JP2005064991A - 90度移相器 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、位相比較器の出力レベルが過大となった場合であっても、安定した分周動作を行い、90度位相差を持つ出力信号を高精度に得ることが可能な90度移相器を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る90度移相器は、入力信号に対して周波数が1/2で互いに90度の位相差を持つ2系統の信号を出力する1/2分周器30と、1/2分周器30の出力信号を位相比較する位相比較器40と、位相比較器40の出力信号を制限するリミッタ回路50と、を有して成り、リミッタ回路50の出力信号を直流オフセットとして1/2分周器30の入力端に帰還する構成としている。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明に係る90度移相器は、入力信号に対して周波数が1/2で互いに90度の位相差を持つ2系統の信号を出力する1/2分周器30と、1/2分周器30の出力信号を位相比較する位相比較器40と、位相比較器40の出力信号を制限するリミッタ回路50と、を有して成り、リミッタ回路50の出力信号を直流オフセットとして1/2分周器30の入力端に帰還する構成としている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、半導体集積回路上に構成される90度移相器に関し、特に、ディジタル通信における直交変復調器用の90度移相器に関する。
ディジタル通信においては、QPSK[Quadrature Phase Shift Keying]のように、変復調器に高精度の90度位相差が要求される変調方式が用いられる。90度移相器に関しては、従来から様々な技術が提案されており、Tフリップフロップを用いた90度移相器に関して、出力位相差を高精度に90度とする技術も開示・提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
図8は、Tフリップフロップを用いた90度移相器の一従来例を示す回路図である。本図に示すように、従来の90度移相器は、入力端子100と、結合コンデンサ200と、Tフリップフロップを用いた1/2分周器300と、位相比較器400と、DCアンプ500と、出力端子600、700と、を有して成る。
入力端子100は、結合コンデンサ200を介して1/2分周器300の入力端に接続されている。従って、入力端子100に与えられた入力信号は、結合コンデンサ200によって直流成分を除去されてから1/2分周器300に入力される。1/2分周器300は、結合コンデンサ200を介して入力された信号に対し、周波数が1/2で互いに90度の位相差を持つ2系統の信号を生成する。位相比較器400は、1/2分周器300で得られた2つの信号の位相を比較して、その位相差が90度の場合はゼロを出力し、位相差が90度からずれている場合はそのずれに応じた電圧を出力する。DCアンプ500は位相比較器40の出力信号を増幅し、その出力信号を直流オフセットとして1/2分周器300の入力端に帰還する。出力端子600、700は、1/2分周器300の出力信号を外部に送出する。
図9は上記構成から成る90度移相器の入出力波形の一例を示す図である。本図において、波形A1は、直流オフセットや歪みのない入力信号であり、波形B1、C1は、該入力信号A1から生成される2つの出力信号である。本図に示すように、Tフリップフロップを用いた1/2分周器300において、出力信号B1は、入力信号A1が立下がりでゼロクロスするタイミングで立ち上がり、出力信号C1は、入力信号A1が立上がりでゼロクロスするタイミングで立ち下がる。従って、理想的な入力信号A1に対してTフリップフロップを用いた1/2分周器300が理想的に動作すれば、出力信号B1と出力信号C1の位相差は正確に90度となる。
次に、入力信号に直流オフセットが発生している場合について説明する。図10は上記構成から成る90度移相器の入出力波形の他の一例を示す図である。本図において、波形A2は、直流オフセットΔV1を有する入力信号であり、波形B2、C2は、該入力信号A2から生成される2つの出力信号である。ここで、出力信号B2は、前述と同様、入力信号A2が立下がりでゼロクロスするタイミングで立ち上がる。また、出力信号C2は、入力信号A2が立上がりでゼロクロスするタイミングで立ち下がる。このような場合、本図からも明らかなように、出力信号B2、C2の位相差は、入力信号A2の直流オフセットΔV1により発生したデューティ比50%からのずれによって90度から大きくずれてしまう。なお、ここでは入力信号に直流オフセットがある場合について考えたが、入力信号のデューティ比が波形の歪み等によって50%からずれた場合も、同様に2つの出力信号の位相差は90度からずれることになる。
