JP2005066689A - 金属の連続鋳造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】浸漬ノズルの閉塞を安定して防止するとともに、鋳片欠陥に起因する製品欠陥の発生を防止できる金属の連続鋳造方法を提供する。
【解決手段】溶融金属供給部において溶融金属に通電しながら溶融金属を鋳型に供給する連続鋳造方法において、通電のための電極間に正の電圧の印加時間および/または負の電圧の印加時間と、概略0Vの電圧の印加時間および/または電極間の電気的解放時間および/または電極間の電気的短絡時間を構成要素として印加電圧が時間的に変化する電圧を印加することを特徴とする金属の連続鋳造方法である。前記の方法において、概略0Vの電圧の連続印加時間、電極間の電気的解放時間、電極間の電気的短絡連続時間はそれぞれ1ns(ナノセカンド)〜10sとすることが好ましい。また、印加電圧の時間的変化の周期は1ms(ミリセカンド)〜10sとすることが好ましい。
【選択図】 図7

Description

本発明は、連続鋳造装置に設けられた溶融金属供給部において溶融金属に電圧を印加することにより連続鋳造用浸漬ノズルの閉塞を防止し、金属鋳片の欠陥を抑制する連続鋳造方法に関する。
金属の鋳片を連続的に製造する方法として、連続鋳造方法が知られている。この連続鋳造方法は、タンディッシュ内に収容された溶融金属を、その下部に設けられた浸漬ノズルから、上下が開放され、かつ冷却された鋳型の上部に供給して鋳型内で凝固殻を形成させ、その後下部から引き抜いて鋳片を連続的に製造する方法である。
タンディッシュ内に収容された例えばAl脱酸された溶鋼を冷却された鋳型内に供給する際には、溶鋼中のAlの酸化物など、浸漬ノズルの閉塞に関与する物質(以下、「酸化物」と略記する)が浸漬ノズルの内面に付着しやすく、浸漬ノズル内の溶鋼の流れが阻害される。そのため、スラブの連続鋳造に通常用いられている例えば2つの吐出孔を有する浸漬ノズルの場合には、片方の吐出孔からの吐出流が強くなるなど、2つの吐出孔からの吐出流が不均一となり、鋳型内の溶鋼の流れがいわゆる「片流れ」になりやすい。この片流れが発生すると、鋳型内の溶鋼表面に添加したモールドパウダが溶鋼中に巻き込まれる。また、浸漬ノズルの内面に付着した酸化物が剥離した場合には、剥離した酸化物が溶鋼中に巻き込まれる。
鋳型内の溶鋼中に巻き込まれたモールドパウダや酸化物は、鋳型内の凝固殻に捕捉されて、製造された鋳片の表層部に欠陥を発生しやすい。これらの鋳片の表層部の欠陥は、その鋳片を素材として圧延された製品の表面欠陥または内部欠陥の原因となる。また、浸漬ノズルの内面に付着した酸化物の付着量が増加し、浸漬ノズルが閉塞した場合には、連続鋳造作業を中断せざるを得なくなる。
浸漬ノズルの内面に溶鋼中の酸化物が付着することを防ぐために、流量制御機構(スライディングノズル)および上ノズルからアルゴンガスを吹き込む方法が知られている(例えば、非特許文献1)。また、浸漬ノズル内を通過する溶鋼中に不活性ガスを吹き込む方法が、特許文献1および特許文献2に開示されている。
特許文献1に開示された方法は、浸漬ノズル内を通過する溶鋼量に応じて、溶鋼中に吹き込む不活性ガスの量を調整する方法である。また、特許文献2に開示された方法は、浸漬ノズルの内壁に設けられた気体吹き込み用の多孔質耐火物と溶鋼との間に、交流または直流電流を通電しつつ、溶鋼中にガスを吹き込む方法である。これらの方法では、不活性ガスを浸漬ノズルの内面から溶鋼中に吹き込むことにより、酸化物が浸漬ノズルの内面に付着することを防止している。また、気体吹き込み用の多孔質耐火物と溶鋼との間に通電すると溶鋼に電磁力が発生し、この電磁力によって発生する気泡の直径が定まるので、多孔質の孔径が吹き込み時間の経過とともに増大しても、吹き込んだ気体の気泡径が大きくならず、鋳型内の凝固殻に捕捉される気泡性の欠陥は少なく、製品に表面欠陥などが発生しにくいとされている。
本発明者らは、既に、導電性耐火物の部分に電極が設けられている溶融金属供給部を用いて、浸漬ノズルの内面とその内部を通過する溶融金属との間に通電しながらタンディッシュ内の溶融金属を前記溶融金属供給部から鋳型に供給する金属の連続鋳造方法を特許文献3として開示した。ここに開示された方法は、特許文献2に開示された方法と類似しているが、浸漬ノズル内面への酸化物の付着防止方法およびその思想が相違している。すなわち、特許文献3に開示された方法は、ガス吹き込み部を備えていない導電性耐火物の部分に電極が設けられている溶融金属供給部を用いて、浸漬ノズルの内面とその内部を通過する溶融金属との間に通電しながらタンディッシュ内の溶融金属を前記溶融金属供給部から鋳型に供給する金属の連続鋳造方法である。また、特許文献3に開示された方法では、電磁力を利用してガス気泡の拡大を防止することによって浸漬ノズル内面への酸化物の付着防止を実現しているのではなく、通電によって溶融金属と浸漬ノズルの界面近傍(以下、「界面」と略記する)に集積する酸化物が分極し、界面張力が変化するとともに、酸化物の生成源の発生が抑制されることを利用して酸化物の付着防止を実現している。
上記のいずれの方法も、浸漬ノズルなどから不活性ガスを吹き込むことを必須としているが、不活性ガスの吹き込み量が少ない場合には、浸漬ノズルの内面などへの溶鋼中の酸化物の付着を防止することができない。また、不活性ガスの吹き込み量が多すぎると、不活性ガスの気泡が鋳型内の凝固殻に捕捉され、鋳片表層部に気泡性の欠陥が発生し、この鋳片を素材とする製品に表面欠陥が発生する。
しかも、特許文献2に開示された方法では、気体吹き込み用の多孔質耐火物と溶鋼との間に100Aまたは200Aの直流電流または交流電流を連続して通電するため、電流密度が大きく、通常の緻密質の耐火物と比べて脆弱な多孔質耐火物への電気的および熱的負荷が大きく、長時間の鋳造に耐えないという問題があった。
このように、溶鋼中酸化物の浸漬ノズル内面への付着は、安定して防止できていないのが現状である。また、浸漬ノズルの内面に溶鋼中の酸化物が付着するのを防止することができても、鋳片表層部に気泡性の欠陥が発生し、この鋳片を素材とする製品に表面欠陥が発生する場合がある。
