JP2005068510A - 傾斜組成膜製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板面上に膜厚が一定の比率で連続的に変化し規則的な勾配を持つ傾斜組成膜を形成可能にする。
【解決手段】蒸発源100と基板300との間に遮蔽板200を設置するとともに、蒸発源100の一端1aと遮蔽板200の蒸気誘導端面X1X2とを結ぶ延長線が基板300の基板面N1M1M2N2となす蒸気衝突角度と、蒸発源100の他端1bと遮蔽板200の蒸気誘導端面X1X2とを結ぶ延長線が基板面N1M1M2N2となす蒸気衝突角度がそれぞれ75度〜105度の範囲となるように蒸発源100、遮蔽板200、基板300の位置を調節する。
【選択図】図1

Description

本発明は、蒸発源からの蒸気を基板の表面で受け止める際に、蒸発源と基板との間に配置した遮蔽板の遮蔽効果によって基板の表面に傾斜組成膜を形成するようにした傾斜組成膜製造装置に関し、特に傾斜組成膜の膜厚を一定の比率で連続的に変化させ規則的な勾配を持たせるための技術に関する。
一般に、傾斜組成合金は、目標組成を持つ複数個の合金をあらかじめ用意し、これらを組成比率の順に張り合わせて焼結一体化し、張り合わせた方向の組成分布に傾斜を持たせることによって製造することができる。このような傾斜組成合金は、近年では例えば遮熱材料、応力緩和を要する部品、接合性向上を要する接合などで多く活用されている。傾斜組成合金の製造装置としては、均熱の加熱部分を持った通常の焼結炉装置が用いられる(例えば非特許文献1参照)。
蒸発源において物質(被蒸発材料)を蒸発させると、蒸発したその物質の蒸気は空間のあらゆる方向に飛び出すという性質がある。この性質を利用して、蒸発源の上部に基板を設置し、蒸発源からの蒸気をこの基板の表面で受け止めるようにすると、基板面には、蒸気が円状や楕円状に近似した模様を描きながら付着して膜が形成される。このようにすることで、基板面上に膜厚を無秩序に傾斜させた傾斜組成膜を製造することができる。この場合の傾斜組成膜の製造装置としては、真空容器の中に蒸発源と基板を内蔵した通常の真空蒸着装置を用いることができる(例えば非特許文献2参照)。
物質の上記性質を利用して、図17に示すように、複数の蒸発源10a,10b,10cに異なる被蒸発材料を別々に収納し、これらを同時に蒸発させ、各蒸発源からの蒸気を重畳させて基板30の表面で受け止めることにより、基板面上に組成分布を無秩序に傾斜させた傾斜組成合金膜を製造することができる。この場合の傾斜組成合金膜の製造装置としても、真空容器の中に蒸発源と基板を内蔵した通常の真空蒸着装置を用いることができる(例えば非特許文献2参照)。
社団法人未踏科学技術協会、傾斜機能材料研究会偏集「傾斜機能材料」工業調査会発行、1993年2月10日発行、第2頁、図1.1、第50頁、図2.27、第51頁、写真2.4。 日刊工業新聞社、金持徹編集「真空技術ハンドブック」1990年3月31日発行、第499頁、6.1.2蒸着装置と蒸着法、第500頁、図6.1.2真空蒸着装置の基本構成。
しかしながら、非特許文献1のように焼結一体化して得た傾斜組成合金では、組成分布が連続的ではなく段階的に変化することになる。この状態では化学、金属、セラミックス材料分野で常用されているような良質な組成分布は得られない。これを是正するためには天文学的な個数の合金をあらかじめ用意して積層しなければならず、実用性に乏しい。
非特許文献2のような真空蒸着技術を使用した場合には、基板面上の傾斜組成膜の組成分布は連続的な変化を持つこととなるが、その組成分布は無秩序であり、やはり化学、金属、セラミックス材料分野で常用されているような良質な組成分布は得られず、実用性に乏しい。なお、非特許文献2の図6.1.2は、真空蒸着装置の基本的な構成を示すものであり、同文献には、より良質な成膜を得るための技術については記載されていない。
本発明は、このような従来技術の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、基板面上に膜厚が一定の比率で連続的に変化し規則的な勾配を持つ傾斜組成膜を形成し得る傾斜組成膜製造装置を提供することにある。
第1の本発明に係る傾斜組成膜製造装置は、被蒸発材料を備えた蒸発源と、前記蒸発源に対向して配置された基板と、前記蒸発源と前記基板との間に配置され、前記被蒸発材料から蒸発した蒸気の一部を遮蔽するための遮蔽面とその蒸気の残部を基板面上の所定位置に誘導するための蒸気誘導端面を備えた遮蔽板と、を有し、前記蒸発源の一端と前記遮蔽板の蒸気誘導端面とを結ぶ延長線が前記基板面となす蒸気衝突角度と、前記蒸発源の他端と前記遮蔽板の蒸気誘導端面とを結ぶ延長線が前記基板面となす蒸気衝突角度がそれぞれ75度〜105度の範囲となるように前記基板、前記遮蔽板、前記蒸発源の位置を調節したことを特徴とする。
本発明にあっては、蒸発源と基板との間に遮蔽板を配置することによって、遮蔽板の蒸気誘導端面が、遮蔽面により遮蔽されなかった蒸気の残部を基板面上の所定位置に誘導して成膜量分布に傾斜を与えるようにしている。これと共に、蒸発源の一端と蒸気誘導端面とを結ぶ延長線が基板面となす蒸気衝突角度と、蒸発源の他端と蒸気誘導端面とを結ぶ延長線が基板面となす蒸気衝突角度がそれぞれ75度〜105度の範囲となるようにしたことで、成膜厚さの均一性を確保する上で相乗効果が得られ、基板面上における中心部と周辺部とでの成膜厚さの違いが一定範囲内に制限されるようにしている。
第2の本発明に係る傾斜組成膜製造装置は、被蒸発材料を備えた第1蒸発源および第2蒸発源と、前記各蒸発源に対向して配置された基板と、前記各蒸発源と前記基板との間に配置され、前記被蒸発材料から蒸発した蒸気の一部を遮蔽するための遮蔽面とその蒸気の残部を基板面上の所定位置に誘導するための第1蒸気誘導端面および第2蒸気誘導端面を備えた遮蔽板と、を有し、第1蒸発源の一端と前記遮蔽板の第1蒸気誘導端面とを結ぶ延長線が前記基板面に交差する交点と、第1蒸発源の他端と前記遮蔽板の第2蒸気誘導端面とを結ぶ延長線が前記基板面に交差する交点とが一致し、かつ各延長線が前記基板面となす蒸気衝突角度がそれぞれ75度〜105度の範囲になるとともに、第2蒸発源の一端と前記遮蔽板の第1蒸気誘導端面とを結ぶ延長線が前記基板面に交差する交点と、第2蒸発源の他端と前記遮蔽板の第2蒸気誘導端面とを結ぶ延長線が前記基板面に交差する交点とが一致し、かつ各延長線が前記基板面となす蒸気衝突角度がそれぞれ75度〜105度の範囲となるように前記基板、前記遮蔽板、第1蒸発源、第2蒸発源の位置を調節したことを特徴とする。
本発明にあっては、2成分系の傾斜組成膜の形成においても、基板面の一端から他端へ向かう各位置における成膜厚さが連続的に変化すると共に、第1蒸発源の一端からの蒸気と他端からの蒸気、第2蒸発源の一端からの蒸気と他端からの蒸気の全てについての蒸気衝突角度が75度〜105度の範囲となるようにしたことで、基板面上における中心部と周辺部とでの成膜厚さの違いが一定範囲内に制限されるようにしている。
