JP2005065829A - 固綿クッション材およびその製造方法 - Google Patents

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【課題】 製綿機にて形成される固綿本体より高硬度の部材を使用することなく固綿クッション材の部位により適宜異なる硬度を有する固綿クッション材、および該固綿クッション材を簡易に製造することができる方法を提供する。
【解決手段】 本発明の固綿クッション材1は、ウエブシートが折り畳まれて積層され、加熱圧着されてなる固綿クッション材1であって、積層量が該固綿クッション材の部位により適宜異なっている。また、本発明の固綿クッション材1の製造方法は、固綿クッション材1を製造するにあたり、製綿機のスイングコンベアにてウエブシートを折り畳みながら積層し、その際、該スイングコンベアの振り幅を適宜変化させて、積層量を固綿クッション材の部位により適宜変化させる工程と、得られた積層体3を加熱圧着する工程と、を含む。
【選択図】 図1

Description

本発明は、固綿クッション材およびその製造方法に関し、詳しくは、身体の頭部、背部、脚部の載置される箇所で夫々異なる硬度を有する固綿クッション材およびその簡易な製造方法に関する。
従来より、寝具として使用される固綿クッション材において、脚部に比べ、より体重のかかる背部及び腰部、頭部に対応する部位が高硬度を有する部材にて構成されているバランス固綿がある。
実登録第2574160号公報(第1−2頁、図1、図2)
上記特許文献1に開示されたバランス固綿では、前部と、中間部と、後部とから一体的に形成され、所定の厚さを有する方形のポリエステル製固綿の前部および中間部の厚さ内に、固綿本体より高い硬度を有する二枚の平板状の当接部材が互いに所定間隔を存して後部の一側面と面一に内蔵されている。この当接部材は、それぞれ身体の頭部、背部及び腰部に、該後部の一側面が脚部に当接するように構成されていると共に、前部の当接部材と中間部の当接部材との間隔、中間部の当接部材と後部の当接部材との境界がそれぞれ折り目として三つ折り自在に構成されている。
しかしながら、上記特許文献1に開示されているように、固綿内に固綿本体より高い硬度を有する二枚の当接部材を内蔵させるには、製造過程において、コンベアーの進行方向に向けて予め長尺部材のロールを所定間隔に存して並列配置させ、かかるロールをコンベアーにより巻出すことが必要である。そのため、製造装置の増設や製造時間の増大によりコスト高になると共に、加工中に長尺部材とシート部材とのズレが生じるおそれがあるという問題もあった。
そこで本発明の目的は、製綿機にて形成される固綿本体より高硬度の部材を使用することなく固綿クッション材の部位により適宜異なる硬度を有する固綿クッション材、および該固綿クッション材を簡易に製造することができる方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の固綿クッション材は、ウエブシートが折り畳まれて積層され、加熱圧着されてなる固綿クッション材であって、積層量が該固綿クッション材の部位により適宜異なっていることを特徴とするものである。
本発明の固綿クッション材においては、前記積層量が身体の頭部、背部、脚部が載置される箇所で夫々異なっていることが好ましく、また、折り畳みを容易にするための折込ラインが少なくとも1箇所設けられていることが好ましい。
また、本発明の固綿クッション材の製造方法は、前記固綿クッション材を製造するにあたり、
製綿機のスイングコンベアにてウエブシートを折り畳みながら積層し、その際、該スイングコンベアの振り幅を適宜変化させて、積層量を固綿クッション材の部位により適宜変化させる工程と、得られた積層体を加熱圧着する工程と、を含むことを特徴とするものである。
本発明の製造方法においては、振り幅の異なる複数のスイングコンベアにて積層量を変化させてもよい。
本発明の固綿クッション材は、積層量が該固綿クッション材の部位により適宜異なっているため、身体の頭部、背部、脚部が載置される箇所を夫々異なる硬度にて形成することができる。これにより、就寝中の腰部の沈みや歪みを解消して、快適な睡眠が得られる。また、前記固綿クッション材に折込ラインを設けることにより、折り畳みが容易となる。これにより、収納や運搬面での利便性が向上する。
本発明の製造方法は、スイングコンベアの振り幅を変化させることによりウエブシートの積層量の多い部分と少ない部分とを容易に面一状態にて形成することができることから、積層量を多くした箇所は他の部分より硬度を高めることができる。また、振り幅の異なる複数のスイングコンベアを使用してもよく、この場合も、固綿の硬度調節を自在に調節することもできる。