また、特許文献3に開示された方法においても、浸漬ノズルの内面に溶鋼中の酸化物が付着することを完全に防止することは難しい。その理由は、浸漬ノズルと溶鋼との界面の形状が平坦ではなく、現実には微小な凹凸が存在しているにも拘わらず、この点を考慮せずに通電しているところに主な原因があると考えられる。この問題を解明し、適切な対策を講じることにより、不活性ガスの吹き込み量を減少あるいはゼロにした状態であっても、浸漬ノズルなどの内面への酸化物の付着を確実に防止できると期待される。
鉄と鋼、Vol.66、S868
特開平4−319055号公報(特許請求の範囲および段落〔0006〕〜〔0015〕) 特開平6−182513号公報(特許請求の範囲および段落〔0007〕) 特開2003−126945号公報(特許請求の範囲など)
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その課題は、浸漬ノズルなどの内面への溶融金属中の酸化物の付着を安定して防止するとともに、得られた鋳片を素材とする圧延製品において、鋳片の欠陥に起因する製品欠陥の発生を防止することが可能な金属の連続鋳造方法を提供することにある。また、別の課題は、浸漬ノズルの内面に溶融金属中の酸化物が付着することによる浸漬ノズルの閉塞を安定して防止することができる浸漬ノズルの閉塞防止方法を提供することにある。
本発明者らは、上述の課題を解決するために、まず、従来提案されている方法において生じている現象を注意深く観察し、下記の(a)〜(k)の知見を得た。
(a)溶融金属と浸漬ノズル耐火物の間に電圧を印加すると、電場による界面張力の低下と酸化物等の付着物生成に係わるイオン(以下、単に「イオン」と記す)の濃度が低下する。
(b)イオンは電場、および結晶格子の熱振動に起因する拡散(以下、単に「熱拡散」と記す)によって移動し、界面の形状が平坦な場合は、界面におけるイオン濃度は液体金属の流れの方向に沿って均一に低下する。界面におけるイオンは酸化物を形成するが、比較的層厚が薄い初期の段階で溶融金属の流動により浸漬ノズルから剥離する。
(c)しかし、現実には界面の形状が平坦ではないので、電場と熱拡散によって移動するイオンは、ノズル内均一イオン濃度の部分から距離の近い界面に向かって移動する。
(d)上記(c)の結果、界面にはイオン濃度の高い部分と、低い部分とが混在し、一般にイオン濃度は不均一となり、イオン濃度の不均一層厚さ(イオン濃度境界層の厚さ)は界面の形状が平坦な場合に比べて厚くなる。
(e)上記(d)のイオン濃度の高い部分では単位時間、単位面積当たりの酸化物の生成量が多い。しかも、イオン濃度の高い部分は、浸漬ノズルがノズル側に窪んでいることが多く、溶融金属の流動の影響を受けにくい。特に、酸化物の生成量が、溶融金属の流動により浸漬ノズルから剥離する量に比べて多い場合には、浸漬ノズル側に窪んだ界面に酸化物が堆積し、付着する。
(f)一方、イオン濃度の低い部分では、単位時間、単位面積当たりの酸化物の生成量が少ない。しかも、イオン濃度の低い界面部分は、浸漬ノズルが溶融金属側に突起していることが多く、溶融金属の流動の影響を受けやすい。この結果、イオン濃度の低い部分では、界面に酸化物が堆積または付着しにくい。
(g)界面の形状が平坦でない場合には、上記(e)と(f)の現象が混在して現れる。しかし、一旦界面に付着する酸化物が形成されると、この酸化物はノズルから剥離する可能性が低くなり、やがてノズルの断面を顕著に塞ぐまでに成長する。
従来提案されている方法に対して得られた上記の知見(a)〜(g)に基づいて、酸化物の付着を防止するための効果的な電圧の印加方法を検討し、さらに下記の(h)〜(k)の知見を得た。
(h)界面の形状が平坦でない場合に、溶融金属の流動方向に沿う界面におけるイオン濃度を均一にするためには、電場によるイオンの移動を制御すればよい。
(i)イオンの移動を制御する手段としては、電極間に0Vに近い電圧を印加する方法が効果的である。
(j)例えば、電極間に0Vに近い電圧を印加する時間帯では、電場によるイオンの移動は概略停止し、イオンの移動に対しては熱拡散が支配的になる。イオン濃度の低い部分に対する熱拡散が促進されるので、結果的にイオン濃度の不均一拡散層厚を界面の形状が平坦な場合と同程度の厚さにすることができ、界面におけるイオン濃度を均一にすることが可能となる。この結果、界面の形状が平坦でない場合であっても、浸漬ノズル内面に酸化物の付着を防止することが可能となる。
(k)電極間に0Vに近い電圧を印加する方法以外に、電極間を短絡する方法、電極間を解放する方法、または逆向きに電圧を印加する方法などの電圧印加方法も、イオン濃度を均一化するために効果がある。
本発明は、上記の知見に基いて完成されたものであり、その要旨は、下記の(1)〜(5)に示す金属の連続鋳造方法にある。
(1)タンディッシュから浸漬ノズルまでの内部空間に臨む一方の電極と、前記一方の電極と対をなす他方の電極と、前記一方の電極と他方の電極とに接続された電源部とを設け、前記上ノズル、流量制御機構および浸漬ノズルのうちの1つ以上の少なくとも内面の一部をタンディッシュに収容される溶融金属の融点以上の温度で導電性を有する耐火物で構成し、前記導電性を有する耐火物で構成した部分の1つまたは2つに前記他方の電極を設け、前記他方の電極を設けていない部分にガス吹き込み部を備えた連続鋳造装置の溶融金属供給部を用いて、他方の電極を設けた上ノズル、流量制御機構および浸漬ノズルの内面と、その内部を通過する溶融金属と、前記一方の電極との間に通電して前記溶融金属供給部から溶融金属を鋳型に供給する連続鋳造方法において、他方の電極と一方の電極との間に正の電圧の印加時間および/または負の電圧の印加時間と、概略0Vの電圧の印加時間および/または電極の間を電気的に解放する時間および/または電極の間を電気的に短絡する時間を構成要素として印加電圧を時間的に変化させることを特徴とする金属の連続鋳造方法。
ここで、正の電圧の印加時間は一方の電極と他方の電極の間に0V以上の電圧を印加する時間、負の電圧の印加時間は一方の電極と他方の電極の間に0V以下の電圧を印加する時間、そして概略0Vの電圧の印加時間は一方の電極と他方の電極の間に0−0.1σ以上、0+0.1σ以下の電圧を印加する時間をそれぞれ意味する。ただし、σは下記式(1)に示されるとおり、異なる時刻tiにおいて測定されたn個の電圧xi(i=1〜n)に対する標準偏差を表す。
Figure 2005066689