第3の本発明に係る傾斜組成膜製造装置は、被蒸発材料を備えた第1蒸発源、第2蒸発源、第3蒸発源と、前記各蒸発源に対向して配置された基板と、前記各蒸発源と前記基板との間に配置され、前記被蒸発材料から蒸発した蒸気の一部を遮蔽するための遮蔽面とその蒸気の残部を基板面上の所定位置に誘導するための第1蒸気誘導端面、第2蒸気誘導端面、第3蒸気誘導端面を備えた遮蔽板と、を有し、第1蒸発源の一端と前記遮蔽板の第1蒸気誘導端面とを結ぶ延長線が前記基板面となす蒸気衝突角度と、第1蒸発源の他端と前記遮蔽板の第1蒸気誘導端面とを結ぶ延長線が前記基板面となす蒸気衝突角度がそれぞれ75度〜105度の範囲となり、第2蒸発源の一端と前記遮蔽板の第2蒸気誘導端面とを結ぶ延長線が前記基板面となす蒸気衝突角度と、第2蒸発源の他端と前記遮蔽板の第2蒸気誘導端面とを結ぶ延長線が前記基板面となす蒸気衝突角度がそれぞれ75度〜105度の範囲となり、第3蒸発源の一端と前記遮蔽板の第3蒸気誘導端面とを結ぶ延長線が前記基板面となす蒸気衝突角度と、第3蒸発源の他端と前記遮蔽板の第3蒸気誘導端面とを結ぶ延長線が前記基板面となす蒸気衝突角度がそれぞれ75度〜105度の範囲となるように前記基板、前記遮蔽板、第1蒸発源、第2蒸発源、第3蒸発源の位置を調節したことを特徴とする。
本発明にあっては、3成分系の傾斜組成膜の形成においても、基板面の一端から他端へ向かう各位置における成膜厚さが連続的に変化すると共に、第1蒸発源の一端からの蒸気と他端からの蒸気、第2蒸発源の一端からの蒸気と他端からの蒸気、第3蒸発源の一端からの蒸気と他端からの蒸気の全てについての蒸気衝突角度が75度〜105度の範囲となるようにしたことで、基板面上における中心部と周辺部とでの成膜厚さの違いが一定範囲内に制限されるようにしている。
本発明によれば、基板面上の一端から他端に向かう各位置における成膜厚さが一定の比率で連続的に変化し規則的な勾配を持つ良質な傾斜組成膜を形成することができる。
[第1の実施の形態]
(傾斜組成膜製造装置の基本構成)
本実施の形態における傾斜組成膜製造装置は、蒸発源に収納された被蒸発材料を蒸発させ、基板面上の対象位置への蒸気の到達量に規則的な勾配を持たせて成膜することにより、基板面上の少なくとも1方向において傾斜組成を有する薄膜若しくはそれと同等の傾斜組成を有する薄膜を得るための成膜室装置と、被蒸発材料を蒸発させるための加熱装置と、成膜室装置内部の雰囲気の圧力を調整するための排気装置とを備え、これら成膜室装置と加熱装置と排気装置とが気密性を持ってステンレス部材で連結された構成である。
図1は、成膜室装置の構成を模式的に示した側面図である。ここでは、被蒸発材料が1成分の場合の傾斜組成膜製造装置について説明する。同図の成膜室装置では、被蒸発材料を収納した蒸発源100を細長形状とする。蒸発源100の一端は1a、他端は1bとする。蒸発源100に対向して基板300を配置し、蒸発源100と基板300との間に遮蔽板200を配置する。
図2に示すように、遮蔽板200は、頂点をX1,Y1,Y2,X2とする四角形状であり、被蒸発材料から蒸発した蒸気の一部を遮蔽するための遮蔽面とその蒸気の残部を上方の基板面上の所定位置に誘導するための蒸気誘導端面を備える。ここでは、遮蔽面をX1Y1Y2X2で示し、蒸気誘導端面をX1X2で示す。
図3に示すように、基板300は、頂点をN1,M1,M2,N2とする四角形状であり、遮蔽板200によって遮蔽されなかった蒸気を付着させるための基板面を備える。ここでは、基板面をN1M1M2N2と示す。
細長状の蒸発源100と遮蔽板200の遮蔽面X1Y1Y2X2は、平行となるようにそれぞれ配置される。また、遮蔽板200の遮蔽面X1Y1Y2X2と基板300の基板面N1M1M2N2も平行となるようにそれぞれ配置される。
(傾斜組成膜の成膜原理)
上記構成の傾斜組成膜製造装置では、加熱装置によって蒸発源100内に収納された被蒸発材料を加熱して蒸発させ、遮蔽板200の遮蔽面X1Y1Y2X2により蒸気の一部を遮蔽するとともに、遮蔽板200の蒸気誘導端面X1X2によって蒸気の残部を基板300の基板面N1M1M2N2上の所定位置に誘導し付着させ、成膜厚さの分布に規則的な勾配を持った傾斜組成膜を形成する。以下、図1を用いてより詳細に説明する。
蒸発源100の一端1aから蒸発した蒸気は、一部は遮蔽面X1Y1Y2X2に遮蔽されるが、残りの大部分は基板面N1M1M2N2に到達する。この場合、その蒸気は、遮蔽板200の蒸気誘導端面X1X2と蒸発源100の一端1aとを結ぶ延長線と基板面N1M1M2N2とが交差するイ点に到達する。図1に示す蒸発源100の一端1aの僅か左側から蒸発した蒸気は、基板面N1M1M2N2のイ点の僅か右側に到達し、基板面N1M1M2N2上のイ点より左側は、蒸発した蒸気が全く到達しない部分となる。すなわち、イ点が、蒸気が到達する領域と蒸気が到達しない領域との境界の点となる。
一方、蒸発源100の他端1bから蒸発した蒸気は、基板面N1M1M2N2のロ点に到達する。蒸発源100の他端1bの僅か右側から蒸発した蒸気は、ロ点の僅か左側に到達する。すなわち、ロ点が、蒸気が到達する領域と蒸気が到達しない領域との境界の点となる。
蒸発源100を移動して、同図に示すように蒸発源の一端を2a、他端を2bの位置とした場合や、蒸発源の一端を3a、他端を3bの位置とした場合、蒸発源の一端を4a、他端を4bの位置とした場合においても同様である。
このような構成においては、蒸発源100は、特に細長状とすると、基板面N1M1M2N2上に到達する蒸気量にスム−ズな勾配を持たせることができ、遮蔽板200による遮蔽効果と相俟って、規則的な勾配を持たせるのに好ましい。
しかし、このままでは、基板面N1M1M2N2への蒸気の衝突角度が基板面の中央部と周辺部とで相違することに起因して、基板面上の成膜量は基板面の中央部が多く、基板面の周辺部が少なくなる傾向があり、良質な成膜組成分布は得られない。
そこで、本実施の形態では、蒸発源100の一端1aおよび他端1bからの蒸気が基板面N1M1M2N2に衝突する際の交点イおよび交点ロにおける蒸気衝突角度がそれぞれ75度〜105度(実質的には90度プラス・マイナス15度)の範囲となるようにすることで、基板面N1M1M2N2上の特に中心部と周辺部とでの成膜量の違いを一定範囲内に抑制し、良質な成膜組成分布が得られるようにする。
具体的には、蒸発源100の一端1aと遮蔽板200の蒸気誘導端面X1X2とを結ぶ延長線と基板面N1M1M2N2とが交点イでなす蒸気衝突角度が75度〜105度の範囲になるようにするとともに、蒸発源100の他端1bと遮蔽板200の蒸気誘導端面X1X2とを結ぶ延長線と基板面N1M1M2N2とが交点ロでなす蒸気衝突角度が75度〜105度の範囲となるように、蒸発源100、遮蔽板200、基板300の相対位置を調節する。
基板面N1M1M2N2への蒸気衝突角度を75度〜105度の範囲とするのは、後述するように、蒸気衝突角度が75度未満では、傾斜組成膜の成膜量(成膜厚さ)が、理想状態と比べて約90%以下に低下し(成膜量が小となる)、良質の成膜状態とはならないからである。蒸気衝突角が60度にまで低下すると、理想状態と比べて更に小さく75%程度に低下し(成膜量が更に小となる)、一層良質の成膜状態とはならない。蒸気衝突角が30度にまで低下すると、理想状態と比べて更に小さい25%程度に小となり(成膜量が更に小となる)、一層良質の成膜状態とはならない。
一方、基板面N1M1M2N2への蒸気衝突角度が105度を越えた場合も、成膜量(成膜厚さ)は、理想状態と比べて約90%以下に低下し(成膜量が小となる)、同様に良質の成膜状態とはならない。蒸気衝突角度が120度となると、理想状態と比べて更に小さく75%程度に低下し(成膜量が更に小)となり一層良質の成膜状態とはならない。蒸気衝突角度が150度となると、理想状態と比べて更に小さく25%程度に低下し(成膜量が更に小)、一層良質の成膜状態とはならない。
