JP2005067158A - 画像形成装置、画像形成システム、及び情報処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 原本証明が可能な記録物を作成することができる画像形成装置、画像形成システム、及び該画像形成装置で利用される情報処理装置の提供。
【解決手段】 画像形成装置は、印刷開始の要求があるか否かを判断し(S1)、印刷開始の要求がある場合(S1:YES)、印刷用の画像データからビット列を生成し、生成したビット列を塩基配列に変換する。そして変換して得られた塩基配列のデータをDNA合成装置へ転送してDNAを合成し(S2)、予備吐出を行った後(S4)、合成したDNAとインクとを混合してDNAインクを生成し(S6)、DNAインクを用いた印刷処理を実行する(S7)。
【選択図】 図8
【解決手段】 画像形成装置は、印刷開始の要求があるか否かを判断し(S1)、印刷開始の要求がある場合(S1:YES)、印刷用の画像データからビット列を生成し、生成したビット列を塩基配列に変換する。そして変換して得られた塩基配列のデータをDNA合成装置へ転送してDNAを合成し(S2)、予備吐出を行った後(S4)、合成したDNAとインクとを混合してDNAインクを生成し(S6)、DNAインクを用いた印刷処理を実行する(S7)。
【選択図】 図8
Description
本発明は、原本の証明が可能な記録物を生成する画像形成装置、画像形成システム、及び該画像形成システムで利用される情報処理装置に関する。
従来、原本の証明が可能な記録物を生成する画像形成装置として、赤外光を照射したときに反射する特殊なインク又は現像剤を利用して印刷を行う画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。すなわち、画像形成された記録用紙に対して赤外線を照射して画像形成された領域が反射するか否かを検出することにより、この画像形成装置自身で印刷されたものか否かを判定することが可能となる。
また、原本証明のために画像が記録された記録物に対してステープル処理等の綴じ処理を施す画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この画像形成装置による場合は、一連の記録物としてまとめるために複数の記録用紙を綴じているため、記録された画像を参照することによって原本であるか否かの判定をすることができる。
特開2002−42204号公報
特開2003−1905号公報
しかしながら、特許文献1に記載された画像形成装置では、印刷する全ての記録用紙に対して同じインク又は同じ現像剤を用いるため、たとえ不正に印刷された内容であっても原本の証明を与えることになるという問題点を有していた。
また、特許文献2に記載された画像形成装置では、記録用紙に対して綴じ処理を施す必要があるため、原稿に穴を開けることが出来ないという理由等により、原稿によっては利用できないという問題点を有していた。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、受付けた画像データの一部又は全部に基づいて核酸物質の塩基配列を定め、定めた塩基配列を有する核酸物質を生成し、生成した核酸物質をシート上に塗布すべき塗布剤とともに塗布する構成とすることにより、記録物毎に原本証明を与えることが可能な画像形成装置、画像形成システム、及び該画像形成システムにて利用される情報処理装置を提供することを目的とする。
本発明に係る画像形成装置は、画像データを受付け、受付けた画像データに基づいてシート上に画像形成を行う画像形成装置において、シート上に塗布すべき塗布剤を貯留する手段と、受付けた画像データの一部又は全部に基づいて前記塗布剤と共に塗布すべき核酸物質の塩基配列を定める手段と、該手段により定めた塩基配列を有する核酸物質を生成する手段と、生成した核酸物質を前記塗布剤と共にシート上に塗布する手段とを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、画像形成する際に受付けた画像データの一部又は全部に基づいて核酸物質の塩基配列を定め、定めた塩基配列を有する核酸物質を生成し、生成した核酸物質を塗布剤と共にシートに塗布するようにしている。したがって、本画像形成装置にて塗布剤を塗布したシートと塗布されていないシートとの区別が可能になり、しかも、画像毎に異なる核酸物質が塗布されることとなるため画像形成されたシートの原本証明が確実かつ容易となる。
本発明に係る画像形成装置は、前記塗布剤をシート上に塗布することにより画像形成すべくなしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、塗布剤をシート上に塗布して画像形成を行うため、例えば、インク又は現像剤に核酸物質を混合させて画像形成を行うことにより、原本証明が可能となる。
本発明に係る画像形成装置は、画像形成したシート上に前記塗布剤及び核酸物質を塗布すべくなしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、画像形成したシート上に核酸物質を含んだ塗布剤を塗布する構成であるため、例えば、電子写真方式により画像形成を行った後、核酸物質を含んだインクをインクジェット方式により塗布して、原本証明が可能な記録物を作成することができる。
本発明に係る画像形成装置は、受付けた画像データの機密性の有無を判断する手段を更に備え、前記画像データが機密性を有すると判断した場合、前記塗布剤及び核酸物質をシート上に塗布すべくなしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、受付けた画像データの機密性の有無を判断し、機密性が有る場合に核酸物質を含んだ塗布剤を塗布するようにしている。したがって、核酸物質の生成及び消費を抑えることができるとともに、機密性がある記録物に対して原本証明を与えることが可能となる。
本発明に係る画像形成装置は、利用者に係る情報を受付ける手段と、受付けた情報が予め定められた利用者に係る情報であるか否かを判断する手段とを更に備え、受付けた情報が予め定められた利用者に係る情報であると判断した場合、前記塗布剤及び核酸物質をシート上に塗布すべくなしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、予め定めた利用者からの画像データを受付けた場合に核酸物質を含んだ塗布剤を塗布するようにしている。したがって、核酸物質の生成及び消費を抑えることができるとともに、ある特定の利用者が出力した記録物に対してのみ原本証明を与えることが可能となる。
本発明に係る画像形成装置は、定めた塩基配列のデータを記憶する手段を備えることを特徴とする。
本発明にあっては、定めた塩基配列のデータを記憶する手段を備えているため、生成した核酸物質に関する情報を履歴として残すことができ、後の原本証明の際に利用することが可能となる。
本発明に係る画像形成装置は、前記核酸物質はDNA(deoxyribonucleic acid)であることを特徴とする。
本発明にあっては、核酸物質としてDNAを利用するため、作成した記録物の原本証明が確実となる。
本発明に係る画像形成システムは、画像データを受付け、受付けた画像データに基づく画像形成を指示する要求を送信する情報処理装置と、該情報処理装置から送信された要求を受信し、受信した要求に基づいてシート上に画像形成を行う画像形成装置とを備える画像形成システムにおいて、前記情報処理装置は、受付けた画像データの一部又は全部に基づき、画像形成の際にシートに塗布すべき核酸物質の塩基配列を定める手段と、定めた塩基配列のデータを前記画像形成装置に送信する手段とを備え、前記画像形成装置は、シート上に塗布すべき塗布剤を貯留する手段と、前記情報処理装置から送信された塩基配列のデータを受信する手段と、受信したデータに基づいて核酸物質を生成する手段と、生成した核酸物質を前記塗布剤と共にシート上に塗布する手段とを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、画像形成する際に受付けた画像データの一部又は全部に基づいて核酸物質の塩基配列を情報処理装置にて定め、定めた塩基配列のデータを画像形成装置へ送信し、画像形成装置側では、受信した塩基配列のデータに従って核酸物質を生成し、生成した核酸物質を塗布剤と共にシートに塗布するようにしている。したがって、本画像形成装置にて塗布剤を塗布したシートと塗布されていないシートとの区別が可能になり、しかも、画像毎に異なる核酸物質が塗布されることとなるため画像形成されたシートの原本証明が確実かつ容易となる。
