JP2005066185A - リハビリ用バーチャルリアリティスポーツシステム - Google Patents

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貴司 平下
Kazuyoshi Tsukamoto
一義 塚本
Takahiro Wada
隆広 和田
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Abstract

【構成】 VRスポーツシステムでは、トレイニーのリハビリのためのカリキュラムをカリキュラム設定画面190で設定する。このカリキュラム設定画面には領域設定マップ202が形成され、このマップには肩関節の可動域および肘関節の可動域に相関して20個の領域が表示され、重点領域設定欄212および禁止領域設定欄214にそれぞれ形成された20個の四角表示をマークすることによって、重点領域および禁止領域を個別に設定できる。したがって、リハビリ運動において、トレイニーは、重点領域での運動をより多く実行し、禁止領域での運動が確実に回避される。
【効果】 禁止領域での運動を回避するのでトレイニーに対して安全で、しかも重点領域での運動を多くするのでリハビリ効果を上げやすい。
【選択図】 図18

Description

この発明はバーチャルリアリティスポ―ツシステムに関し、特にたとえば、訓練者、被験者、患者等(以下、まとめて「トレイニー」と呼ぶ。)にテニス、サッカーあるいはスノーボード等のバーチャルリアリティ(Virtual Reality:仮想現実。以下、「VR」とする。)スポーツを行わせて機能回復や身体強化を図る、リハビリテーション(以下、単に「リハビリ」ということがある。)やトレーニングのためのVRスポーツシステムに関する。
たとえば、特許文献1において、たとえばテニスやゴルフのようなスホーツやゲームを擬似体験できるシミュレーション装置が提案されている。
他方、本件発明者等は、これまでバーチャルテニスのリハビリテーション効果、具体的には種々のテニスラケットのスイングにおける関節運動域を調査してきた。この調査によると、フォアハンド、バックハンド、サーブ等のスイングの種類に応じて使用する関節角度が異なり、トータルとして大きな関節運動域を得られることがわかった。このことはバーチャルテニスが関節可動域訓練などを目的としたリハビリに有効であることを示している。
特開平5−309174号公報[A63F 9/22 G06F 15/20 G09B 9/00] 山地、吉井、和田、田中、塚本「バーチャルテニスによるリハビリテーションの実現−テニスによって得られるリハビリテーションの効果」日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会CD−ROM2001年6月
上述の非特許文献1による教示を特許文献1に適用すれば、特許文献1の装置を使ったリハビリのためのVRスポーツシステムを着想することができる。
しかしながら、リハビリのためには、特定部位の特定症状の改善または緩和に有効な運動を行なわせる必要があり、運動のやり方によってはその特定症状を改善または緩和できないどころか却って悪化させてしまう結果にもつながりかねない。たとえば肩関節の可動域制限の症状に、肩関節を大きく動かす運動を適用することは、過重な運動となってしまい、症状の改善にはつながらない。そのため、特許文献1のシミュレーション装置をそのままリハビリ用VRスポーツシステムとして用いても、必ずしもリハビリ効果を有効に発揮できるとは限らない。
それゆえに、この発明の主たる目的は、リハビリに適した、新規なVRスポーツシステムを提供することである。
この発明の他の目的は、トレイニーに対して安全な、VRスポーツシステムを提供することである。
請求項1の発明は、リハビリのためにトレイニーが操作する用具の状態に従って表示画面上でVRスポーツゲームを進行させる、リハビリ用VRスポーツシステムであって、トレイニーに行なわせてはならない禁止領域を設定するための禁止領域設定手段、禁止領域設定手段によって設定された禁止領域をトレイニー毎に登録する禁止領域登録手段、禁止領域登録手段に禁止領域が登録されているとき当該トレイニーによるその禁止領域での運動を強制的に回避させる回避手段を備える、リハビリ用VRスポーツシステムである。
請求項1の発明では、たとえばラケットやボールあるいは回転ボードなどの用具(実施例で相当する部分を参照番号で示せば、18,40,52である。以下、同様。)をトレイニーが操作する。コンピュータ(24)はこの用具の状態、たとえばラケットやボールの位置あるいは回転ボードの回転量に従って表示画面上でバーチャルリアリティスポーツゲームを進行させる。たとえばコンピュータのカリキュラム設定画面上で、禁止領域設定欄(214,244,258)を操作することによって、実施例のたとえばステップS11で禁止領域を設定することができる。この禁止領域設定手段によって設定された禁止領域がコンピュータによって、たとえば実施例の個人カリキュラムマスタ(148)の禁止領域欄(160)に登録される。
トレイニーがコンピュータ(24)でVRスポーツゲームを実行するとき、回避手段(コンピュータ)は、禁止領域登録手段に禁止領域が登録されているときには、たとえばその禁止領域を除外するなどして、トレイニーによるその禁止領域での運動を強制的に回避させる。したがって、トレイニーにとって効果がないかまたは却って有害な運動をトレイニーが実行することがない。したがって、リハビリに特に好適する。
請求項2の発明は、トレイニーに重点的に行なわせたい重点領域を設定するための重点領域設定手段、トレイニー毎に重点領域設定手段によって設定された重点領域を登録するための重点領域登録手段、および重点領域登録手段に重点領域が登録されているとき当該トレイニーにその重点領域での運動を頻繁に行なわせる頻出手段を備える、請求項1記載のリハビリ用VRポーツシステムである。
請求項2の発明では、たとえばコンピュータのカリキュラム設定画面上で、重点領域設定欄(212,242,256)を操作することによって、実施例のたとえばステップS13で重点領域を設定することができる。この重点領域設定手段によって設定された重点領域は、たとえば実施例の個人カリキュラムマスタ(148)の重点領域欄(162)に登録される。
トレイニーがコンピュータ(24)でVRスポーツゲームを実行するとき、頻出手段(コンピュータ)は、重点領域登録手段に重点領域が登録されているときには、たとえばその重点領域の割合を大きくするなどして、トレイニーにより多くその重点領域での運動をさせる。したがって、トレイニーにとって有効な運動をトレイニーが実行することができ、リハビリに特に好適する。
請求項3の発明は、禁止領域および重点領域以外が自由領域となり、頻出手段は所定比率で重点領域と自由領域とを配分する配分手段を含む、請求項2記載のリハビリ用VRスポーツシステムである。
請求項3の発明では、コンピュータは、実施例のたとえばステップS105において、重点領域と自由領域との配分比率たとえば8:2を計算し、その比率に従って重点領域を自由領域に比べてより多くの回数で出現させる。重点領域は自由領域に比べて、トレイニーにとってリハビリ効果が大きく、そのような重点領域での運動を自由領域での運動に比べてより多く実行できるので、トレイニーのリハビリにさらに有効である。
請求項4の発明は、バーチャルリアリティスポーツゲームは表示画面上に表示されたボールをトレイニーが操作する用具の状態に応じて操作するボールゲームであって、回避手段はボールを禁止領域に配球させない配球除外手段を含む、請求項1ないし3のいずれかに記載のリハビリ用VRスポーツシステムである。
請求項4の発明では、コンピュータのような配球除外手段は、配球計算のときに禁止領域を除外するので、トレイニーが禁止領域で運動することが確実に阻止できる。
請求項5の発明は、ボールゲームはボールが表示画面上の所定位置にもたらされたことによって成功となるものであり、さらにトレイニーが操作する用具の状態に拘らずボールが所定位置にもたらされるように軌道を修正する軌道修正手段をさらに備える、請求項4記載のリハビリ用VRスポーツシステムである。
請求項5の発明では、たとえばコンピュータからなる軌道修正手段によって、ボール軌道を修正しする。ラケットがうまく操作できなかったときには、本来であれば、ボールが相手コートへうまく打ち返されず、ゲームが終了してしまうが、軌道修正手段によって軌道修正することによって、成功の確立を上げることができ、ゲームを続行できる。したがって、トレイニーに必要なリハビリ運動時間を容易に確保することができる。