以上から、傾斜組成膜の良質な組成分布を得るためには、基板面N1M1M2N2への蒸気衝突角度を75度〜105度の範囲とすることが最適である。
(蒸発源、遮蔽板、基板の相対的な位置関係)
本実施の形態では、基板面への蒸気衝突角度を75度〜105度の範囲にするとともに、蒸発源100と遮蔽板200との距離をP、遮蔽板200と基板300との距離をQとしたときのP/(P+Q)の値が0.1〜0.9の範囲となるように、蒸発源100、遮蔽板200、基板300の位置を調節する。これは、P/(P+Q)の値が0.1よりも小さいと遮蔽板が蒸発源に近すぎ、この値が0.9よりも大きいと遮蔽板が基板に近すぎるため、いずれも良質な傾斜組成膜を形成することができないからである。P/(P+Q)の値を0.1〜0.9の範囲とすることで、基板面上における成膜厚さに連続性があり、かつ基板面の各位置における成膜量(成膜厚さ)が一定の比率で分布することとなる。
したがって、本実施の形態によれば、蒸発源100と基板300との間に遮蔽板200を設置することによって、遮蔽板200の蒸気誘導端面X1X2が遮断されなかった蒸気の残部を基板面上の所定位置に誘導して成膜量分布に傾斜を与えると共に、蒸発源100の一端1aと蒸気誘導端面X1X2とを結ぶ延長線が基板面N1M1M2N2となす蒸気衝突角度と、蒸発源100の他端1bと蒸気誘導端面X1X2とを結ぶ延長線が基板面N1M1M2N2となす蒸気衝突角度がそれぞれ75度〜105度の範囲となるようにしたことで、成膜厚さの均一性を確保する上で相乗効果が得られ、基板面上における中心部と周辺部とでの成膜量(成膜厚さ)の違いが一定範囲内に制限されるので、基板面上の一端から他端に向かう各位置における成膜量(成膜厚さ)が一定の比率で連続的に変化し規則的な勾配を持った良質な傾斜組成膜を形成することができる。
本実施の形態によれば、蒸発源100と遮蔽板200との距離をP、遮蔽板200と基板300との距離をQとしたときのP/(P+Q)の値が0.1〜0.9の範囲となるように蒸発源100、遮蔽板200、基板300の位置を調節したことで、基板面上での所定位置における成膜量の分布に規則的な勾配を持たせることができ、化学、金属、セラミックス材料分野で常用されているような良質な組成分布が得られ、さらに良質な傾斜組成膜を形成することができる。
[第2の実施の形態]
本実施の形態では、2個の蒸発源、2枚の遮蔽板を備えた2成分系の傾斜成膜製造装置について説明する。
図4の側面図に示すように、本実施の形態における傾斜成膜製造装置は、成膜室装置内に第1蒸発源110、第2蒸発源120、第1遮蔽板210、第2遮蔽板220、基板300を備える。図示しない加熱装置、排気装置の構成については第1の実施の形態と同様である。
図5(a)の平面図および同図(b)の断面図に示すように、第1遮蔽板210は四角形状であり遮蔽面W1Z1Z2W2および第1蒸気誘導端面W1W2を備える。第2遮蔽板220は同様に遮蔽面Y1X1X2Y2および第2蒸気誘導端面X1X2を備える。
第1遮蔽板210と第2遮蔽板220は、第1蒸気誘導端面W1W2と第2蒸気誘導端面X1X2が対向するように配置される。特に本実施の形態では、第1蒸気誘導端面W1W2と第2蒸気誘導端面X1X2とが平行となるように配置する。このように配置することで、第1蒸気誘導端面W1W2と第2蒸気誘導端面X1X2により蒸気通過領域X1X2W1W2を形成する。
また、第1蒸発源110、第2蒸発源120、第1遮蔽板210の遮蔽面W1Z1Z2W2、第2遮蔽板220の遮蔽面Y1X1X2Y2は平行となるようにそれぞれ配置する。これら遮蔽面W1Z1Z2W2、遮蔽面Y1X1X2Y2と、基板300の基板面も平行となるようにそれぞれ配置する。
本傾斜組成膜製造装置における傾斜組成膜の成膜では、まず第1蒸発源110の一端11aと第1遮蔽板210の第1蒸気誘導端面W1W2とを結ぶ延長線が基板300の基板面N1M1M2N2に交差する交点をリ点としたとき、この延長線と基板面N1M1M2N2とがリ点でなす蒸気衝突角度が75度〜105度の範囲になるように第1蒸発源110、第1遮蔽板210、基板300の位置を調節する。
さらに、第1蒸発源110の他端11bと第2遮蔽板220の第2蒸気誘導端面X1X2とを結ぶ延長線が基板面N1M1M2N2に交差する交点がリ点に一致し、かつこの延長線と基板面N1M1M2N2とがリ点でなす蒸気衝突角度が75度〜105度の範囲になるように第1蒸発源110、第2遮蔽板220、基板300の位置を調節する。
第2蒸発源120については、その一端12cと第1遮蔽板210の第1蒸気誘導端面W1W2とを結ぶ延長線が基板面N1M1M2N2に交差する交点をヌとしたとき、この延長線と基板面N1M1M2N2とがヌ点でなす蒸気衝突角度が75度〜105度の範囲になるように第2蒸発源120、第1遮蔽板210、基板300の位置を調節する。
さらに、第2蒸発源120の他端12dと第2遮蔽板220の第2蒸気誘導端面X1X2とを結ぶ延長線が基板面N1M1M2N2に交差する交点がヌ点に一致し、かつこの延長線と基板面N1M1M2N2とがヌ点でなす蒸気衝突角度が75度〜105度の範囲となるように、第2蒸発源120、第2遮蔽板220、基板300の位置を調節する。
これらの蒸気衝突角度を75度未満とすると、基板面上の中心部と周辺部とで成膜量に少なくとも10%を越える差異が見られるようになり、厚さの均一性の観点から良質な成膜とはいえなくなる。蒸気衝突角度が105度を越えた場合も同様である。
本傾斜組成膜製造装置では、さらに、第1蒸発源110と第1遮蔽板210との距離をP、第1遮蔽板210と基板300との距離をQとしたときのP/(P+Q)の値が0.1〜0.9の範囲となるように、第1蒸発源110、第1遮蔽板210、基板300の位置を調節する。第2蒸発源120、第2遮蔽板220、基板300の位置についても同様に調節する。
したがって、本実施の形態によれば、第1蒸発源110および第2蒸発源120と基板300との間に第1遮蔽板210および第2遮蔽板220を設置することによって、第1遮蔽板210の第1蒸気誘導端面W1W2および第2遮蔽板220の第2蒸気誘導端面X1X2が、遮断されなかった蒸気の残部を基板面上の所定位置に誘導して成膜量分布に傾斜を与える。これと共に、第1蒸発源110の一端11aからの蒸気と他端11bからの蒸気、第2蒸発源120の一端12cからの蒸気と他端12dからの蒸気についての全ての蒸気衝突角度が75度〜105度の範囲となるようにしたことで、成膜厚さの均一性を確保する上で相乗効果が得られ、基板面上における中心部と周辺部とでの成膜量(成膜厚さ)の違いが一定範囲内に制限されるので、基板面上の一端から他端に向かう各位置における成膜厚さが一定の比率で連続的に変化し規則的な勾配を持つ良質な2成分系の傾斜組成膜を形成することができる。
本実施の形態によれば、第1蒸発源110と第1遮蔽板210との距離をP、第1遮蔽板210と基板300との距離をQとしたときのP/(P+Q)の値が0.1〜0.9の範囲となるように第1蒸発源110、第1遮蔽板210、基板300の位置を調節し、また第2蒸発源120、第2遮蔽板220、基板300についても同様に位置を調節したことで、基板面上での所定位置における成膜量の分布に規則的な勾配を持たせることができ、化学、金属、セラミックス材料分野で常用されているような良質な組成分布が得られ、さらに良質な傾斜組成膜を形成することができる。