本発明に係る画像形成システムは、前記画像形成装置は、受信した要求に基づいてシート上に形成する画像が機密性を有するか否かを判断する手段を更に備え、前記画像が機密性を有すると判断した場合、前記塗布剤及び核酸物質をシート上に塗布すべくなしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、受付けた画像データの機密性の有無を判断し、機密性が有る場合に核酸物質を含んだ塗布剤を塗布するようにしている。したがって、核酸物質の生成及び消費を抑えることができるとともに、機密性がある記録物に対して原本証明を与えることが可能となる。
本発明に係る画像形成システムは、前記画像形成装置は、受信した要求の送信元を識別する手段と、該手段が識別した結果に基づいて前記核酸物質の塗布の要否を判定する手段とを更に備え、該手段の判定結果に基づいて前記塗布剤及び核酸物質をシート上に塗布すべくなしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、予め定めた利用者からの画像データを受付けた場合に核酸物質を含んだ塗布剤を塗布するようにしている。したがって、核酸物質の生成及び消費を抑えることができるとともに、ある特定の利用者が出力した記録物に対してのみ原本証明を与えることが可能となる。
本発明に係る情報処理装置は、画像データを受付け、受付けた画像データに基づいてシート上に画像形成をすべき旨の要求を外部に送信する情報処理装置において、受付けた画像データの一部又は全部に基づき、画像形成の際にシートに塗布すべき核酸物質の塩基配列を定める手段と、定めた塩基配列のデータを送信する手段とを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、画像形成する際に受付けた画像データの一部又は全部に基づいて核酸物質の塩基配列を定め、定めた塩基配列のデータを送信するようにしているため、定めた塩基配列に応じた処理を画像形成装置側に行わせることが可能となる。
本発明による場合は、画像形成する際に受付けた画像データの一部又は全部に基づいて核酸物質の塩基配列を定め、定めた塩基配列を有する核酸物質を生成し、生成した核酸物質を塗布剤と共にシートに塗布するようにしている。したがって、本画像形成装置にて塗布剤を塗布したシートと塗布されていないシートとの区別が可能になり、しかも、画像毎に異なる核酸物質が塗布されることとなるため画像形成されたシートを容易かつ確実に原本証明することができる。
また、本発明による場合は、塗布剤をシート上に塗布して画像形成を行うため、例えば、インク又は現像剤に核酸物質を混合させて画像形成を行うことにより、原本証明が可能となる。
更に、本発明による場合は、画像形成したシート上に核酸物質を含んだ塗布剤を塗布する構成であるため、例えば、電子写真方式により画像形成を行った後、核酸物質を含んだインクをインクジェット方式により塗布して、原本証明が可能な記録物を作成することができる。
更に、本発明による場合は、受付けた画像データの機密性の有無を判断し、機密性が有る場合に核酸物質を含んだ塗布剤を塗布するようにしている。したがって、核酸物質の生成及び消費を抑えることができるとともに、機密性がある記録物に対して原本証明を与えることができる。
更に、本発明による場合は、予め定めた利用者からの画像データを受付けた場合に核酸物質を含んだ塗布剤を塗布するようにしている。したがって、核酸物質の生成及び消費を抑えることができるとともに、ある特定の利用者が出力した記録物に対してのみ原本証明を与えることができる。
更に、本発明による場合は、定めた塩基配列のデータを記憶する手段を備えているため、生成した核酸物質に関する情報を履歴として残すことができ、後の原本証明の際に利用することができる。
更に、本発明による場合は、核酸物質としてDNAを利用するため、作成した記録物が原本であることを確実に証明することができる。
更に、本発明による場合は、画像形成する際に受付けた画像データの一部又は全部に基づいて核酸物質の塩基配列を情報処理装置にて定め、定めた塩基配列のデータを画像形成装置へ送信し、画像形成装置側では、受信した塩基配列のデータに従って核酸物質を生成し、生成した核酸物質を塗布剤と共にシートに塗布するようにしている。したがって、本画像形成装置にて塗布剤を塗布したシートと塗布されていないシートとの区別が可能になり、しかも、画像毎に異なる核酸物質が塗布されることとなるため画像形成されたシートを確実かつ容易に原本証明することができる。
更に、本発明による場合は、受付けた画像データの機密性の有無を判断し、機密性が有る場合に核酸物質を含んだ塗布剤を塗布するようにしている。したがって、核酸物質の生成及び消費を抑えることができるとともに、機密性がある記録物に対して原本証明を与えることができる。
更に、本発明による場合は、予め定めた利用者からの画像データを受付けた場合に核酸物質を含んだ塗布剤を塗布するようにしている。したがって、核酸物質の生成及び消費を抑えることができるとともに、ある特定の利用者が出力した記録物に対してのみ原本証明を与えることができる。
更に、本発明による場合は、画像形成する際に受付けた画像データの一部又は全部に基づいて核酸物質の塩基配列を定め、定めた塩基配列のデータを送信するようにしているため、定めた塩基配列に応じた処理を画像形成装置側に行わせることが可能となる。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
実施の形態1.
図1は本発明に係る画像形成装置を用いた画像形成システムの構成例を示す模式図である。図中10は、本発明に係る画像形成装置であり、通信ネットワークNを介して情報処理装置5,5に接続されている。画像形成装置10は、具体的にはプリント機能、コピー機能、及びスキャナ機能を備える複合機、又はプリンタ装置等であり、本実施の形態では画像形成装置10を複合機に適用した形態について説明する。情報処理装置5は、例えば、パーソナルコンピュータであり、情報処理装置5の内部のHDD装置(不図示)に予めインストールされているドライバプログラム(プリンタドライバ)を利用して印刷ジョブを生成し、生成した印刷ジョブを画像形成装置10に送信することにより印刷処理を実行させるようにしている。
図1は本発明に係る画像形成装置を用いた画像形成システムの構成例を示す模式図である。図中10は、本発明に係る画像形成装置であり、通信ネットワークNを介して情報処理装置5,5に接続されている。画像形成装置10は、具体的にはプリント機能、コピー機能、及びスキャナ機能を備える複合機、又はプリンタ装置等であり、本実施の形態では画像形成装置10を複合機に適用した形態について説明する。情報処理装置5は、例えば、パーソナルコンピュータであり、情報処理装置5の内部のHDD装置(不図示)に予めインストールされているドライバプログラム(プリンタドライバ)を利用して印刷ジョブを生成し、生成した印刷ジョブを画像形成装置10に送信することにより印刷処理を実行させるようにしている。
本実施の形態に係る画像形成装置10は、通信ネットワークNを介して印刷ジョブを受信した場合、その印刷ジョブから展開される画像データに基づいてDNAインクを生成し、生成したDNAインクを用紙、OHPフィルム等のシート上に塗布する構成としている。ここで、DNAインクとは核酸物質の一種であるDNAを含有したインクのことをいい、DNAには人工的に合成した疑似DNAの他、人工的に合成した塩基からなる疑似核酸物質を含み、インクには顔料系インク、染料系インクの他、接着剤、定着剤、コーティング剤等の合成樹脂剤を含有する任意の塗布剤を含むものとする。本実施の形態では、このようなインクに混入させるDNAの塩基配列を画像形成する際の画像データに基づいて定めることを特徴としている。
なお、インクの色は画像形成装置10の構成に応じて任意に定めることができ、例えば、DNAインクを用いてシート上に画像形成を行う場合には黒色のインクを利用することができ、既に画像形成されたシートに対して塗布する場合には透明色のインク、淡色系のインクを利用することができる。
図2は画像形成装置10により実行される処理の工程を説明する模式図である。本実施の形態の画像形成装置10が実行する処理の工程は、(1)印刷データを取得する工程、(2)画像データを表すビット列を生成する工程、(3)DNAの塩基配列を決定する工程、(4)DNAを合成する工程、(5)DNAインクを生成する工程、(6)印刷処理を実行する工程に大別される。
(1)印刷データを取得する工程
画像形成装置10は、まず、印刷用の画像データ(印刷データ)を取得する。印刷用の画像データには、前述した印刷ジョブから展開される画像データの他、後述するスキャナユニットにて原稿の画像を読取って得られる画像データが含まれる。印刷ジョブの展開は、当該印刷ジョブを記述しているページ記述言語を画像形成装置10の内部にてデコードすることによって実行され、その結果、画素毎に濃度値(RGB値)を定めた画素の集合として画像データが得られる。スキャナユニットにて画像を読取る場合には、例えばCCD素子によって得られたアナログ信号をAD変換器によりデジタル信号に変換し、画素毎に濃度値(RGB値)を定めた画素の集合として画像データを取得する。
