JP2005066842A - 感熱記録方法 - Google Patents

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JP2005066842A JP2003208490A JP2003208490A JP2005066842A JP 2005066842 A JP2005066842 A JP 2005066842A JP 2003208490 A JP2003208490 A JP 2003208490A JP 2003208490 A JP2003208490 A JP 2003208490A JP 2005066842 A JP2005066842 A JP 2005066842A
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Shinichiro Serizawa
慎一郎 芹澤
Yoshisada Nakamura
善貞 中村
Yasuhiro Ogata
安弘 緒方
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Abstract

【課題】感熱記録材料の画像記録後における画像記録面の濃度ムラを抑制し、高い光沢度で、高画質なフルカラー画像を印画可能な感熱記録方法の提供。
【解決手段】支持体上に、少なくとも1層の感熱記録層を有する感熱記録材料を、画像記録する前に加熱加圧処理する加熱加圧工程と、該加熱加圧処理した前記感熱記録材料を加熱することにより画像記録する画像記録工程とを含むことを特徴とする感熱記録方法である。支持体が、ラミネート紙である態様が好ましい。前記加熱加圧処理における加熱温度が、50〜200℃であり、かつ感熱記録材料の搬送速度が、1〜200mm/秒であることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感熱記録材料の画像記録後における画像記録面の濃度ムラを抑制し、高い光沢度で、高画質なフルカラー画像を印画可能な感熱記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
感熱記録材料を用いた感熱記録方法は、(1)現像が不要である、(2)支持体が紙の場合、材質が一般紙に近い、(3)取扱いが容易である、(4)発色濃度が高い、(5)記録装置が簡便で信頼性が高く、安価である、(6)記録時の騒音が無い、(7)メンテナンスが不要である、などの利点があることから近年様々な分野で発達しており、例えば、ファクシミリやプリンター等の分野、POS等のラベル分野などに用途が拡大している。
前記感熱記録材料としては、支持体上にシアン感熱記録層とマゼンタ感熱記録層とイエロー感熱記録層とをこの順に設けてなる感熱記録材料などが提案されており(例えば、特許文献1参照)、それぞれの感熱記録層が異なる熱エネルギーを付与することにより画像記録されるように構成されている。
しかしながら、前記感熱記録材料が十分に平滑化されていない場合には、例えば、前記支持体に最も近い前記シアン感熱記録層を画像記録させると、前記支持体の表面形状により濃度ムラが生じてしまうという問題がある。また、前記濃度ムラが生じた結果、画像記録面の光沢度が低くなり、高画質なフルカラー画像を形成することが困難であるという問題もある。したがって、前記感熱記録材料の画像記録後における画像記録面の濃度ムラを抑制し、高い光沢度で、高画質なフルカラー画像を印画可能な感熱記録方法は未だ提供されていないのが現状であり、これらの開発が切に望まれている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−187361号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記要望に応え、従来における前記問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、感熱記録材料の画像記録後における画像記録面の濃度ムラを抑制し、高い光沢度で、高画質なフルカラー画像を印画可能な感熱記録方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 支持体上に、少なくとも1層の感熱記録層を有する感熱記録材料を、画像記録する前に加熱加圧処理する加熱加圧工程と、該加熱加圧処理した前記感熱記録材料を加熱することにより画像記録する画像記録工程とを含むことを特徴とする感熱記録方法である。該<1>に記載の感熱記録方法は、前記加熱加圧工程において、前記感熱記録材料を画像記録する前に前記加熱加圧処理をすることにより、前記感熱記録材料が平滑化される。前記画像記録工程において、平滑化された前記感熱記録材料を加熱して画像記録することにより、濃度ムラが抑制され、高い光沢度で、高画質な画像が印画される。
<2> 感熱記録材料が、支持体上に、第1感熱記録層、第2感熱記録層、及び第3感熱記録層をこの順に有する前記<1>に記載の感熱記録方法である。
<3> 第1感熱記録層が、シアン感熱記録層である前記<2>に記載の感熱記録方法である。
<4> 支持体が、ラミネート紙である前記<1>から<3>のいずれかに記載の感熱記録方法である。該<4>に記載の感熱記録方法においては、前記支持体がラミネート紙であることにより、前記加熱加圧工程において前記感熱記録材料が平滑化され、前記支持体の表面も効果的に平滑化される。この結果、前記画像記録工程において画像記録をした場合であっても、濃度ムラが効果的に抑制され、高い光沢度で、高画質な画像が印画される。
<5> ラミネート紙が、原紙の両面をポリオレフィン樹脂でコーティングされてなる前記<4>に記載の感熱記録方法である。
<6> 加熱加圧処理が、感熱記録層を画像記録させないで行う前記<1>から<5>のいずれかに記載の感熱記録方法である。該<5>に記載の感熱記録方法においては、前記加熱加圧処理を行った場合であっても前記感熱記録層が画像記録されないため、前記画像記録工程において画像記録をした場合であっても、濃度ムラが効果的に抑制され、高い光沢度で、高画質な画像が印画される。
<7> 加熱加圧処理における加熱温度が、50〜200℃であり、かつ感熱記録材料の搬送速度が、1〜200mm/秒である前記<1>から<6>のいずれかに記載の感熱記録方法である。
<8> 一対のローラにより、加熱及び加圧する前記<1>から<7>のいずれかに記載の感熱記録方法である。
<9> 加熱加圧処理が、ベルト及びローラにより、加熱及び加圧する前記<1>から<8>のいずれかに記載の感熱記録方法である。
<10> 感熱記録層上に、2次転移温度が60℃以上であり、かつ融点が250℃以下であるポリマーを含む保護層を有する前記<1>から<9>のいずれかに記載の感熱記録方法である。該<10>に記載の感熱記録方法においては、前記2次転移温度及び融点が所定の範囲であるポリマーを含む保護層を有する。
これにより、前記保護層を有する場合であっても、前記加熱加圧工程において前記支持体の表面の平滑化が妨げられない。
【0006】
【発明の実施の形態】
(感熱記録方法)
本発明の画像記録方法は、加熱加圧工程と、画像記録工程とを含む。
【0007】
<加熱加圧工程>
前記加熱加圧工程は、支持体上に、少なくとも1層の感熱記録層を有する感熱記録材料を、画像記録する前に加熱加圧処理する工程である。
【0008】
前記加熱加圧処理としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一対のローラによる処理、ベルト及びローラによる処理、などが挙げられる。
【0009】
前記ベルト及びローラとしては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、図3に示した加熱加圧手段1が挙げられる。加熱加圧手段1は、ベルト2と、加熱ローラ3と、加圧ローラ4と、テンションローラ5と、クリーニングローラ6と、搬送ローラ8とを備えている。前記ベルト2の内側には、ベルト2と一対のテンションローラ5とが配置されている。前記ベルト2は、加熱ローラ3と、加熱ローラ3と離れた位置に配された一対のテンションローラ5とにより、回転可能に張設されている。前記加圧ローラ4は、ベルト2と当接して加熱ローラ3と対向して配置されている。加圧ローラ4とベルト2との間は、加圧ローラ4と加熱ローラ3とにより加圧されており、ニップ部が形成されている。
【0010】
前記加熱加圧処理は、前記感熱記録層を画像記録させないで行うことが好ましい。
前記加熱加圧処理の加熱温度及び前記感熱記録材料の搬送速度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記感熱記録層を画像記録させないで前記加熱加圧処理をする観点から、前記加熱温度が50〜200℃であり、かつ前記搬送速度が1〜200mm/秒であることが好ましく、前記加熱温度が80〜200℃であり、かつ前記搬送速度が10〜200mm/秒であることが更に好ましい。
【0011】
前記ベルトとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリイミド、電鋳ニッケル及びアルミニウム等を基材として形成された無端状ベルト、などが挙げられる。
前記ベルトの表面には、シリコーンゴム、フッ素ゴム、シリコーン樹脂、フッ素樹脂からなる群より選択される少なくとも1種以上からなる薄膜が形成されることが好ましい。中でも、前記ベルトの表面に均一な厚さのフルオロカーボンシロキサンゴム製の層を設ける態様、前記ベルトの表面に均一な厚さのシリコーンゴム製の層を有し、かつ該シリコーンゴム層の表面にフルオロカーボンシロキサンゴム製の層を設ける態様が好ましい。
【0012】
前記フルオロカーボンシロキサンゴムとしては、主鎖にパーフルオロアルキルエーテル基及び/又はパーフルオロアルキル基を有するものが好ましい。
