JP2007508450A - 蒸着法 - Google Patents

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Abstract

材料の混合物を基板(1)上で量を徐々に変化させて蒸着させるのに使用可能で、様々な目的に使用可能であるが、コンビナトリアルケミストリーにおいて特別な価値を有する蒸着法において、ソース(3)から基板(1)までの蒸発材料の経路は、マスク(5)によって部分的に妨げられ、基板(1)により規定される平面と平行な平面におけるマスクの配置は、基板(1)に沿う方向に実質的に連続して増加する厚みで材料を基板(1)上に蒸着させるようになされる。

Description

本発明は、材料の混合物を基板上で量を徐々に変化させて蒸着させるのに使用可能で、様々な目的に使用可能であるが、コンビナトリアルケミストリーにおいて特別な価値を有する新規の蒸着法に関する。
コンビナトリアルケミストリーの基礎は、これまで従来通りに化合物を別々に合成する代わりに、1つのプロセス過程で多数の分子ライブラリを形成して、ライブラリにおける化合物のハイスループットスクリーニングによって非常に有望な化合物を同定することである。コンビナトリアルケミストリーの基礎は、初めは医薬産業において主に用いられていたが、化学産業全般におけるより広範な使用が見出され、無機材料の合成にまで拡大されている。本発明の適用により、蒸着による合金及び無機材料の調製にコンビナトリアルケミストリーの技法を適用することが可能である。
本発明に適用されるようなコンビナトリアルケミストリーは、基板に沿う少なくとも一方向において徐々に変化する相対量での材料の蒸着を必要とする。米国特許第6,045,671号は、(蒸着材料の)ソースと基板との間の基板前方にシャドウマスク(単数又は複数)を直接移動させて、時間に比例して増大する量の材料に基板の位置(これらの位置はソースの視野の一直線上にある)を暴露するという蒸着を達成する方法を開示している。必然的に、このような配置は一度に単一ソースでしか使用されないであろう。したがって、このプロセスを使用して、コンビナトリアルケミストリーで必要とされるような材料の混合物を製造するならば、被覆された基板は第2のソースを用いた第2の通過(pass)を受け、次に、蒸着材料は基板の異なる位置で材料の相対濃度を分布させることのない何らかの手法で混合されなければならない。米国特許第6,045,671号によると、これは蒸着材料を加熱することによってなされる。しかしながら、実際には、混合法としての加熱の有効性は制限され得るので、この混合法は全ての感熱材料には使用することができない。
それゆえ、2つ以上の材料の不均一な変化量、基板上の位置に従って予め決められたパターンによる変化量での同時蒸着法のためのコンビナトリアルケミストリーにおける必要性がある。
本発明者等は、このことが移動マスクを用いずに、ソースと目的物との間のマスクを綿密に配置することにより達成されることを今回発見した。本発明の方法のさらなる利点は、それが、基板上の1つ以上の材料の徐々に変化する厚みを必要とするコンビナトリアルケミストリー以外の他の目的に用いられ得ることである。
このように、本発明は、ソースから材料を蒸発させて基板上に蒸着させる蒸着プロセスであり、ソースから基板までの蒸発材料の経路は、マスクによって部分的に妨げられ、基板により規定される平面と平行な平面におけるマスクの配置は、基板に沿う方向に実質的に連続して増加する厚みで材料を基板上に蒸着するようになされる。
ソースは有限の大きさを有していなくてはならない。本明細書で用いられる場合、「有限の大きさ」とは、一点ソースではない任意のソースとして定義される。ソースの大きさ及び基板の大きさは、ほぼ同程度の大きさであることが好ましい。
さらなる平面が、ソース及び基板の中心、並びにマスクの末端との交点(intersecting)により規定される場合、さらなる平面との交点が、ソースの表面とさらなる平面との交点、及びソースの各末端を基板の逆末端とつなぐさらなる平面内の線により規定される境界内にあるようにマスクを配置する。
好ましくは、マスクは基板よりもソースに近接して位置するが、どのような場合でも、蒸着の間にマスクを移動させることなく試料にわたる様々な蒸着率をもたらすのに十分に基板から離すようにマスクを配置する。これは米国特許第6,045,671号の方法とは全く対照的であり、基板と直接隣接するようにマスクを配置すると、蒸着の間に移動させなければならない。
必要に応じて、上記に定義されるような、単一基板上に材料を蒸着させる2つ以上のソースが存在してもよく、各ソースは、上記に定義されるように配置され、且つ好ましくは基板よりもソースに近接するマスクと関連し、基板により規定される平面と平行な平面におけるマスクの配置は、基板に沿う方向に実質的に連続して増加する厚みで各ソースからの材料を基板上に蒸着させるようになされる。
本発明によると、所定のソース用の単一マスクが存在する場合、蒸着材料の厚みは基板の一次元方向に沿って変化するであろう。しかしながら、必要に応じて、好適に配置される、第2のソース用の第2のマスクを備えることにより、厚みは基板の二次元方向に沿って変化することがある。
本発明のプロセスの間にマスクは移動しないが、好ましくは可動性であり、異なるソース及び/又は基板を用いる場合、マスクを適切な位置に移動させて必要とされる勾配をもたらすことができる。
以下により詳細に記載されるようなマスクの適切な配置により、蒸着を開始する前に、本発明に従って、蒸着材料の分割(wedge)成長勾配、単一直線から他の所望の構成までを予め決定することが可能である。これは、混合材料における非常に優れた柔軟性及び繊細さ(subtlety)を可能にし、コンビナトリアルケミストリーで使用される場合、重大な利点となる。結果として、広範な割合で容易且つ確実に材料を混合し得る。
マスクがソースの一部を基板から「隠す」ことができるならば、マスクは任意の好適な形状を有していてもよい。マスクはソースと基板との間に位置するカバーに開口を有していてもよい。いくつかのソース及び対応するいくつかのマスクが存在する場合、これはより便宜的な選択肢であり得る。
ソース、基板、蒸着材料及び蒸着装置は全て従来型のものであり、当業者にとって既知であるので、本明細書中には詳細に記載しない。好適な装置は、半導体製造において、化合物半導体の蒸着用、シリコン基板への金属の蒸着用に典型的に設計される。
本発明のプロセスは、多くの材料に適用することが可能であり、この例としては、合金(二成分、三成分、四成分等)、混合酸化物、ドープ酸化物、混合窒化物等が挙げられる。