画像形成装置10は、まず、印刷用の画像データ(印刷データ)を取得する。印刷用の画像データには、前述した印刷ジョブから展開される画像データの他、後述するスキャナユニットにて原稿の画像を読取って得られる画像データが含まれる。印刷ジョブの展開は、当該印刷ジョブを記述しているページ記述言語を画像形成装置10の内部にてデコードすることによって実行され、その結果、画素毎に濃度値(RGB値)を定めた画素の集合として画像データが得られる。スキャナユニットにて画像を読取る場合には、例えばCCD素子によって得られたアナログ信号をAD変換器によりデジタル信号に変換し、画素毎に濃度値(RGB値)を定めた画素の集合として画像データを取得する。
また、画像形成装置10が外部接続されたファクシミリ装置からのファクシミリデータを受信する機能を搭載している場合には、ファクシミリ装置から送信されるファクシミリデータを受信した後、受信したファクシミリデータを復号化して画像データを取得するようにしても良い。
(2)画像データを表すビット列を生成する工程
画像形成装置10は、DNAの塩基配列を決定する前段階として画像データからビット列を生成する。前述したように画像データは画素毎に定められる濃度値を持っており、例えば、画像形成装置10にて得られる画像がカラー画像である場合には、R,G,B各色の階調を8ビットで表現して各画素の濃度値を定めている。そこで、画像形成装置10は、画像データを表すビット列を生成するために、カラー画像を2値画像に変換する処理を行う。具体的には、濃度値に対して閾値を設定し、当該閾値より大きな濃度値を有する画素に対してはビット値を「1」に定め、閾値以下の濃度値を有する画素に対してはビット値を「0」に定める。ここで、利用する閾値としては、予め定めた所定値に設定することも可能であり、画像全体の濃度分布を調べて画像毎に設定することも可能である。このような処理を実行することにより、各画素を白(ビット値=「1」)又は黒(ビット値=「0」)に変換してカラー画像を2値画像に変換する。
画像形成装置10は、DNAの塩基配列を決定する前段階として画像データからビット列を生成する。前述したように画像データは画素毎に定められる濃度値を持っており、例えば、画像形成装置10にて得られる画像がカラー画像である場合には、R,G,B各色の階調を8ビットで表現して各画素の濃度値を定めている。そこで、画像形成装置10は、画像データを表すビット列を生成するために、カラー画像を2値画像に変換する処理を行う。具体的には、濃度値に対して閾値を設定し、当該閾値より大きな濃度値を有する画素に対してはビット値を「1」に定め、閾値以下の濃度値を有する画素に対してはビット値を「0」に定める。ここで、利用する閾値としては、予め定めた所定値に設定することも可能であり、画像全体の濃度分布を調べて画像毎に設定することも可能である。このような処理を実行することにより、各画素を白(ビット値=「1」)又は黒(ビット値=「0」)に変換してカラー画像を2値画像に変換する。
そして、変換した2値画像に基づいて各画素のビット値(「1」又は「0」)を一次元又は二次元のデータ構造を有する配列の各要素に格納してゆくことにより、前記画像データに対応したビット列を生成する。
なお、ビット列は、画像の全領域に対応する画像データから生成するようにしても良く、利用者等により予め選択させた部分的な領域に対応する画像データから生成するようにしても良い。後者の場合、シート上に印刷する内容の中で重要な意味を持つ部分、例えば、日付、金額、契約内容等を表す領域を選択させて、その部分の画像データに基づいたDNAインクを生成し、シート上に選択させた領域にのみ塗布することにより、印刷した内容の改竄等が効果的に防止されると共に、DNAインクの消費を抑えることが可能となる。
また、画像データを表すビット列の生成手法は前述したものに限定されないことは勿論である。例えば、前述と同様に画像データを2値化した後、得られたビット列に対して符号化する処理を施しても良い。また、2値化処理を実行せずに、各画素のRGB値から各ビット毎にビット値を取り出して、一次元又は二次元のデータ構造を有する配列の各要素に格納することによりビット列を生成するようにしても良い。この手法では、RGB値が各nビットの情報を持っている場合には、各画素から3nビット分のビット列が生成されることとなる。更に、印刷ジョブがページ記述言語により記述されている場合には、当該ページ記述言語を構成する文字コードを順次的に読取り、読取った各文字コードをビット列で表してDNAインクの塩基配列を決定する前段階のビット列を取得するようにしても良い。
(3)DNAの塩基配列を決定する工程
画像形成装置10は、印刷用の画像データから生成したビット列に基づいて塩基配列を決定する。DNAは、アデニン(A)、チミン(T)、シトシン(C)、グアニン(G)の4種類の塩基により構成されるため、例えば、「00」のビット列にはアデニン、「01」のビット列にはチミン、「10」のビット列にはシトシン、「11」のビット列にはグアニンをそれぞれ割当てることを予め規定しておき、前工程で生成したビット列を2ビットずつ読込んで該当する塩基に置換する処理を繰り返すことによりDNAの塩基配列を定めることができる。例えば、図2に示したように「101000100100…」のようなビット列が生成されている場合、そのビット列から定まる塩基配列は、「CCACTA…」のようになる。
画像形成装置10は、印刷用の画像データから生成したビット列に基づいて塩基配列を決定する。DNAは、アデニン(A)、チミン(T)、シトシン(C)、グアニン(G)の4種類の塩基により構成されるため、例えば、「00」のビット列にはアデニン、「01」のビット列にはチミン、「10」のビット列にはシトシン、「11」のビット列にはグアニンをそれぞれ割当てることを予め規定しておき、前工程で生成したビット列を2ビットずつ読込んで該当する塩基に置換する処理を繰り返すことによりDNAの塩基配列を定めることができる。例えば、図2に示したように「101000100100…」のようなビット列が生成されている場合、そのビット列から定まる塩基配列は、「CCACTA…」のようになる。
(4)DNAを合成する工程
画像形成装置10は、決定した塩基配列に従ってDNAを合成する。DNAを合成する手法の一つとして固相法及びホスホアミダイト法を用いた手法が知られており、当該手法を利用して自動的にDNAを合成するDNA合成装置が既に開発されている。本画像形成装置10はこのようなDNA合成装置を備えており、前工程にて決定した塩基配列のデータをDNA合成装置に入力することによってDNAを合成するようにしている。
画像形成装置10は、決定した塩基配列に従ってDNAを合成する。DNAを合成する手法の一つとして固相法及びホスホアミダイト法を用いた手法が知られており、当該手法を利用して自動的にDNAを合成するDNA合成装置が既に開発されている。本画像形成装置10はこのようなDNA合成装置を備えており、前工程にて決定した塩基配列のデータをDNA合成装置に入力することによってDNAを合成するようにしている。
(5)DNAインクを生成する工程
画像形成装置10は、インクヘッド(図5参照)に貯留してあるインクと、前工程で合成したDNAとを混合してDNAインクを生成する。本実施の形態では、インク(例えば、無色透明のインク)を貯留するためのインク貯留室をインクヘッドが備えており、DNAインクをシート上に塗布する直前にインク貯留室から供給するインクと、前述のDNA合成装置から供給されるDNAとをインクヘッドにて混合することによりDNAインクを生成するようにしている。
画像形成装置10は、インクヘッド(図5参照)に貯留してあるインクと、前工程で合成したDNAとを混合してDNAインクを生成する。本実施の形態では、インク(例えば、無色透明のインク)を貯留するためのインク貯留室をインクヘッドが備えており、DNAインクをシート上に塗布する直前にインク貯留室から供給するインクと、前述のDNA合成装置から供給されるDNAとをインクヘッドにて混合することによりDNAインクを生成するようにしている。
(6)印刷処理を実行する工程
次いで、画像形成装置10は用紙、OHPフィルム等のシート上に画像形成を行って印刷処理を実行する。画像形成は、前工程で生成したDNAインクを用いて行う形態であっても良く、電子写真方式、熱転写方式等により行う形態であっても良い。前者の手法による場合には、合成したDNAインクをインクジェット方式にてシート上に塗布して画像形成を行う。後者の手法による場合には、電子写真方式、熱転写方式等によりシート上に画像形成を行い、その後、シート上にDNAインクを塗布して印刷処理を完成させる。
