JP2005064053A - 光量制御装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】発光素子LD1、LD2と、発光素子からの光を受光する受光素子11と、受光信号を入力する入力回路(APC回路600の反転入力端子に接続される回路部分)と、受光信号と目標光量に対応した信号に基づいて光量制御時の制御信号を作成するAPC回路600と、制御信号に基づいて受光素子を駆動する駆動手段100とを備え、入力回路は目標光量の変化による入力端子(APC回路600の反転入力端子に相当する)の電位変化を補償する補償電流(I1、Iα)を受光信号に重畳する補償電流源331、342を有し、入力端子の電位と補償電流源の電流値とに基づいて、発光素子の発光量に対応した光量モニタ信号を出力する光量モニタ手段350を具備する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、発光素子の駆動制御に関し、特にレーザゼログラフィにその光源として用いられるレーザ素子の駆動に用いて好適な光量制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザ素子を光源とするレーザゼログラフィの分野では、より高解像度化、より高速化の要求が強くなってきている。入力画像データに応じてレーザ素子の駆動をオン/オフ制御する速度(以下、変調速度と記す)には限度がある。レーザ光のビーム数を1本とした場合には、主走査方向の解像度のみならず、副走査方向の解像度をも上げようとすると、変調速度が犠牲にならざるを得ない。したがって、変調速度を上げずに副走査方向の解像度を上げるためには、レーザ光のビーム数を増すしかない。レーザ光のビーム数を例えば4本にした場合は、変調速度が1本の場合と同じと仮定すると、主走査・副走査方向の解像度を2倍に向上できる。
【0003】
レーザゼログラフィにその光源として用いられる半導体レーザは、レーザ光が活性層と平行な方向に取り出される構造の端面発光型レーザ素子(以下、端面発光レーザと記す)と、レーザ光が活性層に垂直な方向に取り出される構造の面発光型レーザ素子(以下、面発光レーザと記す)とに大別される。従来、レーザゼログラフィでは、レーザ光源として一般的に端面発光レーザが用いられていた。
【0004】
しかしながら、レーザ光のビーム数を増やすという観点からすると、端面発光レーザは技術的に難しいとされており、構造上、端面発光レーザよりも面発光レーザの方がレーザ光のビーム数を増やすのに有利である。このような理由から、近年、レーザゼログラフィの分野において、より高解像度化、より高速化の要求に応えるために、レーザ光源として、多数のレーザ光ビームを出射可能な面発光レーザを用いた装置の開発が進められている。
【0005】
ところで、半導体レーザの駆動装置では、当該半導体レーザの光量を受光器で検出し、その検出光量に基づいて自動的に光量制御を行う自動光量制御(APC:Automatic Power Control)回路が用いられる。この光量制御に当たっては、面発光レーザの場合、レーザ光を活性層に垂直な方向に出射するという構造上の制約から、ハーフミラーを含む光学系によって出射光の一部を分離し、この分離した光をモニタ光として受光器に入射させることによって面発光レーザの光量を検出する構成が採られている。
【0006】
このように、面発光レーザ、光学系および受光器の各素子がアセンブリされた構成となっていると素子相互の位置精度が悪く、そのような状況下でモニタ光を確実に受光できるようにするには受光器の受光面積を大きく設定する必要があるため、受光器の寄生容量が非常に大きくなる。このため、受光器の検出出力を受けて光量制御を行う回路系では、受光器の検出出力を低インピーダンスで受けないと、光量制御に必要な応答性を確保できない。
【0007】
しかも、面発光レーザの場合は、面発光レーザと受光器との間にハーフミラーを含む光学系が介在するなどの理由によって受光器の出力電流(光電流)自体が非常に小さく、端面発光レーザの受光電流が100μA程度であるのに対して数μA程度の微弱電流である。このような微弱な光電流を低い抵抗値の負荷で電圧に変換すると、面発光レーザの光量検出電圧は端面発光レーザと比較して二桁小さくなってしまい、このあとの差動増幅器のゲインだけでは自動光量制御に必要な負帰還時のゲインが不足し光量制御の精度が低下する。
【0008】
このような光量制御において、レーザの発光波形を観察できるようにしておくことは、開発時の動作確認や調整だけでなく、量産時にも製造工程でのビーム調整などで必要である。
【0009】
従来のレーザ駆動回路では例えば特許文献1に記載されているように、光量制御のための受光器出力(光電流)を抵抗で受けて電圧に変換した後、差動増幅器を介して出力する方法が知られている。このような方法によれば、発光波形は抵抗の端子電圧で観察することができる。ところが面発光レーザの場合には走査速度を上げる代わりにビーム数を増やしているため、1本あたりのビーム光量は端面発光レーザよりも一桁小さい。さらに光量制御に使用する受光器は端面発光レーザと異なり、感光体に向かう中心部分だけのビームを分岐し受光するので受光光量はさらに減少する。また、レーザから受光器までの距離が長いため入射の位置精度を抑えるのが難しく、受光器の面積が大きくなる。よって寄生容量は大きくなる。一方、面発光レーザはビーム本数が多いため1ビーム当たりの制御時間が長くなることは許されない。制御時間を端面発光のシングルレーザ並みに抑えようとすると受光器の出力電圧が変動しないことが望ましい。これは寄生容量が大きいために、受光器の出力電圧が変動すると、受光器が出力する光電流(受光電流)が寄生容量の充放電に使われ、制御に寄与しないためである。
【0010】
このため、受光器が出力する光電流の値が変化しても、常に一定の条件で光電流を処理することで光量制御を行うことが望まれる。これを実現する技術として例えば特許文献2のように、レーザがオフの時に、レーザがオンしている時に得られる光電流に相当する電流(補償電流)を補償する方式、特許文献3のように光電流を相殺する方式、特許文献4のように演算増幅器の負帰還を利用し電位の変動を抑えるもの等がある。
【0011】
【特許文献1】
特開昭62−169386号公報
【特許文献2】
特開昭54−142987号公報
【特許文献3】
特開昭59−90242号公報
【特許文献4】
特開昭62−40789号公報
【発明が解決しようとする課題】
これらの方式において、レーザの発光波形を観察するためには、光電流を電圧に変換する必要がある。ところが、特許文献2では光電流が無いときに光電流と等しい電流を流しているため、ノードの電位は変化しない。従って、光電流を電圧に変換しても、発光波形を観察することはできない。また、特許文献3では光電流に相当する電流を差し引いているため、差し引かれたあとのノード電位は変化しない。従って、同様に発光波形を観察することはできない。更に、特許文献4では受光器が接続されたノードは仮想接地となっており電位は変化しない。従って、発光波形を観察することはできない。なお、電流モードで動作する方式でレーザ駆動電流を制御するトランジスタの制御電位を観察することも考えられるが、トランジスタの制御電圧は電流に比例しない上、レーザには閾値電流があるため制御電圧から発光波形を予測することはできない。
【0012】
