JP2005063500A - 磁気テープ検査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】一方の面に磁性層が形成された磁気テープにおける他方の面に欠陥部が存在するか否かを検査し得る磁気テープ検査装置を提供する。
【解決手段】表面10aに磁性層が形成されて記録データを記録可能に構成された磁気テープ10をその長手方向に沿って移動させる移動機構と、磁気テープ10における裏面10bを光学的に検査する光学式検査装置とを備え、光学式検査装置は、磁気テープ10における裏面10bに検査光Laを照射する検査光照射部6aと、検査光照射部6aによって照射されて裏面10bで反射された反射光Lbを受光して光検出信号を出力するCCDカメラ6bと、出力された光検出信号に基づいて裏面10bを検査する第1検査部とを備えている。
【選択図】 図2
【解決手段】表面10aに磁性層が形成されて記録データを記録可能に構成された磁気テープ10をその長手方向に沿って移動させる移動機構と、磁気テープ10における裏面10bを光学的に検査する光学式検査装置とを備え、光学式検査装置は、磁気テープ10における裏面10bに検査光Laを照射する検査光照射部6aと、検査光照射部6aによって照射されて裏面10bで反射された反射光Lbを受光して光検出信号を出力するCCDカメラ6bと、出力された光検出信号に基づいて裏面10bを検査する第1検査部とを備えている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気テープの良否を検査可能に構成された磁気テープ検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の磁気テープ検査装置として、長尺状磁気記録媒体(磁気テープ)2の表面(磁性層の形成面)を検査可能に構成された表面検査装置1が特開平9−127011号公報に開示されている。この表面検査装置1は、同公報の図1に示すように、検査対象の長尺状磁気記録媒体2を送り出す巻出手段3と、検査が完了した長尺状磁気記録媒体2を巻き取る巻取手段4との間に、長尺状磁気記録媒体2の表面を磁気的に検査する磁気的欠陥検出手段6と、長尺状磁気記録媒体2の表面を光学的に検査する光学的欠陥検出手段7とが配設されて構成されている。また、磁気的欠陥検出手段6は、長尺状磁気記録媒体2の磁性層に検査用の信号を書き込む書込用磁気ヘッド61と、書込用磁気ヘッド61によって書き込まれた信号を読み取る読取用磁気ヘッド62とを備えている。さらに、光学的欠陥検出手段7は、長尺状磁気記録媒体2の磁性層に検査用の光を照射する発光手段71と、発光手段71によって照射されて長尺状磁気記録媒体2によって反射された反射光を受光する受光手段72とを備えている。
【0003】
この表面検査装置1によって長尺状磁気記録媒体2を検査する際には、まず、検査対象の長尺状磁気記録媒体2を巻取手段4に巻き取らせるようにして巻出手段3から移動(走行)させる。次に、磁気的欠陥検出手段6の書込用磁気ヘッド61が長尺状磁気記録媒体2の各トラックに検査用の信号を磁気的に書き込むと共に、読取用磁気ヘッド62が書込用磁気ヘッド61によって書き込まれた磁気的な信号を各トラックから読み取る。この際に、読取用磁気ヘッド62によって磁気的な信号が電気的な信号に変換されて、この電気的な信号が基準値を超えているか否かに基づいて各トラック毎に欠陥部(記録データの正常書き込み、または再生が困難な部位)の有無が検査される。また、磁気的欠陥検出手段6によっていずれかのトラックに欠陥部が検出された際には、長尺状磁気記録媒体2に対する検査開始点から欠陥部が検出された部位までの距離が表示される。
【0004】
また、この表面検査装置1では、磁気的欠陥検出手段6による磁気的な検査と並行して、光学的欠陥検出手段7によって欠陥部の有無が検査される。具体的には、光学的欠陥検出手段7の発光手段71が長尺状磁気記録媒体2の表面(磁性層)に検査用の光を照射すると共に、受光手段72が発光手段71によって照射されて長尺状磁気記録媒体2の表面で反射された光を受光する。この際に、長尺状磁気記録媒体2の表面で反射された光が受光手段72によって電気的な信号に変換された後に画像処理手段によって画像処理される。また、画像処理手段によって処理された信号に基づいて判定回路による比較処理が実行されることにより、微細な欠陥部(磁性層の塗工むらや、塗工抜け)の有無が検査される。また、光学的欠陥検出手段7によって欠陥部が検出された際には、検査開始点から欠陥部が検出された部位までの距離が表示される。