JP2005066872A - 装飾シートおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】被転写基材の耐熱性が不十分であってもよく、さらに蒸着方法を使用しないホログラム層を有する装飾シートであって、しかも、着色あるいはパターン状若しくは半透明のホログラム層も形成でき、従って意匠性に優れ、カードなどの形成に有用な装飾シートおよびその製造方法を提供すること。
【解決手段】任意の被転写媒体の一方の表面にドライラミ接着層を介して、ホログラム効果層、ホログラム形成層、OP層、離型層およびオフセット印刷絵柄がこの記載の順に積層されてなり、上記ホログラム効果層がグラビア印刷反射層であり、上記オフセット印刷絵柄がホログラム画像を隠蔽しない程度に形成されていることを特徴とする装飾シート。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、装飾シートおよびその製造方法に関し、さらに詳しくは、例えば、磁気層を有するカード基材などの任意の被転写材にホログラム(回折格子を含む)画像を有する装飾シートおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プリペイドカードとしては、例えば、定期券や、地下鉄乗車用、鉄道乗車用、およびバス乗車用などのプリペイドカード、あるいはハイウェイカード、テレフォンカード、その他の各種プリペイドカードなどがあり、幅広く使用されている。これらのプリペイドカードには優れた偽造防止性とともに、優れた美観や意匠性が益々要求されるようになってきている。
【0003】
上記各種カードは、カラーコピー機による偽造が容易であり、これらの偽造を防止する方法としては、例えば、カラーコピー機の解像力の限界を越えた細かいパターンを表面に印刷しておき、カードの複写物に、例えば、「にせもの」或いは「コピー」などの文字などが浮かび上がってくるコピー牽制技術がある。しかし、カラーコピー機の一層の解像度の向上により、このような技術では有効な偽造防止の達成が困難になりつつある。さらにパールインキなどを用いて印刷する方法もある。この方法は、見る角度によって印刷画像が異なるように見える技術であるが、この方法も偽造防止の決め手にはなっていない。
【0004】
偽造防止の有力な手段として、カードにホログラム画像を組み込むことが提案されている(特許文献1参照)。このホログラム画像は見る角度によって異なる画像が観察され、該画像は、カラーコピー機による複写は困難であることから、ホログラム画像を有するカードの偽造は困難である。上記ホログラム画像は、通常透明な樹脂からなり、微細凹凸形状の表面を有するホログラム形成層と、該微細凹凸形状面に形成したホログラム効果層とからなり、該ホログラム効果層は、アルミニウム蒸着層(この場合は反射型ホログラムとなる)、またはホログラム形成層の材料の屈折率と異なる屈折率を有する材料からなる透明層(この場合は透明型ホログラムとなる)から構成されている。これらのホログラム画像は、通常ヒートシール剤を接着層とするホログラム転写箔を用いてカード基材などに転写形成されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2003−162206公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のホログラム層は、そのホログラム効果層の形成に、蒸着技術を用いることからコスト高であるという課題がある。また、蒸着薄膜を適当な有彩色に着色することやパターン状に形成することは不可能ではないが、着色することやパターン状に形成することはさらにコストアップの要因になる。さらに従来のホログラム効果層は反射型または透明型の何れかであり、その中間(例えば、半透明)に形成することも困難である。さらにホログラム層の転写にはヒートシール剤(感熱接着剤)を使用することから、熱の影響を受け易い被転写材にホログラム層を転写することが困難であり、また、熱によってホログラム層が損傷するという畏れがある。