なお、本実施の形態においては、第1遮蔽板210の第1蒸気誘導端面W1W2と、第2遮蔽板220の第2蒸気誘導端面X1X2を平行に配置して蒸気通過領域を形成するようにした(距離X1W1=距離X2W2)が、これに限られるものではない。例えば基板面上に傾斜組成膜を形成しようとする位置に応じて、第1蒸気誘導端面W1W2と第2蒸気誘導端面X1X2がハ字型となるように第1遮蔽板210と第2遮蔽板220を配置してもよい。この場合は、図5(a)において、W2とX2の距離、W1とX1の距離のいずれか一方の距離が他方の距離よりも長くなるように配置する(距離X1W1>距離X2W2または距離X1W1<距離X2W2)。
第1蒸気誘導端面W1W2と第2蒸気誘導端面X1X2をハ字型に配置する場合には、第1蒸気誘導端面W1W2の端W1と第2蒸気誘導端面X1X2の端X1が接触し(距離X1W1=0)、または第1蒸気誘導端面W1W2の端W2と第2蒸気誘導端面X1X2の端X2が接触するように配置してもよい(距離X2W2=0)。
[第3の実施の形態]
本実施の形態では、2個の蒸発源、1枚の遮蔽板を備えた2成分系の傾斜成膜製造装置について説明する。
図6の側面図に示すように、本実施の形態における傾斜成膜製造装置は、成膜室装置内に第1蒸発源110、第2蒸発源120、遮蔽板230、基板300を備える。図示しない加熱装置、排気装置の構成については第1の実施の形態と同様である。
第1蒸発源110、第2蒸発源120は細長形状である。第1蒸発源110の一端を11a、他端を11bとし、第2蒸発源120の一端を12c、他端を12dとする。
図7(a)の平面図および同図(b)の断面図に示すように、遮蔽板230は四角形状であり、頂点X3,W3,W4,X4で囲まれた遮蔽面X3W3W4X4と、その外端面に第1蒸気誘導端面W3W4、第2蒸気誘導端面X3X4を備える。第1蒸気誘導端面W3W4と第2蒸気誘導端面X3X4は対向しており、特に本実施の形態では、第1蒸気誘導端面W3W4と第2蒸気誘導端面X3X4とが平行となっている。
本傾斜組成膜製造装置における傾斜組成膜の成膜では、まず第1蒸発源110の一端11aと遮蔽板230の第1蒸気誘導端面W3W4とを結ぶ延長線と基板300の基板面N1M1M2N2とが交差する交点をリ点とするとき、この延長線と基板面N1M1M2N2とがリ点でなす蒸気衝突角度が75度〜105度の範囲になるように第1蒸発源110、遮蔽板230、基板300の位置を調節する。
さらに、第1蒸発源110の他端11bと遮蔽板230の第2蒸気誘導端面X3X4とを結ぶ延長線が基板面N1M1M2N2に交差する交点がリ点に一致し、かつこの延長線と基板面N1M1M2N2とがリ点でなす蒸気衝突角度が75度〜105度の範囲になるように第1蒸発源110、遮蔽板230、基板300の位置を調節する。
第2蒸発源120については、その一端12cと遮蔽板230の第1蒸気誘導端面W3W4とを結ぶ延長線が基板面N1M1M2N2に交差する交点をヌとしたとき、この延長線と基板面N1M1M2N2とがヌ点でなす蒸気衝突角度が75度〜105度の範囲になるように第2蒸発源120、遮蔽板230、基板300の位置を調節する。
さらに、第2蒸発源120の他端12dと遮蔽板230の第2蒸気誘導端面X3X4とを結ぶ延長線が基板面N1M1M2N2に交差する交点がヌ点に一致し、かつこの延長線と基板面N1M1M2N2とがヌ点でなす蒸気衝突角度が75度〜105度の範囲となるように、第2蒸発源120、遮蔽板230、基板300の位置を調節する。
これらの蒸気衝突角度を75度未満とすると、基板面上の中心部と周辺部との成膜量に少なくとも10%を越える差異が見られるようになり、厚さの均一性の観点から良質な成膜とはいえなくなる。蒸気衝突角度が105度を越えた場合も同様である。
本傾斜組成膜製造装置では、さらに、第1蒸発源110と遮蔽板230との距離をP、遮蔽板230と基板300との距離をQとしたときのP/(P+Q)の値が0.1〜0.9の範囲となるように、第1蒸発源110、遮蔽板230、基板300の位置を調節する。第2蒸発源120、遮蔽板230、基板300の位置関係についても同様に調節する。
したがって、本実施の形態によれば、第1蒸発源110および第2蒸発源120と基板300との間に遮蔽板230を配置することによって、遮蔽板230の第1蒸気誘導端面W3W4および第2蒸気誘導端面X3X4が、遮断されなかった蒸気の残部を基板面上の所定位置に誘導して成膜量分布に傾斜を与える。これと共に、第1蒸発源110の一端11aからの蒸気と他端11bからの蒸気、第2蒸発源120の一端12cからの蒸気と他端12dからの蒸気の全てについての蒸気衝突角度が75度〜105度の範囲となるようにしたことで、成膜厚さの均一性を確保する上で相乗効果が得られ、基板面上における中心部と周辺部とでの成膜量(成膜厚さ)の違いが一定範囲内に制限されるので、基板面上の一端から他端に向かう各位置における成膜厚さが一定の比率で連続的に変化し規則的な勾配を持つ良質な2成分系の傾斜組成膜を形成することができる。
本実施の形態によれば、第1蒸発源110と遮蔽板230との距離をP、遮蔽板230と基板300との距離をQとしたときのP/(P+Q)の値が0.1〜0.9の範囲となるように第1蒸発源110、遮蔽板230、基板300の位置を調節し、また第2蒸発源120、遮蔽板230、基板300についても同様に位置を調節したことで、基板面上での所定位置における成膜量の分布に規則的な勾配を持たせることができ、化学、金属、セラミックス材料分野で常用されているような良質な組成分布が得られ、さらに良質な傾斜組成膜を形成することができる。
なお、本実施の形態においては、遮蔽板230の外端面を第1蒸気誘導端面W3W4、第2蒸気誘導端面X3X4としたが、これに限られるものではない。例えば、図7(a)(b)に示すように、頂点をY3Z3Z4Y4とする四角形状の板の中央部を四角形にくり抜き、このくり抜いた四角形の対向する端面を第1蒸気誘導端面W3W4、第2蒸気誘導端面X3X4とし、これら第1蒸気誘導端面W3W4、第2蒸気誘導端面X3X4により蒸気通過領域を形成するようにしてもよい。この場合も上記と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態においては、遮蔽板230の第1蒸気誘導端面W1W2と、第2蒸気誘導端面X1X2を平行に配置したが、これに限られるものではない。基板面上に傾斜組成膜を形成しようとする位置に応じて、例えば第1蒸気誘導端面W1W2と第2蒸気誘導端面X1X2がハ字型となるように遮蔽板の形状を定めてもよい。この場合は、図7(a)において、第1蒸気誘導端面W3W4の端W3と第2蒸気誘導端面X3X4の端X3の距離、第1蒸気誘導端面W3W4の端W4と第2蒸気誘導端面X3X4の端X4の距離のいずれか一方の距離が他方の距離よりも長くなるようにする。
また、第1蒸気誘導端面W3W4と第2蒸気誘導端面X3X4をハ字型に配置する場合には、第1蒸気誘導端面W3W4の端W3と第2蒸気誘導端面X3X4の端X3が接触し、又は第1蒸気誘導端面W3W4の端W4と第2蒸気誘導端面X3X4の端X4が接触するようにしてもよい。