このように、長尺状磁気記録媒体2の長手方向全域に亘って両欠陥検出手段6,7によって欠陥部の有無が検査されることにより、長尺状磁気記録媒体2の良否が判別(検査)される。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−127011号公報(第3−5頁、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の表面検査装置1には、以下の問題点がある。すなわち、従来の表面検査装置1では、磁気的欠陥検出手段6によって長尺状磁気記録媒体2の表面(磁性層)を磁気的に検査すると共に、光学的欠陥検出手段7によって長尺状磁気記録媒体2の表面(磁性層)に微細な欠陥部が存在するか否かを検査している。この場合、近年の磁気記録媒体には、磁性層(データ記録用トラック)に対する記録データの正確な書き込み、および磁性層からの記録データの正確かつ迅速な読み取りを可能とするために、磁気テープの裏面に位置決め用のマークを予め記録(形成)しておくタイプの磁気記録媒体が存在する。例えば、図8に示す磁気テープ10は、記録データの記録再生時に記録再生装置が磁気テープ10の長手方向における位置を特定するための(位置決めするための)マークM(微細な穴)が支持体としてのベースフィルムの裏面10b(バックコート層)に所定のピッチで数多く形成されている。
【0007】
一方、磁気テープ10の裏面10bには、図8に示すように、バックコート層の形成時に生じたコーティング材料の塗布むら、ベースフィルムまたはバックコート層の傷付き、および異物の付着などの微細な欠陥部Xbが発生することがある。この場合、裏面10bに多数くの欠陥部Xb,Xb・・が存在する状態では、記録データの記録再生時に欠陥部Xb,Xb・・が位置決め用のマークM,M・・であると誤って認識されるおそれがある。この際には、この誤った認識に起因して、磁気テープ10の長手方向の位置が誤認識される結果、記録データの正常な書き込みおよび正常な再生が困難となる。したがって、磁気テープ10の裏面10bに欠陥部Xb,Xb・・が存在するか否かを検査する必要がある。しかし、従来の表面検査装置1には、長尺状磁気記録媒体2の表面を検査する磁気的欠陥検出手段6および光学的欠陥検出手段7しか存在しないため、長尺状磁気記録媒体2の裏面(磁気テープ10における裏面10b)を検査することができないという問題点がある。
【0008】
本発明は、かかる改善すべき課題に鑑みてなされたものであり、一方の面に磁性層が形成された磁気テープにおける他方の面に欠陥部が存在するか否かを検査し得る磁気テープ検査装置を提供することを主目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく本発明に係る磁気テープ検査装置は、一方の面に磁性層が形成されて記録データを記録可能に構成された磁気テープをその長手方向に沿って移動させる移動機構と、前記磁気テープにおける他方の面を光学的に検査する光学式検査装置とを備え、前記光学式検査装置は、前記磁気テープにおける前記他方の面に検査用の光を照射する光照射部と、当該光照射部によって照射されて前記他方の面で反射された散乱光を受光して光検出信号を出力する受光部と、当該出力された光検出信号に基づいて前記他方の面を検査する第1検査部とを備えている。
【0010】
この場合、前記磁気テープにおける前記一方の面に検査用データを書き込むデータ書き込み部と、当該書き込まれた前記検査用データを読み取って読み取り信号を出力するデータ読み取り部と、当該出力された読み取り信号に基づいて前記一方の面を検査する第2検査部とを有して前記一方の面を磁気的に検査する磁気式検査装置を備えるのが好ましい。
【0011】
また、前記磁気テープの振動を吸収する一対の振動吸収部を備え、当該一対の振動吸収部の間に前記磁気式検査装置を配置し、前記一対の振動吸収部の間であって前記磁気式検査装置よりも前記磁気テープの移動方向における下流側に前記光学式検査装置を配置するのが好ましい。
【0012】
さらに、前記光学式検査装置および前記磁気式検査装置の検査結果に基づいて前記磁気テープの良否を判別する判別処理を実行する判別部を備え、当該判別部による前記判別処理に際して前記磁気テープを前記長手方向に沿って複数の検査領域に仮想的に分割すると共に前記光学式検査装置および前記磁気式検査装置のいずれかの検査結果が所定の基準に満たない当該検査領域を不良と判別するのが好ましい。
【0013】
また、前記判別部の判別結果を記憶する記憶部を備え、前記判別部が前記各検査領域毎の判別結果をその磁気テープに関連付けて前記記憶部に記憶させるのが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る磁気テープ検査装置の実施の形態について説明する。