【0007】
従って、本発明の目的は、被転写基材の耐熱性が不十分であってもよく、さらに蒸着方法を使用しないホログラム層を有する装飾シートであって、しかも、着色あるいはパターン状若しくは半透明のホログラム層も形成でき、従って意匠性に優れ、カードなどの形成に有用な装飾シートおよびその製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、任意の被転写材の一方の表面にドライラミ接着層を介して、ホログラム効果層、ホログラム形成層、OP層、離型層およびオフセット印刷絵柄がこの記載の順に積層されてなり、上記ホログラム効果層がグラビア印刷反射層であり、上記オフセット印刷絵柄がホログラム画像を隠蔽しない程度に形成されていることを特徴とする装飾シートを提供する。
【0009】
上記本発明においては、前記グラビア印刷反射層が、メタリックインキのコーティング、5%〜40%の網点面積率のグラビア印刷またはパターン印刷で形成されていること;前記グラビア印刷反射層が、着色または未着色であること;離型層とオフセット印刷絵柄との間に熱転写印字受像層が形成されており、熱転写印字が可能になっていること;前記グラビア印刷反射層とドライラミ接着層との間に、ドライラミ接着剤による前記反射層に対する作用を遮断する層(アタック防止層)が設けられていることが好ましい。
【0010】
また、本発明は、基材フィルム上に離型層を介してOP層、ホログラム形成層およびグラビア印刷反射層からなるホログラム効果層が形成されているホログラム転写箔を、ドライラミ接着層を介して、任意の被転写材に、前記ホログラム効果層と被転写材とを対向させて積層し、しかる後上記基材フィルムを剥離し、離型層の表面にオフセット印刷絵柄を形成することを特徴とする装飾シートの製造方法を提供する。
【0011】
上記本発明においては、離型層とオフセット印刷絵柄との間に熱転写印字受像層を形成することによって、熱転写印字可能な装飾シートを製造でき、また、被転写基材として磁気層を有するカード基材を使用することによって、意匠性に優れたカード基材として有用な装飾シートを製造することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。本発明の装飾シートは、図1Aにその断面を図解的に示すように、任意の被転写材(図示の例では磁気層1を有する基材シート2)の一方の表面にドライラミ接着層3を介して、ホログラム効果層4、ホログラム形成層5、OP層(ホログラム形成層の保護層)6、離型層7、およびオフセット印刷絵柄9がこの記載の順に積層されてなる装飾シートにおいて、上記ホログラム効果層4がグラビア印刷反射層であり、上記オフセット印刷絵柄9がホログラム画像を隠蔽しない程度に形成されていることを特徴としている。
【0013】
上記本発明の装飾シートの特徴を、その製造方法によってさらに詳しく説明する。本発明の装飾シートは、図2に示す如き方法によって形成される。先ず図2Aに示すようにホログラム転写箔100を用意する。該ホログラム転写箔は、図示のように、基材フィルム11上に剥離層(または離型層)7を介して、OP層6、ホログラム形成層5およびホログラム効果層4からなる。本発明の第一の特徴は、上記ホログラム効果層4をメタリックインキを用いてグラビア印刷により反射層として形成する点にある。
【0014】
上記メタリックインキとは、金属光沢を反射する高輝度インキであり、該インキは、セルロース誘導体で表面処理した金属蒸着膜細片(特にアルミニウム蒸着薄片)、バインダー、添加剤、および溶剤からなり、必要に応じてグラビアインキ化して使用すればよい。具体的には、セイコーアドバンス社製の鏡面インキNo2(商品名)、帝国インキ製造社製のMIR−8000(商品名)や、大日本インキ化学工業社製のファインラップスーパーメタリックインキ(商品名)などを市場から入手して本発明で使用できる。また、これらの高輝度インキは、未着色でも着色でもよく、該着色は透明でも不透明でもよく、不透明であればパール調、パステル調の外観が得られる。