請求項6の発明は、ボールゲームはテニスゲームであり、用具はトレイニーの上肢で操作されるラケットであり、少なくともトレイニーの肩関節および肘関節の可動域に応じて表示画面上で複数の領域が設定され、そのうちの少なくとも1つが禁止領域として設定される、請求項4または5記載のリハビリ用VRスポーツシステムである。
請求項6の発明では、テニスゲームのとき、ラケットはトレイニーの上肢で操作されるので、たとえばトレイニーの肩関節や肘関節の可動域の拡大がリハビリ対象となる。この場合、その肩関節および肘関節の可動域に対応して複数の領域を画面上で表示し、その領域表示をみて、そのうちの少なくとも1つを禁止領域として設定する。したがって、たとえば肩関節および肘関節と禁止領域とを目視によって確認できる。
請求項7の発明は、ボールゲームはサッカーゲームであり、用具はトレイニーの下肢で操作されるボールであり、少なくともトレイニーの股関節および膝関節の可動域に応じて表示画面上で複数の領域が設定され、そのうちの少なくとも1つが禁止領域として設定される、請求項4または記載のリハビリ用VRスポーツシステムである。
請求項7の発明では、サッカーゲームのとき、ボールはトレイニーの下肢で操作されるので、たとえばトレイニーの股関節や膝関節の可動域の拡大がリハビリ対象となる。この場合、その股関節や膝関節の可動域に対応してたとえばサッカーゴル内に複数の領域を表示し、その領域表示をみて、そのうちの少なくとも1つを禁止領域として設定する。したがって、たとえば股関節や膝関節の可動域と禁止領域とを目視によって確認できる。
請求項8の発明は、VRスポーツゲームは表示画面上に表示されたボードをトレイニーが操作する用具の状態に応じて操作するスノーボードゲームであって、ボードが通過する旗門が1対のフラグによって規定され、フラグ横間隔およびフラグ縦間隔の少なくとも一方がトレイニーの腰および膝関節の可動域に応じて複数に区分され、そのうちの少なくとも1つが禁止領域として設定される、請求項1ないし3のいずれかに記載のリハビリ用VRスポーツシステムである。
請求項8の発明では、スノーボードゲームのとき、たとえば回転ボード上にトレイニーが乗ってそのボードの回転量を操作することによって、たとえばスラローム競技を行なえる。スノーボードが通過すべき旗門が1対のフラグによって規定される。フラグ横間隔が大きくなるに従って、またフラグ縦間隔が小さくなるに従って急激な運動になる。そのため、スノーボードゲームではトレイニーの腰の可動域および膝関節の可動域の拡大がリハビリの対象となる。そこで、スノーボードゲームでは、フラグ横間隔およびフラグ縦間隔の少なくとも一方をトレイニーの腰および膝関節の可動域に応じて複数に区分し、そのうちの少なくとも1つを禁止領域として設定するようにした。
この発明によれば、トレイニーによるその禁止領域での運動を強制的に回避させることができるので、トレイニーはリハビリに効果がないか有害な運動を実行することがなく、安全である。
また、重点領域を設定するようにすれば、トレイニーにより多くその重点領域での運動をさせる。したがって、有効な運動をトレイニーがより多く実行することができ、リハビリに特に好適する。
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
図1に示すこの発明の実施例のVRスポーツシステム10は、スクリーン12を含み、このスクリーン12上にプロジェクタ14によってVRスポーツゲームのための映像を表示する。この実施例では、床面上の空きスペースを十分確保するために天吊り型のプロジェクタ14を用いたが、床面据置型のプロジェクタが利用されてもよい。さらに、この実施例では、スクリーン12とプロジェクタ14との組み合わせからなる映像表示装置を用いるが、たとえば大画面テレビジョンなどの他の映像表示装置が利用されてもよい。
この実施例のVRスポーツシステム10において実行可能なVRスポーツの種目は、後述のように、主として上肢の運動のためのテニス、主として下肢の運動のためのサッカーおよび腰を中心とした全身運動のためのスノーボードであるが、テニスの場合、トレイニー16はスクリーン12の前方の実空間でラケット18を実際に振る。ラケット18にはたとえば赤外線LEDのような赤外線マーカ20が設けられていて、この赤外線マーカ20をカメラ22Rおよび22Lで撮影し、カメラ信号を処理(画像処理)することによって、トレイニー16が振ったラケット20の移動軌跡、または移動位置もしくは移動方向を判別または検出する。
つまり、カメラ22Rおよび22Lは赤外線フィルタを装着したたとえばCCDカメラであり、ラケット18のマーカ20を撮影した映像信号(カメラ信号)を出力する。このカメラ信号が図10に示すコンピュータ24に入力され、コンピュータ24はカメラ信号を処理することによって、ビデオフレーム毎に、ラケット18の位置を検出する。そして、スクリーン12上に表示されたテニスボール図形38(図2)とラケット図形32(図2)との衝突等を判定し、テニスゲームを遂行する。
なお、図1のシステム10にはステレオスピーカ26Rおよび26Lが設けられていて、このスピーカ26Rおよび26Lによって打球音や観衆の声援あるいはその他適宜のBGM等が発音される。
また、たとえばバイブレータのような力覚呈示装置(図示せず)をラケット18に取り付ければ、ラケット18によってボールをヒットした打撃感をトレイニー16に与えることができる。
図1実施例のVRスポーツシステム10でテニスゲームを実行する場合のスクリーン12上の表示例が図2に示される。すなわち、コンピュータ24(図10)によって、仮想空間内にテニスコート図形28やネット図形30、さらには観衆図形34が固定的に表示される。コンピュータ24はさらに、コート手前側にトレイニー16によって実空間内で振られたラケット18を表すラケット図形34を表示し、相手方コート内にコンピュータ24によって移動制御されるバーチャルプレーヤまたはコンピュータプレーヤの図形(バーチャルプレーヤ図形)36を表示し、さらにはラケット図形34とバーチャルプレーヤ図形36との間を飛翔するようにテニスボール図形38を移動表示する。
図1実施例でサッカーゲームを実行する場合には、トレイニー16は、図1に示すラケット18に代えて、サッカーボール40を用いる。このサッカーボール40にも赤外線マーカ20が付着されている。また、サッカーボール40はひも42によってたとえば鉄板のような固定板44に取り付けられている。したがって、トレイニー16が足でサッカーボール40を蹴っても、ボール40はそのひも42による許容範囲で移動するにすぎず、実際にどこかへ飛んでしまうことはない。
サッカーゲームをプレイする場合には、図1に示すスクリーン12上には、図4に示す映像が表示される。すなわち、正面にゴール図形46が表示され、それの前にゴールキーパ図形48が表示される。そして、トレイニーにボールをパスするパッサーのパッサー図形49が併せて表示される。このパッサー49からサッカーボール図形50がトレイニーにパスされ、そのボールパスを受けたタイミングでトレイニー16がサッカーボール40を蹴ったとき、ゴール方向へ移動するように、サッカーボール図形50が表示される。
図1実施例ではさらに、テニスやサッカーのようなボール競技とは異なるスノーボードゲームをプレイすることができる。スノーボードとは、実際には、スキーゲレンデで行うもので、1枚の板に横向きで乗り、斜面を滑走するスポーツである。このような「板」として、この実施例では、回転ボード52を用いる。そして、トレイニー16は回転ボード52の上に横向きに乗り、回転軸54を中心にこの回転ボード52を回転させることによって、たとえば図8や図9に示す仮想ゲレンデ上のコースを滑走する。
回転ボード52の詳細が図6および図7に示される。図6および図7を参照して、回転ボード52は細長い長方形の踏板56を含み、この踏板56が回転台58上に固着される。そして、回転台58は、たとえば金属板で有底中空体として形成された支持体60を含む。この支持体60の中空部底板上には、その中心に回転支持軸62が設けられる。回転支持軸62は支持体60の中心で回転可能に設けられていて、この回転支持軸62に回転体64が固着される。回転体64は支持体60と同様の有底中空体として形成され、この回転体の側板66が支持体60の側板68の外側になるように、回転体64の直径が支持体60の直径より僅かに大きくされている。したがって、支持体60と回転体64とは嵌り合い、回転体64は回転支持軸62によって回転可能に支持体60に支持される。