そこで、上記構成から成る90度移相器では、入力信号の直流オフセットや歪みによるデューティ比の変動、或いは、1/2分周器300自体が持つ誤差(1/2分周器300を構成する素子の相対的な特性ばらつきに応じた誤差)に起因して生じる2つの出力信号の位相差90度からのずれを位相比較器400によって検出し、1/2分周器300の直流オフセットとして入力端に帰還している。なお、上記構成から成る90度移相器では、フィードバックループゲインを高めるために、位相比較器400の出力信号をDCアンプ500によって増幅している。
特開平8−237077号公報
確かに、上記構成から成る従来の90度移相器であれば、1/2分周器300に対する入力信号の直流電圧レベルをフィードバックループによって制御することで、出力端子600、700から出力される2つの出力信号の位相差を90度に維持することができる。なお、1/2分周器300が正常に動作しているとき、DCアンプ500から出力される直流オフセットは、入力信号のデューティ比がほぼ50%になる電圧になっているはずであり、これは図10におけるΔV1がほぼゼロになっていることを意味している。
しかしながら、上記構成から成る90度移相器では、その電源投入直後等に、Tフリップフロップを用いて成る1/2分周器300への直流オフセット(位相比較器400の出力レベル)が過大になると、Tフリップフロップの入力段を構成する差動トランジスタの各ベースに与えられる直流電圧に大きな差が生じてしまい、該差動トランジスタの一方が常にオン状態となって、両差動対は入力信号に応じたスイッチング動作を行うことができなくなり、その結果として1/2分周器300が分周動作を行えなくなる場合があった。特に、位相比較器400の後段にDCアンプ500を有する90度移相器では、位相比較器400の出力信号レベルが小さくても、DCアンプ500から1/2分周器300の入力端に与えられる直流オフセットがDCアンプ500のゲイン分だけ大きくなるため、上記課題が生じやすかった。このように、入力信号の直流オフセットによって1/2分周器300が分周動作しなくなるのは、概念的には図10に示した入力信号の直流オフセットΔV1が入力信号振幅を超えた状態であると考えることができる。
なお、上記課題の要因である入力信号の直流オフセットは、集積回路を構成するトランジスタや抵抗など、同一チップ上に形成された素子の相対的な特性ばらつきに起因して生じるものであり、製造上、このようなばらつきを完全に排除することは不可能であった。
本発明は、上記の問題点に鑑み、位相比較器の出力レベルが過大となった場合であっても、安定した分周動作を行い、90度位相差を持つ出力信号を高精度に得ることが可能な90度移相器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る90度移相器は、入力信号が与えられる入力端子と、前記入力信号の直流成分を除去する直流成分除去手段と、前記直流成分除去手段の出力信号に対して周波数が1/2で互いに90度の位相差を持つ2系統の信号を出力する1/2分周器と、該1/2分周器の出力信号を位相比較する位相比較器と、該位相比較器の出力信号を制限するリミッタ回路と、前記1/2分周器の出力信号を外部に送出するための出力端子と、を有して成り、前記リミッタ回路の出力信号を直流オフセットとして前記1/2分周器の入力端に帰還する構成としている。なお、上記構成から成る90度移相器にて、前記1/2分周器は、Tフリップフロップを用いて成る構成にするとよい。
このような構成とすることにより、集積回路上に形成された素子の相対的な特性ばらつきに起因して、90度移相器の電源投入直後等に位相比較器の出力レベルが過大となった場合であっても、1/2分周器の入力端に正常動作範囲を超える直流オフセットが入力されることはないので、1/2分周器は正常に分周動作を行うことができる。従って、90度移相器は安定に動作し続けることができ、90度位相差を持つ出力信号を高精度に得ることが可能となる。
また、上記構成から成る90度移相器は、前記位相比較器と前記リミッタ回路との間に前記位相比較器から出力される信号の不要交流成分を除去するローパスフィルタを備えて成る構成にするとよい。このような構成とすることにより、位相比較器から出力される信号の不要交流成分を除去することができるので、1/2分周器を良好な状態で動作させることができ、90度位相差を持つ出力信号を高精度に得ることが可能となる。