【0015】
上記の如きメタリックインキにより、ホログラム形成層5の微細凹凸形状の表面に、グラビア印刷やグラビアコーターにより、上記インキを塗布または印刷してホログラム効果層4を形成する。この際、上記メタリックインキを全面ベタに印刷若しくはコーティング方式で形成すれば、全面反射型のホログラム効果層4とすることができる。このような印刷またはコーティング方法は、従来の蒸着方法に比較して連続作業が可能であり、高価な装置を必要としないことから、ホログラム転写箔100を経済的に提供することができる。
【0016】
また、上記メタリックインキをグラビアコーターなどにより、ホログラム形成層5の微細凹形状表面に全面的に形成してホログラム効果層4としてもよいし、グラビア印刷により網点面積率を任意に、好ましくは5〜40%の範囲で変化させることができる。このような範囲で印刷版の網点面積率を変更するのみで、製造ロット毎に反射性が異なるホログラム効果層4とすることもでき、さらに文字、図形絵柄などの任意のパターン状にも印刷形成することもできる。従って従来の蒸着方式では得られない各種の優れた意匠性を有するホログラム層を形成することができる。上記のメタリックインキの塗布量は、全面コーティング、パターン印刷および前記範囲の網点面積率の何れの場合にも、インキ付着面積で換算すれば、固形分で約0.3〜2.5g/mであることが好ましい。インキの塗布量が上記範囲未満では、塗りムラが多くなりホログラム効果層としての性能(反射性)が十分に発揮できず、また、塗布量が多過ぎると扁平なメタリック粒子の平滑面が基材と平行にならなくなるため、ホログラム効果層の輝度が失われる。
【0017】
本発明の装飾シートの製造方法は、上記のホログラム転写箔100を使用すること、およびホログラム層の転写に際して接着剤としてドライラミ接着剤を使用することが別の特徴である。すなわち、図2に示すように、先ず、任意の被転写材、例えば、磁気層1を有する基材シート2の磁気層が設けられていない面にドライラミ接着層3を形成する。次いでホログラム転写箔100を、ホログラム効果層4を被転写材に設けたドライラミ接着層3に対向させて積層ラミネートし、ホログラム転写箔100の基材フィルム11を剥離し(図2B〜C)、転写物の最表面に印刷絵柄9を形成することによって本発明の装飾シートが得られる。なお、上記印刷絵柄9はオフセット網点印刷などによりホログラム像の観察を妨げない程度に形成することが必要である。なお、上記装飾シートを、カードの如く熱溶融型熱転写シートを用いて印字可能にする場合には、上記剥離層7と印刷絵柄9との間に熱溶融型熱転写シートのインキを受容する熱転写印字受像層8を設けることが好ましい。また、上記装飾シートを書籍の表紙などに用いる場合には上記熱転写印字受像層8を設ける必要はない。
【0018】
上記製造方法において、本発明の別の特徴は接着層3としてドライラミ接着剤を使用する点にある。すなわち、ドライラミ接着剤は、後述するようにその接着に際して実質上加熱を必要としないことから、被転写材が軟化点の低いプラスチックシートやフィルムなどの如く耐熱性のない材料であってもホログラム層の転写が問題なく行なわれる。また、本発明で使用するメタリックインキも、従来のアルミニウム蒸着層と異なり、熱によって悪影響を受ける畏れがあるが、ドライラミ接着剤の使用によって、メタリックインキからなるホログラム効果層が熱によって変質する畏れもない。さらにドライラミ接着剤は多少の溶剤を含む場合があり、該溶剤がホログラム効果層に侵入してホログラム効果層に悪影響を与える畏れがある場合には、前記ホログラム転写箔のホログラム効果層の表面に有機溶剤に耐性がある親水性樹脂からなる不図示の保護層(アタック防止層)を設けておくこともできる。この場合にはアタック防止層の表面にドライラミ接着層を設けることも可能である。以上の如くして得られた本発明の装飾シートを、前記の如くカード基材などに使用する場合には、図1Bに示すようにその最表面の熱転写印字受像層8に通常の感熱プリンターによって任意の情報の印字10が可能である。