(2)電圧を印加する際に、正の電圧の印加時間と正の電圧の印加時間、正の電圧の印加時間と負の電圧の印加時間、負の電圧の印加時間と正の電圧の印加時間または負の電圧の印加時間と負の電圧の印加時間の間に概略0Vの電圧の印加時間および/または電極の間を電気的に解放する時間および/または電極の間を電気的に短絡する時間を設けることを特徴とする前記(1)に記載の金属の連続鋳造方法。
(3)概略0Vの電圧の連続印加時間および/または電極の間を電気的に解放する連続時間および/または電極の間を電気的に短絡する連続時間および/または正の電圧の連続印加時間および/または負の電圧の連続印加時間が1ns(ナノセカンド)〜10sであることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の金属の連続鋳造方法。
(4)正の電圧の印加時間および/または負の電圧の印加時間と、概略0Vの電圧の印加時間および/または電極の間を電気的に解放する時間および/または電極の間を電気的に短絡する時間を構成要素とする印加電圧の時間変化の周期を1ms(ミリセカンド)〜10sとすることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の金属の連続鋳造方法。
(5)前記(1)の連続鋳造方法で用いる連続鋳造装置の溶融金属供給部を用いて、他方の電極が設けられた上ノズル、流量制御機構および浸漬ノズルの内面と、その内部を通過する溶融金属と、前記一方の電極との間に通電して前記溶融金属供給部から溶融金属を鋳型に供給する連続鋳造方法において、他方の電極と一方の電極との間に正の電流の印加時間および/または負の電流の印加時間と、概略0Aの電流の印加時間および/または電極の間を電気的に解放する時間および/または電極の間を電気的に短絡する時間を構成要素として印加電流を時間的に変化させることを特徴とする金属の連続鋳造方法。
ここで、正の電流の印加時間は、一方の電極と他方の電極の間に0A以上の電流を印加する時間を、負の電流の印加時間は、一方の電極と他方の電極の間に0A以下の電流を印加する時間を、そして概略0Aの電流の印加時間は、一方の電極と他方の電極の間に0−
0.1σ1以上、0+0.1σ1以下の電流を印加する時間をそれぞれ意味する。ただし、σ1は測定された時間変化する電流の標準偏差を表す。
本発明において、「溶融金属の融点以上の温度で導電性を有する耐火物」とは、溶融金属の融点以上の温度で、電気伝導率が1×103S/m以上の耐火物を意味し、例えば、アルミナグラファイト質、ジルコニアグラファイトおよびマグネシアグラファイト質のようなグラファイトを主成分の一つとする耐火物、固体電解質、TiB2やZrB2などのような硼化物系の材料が該当する。
本発明の金属の連続鋳造方法によれば、溶融金属供給部に、正の電圧の印加時間および/または負の電圧の印加時間と、概略0Vの電圧の印加時間および/または電極間を電気的に解放する時間および/または電極間を電気的に短絡する時間を構成要素とする時間的に変化する電圧を印加することにより、上ノズル、流量制御機構および浸漬ノズル等の溶融金属が流通する耐火物の内面に酸化物などが付着することを安定して防止することができる。また、連続鋳造の結果得られた鋳片を素材とする製品に、モールドパウダ、酸化物、気泡などの鋳片欠陥に起因する疵が発生するのを防止することができる。
1.酸化物などの付着防止機構
本発明の金属の連続鋳造方法について、図を参照しながらさらに詳しく説明する。図1は、本発明法において用いる溶融金属供給部の一例を模式的に示す縦断面図である。同図において、溶融金属供給部は、底部に上ノズル2が設けられたタンディッシュ1と、上ノズル2の下部に設けられた流量制御機構(スライディングゲート)3と、流量制御機構3に続いて設けられた浸漬ノズル4と、タンディッシュ1の側壁に設けられた一方の電極5と、浸漬ノズル4に設けられた他方の電極6と、一方の電極5と他方の電極6に接続された電源部7および不活性ガス吹き込み部19を備える。スイッチ部23は必ずしも必要ないが、備えることが好ましい。
タンディッシュ1は、溶融金属8を収容する部分であり、タンディッシュ1の底部に設けられた上ノズル2は、タンディッシュ1内の溶融金属8を下部に供給する供給孔15を有し、耐火物などから構成される。
同図の例では、流量制御機構3は、上プレート12、下プレート13およびこれらの間に設けられた可動プレート14を備える3層構造のスライディングゲートであるが、必ずしもこの構造に限定されるものではない。上プレート12、下プレート13および可動プレート14は、それぞれ通流孔18が設けられた耐火物製部材である。そして、図示を省略した駆動機構により、可動プレート14を水平方向に移動させることにより、下部に供給される溶融金属8の供給量を制御する。
浸漬ノズル4は、下部に吐出孔17を有し、吐出孔17を含む部分が鋳型9の内部に挿入される。
一方の電極5は、タンディッシュ1の側壁を貫通して設けられ、先端がタンディッシュ1の内部空間に臨み、タンディッシュ1内に溶融金属8が供給された際は、その先端が溶融金属8内に浸漬される。一方の電極5の設置方法は、タンディッシュ1内の溶融金属8の表面の上方から溶融金属8中に浸漬する方法でもよいし、タンディッシュ1側壁の鉄皮および耐火物などに電極設置用の孔を設け、これら鉄皮および耐火物を貫通させて一方の電極5を設置する方法などもある。
他方の電極6は、導電性耐火物の部分に接続する必要がある。図1では他方の電極6が浸漬ノズル4を構成する耐火物中に埋め込まれている。本発明法において用いる溶融金属供給部は、上ノズル2、流量制御機構3および浸漬ノズル4のうち、いずれか、1つまたは2つ、好ましくは浸漬ノズル4に他方の電極6を設け、他方の電極6が設けられていない部材の1つまたは2つにガス吹き込み部19を設ける。この場合、1つの部材に他方の電極6とガス吹き込み部19とが共存することがないため、耐火物の強度の低下を防止することができる。
図1において、電源部7は、一方の電極5および他方の電極6と電気配線16により接続可能であり、必要時にこれらを一方の電極5と他方の電極6に接続することができる。
本発明法は、他方の電極6が設けられた上ノズル2、流量制御機構3および浸漬ノズル4の内面とその内部を通過する溶融金属8との間に電圧を印加して、前記溶融金属供給部を介して溶融金属8を鋳型9に供給する連続鋳造方法に対して適用される。