また、上記構成から成る90度移相器は、前記位相比較器と前記リミッタ回路との間に前記位相比較器から出力される信号を増幅する増幅器を備えて成る構成にするとよい。このような構成とすることにより、フィードバックループゲインを増幅器のゲイン分だけ高くすることができるので、フィードバックループの安定状態では1/2分周器の2つの出力信号の位相差を高精度で90度にすることが可能となる。
また、上記構成から成る90度移相器にて、前記入力端子、前記直流成分除去手段、前記1/2分周器、前記位相比較器、前記リミッタ回路、及び前記出力端子は、いずれも差動形式である構成にするとよい。このような構成とすることにより、外部からのノイズや電源・グランドからのノイズ、電圧変動等の影響を受けにくくなるので、IC化に適した90度移相器を得ることができる。
また、上記構成から成る90度移相器において、前記リミッタ回路は、ダイオードを用いて成る構成にするとよい。このような構成とすることにより、位相比較器から出力される差動信号は、前記ダイオードのオン電圧に応じた所定範囲に制限されることになる。従って、リミッタ回路の出力端に上記範囲を超える過大な直流オフセットが生じることはなく、入力端子からの入力信号に対して1/2分周器が上記範囲の直流オフセットで十分に動作するように設計しておけば、90度移相器の電源投入直後等に位相比較器の出力レベルが過大となった場合であっても、1/2分周器は常に正常動作することが可能となる。
また、上記構成から成る90度移相器において、前記リミッタ回路は、少なくとも1段以上の抵抗負荷の差動増幅器を用いて成る構成にするとよい。このような構成とすることにより、このとき、位相比較器から出力される差動信号は、差動増幅器を構成する電流源の電流値と抵抗との積に応じた所定範囲に制限されることになる。従って、リミッタ回路の出力端に上記範囲を超える過大な直流オフセットが生じることはなく、入力端子からの入力信号に対して1/2分周器が上記範囲の直流オフセットで十分に動作するように設計しておけば、90度移相器の電源投入直後等に位相比較器の出力レベルが過大となった場合であっても、1/2分周器は常に正常動作することが可能となる。
また、上記構成から成る90度移相器において、前記1/2分周器は、ベースが入力端子に接続され、エミッタが第1の電流源に接続された第1のトランジスタと;ベースが反転入力端子に接続され、エミッタが第1のトランジスタのエミッタに接続された第2のトランジスタと;エミッタが第1のトランジスタのコレクタに接続され、コレクタが第1の出力端子及び一端が電源に接続された第1の抵抗の他端に接続され、ベースが第4の出力端子に接続された第3のトランジスタと;エミッタが第1のトランジスタのコレクタに接続され、コレクタが第2の出力端子及び一端が電源に接続された第2の抵抗の他端に接続され、ベースが第3の出力端子に接続された第4のトランジスタと;エミッタが第2のトランジスタのコレクタに接続され、コレクタが第1の出力端子に接続され、ベースが第2の出力端子に接続された第5のトランジスタと;エミッタが第2のトランジスタのコレクタに接続され、コレクタが第2の出力端子に接続され、ベースが第1の出力端子に接続された第6のトランジスタと;ベースが反転入力端子に接続され、エミッタが第2の電流源に接続された第7のトランジスタと;ベースが入力端子に接続され、エミッタが第7のトランジスタのコレクタに接続された第8のトランジスタと;エミッタが第7のトランジスタのコレクタに接続され、コレクタが第3の出力端子及び一端が電源に接続された第3の抵抗の他端に接続され、ベースが第1の出力端子に接続された第9のトランジスタと;エミッタが第7のトランジスタのコレクタに接続され、コレクタが第4の出力端子及び一端が電源に接続された第4の抵抗の他端に接続され、ベースが第2の出力端子に接続された第10のトランジスタと;エミッタが第8のトランジスタのコレクタに接続され、コレクタが第3の出力端子に接続され、ベースが第4の出力端子に接続された第11のトランジスタと;エミッタが第8のトランジスタのコレクタに接続され、コレクタが第4の出力端子に接続され、ベースが第3の出力端子に接続された第12のトランジスタと;を有して成る構成にするとよい。