【0019】
以上が本発明の特徴部分であり、本発明で使用するホログラム転写箔、被転写材、および各層の厚みなどについて以下に説明する。
(ホログラム転写箔)
ホログラム転写箔自体は、ホログラム効果層を前記の通り、メタリックインキで形成する以外は従来公知のホログラム転写箔と同様である。図2Aに示すようにホログラム転写箔100の基材フィルム11は、通常厚み約12〜100μm程度の透明または不透明のポリエチレンテレフタレートフィルム、またはポリエチレンナフタレートフィルムである。剥離層(離型層)7は、必要に応じて適当な離型剤を含むアクリル系樹脂などから厚み約0.5〜4μm程度に形成する。OP層6はポリエステル樹脂やアクリル樹脂などの溶液から厚み約0.2〜1.0μm程度に形成する。ホログラム形成層5は、好ましくは紫外線硬化性または電子線硬化性樹脂から厚み約1〜10μm程度に形成し、ホログラムの凹凸形状(回折格子)を原版を用いてエンボスなどで表面に形成し、その後に完全硬化させる。ホログラム効果層4は、前記の通りに形成する。
【0020】
被転写材の表面または前記アタック防止層の表面に形成するドライラミ接着剤としては、ポリイソシアネート、ポリオールおよび触媒を使用直前に混合して使用する2液硬化型のウレタン系接着剤やエポキシ系接着剤などの2液硬化型接着剤の使用が望ましい。ウレタン系などの2液硬化型の接着剤を用いる場合には、使用直前に決められた処方に従ってA液、B液および触媒を混合して厚み約3〜8μm(固形分)程度に被転写材表面またはアタック防止層の表面に接着層3を形成し、所定時間内にホログラム転写箔からラミネーターを用いて被転写材にラミネートし、ホログラム転写箔100の基材フィルム11を剥離しててホログラム層を被転写材に転写する。
【0021】
(被転写材)
本発明において使用する被転写材は、紙、プラスチックフィルム、プラスチックシート、金属シート、織布、不織布など、特に限定されないが、好ましい1例として図2Bに示す磁気層1を有する基材シート2が挙げられる。この磁気層を有する基材シートは、市販されている白色基材シート2に磁気層1を設けたものである。白色基材シート2は、通常厚み約100〜200μm程度の白色ポリエチレンテレフタレートフィルム、またはポリエチレンナフタレートフィルムである。磁気層1は白色基材シート2の一部または全面に形成され、通常厚み約3〜30μm程度である。また、図示していないが、磁気層の表面には磁気層を隠蔽する隠蔽層を設けてもよく、該隠蔽層の表面には各種印刷を施してもよい。
【0022】
(熱転写印字受像層)
本発明においては、熱転写印字受像層8の形成は必須ではないが、本発明の装飾シートをカードの製造に応用する場合には、上記ラミネート後に基材フィルム11を剥離し、剥離した後の転写物の最表面層に位置する剥離層7の表面に熱転写印字受像層8を設ける。剥離層7は通常離型剤を含有しているので、その表面に熱溶融型熱転写シートを用いて直接印字しても該印字の耐久性(特に耐擦過性)は期待できない。そこで本発明では、図2Cに示すホログラム層の転写および基材フィルム11の剥離後に、離型層7の表面に熱溶融型熱転写シートのインキを受容する受像層8を設けている(図2D)。該受像層8は、通常ヒートシール剤などの如く接着性に優れた熱可塑性樹脂、例えば、ポリエステル樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、あるいはこれらの混合物を用いて厚み約0.5〜3.0g/mに設けることが好ましい。形成される受像層8は場合によっては、ポリイソシアネートなどの架橋剤を添加して形成することで、その硬度を向上させることができる。
【0023】
(印刷絵柄層)