【0015】
最初に、テープ検査装置1の構成について、図面を参照して説明する。
【0016】
磁気テープ検査装置(以下、「検査装置」ともいう)1は、図1に示すように、移動機構2、支持機構3、エア供給部4、表面検査部5、裏面検査部6、計測部7、制御部8および記憶部9を備えて磁気テープ10の良否を検査可能に構成されている。この場合、磁気テープ10は、支持体としてのベースフィルムと、ベースフィルムの表面に形成された磁性層(以下、磁性層の形成面を「表面10a」ともいう)と、ベースフィルムの裏面に形成されたバックコート層(以下、バックコート層の形成面を「裏面10b」ともいう)とを備え、一例として、その厚みが10μm程度で長さが6000m程度に形成されている。また、図8に示すように、磁気テープ10の裏面10b(バックコート層)には、検査装置1による検査が完了した後に、図示しない加工機によって、数多くのマークMが所定のピッチで形成される。また、この磁気テープ10は、検査装置1による検査が完了し、加工機によるマークMの形成が完了した後には、記録再生装置による各種の記録データの記録再生が可能にテープリールに巻回されてカセットケースに収容される。
【0017】
移動機構2は、図1に示すように、検査対象の磁気テープ10が巻回された送り側リール2aと、検査装置1による検査が完了した磁気テープ10を巻回する巻取り側リール2bと、両リール2a,2bを回転させることによって磁気テープ10をその長手方向(同図に示す矢印の向き)に移動させるモータ(図示せず)とを備えて構成されている。この場合、移動機構2は、制御部8の制御下で、一例として毎秒5mの速度で磁気テープ10を高速移動させる。支持機構3は、図2に示すように、テンション機構11,11、エアガイド13a〜13e(以下、区別しないときには「エアガイド13」ともいう)およびテープ支持具14を備えて磁気テープ10に所定の張力を付与しつつ支持する。テンション機構11は、ローラ12a,12a,12bを備えて、磁気テープ10に張力を付与することによって検査時における弛みの発生を回避する。具体的には、ローラ12a,12a間に張架された磁気テープ10をローラ12bによって同図の下方に引き下げることによって磁気テープ10に張力を付与する。エアガイド(以下、「ガイド」ともいう)13は、その表面に多数のエア吐出し細孔が形成されて構成され、エア供給部4から供給されるエア(圧縮空気)を吐出して磁気テープ10との間に空気の層を形成することにより、テープ支持具14と相俟って磁気テープ10を非接触の状態で支持する。また、ガイド13は、本発明における振動吸収部を構成し、テンション機構11によって磁気テープ10に張力が付与されることで磁気テープ10が空気の層を介してガイド13に押し付けられ、これにより、磁気テープ10に生じた振動を吸収して下流側への伝搬を回避する。この場合、ガイド13a,13eが本発明における「一対の振動吸収部」を構成する。
【0018】
テープ支持具(以下、「支持具」ともいう)14は、ベース部14aと、ベース部14aに立設された壁部14b,14b,14c,14cとを備えて、全体としてセラミックによって一体形成されている。壁部14b,14bは、一例として、その厚みが1.5mmの壁状に形成されて、2.5mm程度だけ離間して互いに対向するようにして配置されている。また、壁部14bは、その先端面(同図では下端面)が平坦に形成されると共にその先端面と側面との角部が面取りされて、磁気テープ10の幅方向に沿った線状の領域(壁部14bの厚み(1.5mm)と同幅で線状の平面視長方形の領域)に当接可能に構成されている。一方、壁部14c,14cは、一例として、その厚みが1.5mmの壁状に形成されている。この場合、各壁部14cは、壁部14bに対して、一例として、1.6mm程度だけ離間するように、その各壁面が壁部14b,14bの各壁面と対向するようにして配置されている。また、壁部14cは、壁部14bと同様にして、その先端面が平坦に形成されると共に、先端面と側面との角部が面取りされて、磁気テープ10の幅方向に沿った線状の領域(壁部14cの厚み(1.5mm)と同幅で線状の平面視長方形の領域)に当接可能に構成されている。さらに、壁部14cは、壁部14bと比較して、一例として0.2mmだけ低背に形成されている。
【0019】