このようにTフリップフロップを用いて成る1/2分周器であれば、入力信号に対して周波数が1/2で互いに90度の位相差を持つ2系統の信号を生成することができる。なお、上記構成から成る1/2分周器への直流オフセット(位相比較器の出力レベル)が過大である場合、リミッタ回路がなければ、第1のトランジスタと第2のトランジスタの差動対及び第7のトランジスタと第8のトランジスタの差動対の各ベースに与えられる直流電圧に大きな差が生じてしまい、第1、第7のトランジスタまたは第2、第8のトランジスタが常にオン状態となって、両差動対は入力信号に応じたスイッチング動作を行うことができなくなり、その結果として正常に分周動作を行えなくなる。しかし、本発明に係る90度移相器はリミッタ回路を有して成り、1/2分周器への直流オフセットは、リミッタ回路によってTフリップフロップの正常動作範囲に制限されるため、90度移相器の電源投入直後等に位相比較器の出力レベルが過大となった場合であっても、1/2分周器は常に正常動作することが可能となる。
上記したように、本発明に係る90度移相器であれば、位相比較器の出力レベルが過大となった場合であっても、安定した分周動作を行い、90度位相差を持つ出力信号を高精度に得ることが可能となる。
まず、本発明に係る90度移相器の第1実施形態について詳細に説明する。図1は本発明に係る90度移相器の第1実施形態を示すブロック図である。本図に示す通り、本実施形態の90度移相器は、入力端子10と、直流成分除去手段20(本実施形態では、結合コンデンサ20)と、1/2分周器30と、位相比較器40と、リミッタ50と、出力端子60、70と、を有して成る。
入力端子10は、結合コンデンサ20を介して1/2分周器30の入力端に接続されている。従って、入力端子10に与えられた入力信号は、結合コンデンサ20によって直流成分を除去されてから1/2分周器30に入力される。1/2分周器30は、結合コンデンサ20を介して入力された信号に対し、周波数が1/2で互いに90度の位相差を持つ2系統の信号を生成する。位相比較器40は、1/2分周器30で得られた2つの信号の位相を比較して、その位相差が90度の場合はゼロを出力し、位相差が90度からずれている場合はそのずれに応じた電圧を出力する。リミッタ回路50は、位相比較器40の出力信号レベルを1/2分周器30が正常に動作する範囲に制限し、その出力信号を直流オフセットとして1/2分周器30の入力端に帰還する。出力端子60、70は、1/2分周器30の出力信号を外部に送出する。
ここで、1/2分周器30で得られた2つの出力信号の位相差が90度からずれている場合を考える。この場合、位相比較器40は、上記のずれに応じた電圧を出力し、リミッタ回路50を通して1/2分周器30の入力端に直流オフセットを与える。なお、1/2分周器30の入力直流電圧と出力信号位相差との相関関係は、1/2分周器30の特性として決まっている。従って、リミッタ回路50を通して、位相比較器40の出力端と1/2分周器30の入力端とを適切な極性で接続しておけば、1/2分周器30で得られる2つの出力信号の位相差が90度であるときにフィードバックループが安定となるようにすることができる。
すなわち、本実施形態のように、フィードバックループ内にリミッタ回路50を設置していれば、集積回路上に形成された素子の相対的な特性ばらつきに起因して、90度移相器の電源投入直後等に位相比較器40の出力レベルが過大となった場合であっても、1/2分周器30の入力端に正常動作範囲を超える直流オフセットが入力されることはなく、1/2分周器30は正常に分周動作を行うことができる。1/2分周器30が一旦動作を開始すれば、フィードバックループの動作によって1/2分周器30への直流オフセットはほぼゼロとされるため、1/2分周器30及び位相比較器40は、いずれも正常状態に維持され、フィードバックループも安定状態となる。従って、90度移相器は安定に動作し続けることができ、90度位相差を持つ出力信号を高精度に得ることが可能となる。
なお、上記構成から成る90度移相器を良好に動作させるために、1/2分周器30としては、例えばTフリップフロップを用いることが考えられる。
次に、本発明に係る90度移相器の第2実施形態について詳細に説明する。図2は本発明に係る90度移相器の第2実施形態を示すブロック図である。本図に示す通り、本実施形態の90度移相器は、前出の第1実施形態とほぼ同様の構成から成り、位相比較器40とリミッタ回路50との間に、位相比較器40から出力される信号の不要交流成分を除去するローパスフィルタ80(以下、LPF80と呼ぶ)を備えて成ることを特徴とするものである。そこで、第1実施形態と同様の部分については、図1と同一符号を付すことで説明を省略し、以下では、本実施形態の特徴部分について重点を置いた説明を行う。
