JP2005068298A - 高誘電率エポキシ樹脂ペーストおよび電子部品 - Google Patents
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Abstract
【課題】 誘電率が15以上の高誘電率のエポキシ樹脂ペーストであって、ピール強度が5N/cm以上の機械的特性を有すると共に、誘電正接等の電気的特性にも優れていること、またこのような高誘電率エポキシ樹脂ペーストを用いて比較的簡単な方法で、高周波領域(10GHz程度)で使用される小型化された電子部品等が、得られるようにすることを目的とするものである。
【解決手段】 エポキシ樹脂(硬化剤、硬化促進剤を含む)65〜95vol%とエチレン・アクリルゴム5〜35vol%とからなる混合物30〜65vol%と、高誘電率粉末が35〜70vol%とからなり、硬化後の誘電率が15以上、並びにピール強度が5N/cm以上である高誘電率エポキシ樹脂ペーストとすることによって、特に前記エチレン・アクリルゴムは、カルボキシル基を含有する高誘電率エポキシ樹脂ペーストとすることによって、解決される。
【選択図】 なし
【解決手段】 エポキシ樹脂(硬化剤、硬化促進剤を含む)65〜95vol%とエチレン・アクリルゴム5〜35vol%とからなる混合物30〜65vol%と、高誘電率粉末が35〜70vol%とからなり、硬化後の誘電率が15以上、並びにピール強度が5N/cm以上である高誘電率エポキシ樹脂ペーストとすることによって、特に前記エチレン・アクリルゴムは、カルボキシル基を含有する高誘電率エポキシ樹脂ペーストとすることによって、解決される。
【選択図】 なし
Description
本発明は、高誘電率エポキシ樹脂ペースト並びにそれを用いた電子部品等に関するものである。
近年、通信用、民生用や産業用等の電子機器は、実装方法の小型化や高密度化等から、材料面においてより耐熱性、寸法安定性、高誘電率や誘電正接等の電気的特性が要求されている。また高周波用電子部品としては、焼結フェライトや焼結セラミックスが、小型化等のメリットから用いられているが、これらは製造工程が複雑になる等の問題点があり、樹脂系の材料が望まれている。例えば、プリント配線板にコンデンサ効果を持たせた複合回路化からは、高誘電率の基板材料が必要とされている。しかしながら、プリント配線板に用いる材料であるポリイミド、エポキシ樹脂等は、誘電率(ε)が高々3〜4程度であるので、これを数十以上の誘電率のものにしようとすると、前記樹脂材料に高誘電率のセラミックス粉末等を多量に添加する必要がある。具体的な基板としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂やポリフェニレンエーテル樹脂等に高誘電率のセラミックス粉末を添加し、ガラス布やガラス不織布に含浸・乾燥して得たプリプレグを積層成形して、高誘電率の基板とすることが知られている。しかしながらこのような方法によって高誘電率の基板を得るためには、前記樹脂中に、例えば前記樹脂の体積分率で50%のように多量に高誘電率粉末を添加する必要がある。これは前記樹脂100重量部換算では、500〜1000重量部にもなる。樹脂中にこのような大量の高誘電率粉末を添加すると、得られた基板の機械的特性や電気的特性に問題が生じる。すなわち、引張り強度等の機械的特性が低下したり、誘電正接が高くなる等の電気的特性の問題が生じる。このような問題点の解決に関する技術の一つとして特許文献1が知られているが、いまだ十分な誘電率を有し、機械的特性並びに誘電正接等の電気的特性に優れたものは得られていないのが、現状である。
特開平8−69712号公報
よって本発明が解決しようとする課題は、硬化後の誘電率が15以上の高誘電率のエポキシ樹脂ペーストであって、ピール強度が5N/cm以上の機械的特性を有すると共に、誘電正接等の電気的特性にも優れていること、またこのような高誘電率エポキシ樹脂ペーストを用いて、比較的簡単な方法で、高周波領域(10GHz程度)で使用される小型化された電子部品等が得られるようにすることを目的とするものである。
前記解決しようとする課題は、請求項1に記載されるように、エポキシ樹脂(硬化剤、硬化促進剤を含む)65〜95vol%とエチレン・アクリルゴム5〜35vol%とからなる混合物30〜65vol%と、高誘電率粉末が35〜70vol%とからなり、硬化後の誘電率が15以上、並びにピール強度が5N/cm以上である高誘電率エポキシ樹脂ペーストとすることによって、解決される。特に請求項2に記載されるように、前記エチレン・アクリルゴムがカルボキシル基を含有する高誘電率エポキシ樹脂ペーストとすることによって、解決される。