次いで、画像形成装置10は用紙、OHPフィルム等のシート上に画像形成を行って印刷処理を実行する。画像形成は、前工程で生成したDNAインクを用いて行う形態であっても良く、電子写真方式、熱転写方式等により行う形態であっても良い。前者の手法による場合には、合成したDNAインクをインクジェット方式にてシート上に塗布して画像形成を行う。後者の手法による場合には、電子写真方式、熱転写方式等によりシート上に画像形成を行い、その後、シート上にDNAインクを塗布して印刷処理を完成させる。
本実施の形態では、電子写真方式にて画像形成を行った後、画像形成されたシートに対してDNAインクを塗布する構成について説明する。
図3は画像形成装置10の内部構成を示す模式図である。画像形成装置10は、大別してスキャナユニット20、プリンタユニット30、及び給紙ユニット40により構成される。画像形成装置10は、スキャナユニット20により原稿の画像を読み取って印刷用の画像データを取得するとともに、通信ネットワークNを介して接続された情報処理装置5から印刷ジョブを受信し、受信した印刷ジョブを展開して印刷用の画像データを取得する。
そして、画像形成装置10は、取得した印刷用の画像データに基づいてシート上に画像形成を行うとともに、該画像データから決定したDNAの塩基配列に従ってDNAインクを生成し、画像形成されたシートに対してDNAインクを塗布する。
以下、各ユニットの構成について説明する。
スキャナユニット20は、光源ユニット23、ミラーユニット24、及びCCD読取ユニット25(CCD : Charge Coupled Device)を備えており、光源ユニット23及びミラーユニット24を利用してプラテンガラス製の原稿台201に載置された原稿の画像をCCD読取ユニット25にて読取る構成となっている。
光源ユニット23は、原稿台201の適宜位置に読取用の照明光を照射する光源、原稿からの反射光の光路を90°変更するために原稿台201の面に対して反射面を45°に設置されたミラー等を備えており、図に示していないステッピングモータにより原稿台201の面に平行に移動し、原稿台201に載置された原稿の全面又は選択された一部の領域に照明光を照射することができる。また、ミラーユニット24は、反射面が相互に直交するように配置された一対のミラーにより構成されており、光源ユニット23のミラーにより反射された光の光路を更に180°変更する。
CCD読取ユニット25は、CCD素子、AD変換器、DSP(Digital Signal Processor)等を備えており、ミラーユニット24からCCD読取ユニット25に至る経路の中途に設けられた結像レンズによって原稿の画像をCCD素子に結像させ、該CCD素子によって得られたアナログ信号をAD変換器によりデジタル信号に変換する。そして、AD変換して得られたデジタル信号は、DSPにより原稿読取時の光源の配光特性、CCD素子の感度ムラ等の補正がなされた後、デジタルの画像データとして後述するスキャナIFを通じて画像メモリに転送される(図7参照)。
更に、スキャナユニット20は、複数の原稿を順次的に供給搬送する自動原稿搬送装置200を備えており、多量の原稿を迅速に読み取るように構成されている。
プリンタユニット30は、感光体ドラム331を所定の電位に帯電させる帯電器332、画像メモリ(図7参照)から転送されてきた画像データに基づいてレーザ光を発して感光体ドラム331上に静電潜像を生成させるレーザ書込装置330、感光体ドラム331表面に形成された静電潜像にトナーを供給して顕像化する現像器334、感光体ドラム331表面に形成されたトナー像をシート上に転写する転写器335等を備える印字部33を搭載しており、電子写真方式によりシート上に画像形成(印刷)を行う。
給紙ユニット40は、サイズ、向き、材質等が異なる複数種のシートを収容するための給紙カセット411,421,422,423、利用者が載置した任意のシートを取り込むための手差トレイ412、数千枚単位のシートを収容する大容量給紙カセット413を備えている。
給紙カセット411、手差トレイ412、及び大容量給紙カセット413は、それぞれ収容したシートの先端近傍に位置するように設置したピックアップローラ411a,412a,413aを備えており、ピックアップローラ411a,412a,413aによって分離給送されたシートは搬送路410を通じてプリンタユニット30へ搬送される。同様に、給紙カセット421,422,423は、それぞれピックアップローラ421a,422a,423aを備えており、1枚ずつ分離給送されたシートは搬送路420を通じてプリンタユニット30に搬送される。
以下、画像形成装置10により印刷処理を実行する際の動作について説明する。給紙ユニット40により供給されるシートは、搬送ローラ311によりプリンタユニット30の内部に取り込まれ、搬送路310を通じてレジストローラ312まで搬送される。レジストローラ312の近傍には図に示していないレジスト前検知スイッチが設置されており、感光体ドラム331上のトナー像とシートとの位置合わせをするためにシートをレジストローラ312にて一旦保持した後、所定のタイミングにて感光体ドラム331と対向する位置までシートを搬送する。感光体ドラム331の対向位置まで搬送されたシート上には、転写器335により感光体ドラム331上のトナー像が転写される。
トナー像が転写されたシートは、一対の定着ローラを有する定着ユニット336へ向けて搬送され、定着ローラが供給する熱によってシート上に転写されたトナー像が定着する。トナー像が定着したシートは、搬送ローラ313によって排紙ローラ314の近傍まで搬送される。
排紙ローラ314の近傍には、DNA合成装置19からDNA供給路190を通じて供給されるDNAと自身が貯留するインクとによりDNAインクを生成するインクヘッド34が搭載されており、排紙ローラ314の近傍まで搬送されてきたシート上にDNAインクを塗布するようにしている。
また、画像形成装置10は、シートの両面に画像形成するための両面原稿搬送路320を備えており、排紙ローラ314によって保持したシートを両面原稿搬送路320を通じて再度印字部33へ搬送する。搬送されたシート上に印字部33にて画像形成を行った後、必要に応じてDNAインクを塗布して排紙ローラ314により排紙トレイ315へ排紙する。
以下、インクヘッド34の構成について説明する。
図4は、インクヘッド34の構成を示す外観斜視図であり、図5は、インクヘッド34の正面断面図である。インクヘッド34は、図示しないハウジングの内部に横架されたガイド軸351の軸長方向へ移動自在に支持されたキャリッジ350に取り付けられており、移動用の駆動源となるモータ(不図示)の回転方向に応じて前記ガイド軸351に沿う方向(主走査方向)に往復移動するように構成されている。また、インクヘッド34の下方には、適宜間隔で配設された一対の搬送ローラ360,370が設置されており、給紙ユニット40から搬送されてくるシートPを図中の白抜矢符により示す方向(副走査方向)へ搬送する。搬送ローラ360,370は、それぞれハウジングの内部に横架されたガイド軸361,371とシートPを副走査方向へ送るための複数の送りローラ362,372とから構成されている。
また、インクヘッド34の移動端において、該インクヘッド34の底面と対向する位置にインク吸収体380が設けられており、インクヘッド34内に残留したインクを吐出できるようにしている。
インクヘッド34は、内部に塗布剤であるインク(例えば、無色透明の顔料系インク)を貯留するためのインク貯留室341と、該インク貯留室341から供給されるインク及びDNA供給路190を介してDNA合成装置19から供給されるDNAの混合物(DNAインク)を貯留するDNAインク合成室342とを備えており、両者を逆止弁343により隔てている。DNA供給路190は合成樹脂材料により管状に形成されており、DNA合成装置19からDNAインク合成室342に至るDNA供給路190の中途には逆止弁191,344が設けられている。
また、DNAインク合成室342の底面部には合成したDNAインクを吐出するためのノズルHが複数設けられており、該ノズルHからDNAインクを吐出させ、インクヘッド34の下方を搬送されるシート上に塗布するようにしている。
図6は、DNAインクの塗布時におけるインクヘッド34の動作を説明する模式図である。インクヘッド34の内部でインクとDNA合成装置19から供給されるDNAとを混合してDNAインクを生成する場合、まず、残留しているDNAインクを排出してDNAインク合成室342のクリーニングを行う。すなわち、本実施の形態では、印刷する画像データに応じて異なる塩基配列を有するDNAを生成することができるため、DNAインク合成室342の内部にDNAインクが残留している状態で新たなDNAをDNA合成装置19から供給した場合、DNAインク合成室342の内部で2種類のDNAが混ざり合うこととなり、シート上に塗布したとしても原本が証明が困難となるからである。