このようなフルオロカーボンシロキサンゴムとしては、(A)下記一般式(1)のフルオロカーボンシロキサンを主成分とし、脂肪族不飽和基を有するフルオロカーボンポリマー、(B)1分子中に2個以上の≡SiH基を含有し、上記フルオロカーボンシロキサンゴム組成物中の脂肪族不飽和基量に対して上記≡SiH基の含有量が1〜4倍モル量であるオルガノポリシロキサン及び/又はフルオロカーボンシロキサン、(C)充填剤、(D)有効量の触媒を含有するフルオロカーボンシロキサンゴム組成物の硬化物が好適に用いられる。
【0013】
前記(A)成分のフルオロカーボンポリマーは、下記一般式(1)で示される繰り返し単位を有するフルオロカーボンシロキサンを主成分とし、脂肪族不飽和基を有するものである。
【0014】
【化1】
Figure 2005066842
【0015】
ここで、上記式(1)において、R10は非置換又は置換の好ましくは炭素数1〜8の一価炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数2〜3のアルケニル基であり、特にメチル基であることが好ましい。a,eはそれぞれ0又は1、b,dはそれぞれ1〜4の整数、cは0〜8の整数である。
また、xは1以上の整数、好ましくは10〜30である。
【0016】
このような(A)成分としては、下記式(2)で示すものを挙げることができる。
【0017】
【化2】
Figure 2005066842
【0018】
前記(B)成分において、≡SiH基を有するオルガノポリシロキサンとしては、ケイ素原子に結合した水素原子を分子中に少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを挙げることができる。
【0019】
また、前記フルオロカーボンシロキサンゴム組成物においては、(A)成分のフルオロカーボンポリマーが脂肪族不飽和基を有するものであるときには、硬化剤として上述したオルガノハイドロジェンポリシロキサンを使用することができる。即ち、この場合には、フルオロカーボンシロキサン中の脂肪族不飽和基と、オルガノハイドロジェンポリシロキサン中のケイ素原子に結合した水素原子との間で生ずる付加反応によって硬化物が形成されるものである。
【0020】
このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、付加硬化型のシリコーンゴム組成物に使用される種々のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを使用することができる。
【0021】
上述したオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、一般にその≡SiH基の数が、(A)成分のフルオロカーボンシロキサン中の脂肪族不飽和炭化水素基1個に対して、少なくとも1個、特に1〜5個となるような割合で配合することが好適である。
【0022】
また、≡SiH基を有するフルオロカーボンとしては、上記式(1)の単位又は式(1)においてR10がジアルキルハイドロジェンシロキシ基であり、かつ末端がジアルキルハイドロジェンシロキシ基又はシリル基等の≡SiH基であるものが好ましく、下記式(3)で示すものを挙げることができる。
【0023】
【化3】
Figure 2005066842
【0024】
前記(C)成分の充填剤としては、一般的なシリコーンゴム組成物に使用されている種々の充填剤を用いることができる。例えば、煙霧質シリカ、沈降性シリカ、カーボン粉末、二酸化チタン、酸化アルミニウム、石英粉末、タルク、セリサイト及びベントナイト等の補強性充填剤、アスベスト、ガラス繊維、有機繊維等の繊維質充填剤などを例示することができる。
【0025】
前記(D)成分の触媒としては、付加反応用触媒として公知とされている塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸とオレフィンとの錯体、白金黒又はパラジウムをアルミナ、シリカ、カーボンなどの担体に担持したもの、ロジウムとオレフィンとの錯体、クロロトリス(トリフェニルフォスフィン)ロジウム(ウィルキンソン触媒)、ロジウム(III)アセチルアセトネートなどのような周期律表第VIII族元素又はその化合物が例示されるが、これらの錯体はアルコール系、エーテル系、炭化水素などの溶剤に溶解して用いることが好ましい。
【0026】
前記フルオロカーボンシロキサンゴム組成物においては、種々の配合剤を添加することができる。例えば、ジフェニルシランジオール、低重合度の分子鎖末端水酸基封鎖ジメチルポリシロキサン、ヘキサメチルジシラザン等の分散剤、酸化第一鉄、酸化第二鉄、酸化セリウム、オクチル酸鉄等の耐熱性向上剤、顔料等の着色剤等を必要に応じて配合することができる。
【0027】
前記ベルトは、耐熱性樹脂製又は金属製のベルト本体の表面を上記フルオロカーボンシロキサンゴム組成物で被覆し、加熱硬化することによって得られるが、必要に応じて更に、m−キシレンヘキサフロライド、ベンゾトリフロライド等の溶剤で希釈して塗工液とし、スプレーコート、ディップコート及びナイフコート等の一般的なコーティング法によって塗布することができる。また、加熱硬化の温度、時間は適宜選定することができ、通常温度100〜500℃、時間5秒〜5時間の範囲でベルト本体の種類及び製造方法などに応じて選択される。
【0028】
前記定着ベルトの表面に形成するフルオロカーボンシロキサンゴム層の厚さは特に限定されるものではないが、トナーの剥離性或いはトナー成分のオフセットを防止して画像の良好な定着性を得るために20〜500μm、特に40〜200μmが好ましい。
【0029】
<画像記録工程>
前記画像記録工程は、前記加熱加圧処理した前記感熱記録材料を加熱することにより画像記録する工程である。
前記画像記録工程においては、前記加熱加圧処理により平滑化された前記感熱記録材料に画像記録することにより、前記支持体の表面も平滑化される。平滑化されていない前記支持体を有する感熱記録材料を画像記録をした場合には、画像記録面に濃度ムラが生じ、光沢度が低く、画質も悪くなるが、本発明では、前記画像記録工程の前に前記加熱加圧処理を行うため、画像記録面の濃度ムラが抑制され、高い光沢度で、高画質な画像が印画される。
【0030】
〔感熱記録材料〕
前記感熱記録材料は、支持体上に感熱記録層を少なくとも1層有し、更に適宜選択したその他の層を有する。
【0031】
−感熱記録層−
前記感熱記録層としては、前記支持体上に少なくとも1層有していれば、特に制限はなく、例えば、前記支持体に近い順に、第1感熱記録層、第2感熱記録層、第3感熱記録層、・・・・・、第n感熱記録層とすることができるが、前記nは3であることが好ましい。
【0032】
前記nが3である場合には、例えば、前記感熱記録材料は、前記支持体上に、第1感熱記録層、第2感熱記録層、及び第3感熱記録層をこの順に有すると共に、前記画像記録工程において、任意に選択した感熱記録層を画像記録させることにより、所望の画像記録を行うことができる。
【0033】
以下、図1を参照しながら更に説明する。図1に示すように、カラー感熱記録紙16は、支持体11上にシアン感熱記録層12、マゼンタ感熱記録層13及びイエロー感熱記録層14を有する。なお、シアン感熱記録層12、マゼンタ感熱記録層13及びイエロー感熱記録層14は任意の順に並べ替えることもできる。
前記画像記録工程においては、例えば、支持体11に最も近い層であるシアン感熱記録層12を画像記録させることなく、マゼンタ感熱記録層13及びイエロー感熱記録層14を画像記録させてることもできるし、イエロー感熱記録層14のみを画像記録させて、シアン感熱記録層12及びマゼンタ感熱記録層13は画像記録させない画像記録することもできる。
【0034】
−−発色成分−−
前記発色成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、発色成分Aと、該発色成分Aと反応して発色する発色成分Bとの2成分とすることが好ましく、この場合、前記感熱記録層はいわゆる2成分型感熱記録層となる。
前記発色成分の色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、実質的に無色であることが好ましく、また、前記発色成分は、マイクロカプセルに内包されることが好ましい。
【0035】
前記2成分型感熱記録層における前記発色成分の組み合わせとしては、例えば、下記(a)〜(r)のようなものが挙げられる。
(a)電子供与性染料前駆体と、電子受容性化合物との組み合わせ。
(b)光分解性ジアゾ化合物と、カプラーとの組み合わせ。
(c)ベヘン酸銀、ステアリン酸銀等の有機金属塩と、プロトカテキン酸、スピロインダン、ハイドロキノン等の還元剤との組み合わせ。
(d)ステアリン酸第二鉄、ミリスチン酸第二鉄等の長鎖脂肪族塩と、没食子酸、サリチル酸アンモニウム等のフェノール類との組み合わせ。
(e)酢酸、ステアリン酸、パルミチン酸等のニッケル、コバルト、鉛、銅、鉄、水銀、銀等との塩等の有機酸重金属塩と、硫化カルシウム、硫化ストロンチウム、硫化カリウム等のアルカリ土類金属硫化物との組み合わせ、または、前記有機酸重金属塩と、s−ジフェニルカルバジド、ジフェニルカルバゾン等の有機キレート剤との組み合わせ。
(f)硫化銀、硫化鉛、硫化水銀、硫化ナトリウム等の(重)金属硫酸塩と、Na−テトラチオネート、チオ硫酸ソーダ、チオ尿素等の硫黄化合物との組み合わせ。
(g)ステアリン酸第二鉄等の脂肪族第二鉄塩と、3,4−ジヒドロキシテトラフェニルメタン等の芳香族ポリヒドロキシ化合物との組み合わせ。
(h)シュウ酸銀、シュウ酸水銀等の有機貴金属塩と、ポリヒドロキシアルコール、グリセリン、グリコール等の有機ポリヒドロキシ化合物との組み合わせ。
(i)ペラルゴン酸第二鉄、ラウリン酸第二鉄等の脂肪族第二鉄塩と、チオセシルカルバミドやイソチオセシルカルバミド誘導体との組み合わせ。
(j)カプロン酸鉛、ペラルゴン酸鉛、ベヘン酸鉛等の有機酸鉛塩と、エチレンチオ尿素、N−ドデシルチオ尿素等のチオ尿素誘導体との組み合わせ。
(k)ステアリン酸第二鉄、ステアリン酸銅等の高級脂肪酸重金属塩と、ジアルキルジチオカルバミン酸亜鉛との組み合わせ。