さらに請求項3に記載されるように、前記高誘電率粉末が、チタン酸バリウム粉末である高誘電率エポキシ樹脂ペーストとすることによって、解決される。また請求項4に記載されるように、前記チタン酸バリウム粉末は、カルシウム、錫、ジルコニウム、ストロンチウム、ニオビウムの少なくとも1種を含有する高誘電率エポキシ樹脂ペーストとすることによって、解決される。
また、請求項5に記載されるように、請求項1〜4のいずれかに記載される高誘電率エポキシ樹脂ペーストを用いた、前記ペーストの硬化後の誘電率が15以上で、ピール強度が5N/cm以上の電子部品とすることによって、解決される。
前述のようなエポキシ樹脂ペーストとすることによって、高誘電率のエポキシ樹脂ペーストとすることができ、かつ引張り強度等の機械的特性の低下もなく、また誘電正接等の電気的特性にも優れたものとなる。そしてこのような高誘電率エポキシ樹脂ペーストを用いることによって、比較的簡単な方法で、高周波領域(10GHz程度)で使用できる種々の小型化された電子部品等を得ることができる。
より詳細には、エポキシ樹脂(硬化剤、硬化促進剤を含む)65〜95vol%とエチレン・アクリルゴム5〜35vol%の混合物30〜65vol%と、高誘電率粉末35〜70vol%とからなる高誘電率エポキシ樹脂ペーストとすることによって、また前記エチレン・アクリルゴムはカルボキシル基を含有するものとすることによって、硬化後の誘電率が15以上で、誘電正接(tanδ)が1.0%以下のような電気的特性にも優れ、またピール強度が5N/cm以上の機械的特性を有する、高誘電率エポキシ樹脂ペーストとなる。
さらに前記高誘電率粉末が、チタン酸バリウム粉末であり、また前記チタン酸バリウム粉末は、カルシウム、錫、ジルコニウム、ストロンチウム、ニオビウムの少なくとも1種を含有した高誘電率エポキシ樹脂ペーストとすることによって、前記の特性に加えてチタン酸バリウムのキュリー温度を室温付近とした、実用的な高誘電率エポキシ樹脂ペーストとすることができる。
また、前記の高誘電率エポキシ樹脂ペーストを用いることによって、高周波領域(10GHz程度)で使用される、前記ペーストの硬化後の誘電率が15以上で、誘電正接等の電気的特性にも優れると共に、ピール強度が5N/cm以上の機械的強度を有する種々の小型化された電子部品等が、比較的簡単な方法で得られる。
以下に本発明を詳細に説明する。請求項1に記載される発明は、エポキシ樹脂(硬化剤、硬化促進剤を含む)65〜95vol%とエチレン・アクリルゴム5〜35vol%とからなる混合物30〜65vol%と高誘電率粉末が35〜70vol%とからなり、硬化後の誘電率が15以上、並びにピール強度が5N/cm以上である高誘電率エポキシ樹脂ペーストであり、このような高誘電体ペーストとすることにより、前記ペーストの硬化後の誘電率が15以上で誘電正接が1.0%以下と優れ、かつ引張り強度のような機械的特性がピール強度として5N/cm以上のものとすることができる。これは、前記エチレン・アクリルゴムの添加によって、前記高誘電率粉末を高充填することができるようになるので、従来の場合と比較して少量の高誘電率粉末の添加で同様の誘電率とすることができ、誘電正接等の電気的特性を劣化させることがなく、機械的特性としての引張り強度も向上させることができる。
まずベース樹脂となるエポキシ樹脂について述べると、本発明に用いるエポキシ樹脂は特に限定されるものではなく、ビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、多官能性グリシジルアミン樹脂等が使用できる。中でもビスフェノール型エポキシ樹脂が好ましい。またこれらのエポキシ樹脂は、数平均分子量が100〜1000程度のものを用いるのが良く、このことによって得られる高誘電体ペーストの粘度上昇を抑えることができ、電子部品等を形成する際の塗工性を向上させることができる。さらには、低誘電損失、低結晶性などの特性も有することになるので好ましい。また前記エポキシ樹脂は、通常液状で供給される場合が多いが、この場合は前記高誘電率粉末を直接添加して、混合、均一化することで高誘電体ペースとすることができる。もし前記エポキシ樹脂が固形状乃至は高粘度の場合には、適宜の有機溶媒例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン等に、溶解もしくは希釈して用いてもよい。このような有機溶剤の希釈は、得られる高誘電体エポキシ樹脂ペーストの粘度調整も兼ねることになり好ましい。