表面検査部5は、本発明における磁気式検査装置に相当し、記録ヘッド5W、再生ヘッド5R1,5R2および消去ヘッド5Eを備えて、磁気テープ10の表面10a(磁性層)について検査可能に配置されている。記録ヘッド5Wは、本発明におけるデータ書き込み部に相当し、制御部8の制御下で磁気テープ10の表面10a(磁性層)に検査用データを磁気的に書き込む。この場合、図3に示すように、記録ヘッド5Wは、磁気テープ10の幅方向全域を含んで規定された領域Aa1に磁気的信号(検査用データ)を書き込み可能に構成されている。再生ヘッド5R1,5R2(以下、区別しないときには「再生ヘッド5R」ともいう)は、本発明におけるデータ読み取り部に相当し、記録ヘッド5Wによって書き込まれた磁気的信号を制御部8の制御下で磁気テープ10から読み取って再生信号(本発明における読み取り信号)を出力する。
【0020】
この場合、再生ヘッド5Rは、磁気テープ10の表面10aに規定された複数のデータ記録用トラック(以下、「トラック」ともいう)毎に磁気的信号を別個独立して読み取り可能に構成されている。具体的には、検査対象の磁気テープ10は、その表面10aに例えば48本のトラックが規定されている。一方、再生ヘッド5R1は、48本のトラックのうちの奇数本目のトラックについての磁気的信号を読み取るために、領域Aa11,Aa13・・Aa1(N−1)(この場合、N=48)から磁気的信号を読み取り可能に構成されている。再生ヘッド5R2は、48本のトラックのうちの偶数本目のトラックについての磁気的信号を読み取るために、領域Aa12,Aa14・・Aa1Nから磁気的信号を読み取り可能に構成されている。消去ヘッド5Eは、記録ヘッド5Wによって表面10aに書き込まれた検査用データを磁気的に消去する。
【0021】
裏面検査部6は、本発明における光学式検査装置に相当し、磁気テープ10の裏面10bに例えば直径10μmよりも大きい欠陥部Xb(傷、剥離部および付着物)が存在するか否かを光学的に検査する。この裏面検査部6は、図2に示すように、検査光照射部6aおよびCCDカメラ6bを備えて構成されている。検査光照射部6aは、本発明における光照射部に相当し、ハロゲンランプ、高輝度LED、ナトリウムランプおよびレーザダイオード等で構成されると共に、制御部8の制御下で支持具14の壁部14b,14b間に張架された磁気テープ10の裏面10bに検査光Laを照射する。この場合、本発明の実施の形態では、高輝度で、しかも調光が容易なハロゲンランプによって検査光照射部6aが構成されて、磁気テープ10の裏面10bに規定された線状の領域Ab1(図4参照)に検査光Laを照射する。
【0022】
CCDカメラ6bは、本発明における受光部に相当し、磁気テープ10の裏面10bに規定された線状の領域Ab2(図4参照)を撮像することにより、検査光照射部6aによって照射されて磁気テープ10の裏面10bで反射された反射光Lb(散乱光)を受光して例えば輝度信号(本発明における光検出信号)を出力する。具体的には、CCDカメラ6bは、検査光照射部6aによって検査光Laが照射された領域Ab1の近傍である領域Ab2を撮像する。この際に、磁気テープ10に欠陥部Xbが存在するときには、検査光照射部6aによって照射された検査光Laが欠陥部Xbによって乱反射されて、その反射光Lb(散乱光)がCCDカメラ6bに入光する。この場合、この裏面検査部6では、検査光照射部6aによって照射されて磁気テープ10の裏面10bで反射された正反射光がCCDカメラ6bに入光しないように、検査光照射部6aによる検査光Laの照射位置(領域Ab1)およびその照射角度と、CCDカメラ6bによる撮像位置(領域Ab2)およびCCDカメラ6bの裏面10bに対する設置角度とが規定されている。したがって、磁気テープ10の裏面10bに欠陥部Xbが存在しないときには、検査光照射部6aから照射した検査光Laの大半がCCDカメラ6bに入光しないため、CCDカメラ6bによって出力される輝度信号が所定の輝度レベル以下となる。逆に、磁気テープ10の裏面10bに欠陥部Xbが存在するときには、検査光照射部6aから照射した検査光Laの一部が乱反射してその一部がCCDカメラ6bに入光するため、CCDカメラ6bによって出力される輝度信号が所定の輝度レベルを超えることとなる。
【0023】