そこで、DNAインクの生成に先立ち、前述したインクヘッド34の駆動用のモータを駆動制御してインク吸収体380の対向位置までインクヘッド34を移動させ、DNAインク合成室342の内部に残留しているDNAインクを吐出して内部のクリーニングを行う(図6(a)参照)。
そして、DNAインク合成室342においてインク貯留室341に貯留してあるインクと、DNA合成装置19から供給される新たなDNAとを混合してDNAインクを生成した後、インクヘッド34を主走査方向に往復移動させつつ、DNAインク合成室342のDNAインクを吐出すると共に、シートPにインクヘッド34の移動に応じて副走査方向に所定ピッチ毎の送りを加えて、シートP上の適宜位置にDNAインクを塗布する(図6(b)参照)。
図7は、画像形成装置10の制御系の構成を説明するブロック図である。画像形成装置10はCPU11を備えており、該CPU11には、ROM13、RAM14、操作パネル15、画像メモリ16、通信IF17、HDD装置18(HDD : Hard Disk Drive)、DNA合成装置19、スキャナユニット20、及びプリンタユニット30等の各種ハードウェアがバス12を介して接続されている。
ROM13にはこれらのハードウェア各部を制御するための制御プログラムが予め格納されており、CPU11が当該制御プログラムを読み込んで実行することにより、本発明に係る画像形成装置10として機能させる。RAM14は揮発性の半導体メモリであり、制御プログラムの実行中に生成される各種のデータ、操作パネル15又は通信IF17を通じて入力される各種のデータ等が一時的に記憶される。
操作パネル15は、各種の操作キー、操作ボタン等を備える操作部と液晶ディスプレイのような表示装置を備える表示部とから構成されており、操作部を通じて利用者からの指示を受付けるとともに、画像形成装置10から利用者に対して報知すべき情報、操作部を通じて入力された情報等を表示する。
画像メモリ16は、揮発性の半導体メモリであり、スキャナユニット20にて原稿を読取って取得した画像データ、通信IF17を通じて受信した印刷ジョブに基づいて展開された画像データ等が一時的に記憶される。そして、CPU11が指示するタイミングにて画像メモリ16から画像データが読出されプリンタユニット30へ転送される。
通信IF17は、外部にパーソナルコンピュータ等の情報処理装置5を接続するための回線終端装置を備えており、通信ネットワークNを介して情報処理装置5から送信される印刷ジョブを受信する。また、画像形成装置10から情報処理装置5に対して通知すべき情報を通信ネットワークNを介して送信する。通信IF17では、このような印刷ジョブ等の各種情報の送受信の制御を行う。
HDD装置18は、ディスク状の磁気記録媒体を有する不揮発性の記憶手段であり、受信した印刷ジョブから展開される画像データ、スキャナユニット20により原稿の画像を読取って得られた画像データ等を記憶する。記憶された画像データは、操作パネル15を介した利用者の指示により任意に読出すことができ、読出した画像データをプリンタユニット30へ転送して印刷処理を行わせることができる。
更に、本実施の形態に係る画像形成装置10は印刷用の画像データに基づいてDNAの塩基配列を定め、定めた塩基配列のデータをDNA履歴データベース18aに記憶するようにしている。すなわち、画像形成装置10のCPU11がDNAの塩基配列を決定した際、その塩基配列のデータをHDD装置18の所定の記憶領域に格納すると共に、格納先の情報と塩基配列を決定した日時の情報とを互いに関連付けてDNA履歴データベース18aに格納する。利用者は、日時の情報をキーワードにして塩基配列のデータを検索することができ、実際にシート上に塗布されたDNAインクを解析して得られた塩基配列のデータと検索された塩基配列のデータとを比較して塗布されたDNAインクの真偽判定を行うことができる。
なお、DNA履歴データベース18aは、塩基配列のデータの格納先と塩基配列を決定した日時とを互いに関連付けて記憶する構成としたが、利用者に関する情報、印刷ジョブの送信元を識別する情報等を更に関連付けて記憶する構成であっても良いことは勿論のことである。
DNA合成装置19は、例えば、前述した固相法及びホスホアミダイト法を用いた手法によりDNAを合成する装置である。画像形成装置10のCPU11は、印刷用の画像データに基づいてDNAの塩基配列を決定した後、DNAの合成を指示する命令を生成し、DNAの塩基配列のデータとともにDNA合成装置19へ転送する。DNA合成装置19がDNAの塩基配列のデータと共にDNA合成の指示を受けた場合、前記データに基づいてDNAの合成を開始する。合成されたDNAはインクヘッド34へ供給されると共に、DNAの合成が完了した旨の通知がCPU11に対してなされる。インクヘッド34に供給されたDNAは予め貯留されているインクと混合され、DNAインクが生成される。また、DNAの合成が完了した旨の通知を受けたCPU11は、プリンタユニット30に対してDNAインクの塗布を指示する命令を与え、インクヘッド34を作動させることによりDNAインクをシート上に塗布する。
スキャナユニット20は、バス12に接続されたスキャナIF21を備えており、該スキャナIF21には前述した光源ユニット23、ミラーユニット24、及びCCD読取ユニット25が内部バス22を介して接続されている。この内部バス22に接続された光源ユニット23、ミラーユニット24、及びCCD読取ユニット25は、スキャナIF21を介してバス12へ接続されており、当該バス12に接続されたハードウェア各部と各種データの授受を行う。
例えば、操作パネル15を通じて原稿の読取り指示がなされた場合、CPU11は、原稿の読取り開始を指示するための命令をスキャナIF21を通じて光源ユニット23に与え、命令を受けた光源ユニット23は、光源を点灯させるとともに、当該命令により指示された範囲の画像を読取るべくステッピングモータ(不図示)を駆動して原稿を走査する。そして、CCD読取ユニット25により読取られた画像データは、スキャナIF21を通じて画像メモリ16に転送され、印刷用の画像データとして画像メモリ16内に一時的に格納される。
プリンタユニット30は、バス12に接続されたプリンタIF31を備えており、該プリンタIF31に前述した電子写真方式の印字部33、DNAインクをシート上に塗布するインクヘッド34、及びインクヘッド34を作動させるための駆動制御部35が内部バス32介して接続されている。この内部バス32に接続された印字部33、インクヘッド34、及び駆動制御部35は、プリンタIF31を介してバス12へ接続されており、当該バス12に接続されたハードウェア各部と各種データの授受を行う。
例えば、画像メモリ16に記憶された画像データに基づいて印刷を実行する場合、印刷開始を指示する命令及び画像メモリ16から読出された画像データがプリンタIF31を通じて印字部33に転送される。ここで、印字部33は、前述したレーザ書込装置330、感光体ドラム331、帯電器332、現像器334、転写器335等により構成されており、プリンタIF31を通じて受付けた命令に従って前述の各部を作動させ、画像メモリ16から転送された画像データに基づきシート上に画像形成を行う。
また、シート上にDNAインクを塗布する場合には、CPU11からインクヘッド34を駆動するための駆動制御部35に対してDNAインクの塗布を指示する命令が与えられ、駆動制御部35がインクヘッド34を駆動してDNAインクをシート上に塗布する。駆動制御部35は、インクヘッド34を制御するためのヘッドドライバ、及びインクヘッド34の移動用の駆動源となるモータ(不図示)を制御するためのモータドライバを有しており、前記命令を受けた駆動制御部35が、モータドライバに指示を与えてモータを駆動させると共に、ヘッドドライバに指示を与えてインクヘッド34からインク粒を吐出させることによりシート上の適宜位置にDNAインクを塗布する構成となっている。
図8は、画像形成装置10による処理の手順を示すフローチャートである。まず、画像形成装置10のCPU11は印刷開始の要求があるか否かを判断する(ステップS1)。印刷開始の要求があるか否かは、通信IF17にて印刷の実行を要求する印刷ジョブを受信したか否か、又はスキャナユニット20にて印刷すべき画像データを取得したか否かにより判断することができる。印刷開始の要求がないと判断した場合(S1:NO)、印刷開始の要求があるまで待機する。
印刷開始の要求があると判断した場合(S1:YES)、DNA合成処理を行う(ステップS2)。DNA合成処理では、印刷用の画像データをビット列に変換し、変換したビット列に基づいてDNAの塩基配列を決定し、決定した塩基配列に従ってDNAを合成する処理を行う。合成処理の詳細については後述することとする。