そして、中空部には、回転支持軸62の近傍にポテンショメータ70が支持体60の底板72上に固定的に取り付けられる。ポテンショメータ70は回転部74を含み、この回転部74と回転支持軸62との間にベルト76が掛け渡されている。回転体64が回転すると、それと一体に回転支持軸62が回転し、この回転支持軸62の回転がベルトによって回転部74に伝達されるので、結果的に、ポテンショメータ70は回転体64すなわち踏板56の回転角度量に応じた大きさの電圧を出力する。コンピュータ24はこの電圧の大きさによって回転ボード52の回転角度量を検知することができる。
図1実施例で図5に示すスノーボートを実行する場合には、スクリーン12上には図8や図9に示す映像が表示される。ただし、図8ではコース76は左曲がりに設定されていて、図9では右曲がりに設定されている。そして、いずれの場合にも、コース76上の旗門(図示せず)を通過するスラローム競技を行なうようにボードの先端部を表すボード図形78が表示される。上で述べた回転ボード52に乗って回転させると、ボード図形78がその回角度量に応じた量だけ左右に移動しながら滑り降りることになる。通常、スラローム競技の場合には、よく知られているように、ボード図形78が適宜設定された1対のフラグ(図示せず)の間(旗門)を通過するように回転ボード52を操作する。しかしながら、図面の簡単化のために、この図8および図9ではそれらのフラグの表示を省略していることに留意されたい。
図1実施例のブロック図が図10に示される。先に説明したように、実施例のVRスポーツシステム10はコンピュータ24を含み、このコンピュータ24は、画像入力ボード80にカメラ22Rおよび22Lからのカメラ信号を受ける。そして、グラフィックボード82から映像信号をプロジェクタ14に与え、サウンドボード84からスピーカ26Rおよび26Lに音声信号を与える。
コンピュータ24の内部メモリ86には後述のフロー図で示すプログラムが記憶されているとともに、この内部メモリ86はワーキングメモリやレジスタなどとしても利用される。
コンピュータ24にはメモリインタフェース88を介して外部メモリ90が結合される。この外部メモリ90は、たとえばハードディスクまたはCD−RW、DVD−RWなどのディスクあるいは半導体メモリなど任意の記録媒体または記憶媒体であり、ここではそれらを便宜上「メモリ」と呼ぶことにする。外部メモリ90には、後述のマスタデータが記憶または記録されている。
図11に示す症状マスタ92はリハビリの対象となる症状を規定したもので、上述の外部メモリ90に記憶される。症状マスタ92は症状ID欄94に示した症状ID(番号)毎に症状欄96に具体的な症状、この例では、たとえば「右肩外転・外旋可動領域制限(右肩を外側に回すことができにくいこと、を意味する。)−重度」、「右肩外転・外旋可動領域制限−軽度」、などが設定されている。したがって、症状マスタ92を参照して症状IDをクリックして指定すれば、その症状IDで特定できる症状が読み出される。つまり、症状を選択する場合には症状IDを利用する。
なお、この症状マスタ92の内容はダイナミックに変更されるという性質のものではなく、リハビリ対象となる症状が新しく追加されまたは削除される他は、書き換えられることはない。
図12に示す電子カルテ98は各患者(トレイニー)の個別データや症状を登録しておくもので、上述の外部メモリ90に記憶される。電子カルテ98には、患者ID欄100、氏名欄102、性別欄104、生年月日欄106、保険証番号欄108、および症状ID欄110が設定されている。各欄の内容は容易に理解できるので詳細に説明することはしないが、症状ID欄110には図11の症状マスタ92における症状IDから選択することによってリハビリ対象となっている症状を記入することができる。
図13に示す種目マスタ112は実施例のVRスポーツシステム10で実行できる運動種目を予め登録しておくもので、上述の外部メモリ90に記憶される。種目マスタ112は種目ID欄114と種目欄116とを含み、前者には種目番号が、後者にはたとえばテニス、サッカー、スノーボードのような種目名が登録される。したがって、種目を選択する場合には、種目マスタ112をにおいて種目IDを指定すればよい。
図14に示す訓練項目マスタ118は、患者ないしトレイニーに実行させる訓練項目を予め設定したもので、上述の外部メモリ90に登録されている。この訓練項目マスタ118は、訓練項目ID欄120と、そこに設定されている訓練項目ID毎に訓練項目、たとえば「関節可動域訓練」、「筋力増強訓練」等が登録される訓練項目欄122とを含む。したがって、具体的な訓練項目を選択するためには、訓練項目マスタ118において訓練項目IDを指定すればよい。
図15に示す基本カリキュラムマスタ124は、基本カリキュラム(或る症状に対して一般的に適用されるカリキュラム)を登録するためのものであって、外部メモリ90(図10)に設定される。各トレイニー毎の具体的な訓練カリキュラム(個人カリキュラム)はこの基本カリキュラムをベースにし、それを適宜変更または修正するなどして作成される。
この基本カリキュラムマスタ124は、基本カリキュラムID欄126、症状ID欄128、訓練項目ID欄130、種目ID欄132、禁止領域欄134、重点領域欄136、難易度欄138、運動時間欄140、休憩時間欄142、セット数欄144および訓練期間欄146を含む。
基本カリキュラムID欄126には、各欄128−146に登録した一連の内容を有する1つの基本カリキュラム毎の基本カリキュラムID(番号)が記入される。つまり、1つの基本カリキュラムIDによって示される1つの基本カリキュラムの各項目が固有に各欄126−146に設定される。したがって、具体的な基本カリキュラムを選択するためには、この基本カリキュラムマスタ124を参照して基本カリキュラムIDを指定すればよい。
症状ID欄128には先の症状マスタ92(図11)から選択した症状IDを記入する。同様に、訓練項目ID欄130には訓練項目マスタ118(図14)から選択した訓練項目IDを記入する。種目ID欄132には種目マスタ112(図13)から選択した種目IDを記入する。
基本カリキュラムスタ124には禁止領域欄134および重点領域欄136が設けられるが、ここでの「禁止領域」および「重点領域」については後に詳細に説明する。
基本カリキュラムマスタ124にはさらに、難易度欄138が設けられる。この難易度欄138には、難易度が設定される。難易度は、実施例でいえば、たとえばテニスゲームの場合にはボール速度であり、サッカーゲームの場合にはパス速度であり、スノーボードゲームの場合にはフラッグ横間隔、フラッグ縦間隔および旗門間隔を指す。この難易度欄138には、たとえば3または5段階でボール速度やパス速度を設定でき、あるいはたとえば3または5段階でフラッグ横間隔、フラッグ縦間隔および旗門間隔をそれぞれ設定できる。
さらに、基本カリキュラムマスタ124には、運動時間欄140、休憩時間欄142およびセット数欄144が設けられる。1回のリハビリで実行するセット数をnとし、運動時間x[min]および休憩時間y[min]を加算したものが1セットである(セット=x+y)。これら運動時間、休憩時間およびセット数は、症状に適合させた訓練パターンとして予め固定的に設定されるようにしてもよい。
たとえば、テニスゲームによって右肩外転・外旋に重度の関節可動域制限の症状のためのリハビリを行うためには、合計リハビリ時間を19.5[min]と短めに設定するように、訓練パターンは1セットを6.5[min]、x=5[min]、y=1.5[min]とし、1回のリハビリでは3セット行うように設定する。これを訓練パターン1とする。
同様の症状だが軽度の場合には、たとえば訓練パターン2として、1セットを13[min]、x=10[min]、y=3[min]とし、1回のリハビリでは5セットとし、トータルのリハビリ時間は65[min]と長めに設定する。
なお、このような訓練パターンとしては任意数の訓練パターンを予め決めておいてよいが、ここではこれ以上の説明は省略する。
基本カリキュラムマスタ124にはさらに訓練期間欄146が設けられる。ここでいう訓練期間とは、この基本カリキュラムIDで設定される基本カリキュラムを何日間続けて行うかを示す頻度である。たとえば、上述の症状の場合、重度では60日を、軽度では30日を設定する。
図16に示す個人カリキュラムマスタ148は、図15の基本カリキュラムID欄126がカリキュラムID欄150に変わり、かつ患者ID欄152が設定される以外は、上述の基本カリキュラムマスタ124と実質的に同じである。ただし、基本カリキュラムは一般的な症状に対して一般的に適用されるカリキュラムであるのに対し、個人カリキュラムは患者ID欄152に記入された患者(トレイニー)の具体的症状に対して適用する具体的または特定的なカリキュラムである。なお、患者ID欄152には、先の電子カルテ98で用いられた患者IDが設定される。