本発明は上記従来技術の問題点を解決し、光量制御に用いる受光器が出力する光電流を用いてレーザの発光波形を観察できる光量制御装置及びこれを用いた画像形成装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、請求項1に記載のように、発光素子と、前記発光素子からの光を受光する受光素子と、該受光素子からの受光信号を入力する入力回路と、前記受光信号と目標光量に対応した信号に基づいて光量制御時の制御信号を作成する誤差増幅器と、前記制御信号に基づいて前記受光素子を駆動する駆動手段とを備えた光量制御装置において、前記入力回路は前記目標光量の変化による入力端子の電位変化を補償する補償電流を前記受光信号に重畳する補償電流源を有し、前記入力端子の電位と前記補償電流源の電流値とに基づいて、前記発光素子の発光量に対応した光量モニタ信号を出力する光量モニタ手段とを具備する光量制御装置である。この補償電流があるにもかかわらず、実際の自動光量制御の負帰還では応答性や発振しないように帰還量を抑えていることなどの理由により、僅かに変動する。つまり、この変動は負帰還が理想的でないことで生じる誤差電流と言える。よって、この誤差電流と補償電流とを用いると、光電流の変動を抽出することができ、発光素子の光量を示す光量モニタ信号が生成できる。
【0014】
上記光量制御装置において、請求項2に記載のように、前記補償電流源は、前記発光素子がオフしている時に、オンしている時と同じ前記入力端子の電位とする電流源を含む構成とすることができる。この構成によれば、負帰還系を高速に収束させることができる。
【0015】
上記光量制御装置において、請求項3に記載のように、前記前記補償電流源は、前記発光素子がオンしている時に、前記発光素子の目標光量の変化によらず前記入力端子の電位を一定とする電流源を含む構成とすることができる。この構成によれば、目標光量を変えた場合にも負帰還系を高速に収束させることができる。
【0016】
上記光量制御装置において、請求項4に記載のように、前記光量モニタ手段は、前記補償電流源の電流値と前記光量モニタ信号とに応じた電位を生成する手段と、該電位と前記入力端子の電位とを比較する差動増幅器を有する構成とすることができる。上記構成によれば、補償電流源と出力されるべき光量モニタ信号とに応じた電位と前記入力端子電位とを比較しているため、精度の高い光量モニタ信号を得ることができる。
【0017】
上記光量制御装置において、請求項5に記載のように、前記補償電流源の電流値と前記光量モニタ信号とに応じた電位を生成する手段と、該電位と前記入力端子の電位とを比較する差動増幅器と、該差動増幅器の出力で制御されるとともに、前記目標光量に応じた電流を生成するカレントミラー回路とを有し、該カレントミラー回路の出力電流は前記光量モニタ信号に相当する構成とすることができる。カレントミラー回路を用いた簡単な構成で光量モニタ信号を生成することができる。
【0018】
上記光量制御装置において、請求項6に記載のように、前記入力回路は、前記受光信号と前記補償電流を増幅する第1の増幅手段と、前記第1の増幅手段の主要部と共通構成の主要部を持ち、前記補償電流に応じた基準電流を増幅する第2の増幅手段とを有し、前記誤差増幅器は、前記第1及び第2の増幅手段の出力に基づいて前記制御信号を生成し、前記入力回路はカレントミラー回路を含み、前記光量モニタ回路は、前記カレントミラー回路により補償電流が重畳された前記受光信号を複製して得られた電流に基づいて前記入力端子の電位に対応する信号を生成し、当該信号と前記補償電流源の電流値とに基づいて、前記発光素子の発光量に対応した信号を出力する構成とすることができる。光電流を増幅する第1の増幅手段に対し、上記構成の第2の増幅手段を設け、これらの増幅手段の出力信号に基づいて制御信号を生成しているため、第1及び第2の増幅手段にそれぞれ同様に含まれる誤差を相殺することができ、光量制御を高い精度で行うことができるとともに、受光信号を増幅する第1の増幅手段とは別に、入力端子の電位を再現する前記光量モニタ信号を生成する光量モニタ手段を設けたため、精度良く光量モニタ出力を生成することができる。
【0019】
本発明はまた、請求項7に記載のように、前記カレントミラー回路は前記補償電流が重畳された光電流を増幅するとともに、増幅後の出力から前記補償電流を差し引く電流源を有する構成とすることができる。上記構成によれば、光量モニタ信号のうち過渡的に変化する部分の多くは補償電流で決まっているため、補償電流の精度を高めることで光量モニタ手段の応答性を向上させることができる。
【0020】
上記光量制御装置において、請求項8に記載のように、前記光量モニタ手段は、前記光量モニタ信号が流れる負荷と、該負荷に定常的にバイアス電流を供給する電流源とを有する。定常的にバイアス電流を供給するので、光量検出の不感帯が発生することがない。
【0021】
上記光量制御装置において、請求項9に記載のように、前記第1及び第2の増幅手段は複数段のカレントミラー回路を有する構成とすることができる。
【0022】
また、本発明は請求項10に記載のように、複数の発光素子と、感光体と、前記複数の発光素子からの光ビームを感光体上に照射するための光学系と、前記複数の発光素子の光量を制御する光量制御装置とを有し、該光量制御装置は請求項1から請求項9のいずれか一項記載の画像形成装置を含む。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る光量制御装置の全体構成を示す図である。光量制御装置は、複数の発光素子LD1、LD2に共通に設けられた受光器11、APC回路600及び駆動部100を有する。受光器11、APC回路600及び駆動部100はフィードバックループを形成し、各発光素子LD1、LD2の発光光量が目標光量になるように自動的に制御する機能を持つ。また、光量制御装置は後述する光量モニタ手段として機能する光量モニタ回路350を有する。
【0024】
駆動部100は、発光素子LD1、LD2を駆動する。図1では便宜上2つの発光素子LD1、LD2のみを示しているが、実際にはより多くの発光素子が駆動部100に接続されている。発光素子LD1、LD2は例えば面発光ダイオード(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser)である。受光器11が複数の発光素子LD1、LD2に共通に設けられている。受光器11は例えばフォトダイオードからなり、発光素子LD1、LD2から発せられる光を受光し、その光量に応じた光電流Ipdを出力ラインL上に出力する。出力ラインLには、受光器11の寄生容量(主に、フォトダイオードの空乏層容量)Coが存在する。
【0025】
APC回路600はオペアンプを含む回路構成を有する。APC回路600の詳細は図5を参照して後述するが、以下ではAPC回路600はオペアンプであるとして説明する。出力ラインLはAPC回路600の反転入力端子に接続されている。出力ラインにはスイッチSWPを介して電流源331が接続されている。電流源331は電源VDDに接続され、全ての発光素子LD1、LD2がオフの時はスイッチSWPはオンし、電流源331からAPC回路600の反転入力端子に補償電流I1が与えられる。他方、発光素子LD1、LD2の少なくとも1つがオンしている時は受光器11からの光電流Ipd(受光電流ともいう)がAPC回路600の反転入力端子に与えられる。電流I1は目標光量に対応する受光器11からの光電流Ipdに等しい値を持つ。補償電流I1を供給することにより、出力ラインLの電位変動が抑えられAPCの収束性が向上する。APC回路600の反転入力端子は負荷(第1の負荷)510を介してグランドに接続されている。負荷510に光電流Ipd又は補償電流I1が流れることで、対応する電圧(検出電圧という)がAPC回路600の非反転入力端子600に与えられる。
【0026】