(l)レゾルシンとニトロソ化合物との組み合わせのようなオキサジン染料を形成する物。
(m)ホルマザン化合物と還元剤および/または金属塩との組み合わせ。
(n)保護された色素(又はロイコ色素)プレカーサと脱保護剤との組み合わせ。
(o)酸化型発色剤と酸化剤との組み合わせ。
(p)フタロニトリル類とジイミノイソインドリン類との組み合わせ。(フタロシアニンが生成する組み合わせ。)
(q)イソシアナート類とジイミノイソインドリン類との組み合わせ(着色顔料が生成する組み合わせ)。
(r)顔料プレカーサと酸又は塩基との組み合わせ(顔料が形成する組み合わせ)。
【0036】
これらの中でも、(a)電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物との組み合わせ、(b)光分解性ジアゾ化合物とカプラーとの組み合わせ、が好ましい。
【0037】
前記感熱記録材料は、(拡散透過率/全光透過率)×100(%)から算出されるヘイズ値を下げるように前記感熱記録層を構成することにより、透明性に優れた画像を得ることができる。このヘイズ値は材料の透明性を表す指数で、一般には、ヘイズメーターを使用して全光透過量、拡散透過光量、平行透過光量から算出される。前記ヘイズ値を下げる方法としては、例えば、(1)感熱記録層に含まれる前記発色成分A及びBの両成分の50%体積平均粒径を1.0μm以下、好ましくは、0.6μm以下とし、かつバインダーを前記感熱記録層における全固形分の30〜60質量%の範囲で含有させる方法、(2)前記発色成分A及びBの一方をマイクロカプセル化し、他方を塗布乾燥後に実質的に連続層を構成するような、例えば、乳化物のようなものとして使用する方法、(3)前記感熱記録層に使用する前記発色成分及びその他の成分の屈折率を一定の値に近づける方法、などが挙げられる。
【0038】
次に、前記感熱記録層に好ましく使用される、前記組み合わせ(a)〜(c)について、以下に詳細に説明する。まず、(a)電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物との組み合わせについて説明する。本発明において好ましく使用される電子供与性染料前駆体は、実質的に無色のものであれば特に限定されるものではないが、エレクトロンを供与して、或いは、酸等のプロトンを受容して発色する性質を有するものであり、特に、ラクトン、ラクタム、サルトン、スピロピラン、エステル、アミド等の部分骨格を有しており、電子受容性化合物と接触した場合に、これらの部分骨格が開環若しくは開裂する無色の化合物であることが好ましい。
【0039】
−−−電子供与性染料前駆体−−−
前記電子供与性染料前駆体としては、例えば、トリフェニルメタンフタリド系化合物、フルオラン系化合物、フェノチアジン系化合物、インドリルフタリド系化合物、ロイコオーラミン系化合物、ローダミンラクタム系化合物、トリフェニルメタン系化合物、トリアゼン系化合物、スピロピラン系化合物、フルオレン系化合物、ピリジン系化合物、ピラジン系化合物、などが挙げられる。
【0040】
前記トリフェニルメタンフタリド系化合物としては、例えば、米国再発行特許明細書第23,024号、米国特許明細書第3,491,111号、同第3,491,112号、同第3,491,116号、同第3,509,174号等に記載された化合物、などが挙げられる。
【0041】
前記フルオラン系化合物としては、例えば、米国特許明細書第3,624,107号、同第3,627,787号、同第3,641,011号、同第3,462,828号、同第3,681,390号、同第3,920,510号、同第3,959,571号等に記載された化合物、などが挙げられる。
【0042】
前記スピロピラン系化合物としては、例えば、米国特許明細書第3,971,808号等に記載された化合物、などが挙げられ、具体的には、3−メチル−スピロ−ジナフトピラン、3−エチル−スピロ−ジナフトピラン3,3’−ジクロロ−スピロ−ジナフトピラン、3−ベンジルスピロ−ジナフトピラン、3−メチル−ナフト−(3−メトキシ−ベンゾ)スピロピラン、3−プロピル−スピロ−ジベンゾピラン等が挙げられる。
【0043】
前記ピリジン系及びピラジン系化合物としては、例えば、米国特許明細書第3,775,424号、同第3,853,869号、同第4,246,318号等に記載された化合物、などが挙げられる。
【0044】
前記フルオレン系化合物としては、例えば、特開昭63−094878号公報等に記載された化合物、などが挙げられ、具体的には、2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−シクロヘキシル−N−メチルアミノフルオラン、2−p−クロロアニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジオクチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−イソアミルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−ドデシルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メトキシ−6−ジブチルアミノフルオラン、2−o−クロロアニリノ−6−ジブチルアミノフルオラン、2−p−クロロアニリノ−3−エチル−6−N−エチル−N−イソアミルアミノフルオラン、2−o−クロロアニリノ−6−p−ブチルアニリノフルオラン、2−アニリノ−3−ペンタデシル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−エチル−6−ジブチルアミノフルオラン、2−o−トルイジノ−3−メチル−6−ジイソプロピルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−イソブチル−N−エチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6−N−エチル−N−イソアミルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−メチル−N−γ−エトキシプロピルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−γ−エトキシプロピルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−γ−プロポキシプロピルアミノフルオラン、などが挙げられる。
【0045】
−−−電子受容性化合物−−−
前記電子受容性化合物としては、例えば、フェノール誘導体、サリチル酸誘導体、芳香族カルボン酸の金属塩、酸性白土、ペントナイト、ノボラック樹脂、金属処理ノボラック樹脂、金属錯体、などの公知の電子受容性化合物が挙げられる。具体的には、特公昭40−9309号公報、特公昭45−14039号公報、特開昭52−140483号公報、特開昭48−51510号公報、特開昭57−210886号公報、特開昭58−87089号公報、特開昭59−11286号公報、特開昭60−176795号公報、特開昭61−95988号公報、などに記載されている。
【0046】
前記フェノール誘導体としては、例えば、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4−t−ブチルフェノール、4−フェニルフェノール、4−ヒドロキシジフェノキシド、1,1’−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1’−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルブタン、4,4’−sec−イソオクチリデンジフェノール、4,4’−sec−ブチリデンジフェノール、4−tert−オクチルフェノール、4−p−メチルフェニルフェノール、4,4’−メチルシクロヘキシリデンフェノール、4,4’−イソペンチリデンフェノール、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、などが挙げられる。
【0047】
前記サリチル酸誘導体としては、例えば、4−ペンタデシルサリチル酸、3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸、3,5−ジ(tert−オクチル)サリチル酸、5−オクタデシルサリチル酸、5−α−(p−α−メチルベンジルフェニル)エチルサリチル酸、3−α−メチルベンジル−5−tert−オクチルサリチル酸、5−テトラデシルサリチル酸、4−ヘキシルオキシサリチル酸、4−シクロヘキシルオキシサリチル酸、4−デシルオキシサリチル酸、4−ドデシルオキシサリチル酸、4−ペンタデシルオキシサリチル酸、4−オクタデシルオキシサリチル酸等、及びこれらの亜鉛、アルミニウム、カルシウム、銅、鉛塩、などが挙げられる。
【0048】
前記発色成分として、前記電子供与性染料前駆体と前記電子受容性化合物との組み合わせを使用する場合、前記電子供与性染料前駆体の前記感熱記録層中における含有量は、0.1〜5g/mが好ましく、0.1〜1g/mが更に好ましい。また、前記電子受容性化合物の前記感熱記録層中における含有量は、使用する前記電子供与性染料前駆体1質量部に対して、0.5〜20質量部が好ましく、3〜10質量部が更に好ましい。前記電子受容性化合物の前記含有量が、0.5質量部未満では、十分な発色濃度を得ることができず、20質量部を超えると、感度が低下し、塗布適性が劣化する場合があり好ましくない。
【0049】
−−−ジアゾ化合物−−−
前記ジアゾ化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、下記一般式(1)で表される化合物が好ましい。