前述したように、位相比較器40は、1/2分周器30で得られた2つの信号の位相を比較して、その位相差が90度からずれている場合はそのずれに応じた電圧を出力する。しかし、位相比較器40の出力信号には、通常、位相比較の結果として必要となる直流成分だけでなく、入力信号の周波数に関連した交流成分が含まれている。該交流成分は、1/2分周器30の出力にスプリアスを発生させるなど、90度移相器の動作精度低下を招く要因となり得る。これに対して、本実施形態のように、位相比較器40とリミッタ回路50との間にLPF80を設置していれば、位相比較器40から出力される信号の不要交流成分を除去することができるので、1/2分周器30を良好な状態で動作させることができ、90度位相差を持つ出力信号を高精度に得ることが可能となる。
次に、本発明に係る90度移相器の第3実施形態について詳細に説明する。図3は本発明に係る90度移相器の第3実施形態を示すブロック図である。本図に示す通り、本実施形態の90度移相器は、前出の第1実施形態とほぼ同様の構成から成り、位相比較器40とリミッタ回路50との間に、位相比較器40から出力される信号を増幅するDCアンプ90を備えて成ることを特徴とするものである。そこで、第1実施形態と同様の部分については、図1と同一符号を付すことで説明を省略し、以下では、本実施形態の特徴部分について重点を置いた説明を行う。
本実施形態の90度移相器を構成するフィードバックループは、位相比較器40によって1/2分周器30の2つの出力信号の位相差ずれを検出し、その検出結果に応じた直流オフセットを1/2分周器30の入力端に帰還させる構成である。従って、1/2分周器30の2つの出力信号の位相差を高精度で90度とするには、ある程度高いフィードバックループゲインが要求される。そこで、本実施形態のように、位相比較器40とリミッタ回路50との間にDCアンプ90を設置すれば、フィードバックループゲインをDCアンプ90のゲイン分だけ高くすることができるので、フィードバックループの安定状態では1/2分周器30の2つの出力信号の位相差を高精度で90度にすることが可能となる。
なお、本実施形態のようにDCアンプ90を設置した場合、位相比較器40の出力信号レベルが小さくても、DCアンプ90から1/2分周器30の入力端に与えられる直流オフセットは、DCアンプ90のゲイン分だけ大きくなる。そのため、リミッタ回路50を設置していなければ、90度移相器の電源投入直後等に1/2分周器30への直流オフセットが正常動作範囲を超えて分周動作が不可能になる、といった事態を招きかねない。しかし、本発明に係る90度移相器は、フィードバックループ内にリミッタ回路50を具備して成り、1/2分周器30に帰還される直流オフセットは該リミッタ回路50によって制限される。従って、1/2分周器30の入力端にその正常動作範囲を超える直流オフセットが入力されることはなく、1/2分周器30は正常に分周動作を行うことができる。
次に、本発明に係る90度移相器の第4実施形態について詳細に説明する。図4は本発明に係る90度移相器の第4実施形態を示すブロック図である。本図に示す通り、本実施形態の90度移相器は、前出の第1実施形態とほぼ同様の構成から成り、入力端子11、結合コンデンサ21、1/2分周器31、位相比較器41、リミッタ回路51、及び出力端子61を、いずれも差動形式としたことに特徴を有している。本実施形態のように、90度移相器を構成する各回路部及びフィードバックループを差動形式とすることにより、外部からのノイズや、電源・グランドからのノイズ、電圧変動等の影響を受けにくくなるので、IC化に適した90度移相器を得ることができる。
次に、本発明に係る90度移相器の第5実施形態を挙げ、リミッタ回路51の一構成例について詳細に説明する。図5は本発明に係る90度移相器の第5実施形態を示すブロック図である。本図に示す通り、本実施形態の90度移相器において、前出の第4実施形態と同様の構成から成り、リミッタ回路51は、カソードが位相比較器41の出力端に接続され、アノードが位相比較器41の反転出力端に接続されたダイオードDaと、アノードが位相比較器41の出力端に接続され、カソードが位相比較器41の反転出力端に接続されたDbと、を有して成る。