APC回路600の非反転入力端子には、電流源332が接続されている。電流源332は、電流源331が供給する補償電流I1と同じ大きさの電流I1(モニタ補償電流という)を供給する。APC回路600の反転入力端子は、負荷(第4の負荷)540を介してグランドに接続されている。負荷540と負荷510は、同一の抵抗値を有する。電流源332の電流I1が負荷540に流れることで、APC回路600の非反転入力端子には目標光量に対応した電圧(基準電圧)が発生する。APC回路600は、光電流Ipdと基準電流との差に応じた出力電圧を発生する。
【0027】
スイッチ110とコンデンサC111、C112はサンプルホールド回路(S/H)を構成する。発光素子LD1の駆動時に、スイッチ110がコンデンサC111側に切り替ることで、APC回路600で検出された誤差電圧がコンデンサC111にホールドされる。同様に、発光素子LD2の駆動時に、スイッチ110がコンデンサC112側に切り替ることで、APC回路600で検出された制御電圧がコンデンサC112にホールドされる。駆動回路1131、1132は発光素子LD1、LD2を駆動する駆動部100を構成する。コンデンサC111とC112、更にはスイッチ110を含めて駆動部100と定義しても良い。駆動回路1131、1132は、コンデンサC111、C112のホールド電圧に応じて発光素子LD1、LD2をそれぞれ駆動する。駆動回路1131、1132の各々と発光素子LD1、LD2の各々の間には、発光素子LD1、LD2を駆動するタイミングでオン(閉)状態になるスイッチ1141、1142が設けられている。
【0028】
光量モニタ回路350は、電流源342、スイッチSWQ、負荷(第2の負荷)520、差動アンプ(オペアンプ)620、トランジスタM1、M2及び負荷(第3の負荷)530を含んで構成されている。なお、図1に示す光量モニタ回路350は、モニタ補正電流Iαを供給する補正電流源362を含んでいるが、これについては後述する。なお、図1モニタ補正電流と同一の電流Iαを供給する補正電流源361についても後述する。電流源342と負荷520と差動アンプ620はそれぞれ、電流源332、負荷540及びAPC回路600で構成される回路と同様の回路を構成する。電流源342は、電流源331が供給する補償電流I1と同じ大きさの補償電流I1を負荷520に供給する。光電流Ipdが出力されている時は、スイッチSWQはオフである。他方、光電流Ipdが出力されない時、スイッチSWQがオンする。負荷520に流れる電流に対応する電圧が差動アンプ620の反転入力端子に与えられる。差動増幅器620の非反転入力端子には、負荷510で生成された検出電圧が与えられる。負荷520は、負荷510や540と同じ抵抗値を有する。差動アンプ620の出力端子は、カレントミラー回路を構成するトランジスタM1とM2のゲートに接続されている。トランジスタM1とM2のソースは共通に接続され、トランジスタM1のドレインは負荷520と非反転入力端子との接続ノードに接続されている。トランジスタM2のドレインは負荷530を介して接地される。負荷530にはモニタ用電流が流れ、負荷530の両端に発生する電圧を光量モニタ出力とする。負荷530は他の負荷510、520、540と異なる抵抗値であってもよいし、同一でもよい。また、トランジスタM1とM2のカレントミラー回路の増幅度は1であってもよいし、1を超える値であってもよい。
【0029】
差動アンプ620の出力はトランジスタM1のゲート電圧を制御し、APCアンプ600の非反転入力端子の電位に、差動アンプ620の非反転入力端子の電位が等しくなるようにする。光電流Ipdが出力されている時には、差動アンプ620の出力は、光電流Ipdが負荷510に流れることで生成される非反転入力端子の電位と、反転入力端子の電位とが等しくなるように、トランジスタM1とM2で構成されるカレントミラー回路を制御する。ここで、レーザ光量制御での負帰還制御の限界(収束に要する時間はゼロではない)により負荷510の端子電圧は僅かに変動する。この変動を負荷530で再現するために、差動アンプ620で負荷520と負荷510との差電圧を検出し、誤差電圧をトランジスタM1のゲートに与える。この制御によりトランジスタM1には受光電流に等しい電流が流れ、そして、トランジスタM1に流れる電流をトランジスタM2で複製して、これをモニタ用電流として負荷530に流す。この結果、負荷530を介して光電流Ipdに対応した電圧が光量モニタ出力として得られる。このように、わずかに変化する受光器出力電位を利用し負帰還によって光電流Ipdに対応する電流を生成することで、制御性を損なうことなく光量モニタ波形を得る方法を提供する。
【0030】
ここで、好ましくは、図1に示すように、補正電流Iαを供給する補正電流源361と、モニタ補正電流Iαを供給する補正電流源362を設ける。補正電流源361の補正電流は補償電流の一形態である。つまり、図1の構成において光電流に重畳される補償電流は、電流源331が供給する補償電流I1と、電流源361が供給する補正電流Iαとを含む。補正電流源361はスイッチSWXを介して負荷510に接続されている。また、補正電流源362はスイッチSWYを介して負荷520に接続されている。スイッチSWX及びSWYは、光量を補正するために使用され、発光素子LD1とLD2のいずれかがオン(点灯)しているときにオンする。スイッチSWXをオフにしておくと、上述したように光電流Ipdと補償電流I1とが等しくなるように光量制御が行われる。これに対し、スイッチSWXをオンにすることで上記補正電流を加味した光量制御は、APC回路600の非反転入力端子側、つまり負荷540に流れ込む電流I1と反転入力側に流れ込む電流、つまり光電流Ipdと補正電流Iαとが等しくなるように行われる。換言すれば、光電流Ipdが補償電流から補正電流を引いた値に等しくなるような光量制御が行われる。この光量制御は目標光量をI1からI1−Iαに補正した場合に相当する。スイッチSWXをオン、オフしても、負荷510の電位は変化しないので、負帰還回路の収束性を悪化させることはない。このような補正電流源361を設けたことに対応して、光量モニタ回路360にも補正電流源362を設けてある。
【0031】
以上、今まで説明してきた図1に示す光量制御装置を要約すると、この光量制御装置は、発光素子LD1、LD2と、前記発光素子からの光を受光する受光素子11と、該受光素子からの受光信号を入力する入力回路(APC回路600の反転入力端子に接続される回路部分)と、前記受光信号と目標光量に対応した信号に基づいて光量制御時の制御信号を作成する誤差増幅器として機能するAPC回路600と、前記制御信号に基づいて前記受光素子を駆動する駆動手段100とを備えた光量制御装置であって、前記入力回路は前記目標光量の変化による入力端子(APC回路600の反転入力端子に相当する)の電位変化を補償する補償電流(I1、Iα)を前記受光信号に重畳する補償電流源331、342を有し、前記入力端子の電位と前記補償電流源の電流値とに基づいて、前記発光素子の発光量に対応した光量モニタ信号を出力する光量モニタ手段として機能する光量モニタ回路350を具備するものである。
【0032】
このように目標光量を補正することができるので、例えばアレイ状に配列された発光素子単位で目標光量を補正することができ、より細かな光量制御を実現することができる。
〔第2実施形態〕