図2は、従来法における直流定常波形の電圧を印加する例を示す図である。同図において、電圧は電源部7によって印加される一方の電極5と他方の電極6の間の電圧であり、直流とは電流が一方向に流れることを意味し、定常とは電圧が時間とともに変化しないことを意味する。
図3は、前記図2で示す電圧を印加した場合において界面が平坦な場合のイオンの移動と浸漬ノズル内のイオン濃度を模式的に示す図であり、同図(a)はイオンの移動を示し、同図(b)は浸漬ノズル内のイオン濃度を示す。溶融金属8と浸漬ノズル4の間に存在する電場および熱拡散に起因してイオンが浸漬ノズル4の界面21の近傍を、同図中の矢印221で示すように、界面21に向かって移動する。浸漬ノズル4の界面21ではイオン濃度は減少し、不均一イオン濃度層(イオン濃度境界層)が形成される。この層厚をδe1で表す。浸漬ノズル4において溶融金属8の流れる方向に沿って界面21の形状が平坦であるため、不均一イオン濃度層厚さδe1も溶融金属8の流れる方向に沿って変化せず、例えば、断面A−A1と断面B−B1とでは、両者の不均一イオン濃度層厚さは概略同程度になると考えられる。
界面21に到達したイオンは、溶融金属8に含まれる別の極性のイオンと結合して酸化物20を形成する。界面21の形状が平坦な場合には、酸化物20は比較的層厚さが薄い初期の段階で、溶融金属8の流動の影響でノズルから剥離する。
しかし、工業規模で使用する浸漬ノズル4の界面21の形状は、一般に、平坦ではないので、電場と熱拡散によって移動するイオンは、浸漬ノズル4における均一イオン濃度C0の領域から距離の近い界面21に向かって移動する。この結果、界面21にはイオン濃度の高い部分と、低い部分とが混在し、一般にイオン濃度は不均一となる。
図4は、界面が平坦でない場合のイオンの移動と浸漬ノズル内のイオン濃度を模式的に示す図であり、同図(a)はイオンの移動を示し、同図(b)は浸漬ノズル内のイオン濃度を示す。この場合には、浸漬ノズル4の異なる断面A−A1と断面B−B1とでは、同図(b)に示すようにイオン濃度分布が異なるとともに、下記式(2)で示されるとおり、不均一イオン濃度層厚δe2の値はδe1よりも大きくなると考えられる。
Figure 2005066689
イオン濃度の高い部分では、単位時間、単位面積当たりの酸化物20の生成量が多い。しかも、同図中のA点のようにイオン濃度の高い部分は、浸漬ノズル4側に窪んでいることが多く、溶融金属8は流動の影響を受けにくい。特に、酸化物生成量が溶融金属8の流動により浸漬ノズル4から剥離する量に比べて多い場合には、A点近傍の界面21に酸化物20が堆積し、付着することになる。
一方、B点のようにイオン濃度の低い部分では、単位時間、単位面積当たりの酸化物20の生成量が少ない。しかも、イオン濃度の低い部分は、浸漬ノズルが溶融金属8側に突起していることが多く、溶融金属8の流動の影響を受けやすい。その結果、イオン濃度の低い部分では、酸化物20は界面21に堆積しにくい。このように、界面21の形状が平坦でない場合には、酸化物20の付着量が多い場所と少ない場所が混在して現れる。しかし、一旦、界面21に付着する酸化物20が形成されると、この酸化物20は浸漬ノズル4から剥がれる可能性は低くなり、やがて浸漬ノズル4の内断面を閉塞するまでに成長する。
このように、直流定常波形の電圧を印加する場合には、浸漬ノズル4の界面21が平坦である特別な条件の場合にのみ、浸漬ノズル4の閉塞を防止する効果を得ることが可能であり、一般に用いられるような界面21の形状が平坦でない浸漬ノズル4の場合には、安定した付着防止効果を得ることはできないことが判明した。
図5は、本発明法において印加する直流パルス状波形の電圧の時間変化の例を示す図である。同図では、正の電圧の印加時間および概略0Vの電圧の印加時間を構成要素として電圧が時間的に変化している。
図6は、本発明法による電圧印加方法を用いたときの界面が平坦でない場合のイオンの移動と浸漬ノズル内のイオン濃度を模式的に示す図であり、同図(a)はイオンの移動を示し、同図(b)は浸漬ノズル内のイオン濃度を示す。電圧を印加している時間帯では、イオンは電場と熱拡散の影響で界面21において、同図中の矢印221で示すように、点Aに向かって移動する。点Aは浸漬ノズル4の内部から見た場合、界面21までの距離が他の点に比べて短い点である。概略0Vの電圧の印加時間帯では、電場によるイオンの移動は停止し、イオンは熱拡散によってのみ移動する。熱拡散によるイオンの移動の向きは、界面21におけるイオン濃度の低い点であり、この点は、図4で説明したように、点Bである。このように、電圧の印加時間と概略0Vの電圧の印加時間を交互に組み合わせることによって、浸漬ノズル4におけるイオンの均一濃度線C0は界面21に沿った形状になる。その結果、不均一イオン濃度層厚δPは、溶融金属8の移動方向に沿って概ね一定にすることができ、下記式(3)に示されるとおり、界面21が平坦の場合の不均一イオン濃度層厚δe1と概略同じ厚さにすることが可能となる。
Figure 2005066689
この結果、界面21が平坦な場合に電圧を印加したときと同様の理由により浸漬ノズル4内面に酸化物20の付着を防止することが可能になり、工業規模で用いる界面の形状が平坦でない浸漬ノズル4を使用する場合であっても、ノズルの閉塞を安定して防止する効果が得られる。
上述の説明では、正の電圧の印加時間と概略0Vの電圧の印加時間とを組合わせた場合における酸化物20の付着防止機構について記した。概略0Vの電圧の印加以外に、電極間の電気的短絡、電極間の電気的解放、または逆向きの電圧印加の組み合わせであっても、熱拡散によるイオンの移動に対して電場の移動を制御する類似の技術的思想に基づいて酸化物20の付着を防止することができる。
以上は、電圧に着目して本発明の方法について説明を行った。物質に電圧を印加すれば、オームの法則に従って電流が流れるので、例えば、「正の電圧の印加時間」を「正の電流の印加時間」に、「負の電圧の印加時間」を「負の電流の印加時間」に、「概略0Vの電圧の印加時間」を「概略0Aの電流の印加時間」に、「0V」を「0A」になどのように、電圧を対象とした技術概念を、電流を対象とした技術概念に置換して構成される連続鋳造方法もまた、同一の技術的思想に基く発明を表し、両発明は等価である。
