JP2005067173A - 液体カートリッジ及び液体カートリッジの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】液体収容室と供給部160とを連通する連通孔910を有する隔壁970と、供給部側に配され、隔壁970の連通孔910を開閉する膜弁900とを備え、膜弁900から供給部160までの流路の液が、液体収容室の圧力よりも高く充填されて膜弁900が弾性変形している。
【選択図】図9
Description
これにより、カートリッジから新しいインクを液体噴射ヘッドであるインクジェットヘッドに供給すると、カートリッジ着脱によりインクジェットヘッドやインク供給針に侵入した気泡を、カートリッジから供給した脱気状態のインクにより容易に溶解させてインク滴の吐出特性を、気泡の侵入に関わり無く維持することができるという利点がある。
一方、カートリッジのインク供給口がインク供給針に接続された時点で、カートリッジの負圧がインクジェットヘッドにそのまま作用するため、インクジェットヘッドのノズル開口のメニスカスが引き込まれてしまい、インク滴の吐出特性に悪い影響を与える恐れがある。
このため、このようなインクカートリッジは、特許文献1に見られるように、液体噴射ヘッドに連通するインク供給針がインク供給口に連通する以前に、インク収容室を大気に開放させる構造が採用されている。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところはインク供給針がインク供給口に連通される以前に大気開放弁を開放させるといった特別なホルダの構造を不要として、液体カートリッジのインク収容室の負圧の如何に関わり無く、液体カートリッジの負圧が液体噴射ヘッドに影響するのを防止できる液体カートリッジを提供することである。
前記液体収容室に液体を注入する工程と、前記供給部に液体注入用の接続具を装填して、前記供給部から前記膜弁までの圧力が、前記膜弁が弾性変形するまで高くなるように液体を充填する工程とを備える。
前記液体収容室に液体を加圧注入する工程と、前記液体収容室を大気に連通させて前記供給部から前記膜弁までの圧力を相対的に高めて前記膜弁を弾性変形させる工程とを備える。
インク収容領域は、図6、7に示したように水平方向に延びる壁272により、上部と下部とに大きく分割され、下部には連通孔242により大気と連通可能な大気側収容室270が、また上部には大気から遮断された2つの第1インク収容室292及び第2インク収容室294からなる供給側収容室290が形成されている。供給側収容室290は、壁272の近傍(下部領域)に連通部276を有する斜めの壁271により2つに分割され、第1インク収容室292及び第2インク収容室が形成されている。
また、インク供給制御手段150の下流側は、インク供給制御手段150と連通する連通孔910、この連通孔910と連通する流路321、流路321の一端に形成され、表面側に向けて形成された通孔323、通孔323と一端が連通した流路304、流路304と連通するインク供給部160が形成されている。
図7に示すように、ハッチングで示した領域がフィルム130により封止されることにより、大気側収容室270と供給側収容室290からなるインク収容室111、大気弁部250及びそれらを接続するインク流路、大気流路が形成される。
詳細には、図8に示すように、カートリッジ本体120の表側に形成された迷路状に蛇行した1本の通路214は、その一端を開口212として大気に開放され、また他端を撥インク性と通気性との機能を備えたフィルタ215(図4、図5)を収容したフィルタ収容室216に接続されている。フィルタ収容室216は、カートリッジ本体120の表側から裏側に貫通する連通孔218と連通する。連通孔218は、カートリッジ本体120の裏側において連通部222、連通部222を区画する部屋の底部に形成された連通孔253を介して連通部224と接続している。通路214の途中には、凹部からなるチャンバー930が設けられている。
詳細には、中空部232の上部の壁には通孔234aが形成されており、この通孔234aを介して連通室234b、連通室234bの上部の壁の切り欠きによって形成された連通部234c、連通部234cと連通する連通室234d、連通室234dの上部の壁の切り欠きによって形成された連通部236、下方に連通孔238が形成された連通室237と順に連通する大気通路が形成されている。
なお、図6において図中符号232、234b、234d、237、及び222で示す部材の領域の、太線の矢印は、I、IIの順で大気側から大気側収容室270へと大気が流れる方向を示すものである。
これら、大気側収容室270、供給側収容室290、大気弁部250、及び大気側通路210、インク側通路230は、それぞれを区画する壁にフィルム130、110を熱溶着などの方法で貼着することにより大気と隔離された領域となる。
一方、位置決めブロック190と対向する他方の側面には、ホルダ200の係合部205に突起181により係合するレバーからなる係合部材180が、カートリッジ本体120の射出成形に合わせて一体的に成形されている。