本発明の好ましい実施形態では、上記離型層7の表面に、不図示の表面保護層またはアンカー層(前記受像層と同様な材料から同様に形成する)を介してホログラム像との重なりの程度が制御された状態で印刷模様である印刷絵柄9を形成する。これらの印刷絵柄9は、任意の絵柄でよく、例えば、本発明の装飾シートが書籍の表紙用紙などである場合には、共通情報である書籍の説明文、発行会社、地紋など、特に限定されず、印刷方式もオフセット印刷、グラビア印刷など、特に限定されない。なお、本発明の装飾シートをカード基材に用いる場合には、離型層の表面に前記熱転写印字受像層8を設けることが好ましく、印刷絵柄9は、該受像層8の表面に設ける。この場合には印刷絵柄9もその印刷面が受像層8の面であることから、耐摩擦性に優れている。受像層8の面に任意の印刷絵柄9を形成する場合に、共通情報である絵柄模様9の堅牢性を確保することは勿論のこと、特に、その上に形成される固有情報を表示した熱溶融型熱転写印字10の堅牢性を向上させ、例えば、定期券に適用した場合において十分なゲート耐久性などの耐摩耗性が保持できるようにすると同時に、印刷絵柄9がホログラム像と重なって設けられている部分においても、ホログラム層を設けたことによる効果が損なわれないようにする。このためには、先ず、印刷絵柄9を受像層8の表面全面に隙間なく設けるのではなく、受像層8の表面おける印刷絵柄9の印刷領域の割合を適宜に制御して、堅牢な絵柄模様9を形成すると同時に、その上に形成される熱溶融型熱転写印字10の堅牢性をよりを向上させることが有効である。
【0024】
さらに、ホログラム層を設けたことによる効果が損なわれないようにするためには、特に、形成した絵柄模様9の各印刷領域における網点面積率または万線面積率を適宜に制御した状態とすることが好ましい。このようにすれば、絵柄模様9の印刷領域がホログラム像と重なったような場合においても、ホログラム層を設けたことによる効果が損なわれることがなく、また、特に印刷絵柄9の上に形成した熱溶融型熱転写印字10をより堅牢なものとでき、例えば、定期券に適用した場合におけるゲート耐久性などの耐摩耗性を格段に向上させることが可能となる。これに対して、印刷絵柄9の形成領域が、ホログラム像と重なっているような場合に、例えば、印刷絵柄9の各印刷領域の網点面積率または万線面積率が60%以上であるような、密な状態の絵柄とすると、特に印刷絵柄9の上に形成した熱溶融型熱転写印字10のゲート耐久性が劣ることが確認された。さらに、この場合には、ホログラム像を形成したことによって得られるカラーコピー機による偽造防止効果が十分に発揮されなかったり、意匠性が損なわれる場合もあり、この点からも好ましくない。
【0025】
上記印刷絵柄9の各印刷領域の網点面積率または万線面積率が40%以下となるように、さらには30%以下となるように、印刷絵柄10の印刷層を形成することが好ましい。すなわち、このようにすれば、印刷絵柄9とホログラム像とが重なった部分においても、ホログラム層を形成したことによる効果を十分に得ることができる。これに対して、印刷絵柄9を形成する場合に、絵柄の各印刷領域の網点面積率または万線面積率を40%よりも大きくすると、印刷絵柄9とホログラム像とが重なった部分においてホログラム層を形成したことによる効果が損なわれたり、さらに、この場合には、印刷絵柄9によって受像層8が被覆されたような状態となるので、印刷絵柄9が形成されている受像層8上に熱溶融型インキによる印字をした場合に、熱溶融型熱転写印字10の定着性や、耐摩擦性が損なわれることがある。
【0026】
特に、印刷絵柄9を、各印刷領域の網点面積率または万線面積率が30%以下となるように形成した場合に、印刷絵柄9とホログラム像とが重なった部分においても、ホログラム層を設けたことによる効果がより良好に得られ、カラーコピー機による偽造防止が十分に達成され、意匠性にも優れたものとなる。
【0027】
以上の如く、本発明では使用するホログラム転写箔が非常に経済的に製造することができることから、該ホログラム転写箔から非常に経済的に本発明の装飾シートが得られる。また、転写に際する接着剤としてドライラミ接着剤を使用するので、被転写材に耐熱性が要求されず任意の被転写材にホログラム層が転写できる。また、本発明をカードの製造に使用する場合には、上記利点に加えて、図1AおよびBに示すように、その表面に熱溶融型熱転写シートにより印字を行うと、該転写印字10の大部分は接着性の良好な受像層8の面に転写形成されるので、耐久性(特にゲート耐久性などの耐摩擦性)に優れている。上記印字に使用する熱溶融型の熱転写シートおよびプリンターは公知の何れの方式のものでもよいが、そのインキ層が前記受像層を形成すると同様な樹脂をバインダーとするインキ層である熱転写シートを使用することがより好ましい。