2.発明の実施の形態および数値限定の理由
本発明の連続鋳造方法において規定した構成要件の必要理由および数値限定の理由などについて説明する。
前記のとおり、図1において、電源部7は、一方の電極5および他方の電極6と電気配線16により接続可能であり、必要時にこれを一方の電極5と他方の電極6に接続することができる。この接続は、一方の電極5を他方の電極6に対して正の電圧となるように電源部7と接続してもよいし、また、別の条件の場合には、一方の電極5を他方の電極6に対して負の電圧となるように電源部7と接続してもよい。接続が必要でないときは、電気配線16を電源部から解放して非接続状態にすることもできる。また、さらに別の条件の場合には、一方の電極5および他方の電極6と接続されたそれぞれの電気配線16を電源部7から解放して互いに接続することもできる。この接続方式の選択はスイッチ部23を用いて機械的に行ってもよいが、例えば固体スイッチング素子を用いてフルブリッジ回路を構成し、フルブリッジ回路のゲートを信号制御してもよい。一般に、固体素子を用いたフルブリッジ回路の方が寿命が長く、高速動作に適用できるので実用的である。
他方の電極6が設けられた上ノズル2、流量制御機構3および浸漬ノズル4の内面とその内部を通過する溶融金属8との間に電圧を印加して、前記溶融金属供給部を介して溶融金属8を鋳型9に供給する連続鋳造方法に対して本発明の方法は適用される。
本発明の方法では、他方の電極6と一方の電極5の間に、正の電圧の印加時間および/または負の電圧の印加時間と、概略0Vの電圧の印加時間および/または電極の間を電気的に解放する時間および/または電極の間を電気的に短絡する時間を構成要素として変化する電圧を印加しつつ金属の連続鋳造を行う。ここで、正の電圧の印加時間は、一方の電極5と他方の電極6との間に0V以上の電圧を印加する時間を、また、負の電圧の印加時間は、一方の電極5と他方の電極6との間に0V以下の電圧を印加する時間をそれぞれ意味する。電極の間を電気的に解放する時間は、一方の電極5と他方の電極6に接続されたそれぞれの電気配線16を電源部7または導電性の物体と接続せず、電気的に絶縁することを意味する。電極の間を電気的に短絡する時間は、一方の電極5と他方の電極6に接続されたそれぞれの電気配線16を電源などの他の導電体に接触させず電気配線16同士で接触させることを意味する。
また、概略0Vの電圧の印加時間は、一方の電極5と他方の電極6との間に0−0.1σ以上、かつ、0+0.1σ以下の電圧を印加する時間を意味する。ここで、σは前記式(1)に示したとおり、異なる時刻tiにおいて測定されたn個の電圧xi(i=1〜n)に対する標準偏差を表す。
電極の間を電気的に短絡することと、電極の間を電気的に解放することとは、他方の電極6と一方の電極5とに与える電気的作用が同じであるかのように受けとられがちであるが、実際は作用が異なる。電極は導電性の溶融金属に接触しているので、他方の電極6と一方の電極5の材質が異なる場合は、導電性耐火物のイオン化傾向の差異などに起因して電極間に起電力が発生する。電極の間を電気的に短絡する場合は、起電力を0Vにする逆電圧を印加することに相当するが、電極の間を電気的に解放する場合は、起電力が発生した状態を維持することになる。
概略0Vの電圧の印加時間は、0Vの電圧の印加時間と同程度の酸化物20の付着防止効果が得られる電圧の印加時間を意味し、本発明における数多くの試験を通して経験的に得られた値である。
電圧を印加する際には、正の電圧の印加時間と正の電圧の印加時間、正の電圧の印加時間と負の電圧の印加時間、負の電圧の印加時間と正の電圧の印加時間、または負の電圧の印加時間と負の電圧の印加時間の間に、概略0Vの電圧の印加時間、および/または電極の間を電気的に解放する時間、および/または電極の間を電気的に短絡する時間を設けて連続鋳造を行う。
概略0Vの電圧の印加時間、電極の間を電気的に解放する時間および電極の間を電気的に短絡する時間を設けることは、界面21近傍において電場起因のイオン22の移動を一時的に停止させて、熱拡散による移動のみを作用させる効果を発現する意味がある。特に、界面21の形状が平坦でない場合に、不均一イオン熱拡散層厚を薄くして、界面21に酸化物20が付着しにくい条件を形成する上で効果がある。
酸化物20が付着しにくい条件を形成する機構を考えると、連続する一定の電圧の印加時間には下限と上限が存在することが分かる。ここで、印加時間とは、概略0Vの電圧の連続印加時間、電極の間を電気的に解放する連続時間、電極の間を電気的に短絡する連続時間、正の電圧の連続印加時間および負の電圧の連続印加時間の総称である。印加時間に下限値が存在する理由は、イオン22の移動が電場起因の場合であっても、あるいは熱拡散起因の場合であっても、質量のあるイオン22が移動を開始するまでには最低限の時間が必要だからである。印加時間の下限値は、界面21の凹凸の程度などに依存するが、本発明者らにより鋳造試験などを通して得られた下限値は、1nsであった。
一方、本発明の連続鋳造方法は、電場起因のイオン22の移動と停止を繰り返すことによりその効果を奏する。したがって、その効果を得るためには、印加時間に上限値が存在する。本発明者らが前記の下限値と同様に鋳造試験などを通して得た上限値は、10sであった。
時間変化する印加電圧の波形を周波数によりスペクトル分解したとき、一般に、印加電圧の波形は、異なる周波数の基本波形の重ね合わせにより構成される。印加電圧の基本波形から、まれに発生するノイズまたは殆ど影響のない長周期の電圧変化を除いた印加電圧の波形は、複雑であってもよい。印加電圧の波形が複雑な場合は、複雑な波形を発生するための機器を必要とするので、経済的ではない。経済性を追求すると、波形は周期的な波形が好ましい。周期には、下限値と上限値とが存在し、その理由は、連続する一定の電圧の印加時間に下限値と上限値とが存在する理由と同様である。周期的波形の場合における印加時間とは、概略0Vの電圧の連続印加時間、電極の間を電気的に解放する連続時間、電極の間を電気的に短絡する時間、正の電圧の連続印加時間および負の電圧の連続印加時間の総称である。本発明者らの試験によれば、印加電圧の時間変化の周期を1ms〜10sの範囲とすることにより、より一層良好な酸化物の付着防止効果が得られ、好ましいことが判明した。