なお、基本カリキュラムと個人カリキュラムとを区別するために、同じ名称の欄を異なる番号で表す。すなわち、この図16の個人カリキュラムマスタ148は、症状ID欄154、訓練項目ID欄1156、種目ID欄158、禁止領域欄160、重点領域欄162、難易度欄164、運動時間欄166、休憩時間欄168、セット数欄170、および訓練期間欄172を含む。
図17の実施データマスタ174には、実際に行ったリハビリ用運動ゲームにおいてトレイニーがその種目で成功したかどうかなどを患者(トレイニー)毎に記録として登録する。そのために、この実施データマスタ174には、実施データID欄176および患者ID欄178が設けられる。そして、たとえば、テニスゲームにおいては、ラケットとボールとの交差点座標(X,Y,Z)と、そのラケットとボールとの接触状況(TRUE:成功またはFALSE:失敗)とが記録される。そのために、実施データマスタ174には、さらに、X座標欄180、Y座標欄182、Z座標184および接触状況欄186が形成されている。
ただし、図17ではテニスゲームの場合の実施データ用ファィルが示されるが、他の種目、サッカーゲームやスノーボードゲームでも、少なくとも、成功か失敗かのデータは登録される。
図18は図1実施例のシステム10でテニスを実行する際の基本カリキュラムや個人カリキュラを作成して設定するためのカリキュラム作成画面190を示す。このカリキュラム作成画面190は、コンピュータ24(図10)からのデータに従ってプロジェクタ14によってスクリーン12(図1)上に表示してもよいが、コンピュータ24に本来付属する表示器(図示せず)を用いて表示する。
図18のカリキュラム作成画面190には作成日入力欄192が設けられ、この作成日入力欄192には当該カリキュラムの作成年月日が入力される。カリキュラムを設定する際の基本項目として、症状、状態、訓練項目、種目があるが、このカリキュラム作成画面190にはそれら個別的に対応する入力欄194、196、198、200が形成される。ただし、症状入力欄194には先に図11で説明した症状マスタ92に予め設定されている症状IDをプルダウンメニューで設定できるようにされていて、たとえば症状IDの「1」を選択すると、症状入力欄192に「右肩外転・外旋可動域制限」が入力され表示され、併せて、状態入力欄196にはその症状ID「1」で表される「重度」が入力され表示される。同様に、訓練項目入力欄198では図14に示す訓練項目マスタ118での訓練項目IDが選択的に入力可能であり、種目入力欄200には図13に示す種目マスタ112での種目IDが選択的に入力可能である。ただし、各入力欄198および200には、それぞれ、たとえば「関節可動域訓練」および「テニス」などの具体名が表示される。
カリキュラム作成画面190の中ほどから下部の左側に比較的大きい面積の領域設定マップ202が表示される。この領域設定マップ202は、基本カリキュラムや個人カリキュラムにおいて設定される「禁止領域」および「重点領域」を目視により確認させるためのグラフィックである。
ここで、「禁止領域」とは、各症状IDで表される症状(重度、軽度も区別される)に対して、医学的にみて、全く効果のない運動となる領域や、過度な運動となる領域、さらには症状を逆に悪化させるかもしれない運動となる領域のことをいう。また、「重点領域」とは、各症状に対して、医学的にみて、極めて効果的かまたはかなり効果的な運動となる領域のことをいう。これら禁止領域および重点領域以外の領域はたとえば「自由領域」と呼ぶ。この自由領域は、各症状に対して、上記のいずれでもない運動、つまり、過度にはならず多少効果もある領域のことである。
図18のカリキュラム作成画面190は、テニスゲームを用いるリハビリカリキュラムの領域設定のための画面であり、そのために図18では領域設定マップ202には、人体モデル204とそれを取り巻く領域番号表示206が形成される。
このマップ206の各領域(1)−(20)は、テニスゲームにおいてバーチャルプレーヤ36(図2)がバーチャルゲーム画面(図2)のボール図形38をトレイニー16(図1)へ打ち返すべき返球位置を表す領域である。テニスゲームはトレイニーの上肢の肩関節および肘関節をリハビリの対象とするものであり、この各(1)-(20)は、図18からよくわかるように、ラケットを操作する上肢の特に肩関節の可動域および肘関節の可動域に関連して区分されている。
たとえば、マップ202の水平線208より下方の領域はラケット18(図2の34)を余り大きくスイングしなくても打ち返せる位置を示す領域であり、なかでも下方内側の領域(5),(7),(9),(11),(13)および(15)より下方外側の領域(6),(8),(10),(12),(14)および(16)の方がラケットの上下方向のスイングの大きさは小さくてよい。また、水平線208より上方の領域はラケットを上下方向で比較的大きくスイングしなければ打ち返せない領域であり、なかでも上方内側の領域(1),(3),(17)および(19)より上方外側の領域(2),(4),(18)および(20)の方がラケットスイングの大きさは小さくてよい。
また、マップ202の垂直線210より右方の領域は、たとえば右腕でのフォアハンドの場合にはラケット18を余り大きくスイングしなくても打ち返せる位置を示す領域であり、なかでも右方でかつ下方の領域(11)−(16)は、右方でかつ上方の領域(17)−(20)に比べてラケットの左右方向のスイングの大きさが小さくてよい。そして、垂直線210より左方の領域は、たとえば右腕フォアハンドの場合にはラケット18を比較的大きく左右方向でスイングしなければ打ち返せない位置を示す領域であり、なかでも左方上方の領域(1)−(4)は、左方下方の領域(5)−(10)より大きいラケットスイングを必要とする。ただし、左腕フォアハンドの場合は、右方か左方かについては右腕フォアハンドの場合と逆になるが、上方か下方かについては同じである。
この実施例では、このようなテニスゲームのための領域設定マップ202を参照して、トレイニーのその症状に対して有効な重点領域や、トレイニーのその症状に対しては無効か有害な禁止領域を設定し、テニスゲームを利用して実際にリハビリを行なうときに、重点領域が比較的多くなるようにし、禁止領域へは一切返球させないようにする。これによって、VRスポーツシステム10でテニスゲームを用いるリハビリを一層効果的に行なうようにしている。
そして、カリキュラム作成画面190には、重点領域設定欄212と禁止領域設定欄214とが設けられる。各欄には領域番号(1)−(20)毎に四角記号が形成され、したがって、該当の四角記号をたとえばマウス(図示せず)クリックすることによって、その番号の領域が重点領域または禁止領域として設定でき、そのような領域設定がたとえば四角記号内のチェック印によって視覚的に確認可能に表示される。そして、いずれの欄212および214においてもチェックされなかった領域が自由領域である。
図18のカリキュラム作成画面190の、領域設定欄212および214の下方には、ボール速度設定欄216が形成される。このボール速度設定欄216はテニスゲームでの「難易度」としてのボール速度を設定するために使用するもので、速度調節レバー記号218をたとえばマウスで動かすことによって、ボール速度すなわち難易度が設定できる。ただし、このレバー記号218は任意の場所に止めることができるが、設定できるボール速度(難易度)は、先に説明したように、3−5段階である。
カリキュラム作成画面190には、さらに訓練パターン設定欄220が形成され、この欄220内には、運動時間(x)設定欄222、休憩時間(y)設定欄224およびセット数(n)設定欄226が設けられる。そして、この欄220の下方に、頻度(訓練期間)設定欄228が形成される。いずれの欄222−228もたとえばテンキー(図示せず)を用いて数字を直接書き込むことによって設定できる。
そして、リセットボタン230をマウスでクリックすることによって、それぞれまでの全ての設定や書込みをリセットすることができる。終了ボタン232は設定の終了を入力するためのボタンである。そして、登録ボタン234を操作することによって、そのときにこのカリキュラム作成画面190内に設定されている各設定事項が、内部メモリ86(図10)に、たとえば図15や図16で示すように記憶される。
図19はVRスポーツシステム10でサッカーゲームを用いてリハビリ訓練をするときのカリキュラムを設定するカリキュラム作成画面236を示し、このカリキュラム作成画面236は、以下の点を除いて、図18のカリキュラム作成画面190と同様である。