[第4の実施の形態]
本実施の形態では、2個の蒸発源、1枚の遮蔽板を備えた2成分系の傾斜成膜製造装置の別の例について説明する。
図8の平面図に示すように、本実施の形態における傾斜成膜製造装置は、成膜室装置内に第1蒸発源110、第2蒸発源120、遮蔽板220、基板300(図示せず)を備える。第1蒸発源110、第2蒸発源120は細長形状である。第1蒸発源110の一端を11a、他端を11bとし、第2蒸発源120の一端を12c、他端を12dとする。図示しない基板300、加熱装置、排気装置の構成については第2の実施の形態と同様である。
本実施の形態では、第1蒸発源110、遮蔽板220、基板300の基本的な位置関係については、第2の実施の形態において図4を用いて説明したものと同様であるが、本傾斜成膜製造装置は、図8に示すように第2蒸発源120が遮蔽板220の蒸気誘導端面X1X2に平行になるように第1蒸発源110と第2蒸発源120をT字型に配置した構成である。
本傾斜組成膜製造装置における傾斜組成膜の成膜では、まず第1蒸発源110の一端11aと遮蔽板230の蒸気誘導端面X1X2とを結ぶ延長線と基板300の基板面N1M1M2N2とが交差する交点と、第1蒸発源110の他端11bと遮蔽板230の蒸気誘導端面X1X2とを結ぶ延長線と基板300の基板面N1M1M2N2とが交差する交点とが一致し、かつ各延長線が基板面N1M1M2N2となす蒸気衝突角度が75度〜105度の範囲になるように、第1蒸発源110、遮蔽板220、基板300の位置を調節する。これにより、基板面N1M1M2N2上に規則的な勾配をもつ傾斜組成膜を形成する。
この一方、第2蒸発源120からの蒸気は、遮蔽板230の蒸気誘導端面X1X2による誘導作用を受けることがないので、基板面N1M1M2N2上に傾斜組成膜ではなく厚さが均一で勾配のない組成膜を形成することになる。
このように、第1蒸発源110からの蒸気と第2蒸発源120からの蒸気との合成によって擬似2成分系の傾斜組成膜を形成する。第1蒸発源110と第2蒸発源120のいずれを先に蒸発させるか、あるいは同時に蒸発させるかは、適宜選択するものとする。
したがって、本実施の形態によれば、第1蒸発源110の一端11aからの蒸気と他端11bからの蒸気についての基板面に対する蒸気衝突角度が75度〜105度の範囲となるように、第1蒸発源110、遮蔽板220、基板300の位置を調節したことで、基板面上における中心部と周辺部とでの成膜量(成膜厚さ)の違いが一定範囲内に制限され、また蒸気誘導端面X1X2に対して平行となるように第1蒸発源110に対して第2蒸発源120をT字型に配置したことで、基板面N1M1M2N2上に厚さが均一で勾配のない組成膜が形成され、これらの合成によって基板面上の一端から他端に向かう各位置における成膜厚さが一定の比率で連続的に変化し規則的な勾配を持つ良質な擬似2成分系の傾斜組成膜を形成することができる。
[第5の実施の形態]
本実施の形態では、3個の蒸発源、1枚の遮蔽板を備えた3成分系の傾斜成膜製造装置について説明する。
図9の配置図に示すように、本実施の形態における傾斜成膜製造装置は、成膜室装置内に第1蒸発源130、第2蒸発源140、第3蒸発源150、遮蔽板240、基板300を備える。図示しない加熱装置、排気装置の構成については第1の実施の形態と同様である。
図10(a)の平面図および同図(b)の断面図に示すように、遮蔽板240は三角形状であり遮蔽面K1K2K3と、その外端面に第1蒸気誘導端面K1K2、第2蒸気誘導端面K2K3、第3蒸気誘導端面K3K1を備える。
図11の平面図に示すように、第1蒸発源130の一端を111a、他端を111bとし、第2蒸発源140の一端を112c、他端を112dとし、第3蒸発源150の一端を113e、他端を113fとする。一例として、第1蒸発源130、第2蒸発源140、第3蒸発源150は、Y字型に配置するものとする。すなわち、第1蒸発源130の他端111b、第2蒸発源140の他端112d、第3蒸発源150の他端113fを接触させた状態で、各蒸発源をそれぞれ120度の間隔をおいて配置する。このような配置をして遮蔽板240を正三角形とすることにより、基板面上の成膜の状態を正三角形とすることができる。
図12(a)の平面図および同図(b)の断面図に示すように、基板300は四角形状である。なお、同図(a)においては遮蔽板240、蒸発源130,140,150を破線で示してある。
本傾斜組成膜製造装置における傾斜組成膜の成膜では、まず第1蒸発源130の一端111aと遮蔽板240の第1蒸気誘導端面K1K2とを結ぶ延長線が基板300の基板面に交差する交点をレ、ソとしたとき、交点レ、ソを通る各延長線と基板面とのなす蒸気衝突角度が75度〜105度の範囲となるように、基板300、遮蔽板240、第1蒸発源130の位置を調節する。
さらに第1蒸発源130の他端111bと遮蔽板240の第1蒸気誘導端面K1K2とを結ぶ延長線が基板300の基板面に交差する交点をヨ、タとしたとき、交点ヨ、タを通る各延長線と基板面とのなす蒸気衝突角度が75度〜105度の範囲となるように、基板300、遮蔽板240、第1蒸発源130の位置を調節する。
このように調節することで、基板面上の直線レソ上では第1蒸発源130からの蒸気の成分が0%となり、基板面上の直線ヨタ上では第1蒸発源130からの蒸気の成分が100%となる。これによって、基板面上には第1蒸発源130からの蒸気の組成が傾斜した傾斜組成膜が形成される。
第2蒸発源140については、その一端112cと遮蔽板240の第2蒸気誘導端面K2K3とを結ぶ延長線が基板300の基板面に交差する交点をラ、ナとしたとき、交点ラ、ナを通る各延長線と基板面とがなす蒸気衝突角度が75度〜105度の範囲となるように、基板300、遮蔽板240、第2蒸発源140の位置を調節する。
さらに第2蒸発源140の他端112dと遮蔽板240の第2蒸気誘導端面K2K3とを結ぶ延長線が基板300の基板面と交差する交点をネ、ツとしたとき、交点ネ、ツを通る各延長線と基板面とがなす蒸気衝突角度が75度〜105度の範囲となるように、基板300、遮蔽板240、第2蒸発源140の位置を調節する。
このように調節することで、基板面上の直線ラナ上では第2蒸発源140からの蒸気の成分が0%となり、基板面上の直線ネツ上では第2蒸発源140からの蒸気の成分が100%となる。これによって、基板面上には第2蒸発源140からの蒸気の組成が傾斜した傾斜組成膜が形成される。
第3蒸発源150については、その一端113eと遮蔽板240の第3蒸気誘導端面K3K1とを結ぶ延長線が基板300の基板面と交差する交点をム、ウとしたとき、交点ム、ウを通る各延長線と基板面とがなす蒸気衝突角度が75度〜105度の範囲となるように、基板300、遮蔽板240、第3蒸発源150の位置を調節する。
さらに第3蒸発源150の他端113fと遮蔽板240の第3蒸気誘導端面K3K1とを結ぶ延長線が基板300の基板面と交差する交点をオ、クとしたとき、交点オ、クを通る各延長線と基板面とがなす蒸気衝突角度が75度〜105度の範囲となるように、基板300、遮蔽板240、第3蒸発源150の位置を調節する。