プロセスは、従来通りに真空チャンバ内で通常行われる。いくつかのソース及び単一基板が存在する場合、ソースは、基板の中心を通る軸からほぼ等距離に好ましくは配置される。また、この方法は、基板と垂直な中心軸に沿って配置されるソースに適用されてもよい。わずか1つ又は2つ、及び6つ又は8つものソースを同時に使用することもできる。
本発明は、添付の図面によってさらに説明される。
図に関して、説明の便宜上、「開口」という用語は、マスクによって妨げられず、それゆえソースから基板へと蒸着される材料を自由に通過させる、マスクに隣接するいずれかの空間(空間がマスクによって取り囲まれるものであってもなくても)を示すのに用いられる。
開口2を有するマスク5を備えると、試料1における各材料の勾配(「分割」)蒸着が可能となる。分割成長の特徴的な勾配は、試料1及びソース3又はソース4に対するマスク5の位置によって決定される。いくつかのソース4において分割成長法(wedge growth method)を用いることにより、試料にわたる位置関数に従って様々な組成物の薄膜を蒸着することが同時に可能となる。平面で、蒸着は図1において表わされるが、ソースは平面外で一体となっており、多数の成分(element)を有する混合組成が達成され得る。この手順は、ハイスループット又は材料成長のコンビナトリアルケミストリーにとって理想的である。
最適な分割成長に必要とされる条件を確立するために、蒸着は多くの幾何学的配置についてシミュレーションされてきた。シミュレーションは、表面にわたって定フラックス(constant flux)をとるソースに関して行われ、これは、例えば、局所的に加熱される電子線源の場合には、ソースの表面にわたってばらつきを含むよう改良され得る。シミュレーションは二次元で行われ、そのため、これは一次近似式に十分な詳細を提供して、分割成長を予測させる。図2は、詳細な幾何学的配置、規定される長さ、及び典型的な「軸外」ソース4の位置を示す。軸上ソース3においても同様の効果が達成可能であることに留意されたい。距離の基準とされる原点(0,0)は、試料表面の中心と定義されることに留意されたい。
A 試料の大きさ
及びA 試料の末端の点。
B ソースの中心軸に対するマスクのオフセット。マスクを位置B最小に示す。
C (ソース材料が発する有限領域により規定されるような)ソースの大きさ
及びC ソースの大きさの末端の点。
D 試料に対するソースのオフセット。
E ソースからマスクまでの距離
F マスクから試料までの距離
重要な4点は、ソースの予測されるフラックスに対して、xにおけるマスクの位置に関して定義され得る。それらは、マスクと、ソース及び試料の末端の視線(線A、C、A、C)との交点に相当する。それらの4点は、B最小、B、B及びB最大として定義されている。これらの位置に対応するマスクの位置は、幾何学的に算出され得る。
最小は、マスクが線Aを切断する点として定義され、ソースの中心に対するxにおけるこの位置は、
Figure 2007508450
によって与えられる。
最大は、マスクが線Aを切断する点として定義され、ソースの中心に対するxにおけるこの位置は、
Figure 2007508450
によって与えられる。
は、マスクが線Aを切断する点として定義され、ソースの中心に対するxにおけるこの位置は、
Figure 2007508450
によって与えられる。
は、マスクが線Aを切断する点として定義され、ソースの中心に対するxにおけるこの位置は、
Figure 2007508450
によって与えられる。
重要なさらなる点も、特定可能であり、Hで表わされ、且つ2つのソースフラックス線A及びAの交点として規定される。原点(原点は試料表面の中心0,0である)に対する点H(H,H)の座標は、
Figure 2007508450
Figure 2007508450
によって与えられる。
様々な性質の分割成長は、ソースと基板との間の直接経路、すなわち、2D投影におけるA、A、C、Cによって規定される四角形を切断するマスクを用いて達成される。シミュレーションは、H、C及びCによって規定される三角形がソースフラックスを切断するマスクを試料全体にわたって直線勾配を生じさせる領域を与えることを示す。H、H、C及びCによって規定される領域内の他の位置全てにおいてフラックスを切断するマスクの場合、不完全な分割成長となるか、又は全く分割成長しない。要約すると、次の通りである。
F>H、B最小>B>B>B最大の場合。条件、
B>B最小 均一なフィルム(スムーズなソースの自然プロファイル)
最小>B>B試料にわたる部分勾配(水平+勾配)
>B>B試料全体にわたる直線勾配
>B<B最大 試料にわたる部分勾配(勾配+蒸着なし)
最大>B 蒸着なし
F<H、B最小>B>B>B最大の場合。条件、
B>B最小 均一なフィルム(スムーズなソースの自然プロファイル)
最小>B>B試料にわたる部分勾配(水平+勾配)
>B>B試料にわたる部分勾配(水平+勾配+蒸着なし)
>B>B最大 試料にわたる部分勾配(勾配+蒸着なし)
最大>B 蒸着なし
それゆえ、本発明によると、マスクをまず正確に配置し、且つこれが上記の指針に従って容易に達成されれば、蒸着プロセスの間にマスクを移動させずに材料の勾配分布を得ることができる。
表1は、特定の成長幾何学的配置に関するシミュレーションの結果を示し、試料へのソースフラックスの全範囲にわたって移動するマスクに関して予想される蒸着プロファイルを算出する。使用された固定値(単位mm)は、A=22、C=20、D=162、E=150及びF=350であった。これは、B最小=−38.3、B=−44.9、B=−52.3及びB最大=−58.9を与える。
「最大フラックス」は、マスクを使用しなければ蒸着されたであろう材料の量に対する、試料上に蒸着されたソース材料の最大百分率として定義される。
「最小フラックス」は、マスクを使用しなければ蒸着されたであろう材料の量に対する、試料上に蒸着された材料の最小百分率として定義される。
「標準勾配」は、試料にわたって蒸着される最大量と最小量との百分率差に相当する。蒸着(この標準勾配が蒸着される手法)は、試料にわたって連続勾配(直線勾配と表わされる)でいつも起こるわけではないことに留意されたい。
Figure 2007508450
図3は、シミュレーションの結果を示し、SiN基板上の金の蒸着に関する実験データに相当する。ソースはクヌーセンセルであり、C=20mm、A=26mm、E=350mm、F=150mm及びD=162mmの寸法であった。Bは、試料9の場合にB=−51.8mm、及び試料12の場合にB=−45mmである2つの実施例に関して変更した。
基板上への材料の同時蒸着用の、3つのソースの物理的蒸着システムの模式図である。 図1の中心を外れたソースのうちの1つの、より詳細な模式図である。 単一のソースを用いて調製された2つの試料の位置に対する厚みのプロットである。