すなわち、このカリキュラム作成画面236の領域設定マップ238には、サッカーゴールを模したゴール記号240が表示され、その中が9つの領域(1)−(9)に区分されている。サッカーゲームは図3および図4で説明したように、実空間に設置されたボール40をトレイニー16が自分の足で蹴ることによって、ゲーム画面上のボール図形50をゴール図形46の中に蹴り込むシミュレーションゲームである。各領域(1)−(9)は、トレイニー16がボール図形50を蹴り込む位置を示す。サッカーゲームがリハビリ対象とするものはトレイニーの股関節および膝関節の可動域である。したがって、このカリキュラム設定画面では、各領域(1)-(9)がトレイニーの足の蹴り上げ量、すなわち股関節の可動域および膝関節の可動域に関連して区分されている。
中央下段のゴール領域(8)に対しては、トレイニーは上下方向および左右方向ともに最小の蹴り量でボール40を蹴ればよく、したがって、この領域(8)はトレイニーに最も軽い運動をさせることになる。中段、上段の順で、足の上下方向の蹴り量が大きくなり、右側および左側ではそれぞれの方向での蹴り量を中央での蹴り量に比べて大きくする必要がある。したがって、領域(1)または(3)がトレイニーに対して最も重い運動をさせることになる。
この実施例では、このようなサッカーゲームのための領域設定マップ236を参照して、トレイニーのその症状に対して有効な重点領域や、トレイニーのその症状に対しては無効か有害な禁止領域を設定し、サッカーゲームを利用して実際にリハビリを行なうときに、重点領域が比較的多くなるようにし、禁止領域へは一切ゴールさせないようにする。これによって、VRスポーツシステム10でサッカーゲームを用いるリハビリを一層効果的に行なうようにしている。
そこで、カリキュラム作成画面236には、先の重点領域設定欄212および禁止領域設定欄214と同様の、重点領域設定欄242および禁止領域設定欄244が設けられる。各欄には領域番号(1)−(9)毎に四角記号が形成され、したがって、該当の四角記号をたとえばクリックすることによって、その番号の領域が重点領域または禁止領域として設定でき、そのような領域設定がチェック印によって視覚的に確認可能に表示される。そして、いずれの欄242および244においてもマークされなかった領域が自由領域である。
図19のカリキュラム作成画面236の、領域設定欄242および244の下方には、パス速度設定欄246が形成される。このパス速度設定欄246はサッカーゲームでの「難易度」としてのパス速度(図4においてパッサー49がボール図形50をパスするときの速さ)を設定するために使用するもので、速度調節レバー記号248をたとえばマウスで動かすことによって、パス速度すなわち難易度が設定できる。ただし、このレバー記号248は任意の場所に止めることができるが、設定できるパス速度(難易度)は、先に説明したように、3−5段階である。
スノーボードゲームの場合にも、同様に、重点領域や禁止領域という考え方を適用し、症状に合わせてこれら重点領域や禁止領域を適宜設定することにする。したがって、図20のスノーボードゲームのためのカリキュラム作成画面250には、領域設定マップ252が、先の領域設定マップ202(図18)および238(図19)と同様に、表示される。スノーボードゲームの場合には、先に説明したように、たとえばスラローム競技で旗門(1対のフラグ間)を通過する運動をさせるようにしているので、この領域設定マップ252では、フラグ記号254が表示され、「フラグ横間隔」、「フラグ縦間隔」および「旗門間隔」を設定する。フラグ横間隔とは、隣接する1対の旗門の横方向の間隔であり、このフラグ横方向間隔が小さい程トレイニーの腰の回旋は小さくてもクリアできる。つまり、フラグ横間隔が大きいほど体幹(腰)の回旋角度が大きくなり、刺激が強くなる。フラグ縦間隔とは、隣接する1対の旗門の縦方向の間隔であり、このフラグ縦方向間隔が小さい程急激な足の踏み替えが要求される。したがって、このフラグ縦間隔が小さいほと、運動量が多くなり、強い刺激を与えることになる。また、旗門間隔とは、1対の旗門の通過幅(間隔)であり、旗門間隔が大きい程難易度が低くなる。
この実施例では、このようなスノーボードゲームのための領域設定マップ252を参照して、トレイニーの腰関節や膝関節の症状に応じた禁止領域を重点領域を設定し、VRスポーツシステム10でスノーボードゲームを用いるリハビリを一層効果的に行なうようにしている。すなわち、このスノーボードゲームのリハビリ対象は、トレイニーの腰および膝関節の可動域の拡大である。
そこで、このカリキュラム作成画面250には、重点領域設定欄256が設けられ、この重点領域設定欄256には6つの四角記号が形成され、それらが、フラグ横間隔の「大」「中」「小」、およびフラグ縦間隔の「大」「中」「小」のそれぞれに対応する。したがって、どれかの四角記号をクリックすることによってそこへチェック記号を表示させて、フラグ横間隔および/またはフラグ縦間隔の「大」「中」「小」のどれか1つまたは2以上を重点領域として設定する。
同様に、禁止領域設定欄258が設けられる。この禁止領域設定欄258にもフラグ横間隔の「大」「中」「小」、およびフラグ縦間隔の「大」「中」「小」のそれぞれに対応して6つの四角記号が形成される。そして、どれかの四角記号をクリックすることによってそこへチェック記号を表示させて、フラグ横間隔および/またはフラグ縦間隔の「大」「中」「小」のどれか1つまたは2以上を禁止領域として設定する。
このように、スノーボードゲームではボードが通過する旗門が1対のフラグによって規定され、フラグ横間隔およびフラグ縦間隔の少なくとも一方がトレイニーの腰および膝関節の可動域に応じて複数に区分され、そのうちの少なくとも1つを禁止領域として設定出来るようにしている。つまり、禁止領域設定欄258では、フラグ横間隔および/またはフラグ横間隔の「大」「中」「小」を禁止領域として設定することができる。
そして、旗門間隔についてはその広狭が運動量を大きく左右するものではないので、この旗門間隔については、たとえば図18の難易度設定欄216や図19の難易度設定欄246と同様に、難易度設定欄260で設定するものとした。つまり、難易度設定欄260には旗門間隔の「大」「中」「小」のそれぞれに対応して3つの四角記号が形成され、どれか1つの四角記号をクリックすることによって難易度を設定する。
図20のカリキュラム作成画面250で図18のカリキュラム作成画面190と対応するものには同じ参照番号を付して、説明の繰り返しは省略した。
ここで、図21以降のフロー図を参照して、図1実施例のVRスポーツシステム10でカリキュラムを作成し、リハビリを実施し、それを評価する動作および操作を説明する。
まず、図21を参照して、基本カリキュラム作成動作について説明する。図21の最初のステップS1において、まず、コンピュータ24(図10)を用いて、外部メモリ90からそれぞれ図11、図13および図14に示す症状マスタ92、種目マスタ112および訓練項目マスタ118を内部メモリ86(図10)内に読み込む。次のステップS3では、オペレータは、ステップS1で読み込んだ症状マスタ96を表示し、その症状マスタ96内に設定されている症状の症状IDを選択する。この選択は、以下の動作において同様の選択を行なう場合と同じく、たとえばマウスによって該当の症状IDをクリックすることによって、行なわれ得る。続くステップS5において、訓練項目マスタ118のなかの1つの訓練項目IDをクリックして選択する。そして、ステップS7において、種目マスタ116から種目を選択する。
このように3つの項目が入力されると、コンピュータ24は、ステップS9で、その3つの項目で表されるカリキュラム作成画面を表示する。たとえば、種目がテニスゲームの場合には図18のカリキュラム作成画面190が、サッカーゲームの場合には、図19に示すカリキュラム作成画面236が、そしてスノーボードゲームの場合には、図20のカリキュラム作成画面250が表示される。そして、ステップS11−S119まで設定動作または操作を順次実行するが、カリキュラム作成画面での入力操作であるため、必ずしもこの図21におけるステップ番号順序どおり行なわなければならないものではなく、順不同でよいことを予め指摘しておく。
なお、各カリキュラム作成画面において、作成年月日欄192、症状入力欄194、状態入力欄196、訓練項目入力欄198、および種目入力欄200は、先のステップS3−S7までの選択動作によって、自動的に書き込まれているので、改めて入力する操作は必要ではない。
したがって、次のステップS11およびS13では、禁止領域および重点領域をそれぞれ設定する。