前記ジアゾ化合物とは、後述するカップリング成分であるカプラーとカップリング反応して所望の色相に画像記録するものであり、反応前に特定波長域の光を受けると分解し、もはやカップリング成分が存在しても発色能力を持たなくなるジアゾ化合物である。この発色系における色相は、ジアゾ化合物とカプラーとが反応して生成するジアゾ色素により決定される。従って、ジアゾ化合物又はカプラーの化学構造を変えることにより、容易に前記画像記録層の色相を変えることができ、その組み合わせ次第で、任意の色相を得ることができる。
【0050】
Ar−N ・Y ・・・式(1)
前記式中、Arは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表し、Yは酸アニオンを表す。
【0051】
前記置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、カルボアミド基、スルホニル基、スルファモイル基、スルホンアミド基、ウレイド基、ハロゲン基、アミノ基、ヘテロ環基、などが挙げられ、これらの置換基は、更に置換されていてもよい。
【0052】
前記芳香族炭化水素基としては、例えば、炭素原子数6〜30のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、2−メチルフェニル基、2−クロロフェニル基、2−メトキシフェニル基、2−ブトキシフェニル基、2−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル基、2−オクチルオキシフェニル基、3−(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシエトキシ)フェニル基、4−クロロフェニル基、2,5−ジクロロフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3−クロロフェニル基、3−メチルフェニル基、3−メトキシフェニル基、3−ブトキシフェニル基、3−シアノフェニル基、3−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3−(ジブチルアミノカルボニルメトキシ)フェニル基、4−シアノフェニル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−ブトキシフェニル基、4−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル基、4−ベンジルフェニル基、4−アミノスルホニルフェニル基、4−N,N−ジブチルアミノスルホニルフェニル基、4−エトキシカルボニルフェニル基、4−(2−エチルヘキシルカルボニル)フェニル基、4−フルオロフェニル基、3−アセチルフェニル基、2−アセチルアミノフェニル基、4−(4−クロロフェニルチオ)フェニル基、4−(4−メチルフェニル)チオ−2,5−ブトキシフェニル基、4−(N−ベンジル−N−メチルアミノ)−2−ドデシルオキシカルボニルフェニル基、などが挙げられる。また、これらの基は、更にアルキルオキシ基、アルキルチオ基、置換フェニル基、シアノ基、置換アミノ基、ハロゲン原子、ヘテロ環基、などにより置換されていてもよい。
【0053】
また、前記ジアゾ化合物としては、特開平07−276808号公報の第44段落欄〜第49段落欄に例示されるジアゾ化合物も好適に挙げられる。
【0054】
前記ジアゾ化合物の最大吸収波長λmaxは、450nm以下が好ましく、290〜440nmが更に好ましい。
また、前記ジアゾ化合物は、炭素数が12以上で、水に対する溶解度が1%以下で、かつ酢酸エチルに対する溶解度が5%以上であることも好ましい。なお、前記ジアゾ化合物は、1種単独で使用してもよいし、更に色相調整等の観点から、2種以上を併用してもよい。
【0055】
−−−カプラー化合物−−−
前記カプラー化合物は、前記ジアゾ化合物とカップリング反応をして、色素を形成することができる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カルボニル基の隣にメチレン基を有するいわゆる活性メチレン化合物、フェノール誘導体、ナフトール誘導体、などのカプラーが好適に挙げられ、具体的には、レゾルシン、フロログルシン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン−6−スルホン酸ナトリウム、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸モルホリノプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸ナトリウム、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸アニリド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸モルホリノプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸−2−エチルヘキシルオキシプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸−2−エチルヘキシルアミド、5−アセトアミド−1−ナフトール、1−ヒドロキシ−8−アセトアミドナフタレン−3,6−ジスルホン酸ナトリウム、1−ヒドロキシ−8−アセトアミドナフタレン−3,6−ジスルホン酸ジアニリド、1,5−ジヒドロキシナフタレン、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸モルホリノプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸オクチルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸アニリド、5,5−ジメチル−1,3−シクロヘキサンジオン、1,3−シクロペンタンジオン、5−(2−n−テトラデシルオキシフェニル)−1,3−シクロヘキサンジオン、5−フェニル−4−メトキシカルボニル−1,3−シクロヘキサンジオン、5−(2,5−ジ−n−オクチルオキシフェニル)−1,3−シクロヘキサンジオン、N,N’−ジシクロヘキシルバルビツール酸、N,N’−ジ−n−ドデシルバルビツール酸、N−n−オクチル−N’−n−オクタデシルバルビツール酸、N−フェニル−N’−(2,5−ジ−n−オクチルオキシフェニル)バルビツール酸、N,N’−ビス(オクタデシルオキシカルボニルメチル)バルビツール酸、1−フェニル−3−メチル−5−ピラゾロン、1−(2,4,6−トリクロロフェニル)−3−アニリノ−5−ピラゾロン、1−(2,4,6−トリクロロフェニル)−3−ベンズアミド−5−ピラゾロン、6−ヒドロキシ−4−メチル−3−シアノ−1−(2−エチルヘキシル)−2−ピリドン、2,4−ビス−(ベンゾイルアセトアミド)トルエン、1,3−ビス−(ピバロイルアセトアミドメチル)ベンゼン、ベンゾイルアセトニトリル、テノイルアセトニトリル、アセトアセトアニリド、ベンゾイルアセトアニリド、ピバロイルアセトアニリド、2−クロロ−5−(N−n−ブチルスルファモイル)−1−ピバロイルアセトアミドベンゼン、1−(2−エチルヘキシルオキシプロピル)−3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−1,2−ジヒドロピリジン−2−オン、1−(ドデシルオキシプロピル)−3−アセチル−4−メチル−6−ヒドロキシ−1,2−ジヒドロピリジン−2−オン、1−(4−n−オクチルオキシフェニル)−3−tert−ブチル−5−アミノピラゾール、などが挙げられる。
【0056】
前記カプラー化合物の詳細については、特開平4−201483号公報、特開平7−223367号公報、特開平7−223368号公報、特開平7−323660号公報、特開平5−278608号公報、特開平5−297024号公報、特開平6−18669号公報、特開平6−18670号公報、特開平7−316280号公報、特開平9−216468号公報、特開平9−216469号公報、特開平9−319025号公報、特開平10−035113号公報、特開平10−193801号公報、特開平10−264532号公報等に記載されたものも参照できる。
【0057】
前記発色成分として前記ジアゾ化合物と前記カプラー化合物との組み合わせを使用する場合、前記ジアゾ化合物の前記感熱記録層中における含有量は、0.02〜5.0g/mが好ましく、0.05〜3.0g/mが更に好ましい。また、前記カプラー化合物の前記感熱記録層中における含有量は、使用する前記ジアゾ化合物1質量部に対して、0.5〜20質量部が好ましく、3〜10質量部が更に好ましい。前記カプラー化合物の前記含有量が、0.5質量部未満では、十分な発色性を得ることができず、20質量部を超えると、塗布適性が劣化する場合があり好ましくない。
【0058】
前記カプラー化合物(所望により添加されるその他の成分とともに)の使用方法としては、例えば、水溶性高分子を添加して、サンドミル等により固体分散して使用することもでき、又は適当な乳化助剤とともに乳化し、乳化物として使用することもできる。前記固体分散又は乳化の方法としては、特に限定はなく、公知の方法を使用することができ、例えば、特開昭59−190886号公報、特開平2−141279号公報、特開平7−17145号公報に記載の方法などが挙げられる。
【0059】
−−その他の成分−−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機塩基、発色助剤、バインダー、消泡剤、螢光染料、着色染料、無機顔料、ワックス類、高級脂肪酸アミド、金属石ケン、紫外線吸収剤、酸化防止剤、ラテックス系バインダー、添加剤、などが挙げられる。
【0060】
−−−有機塩基−−−
前記有機塩基は、前記ジアゾ化合物と前記カプラー化合物とのカップリング反応において、該カップリング反応を促進する目的で添加されるものであり、例えば、第3級アミン類、ピペリジン類、ピペラジン類、アミジン類、フォルムアミジン類、ピリジン類、グアニジン類、モルホリン類、などが挙げられる。
【0061】