Claims (3)

  1. 少なくとも2つのソースのそれぞれから材料を蒸発させて単一基板上に蒸着させ、各ソースから前記基板までの前記蒸発材料の経路が、関連するマスクによって部分的に妨げられ、前記基板により規定される平面と平行な平面における前記マスクの配置が、前記基板に沿う方向に実質的に連続して増加する厚みで前記材料を前記基板上に蒸着させるようになされ、さらなる平面が、前記マスクと関連する前記ソース及び前記基板の中心、並びに前記マスクの末端との交点により規定される場合に、前記マスクと前記さらなる平面との交点が前記ソースの表面と前記さらなる平面との交点、並びに前記ソースの各末端を前記基板の逆末端とつなぐ前記さらなる平面内の線により規定される境界内に位置するように前記マスクが配置され、各マスクは、前記基板よりもその関連する前記ソースと近接し、且つ各マスクは移動可能であるが蒸着プロセスの間は移動させないコンビナトリアルケミストリープロセス。
  2. 少なくとも2つのソースのそれぞれから材料を蒸発させて単一基板上に蒸着させ、前記ソースから前記基板までの前記蒸発材料の経路が、関連するマスクによって部分的に妨げられ、前記基板により規定される平面と平行な平面における前記マスクの配置が、前記基板に沿う方向に実質的に連続して増加する厚みで前記物質を前記基板上に蒸着させるようになされ、前記さらなる平面と交差するマスクの末端が、添付図面の図2のH、H、C及びCにより規定される領域内にある場合に、各マスクは前記基板よりもその関連する前記ソースと近接し、且つ各マスクは移動可能であるが蒸着プロセスの間は移動させないコンビナトリアルケミストリープロセス。
  3. 前記さらなる平面と交差する前記マスクの末端が、H、C及びCにより規定される領域内にある請求項2に記載のプロセス。
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