このように調節することで、基板面上の直線ムウ上では第3蒸発源150からの蒸気の成分が100%となり、基板面上の直線オク上では第3蒸発源150からの蒸気の成分が0%となる。これによって、基板面上には第3蒸発源150からの蒸気の組成が傾斜した傾斜組成膜が形成される。
これらの蒸気衝突角度を75度未満とすると、基板面上の中心部と周辺部との成膜量に少なくとも10%を越える差異が見られるようになり、厚さの均一性の観点から良質な成膜とはいえなくなる。蒸気衝突角度が105度を越えた場合も同様である。
本傾斜組成膜製造装置では、さらに、各蒸発源130,140,150と遮蔽板240との距離をP、遮蔽板240と基板300との距離をQとしたときのP/(P+Q)の値が0.1〜0.9の範囲となるように、第1蒸発源130、第2蒸発源140、第3蒸発源150、遮蔽板240、基板300の位置を調節する。
第1蒸発源130、第2蒸発源140、第3蒸発源150のいずれを先に蒸発させるか、あるいは同時に蒸発させるかといった蒸発の順序については適宜選択するものとする。
したがって、本実施の形態によれば、各蒸発源130,140,150と基板300との間に遮蔽板240を配置することによって、遮蔽板240の第1蒸気誘導端面K1K2、第2蒸気誘導端面K2K3、第3蒸気誘導端面K3K1が、遮断されなかった蒸気の残部を基板面上の所定位置に誘導して成膜量分布に傾斜を与える。これと共に、第1蒸発源130の一端111aからの蒸気と他端111bからの蒸気、第2蒸発源140の一端112cからの蒸気と他端112dからの蒸気、第3蒸発源150の一端113eからの蒸気と他端113fからの蒸気の全てについての蒸気衝突角度が75度〜105度の範囲となるようにしたことで、成膜厚さの均一性を確保する上で相乗効果が得られ、基板面上における中心部と周辺部とでの成膜量(成膜厚さ)の違いが一定範囲内に制限されるので、基板面上の一端から他端に向かう各位置における成膜厚さが一定の比率で連続的に変化し規則的な勾配を持つ良質な3成分系の傾斜組成膜を形成することができる。
本実施の形態によれば、各蒸発源130,140,150と遮蔽板240との距離をP、遮蔽板240と基板300との距離をQとしたときのP/(P+Q)の値が0.1〜0.9の範囲となるように第1蒸発源130、第2蒸発源140、第3蒸発源150、遮蔽板240、基板300の位置を調節したことで、基板面上での所定位置における成膜量の分布に規則的な勾配を持たせることができ、化学、金属、セラミックス材料分野で常用されているような良質な組成分布が得られ、さらに良質な傾斜組成膜を形成することができる。
なお、本実施の形態においては、3個の蒸発源130,140,150をY字型に配置することとしたが、これに限られるものではない。基板面上に形成しようとする傾斜組成膜の形状に応じて、例えば川字型に配置するようにしてもよい。
[第6の実施の形態]
本実施の形態では、3個の蒸発源、1枚の遮蔽板を備えた3成分系の傾斜成膜製造装置の別の例について説明する。
図13の配置図に示すように、本実施の形態における傾斜成膜製造装置は、成膜室装置内に第1蒸発源130、第2蒸発源140、第3蒸発源150、遮蔽板250、基板300を備える。図示しない加熱装置、排気装置の構成については第1の実施の形態と同様である。
図14(a)の平面図および同図(b)の断面図に示すように、遮蔽板250は四角形状であり、その中央部に三角形状の穴がくり抜かれている。このくり抜かれた三角形の各端面を第1蒸気誘導端面K1K2、第2蒸気誘導端面K2K3、第3蒸気誘導端面K3K1とし、これら第1蒸気誘導端面K1K2、第2蒸気誘導端面K2K3、第3蒸気誘導端面K3K1により蒸気通過領域を形成する。なお、同図では、各蒸発源130,140,150については破線で、基板300については鎖線で示してある。
本実施の形態でも、第1蒸発源130の一端を111a、他端を111bとし、第2蒸発源140の一端を112c、他端を112dとし、第3蒸発源150の一端を113e、他端を113fとする。一例として、第1蒸発源130の他端111b、第2蒸発源140の他端112d、第3蒸発源150の他端113fを接触させた状態で、各蒸発源をそれぞれ120度の間隔をおいてY字型に配置する。
本傾斜組成膜製造装置における傾斜組成膜の成膜では、くり抜いた三角形K1K2K3と相似形状の組成分布を基板面上に得ることができる。
まず、第1蒸発源130の一端111aと遮蔽板250の第1蒸気誘導端面K1K2とを結ぶ延長線が基板300の基板面に交差する交点をレ、ソとしたとき、交点レ、ソを通る各延長線と基板面とのなす蒸気衝突角度が75度〜105度の範囲となるように、基板300、遮蔽板240、第1蒸発源130の位置を調節する。
さらに第1蒸発源130の他端111bと遮蔽板250の第1蒸気誘導端面K1K2とを結ぶ延長線が基板300の基板面に交差する交点をヨ、タとしたとき、交点ヨ、タを通る各延長線と基板面とのなす蒸気衝突角度が75度〜105度の範囲となるように、基板300、遮蔽板240、第1蒸発源130の位置を調節する。
このように調節することで、基板面上の直線レソ上では第1蒸発源130からの蒸気の成分が100%となり、基板面上の直線ヨタ上では第1蒸発源130からの蒸気の成分が0%となる。これによって、基板面上には第1蒸発源130からの蒸気の組成が傾斜した傾斜組成膜が形成される。なお、図9においては、直線レソ上では0%、直線ヨタ上では100%となっており、本実施形態とは組成分布が逆になっている。
第2蒸発源140については、その一端112cと遮蔽板250の第2蒸気誘導端面K2K3とを結ぶ延長線が基板300の基板面に交差する交点をラ、ナとしたとき、交点ラ、ナを通る各延長線と基板面とがなす蒸気衝突角度が75度〜105度の範囲となるように、基板300、遮蔽板250、第2蒸発源140の位置を調節する。
さらに第2蒸発源140の他端112dと遮蔽板250の第2蒸気誘導端面K2K3とを結ぶ延長線が基板300の基板面と交差する交点をネ、ツとしたとき、交点ネ、ツを通る各延長線と基板面とがなす蒸気衝突角度が75度〜105度の範囲となるように、基板300、遮蔽板250、第2蒸発源140の位置を調節する。
このように調節することで、基板面上の直線ラナ上では第2蒸発源140からの蒸気の成分が100%となり、基板面上の直線ネツ上では第2蒸発源140からの蒸気の成分が0%となる。これによって、基板面上には第2蒸発源140からの蒸気の組成が傾斜した傾斜組成膜が形成される。なお、図9においては、直線ラナ上では0%、直線ネツ上では100%となっており、本実施形態とは組成分布が逆になっている。
第3蒸発源150については、その一端113eと遮蔽板250の第3蒸気誘導端面K3K1とを結ぶ延長線が基板300の基板面と交差する交点をム、ウとしたとき、交点ム、ウを通る各延長線と基板面とがなす蒸気衝突角度が75度〜105度の範囲となるように、基板300、遮蔽板250、第3蒸発源150の位置を調節する。
さらに第3蒸発源150の他端113fと遮蔽板250の第3蒸気誘導端面K3K1とを結ぶ延長線が基板300の基板面と交差する交点をオ、クとしたとき、交点オ、クを通る各延長線と基板面とがなす蒸気衝突角度が75度〜105度の範囲となるように、基板300、遮蔽板250、第3蒸発源150の位置を調節する。