本発明の連続鋳造方法の効果を確認するため、以下に示す本発明例および比較例についての試験を行い、その結果を評価した。
1.試験方法
垂直曲げ型連続鋳造機を用い、Alで脱酸した溶鋼から、厚さ270mm、幅1600mmの鋳片を製造した。試験に用いた溶鋼の化学組成を表1に示す。
Figure 2005066689
垂直曲げ型連続鋳造機は、浸漬ノズル4を導電性を有する耐火物で構成し、浸漬ノズル4に他方の電極6を埋設した溶融金属供給部を備えたものを用いた。また、試験では、上ノズル2に不活性ガス吹き込み部19を設置し、鋳込初期の開孔用として必要な3〜5NL/minの少量の不活性ガスを吹き込んだ。この程度の吹き込みでは、鋳片表面にピンホールは発生せず、鋳型内で湧き出しガスもほとんどないことから、不活性ガスの大部分は、鋳型内に持ち込まれることなくタンディッシュ1内で浮上したと判断される。タンデイッシュ1の形状は通常の箱形で、容量は約85トン(t)である。
一部の試験では、不活性ガス吹き込み部19を浸漬ノズル4に設けた試験も行った。この場合は、溶融金属供給部としては浸漬ノズル4には他方の電極6と不活性ガス吹き込み部19を併設する形式の構造となる。
浸漬ノズルは、内径が90mmで、下向き35度の通常の2つの吐出孔を有するものを用いた。また、浸漬ノズル4には他方の電極6が埋設されており、その部材は、質量%で、黒鉛:22%、SiO2:12%を含有し、残部がアルミナおよび不純物からなるアルミナグラファイト質の導電性を有する耐火物で構成した。他方の電極6が埋設された部材と隣接する部材との間には、アルミナとシリカの繊維からなるシートまたはアルミナの耐火物を介在させ、電気的に絶縁を図った。なお、一方の電極6は、アルミナグラファイト、他方の電極5はグラファイトまたは鋼とした。
連続鋳造の際には、1ヒート約270tの溶鋼を、6ヒート連続して鋳造した。このとき、タンデイッシュ1内の溶鋼の過熱度は20〜30℃、鋳造速度は1.5〜1.8m/minとした。
他方の電極6が埋設された浸漬ノズル4、上ノズル2または流量制御機構3と、一方の電極5との間に、電圧が−6V〜+6Vの範囲で、時間とともに変化する電圧を印加した。この時、実効電流は0〜120Aの範囲であった。大部分の試験では、他方の電極6と一方の電極5を電気配線16を介して電源部7と接続したが、一部の試験では接続せずに解放状態とした。
種々行った鋳造試験例において、他方の電極6と一方の電極5との間に印加した電圧のパターンについて以下に説明する。なお、以下のパターンにおいて、1)〜4)、10)および11)は本発明の条件を満足する電圧パターンであり、5)、7)および9)は本発明の条件を満たさない電圧パターンであり、8)は上記1)と同様の電圧パターンであるが、他方の電極と不活性ガス吹き込み部とを浸漬ノズルに併設した場合であり、そして、6)は電圧を印加しない場合である。
1)直流パルス状波形
前記の図5に示すように、印加電圧が時間とともに変化する直流のパルス状波形の電圧を印加して鋳造試験を行った。以下では、この電圧波形を直流パルス状波形と呼ぶ。直流パルス状波形の例の場合は、正の電圧の印加時間と概略0Vの電圧の印加時間との組み合わせによって電圧は時間的に変化する。この場合の周期は43msであり、デューティー(正の電圧の印加時間と概略0Vの電圧の印加時間の比)は概略1.4である。
2)交流パルス状波形1
図7に示すように、正の電圧の印加時間、電極の間を電気的に短絡する時間および負の電圧の印加時間を組み合わせて時間的に変化する電圧を印加した。この電圧波形を以下では交流パルス状波形1と呼ぶ。交流パルス状波形1では、正の電圧の印加時間から負の電圧の印加時間へ、また負の電圧の印加時間から正の電圧の印加時間へ移行する過程において、電極の間を電気的に短絡する時間を設けている。交流パルス状波形1の周期は50msで、正の電圧の印加時間と負の電圧の印加時間とは等しい。また、電気的に短絡する時間は10msである。
3)交流パルス状波形2
図8に示すように、正の電圧の印加時間、電極の間を電気的に短絡する時間および負の電圧の印加時間を組み合わせて時間的に変化する電圧を印加した。この電圧波形を以下では交流パルス状波形2と呼ぶ。交流パルス状波形2は、正の電圧の印加時間が負の電圧の印加時間の約7倍である点を除き、交流パルス状波形1と同じである。
4)正弦波状波形
図9に示すように、正の電圧の印加時間、電極の間を電気的に短絡する時間および負の電圧の印加時間を組み合わせて一部が正弦波状に時間的に変化する電圧を印加した。この電圧波形を以下では正弦波状波形と呼ぶ。正弦波状波形では、文字通り、正の電圧の印加時間および負の電圧の印加時間では概略正弦波で電圧が変化する。また、正の電圧の印加時間から負の電圧の印加時間へ、また負の電圧の印加時間から正の電圧の印加時間へ移行する過程において、電極の間を電気的に短絡する時間を設けている。正弦波状波形の周期は50msであり、正の電圧の印加時間と負の電圧の印加時間は等しい。また、電気的に短絡する時間は10msである。
5)直流定常波形
一部の試験では、直流定常波形の電圧を印加した。前記の図2に、この時の電圧の時間的変化の一例を示す。直流定常波形の電圧を印加する際には、他方の電極6を正または負の電圧とした。
6)電圧の非印加
別の試験では、一方の電極5と他方の電極6との間を結ぶ電気配線16を電源部7から定常的に解放した。
7)正弦波交流波形
さらに、別の試験では、電極の間を電気的に短絡する時間を設けない点を除き、前記4)の波形と同じ波形の電圧を印加した。
8)不活性ガス吹き込み位置と他方の電極との重なり
浸漬ノズル4に他方の電極6と不活性ガス吹き込み部19とを併設する形式の構造の溶融金属供給部を用いる点を除き、前記1)の直流パルス状波形と同様の条件で試験を行った。
9)概略0Vの印加時間が存在しない波形
図10に示すように、前記1)と同様の波形であるが、概略0Vの印加時間が存在せず、その代わりに概略3Vの印加時間が存在し、3V〜6Vの間で電圧が変化するパターンである。ここで、概略3Vの印加時間は、電圧が(3−0.1σ)V以上、(3+0.1σ)V以下の範囲に含まれる時間である。
10)直流パルス状波形2(概略0Vの長時間印加)
概略0Vの印加時間が20秒である点を除いて、前記1)と同様のパターンの電圧を印加した。