図2は、本発明の第2の実施形態による光量制御装置を示す図である。図中、図1と同一の構成要素には同一の参照番号を付してある。出力ラインL上の電流は第1の増幅手段として機能するカレントミラー回路360で電流増幅されて、APCアンプ600の反転入力端子に接続された負荷510に与えられる。また、カレントミラー回路360には、電流源334からバイアス電流I2が供給されている。また、カレントミラー回路360と主要部が同一構成のカレントミラー回路370が設けられている。カレントミラー回路370は第2の増幅手段として機能し、カレントミラー回路360を含む負帰還系のダミー回路として設けられている。カレントミラー回路370には、電流源335からバイアス電流I2が供給されている。カレントミラー回路370の出力は、APCアンプ600の非反転入力端子に接続された負荷540に与えられる。カレントミラー回路360、370はバイアス電流I2が供給されたインピーダンス変換回路として機能し、バイアス電流I2により入力を低インピーダンスで受け、高インピーダンスで出力する。このインピーダンス変換により応答性良く、高速動作が可能になる。カレントミラー回路360は、負荷510に供給する電流と同じ電流を複製し、負荷530に供給する。負荷530には、電流源345と、スイッチSWYを介して電流源362とが接続されている。電流源345は、カレントミラー回路360の出力電流から補償電流I1に等しい一定電流I1を差し引くために設けられている。同様に、カレントミラー回路360の負荷510側の出力端子には、一定電流I1を受光電流から差し引くための電流源346が設けられている。また、電流源362は、スイッチSWYがオンすると、カレントミラー回路360の出力電流から電流Iαを差し引く。発光素子LD1、LD2のいずれかがオンしている時には、スイッチSWPはオフでスイッチSWX及びSWYは必要に応じてオンしている。また、発光素子LD1、LD2のいずれもがオフの時には、スイッチSWPがオンし、スイッチSWX、SWYがオフしている。更に、負荷530には、電流源337が、スイッチSWUを介して接続されている。スイッチSWUはスイッチSWPがオフのときオンし、電流源337は負荷530に補償電流I1を供給する。この補償電流I1と電流源331が供給する補償電流I1は同一の電流値である。
【0033】
前述したように、負帰還系の負帰還制御の限界(収束に要する時間はゼロではない)により負荷510の端子電圧は僅かに変動する。この変動が負荷530で再現される。この結果、負荷530を介して発光波形に対応した電圧を得ることができる。
【0034】
図3は、図2に示す光量制御装置の回路図である。図3中、図2と同一の構成要素には同一の参照番号を付してある。カレントミラー回路360は2段構成で、前段はトランジスタQ11とQ12で構成され、後段はトランジスタQ13とQ14で構成される。また、後段にはトランジスタQ26が接続され、負荷510に供給される電流と同じ電流が複製される。同様に、カレントミラー回路370は2段構成で、前段はトランジスタQ15とQ16で構成され、後段はトランジスタQ17とQ18で構成される。電流源334は、1段目のカレントミラー回路の入力に接続されており、APC回路600を含む負帰還系の時定数よりも、寄生容量Coと入力インピーダンスとの積からなる時定数を小さくするために、カレントミラー回路360を高速に動作させるためのバイアス電流I2をカレントミラー回路360に供給する。1段目のカレントミラー回路の入力電流に電流源334からのバイアス電流I2が加算され、インピーダンスが変換される。
同様に、電流源335は、1段目のカレントミラー回路の入力に接続されており、補償電流I1よりも大きなバイアス電流I2を供給する。1段目のカレントミラー回路の入力電流に電流源335からのバイアス電流I2が加算され、インピーダンスが変換される。
【0035】
このように、カレントミラー回路360、370で形成されるインピーダンス変換回路に補償電流I1とバイアス電流I2を加え、発光素子LD1、LD2をオン、オフした際の受光器11の出力ラインL上の電圧変動を抑制すると共に、カレントミラー回路360、370の入力インピーダンスを低くし応答性を向上している。また、カレントミラー回路370はバイアス電流I2に応じた一定の出力を有し、カレントミラー回路増幅部360は受光信号とバイアス電流I2とに応じた出力を有し、APC回路600はこれら2つの出力の差に相当する差動誤差信号を出力するので、オフセット電流を相殺することができる。
【0036】
トランジスタQ21とQ22はカレントミラー回路を構成し、トランジスタQ21とQ25はカレントミラー回路を構成する。これらのカレントミラー回路は、電流源334に起因するカレントミラー回路360に含まれるバイアス電流を、電流源355に起因するカレントミラー回路370の出力電流に基づいて差し引くために設けられている。つまり、カレントミラー回路360とカレントミラー回路370とは全く同一に作られ、カレントミラー回路370には電流源355によってバイアス電流I2のみが入力されているため、カレントミラー回路370には電流源355に起因するバイアス電流のみがトランジスタQ21に流れ込む。したがって、トランジスタQ21とカレントミラーを構成するトランジスタQ25は、トランジスタQ26の出力電流から光量波形に不要なバイアス電流を差し引く。これにより、光量モニタ出力にバイアス電流が影響しないようにしている。
【0037】
オペアンプで構成される差動増幅器340はバッファとして機能し、電流I2に対応した電圧を生成し、APC回路600の非反転入力端子に出力する。この電圧が差動増幅の非反転入力になる。他方、トランジスタQ14は光電流Ipd(又は補償電流I1)にバイアス電流I2が加算された電流を出力するが、トランジスタQ22の作用により電流I1+I2が差し引かれるので、負荷510には目標光量に対する誤差電流のみが与えられる。光電流Ipdが目標光量に対応している場合には、APCアンプ600の反転入力端子の電圧は非反転入力電圧に一致する。相違する場合には、誤差電圧がAPCアンプ600から出力される。
【0038】
トランジスタQ26は、トランジスタQ14に流れる電流Ipd(I1)+I2を複製する。複製された電流が負荷530に流れることで発生する電圧が光量モニタ出力となる。電流源337はスイッチSWUを介して負荷530に電流I1を供給する。もしもレーザの自動光量制御による誤差が全くない場合には光電流入力端子の電位は変動せず、電流源337の電流がそのまま光量モニタ電流となる。電流源348は、光量モニタ用のバイアス電流源であり、負荷530に一定電流を流し込むようにしてある。これにより、微小光量時に不感帯を生じさせないようにすることができる。これに代えて、フィードバックループで光量がゼロの時に光量モニタ出力が一定の電圧、又はゼロになるように制御することもできる。このように、図3の回路構成における光量モニタ回路は、トランジスタQ13とQ26からなるカレントミラー回路、電流源337と348、負荷530を含む構成である。
【0039】
オペアンプで構成される差動増幅器356は、差動増幅器340の出力電圧とトランジスタQ25のドレイン電圧との差に応じた電圧をトランジスタQ23とQ24のゲートに印加する。トランジスタQ23はトランジスタQ22に直列に接続され、トランジスタQ24はトランジスタQ25に直列に接続されている。
トランジスタQ25は、トランジスタQ26が出力する電流からバイアス電流I2を差し引くために設けられている。差動増幅器356は、トランジスタQ22とQ25にそれぞれ流れる電流が等しくなるように制御する。
【0040】
このように、APC回路600が比較する電圧は、途中で重畳されたバイアス電流I2を含まない電流に起因したものなので、動作点が変化することがない。
そして、カレントミラーを用いた増幅器がある場合にカレントミラーで光電流Ipdを含んだ電流の複製を作製して増幅後に光電流Ipdに加えた電流に対応した電流を差し引くことで制御性を損なうことなく光量モニタ波形を得ることができる。