DNA合成装置19にてDNAの合成を行っている間、インクヘッド34にてDNAインクを生成するための準備として予備吐出を行う(ステップS3)。ここで、予備吐出とはDNAインク合成室342内に残留しているDNAインクをインク吸収体380に吐出することをいう。予備吐出を行うことによりDNAインク合成室342内のクリーニングを行う。
次いで、DNAインク合成室342の内部にインクを検出したか否かを判断する(ステップS4)。DNAインク合成室342の内部にインクを検出した場合(S4:YES)、処理をステップS3へ戻してDNAインクの予備吐出を続行する。
なお、DNAの真偽判定を考慮した場合、予備吐出によってDNAインク合成室342内部のDNAインクを完全に除去した後に新たなDNAインクを生成することが望ましいが、残留したDNAと新たに生成したDNAとの分量比から目的のDNAを判別することも可能であるため、DNAインクが僅かに残留している段階で次のステップへ処理を進める構成であっても良い。
DNAインク合成室342のインクが検出されなかった場合(S4:NO)、すなわち、DNAインク合成室342内部のDNAインクが除去されたと判断した場合、DNA合成装置19にてDNA合成が完了したか否かを判断する(ステップS5)。DNA合成装置19は、DNA合成が完了したときにその旨をCPU11に対して通知するようにしているため、CPU11が前記通知を受けた段階でDNA合成が完了したことを判断することができる。
DNA合成装置19にてDNA合成が完了していないと判断した場合(S5:NO)、DNAの合成が完了するまで待機する。DNAの合成が完了したと判断した場合(S5:YES)、インクヘッド34のDNAインク合成室342においてDNAインクインクを生成する(ステップS6)。すなわち、DNA合成装置19側のDNA供給路190に設けられた逆止弁191とインクヘッドに設けられた逆止弁344とを開放してDNA合成装置19とDNAインク合成室342とを連通させ、DNA合成装置19で合成したDNAをDNAインク合成室342に供給すると共に、インク貯留室341とDNAインク合成室342とを隔てている逆止弁343を開放して、インク貯留室341が貯留しているインクをDNAインク合成室342に供給し、DNAとインクとを混合させることによりDNAインクを生成する。
次いで、画像形成装置10はDNAインクを用いた印刷処理を実行する(ステップS7)。すなわち、DNAインクが生成された段階でプリンタユニット30に対して画像形成を開始させる指示を与え、給紙ユニット40から搬送されるシートに対して印字部33が電子写真方式による画像形成を行い、画像形成されたシートに対してインクヘッド34がDNAインクを吐出してDNAインクをシート上に塗布し、本画像形成装置10による印刷処理を完成させる。
なお、本実施の形態では、DNAインクが生成された段階で画像形成を開始させる構成としたが、ステップS1で印刷開始の指示があった段階で印字部33に画像形成を実行させ、画像形成されたシートを両面原稿搬送路320等に退避させておき、DNAインクが生成された後にインクヘッド34の対向位置まで前記シートを搬送させ、DNAインクを塗布する構成としても良い。
図9は、DNA合成処理の処理手順を示すフローチャートである。まず、画像形成装置10は、印刷用の画像データを画像メモリ16上に読込む(ステップS11)。画像データの読込みは、通信IF17にて受信した印刷ジョブを画像メモリ16上に展開して読込む形態であっても良く、スキャナユニット20のCCD読取ユニット25にて取得した画像データを読込む形態であっても良い。
次いで、画像形成装置10のCPU11は、読込んだ画像データをビット列に変換する(ステップS12)。具体的には、前述したように2値化処理を実行して各画素の濃度値を「0」又は「1」のビット値で表した後、各画素のビット値を予め定めたデータ構造を有する配列の各要素に格納してゆくことでビット列を生成する。
次いで、画像形成装置10のCPU11は、変換したビット列に基づいてDNAの塩基配列を決定する(ステップS13)。具体的には、DNAを構成する4種類の塩基(A,T,G,C)に対してそれぞれ割当てるべき2ビット分のビット列を予め規定しておき、塩基配列を決定する際に当該規定に従ってビット列を4種類の何れかの塩基に置き換えてゆくことにより塩基配列を決定する。ROM13又はHDD装置18には、塩基の割当てを規定したテーブルが記憶されており、CPU11がこのテーブルを読込むことにより塩基配列への置換を順次行う構成としている。
次いで、決定した塩基配列のデータを履歴としてDNA履歴データベース18aに記憶させると共に(ステップS14)、塩基配列のデータをDNA合成装置19に転送する。塩基配列のデータを受付けたDNA合成装置19は、ステップS13にて決定した塩基配列に従ってDNAを合成する(ステップS15)。
実施の形態2.
前述した実施の形態では、画像形成装置10が印刷すべき旨の指示を受付けた場合、画像データの種類に依存することなく受付けた全ての画像データに対してDNAの塩基配列を定め、定めた塩基配列に従ってDNAを合成し、DNAインクを生成してシート上に塗布する構成とした。しかしながら、DNAを合成するためには長時間を要し、印刷処理に掛かるコストも増大するため、印刷条件によってDNAインクの塗布を制限できることが望ましい。
前述した実施の形態では、画像形成装置10が印刷すべき旨の指示を受付けた場合、画像データの種類に依存することなく受付けた全ての画像データに対してDNAの塩基配列を定め、定めた塩基配列に従ってDNAを合成し、DNAインクを生成してシート上に塗布する構成とした。しかしながら、DNAを合成するためには長時間を要し、印刷処理に掛かるコストも増大するため、印刷条件によってDNAインクの塗布を制限できることが望ましい。
本実施の形態では、印刷用の画像データが機密性を有するか否かを判断して、機密性を有する場合にのみDNAインクを塗布する構成について説明する。なお、画像形成装置10の内部構成については実施の形態1と同じであるためその説明を省略することとする。
図10は、本実施の形態に係る画像形成装置10による処理の手順を示すフローチャートである。まず、画像形成装置10のCPU11は、印刷開始の要求があるか否かを判断する(ステップS21)。印刷開始の要求があるか否かは、通信IF17にて印刷の実行を要求する印刷ジョブを受信したか否か、又はスキャナユニット20にて印刷すべき画像データを取得したか否かにより判断することができる。印刷開始の要求がないと判断した場合(S21:NO)、印刷開始の要求があるまで待機する。
印刷開始の要求があると判断した場合(S21:YES)、通信IF17にて受信した印刷ジョブから展開される画像データ、又はスキャナユニット20にて取得した画像データが機密性を有するか否かを判断する(ステップS22)。画像データが機密性を有するか否かの判断は、画像データ自体を解析して、予め定めたマーク、イメージ等が印刷すべき画像に含まれているか否かを検出することによって行う。また、情報処理装置5からの印刷ジョブを解析して、親展印刷、暗号化処理等の依頼が含まれているか否かを判断することにより機密性を有するか否かを判断するようにしても良い。
印刷すべき画像データが機密性を有すると判断した場合(S22:YES)、前述のDNA合成処理を実行してDNAを合成する(ステップS23)。
次いで、DNAインクの予備吐出(ステップS24)と、DNAインク合成室342内のインクの検出(ステップS25)とを実行して、DNAインク合成室342のクリーニングを行う。すなわち、ステップS25にてDNAインク合成室342にインクが残留していると判断した場合(S25:YES)、予備吐出を行い、残留するインクがなくなったと判断するまで(S25:NO)、予備吐出を繰り返す。
DNAインク合成室342のクリーニングを行った後、インク貯留室341が貯留しているインクをDNAインク合成室342へ供給すると共に、DNA合成装置19が合成したDNAをDNAインク合成室342へ供給し、両者を混合することによりDNAインクを生成する(ステップS26)。
次いで、画像形成装置10はDNAインクを用いた印刷処理を実行する(ステップS27)。すなわち、DNAインクが生成された段階でプリンタユニット30に対して画像形成を開始させる指示を与え、給紙ユニット40から搬送されるシートに対して印字部33が電子写真方式による画像形成を行い、画像形成されたシートに対してインクヘッド34がDNAインクを吐出してDNAインクをシート上に塗布し、印刷処理を完成させる。
また、ステップS22にて画像データが機密性を持たないと判断した場合(S22:NO)、印字部33による電子写真方式の画像形成のみを実行して、通常の印刷処理を実行する(ステップS28)。
実施の形態3.