11)交流パルス状波形3(短周期印加)
正の電圧の印加時間が0.3ms、負の電圧の印加時間が0.05ms、概略0Vの電圧の印加時間が0.1msであって、前記3)と同様のパターンの電圧を印加した。このパターンは前記3)に比して電圧変化の周期が短い点に特徴がある。
表2に、試験条件をまとめて示した。なお、表2において、電圧は他方の電極6を基準として表示した。
Figure 2005066689
2.試験結果
前記の鋳造試験が終了した後、浸漬ノズル4を回収し、これらを縦方向に切断して内面の酸化物(付着物)の厚さを測定した。
また、得られた鋳片を素材として4〜6mmの厚さの鋼帯に熱間圧延し、その後酸洗した後、0.8〜1.2mmの厚さの鋼帯に冷間圧延し、鋼帯の表面疵発生率を調査した。試験対象は、表面品質が重視される材質であり、それらの試験結果を表2に併せて示した。
なお、同表における酸化物の厚さは、浸漬ノズルの長さ方向の3個所において、その内径を周方向の2箇所の位置で測定し、その平均値を使用前の内径から減じ、その値に1/2を乗じた値である。また、鋼帯の表面疵発生率は、鋼帯の表面疵の発生有無を目視により調査し、表面疵が発生した部分をその長さだけ切断し、切断した合計の長さを冷間圧延の長さで除して、表面疵発生率とした。
試験番号1〜4、10および11は、本発明例についての試験であり、試験番号5〜9は、本発明で規定する範囲を外れる比較例についての試験である。
試験番号6は、電圧を印加せずに鋳造した比較例についての試験であり、浸漬ノズル4の内面に付着する酸化物20の厚さが13.4mmと厚く、製品における表面疵発生率も9.6%と高い。
試験番号5は、他方の電極6を埋設した浸漬ノズルに、+3Vで時間とともに変化しない一定の直流電圧を印加した比較例についての試験であり、浸漬ノズル4内面の付着酸化物20の厚さが試験番号6の場合よりも薄く、また製品の表面疵発生率も試験番号6より低い。
試験番号1は、前記1)の直流パルス状波形の電圧を印加して鋳造した本発明例についての試験である。パルス状波形の電圧は0V〜6Vの間で変化させ、電圧印加の周期は43msとし、6Vの電圧の印加時間と概略0Vの電圧の印加時間の比、すなわちデューティーは概略1.4とした。浸漬ノズル4内面の付着酸化物20の厚さは一定の電圧を印加した試験番号5よりも薄く、また製品における表面疵発生率も試験番号5の場合よりも低い結果が得られた。
試験番号7は、周期が50msで、電圧が−6V〜6Vの間を正弦波状に変化する電圧を印加した比較例についての試験である。このときの浸漬ノズル4内面の付着酸化物20の厚さは9.8mmであり、製品における表面疵発生率は3.2%であった。
試験番号8は、試験番号1などにおいて上ノズル2から吹き込んだ不活性ガスの吹き込みを停止して、他方の電極6を埋設した浸漬ノズル4から不活性ガスを吹き込むとともに、前記1)の直流パルス状波形の電圧を印加して鋳造した比較例についての試験である。同様の条件で電圧を印加し、浸漬ノズル4からではなく上ノズル2から不活性ガスを吹き込んだ試験番号1に比較して、浸漬ノズル4内面の付着酸化物20の厚さは薄いが、製品における表面疵発生率は高い。また、不活性ガス吹き込み部19である浸漬ノズル4に損耗が認められた。不活性ガス吹き込み部19に電圧を印加したため、浸漬ノズル4の耐火物が鋳片内に持ち込まれたことと、浸漬ノズル4から不活性ガスを直接吹き込んだために、鋳型内に不活性ガスが流入したことが、表面疵による欠陥発生の原因になったと推察される。
試験番号9は、一方の電極5と他方の電極6との間に印加する概略0Vの印加時間が存在せず、電圧を3V〜6Vの間で変化させた比較例についての試験である。浸漬ノズル4の内面の付着酸化物20の厚さは10.2mmと厚く、製品における表面疵発生率は8.4%であった。
これらに対して、試験番号4は、前記4)の正弦波状波形に記載のとおり、時間とともに周期的に変化する電圧を印加した本発明例についての試験である。試験番号7との大きな相違は、試験番号7では、一方の電極5と他方の電極6の短絡時間がゼロであるのに対して、試験番号4では、10msの時間が設定されている点にある。周期は50msである。このときの浸漬ノズル4内面の付着酸化物20の厚さは4.9mmであり、製品の表面疵発生率は1.6%であった。試験番号4では、試験番号7と異なり、熱拡散のみに起因するイオン22の移動の時間帯が設けられていたことが製品の表面疵発生率の低減に深く寄与したためである。
試験番号2および試験番号3は、それぞれ、前記2)の交流パルス状波形1、および前記3)の交流パルス状波形2のとおり、時間とともに変化する電圧を印加して鋳造を行った本発明例についての試験である。浸漬ノズル4の内面の付着酸化物20の厚さは、試験番号3の方が薄く、また製品における表面疵発生率も試験番号3の方が低い値が得られた。試験番号2では平均電流密度が概ね0A/m2であるのに対して、試験番号3では同値が400A/m2であることが、これらの効果に差異が現れた一因と考えられる。
試験番号10は、概略0Vの電圧の印加時間が、その好ましい範囲である1ns〜10sの範囲を外れた本発明例についての試験である。概略0Vの電圧の印加時間が比較的長いため、浸漬ノズル4の内面の付着酸化物厚さは6.2mmと若干厚く、製品における表面疵発生率は2.1%であった。
試験番号11は、印加電圧の周期が、その好ましい範囲である1ms〜10sの範囲を外れた本発明例についての試験である。浸漬ノズル4内面の付着酸化物の厚さは5.5mm、製品における表面疵の発生率は1.8%であった。
本発明の金属の連続鋳造方法によれば、溶融金属供給部に、正の電圧の印加時間、負の電圧の印加時間、概略0Vの電圧の印加時間、電極間の電気的解放時間、電極間の電気的短絡時間を構成要素として時間的に変化する電圧を印加することにより、上ノズル、流量制御機構および浸漬ノズルなどの溶融金属が流通する耐火物の内面への酸化物などの付着を安定して防止することができる。さらに、連続鋳造の結果得られた鋳片を素材とする製品に、モールドパウダ、酸化物、気泡などの鋳片欠陥に起因する疵が発生するのを防止することができる。上記のとおり、本発明の方法は、浸漬ノズルの閉塞を有効に防止しつつ、高清浄度で良好な品質の鋳片を製造することが可能な連続鋳造方法であり、連続鋳造の安定操業および鋼製品の高清浄化に広く適用できる。
