前述したように駆動源の作動杆47が収縮しようとするが、該作動杆47が収縮する寸前、それよりも先に跳ね上がり係止片60が固定軸61を支点に係合方向へと回転する。その結果、そのフック状係合部60aは、自動式錠手段45の係合作動片48に係合する(図12参照)。
その理由は、係合作動片48には他の部材(駆動源の作動杆47、バネ部材53、横軸49など)の抵抗が働く反面、跳ね上がり係止片60は踏み台的機能を有する支持バネ62に支持されており、また、「はずませる」補助機能を有する錘63が自由端部に設けられているからである。
したがって、泥棒が自動式錠手段45を備えているハンドル掛け金装置Xをハンマーなどで叩き付けても、自動式錠手段のフックレバー16と係脱するロック片55が容易に解錠状態にならない。
第1実施利に於いて、支持バネ62は、跳ね上がり係止片60を所定の係合解除の位置に支持する機能を有すれば良いから、必ずしも固定軸61に設ける必要はない。例えば支持バネ62の一例としての板バネの一端部を取付け板40に適宜固定し、その自由端部62aで跳ね上がり係止片60を支持しても良い。
次に、この欄では本発明の第2の実施例について説明する。なお、第2実施例は前記第1実施例と発明の目的が同一なので、同一の部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
図13乃至図16に示す第2実施例は、「取付け板40に、施錠時に取付け本体3又は/及びフックレバー16を叩き付けた時の衝撃によって前記自動式錠手段45の係合作動片48が解錠方向へと移動しないように前記ロック片55の小被係合部(例えば小さな凹所)65と係合する小係合部(例えば小さな突起)66をフックレバー16に設けたこと」を特徴とする。
図14を参照にすると、前記小被係合部65は、フックレバー16の支持部20の内壁面に設けているので、これに対応して前記小係合部66をロック片55の先端部に設けている。ロック片55は、前述したように可動横軸49と共に回転するが、図15で示すように、施錠時には、ロック片55はフックレバー16の支持部20に対面するので、ロック片55の小さな凹所65とフックレバー16の小さな突起とは係合する。
しかして、泥棒が自動式錠手段45を備えているハンドル掛け金装置Xをハンマーなどで叩き付けても、ロック片55とフックレバー16は、単なる対面関係ではなく、一定の限界を超えない限り、両者の係合が解消しないような係合関係にあるから、衝撃力によってソレノイドの鉄心が上方に跳ね上がり、作動杆が解錠方向(例えば収縮方向)に移動しようとしても、作動杆48が解錠方向へ容易に移動しない。
本実施例に於いて、小被係合部65と小係合部66の係合関係にした理由は、施錠時、取付け本体3の殴打による振動程度ではロック片55は回転せず、一方、手動式錠手段11又は自動式錠手段45からの解錠方向への力が係合作動片48に積極的に作用した場合に於いて、ロック片55の係合力がある限界を超えると、該ロック片55の小さな凹所65がフックレバー16の小さな突起66から外れ、ロック片55は図16で示す仮想線の位置(解錠位置)へと回転する。
なお、前記小被係合部65と小係合部66の係合関係は逆であっても良いし、また小被係合部65と小係合部66は複数個であっても良い。
本発明は、主にバン型の車輌の後部や側部の開閉扉に取付けられる。
図1乃至図12は本発明の最良の実施例を示す各説明図。図13及び図16は本発明の第2実施例を示す各説明図。
開閉扉の外壁面に取付ける場合の正面からの説明図。 平面からの説明図。 右側面からの説明図。 ハンドル掛け金装置の取付け本体から取付け板を外した状態の説明図。 ハンドル掛け金装置の取付け本体側の構成を示す分解斜視図。 取付け本体の収納部側から見た概略説明図(フックレバーを閉じた時)。 ハンドル掛け金装置の施錠時に於いて、主要部の各部材の位置関係を示す概略説明図。 取付け板の内面側から見た概略説明図。 フックレバーと自動式錠手段のロック片との関係を示す概略説明図。 自動式錠手段の主要部(ロック片、可動横軸、係合作動片等)を示す説明図。 ハンドル掛け金装置の解錠時に於いて、主要部の各部材の位置関係を示す概略説明図。 取付け本体に上下方向の振動が発生した時に於いて、跳ね上がり係止片が係合作動片に係合した状態の概略説明図。 第2実施例の図4と同様の図。 図9と同様の図。 主要部の斜視図。 作用の説明図。