なお図4に示すように本体側連通室912には、インクろ過用のフィルタ310を収容することも可能で、これによりインクに紛れ込んだ異物をここで阻止して下流側への移動を阻止して、膜弁900の封止機能を保証するとともに、記録ヘッドの目詰まりを防止できる。
その後に図10(II)に示したように第1のインク注入口161にインク注入管182を液密に挿入すると、減圧状態におかれているインク収容室111(270、290)にインクが吸引されて、供給側収容室290からインク供給部160までのほとんどの空間に空気を残さない状態でインクが充填される。
この状態では、インク収容室111とインク供給部160との間に圧力差は存在しないから、膜弁900の両面、つまり上流側、及び下流側が同一圧力となっていて、図9に示したように膜弁900は、略平板状となっている。
これにより、インク供給針201には負圧が作用することがなく、液体噴射ヘッド203のノズル開口のメニスカスが引き込まれるという不都合を防止することができる。
すなわち、液体噴射ヘッド203でインクが消費されると、インク供給制御手段150のインク供給部160側の圧力が所定値以下に低下する。これにより、インク供給制御手段150を構成する膜弁900は、その背面の広い面積にインク供給部160の負圧を受ける(なお、連通孔910を介して供給部160の負圧が作用するが、連通孔910の開口面積が膜弁900の背面の面積に比較して極めて小さいため、変位を阻害することにはならない)。
このようにして所定量のインクが供給部160に流れ込んで、膜弁900に作用する差圧がバネ907の圧力よりも小さくなると、膜弁900が隔壁側に押し戻され、流路が絶たれる。
以下、このような工程を繰り返すことにより、インク供給部160の圧力を所定の負圧に維持してインクを液体噴射ヘッドに供給することができる。
このような構成の装置であっても、カートリッジを無理矢理インク供給針に平行な方向に挿入するような装着ミス等によって大気開放がインク供給針のインク供給口への挿入よりも遅れた場合に有効である。
しがって、この実施例においても、インク供給針に装着された時点で、追加充填により弾性変形された膜弁900の中央部に作用しているインク圧が開放されてインク供給針201にインクを押し出すように作用するから、液体噴射ヘッド203のノズル開口のメニスカスが引き込まれるという不都合を防止することができる。
Claims (8)
- 液体噴射装置へ装着されることにより前記液体噴射装置に液体を供給する液体カートリッジであって、
液体を収容する液体収容室と、
前記液体収容室に収容された液体を前記液体噴射装置に供給する供給部と、
前記液体収容室と前記供給部との間に設けられ、前記液体収容室と前記供給部との連通、または非連通を制御する膜弁と、
を備え、
前記膜弁に対して前記供給部側の流路の圧力が、前記液体収容室側の圧力よりも前記膜弁が弾性変形する程度に高くなるように前記液体が充填されている液体カートリッジ。 - 前記液体収容室と前記供給部との連通、または非連通の制御が、前記液体収容室と前記供給部とを区画する隔壁に形成された連通孔を、前記膜弁から開放、または前記膜弁により閉鎖することにより実行される請求項1に記載の液体カートリッジ。
- 前記液体収容室と前記供給部との連通、または非連通の制御が、前記膜弁に連通孔を形成して前記膜弁により前記液体収容室と前記供給部とを区画するとともに、前記連通孔を封止部材から開放、または前記封止部材により閉鎖することにより実行される請求項1に記載の液体カートリッジ。
- 前記供給部での前記液体の消費状態では、前記液体収容室を大気に連通させる開放手段を備えた請求項1に記載の液体カートリッジ。
- 前記開放手段が、前記液体カートリッジが装着されるホルダに形成された押圧部材により操作される請求項4に記載の液体カートリッジ。
- 液体を収容する液体収容室と、前記液体収容室に収容された液体を前記液体噴射装置に供給する供給部と、前記液体収容室と前記供給部との間に設けられ、前記液体収容室と前記供給部との連通または非連通を制御する膜弁とを備え、液体噴射装置へ装着されることにより前記液体噴射装置に液体を供給する液体カートリッジの製造方法において、
前記液体収容室に液体を注入する第1の工程と、前記供給部に液体注入用の接続具を装填して、前記供給部から前記膜弁までの圧力が、前記膜弁が弾性変形するまで高くなるように液体を充填する第2の工程とからなる液体カートリッジの製造方法。 - 液体を収容する液体収容室と、前記液体収容室に収容された液体を前記液体噴射装置に供給する供給部と、前記液体収容室と前記供給部との間に設けられ、前記液体収容室と前記供給部との連通、または非連通を制御する膜弁とを備え、液体噴射装置へ装着されることにより前記液体噴射装置に液体を供給する液体カートリッジの製造方法において、
前記液体収容室に液体を加圧注入する第1の工程と、前記液体収容室を大気に連通させて前記供給部から前記膜弁までの圧力を相対的に高めて前記膜弁を弾性変形させる第2の工程とからなる液体カートリッジの製造方法。 - 前記第1の工程が、前記供給部から前記液体収容室を排気して実行される請求項6または請求項7に記載の液体カートリッジの製造方法。
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