【0041】
なお、図3に示すように、各電流源を外部制御信号で制御できる構成とすることが好ましい。電流値I1の電流源331、337及び332は光量制御装置10の内部で共通に接続され、外部接続端子T1に接続されている。外部接続端子T1には電圧源V1が接続されており、この電圧源V1の電圧値を変化させることで、電流値I1を調整することができる。同様に、電流値I2の電流源334と355とは光量制御装置の内部で共通に接続され、外部接続端子T2に接続されている。外部接続端子T2には電圧源V2が接続されており、この電圧源V2の電圧値を変化させることで、電流値I2を調整することができる。更に、電流値Iαの電流源361と362とは光量制御装置10の内部で共通に接続され、外部接続端子T3に接続されている。外部接続端子T3には電圧源V3が接続されており、この電圧源V3の電圧値を変化させることで、電流値Iαを調整することができる。
〔第3実施形態〕
図4は、本発明の第3の実施形態による光量制御装置を示す図である。出力ラインLはスイッチSWPを介して電流源331に接続されている。電流源331は補償電流I1を供給するもので、スイッチSWPとグランドとの間に位置している。スイッチSWPと出力ラインLとの接続ノードはAPC回路600の反転入力端子に接続されるとともに、抵抗R1を介してグランドに接続されている。
補償電流I1と同じ電流を供給する電流源332は、差動アンプ620の反転入力端子とグランドとの間に接続されている。また、差動アンプ620の反転入力端子と電流源332との接続ノードは、抵抗R2を介して接地されている。抵抗R1と抵抗R2とは同じ抵抗値を持つ。トランジスタM1のドレインと電流源332とは、スイッチSWQを介して接続されている。
【0042】
受光器11の出力を電流源331と直接に接続し、その接続点をAPC回路600(オペアンプ)に入力するのではフィードバックループのゲインが大きくなりすぎ、発振する可能性がある。そこで、上記接続点には抵抗R1を接続してインピーダンスを下げて、フィードバックでの発振を防止している。同様に、光量モニタ回路にも抵抗R2を設けてある。
〔第4実施形態〕
次に、図5から図7を参照して、本発明の第4実施形態に係る光量制御装置について説明する。
【0043】
図5は、本発明の第4実施形態に係る光量制御装置の全体構成を示す図である。図5において、光量制御装置10は複数個の発光素子を駆動する。図5の構成では、光量制御装置10は32個の発光素子LD1〜LD32を駆動する。換言すれば、光量制御装置10は32チャネル構成である。各発光素子LD1〜LD32は面発光ダイオード(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser)で形成され、マトリクス状に配置されている。光量制御装置10は例えばICチップで形成され、内部に以下に説明する回路を備える。
【0044】
光量制御装置10は各チャネル毎に、つまり発光素子LD1〜LD32毎にドライバ1001〜10032を有する。また、光量制御装置10は各チャネルに共通の制御部として、共通制御電位設定回路200、電流アンプ300、光量モニタ400、強制点灯回路500、APC回路600を有する。電流アンプ300は、前述した第1から第4実施形態に係る構成を有する。強制点灯回路500はAPC回路600の負荷の大きさを調整でき、かつ画像信号の描画開始位置を決めるために必要な発光素子の強制点灯機能を備えたものである。
【0045】
ドライバ1001〜10032は、上記各チャネルに共通の制御部からの信号を、バス150を介して受け取り、それぞれ発光素子LD1〜LD32を駆動制御するための制御を行う。具体的には、ドライバ1001〜10032は各発光素子LD1〜LD32の光量制御を行うAPC制御と、APC制御後の変調制御とを行う。後述するように、APC制御では、ドライバ1001〜10032は発光素子LD1〜LD32に印加する電圧と電流との両方を制御する。電圧駆動時、ドライバ1001〜10032は各端子COUTを介して、発光素子LD1〜LD32のカソードにそれぞれ接続されているコンデンサCd1〜Cd32を制御する。
電流駆動時、ドライバ1001〜10032は各端子LDOUTを介して、各発光素子LD1〜LD32に流れる電流量を制御する。
【0046】
ドライバ1001〜10032は複数個ずつが、端子LDCOMを介して共通に接続されるとともに、負荷105に接続されている。図5の構成では、ドライバ1001〜1004のLDCOM端子は共通に接続され、一端がグランドに接続された負荷105の他端に接続されている。各ドライバ1001〜10032は対応する発光素子を駆動していないときには、駆動電流に対応する電流(相補出力)を出力する。この電流を負荷105に流すことにより、発光素子の点灯の数等に依存することなく常に一定の電流が光量制御装置10に流れるようにして、動作の安定化を図っている。
【0047】
光量制御装置10は、各発光素子LD1〜LD32のレーザ光量をAPC制御で適切な値に設定した後、変調制御を行う。APC制御の概略は次の通りである。まず、発光素子LD1のレーザ光量を調整する。ドライバ1001は発光素子LD1を駆動する。各発光素子LD1〜LD32に共通に設けられた受光器PD(例えばフォトダイオードであって、前述の受光器11に相当する)には、発光素子LD1のレーザ光量に応じた電流が流れる。電流アンプ300は受光器PDに流れる電流に対し、スイッチSWSaをオンし、電流源450からの加算電流を加算した電流を低インピーダンスで受けて増幅する。この場合、スイッチSWSbがオンすることで電流源460から供給される基準電流で加算電流を相殺し、残った電流を基準電圧Vref2に接続された抵抗に供給して電流アンプ300が出力する電流を電圧に変換し、この電圧(検出電圧という)を、スイッチSW19を介してAPC回路600に出力する。APC回路600はオペアンプ61と、1つのスイッチ(SWfb1〜SWfb32の何れか1つ)とコンデンサ(Cfb1〜Cfb32の何れか1つ)との直列回路とを複数個備える。図1〜図4に示すAPC回路600は、図5のオペアンプ61に相当する。各直列回路はオペアンプ61の出力端子と反転入力端子との間に接続されている。各直列回路はサンプルホールド回路を構成する。1つのサンプルホールド回路が1つの発光素子に対応する。例えば、スイッチSWfb1とコンデンサCfb1とのサンプルホールド回路は、発光素子LD1に対応する。同様に、スイッチSWfb32とコンデンサCfb32とのサンプルホールド回路は、発光素子LD32に対応する。
【0048】
オペアンプ61は、発光素子LD1を駆動したときの差電圧を増幅しバス150の対応する信号線に出力する。ドライバ1001はこの差電圧がゼロになるように発光素子LD1に与える駆動電流を変化させる。これにより、発光素子LD1のレーザ光量が変化し、受光器PDに流れる電流量が変化する。受光器PDに流れる電流に応じた検出電圧が電流アンプ300からAPC回路600に出力される。このようなフィードバック制御により、電流アンプ300の入力出力に加えられた加算電流は相殺される結果消え、APC基準電圧Vrefで発生した基準電流に対応するレーザ光量となるように発光素子LD1の駆動状態を設定する。なお、この駆動状態の設定とは、発光素子LD1に与える駆動電圧と駆動電流の両方をAPC基準電圧Vrefに対応する値に調整することを意味している。
【0049】