【0028】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、文中「部」または「%」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
実施例1
<ホログラム転写箔の作製>
厚さ25μmの透明ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET、東レ製、ルミラーT60)の一方の面に、ポリメチルメタクリレート系樹脂8部、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合樹脂2部、およびポリエチレンワックス0.1部を含む剥離ニスをグラビアリバース法で1.5g/m(固形分)の塗布量で塗布および乾燥して剥離層を形成した。次に、ポリメチルメタクリレート系プライマー樹脂層を上記と同様の方法で0.5g/m(固形分)の塗布量で塗布および乾燥してOP層を形成した。
【0029】
次に、メラミン系架橋性紫外線硬化性樹脂を上記と同様の方法で2.0g/m(固形分)の塗布量で塗布および乾燥してホログラム形成層を形成し、その表面にレインボーホログラムの凹凸形状(回折格子)を、ホログラム原版を用いて形成し、その後に完全硬化させた。次にアルミ粉を顔料とする高輝度インキとしてメタリックインキ(大日本インキ化学工業(株)製 スーパーメタリック)を用いて公知のグラビア印刷により網点面積率10%、塗布量0.5g/m(固形分)の鏡面印刷層(ホログラム効果層)を形成して、ホログラム転写箔を形成した。
【0030】
<ドライラミネートによるホログラム層の転写>
次に、裏面に磁気層(固形分15g/m)とアンカー層(固形分2g/m)とオフセット印刷層(固形分1g/m)とが順次形成されている厚さ188μmの白色ポリエチレンテレフタレートフィルムからなるカード原反の表面(PET面)に、下記組成の2液硬化型接着剤をグラビアリバース法で6g/m(固形分)の塗布量で塗布および乾燥してドライラミ接着層を形成した。
Figure 2005066872
【0031】
次に上記ホログラム転写箔と上記カード原反とを、そのホログラム効果層を、ドライラミ接着層に対向させてロール間で圧着し、両者をラミネートして巻取った。上記のラミネート物を50℃で1週間放置して熟成を行い、接着層の熱硬化を行い、ホログラム転写箔とカード原反との密着を確保するとともに、接着層を硬化させ、最終製品での表面耐スクラッチ性を確保した。その後、ホログラム転写箔に用いた25μmのPETフィルムをラミネート物から剥離し、前記カード原反の反対面にホログラム層が転写形成された定期券用の原反が完成した。上記ホログラム層の転写に際し、ドライラミ接着層は溶剤を含んでいないために、メタリック層は悪影響を受けず、メタリック層の輝度の低下は認められなかった。
【0032】
<定期券の製造>
上記原反のホログラム層側の面(剥離層上)に、下記組成の感熱転写受像層形成用インキをグラビアリバース法で2.0g/m(固形分)の塗布量で塗布および乾燥して受像層を形成した。
Figure 2005066872
【0033】
上記受像層を形成した原反をシートカット寸法に対応した一定寸法ごとにホログラム絵柄に同期したホログラム(回折格子)マークを光学検知しながら、シートカットし、次いで化粧断裁にて印刷寸法にカットする。このカットしたシートの受像層面に紫外線硬化型インキにて地紋をオフセット印刷(固形分1g/m)および硬化させた。この印刷に際しては、図柄の各印刷領域の網点面積率が25%以下となるようにした。印刷終了後、抜き型を用いて所定のサイズに打ち抜き、本発明の装飾シートである定期券を作製した。