前記ピペリジン類としては、例えば、N−(3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル)ピペリジン、N−ドデシルピペリジン、などが挙げられる。
【0062】
前記ピペラジン類としては、例えば、N,N’−ビス(3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル)ピペラジン、N,N’−ビス〔3−(p−メチルフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル〕ピペラジン、N,N’−ビス〔3−(p−メトキシフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル〕ピペラジン、N,N’−ビス(3−フェニルチオ−2−ヒドロキシプロピル)ピペラジン、N,N’−ビス〔3−(β−ナフトキシ)−2−ヒドロキシプロピル〕ピペラジン、N−3−(β−ナフトキシ)−2−ヒドロキシプロピル−N’−メチルピペラジン、1,4−ビス{〔3−(N−メチルピペラジノ)−2−ヒドロキシ〕プロピルオキシ}ベンゼン、などが挙げられる。
【0063】
前記グアニジン類としては、例えば、トリフェニルグアニジン、トリシクロヘキシルグアニジン、ジシクロヘキシルフェニルグアニジン、などが挙げられる。
【0064】
前記モルホリン類としては、例えば、N−〔3−(β−ナフトキシ)−2−ヒドロキシ〕プロピルモルホリン、1,4−ビス〔(3−モルホリノ−2−ヒドロキシ)プロピルオキシ〕ベンゼン、1,3−ビス〔(3−モルホリノ−2−ヒドロキシ)プロピルオキシ〕ベンゼン、などが挙げられる。前記有機塩基は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用して使用してもよい。
【0065】
前記有機塩基は、特開昭58−031385号公報、特開昭61−209876号公報、特開平9−071048号公報、特開平9−077729号公報、特開平9−077737号公報等にも記載されている。
【0066】
前記有機塩基の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記ジアゾ化合物1モルに対して、1〜30モルが好ましい。
【0067】
−−−発色助剤−−−
前記発色助剤は、前記画像記録の反応を促進させる目的で添加されるものであり、例えば、フェノール誘導体、ナフトール誘導体、アルコキシ置換ベンゼン類、アルコキシ置換ナフタレン類、ヒドロキシ化合物、カルボン酸アミド化合物、スルホンアミド化合物、などが挙げられる。
【0068】
−−−バインダー−−−
前記バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリアクリル酸、デンプン誘導体カゼイン、ゼラチン、などが挙げられる。
また、前記バインダーには耐水性を付与する目的で耐水化剤(ゲル化剤、架橋剤)を添加させることもできる。前記耐水化剤としては、スチレン−ブタジエンゴムラテツクス、アクリル樹脂エマルジョン等の疎水性ポリマーのエマルジョン、などが挙げられる。
前記バインダーの前記感熱記録層中の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、乾燥質量で10〜30質量%が好ましい。
【0069】
−−−添加剤−−−
前記添加剤としては、例えば、特開昭60−125470号公報、特開昭60−125471号公報、特開昭60−125472号公報、特開昭60−287485号公報、特開昭60−287486号公報、特開昭60−287487号公報、特開昭62−146680号公報、特開昭60−287488号公報、特開昭62−282885号公報、特開昭63−89877号公報、特開昭63−88380号公報、特開昭63−088381号公報、特開平01−239282号公報、特開平04−291685号公報、特開平04−291684号公報、特開平05−188687号公報、特開平05−188686号公報、特開平05−110490号公報、特開平05−1108437号公報、特開平05−170361号公報、特開昭63−203372号公報、特開昭63−224989号公報、特開昭63−267594号公報、特開昭63−182484号公報、特開昭60−107384号公報、特開昭60−107383号公報、特開昭61−160287号公報、特開昭61−185483号公報、特開昭61−211079号公報、特開昭63−251282号公報、特開昭63−051174号公報、特公昭48−043294号公報、特公昭48−033212号公報等に記載の化合物、などが挙げられる。
【0070】
−−マイクロカプセル−−
前記感熱記録層が、熱の供与及び/又は圧力により画像記録するためには、前記発色成分の発色反応に熱応答性及び/又は圧力応答性を付与するのが好ましい。例えば、前記発色成分の一方を熱応答性のマクロカプセルに内包することにより、前記発色反応を熱応答性にすることができる。
【0071】
前記発色成分をマイクロカプセル化する方法としては、特に制限はなく、従来公知の中から適宜選択した方法によりカプセル化することができ、例えば、米国特許第2800457号明細書、同28000458号明細書に記載の親水性壁形成材料のコアセルベーションを利用した方法、米国特許第3287154号明細書、英国特許第990443号明細書、特公昭38−19574号公報、同42−446号公報、同42−771号公報等に記載の界面重合法、米国特許第3418250号明細書、同3660304号明細書に記載のポリマー析出による方法、米国特許第3796669号明細書に記載のイソシアネートポリオール壁材料を用いる方法、米国特許第3914511号明細書に記載のイソシアネート壁材料を用いる方法、米国特許第4001140号明細書、同4087376号明細書、同4089802号明細書に記載の尿素−ホルムアルデヒド系、尿素ホルムアルデヒド−レゾルシノール系壁形成材料を用いる方法、米国特許第4025455号明細書に記載のメラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ヒドロキシブロビルセルロース等の壁形成材料を用いる方法、特公昭36−9168号公報、特開昭51−9079号公報に記載のモノマーの重合によるin situ法、英国特許第952807号明細書、同965074号明細書に記載の電解分散冷却法、米国特許第3111407号明細書、英国特許第930422号明細書に記載のスプレードライング法、などが挙げられる。
【0072】
前記発色成分をマイクロカプセル化する方法としては、一方の発色成分(上記(a)の組み合わせでは前記電子供与性染料前駆体、上記(b)の組み合わせでは前記ジアゾ化合物)をカプセルの芯となる疎水性の有機溶媒に溶解又は分散させて調製した油相を、水溶性高分子を溶解した水相と混合し、ホモジナイザー等の手段により乳化分散した後、加温することにより、その油滴界面で高分子形成反応を起こし、高分子物質のマイクロカプセル壁を形成させる界面重合法を採用することが好ましい。この方法によれば、短時間内に均一な粒径のカプセルを形成することができ、生保存性にすぐれた感熱記録材料とすることができる。
【0073】
前記高分子物質を形成するリアクタントは、油滴内部及び油滴外部の少なくともいずれかに添加される。
前記高分子物質としては、例えば、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン、スチレンメタクリレート共重合体、スチレン−アクリレート共重合体、などが挙げられ、これらの中でも、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネートが好ましく、ポリウレタン、ポリウレアが更に好ましい。また、前記高分子物質は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0074】
前記水溶性高分子としては、例えば、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、などが挙げられる。例えば、前記ポリウレタンをカプセル壁材として用いる場合には、多価イソシアネート及びこれと反応してカプセル壁を形成する第2物質(例えば、ポリオール、ポリアミン)を前記水溶性高分子の水溶液(水相)及びカプセル化すべき油性媒体(前記油相)中に混合し、これらを乳化分散した後、加熱することにより前記油滴界面で高分子形成反応が生じ、マイクロカプセル壁を形成することができる。尚、マイクロカプセルの粒径は、0.1〜1.0μmが好ましく、0.2〜0.7μmが更に好ましい。
【0075】
前記発色反応に熱応答性を付与する他の方法としては、前記発色成分の一方(例えば、(a)の組み合わせでは前記受容性化合物、(b)の組み合わせでは前記カプラー化合物、以下「顕色剤」という場合がある)に、低融点の熱可融性物質を混合し、共融物として感熱記録層中に添加する方法、低融点化合物が前記顕色剤粒子の表面に融着している状態として前記感熱記録層に添加する方法、などが挙げられる。
前記低融点化合物としては、例えば、パラフインワックス、カルナバワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス等のワックス類;ステアリン酸アミド、エチレンビスステアロアミド等の高級脂肪酸アミド;高級脂肪酸エステル、などが挙げられる。
【0076】
前記感熱記録層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記発色成分等を溶解及び/又は分散してなる塗布液を、塗布し、乾燥することにより形成する方法などが挙げられる。
前記塗布液の塗布方法としては、例えば、ブレード塗布法、エアナイフ塗布法、グラビア塗布法、ロールコーテイング塗布法、スプレー塗布法、ディップ塗布法、バー塗布法、エクストルージョン塗布法、スピン塗布法、などが挙げられる。
なお、前記塗布液の塗布量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、乾燥質量で3〜15g/mが好ましく、4〜10g/mが更に好ましい。