また、前記エポキシ樹脂と組み合わせて使用される硬化剤についても特に限定がなく、エポキシ樹脂の硬化剤として公知の種々のもの、例えば、酸無水物系の硬化剤(例えばヘキサヒドロ無水フタル酸)やアミン系硬化剤などが使用でき、またその使用量も、使用するエポキシ樹脂および硬化剤の種類に応じて適宜慣用量とすることができる。さらに硬化促進剤を併用することも好ましい。この硬化促進剤の併用は、前記ペースト塗工後の硬化時間の短縮、および硬化温度を低下できるという効果があるので好ましく、またその使用量については、エポキシ樹脂および硬化剤の種類に応じて適宜慣用量とすることができる。
また、他方のベース樹脂となるエチレン・アクリルゴムについて述べると、この樹脂はその構造が熱可塑性樹脂の特性とゴム弾性の特性とを有する熱可塑性エラストマーであって、トルエンやメチルエチルケトン(MEK)等の有機溶剤に可溶であるため、例えばフレキシブル配線基板の接着剤、強化複合材等に柔軟性付与の目的で使用されているもので、具体的には、エチレン・アクリル共重合体、エチレン・アクリロニトリル共重合体等が知られており、その末端にはエポキシ基やカルボキシル基等の官能基を有するものがあるが、本発明では請求項2に記載されるような、カルボキシル基を有するものが好ましい。これは、前記カルボキシル基が銅等の金属との接着性を向上させるので、特にピール強度が向上し、得られるエポキシ樹脂ペーストの引張り強度等の機械的特性が向上する。このため、前記高誘電率粉末を高充填することが可能となり、高い誘電率のエポキシ樹脂ペーストを得ることができる。
そして前記ベース樹脂は、エポキシ樹脂(硬化剤、硬化促進剤を含む)65〜95vol%とエチレン・アクリルゴム5〜35vol%とからなるように混合される。これは、エポキシ樹脂(硬化剤、硬化促進剤を含む)が95vol%を超えると、柔軟性が不足するため得られるエポキシ樹脂ペーストが硬くなり、接着性も低下する。また65vol%未満とすると、得られるエポキシ樹脂ペーストの耐熱性が低下し、また誘電率も低いものとなるためである。さらに、エチレン・アクリルゴムが5vol%未満では、柔軟性が不足するため得られるエポキシ樹脂ペーストが硬くなり接着性も低下する。また35vol%を超えると耐熱性が低くなり、誘電率も低くなって好ましくなくなるため、前記の組成割合で混合される。
つぎに前記高誘電率粉末について述べると、この高誘電率粉末としてはセラミックス系の粉末が好ましく、高周波数帯域において分散媒となるベース樹脂よりも大きい比誘電率とQ値(誘電正接の逆数)を持つものが良く、2種以上を併用することもできる。その場合の比率は、任意に選定すればよい。本発明においては、前記Q値が10〜30000程度で、誘電正接が0.05以下のものがよい。またその粒径は、平均粒径で0.01〜100μm程度のもので、好ましくは0.01〜10μm程度のものである。このような平均粒子径とすることによって、分散性が良好なものとなり効果が得られ易くなる。これに対し、前記よりも小さな粒子径のものであると比表面積が大きくなり高充填率化が困難であり、また前記範囲よりも大きな粒子径のものを用いると、ペースト化した際に沈降し易く、均一に分散させることが困難となる。
具体的な前記高誘電率粉体としては、低めの誘電率のエポキシ樹脂ペースト用には、誘電率が10〜1000程度のMg2SiO4、Al2O3、MgTiO3、ZnTiO3、Zn2TiO4、TiO2、CaTiO3、SrTiO3、SrZrO3、BaTi2O5、BaTi4O9、Ba2Ti9O20、Ba2(Ti、Sn)9O20、ZrTiO4、(Zr、Sr)TiO4、BaNd2Ti5O14、BaSm2TiO14、Bi2O3BaONd2O3TiO2、PbOBaONd2O3TiO2、(Bi2O3、PbO)BaONd2O3TiO2、La2Ti2O7、Nd2Ti2O7、(Li、Sm)TiO3、Ba(Mg1/3Ta2/3)O3、Ba(Zn1/3Ta2/3)O3、Ba(Zn1/3Nd2/3)O3、Sr(Zn1/3Nd2/3)O3等が用いられる。そしてこれらの中でも、TiO2、CaTiO3、SrTiO3、BaONd2O3―TiO2、Bi2O3−BaO−Nd2O3−TiO、BaTi4O9、Ba2Ti9O20、Ba2(Ti,Sn)O20、MgO−TiO2、ZnO−TiO2、MgO−SiO2、Al2O3等が、好ましいものである。