【0034】
実施例2
実施例1において、鏡面印刷層(ホログラム効果層)の面に水性エマルジョン(高松油脂製 ペスレジン)をイソプロピルアルコール/水(質量比1:1)により希釈した塗工液を固形分で1g/mの割合で塗布および乾燥してアンカー層(アタック防止層)を形成した以外は実施例1と同様にして本発明の装飾シートを得た。この実施例においてもホログラム層の転写に際し、アンカー層(アタック防止層)が設けられていること、およびドライラミ接着層は溶剤を含んでいないために、メタリック層は悪影響を受けず、メタリック層の輝度の低下は認められなかった。
【0035】
実施例3
実施例2のホログラム転写箔のアタック防止層の面に実施例1に記載のドライラミ接着層を形成し、被転写材として坪量85g/mの王子片アード紙を用いて実施例2と同様にしてホログラム層を転写した。基材フィルムの剥離後にオフセットアンカー層(ザ・インクテック製 KIZ044)を塗布し、さらにオフセット印刷により印刷絵柄を形成し、意匠性に優れた本発明の装飾シートである表紙用紙を作製した。この実施例においてもホログラム層の転写に際し、アタック防止層が設けられていること、およびドライラミ接着層は溶剤を含んでいないために、メタリック層は悪影響を受けず、メタリック層の輝度の低下は認められなかった。
【0036】
【発明の効果】
以上の如き本発明によれば、被転写基材の耐熱性が不十分であってもよく、さらに蒸着方法を使用しないホログラム層を有する装飾シートであって、しかも、着色あるいはパターン状若しくは半透明のホログラム層も形成でき、従って意匠性に優れ、カードなどの形成に有用な装飾シートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装飾シート(印字記録媒体)と、該印字記録媒体に印字した状態を説明する図。
【図2】本発明の装飾シート(印字記録媒体)の製造方法を説明する図。
【符号の説明】
1:磁気層
2:基材シート
3:ドライラミ接着層
4:ホログラム効果層
5:ホログラム形成層
6:OP層
7:剥離層(離型層)
8:熱転写印字受像層
9:印刷絵柄
10:転写印字
11:基材フィルム
100:ホログラム転写箔

Claims (8)

  1. 任意の被転写材の一方の表面にドライラミ接着層を介して、ホログラム効果層、ホログラム形成層、OP層、離型層およびオフセット印刷絵柄がこの記載の順に積層されてなり、上記ホログラム効果層がグラビア印刷反射層であり、上記オフセット印刷絵柄がホログラム画像を隠蔽しない程度に形成されていることを特徴とする装飾シート。
  2. 前記グラビア印刷反射層が、メタリックインキのコーティング、5%〜40%の網点面積率のグラビア印刷またはパターン印刷で形成されている請求項1に記載の装飾シート。
  3. 前記グラビア印刷反射層が、着色または未着色である請求項1に記載の装飾シート。
  4. 離型層とオフセット印刷絵柄との間に熱転写印字受像層が形成されており、熱転写印字可能な請求項1に記載の装飾シート。
  5. 前記グラビア印刷反射層とドライラミ接着層との間に、ドライラミ接着剤による前記反射層に対する作用を遮断する層(アタック防止層)が設けられている請求項1に記載の装飾シート。
  6. 基材フィルム上に離型層を介してOP層、ホログラム形成層およびグラビア印刷反射層からなるホログラム効果層が形成されているホログラム転写箔を、ドライラミ接着層を介して、任意の被転写材に、前記ホログラム効果層と被転写材とを対向させて積層し、しかる後上記基材フィルムを剥離し、離型層の表面にオフセット印刷絵柄を形成することを特徴とする装飾シートの製造方法。
  7. 離型層とオフセット印刷絵柄との間に熱転写印字受像層を形成する請求項6に記載の装飾シートの製造方法。
  8. 被転写基材が、磁気層を有するカード基材である請求項6に記載の装飾シートの製造方法。
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