【0077】
−支持体−
前記支持体としては、特に制限はなく、例えば、原紙、合成紙、合成樹脂シート、コート紙、ラミネート紙、等が挙げられるが、これらの中でもラミネート紙が好ましい。
【0078】
前記ラミネート紙は、前記原紙等のシートに、各種の樹脂、ゴム又は高分子シート又はフィルム等をラミネートした紙である。前記ラミネートの材料としては、例えば、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリイミド、トリアセチルセルロース等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0079】
前記ポリオレフィンは、一般に低密度ポリエチレンを用いて形成することが多いが、支持体の耐熱性を向上させるために、ポリプロピレン、ポリプロピレンとポリエチレンとのブレンド、高密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとのブレンド等を用いるのが好ましい。特に、コストや、ラミネート適性等の点から、高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとのブレンドを用いるのが最も好ましい。
【0080】
前記高密度ポリエチレンと、前記低密度ポリエチレンとのブレンドは、例えば、ブレンド比率(質量比)1/9〜9/1で用いられる。該ブレンド比率としては、2/8〜8/2が好ましく、3/7〜7/3がより好ましい。該支持体の両面に熱可塑性樹脂層を形成する場合、支持体の裏面は、例えば、高密度ポリエチレン、或いは高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとのブレンドを用いて形成されるのが好ましい。ポリエチレンの分子量としては、特に制限はないが、メルトインデックスが、高密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンのいずれについても、1.0〜40g/10分の間のものであって、押出し適性を有するものが好ましい。
尚、これらのシート又はフィルムには、白色反射性を与える処理を行ってもよい。このような処理方法としては、例えば、これらのシート又はフィルム中に酸化チタンなどの顔料を配合する方法が挙げられる。
【0081】
前記原紙(合成紙を含む)の原料としては、支持体に使用されるものとして公知の原紙に使用されるものを特に制限なく、各種の材料から選ぶことができる。
例えば、針葉樹、広葉樹から選ばれる天然パルプ、ポリエチレン、ポリプロピレン等のプラスチック材料製の合成パルプ、或いは天然パルプと合成パルプの混合物等が挙げられる。
【0082】
前記原紙の原料として使用できるパルプとしては、原紙の表面平滑性、剛性及び寸法安定性(カール性)を同時にバランス良く、かつ十分なレベルにまで向上させる点から、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)が望ましいが、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹サルファイトパルプ(LBSP)等を使用することもできる。
パルプ繊維は、繊維長のもともと短い広葉樹パルプを主体に使用することが適当である。
パルプの叩解には、ビータやリファイナー等を使用できる。パルプを叩解した後に得られるパルプスラリー(以下、「パルプ紙料」と称することがある)には、必要に応じて、各種添加材、例えば、填料や、乾燥紙力増強剤、サイズ剤、湿潤紙力増強剤、定着剤、pH調整剤、その他の薬剤などが添加される。
【0083】
前記填料としては、例えば、炭酸カルシウム、クレー、カオリン、白土、タルク、酸化チタン、珪藻土、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、等が挙げられる。
前記乾燥紙力増強剤としては、例えば、カチオン化澱粉、カチオン化ポリアクリルアミド、アニオン化ポリアクリルアミド、両性ポリアクリルアミド、カルボキシ変性ポリビニルアルコール等が挙げられる。
前記サイズ剤としては、例えば、脂肪酸塩、ロジン、マレイン化ロジン等のロジン誘導体、パラフィンワックス等や、更には、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水琥珀酸(ASA)、エポキシ化脂肪酸アミド等の高級脂肪酸を含有する化合物等が挙げられる。
【0084】
前記湿潤紙力増強剤としては、例えば、ポリアミンポリアミドエピクロロヒドリン、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ化ポリアミド樹脂等が挙げられる。
前記定着剤としては、例えば、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム等の多価金属塩、カチオン化澱粉等のカチオン性ポリマー等が挙げられる。
前記pH調整剤としては、例えば、苛性ソーダや、炭酸ソーダ等が挙げられる。その他の薬剤としては、例えば、消泡剤、染料、スライムコントロール剤、蛍光増白剤等が挙げられる。
また、必要に応じて、柔軟化剤等を添加することもできる。柔軟化剤については、例えば、新・紙加工便覧(紙薬タイム社編)554〜555頁(1980年発行)に記載がある。
【0085】
表面サイズ処理に使用される処理液には、例えば、水溶性高分子、サイズ剤、耐水性物質、顔料、pH調整剤、染料、蛍光増白剤などが含まれていてもよい。水溶性高分子としては、例えば、カチオン化澱粉、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースサルフェート、ゼラチン、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム、スチレン−無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0086】
前記耐水性物質としては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、塩化ビニリデン共重合体等のラテックス・エマルジョン類、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン等が挙げられる。前記顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、クレー、カオリン、タルク、硫酸バリウム、酸化チタン等が挙げられる。
原紙の材料の例としては、上記した天然パルプ紙の他に、合成パルプ紙、天然パルプと合成パルプの混抄紙、更には、各種の抄き合わせ紙を上げることができる。
【0087】
−その他の層−
前記その他の層としては、例えば、保護層、反射層、下塗り層、などが挙げられる。
【0088】
前記保護層としては、例えば、2次転移温度が60℃以上であり、かつ融点が250℃以下であるポリマーを含むことが好ましい。
前記保護層を形成する位置としては、例えば、図1に示すように、最表面に保護層15を形成することが好ましい。
【0089】
〔加熱〕
前記加熱の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、サーマルヘッドによる加熱方法、などが挙げられる。
前記サーマルヘッドとしては、図2に示すように、例えば、サーマルヘッド102に多数の発熱素子を前記感熱記録材料の搬送方向と直行する方向にライン状に配列した発熱素子アレイを備えている。例えば、前記感熱記録層を図1に示すように積層する場合には、イエロー感熱記録層15が最も低い熱エネルギーで画像記録し、シアン感熱記録層12が最も高い熱エネルギーで画像記録するよう前記マイクロカプセルを調製するため、サーマルヘッド102では、前記発熱素子アレイからイエロー感熱記録層15に対応した低い熱エネルギーを供給することによりイエロー感熱記録層を画像記録させることができる。
【0090】
ここで本発明の感熱記録方法の一例について、図1〜図3を参照しながら説明する。図3に示すように、加熱加圧手段1は、ベルト2と、加熱ローラ3と、加圧ローラ4と、テンションローラ5と、クリーニングローラ6と、搬送ローラ8とを備えている。前記ベルト2の内側には、ベルト2と一対のテンションローラ5とが配置されている。前記ベルト2は、加熱ローラ3と、加熱ローラ3と離れた位置に配された一対のテンションローラ5とにより、回転可能に張設されている。前記加圧ローラ4は、ベルト2と当接して加熱ローラ3と対向して配置されている。加圧ローラ4とベルト2との間は、加圧ローラ4と加熱ローラ3とにより加圧されており、ニップ部が形成されている。カラー感熱記録紙16は、保護層15とベルト2とが接するようにして搬送され、加熱ローラ3によりベルト2を介して加熱され、加圧ローラ4により加圧される。これによりカラー感熱記録紙16が平滑化され、支持体11とシアン感熱記録層12との界面も平滑化される。以上が前記加熱加圧工程である。
図2に示すように、カラー感熱記録紙16は、イエロー記録ユニット100に搬送され、サーマルヘッド102により加熱されることにより、イエロー感熱記録層14が発色される。次に、カラー感熱記録紙16は、Y層定着ランプまで搬送され、Y層定着工程としてY層定着ランプで定着させる。該Y層定着工程では、マゼンタ感熱記録層13の記録中に、イエロー感熱記録層14内に残っていた未発色成分が画像記録しないようにするため、イエロー画像のプリント後に420nmの近紫外線を照射してイエロー感熱記録層14を定着する。次に、カラー感熱記録紙16は、マゼンタ記録ユニット107に搬送され、マゼンタ記録ユニット107においてサーマルヘッドにより加熱されることによりマゼンタ感熱記録層13が画像記録される。次に、カラー感熱記録紙16は、M層定着ランプに搬送され、M層定着工程としてM層定着ランプで定着させる。該M層定着工程では、マゼンタ感熱記録層13の記録後に、365nmの紫外線を照射してマゼンタ感熱記録層13を定着している。次に、カラー感熱記録紙16は、シアン記録ユニット108に搬送され、サーマルヘッドにより加熱されることにより、支持体11に最も近い層であるシアン感熱記録層12が画像記録される。以上が前記画像記録工程である。このように、画像記録を行うことにより、画像記録面の濃度ムラが抑制され、高い光沢度で、高画質な画像が印画される。