この場合、この種の磁気テープ検査装置では、検査対象の磁気テープ10がテンション機構11などを通過する際に振動が発生し、この振動がその移動方向に沿って伝搬し易いという傾向がある。一方、表面検査部5では、磁気テープ10を記録ヘッド5Wおよび再生ヘッド5Rに接触させた状態で検査する構成のため、磁気テープ10が僅かに振動していたとしても比較的高精度で欠陥部Xaの有無を検査することができる。これに対して、裏面検査部6は、磁気テープ10の裏面10bに検査光Laを照射して、その反射光Lbの有無に基づいて欠陥部Xbの有無を検査する構成のため、検査対象の磁気テープ10が大きく振動している状態では、正確な検査が困難となる。したがって、この検査装置1では、裏面検査部6をガイド13a,13eの間であって表面検査部5よりも移動方向の下流側に配置することにより、裏面検査部6による裏面10bの検査時における磁気テープ10の振動を軽減して欠陥部Xbの有無を高精度で検査可能としている。具体的には、移動方向上流側のテンション機構11において発生した振動は、磁気テープ10の移動方向である表面検査部5の側に向けて伝搬する。この際に、磁気テープ10を伝搬する振動は、磁気テープ10がガイド13a、記録ヘッド5W、ガイド13b、再生ヘッド5R1、ガイド13c、再生ヘッド5R2、ガイド13dに順に接触する毎に徐々に減衰される。したがって、磁気テープ10が支持具14に接触する部位(裏面検査部6による裏面10bの検査が行われる部位)においては、磁気テープ10が殆ど振動しないため、裏面10bを高精度で検査することが可能となっている。
【0024】
計測部7は、移動機構2によって移動させられた磁気テープ10の移動距離(すなわち、表面検査部5および裏面検査部6による検査が完了して巻取り側リール2bに巻回された磁気テープ10の長さ)を計測する。制御部8は、移動機構2を制御して磁気テープ10を高速移動させると共に、表面検査部5を制御して磁気テープ10の表面10aに対する磁気的信号の書き込みおよび読み出しを実行させ、裏面検査部6を制御して裏面10bに対する検査光Laの照射および反射光Lbの受光を実行させる。また、制御部8は、本発明における第1検査部、第2検査部および判別部を構成し、表面検査部5の再生ヘッド5Rによって出力された再生信号、および裏面検査部6のCCDカメラ6bによって出力された輝度信号に基づいて磁気テープ10に欠陥部Xa,Xb(図6参照)が存在するか否かを検査する。
【0025】
この場合、図5に示すように、この検査装置1では、磁気テープ10をその長手方向に沿って、その長さL1が10m程度の複数のブロックB,B・・(本発明における検査領域)に仮想的に分割して、制御部8が、各ブロックB,B・・を良否判別の単位として磁気テープ10を検査する。さらに、制御部8は、各ブロックB,B・・毎の良否判別の結果(判別結果)をその磁気テープ10に関連付けて記憶部9に記憶させると共に、図示しない表示部に表示させる。また、検査装置1は、実際には、送り側リール2aに巻回されている磁気テープ10をテンション機構11に案内する各種のローラー等、検査が完了した磁気テープ10をテンション機構11から巻取り側リール2bに案内する各種のローラー等、および磁気テープ10をクリーニングするクリーナーなどを備えているが、本発明についての理解を容易とするために、これらについての説明および図示を省略する。
【0026】
次に、検査装置1による磁気テープ10の検査方法について、図面を参照して説明する。
【0027】
まず、検査対象の磁気テープ10が巻回された送り側リール2aと、検査が完了した磁気テープ10を巻回する巻取り側リール2bとを移動機構2に取り付ける。次に、送り側リール2aから磁気テープ10の先端部を引き出して、図2に示すように、テンション機構11、表面検査部5、裏面検査部6およびテンション機構11をこの順で通過するように磁気テープ10をセットした後に、巻取り側リール2bに先端部を固定する。この際に、磁気テープ10の表面10aには、記録ヘッド5W、再生ヘッド5R1,5R2、支持具14および消去ヘッド5Eが接触し、裏面10bには、ガイド13a〜13eが接触する。次いで、制御部8がエア供給部4を制御して各ガイド13からエアを吐出させる。この際に、吐出されたエアによって各ガイド13と磁気テープ10との間に空気の層が形成され、これにより、磁気テープ10が各ガイド13に対して非接触の状態で支持される。
【0028】