このようにして発光素子LD1を制御している間、APC回路600の32個のサンプルホールド回路のうち、スイッチSWfb1のみがオンとなっており、発光素子LD1のレーザ光量がAPC基準電圧Vrefに相当する値に収束する際の電圧がコンデンサCfb1に蓄積される。以下同様に、発光素子LD2〜LD32を順番に1つずつAPC制御する。
【0050】
なお、後述するように、APC制御は2回行うことが好ましい。2回目のAPC制御では、1回目のAPCでオンしていたスイッチSWSaをオフする。電流アンプ300の出力側に供給されている相殺電流は基準電流+加算電流(補正電流Iαに相当する)がそのままであるため、受光電流Ipdは基準電流I1+加算電流Iαに対応する電流で制御が行われる。APC回路600中の32個のサンプルホールド回路を1回目及び2回目のAPC制御で共通に用いることができるが、2回目のAPC制御用に新たに32個のサンプルホールド回路を設けてもよい。
【0051】
光量モニタ回路400は、電流アンプ300に流れる電流から各発光素子LD1〜LD32のレーザ光量を示す光量モニタ信号を出力するもので、前述の図1〜図4に示す構成のいずれかを有する。
【0052】
強制点灯回路500は、APC制御を行う前に必要となる同期信号を生成する回路である。光量制御装置10が組み込まれる複写機、プリンタ、ファクシミリ装置などの画像処理装置では、画像を描画する位置を正確に決定するために、描画開始位置の少し手前に光センサを設け、発光素子が出力する光が光センサを横切るタイミングに基づき描画開始位置を決定している。
【0053】
図7に、本発明の光量制御装置を備える画像形成装置の一態様であるレーザゼログラフィにおけるレーザ走査系の構成例と、各センサ出力とを示す。レーザゼログラフィ装置におけるレーザ光走査系の基本的な構成は、次の通りである。レーザ光源10dから出射されたレーザ光は、レンズ15、ポリゴンミラー12及びレンズ13、14を介して感光体表面16に照射される。そして、ポリゴンミラー12の回転により、上記レーザ光が感光体表面16を繰り返し走査する。また、レーザ光源10dから出射されたレーザ光の一部は、半透過型ミラー19を介して受光器11に入力する。図7において、このときの受光器11の出力を光量制御センサ出力として示し、描画開始位置の少し手前に設けられた光センサの出力をSOS(Start of Scan)センサ出力として示す。APCのための領域は、走査領域の前後に設けられている。なお、参照番号18は前述した光量制御装置10に相当する。
【0054】
前述したように、発光素子LD1〜LD32の個々のレーザ光量は端面レーザに比べ小さいので、複数個を同時にONさせて、SOSセンサ上を走査する。この場合、特に二次元に配列された発光素子のうち、中央部分に位置する複数の発光素子のみをONすることが好ましい。しかしながら、APC制御では発光素子を1つずつONさせて条件設定(フィードバックループのゲイン)を行っているため、所定数の発光素子を同時にONさせてしまっては、APC制御のフィードバックループが発振してしまう可能性がある。従って、この問題点を解決するために、強制点灯回路500は、変調信号(変調データ)に応じて電流アンプ300の負荷の大きさを変化させる。つまり、ONすべき発光素子の数に応じた負荷を電流アンプ300の出力に接続する。図示する構成では、複数の抵抗がスイッチを介して電流アンプの出力に接続されている。オペアンプ61に着目すれば、強制点灯回路500は、ONすべき発光素子の数に応じて電流電圧変換ゲインを小さくし全体として負帰還のゲインが変わらないようにする。このような構成により、常に1つの発光素子のみをONさせた状態と等価な状態が得られるため、換言すれば、フィードバックループのゲインは1つの発光素子のみをONさせた状態の値となる。この結果、フィードバックループが発振してしまうのを防止することができる。
【0055】
共通制御電位設定回路200は、各ドライバ1001〜10032内で必要とされる各種の電流を生成するために必要な制御電位を生成する回路である。図5の構成では、共通制御電位設定回路200は、各ドライバ1001〜10032内で流れるバイアス電流を設定するための共通電位を生成する回路と、オフセット電流を生成するための共通電位を生成する回路とを備えている。バイアス電流とオフセット電流とは典型的な例であって、各ドライバ1001〜10032は駆動と制御に必要なその他の電流を生成するために必要な制御電位を設定することができる。バイアス電流設定用の共通制御電位は、演算増幅器(オペアンプ)211、電流源212,213及び負荷214,215を含む回路で生成される。オフセット電流設定や他の電流設定用の共通制御電位もそれぞれ同様の回路で生成される。外部からのバイアス電流設定信号に応じて、電流源212は指示された電流を負荷214に供給する。負荷214の端子電圧がオペアンプ211のプラス側端子に与えられる。定電圧源216に接続された定電流源213は、オペアンプ211の出力に応じた電流を負荷215に流す。負荷215の端子電圧がオペアンプ211のマイナス側端子に与えられる。オペアンプ211は、電流源213がバイアス電流設定信号で設定されたバイアス電流と同一の電流を流すように電流源213を制御する。このときのオペアンプ211の出力信号は、バス150の対応するバス線に出力される。他方、定電圧源216のプラス側電圧がバス150の対応するバス線に出力される。このバス線は、夫々の共通制御電位に共通であって、かつ各ドライバ1001〜10032に共通である。このように、外部から設定されたバイアス電流値が差分電圧の形でバス150を介して各ドライバ1001〜10032に供給される。各ドライバ1001〜10032は後述するようにして、受け取った差分電圧からバイアス電流を生成する。この結果、たとえ定電圧源216の電源電圧が変動しても、上記電位差は一定となり、電源電圧の変動による影響を回避することができる。なお、オペアンプ211の出力電圧と定電圧源216の電圧とは、平衡二線で伝送することが好ましい。
【0056】
次に、図6を参照してドライバ1001〜10032の内部構成について説明する。各ドライバ1001〜10032は同一構成なので、以下では1〜32の添え字を省略し、単にドライバ100として説明する。
【0057】
ドライバ100は2つの乗算器21、22を有する。乗算器21は電流源30を制御するために設けられ、乗算器22は図5に示すコンデンサCd1〜Cd32のうちの対応する1つを制御するために設けられている。以下、便宜上、対応する1つのコンデンサをCdとし、図6に破線で示す。コンデンサCdはレーザへの駆動電圧が立ち上がる短い時間電圧源として機能する。電流源30は対応する発光素子LDに流す電流を生成し、電圧源として機能するコンデンサCdは対応する発光素子LDに駆動電圧を与える。
【0058】
ここで、面発光レーザの駆動電流と駆動電圧(端子電圧)との関係(電圧−電流特性)は、面発光レーザの内部抵抗が高いことから実用的な範囲では比例関係(直線関係)となり、また、駆動電流とレーザ光量との関係も実用的な範囲で比例関係(直線関係)となる。このような特性を踏まえて、1回目のAPC制御において電流源30の電流量は発光素子LDのレーザ光量が基準光量(第1の光量)となるように決められ、2回目のAPC制御においてレーザ光量が第2の光量となるように決められる。同様に、1回目のAPC制御においてコンデンサCdが蓄積する駆動電圧は発光素子LDのレーザ光量が基準光量(第1の光量)となるように決められ、2回目のAPC制御においてレーザ光量が第2の光量となるように決められる。これらの2つの値を用いた内挿又は外挿処理により、レーザ光量を任意の光量に補正することができるようになる。
【0059】