実施の形態2では、印刷すべき画像データが機密性を有するか否かによりDNAインクを生成してシート上に塗布するか否かを決定していたが、画像形成装置10の利用者に応じてDNAインクを塗布するか否かを決定するようにしても良い。
実施の形態2では、印刷すべき画像データが機密性を有するか否かによりDNAインクを生成してシート上に塗布するか否かを決定していたが、画像形成装置10の利用者に応じてDNAインクを塗布するか否かを決定するようにしても良い。
本実施の形態では、利用者認証により予め登録された利用者からの印刷処理の依頼であると判断した場合、DNAインクを塗布する構成について説明する。なお、画像形成装置10の内部構成については実施の形態1と同様であるため、その説明を省略することとする。
図11は、本実施の形態に係る画像形成装置10による処理の手順を示すフローチャートである。まず、画像形成装置10のCPU11は、印刷開始の要求があるか否かを判断する(ステップS41)。印刷開始の要求があるか否かは、通信IF17にて印刷の実行を要求する印刷ジョブを受信したか否か、又はスキャナユニット20にて印刷すべき画像データを取得したか否かにより判断することができる。印刷開始の要求がないと判断した場合(S41:NO)、印刷開始の要求があるまで待機する。
印刷開始の要求があると判断した場合(S41:YES)、利用者認証を行い(ステップS42)、予め登録された利用者であるか否かを判断する(ステップS43)。利用者認証は、例えば、画像形成装置10の操作パネル15に指紋等の生体認証を行うためのセンサを設けておき、このセンサからの出力に基づいて利用者を認証することができる。また、通信IF17にて受信した印刷ジョブに関しては、特定のネットワークワークアドレスを有する情報処理装置5からの印刷ジョブであるか否かを判断して利用者認証を行うことができる。
利用者認証を行った結果、予め登録された利用者であると判断した場合(S43:YES)、前述のDNA合成処理を実行してDNAを合成する(ステップS44)。
次いで、DNAインクの予備吐出(ステップS45)と、DNAインク合成室342内のインクの検出(ステップS46)とを実行して、DNAインク合成室342のクリーニングを行う。すなわち、ステップS46においてDNAインク合成室342にインクが残留していると判断した場合(S46:YES)、予備吐出を行い、残留するインクがなくなったと判断するまで(S46:NO)、予備吐出を繰り返す。
DNAインク合成室342のクリーニングを行った後、インク貯留室341が貯留しているインクをDNAインク合成室342へ供給すると共に、DNA合成装置19が合成したDNAをDNAインク合成室342へ供給し、両者を混合することによりDNAインクを生成する(ステップS47)。
次いで、画像形成装置10はDNAインクを用いた印刷処理を実行する(ステップS48)。すなわち、DNAインクが生成された段階でプリンタユニット30に対して画像形成を開始させる指示を与え、給紙ユニット40から搬送されるシートに対して印字部33が電子写真方式による画像形成を行い、画像形成されたシートに対してインクヘッド34がDNAインクを噴射してDNAインクをシート上に塗布し、印刷処理を完成させる。
また、ステップS43にて予め登録された利用者でないと判断した場合(S43:NO)、印字部33による電子写真方式の画像形成のみを実行して、通常の印刷処理を実行する(ステップS49)。
実施の形態4.
前述の実施の形態では、何れも画像形成装置10側でDNAの塩基配列を決定する構成としたが、情報処理装置5が印刷ジョブを受付けた時点で情報処理装置5の内部にてDNAの塩基配列を決定し、塩基配列のデータを印刷ジョブと共に画像形成装置10へ送信することも可能である。
前述の実施の形態では、何れも画像形成装置10側でDNAの塩基配列を決定する構成としたが、情報処理装置5が印刷ジョブを受付けた時点で情報処理装置5の内部にてDNAの塩基配列を決定し、塩基配列のデータを印刷ジョブと共に画像形成装置10へ送信することも可能である。
本実施の形態では、情報処理装置5側でDNAの塩基配列を決定し、決定した塩基配列のデータを画像形成装置10に送信してDNAインクを生成させる画像形成システムについて説明する。
なお、本実施の形態においても画像形成装置10の内部構成については実施の形態1と同様であるため、その説明を省略することとする。
図12は、情報処理装置5の制御系の構成を示すブロック図である。情報処理装置5はCPU51を備えており、該CPU51には、ROM53、RAM54、操作部55、表示部56、通信部57、HDD装置58等の各種ハードウェアがバス52を介して接続されている。ROM53にはこれらのハードウェア各部を制御するための制御プログラムが予め格納されており、CPU51が当該制御プログラムを読込んで実行することにより、本発明に係る情報処理装置5として機能させる。RAM54は揮発性のメモリにより構成され、制御プログラムの実行中に生成される各種のデータ、操作部55又は通信部57を通じて入力されるデータ等が一時的に格納される。
操作部55は、キーボード、マウス、タブレット等の入力装置からなり、情報処理装置5の利用者からの指示を受付ける。表示部56はCRTディスプレイ又は液晶ディスプレイ等の表示装置からなり、操作部55を通じて入力されたデータ、通信部57を通じて入力されたデータ等を表示する。通信部57は通信ネットワークNの通信規格に準拠した通信インタフェースを有しており、当該通信ネットワークNに接続された画像形成装置10に対して印刷ジョブ等を送信するとともに、画像形成装置10から送信されるデータを受信する。通信部57は、このような情報処理装置5と画像形成装置10との間でやり取りされるデータの送受信を制御する。
HDD装置58は、ディスク状の磁気記憶媒体を有する記憶装置であり、画像形成装置10を使用するためのドライバソフトウェアのほか、ドキュメントデータ、画像データ等を作成するためのアプリケーションプログラムが予めインストールされている。また、HDD装置58の記憶領域の一部は、後述するDNA履歴データベース58aとして利用されており、CPU51の指示に応じてデータの書込み処理又は読込み処理が行われる。
本実施の形態では、情報処理装置5が印刷ジョブを画像形成装置10に送信する際、印刷ジョブから展開される画像データに基づいてDNAの塩基配列を定めるようにしており、定めた塩基配列のデータを履歴としてDNA履歴データベース58aに記憶させ、印刷ジョブに塩基配列のデータを含めて画像形成装置10へ送信するようにしている。
図13は、本実施の形態に係る画像形成システムが実行する処理の手順を説明するフローチャートである。
まず、情報処理装置5は、印刷ジョブの送信要求があるか否かを判断する(ステップS61)。印刷ジョブの送信要求があるか否かは、前述のドライバソフトウェアを利用して所定の操作がなされたか否かにより判断することができる。印刷ジョブの送信要求がないと判断した場合には(S61:NO)、印刷ジョブの送信要求があるまで待機する。
印刷ジョブの送信要求があると判断した場合(S61:YES)、印刷ジョブから展開される画像データをビット列に変換する(ステップS62)。具体的には、画像データに対して2値化処理を施し、各画素の濃度値を「0」又は「1」のビット値で表した後、各画素のビット値を予め定めたデータ構造を有する配列の各要素に格納してゆくことでビット列を生成する。
次いで、情報処理装置5のCPU51は、変換したビット列に基づいてDNAの塩基配列を決定する(ステップS63)。具体的には、DNAを構成する4種類の塩基(A,T,G,C)に対してそれぞれ割当てるべき2ビット分のビット列を予め規定しておき、塩基配列を決定する際に当該規定に従ってビット列を4種類の何れかの塩基に置き換えてゆくことにより塩基配列を決定する。ROM53又はHDD装置58には、塩基の割当てを規定したテーブルが記憶されており、CPU51がこのテーブルを読込むことにより塩基配列への置換を順次行う構成としている。
次いで、決定した塩基配列のデータを履歴としてDNA履歴データベース58aに記憶させ(ステップS64)、塩基配列のデータを含めた印刷ジョブを生成する(ステップS65)。そして、生成した印刷ジョブを画像形成装置10へ送信する(ステップS66)。
一方、画像形成装置10では印刷ジョブの受信待ちをしており、情報処理装置5からの印刷ジョブを受信した場合(ステップS67)、印刷ジョブを展開して塩基配列のデータを取得する(ステップS68)。取得した塩基配列のデータはDNA合成装置19に転送され、DNA合成装置19にて前記塩基配列に従うDNAを合成する(ステップS69)。