ここで、ダイオードDa、Dbのオン電圧をVonとすると、位相比較器41から出力される差動信号は、上記構成から成るリミッタ回路52によって、−Vonから+Vonの範囲に制限されることになる。従って、リミッタ回路51の出力端に上記範囲を超える過大な直流オフセットが生じることはなく、入力端子11からの入力信号に対して1/2分周器31が上記範囲の直流オフセットで十分に動作するように設計しておけば、90度移相器の電源投入直後等に位相比較器41の出力レベルが過大となった場合であっても、1/2分周器31は常に正常動作することが可能となる。
次に、本発明に係る90度移相器の第6実施形態を挙げ、リミッタ回路51の他の一構成例について詳細に説明する。図6は本発明に係る90度移相器の第6実施形態を示すブロック図である。本図に示すように、本実施形態の90度移相器において、前出の第4実施形態と同様の構成から成り、リミッタ回路51は、npn型バイポーラトランジスタQa、Qbと、抵抗Ra、Rbと、電流源Iaと、から成る差動増幅器で構成されている。リミッタ回路51の差動出力端に相当するトランジスタQa、Qbのコレクタには、各々抵抗Ra、Rbを介して、直流電圧が印加されている。トランジスタQa、Qbのエミッタは、互いに接続されており、その接続ノードは、電流源Iaを介して接地されている。リミッタ回路51の差動入力端に相当するトランジスタQa、Qbのベースは、位相比較器41の差動出力端に各々接続されている。
ここで、位相比較器41からの出力がトランジスタQaとトランジスタQbで構成される差動対の入力ダイナミックレンジよりも十分に大きい場合について考える。このとき、リミッタ回路51の出力は、電流源Iaの電流値と抵抗Raまたは抵抗Rbとの積をVOとおくと、−VOから+VOの範囲に制限されることになる。従って、リミッタ回路51の出力端に上記範囲を超える過大な直流オフセットが生じることはなく、入力端子11からの入力信号に対して1/2分周器31が上記範囲の直流オフセットで十分に動作するように設計しておけば、90度移相器の電源投入直後等に位相比較器41の出力レベルが過大となった場合であっても、1/2分周器31は常に正常動作することが可能となる。
次に、本発明に係る90度移相器の第7実施形態を挙げ、1/2分周器31の一構成例について詳細に説明する。図7は本発明に係る90度移相器の第7実施形態を示すブロック図である。本図に示す通り、本実施形態の90度移相器において、前出の第4実施形態と同様の構成から成り、1/2分周器31は、npn型バイポーラトランジスタQ1〜Q12と、抵抗R1〜R4と、電流源I1、I2と、を有して成る。なお、出力端子61、71は、1/2分周器31の2つの出力信号を出力する差動信号出力端子であり、出力端子61は、0°の周波数信号を出力する第1の出力端子61aと、180°の周波数信号を出力する第2の出力端子61bとから成る。一方、出力端子71は、90°の周波数信号を出力する第3の出力端子71aと、270°の周波数信号を出力する第4の出力端子71bとから成る。
トランジスタQ1は、ベースが結合コンデンサ21aを介して入力端子11aに接続されており、エミッタが定電流源I1を介して接地されている。トランジスタQ2は、ベースが結合コンデンサ21bを介して反転入力端子11bに接続されており、エミッタがトランジスタQ1のエミッタに接続されている。トランジスタQ3は、エミッタがトランジスタQ1のコレクタに接続されており、コレクタが第1の出力端子61a及び一端が電源に接続された抵抗R1の他端に接続されており、ベースが第4の出力端子71bに接続されている。トランジスタQ4は、エミッタがトランジスタQ1のコレクタに接続されており、コレクタが第2の出力端子41b及び一端が電源に接続された抵抗R2の他端に接続されており、ベースが第3の出力端子71aに接続されている。トランジスタQ5は、エミッタがトランジスタQ2のコレクタに接続されており、コレクタが第1の出力端子61aに接続されており、ベースが第2の出力端子61bに接続されている。トランジスタQ6は、エミッタがトランジスタQ2のコレクタに接続されており、コレクタが第2の出力端子61bに接続されており、ベースが第1の出力端子61aに接続されている。トランジスタQ7は、ベースが結合コンデンサ21bを介して反転入力端子11bに接続されており、エミッタが電流源I2に接続されている。トランジスタQ8は、ベースが結合コンデンサ21aを介して入力端子11aに接続されており、エミッタがトランジスタQ7のエミッタに接続されている。トランジスタQ9は、エミッタがトランジスタQ7のコレクタに接続されており、コレクタが第3の出力端子71a及び一端が電源に接続された抵抗R3の他端に接続されており、ベースが第1の出力端子61aに接続されている。トランジスタQ10は、エミッタがトランジスタQ7のコレクタに接続されており、コレクタが第4の出力端子71b及び一端が電源に接続された抵抗R4の他端に接続されており、ベースが第2の出力端子61bに接続されている。トランジスタQ11は、エミッタがトランジスタQ8のコレクタに接続されており、コレクタが第3の出力端子71aに接続されており、ベースが第4の出力端子71bに接続されている。トランジスタQ12は、エミッタがトランジスタQ8のコレクタに接続されており、コレクタが第4の出力端子71bに接続されており、ベースが第3の出力端子71aに接続されている。