このように調節することで、基板面上の直線ムウ上では第3蒸発源150からの蒸気の成分が0%となり、基板面上の直線オク上では第3蒸発源150からの蒸気の成分が100%となる。これによって、基板面上には第3蒸発源150からの蒸気の組成が傾斜した傾斜組成膜が形成される。なお、図9においては、直線ムウ上では100%、直線オク上では0%となっており、本実施形態とは組成分布が逆になっている。
これらの蒸気衝突角度を75度未満とすると、基板面上の中心部と端部との成膜量に少なくとも10%を越える差異が見られるようになり、厚さの均一性の観点から良質な成膜とはいえなくなる。蒸気衝突角度が105度を越えた場合も同様である。
本傾斜組成膜製造装置では、さらに、各蒸発源130,140,150と遮蔽板250との距離をP、遮蔽板250と基板300との距離をQとしたときのP/(P+Q)の値が0.1〜0.9の範囲となるように、第1蒸発源130、第2蒸発源140、第3蒸発源150、遮蔽板250、基板300の位置を調節する。
第1蒸発源130、第2蒸発源140、第3蒸発源150のいずれを先に蒸発させるか、あるいは同時に蒸発させるかといった蒸発の順序については適宜選択するものとする。
したがって、本実施の形態によれば、各蒸発源130,140,150と基板300との間に遮蔽板250を配置することによって、遮蔽板250の第1蒸気誘導端面K1K2、第2蒸気誘導端面K2K3、第3蒸気誘導端面K3K1が、遮蔽面により遮断されなかった蒸気の残部を基板面上の所定位置に誘導して成膜量分布に傾斜を与える。これと共に、第1蒸発源130の一端111aからの蒸気と他端111bからの蒸気、第2蒸発源140の一端112cからの蒸気と他端112dからの蒸気、第3蒸発源150の一端113eからの蒸気と他端113fからの蒸気の全てについての蒸気衝突角度が75度〜105度の範囲となるようにしたことで、成膜厚さの均一性を確保する上で相乗効果が得られ、基板面上における中心部と周辺部とでの成膜量(成膜厚さ)の違いが一定範囲内に制限されるので、基板面上の一端から他端に向かう各位置における成膜厚さが一定の比率で連続的に変化し規則的な勾配を持つ良質な3成分系の傾斜組成膜を形成することができる。
本実施の形態によれば、各蒸発源130,140,150と遮蔽板250との距離をP、遮蔽板250と基板300との距離をQとしたときのP/(P+Q)の値が0.1〜0.9の範囲となるように第1蒸発源130、第2蒸発源140、第3蒸発源150、遮蔽板250、基板300の位置を調節したことで、基板面上での所定位置における成膜量の分布に規則的な勾配を持たせることができ、化学、金属、セラミックス材料分野で常用されているような良質な組成分布が得られ、さらに良質な傾斜組成膜を形成することができる。
なお、本実施の形態においては、3個の蒸発源130,140,150をY字型に配置することとしたが、これに限られるものではない。例えば川字型に配置するようにしてもよい。
以下、より具体的な実施例、および効果を比較するための比較例について説明する。各実施例および各比較例に用いる傾斜組成膜製造装置の基本的な構成は、第1の実施の形態で説明したものと同様である。ここでは、蒸発源100、遮蔽板200、基板300を後述する位置に内蔵した直径800mm、高さ800mmのステンレス製の成膜室装置と、高真空拡散ポンプを備えた主排気系、油回転ポンプを備えた補助排気系、粗引き排気系などからなる雰囲気の圧力を調整するための排気装置とを、配管用ステンレス鋼板によって気密に接続し、この排気装置が接続された成膜室装置と、蒸発源における被蒸発材料を蒸発させるための加熱装置とを気密に接続した構成とした。
蒸発源100としては、直径が1mm、長さが15mmのタングステン製の棒に、例えば直径0.3mmの銅線(Cu線)を複数層に渡って均一に巻き付けたものを用いた。タングステン棒の一端を1a、他端を1bとする。
遮蔽板200としては、蒸気誘導端面X1X2の表面粗さを1.5μmにしたステンレス製のものを用いた。
基板300としては、縦250mm、横320mm、厚さ1mmのガラス製のものを用いた。
図15の側面図に示すように、基板300の基板面上の任意点アと蒸発源100の一端1aとを結ぶ鉛直線をアキとする。点キは、蒸発源100の一端1aに一致した点である。遮蔽板200の遮蔽面X1Y1Y2X2を延長した平面が鉛直線アキに垂直に交わる点を点サとする。
蒸発源100と遮蔽板200との距離Pを50mm、遮蔽板200と基板300との距離Qを50mmとした。これにより、P/(P+Q)の値は0.5となる。
各実施例、各比較例では、遮蔽板200の蒸気誘導端面X1X2と鉛直線アキとの距離L(同図のX1と点サとの距離)を変えて基板面に対する蒸気衝突角度を変えたときのそれぞれについて、蒸発源100に1000Aの電流を約60秒間流し、Cuを蒸発させて成膜したときの基板面に対する蒸気衝突角度を測定し、また基板面上におけるCuの成膜厚さをエリプソメータによって測定した。
図16は、測定の条件と結果をまとめた表である。距離Lについて、実施例1、実施例3では15mmとし、実施例2では0mmとした。また、比較例1では96mm、比較例2では50mm、比較例3では30mm、比較例4では29mm、比較例5では50mm、比較例6では95mmとした。
実施例2の蒸気衝突角度は88〜92度、実施例1、実施例3の蒸気衝突角度はそれぞれ103〜105度、75〜76度であった。これらの成膜状態を観察すると、成膜厚さは、実施例2を100%としたときに実施例1で90.1%、実施例3で90.5%であり、成膜厚さの変化としてはいずれも10%未満の違いであり、実施例1乃至3については均一性の高い良質の成膜分布が得られた。
一方、比較例1乃至6は、いずれも蒸気衝突角度が75〜105度の範囲になく、成膜の相対厚さは、距離Lが長くなるに伴い、比較例3で70.4%、比較例2で39.6%、
比較例1で24.5%まで低下し、比較例4で71.4%、比較例5で40.9%、比較例6で23.9%まで低下し、均一性の高い良質の成膜分布は得られなかった。
これらの結果から、実施例1乃至3の場合では、遮蔽板200による蒸気誘導効果と蒸気衝突角度の制御効果が明確に表れ、基板面上のCu厚さの分布は約90%以内の変動となり、良質の成膜状態を保持することが確認された。
これに対して比較例1乃至6の場合では、均一な厚さの成膜は得られなかった。これにより、蒸気衝突角度が75度未満あるいは105度を超えた場合には、成膜量(成膜厚さ)が、理想状態と比べて約90%以下に低下し(成膜量が小となる)、良質の成膜状態とはならないことが確認された。
なお、遮蔽板がない場合には、蒸気衝突角度のみを制御しても、組成に十分な傾斜を与えらず、良質の傾斜組成膜の分布は得られない。
また、実施例1乃至3、比較例1乃至6では単成分の例を示したが、多元系の場合でも、同様の操作で遮蔽板の配置と蒸気衝突角度を制御する事によって、良質の多元系傾斜組成膜の分布を得ることができる。