図18、図19または図20に示すカリキュラム作成画面190、236または250で基本カリキュラムを設定するときには、オペレータは、先に説明したように領域設定マップ202(図18)、238(図19)または252(図20)を参照して、禁止領域および重点領域をそれぞれ設定する。このとき、症状入力欄194に表示されている症状ではありえない(考えられない)領域が重点領域や禁止領域として設定されてしまうのを防止するために、たとえば、症状(重度か軽度かも含めて)毎に設定可能な重点領域および禁止領域をテーブルに予め書き込んでおき、コンピュータ24が症状をパラメータとしてそのテーブル(図示せず)を参照することによって領域設定の過誤を自動的にチェックするようにしてもよい。この場合、もし該当するときには、エラー表示しかつ再入力または再設定を促すメッセージを表示するようにしてもよい。
ただし、禁止領域については、間違って設定したとしてもリハビリに実害が生じるわけではないので、すなわちフェイルセーフであるので、自動チェックしなくてもよい。
続くステップS15では、難易度設定欄216(図18)、246(図19)または260(図20)において、難易度、テニスゲームの場合のボール速度、サッカーゲームの場合のパス速度、またはスノーボードゲームの場合の旗門間隔をそれぞれ設定する。この難易度についても、その症状では設定してはいけない難易度が間違って設定されたときに、過誤設定を警告できるように、コンピュータ24による自動チェックシステムを用いるようにしてもよい。
そして、ステップS17で訓練パターン設定欄220において、運動時間,休憩時間およびセット数を設定するとともに、頻度設定欄228において頻度(訓練期間)をそれぞれ設定する。訓練パターンや訓練期間についても、その症状では設定してはいけない訓練パターンや訓練期間が間違って設定されたときに、訓練パターンや訓練期間の過誤設定を警告できるように、コンピュータ24が自動チェックするようにしてもよい。
そして、ステップS21において、オペレータは、カリキュラム作成画面の登録ボタン234を操作して、ここまでで設定した基本カリキュラムを登録する。ただし、ステップS23で未入力項目が発見された場合には、再度ステップS3−S19の任意のステップを実行する。
ステップS23で未入力項目がないと判断した場合、すなわちステップS23で“YES”が判断されたとき、次のステップS25で、コンピュータ24は、ステップS3−S7で入力した3項目の組で特定できる基本カリキュラムが既に登録されていないかどうか、判断する。すなわち、このステップS25で、コンピュータ24は、図15に示す基本カリキュラムマスタ124を外部メモリ90中で参照して、3項目で特定される既に登録済みの基本カリキュラムがあるかどうか判断する。
そして、重複する基本カリキュラムがないときには、このステップS25で“YES”が判断され、ステップS27でその新規作成した基本カリキュラムが基本カリキュラムマスタ124に登録される。逆に既登録基本カリキュラムがある場合には、ステップS25で“NO”が判断され、この場合には、ステップS29で基本カリキュラムマスタ124に上書き登録(更新)が行なわれる。
このようにして、図21の動作または操作を実行することによって基本カリキュラムが作成・登録されるが、この基本カリキュラムは、図22のフロー図に従って作成する個人カリキュラムの基礎データとなるものである。
図22を参照して、ステップS31では、医師による診断を受ける。そして、続くステップS33において、オペレータは、その医師の診断に基づいて、電子カルテ98(図12)を作成する。このとき、症状マスタ92(図11)で症状IDを選択することによって、電子カルテ内に症状が自動的に登録できる。
その後ステップS35において、カリキュラム作成アプリケーションを起動する。図示していないが、このカリキュラム作成アプリは図18、図19または図20のカリキュラム作成画面を利用するアプリケーションであり、電子カルテ作成アプリを終了させてもしくはそれと並列で起動させる。
そして、ステップS37で患者名入力画面(図示せず)を表示するとともに、ステップS39でこの患者名から電子カルテを内部メモリ86に読み込む。
続くステップS41では、入力された患者名に該当する個人カリキュラムがあるかどうか確認する。この確認は、外部メモリ90(図10)の個人カリキュラムマスタ146(図16)を、患者名をインデックスまたはパラメータとして参照することによって行なえる。
既登録個人カリキュラムがない場合には、このステップS41で“NO”が判断され、続くステップS43で、コンピュータ24によって、外部メモリ90の基本カリキュラムマスタ124(図15)を症状IDをキーワードまたはインデックスとして検索することによって、該当する基本カリキュラムデータを読み込む。そしてオペレータは、ステップS45でカリキュラム作成画面190、236または250(図18−図20)を表示し、ステップS47で、先に図21を参照して説明したと同様の方法で、個人カリキュラムを作成する。
既登録個人カリキュラムがある場合には、ステップS41で“YES”が判断されるので、次のステップS49で、コンピュータ24によって、外部メモリ90の個人カリキュラムマスタ148(図16)を患者IDをキーワードまたはインデックスとして検索することによって、該当する個人カリキュラムデータを内部メモリ86に読み込む。そして、たとえばその患者の症状が緩和または改善されたときなどで、その既登録個人データを変更する必要があれば、オペレータは、ステップS51でカリキュラム作成画面190、236または250(図18−図20)を表示し、ステップS53で、図21と同様の方法で、個人カリキュラムを更新する。
このようにして作成または更新された個人カリキュラムに従って図23−図26に示すようにリハビリが実施される。ただし、図23−図26および以下の説明では、実行されるゲームが主としてテニスゲームである場合について説明しているので、その点に留意されたい。
図23の最初のステップS61では、VRスポーツゲームを実行するに当って患者または個人カリキュラムを読み込むために、患者IDを入力する。このときトレイニー(患者)は図1などに示すようにスクリーン12の前方の所定位置でスタンバイしているので、キーボードやマウスが使えない可能性が高い。したがって、このステップS61では、テニスならラケットの位置、サッカーなら足の位置、スノーボードならボードの回転位置などで患者IDを入力するようにすればよい。
続いて、コンピュータ24は、ステップS63で、その患者IDをキーとして個人カリキュラムマスタ148を参照して、その患者の個人カリキュラムが既に設定されているかどうか判断する。“NO”の場合には、医師による診断が必要な場合と、健康増進トレーニングの場合とが考えられる。したがって、どちらの場合かをユーザに選択させる。
既登録カリキュラムが存在するときには、ステップS65でその個人カリキュラムを読み込む。そして、ステップS67で、その個人カリキュラムから各種カリキュラムデータ、種目、禁止領域、重点領域、難易度、訓練パターン(運動時間、休憩時間、セット数)を、たとえば内部メモリ86に初期設定する。
次のステップS69で、そのVRスポーツゲームによるリハビリ実施要領をトレイニーに理解させるための説明や図解を表示する。トレイニーが理解した段階でゲームスタートとなる。つまり、実行指示が入力される。したがって、ステップS71で“YES”が判断される。ゲーム実行が指示されると、ステップS67で設定されたセット数(n)だけ繰り返す「LOOP1」が設定される。つまり、このとき特に説明しないが、コンピュータ24(図10)は、たとえば図2に示すVRスポーツ現地代理人のための映像をスクリーン12に表示させるように、プロジェクタ18にその映像信号を供給する。
ゲーム実行の最初で、ステップS73で、ステップS67で個人カリキュラムに基づいて設定された難易度、テニスゲームの場合のボール速度、サッカーゲームの場合のパス速度、またはスノーボードゲームの場合の旗門間隔をそれぞれ設定する。ここでの説明はテニスゲームについて行なわれるので、ボール速度が難易度として設定される。
続くステップS75では、コンピュータ24は、パーチャルプレーヤ36(図2)によってサーブを行なわせる。患者(トレイニー)プレーヤがサーブするようにしてもよいが、サーブのためには腕を大きく上げる必要があり、そのような腕の位置は禁止領域に含まれることになってしまう可能性が高いので、この実施例では、常にバーチャルプレーヤのサーブでゲームを開始させることとした。