本発明法において用いた溶融金属供給部の一例を模式的に示す縦断面図である。 従来法における直流定常波形による電圧印加の例を示す図である。 界面が平坦な場合のイオンの移動と浸漬ノズル内のイオン濃度を模式的に示す図であり、同図(a)はイオンの移動を示し、同図(b)は浸漬ノズル内のイオン濃度を示す。 界面が平坦でない場合のイオンの移動と浸漬ノズル内のイオン濃度を模式的に示す図であり、同図(a)はイオンの移動を示し、同図(b)は浸漬ノズル内のイオン濃度を示す。 本発明法において印加した直流パルス状波形の電圧の時間変化の例を示す図である。 本発明法による電圧印加方法を用いたときの界面が平坦でない場合のイオンの移動と浸漬ノズル内のイオン濃度を模式的に示す図であり、同図(a)はイオンの移動を示し、同図(b)は浸漬ノズル内のイオン濃度を示す。 本発明法において印加した交流パルス状波形1の電圧の時間変化の例を示す図である。 本発明法において印加した交流パルス状波形2の電圧の時間変化の例を示す図である。 本発明法において印加した正弦波状波形の電圧の時間変化の例を示す図である。 比較法において印加した概略0Vの印加時間が存在しない電圧波形の時間変化の例を示す図である。
符号の説明
1:タンディッシュ、
2:上ノズル、
3:流量制御機構(スライディングゲート)、
4:浸漬ノズル、
5:一方の電極、
6:他方の電極、
7:電源部、
8:溶融金属、
9:鋳型、
10:凝固殻、
11:モールドパウダ、
12:上プレート、
13:下プレート、
14:可動プレート、
15:供給孔、
16:電気配線、
17:吐出孔、
18:通流孔、
19:不活性ガス吹き込み部、
20:酸化物、
21:界面、
22:イオン、
221:イオンの移動方向、
23:スイッチ部。

Claims (5)

  1. タンディッシュから浸漬ノズルまでの内部空間に臨む一方の電極と、前記一方の電極と対をなす他方の電極と、前記一方の電極と他方の電極とに接続された電源部とを設け、前記上ノズル、流量制御機構および浸漬ノズルのうちの1つ以上の少なくとも内面の一部をタンディッシュに収容される溶融金属の融点以上の温度で導電性を有する耐火物で構成し、前記導電性を有する耐火物で構成した部分の1つまたは2つに前記他方の電極を設け、前記他方の電極を設けていない部分にガス吹き込み部を備えた連続鋳造装置の溶融金属供給部を用いて、他方の電極を設けた上ノズル、流量制御機構および浸漬ノズルの内面と、その内部を通過する溶融金属と、前記一方の電極との間に通電して前記溶融金属供給部から溶融金属を鋳型に供給する連続鋳造方法において、他方の電極と一方の電極との間に正の電圧の印加時間および/または負の電圧の印加時間と、概略0Vの電圧の印加時間および/または電極の間を電気的に解放する時間および/または電極の間を電気的に短絡する時間を構成要素として印加電圧を時間的に変化させることを特徴とする金属の連続鋳造方法。
    ここで、正の電圧の印加時間は、一方の電極と他方の電極の間に0V以上の電圧を印加する時間を、負の電圧の印加時間は、一方の電極と他方の電極の間に0V以下の電圧を印加する時間を、そして概略0Vの電圧の印加時間は、一方の電極と他方の電極の間に0−0.1σ以上、0+0.1σ以下の電圧を印加する時間をそれぞれ意味する。ただし、σは測定された時間変化する電圧の標準偏差を表す。
  2. 電圧を印加する際に、前記正の電圧の印加時間と正の電圧の印加時間、正の電圧の印加時間と前記負の電圧の印加時間、負の電圧の印加時間と正の電圧の印加時間または負の電圧の印加時間と負の電圧の印加時間の間に、前記概略0Vの電圧の印加時間および/または前記電極の間を電気的に解放する時間および/または前記電極の間を電気的に短絡する時間を設けることを特徴とする請求項1に記載の金属の連続鋳造方法。
  3. 前記概略0Vの電圧の連続印加時間および/または前記電極の間を電気的に解放する連続時間および/または前記電極の間を電気的に短絡する連続時間および/または前記正の電圧の連続印加時間および/または前記負の電圧の連続印加時間が1ns(ナノセカンド)〜10sであることを特徴とする請求項1または2に記載の金属の連続鋳造方法。
  4. 正の電圧の印加時間および/または負の電圧の印加時間と、概略0Vの電圧の印加時間および/または電極の間を電気的に解放する時間および/または電極の間を電気的に短絡する時間を構成要素とする印加電圧の時間変化の周期を1ms(ミリセカンド)〜10sとすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の金属の連続鋳造方法。
  5. タンディッシュから浸漬ノズルまでの内部空間に臨む一方の電極と、前記一方の電極と対をなす他方の電極と、前記一方の電極と他方の電極とに接続された電源部とを設け、前記上ノズル、流量制御機構および浸漬ノズルのうちの1つ以上の少なくとも内面の一部をタンディッシュに収容される溶融金属の融点以上の温度で導電性を有する耐火物で構成し、前記導電性を有する耐火物で構成した部分の1つまたは2つに前記他方の電極を設け、前記他方の電極を設けていない部分にガス吹き込み部を備えた連続鋳造装置の溶融金属供給部を用いて、他方の電極を設けた上ノズル、流量制御機構および浸漬ノズルの内面と、その内部を通過する溶融金属と、前記一方の電極との間に通電して前記溶融金属供給部から溶融金属を鋳型に供給する連続鋳造方法において、他方の電極と一方の電極との間に正の電流の印加時間および/または負の電流の印加時間と、概略0Vの電流の印加時間および/または電極の間を電気的に解放する時間および/または電極の間を電気的に短絡する時間を構成要素として印加電流を時間的に変化させることを特徴とする金属の連続鋳造方法。
    ここで、正の電流の印加時間は、一方の電極と他方の電極の間に0A以上の電流を印加する時間を、負の電流の印加時間は、一方の電極と他方の電極の間に0A以下の電流を印加する時間を、そして概略0Aの電流の印加時間は、一方の電極と他方の電極の間に0−
    0.1σ1以上、0+0.1σ1以下の電流を印加する時間をそれぞれ意味する。ただし、σ1は測定された時間変化する電流の標準偏差を表す。
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