次に、制御部8は、移動機構2を制御して送り側リール2aおよび巻取り側リール2bを回転させることにより、送り側リール2aに巻回されている磁気テープ10を巻取り側リール2bに巻回させる。この際に、テンション機構11,11によって磁気テープ10に所定の張力が付与されているため、磁気テープ10は、空気の層を介してその裏面10bが各ガイド13に押し付けられると共に、その表面10aが記録ヘッド5W、再生ヘッド5R1,5R2、消去ヘッド5Eおよび支持具14に押し付けられた状態で送り側リール2aから巻取り側リール2bに向けて移動させられる。この場合、この検査装置1では、磁気テープ10が空気の層を介して各ガイド13に押し付けられる構成のため、ガイド13によって磁気テープ10が傷付けられる事態が回避されている。また、磁気テープ10がガイド13によって非接触状態で支持されているため、ガイド13の近傍における磁気テープ10の摺動抵抗(移動抵抗)が極く小さくなっている。さらに、支持具14における各壁部14b,14cの先端面が平坦に形成されると共に、その先端面と側面との角部が面取りされているため、支持具14によって磁気テープ10が傷付けられる事態が回避されている。また、支持具14の各壁部14b,14cの厚みが1.5mm程度と薄厚のため、支持具14によって支持されている部位において磁気テープ10との間での摺動抵抗も極く小さくなっている。
【0029】
次に、制御部8は、表面検査部5および裏面検査部6に対して磁気テープ10の表面10aおよび裏面10bの検査を開始させる(検査処理の開始)。この際に、図3に示すように、表面検査部5は、まず、記録ヘッド5Wが磁気テープ10における表面10aの領域Aa1(すべてのデータ記録用トラック)に検査用データを磁気的に書き込む。また、記録ヘッド5Wによって検査用データの書き込まれた部位が磁気テープ10の移動に伴って再生ヘッド5R1の位置まで移動させられた際には、再生ヘッド5R1が表面10aの領域Aa11,Aa13・・Aa1(N−1)(すなわち、奇数番目のデータ記録用トラック)から検査用データ(磁気的信号)を読み取ると共に、磁気的信号を電気的信号に変換して制御部8に出力する。さらに、記録ヘッド5Wによって検査用データが書き込まれた部位が再生ヘッド5R2まで移動させられた際には、再生ヘッド5R1が表面10aの領域Aa12,Aa14・・Aa1N(すなわち、偶数番目のデータ記録用トラック)から検査用データ(磁気的信号)を読み取ると共に、磁気的信号を電気的信号に変換して制御部8に出力する。また、計測部7は、磁気テープ10の移動距離(すなわち、表面検査部5および裏面検査部6による検査が実行されている位置)を特定可能な計測データを制御部8に逐次出力する。
【0030】
一方、制御部8は、再生ヘッド5R1,5R2によって出力された再生信号を解析することによって表面10a(磁性層)に欠陥部Xaが存在するか否かを判別する。具体的には、表面10aに例えば図6に示すような線状の欠陥部Xaが存在するときには、その欠陥部Xaの位置に対応するデータ記録用トラックについての再生信号が所定の基準値を下回る。したがって、制御部8は、再生ヘッド5Rの再生信号のうちのいずれかのデータ記録用トラックについての再生信号が基準値を下回ったときに、そのデータ記録用トラックに欠陥部Xaが存在すると判別する。また、制御部8は、欠陥部Xaが存在した数を各データ記録用トラック毎にカウントして、1つのブロックBを計数単位として記憶部9に欠陥部Xaの存在数を記憶させる。この結果、記憶部9には、いずれのブロックBで、いずれのデータ記録用トラックに、幾つの欠陥部Xaが存在したかを特定可能な情報が記憶される。この後、記録ヘッド5Wによって検査用データが書き込まれた部位が裏面検査部6を通過して(裏面検査部6によって裏面10bが検査されて)消去ヘッド5Eまで移動させられた際には、消去ヘッド5Eが、表面10aの領域Aa2(すなわち、記録ヘッド5Wによって書き込まれた検査用データのすべて)を消去する。このように、記録ヘッド5Wによる検査用データの書き込み、再生ヘッド5Rによる検査用データの読み取り、再生ヘッド5Rの再生信号に基づいての欠陥部Xaの有無の判別、欠陥部Xaの存在数の記憶、および消去ヘッド5Eによる検査用データの消去を磁気テープ10の長手方向全域について実行することにより、表面10aの磁気的検査が完了する。
【0031】
また、制御部8は、表面検査部5に対する表面10aの磁気的検査と並行して、裏面検査部6に対して裏面10bの光学的検査を実行させる。この際に、裏面検査部6は、まず、検査光照射部6aが図4に示す領域Ab1に対する検査光Laの照射を開始すると共に、CCDカメラ6bが領域Ab2の撮像を開始する。この際に、磁気テープ10の裏面10bに異物の付着や傷などの欠陥部Xbが存在するときには、検査光照射部6aによって領域Ab1に照射された検査光Laが欠陥部Xbによって反射されて、この反射光Lb(散乱光)がCCDカメラ6bに入光する。この結果、CCDカメラ6bによって出力される輝度信号が所定の輝度レベルを上回る。したがって、この際に、制御部8は、磁気テープ10の裏面10bに欠陥部Xbが存在すると判別する。