上記構成から分かるように、本実施形態の1/2分周器31は、Tフリップフロップを用いて成る。このような構成することにより、該1/2分周器31は、入力信号に対して周波数が1/2で互いに90度の位相差を持つ2系統の信号を生成することができる。
ここで、本実施形態の効果を考えるために、リミッタ回路51がない場合を考える。この場合、Tフリップフロップを用いて成る1/2分周器31への直流オフセット(位相比較器41の出力レベル)が過大であると、トランジスタQ1とトランジスタQ2の差動対及びトランジスタQ7とトランジスタQ8の差動対の各ベースに与えられる直流電圧に大きな差が生じてしまい、トランジスタQ1、Q7若しくはトランジスタQ2、Q8が常にオン状態となって、両差動対は入力信号に応じたスイッチング動作を行うことができなくなり、その結果として1/2分周器31は分周動作を行えなくなる。これに対して、本実施形態のように、リミッタ回路51を設置することにより、1/2分周器31への直流オフセットは、リミッタ回路51によってTフリップフロップの正常動作範囲に制限されるので、90度移相器の電源投入直後等に位相比較器41の出力レベルが過大となった場合であっても、1/2分周器31は常に正常動作することが可能となる。
以上のように、本発明に係る90度移相器は、ディジタル放送受信装置等の信号変復調手段の構成に有用であり、その送受信精度向上に貢献し得るものである。
10、11 入力端子
20、21 直流成分除去手段(結合コンデンサ)
30、31 1/2分周器
40、41 位相比較器
50、51 リミッタ
60、61、70、71 出力端子
80 ローパスフィルタ(LPF)
90 DCアンプ
Da、Db ダイオード
Ra、Rb 抵抗
Qa、Qb npn型バイポーラトランジスタ
Ia 電流源
R1、R2、R3、R4 抵抗
Q1〜Q12 npn型バイポーラトランジスタ
I1、I2 電流源
20、21 直流成分除去手段(結合コンデンサ)
30、31 1/2分周器
40、41 位相比較器
50、51 リミッタ
60、61、70、71 出力端子
80 ローパスフィルタ(LPF)
90 DCアンプ
Da、Db ダイオード
Ra、Rb 抵抗
Qa、Qb npn型バイポーラトランジスタ
Ia 電流源
R1、R2、R3、R4 抵抗
Q1〜Q12 npn型バイポーラトランジスタ
I1、I2 電流源
Claims (8)
- 入力信号が与えられる入力端子と、前記入力信号の直流成分を除去する直流成分除去手段と、前記直流成分除去手段の出力信号に対して周波数が1/2で互いに90度の位相差を持つ2系統の信号を出力する1/2分周器と、該1/2分周器の出力信号を位相比較する位相比較器と、該位相比較器の出力信号を制限するリミッタ回路と、前記1/2分周器の出力信号を外部に送出するための出力端子と、を有して成り、前記リミッタ回路の出力信号を直流オフセットとして前記1/2分周器の入力端に帰還することを特徴とする90度移相器。
- 前記1/2分周器は、Tフリップフロップを用いて成ることを特徴とする請求項1に記載の90度移相器。
- 前記位相比較器と前記リミッタ回路との間に、前記位相比較器から出力される信号の不要交流成分を除去するローパスフィルタを備えて成ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の90度移相器。
- 前記位相比較器と前記リミッタ回路との間に、前記位相比較器から出力される信号を増幅する増幅器を備えて成ることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の90度移相器。
- 前記入力端子、前記直流成分除去手段、前記1/2分周器、前記位相比較器、前記リミッタ回路、及び前記出力端子は、いずれも差動形式であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の90度移相器。