乗算器21と22は4象限アナログ乗算器を用いることができ、その乗算器に接続されるべき電圧源としてコンデンサを用いることができる。各乗算器21、22の入力は差動構成となっている。各乗算器21、22の+と−で表記された2つの差動入力をそれぞれV1a、V1b及びV2a、V2bとすると、差動構成の各乗算器21、22はIout=α(V1a−V1b)(V2a−V2b)で記述される電流を出力する。ただし、αは定数である。
【0060】
このようなレーザ駆動装置では、各乗算器21及び22の一方の入力端子(乗数端子)には補正信号が入力し、他方の入力端子(被乗数端子)には制御電圧が入力する。通常差動で構成する乗算器の相補出力の+側出力を利用した場合オフセット電流が存在するが上記各乗算器21及び22にオフセットが存在してもその出力に接続されたコンデンサC1、C2によりAPC時当該オフセットがキャンセルされる。補正信号は、レーザ光の走査位置によりレーザ光量が異なる状況を考慮したもので、レーザ光の走査位置に応じた制御電圧を有する。
【0061】
まず、第1のAPC制御により、第1の光量(基準値とする)を次のように設定する。スイッチSWSaはオン、SWSbはオフ、SW1はオフ、SW2はオフ、SW3はオフ、SW5−1はオン、SW5−2はオフ、SW5−3はオフ、SW5−4はオン、SW6−1はオン、SW6−2はオフ、SW6−3はオフ、SW6−4はオン、SW7はオフ、SW8はオン、SW11はオン、SW11−1はオン、SW11−2はオフ、SW12はオフ、SW13はオン、SW15−1はオフ、SW15−2はオン、SW16はオフ、スイッチSWSaをオンに設定する。また、第1の光量を設定する際には、各乗算器21及び22の乗数端子に0Vの補正信号を与える。この状態では、乗数が0であるため、被乗数端子にどのような制御電圧が入力されても各乗算器21及び22はオフセット電圧を出力する。また、図5に示すAPC回路600のオペアンプ61には、第1のAPC基準電圧Vref1が与えられる。オペアンプ61は、発光素子LDのレーザ光量が第1のAPC基準電圧Vref1となるような制御電圧を出力する。この制御電圧は図6のスイッチSW8、オペアンプ26、インバータ28及びスイッチSW11を通り、電流源30に与えられる。電流源30は受け取った制御電圧に応じた電流を発光素子LDに与える。また、オペアンプ26が出力する制御電圧はサンプルホールド回路のコンデンサC3−1に格納される。補正信号は0Vに設定されているため、乗算器21はオフセット電圧を出力する。よって、コンデンサC1は、上記制御電圧と乗算器21から出力されるそのオフセット電圧との差電圧で充電される。他方、図5のオペアンプ61が出力する制御電圧は、コンデンサC2に与えられるとともに、サンプルホールド回路のコンデンサC4−1に格納される。補正信号は0Vに設定されているため、乗算器22はオフセット電圧を出力する。よって、コンデンサC2には制御電圧と乗算器22のオフセット電圧との差電圧で充電される。
【0062】
そして、第2のAPC制御により第2の光量(これを補正光量という)を次のように設定する。スイッチSWSaはオフ、SWSbはオフ、SW1はオフ、SW2はオフ、SW3はオフ、SW5−1はオフ、SW5−2はオン、SW5−3はオン、SW5−4はオフ、SW6−1はオフ、SW6−2はオン、SW6−3はオン、SW6−4はオフ、SW7はオフ、SW8はオフ、SW11はオフ、SW11−1はオン、SW11−2はオフ、SW12はオフ、SW13はオン、SW15−1はオフ、SW15−2はオフ、SW16はオフ、SWSaをオフに設定する。また、第2の光量を設定する際には、各乗算器21及び22の乗数端子に所定電圧の補正信号を与える。更に、スイッチSWSaがオフになっていることからオペアンプ61は、第1のAPC制御に対し、電流源450の加算電流分、受光器PDからの光量が増大するように制御電圧を出力する。この制御電圧は図6のスイッチSW8、オペアンプ26、インバータ28及びスイッチSW5−2、SW5−3、乗算器21、抵抗R11、キャパシタC1を通り、電流源30に与えられる。電流源30は、受け取った制御電圧に応じ、受光器PDからの電流を、基準電流から、この基準電流に加算電流を加えた電流へと変化させる。また、オペアンプ26が出力する制御電圧はサンプルホールド回路のコンデンサC3−2に格納される。コンデンサC1は、上記制御電圧と乗算器21の出力との差電圧で充電される。第1のAPC制御において発光素子LDに与えられる電流をIとすれば、第2のAPC制御において発光素子LDに与えられる電流はI+ΔIと記述することができる。他方、図5のオペアンプ61が出力する制御電圧は、コンデンサC2に与えられるとともに、サンプルホールド回路のコンデンサC4−2に格納される。コンデンサC2には制御電圧と乗算器22の出力との差電圧で充電される。第1のAPC制御においてコンデンサC2に格納される電圧をVとすれば、第2のAPC制御においてコンデンサC2に格納される電圧はV+ΔVと記述することができる。
【0063】
ここではスイッチSW6−1、SW6−4をオン、SW6−2、SW6−3をオフしたが、2回目以降のAPCではSW6−3、SW6−1をオン、SW6−2、SW6−4をオフとしてもよく、この方が変調時と同じ条件のため精度向上が期待できる。
【0064】
発光素子LDの変調時には、レーザ光の走査位置に応じた光量補正量に対応した補正電圧が各乗算器21、22の乗数端子に入力される。それにより、乗算器22、コンデンサC2及びオペアンプ26で構成される電圧源から面発光レーザに印加される駆動電圧、及び電流源30から発光素子LDに供給される駆動電流の双方が同時に制御され、上記レーザ光の走査位置に応じて補正された光量にて発光素子LDの発光がなされる。
【0065】
コンデンサC1には直列に抵抗R11を接続する。すなわち、本実施形態では、コンデンサC1を含むサンプルホールド回路をローパスフィルタで構成する。これにより、スイッチSW11のオン/オフを切り替えた際に発生する高周波ノイズを抑制できる。また、このローパスフィルタにはコンデンサC11を並列に接続する。これにより、ローパスフィルタの時定数に依って負帰還ループの位相が遅れることを防止できる。同様に、コンデンサC2に直列に抵抗R21を接続することで、これを含むサンプルホールド回路をローパスフィルタで構成する。
これにより、スイッチSW8のオン/オフを切り替えた際に発生する高周波ノイズを抑制できる。更に、コンデンサC2及び抵抗R21で構成されたローパスフィルタに、負帰還ループの位相遅れを防止するためのコンデンサC21を並列に接続し、負帰還ループでの発振を防止する。
【0066】
電圧印加時間調整回路800は、スイッチSW2を制御して発光素子LDに電圧を印加する時間を調整する。この電圧はコンデンサCdに蓄積された電圧である。前述したように、本実施形態では、発光素子LDに与える電圧と電流との両方を制御して発光素子LDを駆動する。発光素子LDを駆動する際、まず電圧で駆動し次に電流で駆動する。電圧駆動の電圧印加時間を調整可能にすることで、図5のLDOUT端からレーザまでの配線が長く立ち上がりに時間がかかる場合のように発光素子LDの実装状態に応じた電圧印加時間を適切に設定することができる。
【0067】