【0091】
<その他の工程>
前記その他の工程としては、例えば、定着工程、などが挙げられるが、該定着工程は上述した通りである。
【0092】
本発明の感熱記録方法によれば、前記感熱記録材料の画像記録後における画像記録面の濃度ムラを抑制し、高い光沢度で、高画質なフルカラー画像の画像記録を行うことができる。
【0093】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
なお、以下の実施例及び比較例において、「%」及び「部」は、それぞれ「質量%」及び「質量部」を表す。
【0094】
(実施例1)
<感熱記録材料の製造>
−支持体の作製−
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)をディスクリファイナーで300cc(カナダ標準ろ水度、C.S.F.)まで叩解し、繊維長0.58mmに調整した。このパルプ紙料に対して、パルプの質量に基づいて、以下の割合で添加剤を添加した。
添加剤の種類 量(%)
カチオンポリアクリルアミド 0.5
硫酸アルミニウム 1.0
アルキルケテンダイマー(AKD) 0.5
アニオンポリアクリルアミド 1.0
エポキシ化脂肪酸アミド(EFA) 0.5
ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン 0.1
注)AKDは、アルキルケテンダイマー(アルキル部分は、ベヘン酸を主体とする脂肪酸に由来する)を意味し、EFAは、エポキシ化脂肪酸アミド(脂肪酸部分は、ベヘン酸を主体とする脂肪酸に由来する)を意味する。
【0095】
得られたパルプ紙料を、長網抄紙機により坪量114g/mの原紙を作製した。なお、長網抄紙機の乾燥ゾーンの中間でサイズプレス装置により、PVA 1.0g/m、CaCl 0.8g/mを付着した。
抄紙工程の最後で、ソフトカレンダーを用いて、密度を1.01g/cmに調整した。得られた原紙において、トナー受像層が設けられる側において、金属ロールが接するように通紙し、金属ロールの表面温度は140℃であった。得られた原紙の王研式平滑度は、265秒であり、ステキヒト・サイズ度は、127秒であった。
【0096】
得られた原紙の両面にコロナ放電を行った後、溶融押し出し機を用いてポリエチレン樹脂が22g/mとなるようにコーティングした(この面を裏面とする)。次に、前記ポリエチレン樹脂層を形成した面とは反対の面(この面を表面とする)に対して溶融押し出し機を用いて、アナターゼ型二酸化チタンを10質量%と群青を微量含有したポリエチレン樹脂が、35g/mとなるようにコーティングした。前記ポリエチレン樹脂層を形成した裏面には、コロナ放電を行った後、帯電防止剤として、酸化アルミニウム(アルミナゾル100、日産化学工業社製)/二酸化ケイ素(スノーテックス0、日産化学工業社製)=1/2(質量比)を水に分散させた溶液を、乾燥後に0.2g/mとなるように塗布して支持体Aを作製した。
【0097】
〔下塗り層用塗布液の調製〕
(1)アセトアセチル変性PVA溶液の調製アセトアセチル変性PVA(ゴーセファイマーZ−210、日本合成化学工業製、ケン化度:95〜97%、重合度:1000)を12.85部、水87.15部を加え90℃以上で攪拌溶解した。(2)雲母分散液の調製水膨潤性合成雲母分散液(ソマシフMEB−3(8%溶液)、コープケミカル社製、アスペクト比:1000、平均粒子径:2.0μmの雲母分散液)に雲母濃度が5質量%となるように水を加え均一に混合し雲母分散液を得た。(3)エチレンオキサイド系界面活性剤3.10部(メタノール溶解)を加え、更に水酸化ナトリウム0.45部を加えて下塗り層用塗布液(6.87質量%)を得た。
【0098】
得られた下塗り層用塗布液を40℃にて保温し、前記作製した支持体の前記表面のポリエチレン樹脂層に斜線グラビアロール100メッシュにて塗布して乾燥し、前記支持体上に下塗り層を形成した。この場合の乾燥前の塗布量は12.5g/mであった。
【0099】
〔記録層用塗布液Aの調製〕
−電子供与性染料前駆体カプセル液の調製−
前記電子供与性染料前駆体として、クリスタルバイオレットラクトン3.0部を酢酸エチル20部に溶解し、さらに高沸点溶媒であるアルキルナフタレンを20部添加し、加熱して均一に混合した。前記マイクロカプセルの壁材として、キシリレンジイソシアナート/トリメチロールプロパン付加物20部をこの溶液にさらに添加し、均一に攪拌し、電子供与性染料前駆体溶液を得た。別途、ゼラチンの6%水溶液54部を用意し、前記電子供与性染料前駆体溶液を添加し、ホモジナイザーにて乳化分散した。得られた乳化液に水68部を加え均一化した後、攪拌しながら50℃に昇温し3時間カプセル化反応を行わせ目的の電子供与性染料前駆体カプセル液を得た。カプセルの平均粒子径は1.6μmであった。
【0100】
−電子受容性化合物分散液の調製−
電子受容性化合物として、ビスフェノールA30部をゼラチン4%水溶液150部中に加えてボールミルにて24時間分散して、電子受容性化合物分散液を調製した。分散液中の電子受容性化合物の平均粒子径は1.2μmであった。
【0101】
−塗液の調製−
次に、前記電子供与性染料前駆体カプセル液及び前記電子受容性化合物分散液を、電子供与性染料前駆体/電子受容性化合物の比率がl/2となるように混合し、目的の感熱記録層用塗布液Aを調製した。
【0102】
〔記録層用塗布液Bの調製〕
−ジアゾニウム塩化合物カプセル液bの調製−
前記ジアゾニウム塩化合物として、4−(N−(2−(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ)ブチリル)ピペラジノベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロフォスフェート2.0部を、酢酸エチル20部に溶解し、更に高佛点溶媒であるアルキルナフタレンを20部添加し、加熱して均一に混合した。前記マイクロカプセルの壁材として、キシリレンジイソシアナート/トリメチロールプロパン付加物15部をこの溶液に更に添加し、均一に攪拌して、ジアゾニウム塩化合物溶液を得た。別途、ゼラチンの6%水溶液54部を用意し、前記ジアゾニウム塩化合物溶液を添加し、ホモジナイザーにて乳化分散した。得られた乳化液に水68部を加え均一化した後、攪拌しながら40℃に昇温し、3時間カプセル化反応を行わせ目的のジアゾニウム塩化合物カプセル液bを得た。カプセルの平均粒径は1.1μmであった。
【0103】
−カプラー乳化液bの調製−
前記カプラーとして1−(2’−オクチルフェニル)−3−メチル−5−ピラゾロンを2部、1,2,3−トリフェニルグアニジン2部、1,1−(p−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン2部、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール4部、2−エチルヘキシル−4−ヒドロキシベンゾエート4部、トリクレジルホスフェート0.3部、マレイン酸ジエチル0.1部、70%ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムメタノール溶液1部を酢酸エチル10部中に溶解し、この溶液を8%ゼラチン水溶液80部に添加しホモジナイザーで10分間乳化した後、酢酸エチルを除去して目的のカプラー乳化液bを得た。
【0104】
−塗液の調製−
次に、前記ジアゾニウム塩化合物カプセル液b及び前記カプラー乳化液bをジアゾニウム塩化合物、カプラーの比率が2/3となるように混合し、目的の感熱記録層用塗布液Bを調製した。
【0105】
〔記録層用塗布液Cの調製〕
−ジアゾニウム塩化合物カプセル液cの調製−
前記ジアゾニウム塩化合物として、2,5−ジブトキシ−4−トリルチオベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロフォスフェート3.0部を酢酸エチル20部に溶解し、更に高沸点溶媒であるアルキルナフタレンを20部添加し、加熱して均一に混合した。前記マイクロカプセルの壁材として、キシリレンジイソシアナート/トリメチロールプロパン付加物15部をこの溶液に更に添加し、均一に攪拌して、ジアゾニウム塩化合物溶液得た。別途、ゼラチンの6%水溶液54部を用意し、前記ジアゾニウム塩化合物溶液を添加し、ホモジナイザーにて乳化分散した。得られた乳化液に水68部を加え均一化した後、攪拌しながら40℃に昇温し、3時間カプセル化反応を行わせ目的のジアゾニウム塩化合物カプセル液cを得た。カプセルの平均粒径は1.0μmであった。
【0106】
−カプラー乳化液cの調製−
前記カプラーとして、2−クロロ−5−(3−(2,4−ジ−tert−ペンチル)フェノキシプロピルアミノ)アセトアセトアニリド2部、1,2,3−トリフェニルグアニジン2部、1,l−(p−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン2部、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール4部、2−エチルヘキシル−4−ヒドロキシベンゾエート4部、トリクレジルホスフェート0.3部、マレイン酸ジエチル0.1部、70%ドテシルベンゼンスルホン酸カルシウムメタノール溶液1部を酢酸エチル10部中に溶解し、この溶液を8%ゼラチン水溶液80部に添加しホモジナイザーで10分間乳化した後、酢酸エチルを除去して目的のカプラー乳化液cを得た。
【0107】
−塗液の調製−
次に、前記ジアゾニウム塩化合物カプセル液c及び前記カプラー乳化液cをジアゾニウム塩化合物/カプラーの比率が4/5となるように混合し、目的の記録層用塗布液Cを調製した。