図1に、本発明に従う固綿クッション材の全体斜視図を、図2乃至図8において本発明の固綿クッション材の製造方法を、図9において折込ラインを設けた製綿機を、図10において振り幅の異なる複数のスイングコンベアによる製造方法を、図11乃至図13において従来の固綿の製造方法を表す。
先ず、図11乃至図13に基づき、製綿機による固綿の積層方法につき説明する。
カード機より製出されたウエブシートwをフィードコンベア20にて上昇させ、スイングコンベア21内に送り込ませる。送り込まれたウエブシートwは、下部がガイドレール23に沿って移行するスイングコンベア21にて前後(左右)方向に振り出され、下方のフロアコンベア22上に積層される。しかる後、積層されたウエブシートwはフロアコンベア22にて加熱装置24内へ送られ、面一状態に加熱、圧着成形されて後方に搬送され、所定幅に切断されて固綿25が形成されることになる。
ここで、カード機より製出されたウエブシートwは、単繊維と、該単繊維同士を相互に接着させる接着繊維または接着剤とから構成することが好ましい。この単繊維は、ポリエステル、ポリアミド、アクリル、ポリプロピレンなどの合成繊維が好ましく、より好ましくはポリエチレンテレフタレートの如きポリエステル繊維を使用する。また、用途に応じ、羊毛、木綿などの天然繊維を単独でまたは合成繊維と混合して使用することもできる。
単繊維の長さは、カード機からのウェッブ製出状態の関係から、20mm〜100mmのものであることが好ましく、より好ましくは30mm〜70mmの範囲のものである。また、単繊維の太さは、種々の特性、例えば、弾力性、風合い、強力、防音性などの点から1.5〜50デニール、好ましくは2〜30デニールのものである。なお、単繊維の断面は特に制限されるべきものではなく、中空、中実、偏平などいずれのものでも使用することができる。
次に、単繊維同士を相互に接着させる接着繊維または接着剤としては、繊維状の形態の他に、粒状、膜状、液状などの形態のものを使用することができるが、加工性、使用中の接着剤の脱落、接着強力などの点から、近年、開発、実用化が目ざましい様々の用途に応じた各種機能、性能が付与された繊維形状の接着剤、すなわち接着繊維が好ましい。
接着手段としては、熱融解、乾燥などの方法が挙げられるが、好ましくは熱融解によるものとする。単繊維を構成する非溶解繊維に比べ、好ましくは50〜160℃低い温度で溶融するものを使用する。かかる繊維状接着剤としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレン等の、熱溶融接着機能を有する合成繊維が挙げられる。より好ましくは、単繊維を構成する非溶解繊維と同じ種類の繊維状接着剤とし、太さは非溶解繊維より同一重量ならば繊維本数が多くなって接着効果が高まる、より細いデニールが好ましい。
非溶融性の単繊維と接着繊維との混合比率は、十分な接着性と弾力性との観点から、重量比で、好ましくは95:5〜30:70、より好ましくは50:50〜90:10の範囲である。この場合の単繊維は、性質、規格の異なる2種以上の配合でもよい。
また、ウエブシートwの平均繊維密度は、好ましくは5〜100g/m2である。5g/m2未満では、密度が不足し折り畳み加工による積層形成が困難となり、弾力、強力の面で不十分である。一方、100g/m2を超えると折り畳み加工時の繊維断層が生じるなどの不具合が発生するので好ましくない。
次に、スイングコンベアの振り幅を適宜変化させて積層量を固綿クッション材の部位により適宜変化させる好適方法について詳述する。図2乃至図4に示すように、フィードコンベアから送られてきたウエブシートwは、下部がガイドレール11に沿って移行するスイングコンベア10にて長さ方向幅(例えば、2m程度)に振り出され、下方のフロアコンベア12上に積層される。次に、図3に示すように、ガイドレール11に具備されたリミットスイッチ(図示せず)等でスイングコンベア10の振り幅を調節することにより、任意幅の積層部Aが得られる。さらに、図4の(a)に示すように、スイングコンベア10の振り幅を調節することで、任意幅の積層部Bが得られる。また(b)に示すように、スイングコンベア10の振り幅を適宜調節することで、図示する所望の積層部を設定することも可能となる。なお、図8はウエブシートwがフロアコンベア12上に積層された状態の斜視図である。
上述の一連の作業を行うことにより、図5に示す異なる積層量を施したウエブシートwの積層体3が形成される。