この場合、CCDカメラ6bが磁気テープ10の幅方向のいずれの部位で反射光Lbが入光したかを特定可能な輝度信号を出力するため、制御部8は、計測部7による計測データと、CCDカメラ6bによる輝度信号とに基づいて、磁気テープ10のどの位置において検査光Laがどの程度反射されたかを特定する。また、制御部8は、特定した結果(欠陥部Xbが存在する位置)を特定可能なデータを記憶部9に記憶させる。また、磁気テープ10の裏面10bに欠陥部Xbが存在しないときには、検査光照射部6aから照射された検査光Laが磁気テープ10によって殆ど乱反射されずに、CCDカメラ6bによって出力される輝度信号が所定の基準値以下となる。したがって、制御部8は、磁気テープ10に欠陥部Xbが存在しないと判別する。このように、検査光Laの照射、反射光Lbの受光位置の特定(欠陥部Xbの位置の特定)、および欠陥部Xbの存在位置の記憶部9への記憶を磁気テープ10の長手方向全域について実行することにより、裏面10bの光学的検査が完了する。
【0032】
次に、制御部8は、記憶部9に記憶されている表面10aについての検査結果と、裏面10bについての検査結果とに基づいて、各ブロックB,B・・の良否を判別する。具体的には、制御部8は、例えば図6に示すブロックBaのように、基準値を超える数の欠陥部Xaが表面10aに存在すると共に、基準値を超える数の欠陥部Xbが裏面10bに存在するときには、そのブロックBaを不良と判別する。また、同図に示すブロックBbのように、基準値を超える数の欠陥部Xaが表面10aに存在する際には、その裏面10bに欠陥部Xbが存在しない(または、欠陥部Xbの数が基準値を下回っている)ときであっても、そのブロックBbを不良と判別する。同様にして、同図に示すブロックBcのように、基準値を超える数の欠陥部Xbが裏面10bに存在するときには、その表面10aに欠陥部Xaが存在しない(または、欠陥部Xaの数が基準値を下回っている)ときであっても、そのブロックBcを不良と判別する。一方、同図に示すブロックBdのように、基準値を超える数の欠陥部Xaが表面10aに存在せず、しかも、基準値を超える数の欠陥部Xbが裏面10bに存在しないときには、そのブロックBdを良好と判別する。また、制御部8は、各ブロックB,B・・毎の良否の判別結果を各ブロックBに関連付けて記憶部9に記憶させると共に、その判別結果を表示部(図示せず)に表示させる。なお、同図および図7では、不良のブロックBを「×」で示し、良好なブロックBを「○」で示している。
【0033】
次いで、制御部8は、記憶部9に記憶させた判別結果に基づいて、テープカセット用の磁気テープとして使用可能な長さL2の間に不良のブロックBが存在するか否かを判別する。具体的には、図7に示すように、長さL2(一例として、500m)の間に存在する50個のブロックB,B・・のすべてが良好のときには、制御部8は、その長さL2の部位が良品であると判別して判別結果を磁気テープ10に関連付けて記憶部9に記憶させる。また、制御部8は、例えば、長さL2の間に存在する50個のブロックB,B・・のうちの少なくとも1つが不良のときには、その長さL2の部位が不良(記録媒体として使用不可能)と判別して、その判別結果を磁気テープ10に関連付けて記憶部9に記憶させる。この判別処理を磁気テープ10の長手方向全域に亘って実行することにより、その磁気テープ10についての検査が完了する。
【0034】
このように、この検査装置1によれば、移動機構2によって磁気テープ10をその長手方向に沿って移動させつつ、制御部8が裏面検査部6のCCDカメラ6bによって出力された輝度信号に基づいて(CCDカメラ6bによる散乱光の受光状態に基づいて)磁気テープ10の裏面10bを検査することにより、磁性層が存在しない裏面10bについても、極く小さな欠陥部Xbの存在の有無を確実かつ容易に検査することができる。したがって、例えば、位置合わせ用のマークMが形成されるタイプの磁気テープ10であっても、その製造時に検査装置1によって裏面10bを検査することにより、記録再生装置による記録データの記録再生時において、記録再生装置によって欠陥部Xb,Xb・・がマークM,M・・であると誤って認識される事態を回避することができる。
【0035】
また、この検査装置1によれば、制御部8が表面検査部5の再生ヘッド5Rによって出力された再生信号に基づいて磁気テープ10の表面10aを検査することにより、裏面10bの検査のみならず、表面10a(磁性層)の良否を並行して検査することができるため、表面10aを検査する検査装置と裏面10bを検査する検査装置との2つを使用して2回に亘って磁気テープ10を検査するのと比較して、磁気テープ10の両面10a,10bを一回で検査することができる結果、短時間で検査することができる。