【0108】
〔光透過率調整層用塗布液の調製〕
−紫外線吸収剤前駆体カプセル液の調製−
酢酸エチル30部に、前記紫外線吸収剤の前駆体として、〔2−アリル−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−t−オクチルフェニル〕ベンゼンスルホナート10部、2,5−ジ−t−オクチル−ハイドロキノン3部、トリクレジルフォスフェート2部、α−メチルスチレンダイマー4部を溶解した。前記マイクロカプセルの壁材として、キシリレンジイソシアナート/トリメチロールプロパン付加物20部をこの溶液にさらに添加し、均一に攪拌し、紫外線吸収剤前駆体溶液を得た。別途、イタコン酸変性ポリビニルアルコール8%水溶液200部を用意し、前記紫外線吸収剤前駆体溶液を添加し、ホモジナイザーにて乳化分散した。得られた乳化液に水120部を加え均一化した後、攪拌しながら、40℃に昇温し、3時間カプセル化反応を行わせ目的の紫外線吸収剤前駆体カプセル液を得た。カプセルの平均粒子径は0.3μmであった。
【0109】
−塗液の調製−
前記紫外線吸収剤前駆体カプセル液100部に、2%〔4−ノニルフェノキシトリオキシエチレン〕ブチルスルホン酸ナトリウム水溶液10部を添加し、光透過率調整層用塗布液を得た。
【0110】
〔中間層用塗布液の調製〕
10%ゼラチン水溶液100部に、2%(4−ノニルフェノキシトリオキシエチレン)ブチルスルホン酸ナトリウム2部を添加し中間層用塗布液を調製した。
【0111】
〔保護層用塗布液の調製〕
5.0%エチレン変性ポリビニルアルコール水溶液61部に、20.5%ステアリン酸亜鉛分散液(ハイドリンF115、中京油脂社製)を2.0部添加し、2%(4−ノニルフェノキシトリオキシエチレン)ブチルスルホン酸ナトリウム水溶液8.4部、フッ素系離型剤(ME−313、ダイキン社製)8.0部、小麦粉澱粉0.5部を添加し均一に攪拌し、PVA液を調製した。別途、20%カオグロス(白石工業社製)水溶液12.5部、10%ポリビニルアルコール(PVA105、クラレ(株)社製)1.25部、2%ドデシルスルホン酸ナトリウム水溶液0.39部を混合し、ダイノミルにて分散し顔料液を調製した。前記PVA液80部に、前記顔料液4.4部を添加して保護層用塗布液を得た。
【0112】
〔記録層の形成〕
前記支持体上に形成した下塗り層上に、下層から感熱記録層A、中間層、感熱記録層B、中間層、感熱記録層C、光透過率調整層、保護層の順に、60m/minの塗布速度で7層同時に連続塗布し、30℃−30%及び40℃−30%の条件でそれぞれ乾燥してカラー感熱記録材料を得た。固形分塗布量は、前記支持体から近い順に、前記感熱記録層Aが6.0g/m、前記中間層が3.0g/m、前記感熱記録層Bが6.0g/m、前記中間層が3.0g/m、前記感熱記録層Cが5.0g/m、前記光透過率調整層が3.0g/m、前記保護層が1.5g/mとなるように塗布して感熱記録材料を製造した。
【0113】
<加熱加圧処理>
製造した感熱記録材料を、図3に示すベルト及びローラにより加熱加圧処理を行った。図3に示した加熱加圧手段1は、ベルト2と、加熱ローラ3と、加圧ローラ4と、テンションローラ5と、クリーニングローラ6と、搬送ローラ8とを備えている。前記ベルト2の内側には、ベルト2と一対のテンションローラ5とが配置されている。前記ベルト2は、加熱ローラ3と、加熱ローラ3と離れた位置に配された一対のテンションローラ5とにより、回転可能に張設されている。前記加圧ローラ4は、ベルト2と当接して加熱ローラ3と対向して配置されている。加圧ローラ4とベルト2との間は、加圧ローラ4と加熱ローラ3とにより加圧されており、ニップ部が形成されている。
なお、ロール設定温度及び搬送速度は、表1に示す通りである。また、加熱ローラ3と加圧ローラ4との間の圧力(ニップ圧)は、5kgf/cmであった。
【0114】
前記ベルトの基材として、ポリイミド製のベース層上に東レ・ダウコーニング・シリコーン社製 シリコーンゴム用プライマーであるDY39−115を塗布後、風乾30分の後、シリコーンゴム前駆体であるDY35−796AB 100質量部とn−ヘキサン 30質量部により調整した塗布液を浸漬塗布により塗膜を形成し、120℃で10分の一次加硫を行い、シリコーンゴム40μmを得た。
このシリコーンゴム層上に、信越化学工業社製 フルオロカーボンシロキサンゴム前駆体であるSIFEL610 100質量部とフッ素系溶媒(m−キシレンヘキサフロライド、パーフロロアルカン、パーフロロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)の混合溶剤) 20質量部により調整した塗布液を浸漬塗布により塗膜を形成した後、120℃で10分の一次加硫、180℃で4時間の二次加硫を行い、フルオロカーボンシロキサンゴムが20μmの膜厚を有するベルトを用いた。
【0115】
<画像記録>
得られたカラー感熱記録材料を、市販のプリンター(FUJIX NC−660A、富士写真フイルム社製)を用いてシアン濃度60%(シアン濃度階調102)の画像と、黒濃度100%の画像を印画して、以下の濃度ムラ及び光沢度の評価を行った。結果を表1に示す。
【0116】
−濃度ムラ評価−
前記画像記録したシアン濃度60%の画像記録面を目視により以下の評価基準に従って判断した。
◎・・・・全く濃度ムラを検出することができない
○・・・・よく見ると僅かに濃度ムラを発見できるがほとんど検出できない
△・・・・僅かながら濃度ムラが発見できるが目立たない
×・・・・非常に濃度ムラが目立つ
【0117】
−光沢度評価−
前記画像記録した黒濃度100%の画像記録面を、入射角及び反射角が60度の条件で光沢度を測定した。
【0118】
(実施例2〜4)
実施例1において、加熱加圧処理における加熱温度及び搬送速度を表1に示す値に変えた以外は、実施例1と同様にして、濃度ムラ及び光沢度の評価を行った。結果を表1に示す。
【0119】
(実施例5)
実施例1において、支持体におけるポリエチレン樹脂層のコーティング量を、該支持体の前記表面には50g/mとし、該支持体の前記裏面には31g/mとした支持体Bを用い、加熱加圧処理における加熱温度及び搬送速度を表1に示す値に変えた以外は、実施例1と同様にして、濃度ムラ及び光沢度の評価を行った。結果を表1に示す。
【0120】
(比較例1)
実施例1において、支持体におけるポリエチレン樹脂層のコーティング量を、該支持体の前記表面には50g/mとし、該支持体の前記裏面には31g/mとした支持体Bを用い、加熱加圧処理を行わなかった以外は、実施例1と同様にして、濃度ムラ及び光沢度の評価を行った。結果を表1に示す。
【0121】
(比較例2)
実施例1において、加熱加圧処理を行わなかった以外は、実施例1と同様にして、濃度ムラ及び光沢度の評価を行った。結果を表1に示す。
【0122】
【表1】
Figure 2005066842
【0123】
表1の結果より、加熱加圧処理を行わない比較例1〜2は、濃度ムラと光沢度とが共に実施例よりも明らかに劣ることが分かった。また、実施例1〜5は、支持体におけるポリエチレン樹脂のコーティング量が少ないにも拘わらず、濃度ムラが抑制され、高い光沢度の高画質な画像記録を行うことができた。
【0124】
【発明の効果】
本発明によれば、感熱記録材料の画像記録後における画像記録面の濃度ムラを抑制し、高い光沢度で、高画質なフルカラー画像を印画可能な感熱記録方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、カラー感熱記録紙の一例を示す概略図である。
【図2】図2は、本発明の画像記録工程の一例を示す概略図である。
【図3】図3は、本発明の加熱加圧工程の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 加熱加圧手段
2 ベルト
3 加熱ローラ
4 加圧ローラ
5 テンションローラ
6 クリーニングローラ
8 搬送ローラ
11 支持体
12 シアン感熱記録層
13 マゼンタ感熱記録層
14 イエロー感熱記録層
15 保護層
16 カラー感熱記録紙
100 イエロー記録ユニット
102 イエロー用サーマルヘッド
107 マゼンタ記録ユニット
108 シアン記録ユニット
110 イエロー用光定着器
111 マゼンタ用光定着器
112 たるみセンサ
113 たるみセンサ
115 給紙ローラ対
116 カッタ
117 排紙ボックス

Claims (10)

  1. 支持体上に、少なくとも1層の感熱記録層を有する感熱記録材料を、画像記録する前に加熱加圧処理する加熱加圧工程と、該加熱加圧処理した前記感熱記録材料を加熱することにより画像記録する画像記録工程とを含むことを特徴とする感熱記録方法。
  2. 感熱記録材料が、支持体上に、第1感熱記録層、第2感熱記録層、及び第3感熱記録層をこの順に有する請求項1に記載の感熱記録方法。
  3. 第1感熱記録層が、シアン感熱記録層である請求項2に記載の感熱記録方法。
  4. 支持体が、ラミネート紙である請求項1から3のいずれかに記載の感熱記録方法。
  5. ラミネート紙が、原紙の両面をポリオレフィン樹脂でコーティングされてなる請求項4に記載の感熱記録方法。
  6. 加熱加圧処理が、感熱記録層を画像記録させないで行う請求項1から5のいずれかに記載の感熱記録方法。
  7. 加熱加圧処理における加熱温度が、50〜200℃であり、かつ感熱記録材料の搬送速度が、1〜200mm/秒である請求項1から6のいずれかに記載の感熱記録方法。
  8. 加熱加圧処理が、一対のローラにより、加熱及び加圧する請求項1から7のいずれかに記載の感熱記録方法。
  9. 加熱加圧処理が、ベルト及びローラにより、加熱及び加圧する請求項1から8のいずれかに記載の感熱記録方法。
  10. 感熱記録層上に、2次転移温度が60℃以上であり、かつ融点が250℃以下であるポリマーを含む保護層を有する請求項1から9のいずれかに記載の感熱記録方法。
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