次いで、画像形成装置10は、インクヘッド34のDNAインク合成室342をクリーニングするために、DNAインクの予備吐出(ステップS70)と、DNAインク合成室342内のインクの検出(ステップS71)とを行う。すなわち、ステップS71にてDNAインク合成室342にインクが残留していると判断した場合(S71:YES)、予備吐出を行い、残留するインクがなくなったと判断するまで(S71:NO)、予備吐出を繰り返す。
DNAインク合成室342のクリーニングを行った後、インク貯留室341が貯留しているインクをDNAインク合成室342へ供給すると共に、DNA合成装置19が合成したDNAをDNAインク合成室342へ供給し、両者を混合することによりDNAインクを生成する(ステップS72)。
次いで、画像形成装置10はDNAインクを用いた印刷処理を実行する(ステップS73)。すなわち、DNAインクが生成された段階でプリンタユニット30に対して画像形成を開始させる指示を与え、給紙ユニット40から搬送されるシートに対して印字部33が電子写真方式による画像形成を行い、画像形成されたシートに対してインクヘッド34がDNAインクを吐出してDNAインクをシート上に塗布し、印刷処理を完成させる。
なお、本実施の形態においても、画像データの機密性に応じてDNAインクを塗布するか否かを決定しても良く、また、利用者認証を行ってDNAインクを塗布するか否かを決定しても良い。
10 画像形成装置
11 CPU
13 ROM
14 RAM
18 HDD装置
18a DNA履歴データベース
19 DNA合成装置
20 スキャナユニット
30 プリンタユニット
33 印字部
34 インクヘッド
5 情報処理装置
51 CPU
53 ROM
54 RAM
58 HDD装置
58a DNA履歴データベース
11 CPU
13 ROM
14 RAM
18 HDD装置
18a DNA履歴データベース
19 DNA合成装置
20 スキャナユニット
30 プリンタユニット
33 印字部
34 インクヘッド
5 情報処理装置
51 CPU
53 ROM
54 RAM
58 HDD装置
58a DNA履歴データベース
Claims (11)
- 画像データを受付け、受付けた画像データに基づいてシート上に画像形成を行う画像形成装置において、
シート上に塗布すべき塗布剤を貯留する手段と、受付けた画像データの一部又は全部に基づいて前記塗布剤と共に塗布すべき核酸物質の塩基配列を定める手段と、該手段により定めた塩基配列を有する核酸物質を生成する手段と、生成した核酸物質を前記塗布剤と共にシート上に塗布する手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。 - 前記塗布剤をシート上に塗布することにより画像形成すべくなしてあることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 画像形成したシート上に前記塗布剤及び核酸物質を塗布すべくなしてあることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 受付けた画像データの機密性の有無を判断する手段を更に備え、前記画像データが機密性を有すると判断した場合、前記塗布剤及び核酸物質をシート上に塗布すべくなしてあることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載の画像形成装置。
- 利用者に係る情報を受付ける手段と、受付けた情報が予め定められた利用者に係る情報であるか否かを判断する手段とを更に備え、受付けた情報が予め定められた利用者に係る情報であると判断した場合、前記塗布剤及び核酸物質をシート上に塗布すべくなしてあることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一つに記載の画像形成装置。
- 定めた塩基配列のデータを記憶する手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一つに記載の画像形成装置。
- 前記核酸物質はDNA(deoxyribonucleic acid)であることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか一つに記載の画像形成装置。
- 画像データを受付け、受付けた画像データに基づく画像形成を指示する要求を送信する情報処理装置と、該情報処理装置から送信された要求を受信し、受信した要求に基づいてシート上に画像形成を行う画像形成装置とを備える画像形成システムにおいて、
前記情報処理装置は、受付けた画像データの一部又は全部に基づき、画像形成の際にシートに塗布すべき核酸物質の塩基配列を定める手段と、定めた塩基配列のデータを前記画像形成装置に送信する手段とを備え、前記画像形成装置は、シート上に塗布すべき塗布剤を貯留する手段と、前記情報処理装置から送信された塩基配列のデータを受信する手段と、受信したデータに基づいて核酸物質を生成する手段と、生成した核酸物質を前記塗布剤と共にシート上に塗布する手段とを備えることを特徴とする画像形成システム。 - 前記画像形成装置は、受信した要求に基づいてシート上に形成する画像が機密性を有するか否かを判断する手段を更に備え、前記画像が機密性を有すると判断した場合、前記塗布剤及び核酸物質をシート上に塗布すべくなしてあることを特徴とする請求項8に記載の画像形成システム。
- 前記画像形成装置は、受信した要求の送信元を識別する手段と、該手段が識別した結果に基づいて前記核酸物質の塗布の要否を判定する手段とを更に備え、該手段の判定結果に基づいて前記塗布剤及び核酸物質をシート上に塗布すべくなしてあることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の画像形成システム。
- 画像データを受付け、受付けた画像データに基づいてシート上に画像形成をすべき旨の要求を外部に送信する情報処理装置において、
受付けた画像データの一部又は全部に基づき、画像形成の際にシートに塗布すべき核酸物質の塩基配列を定める手段と、定めた塩基配列のデータを送信する手段とを備えることを特徴とする情報処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003303627A JP2005067158A (ja) | 2003-08-27 | 2003-08-27 | 画像形成装置、画像形成システム、及び情報処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003303627A JP2005067158A (ja) | 2003-08-27 | 2003-08-27 | 画像形成装置、画像形成システム、及び情報処理装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005067158A true JP2005067158A (ja) | 2005-03-17 |
Family
ID=34407569
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003303627A Pending JP2005067158A (ja) | 2003-08-27 | 2003-08-27 | 画像形成装置、画像形成システム、及び情報処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005067158A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007048218A (ja) * | 2005-08-12 | 2007-02-22 | Ricoh Co Ltd | 画像処理システム、認証方法 |
JP2008238773A (ja) * | 2007-03-29 | 2008-10-09 | Brother Ind Ltd | 画像形成装置 |
-
2003
- 2003-08-27 JP JP2003303627A patent/JP2005067158A/ja active Pending
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JP2007048218A (ja) * | 2005-08-12 | 2007-02-22 | Ricoh Co Ltd | 画像処理システム、認証方法 |
JP2008238773A (ja) * | 2007-03-29 | 2008-10-09 | Brother Ind Ltd | 画像形成装置 |
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