- 前記リミッタ回路は、ダイオードを用いて成ることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の90度移相器。
- 前記リミッタ回路は、少なくとも1段以上の抵抗負荷の差動増幅器で構成されることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の90度移相器。
- 前記1/2分周器は、ベースが入力端子に接続され、エミッタが第1の電流源に接続された第1のトランジスタと;ベースが反転入力端子に接続され、エミッタが第1のトランジスタのエミッタに接続された第2のトランジスタと;エミッタが第1のトランジスタのコレクタに接続され、コレクタが第1の出力端子及び一端が電源に接続された第1の抵抗の他端に接続され、ベースが第4の出力端子に接続された第3のトランジスタと;エミッタが第1のトランジスタのコレクタに接続され、コレクタが第2の出力端子及び一端が電源に接続された第2の抵抗の他端に接続され、ベースが第3の出力端子に接続された第4のトランジスタと;エミッタが第2のトランジスタのコレクタに接続され、コレクタが第1の出力端子に接続され、ベースが第2の出力端子に接続された第5のトランジスタと;エミッタが第2のトランジスタのコレクタに接続され、コレクタが第2の出力端子に接続され、ベースが第1の出力端子に接続された第6のトランジスタと;ベースが反転入力端子に接続され、エミッタが第2の電流源に接続された第7のトランジスタと;ベースが入力端子に接続され、エミッタが第7のトランジスタのコレクタに接続された第8のトランジスタと;エミッタが第7のトランジスタのコレクタに接続され、コレクタが第3の出力端子及び一端が電源に接続された第3の抵抗の他端に接続され、ベースが第1の出力端子に接続された第9のトランジスタと;エミッタが第7のトランジスタのコレクタに接続されて、コレクタが第4の出力端子及び一端が電源に接続された第4の抵抗の他端に接続され、ベースが第2の出力端子に接続された第10のトランジスタと;エミッタが第8のトランジスタのコレクタに接続され、コレクタが第3の出力端子に接続され、ベースが第4の出力端子に接続された第11のトランジスタと;エミッタが第8のトランジスタのコレクタに接続され、コレクタが第4の出力端子に接続され、ベースが第3の出力端子に接続された第12のトランジスタと;を有して成ることを特徴とする請求項5に記載の90度移相器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003294068A JP2005064991A (ja) | 2003-08-18 | 2003-08-18 | 90度移相器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003294068A JP2005064991A (ja) | 2003-08-18 | 2003-08-18 | 90度移相器 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2005064991A true JP2005064991A (ja) | 2005-03-10 |
Family
ID=34370724
Family Applications (1)
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JP2003294068A Pending JP2005064991A (ja) | 2003-08-18 | 2003-08-18 | 90度移相器 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2005064991A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105158714A (zh) * | 2015-08-12 | 2015-12-16 | 上海市计量测试技术研究院 | 90度相位标准电路及获得90度相位标准的方法 |
-
2003
- 2003-08-18 JP JP2003294068A patent/JP2005064991A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN105158714A (zh) * | 2015-08-12 | 2015-12-16 | 上海市计量测试技术研究院 | 90度相位标准电路及获得90度相位标准的方法 |
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