このときのボール速度はステップS73で設定したボール速度であり、ボールの軌道がステップS77で生成される。このボール軌道の生成は、具体的には、図25に示すサブルーチンで実行される。このサブルーチンは、バーチャルプレーヤまたはコンピュータプレーヤがトレイニープレーヤに対して返球する際のボール軌道を生成する。このとき、個人カリキュラムで禁止領域として設定された領域に対してはバーチャルプレーヤから返球させないように、返球の際のボール軌道を制御する。その理由は、バーチャルプレーヤから禁止領域へ返球すると、トレイニープレーヤがそれを打ち返そうとするため、トレイニープレーヤが禁止領域へ返球してしまうことが起き、結果的にトレイニーに対して不要であるかまたは有害である運動を強制する結果になるからである。このような結果が生じることは、禁止領域を設定することによって効果的なリハビリ運動をさせようとする趣旨に反することになる。
具体的には、最初のステップS101で、ステップS65で読み込んだ個人カリキュラムに含まれる禁止領域および重点領域の領域番号を読み込む。そして、ステップS103で禁止領域を除外する。つまり、禁止領域を返球領域としては除外することによって、禁止領域へのバーチャルプレーヤからの返球を完全に回避することができる。つまり、ステップS105が回避手段を構成する。そして、ステップS105において、たとえば統計情報を活用して、重点領域への返球と自由領域への返球の割合(配球比率)を計算する。一例として、重点領域が80%、自由領域が20%となるように配球比率を計算する。このステップS105では重点領域での運動をより多く出現させることになるので、これが頻出手段に相当する。それとともに、このステップS105では重点領域と自由領域との出現比率を変えて配分するので、ステップS105はまた配分手段として機能する。このように、重点領域と自由領域とを織り交ぜることによって、ゲームが単調になることを回避する。そして、ステップS107で返球ボールの到達点を計算し、ステップS109でその到達点までのボール軌道を計算する。そして、ステップS111で実際に配球する。それによって図2に示すテニスボール図形38が表示され、トレイニーはそのボール図形38をラケット図形34で打ち返すように、実空間でラケット18を振る。
なお、このボール軌道生成動作は、実施例ではバーチャルプレーヤまたはコンピュータプレーヤが返球するときにリアルタイムで計算している。しかしながら、個人カリキュラムを読み込んだときに1度だけ軌道を計算して蓄えておき、実際のゲーム中において必要な都度その蓄積しているボール軌道データを利用するようにしてもよい。
そして、図24のステップS79に戻って、上述のようにしてトレイニーが実際に振ったラケットの位置を計算し取得する。具体的には、図1および図2に示す赤外線カメラ22Lおよび22Rが赤外線マーカ20(図1)を撮影したカメラ信号を処理(画像
処理)することによって、ラケット位置が求まる。その後、ステップS81において、コンピュータ24は、図17に示すような実施データを取得する。この実施データは、ラケットとボールとの交差点座標(X,Y,Z)と、ラケットとボールとが接触したかどうか、すなわちトレイニーが振るラケット16でボールを打ったかどうかのデータ(TRUEまたはFALSE)を取得する。
そして、次のステップS83で、コンピュータ24は、ラケットとボールとの接触の有無を判断する。非接触のときには、このステップS83で“NO”が判断され、続くステップS85で、2バウンド目がバーチャルプレーヤまたはコンピュータプレーヤ側のコート内かどうか判断する。その判断は、2回目のボールとコート地面との接触位置が相手コート内かコート外か判断することによって、行われる。相手コート内の場合には患者側にスコアを加算して更新する。相手コート外のときにはバーチャルプレーヤのスコアを更新する。いずれの場合にも、ステップS75に戻り、サーブは必ずバーチャルプレーヤまたはコンピュータプレーヤが行うようにする。その理由は、先に説明したように、サーブ動作がトレイニーの禁止領域として設定される可能性が高いからである。
先のステップS83で衝突が検出されると、このステップS83で“YES”が判断され、次のステップS91に進む。
ステップS91では、軌道修正動作を行う。この軌道修正動作は、トレイニーの打ち返したボールをイン(IN)にするかアウト(OUT)にするかを決定する制御であり、具体的には、図26に示すサブルーチンで実行される。
図26の最初のステップS121で、ステップS79でのラケット位置、ステップS85やS89でのスコア、およびそのときまでの運動時間のデータを取得する。そして、ステップS123で、トレイニーが打ち返したボールの到達点を計算する。この到達点が相手コート内になるかどうか、ステップS125で判断する。
ステップS125で“NO”が判断されたとき、すなわちトレイニーの打ち返したボールの到達点が相手コート内ではないときには、次のステップS127でその到達点を修正するかどうか判断する。この判断は先に取得した両者のスコアや運動時間に基づいて行う。たとえば、運動時間はまだ短いのにスコアから見ればゲームがまもなく終了してしまうような場合には、有効なリハビリ運動をトレイニーに与えることができなくなる。そこで、このような場合には、トレイニーの操作するラケットの位置ないし状態に拘わらず到達点が相手コート内になるように修正することによって、ゲームを続行させ、個人カリキュラムに設定されている運動時間になるように軌道修正する。つまり、ステップS129で到達点をそのように修正する。
ステップS123で計算した到達点またはステップS129で修正計算した到達点に対して、ステップS131でボール軌道を計算する。その後、ステップS133で実際に配球する。このとき、コンピュータ24は、プロジェクタ18に与える映像信号を制御して、VRゲーム画面上にボール図形38(図2)をそれが移動するように表示する。
図24のステップS93に戻って、トレイニーが打ち返したボールが相手コート内かどうか判断する。“NO”なら、ステップS75に戻り、“YES”なら、バーチャルプレーヤがそのボールを返球できるように、ステップS95でバーチャルプレーヤの位置を変更(移動)するとともに、ステップS97でバーチャルプレーヤに返球動作を行わせる。そして、設定されたセット数(n)になるまで、先のステップS73からステップS97を繰り返し実行する。
最後に、図27のフロー図を参照して、上述のようにして実施したリハビリの評価について説明する。ステップS141の医師による診察または診断を経て、ステップS143で、オペレータはコンピュータ24に患者名を入力する。ステップS145で、その患者名または患者IDによって電子カルテ98(図12)を内部メモリ86(図10)内に読み込む。そして、ステップS147において、オペレータはステップS141の診断結果に基づいて、必要に応じて電子カルテを更新する。たとえば、症状の変化(緩和または改善あるいは悪化など)が見られるとき、その情報に従って電子カルテを更新する。
次にステップS149において、先のステップS81(図24)で収集した実施データを読み込む。この実施データには、先にも説明したようにラケットとボールとの交差点座標(X,Y,Z)とラケットとボールとの接触判定結果とが含まれるので、次のステップS151では、これらのデータに基づいて成功率(トレイニーがバーチャルプレーヤ側コートにボールを打ち返した率)を算出する。このとき、何回打って何回成功裏に打ち返したかという単純な成功率を求めるだけでもよいが、リハビリ目的のためには、たとえば関節可動域訓練で振られたラケットの位置が重要であるので、ラケットとボールとの交差点座標(X,Y,Z)が重点領域にあるか、自由領域にあるか、あるいは禁止領域にないかなどを加味して成功率を計算するようにしてもよい。たとえば、ラケットとボールとの交差点座標が重点領域にある場合には成功率を1.2倍にし、自由領域にある場合はそのままで、禁止領域にある場合には0.5倍にするなど、領域に応じて重み付けすれば、リハビリ目的のためにより合理的な評価が可能である。
ステップS151で計算した成功率をステップS153で表示してトレイニーに確認させ、その表示を見ながら、ステップS155では医師または理学療法士によって回復度合いを診断する。このステップS155での一定期間毎の診断によって、ステップS157で、そのー時実施した個人カリキュラムの適否を判断する。このステップS157での判断結果が「適」であったときには、すなわちその個人カリキュラムでリハビリを実施した結果改善の所見が得られたときには、ステップS159において、たとえば図16に示す個人カリキュラムマスタ148に適正フラグ(図示せず)を付与する。逆に「否」の場合には、すなわちその個人カリキュラムでリハビリを実施した結果改善の所見が得られなかったときには、ステップS161でその個人カリキュラムを更新するとともに、ステップS163で必要に応じて基本カリキュラムマスタ124(図15)内の基本カリキュラムの該当部分を更新する。このようにカリキュラムをその都度更新し、その更新を数回繰り返すことにより、個人カリキュラムや基本カリキュラムが平均化され、より適切なカリキュラムの設定か期待できる。