また、比較的高い誘電率を必要とするエポキシ樹脂ペースト用としては、誘電率が1000以上のBaTiO3、(Ba、Pb)TiO3、Ba(Ti、Zr)O3、Ba(Sr)TiO3、Ba(Ca、Sn)TiO3等を用いるのがよいが、特に請求項3に記載されるチタン酸バリウム粉末(BaTiO3)や、請求項4に記載されるように、カルシウム、錫、ジルコニウム、ストロンチウム、ニオビウムの少なくとも1種を含有させたチタン酸バリウム粉末が、高誘電率の誘電体ペーストが得られ易く、またチタン酸バリウム粉末のキュリー温度を室温付近とすることができるので、高誘電率エポキシ樹脂ペーストとして実用的なものとすることができる。なお、前述の高誘電率粉体は、単結晶であっても多結晶であってもよい。
そして前記高誘電率粉末の添加量は、ベース樹脂と高誘電率粉末の合計量を100vol%としたときに、前記高誘電率粉末の含有量を35〜70vol%とすることが好ましい。これは、前記高誘電率粉末の添加量が35vol%未満では目的とする誘電率のものが得られず、また高誘電率粉末を、70vol%を超えて添加すると、緻密な高誘電率エポキシ樹脂ペーストが得られ難くなり、さらに前記Q値も大きく低下するので、前記範囲とするのがよい。なおより好ましくは、40〜60vol%の範囲とするのが、誘電率が高く誘電正接も良好であり、またピール強度も大きなものとすることができる。
そして前記高誘電率エポキシ樹脂ペーストの製法は、ボールミル、3本ロールその他の装置によって混練して製造される。また前記混練や加工がし易いように、粘度を調整するために溶剤を加えてもよい。粘度は、通常100〜100000cPs程度とするのが好ましい。このように粘度調整することによって、薄膜等を製造する際の塗工性がよいものとなる。なお溶剤としては、用いるポリマーによって好ましいものを選択すればよいが、具体的にはトルエン、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)等が使用される。
このようにして得られた高誘電率エポキシ樹脂ペーストは、スクリーン印刷、インクジェット、ロールコータ、スピンコート等によって、塗布し乾燥させて必要な薄膜を形成することができるので、請求項5に記載されるように、前記ペーストの硬化後の誘電率が15以上で誘電正接が1.0%以下と好ましく、またピール強度が5N/cm以上の機械的強度を有する種々の小型の電子部品等を、比較的簡単に製造できることになる。具体的な電子部品としては、薄膜コンデンサ、低域通過型フィルタ、高周波回路基板等がある。
表1に記載する各種試料を用いて、本発明の効果を確認した。試料はエポキシ樹脂として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都化成社製、YD−8125)を52wt%、硬化剤として3または4―メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(日立化成社製、HN−5500)を47wt%、硬化促進剤として2、4、6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール(ジャパンエポキシレジン社製、エピキュア3010)1wt%とし、これにカルボキシル基含有エチレン・アクリルゴム(三井・デュポン社製、商品名:ベイマックG)を混合したベース樹脂と、カルシウムと錫を含有させたチタン酸バリウム(富士チタン社製、BT−206、ε=18000)を添加したものである。また粘度を調整するために、トルエンを必要量加えた。
より詳細な試料の作製について述べると、前記硬化促進剤を除いた前記各種樹脂、チタン酸バリウム並びにトルエンを加えた後、ボールミルで24時間混練して、粘度を1000〜2000cPsに調整した。これに、前記硬化促進剤を加えてペースト状とした。このエポキシ樹脂組成物からなる誘電体ペーストを、銅箔上にバーコーターを用いて塗布し、乾燥(150℃×30分)することで厚さ25μmの薄膜状に形成した。ついで、170℃で40分間硬化させた後、LCZメータにより静電容量(C)を測定し、誘電率(ε)並びに誘電正接(tanδ)を求めた。また、片面に接着剤付の厚さ25μmのポリイミドフィルム上に、前記誘電体ペーストを同様に薄膜状に形成し、ついで前記接着剤側には厚さ35μmの銅箔を、圧力50kg/cm2で170℃、40分間のプレス処理して貼り合わせて試料とし、このときの前記薄膜のピール強度を180°で測定した。なお前記ピール強度は、JIS規格C6471の「銅はくの引きはがし強さ」を援用して行った。結果を、表1に記載した。