次いで、積層体3は、フロアコンベア12にて加熱装置13へと送り込まれ、加熱、圧着処理され、図6に示す面一状態の固綿本体2が形成される。なお、加熱装置13は、ウエブシートwの加熱装置として既知の装置を使用することができ、特に制限されるべきものではない。
形成された固綿本体2は任意のサイズに切断され本発明の固綿クッション材1が得られる。この際、積層部aはやや硬度があり、積層部bは高い硬度が得られ、積層部cは緩衝性を有する状態に形成される。なお、夫々の硬度の異なる積層部を設けることにより、積層部周縁での折り曲げが可能となり、固綿クッション材1の折り畳作業を行うことができる。
また、特に、図7に示すように、積層部aを身体の頭部が、積層部bを加重の高い身体の背部や臀部が、積層部cを脚部が載置される幅に設定することが好ましい。そのことにより、就寝中の不自然な身体の沈みや歪みが解消され、快適な睡眠が得られる。
他の好適例として、固綿クッション材1に、折り畳みを容易とする折込ライン14を設けることが好ましい。かかる折込ライン14を設ける方法としては、図9の(a)(b)に示すように、加熱装置13の出口に、複数の円板15を備えたシャフト16を設置し、移動中の固綿本体2が圧着硬化される前に円板15によりV字状の折込ライン14を設ける方法が挙げられる。そのことにより、固綿クッション材1を折込ライン14に沿って容易に折り畳むことができ、収納や運搬面での利便性が向上する。
また、他の好適例として、図10に示すように、フロアコンベア12上に振り幅の異なる複数のスイングコンベア10′、10″を設置することが好ましい。この場合、例えばスイングコンベア10′の振り出し幅をa′とし、スイングコンベア10″の振り出し幅をa″と設定することにより、ウエブシートwの積層量を自在に変化させることができる。
このようにして製造された図1に示す本発明の好適例の固綿クッション材1は、敷き布団やマットレスとしての寝具に使用されるものである。また、固綿クッション材1は、スイングコンベアの振り幅を変化させ積層量を変化させることにより、夫々の積層部a、b、cにて固綿本体2の硬度が異なっており、製造上も有利である。
本発明に従う固綿クッション材の全体斜視図である。 前記固綿クッション材の製造方法の一例、ウエブシートの積層方法を示す説明図である。 振り幅を変えたウエブシートの積層方法を示す説明図である。 (a)(b)はさらに振り幅を変えたウエブシートの積層方法を示す説明図である。 積層されたウエブシートの側面図である。 面一状態に加熱、圧着された固綿本体の側面図である。 前記固綿本体の使用状態の平面図である。 積層されたウエブシートの斜視図である。 (a)(b)は固綿本体に折込ラインを設ける方法を示す説明図である。 振り幅の異なる複数のスイングコンベアを設置した製綿機の平面図である。 一般的な式製綿機によるウエブシートの積層方法の正面図である。 前記製綿機の側面図である。 前記製綿機の平面図である。
符号の説明
1 固綿クッション材
2 固綿本体
3 積層体
10、21 スイングコンベア
11、23 ガイドレール
12、22 フロアコンベア
13、24 加熱装置
14 折込ライン
15 円板
16 シャフト
20 フィードコンベア
25 固綿
w ウエブシート
A、B、a、b、c 積層部

Claims (5)

  1. ウエブシートが折り畳まれて積層され、加熱圧着されてなる固綿クッション材であって、積層量が該固綿クッション材の部位により適宜異なっていることを特徴とする固綿クッション材。
  2. 前記積層量が身体の頭部、背部、脚部が載置される箇所で夫々異なっている請求項1記載の固綿クッション材。
  3. 折り畳みを容易にするための折込ラインが少なくとも1箇所設けられている請求項1または2記載の固綿クッション材。
  4. 請求項1〜3のうちいずれか一項記載の固綿クッション材を製造するにあたり、
    製綿機のスイングコンベアにてウエブシートを折り畳みながら積層し、その際、該スイングコンベアの振り幅を適宜変化させて、積層量を固綿クッション材の部位により適宜変化させる工程と、得られた積層体を加熱圧着する工程と、を含むことを特徴とする固綿クッション材の製造方法。
  5. 振り幅の異なる複数のスイングコンベアにて積層量を変化させる請求項4記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP6067914B1 (ja) * 2016-07-01 2017-01-25 東京化セン株式会社 マットレス構造体

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