上述の説明では、基本的に、テニスゲームを利用してリハビリを実施する場合について説明したが、サッカーゲームではボール40(図3)を蹴ってボール図形50をゴール図形46(ともに図4)内にゴールインさせる点が大きく異なるだけで、ステップS77での軌道生成においてパッサー49(図4)がパスするときに禁止領域への配球はしないとか、ステップS91でのように軌道修正するとか、については同じような考え方が適用可能であることはいうまでもない。
同様に、図5に示すスノーボードゲームをプレイする場合にも、症状に合わせて禁止領域や重点領域を設定する。そして、たとえばフラグ横間隔の「小」が禁止領域として設定された場合には、図8および図9で示す画面に旗門を表示する際に、フラグ横間隔を「小」で表示することなく、フラグ横間隔を「中」または「大」として表示することによって、禁止領域における運動をトレイニーに強制しないという、この実施例の考え方を適用することができる。
また、上述のステップS161およびS163では医師やオペレータがカリキュラムを変更するようにしたが、或る程度データが蓄積されると、患者の症状や診断データ、さらにはリハビリ実施データに基づいてコンピュータ24が自動的にカリキュラムを更新することもできるようになる。
図1はこの発明の一実施例のVRスポーツシステムにおいてテニスゲームを実行する状態を示す図解図である。 図2は図1実施例においてテニスゲームを実行するときにスクリーン上に表示される映像の一例を示す図解図である。 図3は図1実施例においてサッカーゲームを実行する状態を示す図解図である。 図4は図1実施例においてサッカーゲームを実行するときにスクリーン上に表示される映像の一例を示す図解図である。 図5は図1実施例においてスノーボードゲームを実行する状態を示す図解図である。 図6はスノーボードゲームのための回転台の一例を示す図解図である。 図7は図6に示す回転台の内部構造を示す図解図である。 図8は図1実施例においてスノーボードゲームを実行するときにスクリーン上に表示される映像の一例を示す図解図である。 図9は図1実施例においてスノーボードゲームを実行するときにスクリーン上に表示される映像の他の例を示す図解図である。 図10は図1実施例の電気的構成を示すブロック図である。 図11は図10に示す外部メモリに記憶されている症状マスタの一例を示す図解図である。 図12は図10に示す外部メモリに記憶されている電子カルテの一例を示す図解図である。 図13は図10に示す外部メモリに記憶されている種目マスタの一例を示す図解図である。 図14は図10に示す外部メモリに記憶されている訓練項目マスタの一例を示す図解図である。 図15は図10に示す外部メモリに記憶されている基本カリキュラムマスタの一例を示す図解図である。 図16は図1実施例で作成された個人カリキュラムマスタの一例を示す図解図である。 図17は図1実施例で作成された実施データの一例を示す図解図である。 図18は図1実施例においてテニスゲームによる基本カリキュラムまたは個人カリキュラムを作成するためのカリキュラム作成画面の一例を示す図解図である。 図19は図1実施例においてサッカーゲームによる基本カリキュラムまたは個人カリキュラムを作成するためのカリキュラム作成画面の一例を示す図解図である。 図20は図1実施例においてスノーボードゲームによる基本カリキュラムまたは個人カリキュラムを作成するためのカリキュラム作成画面の一例を示す図解図である。 図21は図1実施例における基本カリキュラム作成動作を示すフロー図である。 図22は図1実施例における個人カリキュラム作成動作を示すフロー図である。 図23は図1実施例においてテニスゲームを用いてリハビリを実施するときの動作を示すフロー図である。 図24は図1実施例においてテニスゲームを用いてリハビリを実施するときの図23に後続する動作を示すフロー図である。 図25は図24実施例における軌道生成サブルーチンを示すフロー図である。 図26は図24実施例における軌道修正サブルーチンを示すフロー図である。 図27は図1実施例においてリハビリ評価を実施するときの動作を示すフロー図である。
符号の説明
10 …VRスポーツシステム
12 …スクリーン
14 …プロジェクタ
16 …トレイニー
18 …ラケット
20 …マーカ
22R,22L …カメラ
24 …コンピュータ
40 …ボール
52 …回転ボード
86 …内部メモリ
90 …外部メモリ
92 …症状マスタ
98 …電子カルテ
116…種目マスタ
118…点訓練項目マスタ
124…基本カリキュラムマスタ
148…個人カリキュラムマスタ
174…実施データマスタ
190,236,250…カリキュラム作成画面
202,238,252…領域設定マップ
212,242,256…重点領域設定欄
214,244,258…禁止領域設定欄
216,246,260…難易度設定欄

Claims (8)

  1. リハビリのためにトレイニーが操作する用具の状態に従って表示画面上でバーチャルリアリティスポーツゲームを進行させる、リハビリ用バーチャルリアリティスポーツシステムであって、
    前記トレイニーに行なわせてはならない禁止領域を設定するための禁止領域設定手段、
    前記禁止領域設定手段によって設定された禁止領域をトレイニー毎に登録する禁止領域登録手段、
    前記禁止領域登録手段に前記禁止領域が登録されているとき当該トレイニーによるその禁止領域での運動を強制的に回避させる回避手段を備える、リハビリ用バーチャルリアリティスポーツシステム。
  2. 前記トレイニーに重点的に行なわせたい重点領域を設定するための重点領域設定手段、
    前記トレイニー毎に前記重点領域設定手段によって設定された重点領域を登録するための重点領域登録手段、および
    前記重点領域登録手段に前記重点領域が登録されているとき当該トレイニーにその重点領域での運動を頻繁に行なわせる頻出手段を備える、請求項1記載のリハビリ用バーチャルリアリティスポーツシステム。
  3. 前記禁止領域および前記重点領域以外が自由領域となり、
    前記頻出手段は所定比率で前記重点領域と前記自由領域とを配分する配分手段を含む、請求項2記載のリハビリ用バーチャルリアリティスポーツシステム。
  4. 前記バーチャルリアリティスポーツゲームは前記表示画面上に表示されたボールを前記トレイニーが操作する前記用具の状態に応じて操作するボールゲームであって、
    前記回避手段は前記ボールを前記禁止領域に配球させない配球除外手段を含む、請求項1ないし3のいずれかに記載のリハビリ用バーチャルリアリティスポーツシステム。
  5. 前記ボールゲームは前記ボールが前記表示画面上の所定位置にもたらされたことによって成功となるものであり、さらに
    前記トレイニーが操作する前記用具の状態に拘らず前記ボールが前記所定位置にもたらされるように軌道を修正する軌道修正手段をさらに備える、請求項4記載のリハビリ用バーチャルリアリティスポーツシステム。
  6. 前記ボールゲームはテニスゲームであり、前記用具は前記トレイニーの上肢で操作されるラケットであり、
    少なくとも前記トレイニーの肩関節および肘関節の可動域に応じて表示画面上で複数の領域が設定され、そのうちの少なくとも1つが前記禁止領域として設定される、請求項4または5記載のリハビリ用バーチャルリアリティスポーツシステム。
  7. 前記ボールゲームはサッカーゲームであり、前記用具は前記トレイニーの下肢で操作されるボールであり、
    少なくとも前記トレイニーの股関節および膝関節の可動域に応じて表示画面上で複数の領域が設定され、そのうちの少なくとも1つが前記禁止領域として設定される、請求項4または記載のリハビリ用バーチャルリアリティスポーツシステム。
  8. 前記バーチャルリアリティスポーツゲームは前記表示画面上に表示されたボードを前記トレイニーが操作する前記用具の状態に応じて操作するスノーボードゲームであって、
    前記ボードが通過する旗門が1対のフラグによって規定され、フラグ横間隔およびフラグ縦間隔の少なくとも一方が前記トレイニーの腰および膝関節の可動域に応じて複数に区分され、そのうちの少なくとも1つが禁止領域として設定される、請求項1ないし3のいずれかに記載のリハビリ用バーチャルリアリティスポーツシステム。
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