表1から明らかなとおり、本発明の範囲の高誘電率エポキシ樹脂ペーストは、前記ペーストの硬化後の誘電率が15以上で誘電正接も1.0%以下であり、ピール強度が5N/cm以上と好ましいものであることがわかる。これに対して比較例の場合は、誘電率、誘電正接並びにピール強度のいずれかが、本発明の目的とする数値から外れるものとなっている。より詳細に説明すると、実施例1〜7に記載されるように、エポキシ樹脂(硬化剤、硬化促進剤を含む)とエチレン・アクリルゴムの比率が65〜95:5〜35vol%とからなる混合物を用い、この混合物30〜65vol%と、カルシウム並びに錫を含有させたチタン酸バリウム粉末が35〜70vol%とからなるようにした誘電体ペーストは、前記の特性を満足するものであった。これに対して、比較例1または2に記載されるように、エポキシ樹脂とエチレン・アクリルゴムの比率が本発明の範囲であっても、このような混合物と前記チタン酸バリウムの配合割合が本発明範囲から外れると、硬化後の誘電率が15未満であったり、誘電正接が1.0%より大きくなったり、またピール強度が5N/cm未満となって、好ましくない。また比較例3および4に記載されるように、エポキシ樹脂とエチレン・アクリルゴムの比率が本発明の範囲から外れたものも、誘電率、誘電正接並びにピール強度が小さくなり、好ましくないことがわかる。
以上のような高誘電率のエポキシ樹脂ペーストを用いることによって、高周波領域(10GHz程度)で使用できる、誘電率が高く誘電正接等の電気的特性に優れ、またピール強度も十分な、機械的特性に優れた種々の小型の電子部品等として有用である。
Claims (5)
- エポキシ樹脂(硬化剤、硬化促進剤を含む)65〜95vol%とエチレン・アクリルゴム5〜35vol%とからなる混合物30〜65vol%と、高誘電率粉末が35〜70vol%とからなり、硬化後の誘電率が15以上、並びにピール強度が5N/cm以上であることを特徴とする高誘電率エポキシ樹脂ペースト。
- 前記エチレン・アクリルゴムは、カルボキシル基を含有することを特徴とする請求項1に記載の高誘電率エポキシ樹脂ペースト。
- 前記高誘電率粉末が、チタン酸バリウム粉末であることを特徴とする請求項1または2に記載の高誘電率エポキシ樹脂ペースト。
- 前記チタン酸バリウム粉末は、カルシウム、錫、ジルコニウム、ストロンチウム、ニオビウムの少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項3に記載の高誘電率エポキシ樹脂ペースト。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の高誘電率エポキシ樹脂ペーストを用いた、前記ペーストの硬化後の誘電率が15以上で、ピール強度が5N/cm以上であることを特徴とする電子部品。
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JP2003300290A JP2005068298A (ja) | 2003-08-25 | 2003-08-25 | 高誘電率エポキシ樹脂ペーストおよび電子部品 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007123550A (ja) * | 2005-10-28 | 2007-05-17 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 誘電体ペースト、キャパシタおよび基板 |
JP2010256453A (ja) * | 2009-04-22 | 2010-11-11 | Jsr Corp | 誘電体形成用感放射線性組成物、誘電体、誘電体の形成方法および電子部品 |
CN111334030A (zh) * | 2020-03-09 | 2020-06-26 | 广东四维新材料有限公司 | 一种基于高介电树脂复合材料的5g滤波器及其制备方法 |
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2003
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