第1の実施形態の傾斜組成膜製造装置における成膜室装置の構成を模式的に示す側面図である。 同図(a)は第1の実施形態における遮蔽板の構成を示す平面図であり、同図(b)はその断面図であり、同図(c)はその側面図である。 同図(a)は第1の実施形態における基板の構成を示す平面図であり、同図(b)はその断面図であり、同図(c)はその側面図である。 第2の実施形態の傾斜組成膜製造装置における成膜室装置の構成を模式的に示す側面図である。 同図(a)は第2の実施形態における遮蔽板の構成を示す平面図であり、同図(b)はその断面図である。 第3の実施形態の傾斜組成膜製造装置における成膜室装置の構成を模式的に示す側面図である。 同図(a)は第3の実施形態における遮蔽板の構成を示す平面図であり、同図(b)はその断面図である。 第4の実施形態の傾斜組成膜製造装置における遮蔽板と蒸発源の位置関係を示す平面図である。 第5の実施形態の傾斜組成膜製造装置における基板、遮蔽板、蒸発源の位置関係を模式的に示す配置図である。 同図(a)は第5の実施形態における遮蔽板の構成を示す平面図であり、同図(b)はその断面図である。 第5の実施形態における3個の蒸発源の位置関係を示す平面図である。 同図(a)は第5の実施形態における基板の構成を示す平面図であり、同図(b)はその断面図である。 第6の実施形態の傾斜組成膜製造装置における基板、遮蔽板、蒸発源の位置関係を模式的に示す配置図である。 同図(a)は第6の実施形態における遮蔽板の構成を示す平面図であり、同図(b)はその断面図である。 実施例の傾斜組成膜製造装置における成膜室装置の構成を模式的に示す側面図である。 実施例および比較例について測定条件、測定結果、成膜厚さの判定をまとめた表である。 従来の傾斜組成膜製造装置の構成を示す斜視図である。
符号の説明
100,110,120,130,140,150…蒸発源
200,210,220,230,240,250…遮蔽板
300…基板

Claims (16)

  1. 被蒸発材料を備えた蒸発源と、
    前記蒸発源に対向して配置された基板と、
    前記蒸発源と前記基板との間に配置され、前記被蒸発材料から蒸発した蒸気の一部を遮蔽するための遮蔽面とその蒸気の残部を基板面上の所定位置に誘導するための蒸気誘導端面を備えた遮蔽板と、を有し、
    前記蒸発源の一端と前記遮蔽板の蒸気誘導端面とを結ぶ延長線が前記基板面となす蒸気衝突角度と、前記蒸発源の他端と前記遮蔽板の蒸気誘導端面とを結ぶ延長線が前記基板面となす蒸気衝突角度がそれぞれ75度〜105度の範囲となるように前記基板、前記遮蔽板、前記蒸発源の位置を調節したことを特徴とする傾斜組成膜製造装置。
  2. 被蒸発材料を備えた第1蒸発源および第2蒸発源と、
    前記各蒸発源に対向して配置された基板と、
    前記各蒸発源と前記基板との間に配置され、前記被蒸発材料から蒸発した蒸気の一部を遮蔽するための遮蔽面とその蒸気の残部を基板面上の所定位置に誘導するための第1蒸気誘導端面および第2蒸気誘導端面を備えた遮蔽板と、を有し、
    第1蒸発源の一端と前記遮蔽板の第1蒸気誘導端面とを結ぶ延長線が前記基板面に交差する交点と、第1蒸発源の他端と前記遮蔽板の第2蒸気誘導端面とを結ぶ延長線が前記基板面に交差する交点とが一致し、かつ各延長線が前記基板面となす蒸気衝突角度がそれぞれ75度〜105度の範囲になるとともに、
    第2蒸発源の一端と前記遮蔽板の第1蒸気誘導端面とを結ぶ延長線が前記基板面に交差する交点と、第2蒸発源の他端と前記遮蔽板の第2蒸気誘導端面とを結ぶ延長線が前記基板面に交差する交点とが一致し、かつ各延長線が前記基板面となす蒸気衝突角度がそれぞれ75度〜105度の範囲となるように前記基板、前記遮蔽板、第1蒸発源、第2蒸発源の位置を調節したことを特徴とする傾斜組成膜製造装置。
  3. 被蒸発材料を備えた第1蒸発源、第2蒸発源、第3蒸発源と、
    前記各蒸発源に対向して配置された基板と、
    前記各蒸発源と前記基板との間に配置され、前記被蒸発材料から蒸発した蒸気の一部を遮蔽するための遮蔽面とその蒸気の残部を基板面上の所定位置に誘導するための第1蒸気誘導端面、第2蒸気誘導端面、第3蒸気誘導端面を備えた遮蔽板と、を有し、
    第1蒸発源の一端と前記遮蔽板の第1蒸気誘導端面とを結ぶ延長線が前記基板面となす蒸気衝突角度と、第1蒸発源の他端と前記遮蔽板の第1蒸気誘導端面とを結ぶ延長線が前記基板面となす蒸気衝突角度がそれぞれ75度〜105度の範囲となり、
    第2蒸発源の一端と前記遮蔽板の第2蒸気誘導端面とを結ぶ延長線が前記基板面となす蒸気衝突角度と、第2蒸発源の他端と前記遮蔽板の第2蒸気誘導端面とを結ぶ延長線が前記基板面となす蒸気衝突角度がそれぞれ75度〜105度の範囲となり、
    第3蒸発源の一端と前記遮蔽板の第3蒸気誘導端面とを結ぶ延長線が前記基板面となす蒸気衝突角度と、第3蒸発源の他端と前記遮蔽板の第3蒸気誘導端面とを結ぶ延長線が前記基板面となす蒸気衝突角度がそれぞれ75度〜105度の範囲となるように前記基板、前記遮蔽板、第1蒸発源、第2蒸発源、第3蒸発源の位置を調節したことを特徴とする傾斜組成膜製造装置。
  4. 前記遮蔽板は、第1蒸気誘導端面を備えた第1遮蔽板と、第2蒸気誘導端面を備えた第2遮蔽板からなることを特徴とする請求項2記載の傾斜組成膜製造装置。
  5. 前記遮蔽板は、外端面に第1蒸気誘導端面と第2蒸気誘導端面を対向して備えた四角形状であることを特徴とする請求項2記載の傾斜組成膜製造装置。
  6. 前記遮蔽板は、第1蒸気誘導端面と第2蒸気誘導端面を対向して備えた四角形状の穴が設けられた板であることを特徴とする請求項2記載の傾斜組成膜製造装置。
  7. 第1蒸気誘導端面と第2蒸気誘導端面を平行に配置したことを特徴とする請求項2、4乃至6のいずれかに記載の傾斜組成膜製造装置。
  8. 第1蒸気誘導端面と第2蒸気誘導端面をハ字型に配置したことを特徴とする請求項2、4乃至6のいずれかに記載の傾斜組成膜製造装置。
  9. 第1蒸気誘導端面の一端と第2蒸気誘導端面の一端を接触させた状態で第1蒸気誘導端面と第2蒸気誘導端面をハ字型に配置したことを特徴とする請求項2、4乃至6のいずれかに記載の傾斜組成膜製造装置。
  10. 前記蒸発源による第1蒸発源とは別の細長状の第2蒸発源を有し、
    第2蒸発源が前記遮蔽板の蒸気誘導端面に平行になるように第1蒸発源と第2蒸発源をT字型に配置したことを特徴とする請求項1記載の傾斜組成膜製造装置。
  11. 前記遮蔽板は、第1蒸気誘導端面、第2蒸気誘導端面、第3蒸気誘導端面を備えた三角形状であることを特徴とする請求項3記載の傾斜組成膜製造装置。
  12. 前記遮蔽板は、第1蒸気誘導端面、第2蒸気誘導端面、第3蒸気誘導端面を備えた三角形状の穴が設けられた板であることを特徴とする請求項3記載の傾斜組成膜製造装置。
  13. 第1蒸発源、第2蒸発源、第3蒸発源をY字形に配置したことを特徴とする請求項3記載の傾斜組成膜製造装置。
  14. 前記蒸発源と前記遮蔽板との距離をP、前記遮蔽板と前記基板との距離をQとしたときのP/(P+Q)の値が0.1〜0.9の範囲となるように前記基板、前記遮蔽板、前記蒸発源の位置を調節したことを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の傾斜組成膜製造装置。
  15. 前記遮蔽板の遮蔽面と前記蒸発源を平行に配置したことを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の傾斜組成膜製造装置。
  16. 前記遮蔽板の遮蔽面と前記基板の基板面を平行に配置したことを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載の傾斜組成膜製造装置。
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