電圧印加時間調整回路800は、遅延回路81と排他的論理和回路82とを2組有する。2つの遅延回路81は、インバータ83で図示するように接続されている。遅延回路81は、電圧印加時間信号と変調信号とを受け取り、電圧印加時間信号に従って変調信号を遅延させる。一方の遅延回路81の出力信号と変調信号との排他的論理和をとり、その出力信号でスイッチSW2をオンさせる。この結果、出力信号は変調信号の立ち上がりで立ち上がり、遅延した変調信号の立ち上がりで立ち下がる第1のパルスと変調信号の立ち下がりで立ち上がり、遅延した変調信号の立ち下がりで立ち下がる第2のパルスを発生する。つまり、遅延回路81の遅延時間と同じパルス幅で電圧を変調信号の立ち上がり時と立ち下り時に印加するようになる。このようにして、適切な電圧印加時間を設定することが可能になる。同様に、他方の遅延回路81と排他的論理和回路82の作用によりスイッチSW1を制御しえOFFバイアスを供給することで、発光素子LDがオンからオフへの動作を制御する(高速化する)。
【0068】
電流生成回路700は、図5に示す共通制御電位設定回路200が出力する電流毎の差分電圧を受け取り、差分電圧に応じた電流を生成する。電流生成回路700のオペアンプ34と定電流源32とは基準共通電位と基準オフセット電位で形成される差分電圧を受け取り、差分電圧に応じたオフセット電流を生成する。
オフセット電流はスイッチSW16を介して負荷24に流れる。オフセット電流に応じてコンデンサC2の端子電位が決まり、これにより電圧源として機能するコンデンサC2が発光素子LDに与える駆動電圧を調整することができる。駆動電圧を調整することで、駆動パルスをオーバーシュートさせ、短いパルス幅までレーザを追従させることでハイライトの再現性を高めることができ、駆動電圧を少し大きめに設定することで画像の輪郭を強調できるなど、画像に合わせてこれらを適宜設定することで画質の調整にも使用することができる。オペアンプ35と電流源31とは、基準共通電位と基準バイアス電位で形成される差分電圧をスイッチ750を介して受け取り、差分電圧に応じたバイアス電流を生成する。また、スイッチ750に接続される図中の電圧源が設定するOFFバイアス電圧を受けた電流源31は、OFFバイアス電圧応じたレーザ駆動電流を生成する。
【0069】
以上説明したように、第4実施形態に係る光量制御装置は、第1から第4の実施形態に係る作用、効果、つまり精度よく光量をモニタすることができるとともに、上述した他の様々な特徴を備えた装置である。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、光量制御に用いる受光器が出力する光電流を用いてレーザの発光波形を観察できる光量制御装置及びこれを用いた画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る光量制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係る光量制御装置の構成を示す回路図である。
【図3】図2の構成の詳細な回路図である。
【図4】本発明の第3実施形態に係る光量制御装置の構成を示す回路図である。
【図5】本発明の第4実施形態に係る光量制御装置の全体構成を示すブロック図である。
【図6】図5に示すドライバの内部構成を示す回路図である。
【図7】本発明の光量制御装置を備える画像形成装置の一態様であるレーザゼログラフィにおけるレーザ走査系の構成例と、各センサ出力とを示す図である。
【符号の説明】
10 光量制御装置 LD1〜LD32 発光素子
1001〜10032 ドライバ 200 共通制御電位設定回路
211 演算増幅器(オペアンプ) 212、213 定電流源
214、215 負荷 216 定電圧源
300 電流アンプ 400 光量モニタ
500 強制点灯回路 600 APC回路
61 オペアンプ SWfb1〜SWfb32 スイッチ
Cfb32〜Cfb32 コンデンサ
Vref、Vref1、Vref2 APC基準電圧
150 バス COUT 端子 Cd1〜Cd32 コンデンサ
LDOUT 端子 LDCOM 端子 11 負荷
PD 受光器 SW19 スイッチ 21、22 乗算器
30 電流源 26 オペアンプ 28 インバータ
800 電圧印加時間調整回路 81 遅延回路
82 排他的論理和回路 700 電流生成回路
34 オペアンプ 32 定電流源 24 負荷
35 オペアンプ 900 バイアス回路
31 電流源 R11、R21 抵抗 C11、
Cd、C1、C2、C3−1、C4−1、C3−2、C4−2 コンデンサ
SW1、SW2、SW3、SW5−1、SW5−2、SW5−3、SW5−4、SW6−1、SW6−2、SW6−3、SW6−4、SW7、SW8、SW11、SW11−1、SW11−2、SW12、SW13、SW15−1、SW15−2、SW16 スイッチ
Claims (10)
- 発光素子と、前記発光素子からの光を受光する受光素子と、該受光素子からの受光信号を入力する入力回路と、前記受光信号と目標光量に対応した信号に基づいて光量制御時の制御信号を作成する誤差増幅器と、前記制御信号に基づいて前記受光素子を駆動する駆動手段とを備えた光量制御装置において、
前記入力回路は前記目標光量の変化による入力端子の電位変化を補償する補償電流を前記受光信号に重畳する補償電流源を有し、
前記入力端子の電位と前記補償電流源の電流値とに基づいて、前記発光素子の発光量に対応した光量モニタ信号を出力する光量モニタ手段とを具備することを特徴とする光量制御装置。 - 前記補償電流源は、前記発光素子がオフしている時に、オンしている時と同じ前記入力端子の電位とする電流源を含むことを特徴とする請求項1記載の光量制御装置。
- 前記補償電流源は、前記発光素子がオンしている時に、前記発光素子の目標光量の変化によらず前記入力端子の電位を一定とする電流源を含むことを特徴とする請求項1記載の光量制御装置。
- 前記光量モニタ手段は、前記補償電流源の電流値と前記光量モニタ信号とに応じた電位を生成する手段と、該電位と前記入力端子の電位とを比較する差動増幅器を有することを特徴とする請求項1記載の光量制御装置。
- 前記光量モニタ手段は、前記補償電流源の電流値と前記光量モニタ信号とに応じた電位を生成する手段と、該電位と前記入力端子の電位とを比較する差動増幅器と、該差動増幅器の出力で制御されるとともに、前記目標光量に応じた電流を生成するカレントミラー回路とを有し、該カレントミラー回路の出力電流は前記光量モニタ信号に相当することを特徴とする請求項1記載の光量制御装置。
- 前記入力回路は、前記受光信号と前記補償電流を増幅する第1の増幅手段と、前記第1の増幅手段の主要部と共通構成の主要部を持ち、前記補償電流に応じた基準電流を増幅する第2の増幅手段とを有し、
前記誤差増幅器は、前記第1及び第2の増幅手段の出力に基づいて前記制御信号を生成し、
前記入力回路はカレントミラー回路を含み、前記光量モニタ回路は、前記入力端子の電位を再現する前記光量モニタ信号を生成し、当該信号と前記補償電流源の電流値とに基づいて、前記発光素子の発光量に対応した信号を出力することを特徴とする請求項1記載の光量制御装置。 - 前記カレントミラー回路は前記補償電流が重畳された光電流を増幅するとともに、増幅後の出力から前記補償電流を差し引く電流源を有することを特徴とする請求項6記載の光量制御装置。
- 前記光量モニタ手段は、前記光量モニタ信号が流れる負荷と、該負荷に定常的にバイアス電流を供給する電流源とを有することを特徴とする請求項1から7記載の光量制御装置。
- 前記第1及び第2の増幅手段はそれぞれ、複数段のカレントミラー回路を有することを特徴とする請求項7記載の光量制御装置。
- 複数の発光素子と、感光体と、前記複数の発光素子からの光ビームを感光体上に照射するための光学系と、前記複数の発光素子の光量を制御する光量制御装置とを有し、該光量制御装置は請求項1から請求項9のいずれか一項記載の画像形成装置。
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