符号の説明
X…扉開閉用ハンドル掛け金装置、1…開閉扉、2…操作ハンドル、3…取付け本体、4…取付けベース部、6…開口部、7…隆起支持部、8…切欠部、9…収納部、10…係止部、11…手動式錠手段、15…枢軸、16…フックレバー、17…軸受け部、20…支持部、22…当接部、23…突起部、24…水平軸孔、26…ハンドルクリック機構、27…上部支持球、28…下部支持球、29…係合腕、30…バネ保持筒、31…支持板、32…下壁部、34…ストッパ部、38、50、56…固着具、40…取付け板、41…開口、42…支持片、45…自動式錠手段、46…駆動源、47…作動杆、48…係合作動片、49…横軸、53…駆動源用バネ部材、55…ロック片、Y…不正解錠防止機構、60…跳ね上がり係止片、60a…係合部、61…固定軸、62…支持バネ、62a…支持端部、63…錘。

Claims (6)

  1. ハンドルクリック機構のスプリングのバネ力が作用するように取付け本体に枢軸を介して起立乃至傾倒自在に設けられたフックレバーを備えた扉開閉用ハンドル掛け金装置に於いて、ハンドル掛け金装置の不正解除を防止するために、前記取付け本体3に固定される取付け板40にフックレバーをロックするロック片55並びに該ロック片と横軸49を介して一体的に設けられ、かつ、作動杆47の伸縮動に対応して所定量回動する係合作動片48を備えた自動式錠手段45を装着し、また取付け板40に、施錠時に取付け本体3又は/及びフックレバー16を叩き付けた時の衝撃によって前記係合作動片48に回転係合する跳ね上がり係止片60を備えた不正解錠防止機構Yを装着したことを特徴とする扉開閉用ハンドル掛け金装置。
  2. 請求項1に於いて、不正解錠防止機構は、取付け板40の固定軸61に軸支された跳ね上がり係止片60と、この跳ね上がり係止片60を所定の係合解除の位置に支持することができるように前記固定軸或いは取付け板に設けられた支持バネ62と、この支持バネの支持端部62aが当接する取付け板40の支持片42とから成ることを特徴とする扉開閉用ハンドル掛け金装置。
  3. 請求項1又は請求項2に於いて、跳ね上がり係止片60の固定軸61に軸支された一端部側には、係合作動片48と係脱するフック状係合部60aが形成され、一方、他端部側には、錘63が設けられていることを特徴とする扉開閉用ハンドル掛け金装置。
  4. 請求項1に於いて、自動式錠手段45は、取付け板40の外面側に固定された駆動源46と、この駆動源の駆動力により作動する作動杆47の伸縮動に対応して所定量回動する係合作動片48と、この係合作動片48と横軸49を介して一体的に設けられ、かつ、取付け板40の内面側に位置すると共にフックレバー16と係脱するロック片55とから成ることを特徴とする扉開閉用ハンドル掛け金装置。
  5. ハンドルクリック機構のスプリングのバネ力が作用するように取付け本体に枢軸を介して起立乃至傾倒自在に設けられたフックレバーを備えた扉開閉用ハンドル掛け金装置に於いて、ハンドル掛け金装置の不正解除を防止するために、前記取付け本体3に固定される取付け板40にフックレバー16と係脱するロック片55を備えた自動式錠手段45を装着し、また取付け板40に、施錠時に取付け本体3又は/及びフックレバー16を叩き付けた時の衝撃によって前記自動式錠手段45の係合作動片48が解錠方向へと移動しないように前記ロック片の小被係合部と係合する小係合部を前記フックレバーに設けたことを特徴とする扉開閉用ハンドル掛け金装置。
  6. 請求項5に於いて、自動式錠手段45は、ロック片55と横軸49を介して一体的に設けられ、かつ、作動杆47の伸縮動に対応して所定量回動する係合作動片48を備え、また取付け板40に、ハンドル掛け金装置を叩き付けた際に衝撃によって前記係合作動片48に係合する跳ね上がり係止片60を備えた不正解錠防止機構Yを装着したことを特徴とする扉開閉用ハンドル掛け金装置。
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