【0036】
さらに、この検査装置1によれば、ガイド13a,13eの間であって表面検査部5よりも磁気テープ10の移動方向における下流側に裏面検査部6を配置したことにより、テンション機構11などで発生した振動が軽減される位置において裏面10bを光学的に検査することができる。このため、欠陥部Xbの存在の有無を一層確実に検査することができる。
【0037】
また、この検査装置1によれば、磁気テープ10を長手方向に沿って複数のブロックB,B・・に仮想的に分割すると共に表面検査部5および裏面検査部6のいずれかの検査結果が所定の基準に満たないブロックBを不良領域と判別することにより、例えば、磁気テープ10の長手方向全域を1つの検査領域として欠陥部Xa,Xbの有無を検査する構成と比較して、検査完了後に磁気テープ10の長手方向におけるいずれの部位が不良で、いずれの部位が良好かを容易に特定することができる。したがって、例えば検査が完了した磁気テープ10を裁断する際に、不良箇所を破棄して、良好な部位のみを使用して確実に良品のテープカートリッジを製造することができる。
【0038】
さらに、この検査装置1によれば、各ブロックB,B・・毎の判別結果をその磁気テープ10に関連付けて記憶部9に記憶させることにより、検査が完了した磁気テープ10を裁断してテープカートリッジを製造する際に(テープリールに巻回する際に)、どの部位が不良で、どの部位が良好(記録媒体として使用可能な状態)であるかを迅速かつ容易に特定することができるため、テープカートリッジ(磁気記録媒体)の製造コストを十分に低減することができる。
【0039】
なお、本発明は、上記した本発明の実施の形態に限定されない。例えば、本発明の実施の形態では、磁気テープ10の表面10aを表面検査部5によって磁気的に検査する構成について説明したが、本発明はこれに限定されず、表面検査部5に代えて裏面検査部6と同様の光学式検査装置を配設して、表面10aを光学的に検査可能に構成することができる。また、検査装置1の構成に加えて裏面検査部6と同様の光学式検査装置を表面10a側に配設して、表面10aを表面検査部5によって磁気的に検査すると共に光学式検査装置によって光学的に検査可能に構成することもできる。
【0040】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る磁気テープ検査装置によれば、移動機構によって磁気テープをその長手方向に沿って移動させつつ受光部によって出力された光検出信号に基づいて第1検査部が磁気テープにおける他方の面を検査することにより、磁性層が存在しない他方の面についても、極く小さな欠陥部の存在の有無を確実かつ容易に検査することができる。したがって、例えば、位置合わせ用のマークが形成されるタイプの磁気テープであっても、その製造時に磁気テープ検査装置によって他方の面を検査することにより、記録再生装置による記録データの記録再生時において、記録再生装置によって欠陥部が位置合わせ用のマークであると誤って認識される事態を回避することができる。
【0041】
また、本発明に係る磁気テープ検査装置によれば、磁気式検査装置によってデータ読み取り部によって出力された読み取り信号に基づいて第2検査部が磁気テープにおける一方の面を検査することにより、他方の面の検査のみならず、一方の面(磁性層)の良否を並行して検査することができるため、一方の面を検査する検査装置と他方の面を検査する検査装置との2つを使用して2回に亘って磁気テープを検査するのと比較して、磁気テープの両面を一回で検査することができる結果、短時間で検査することができる。
【0042】
さらに、本発明に係る磁気テープ検査装置によれば、一対の振動吸収部の間であって磁気式検査装置よりも磁気テープの移動方向における下流側に光学式検査装置を配置したことにより、テンション機構などで発生した振動が軽減される位置において他方の面を光学的に検査することができる。このため、欠陥部の存在の有無を一層確実に検査することができる。
【0043】
また、本発明に係る磁気テープ検査装置によれば、磁気テープを長手方向に沿って複数の検査領域に仮想的に分割すると共に光学式検査装置および磁気式検査装置のいずれかの検査結果が所定の基準に満たない検査領域を不良領域と判別することにより、例えば、磁気テープの長手方向全域を1つの検査領域として欠陥部の有無を検査する構成と比較して、検査完了後に磁気テープの長手方向におけるいずれの部位が不良で、いずれの部位が良好かを容易に特定することができる。したがって、例えば検査が完了した磁気テープを裁断する際に、不良箇所を破棄して、良好な部位のみを使用して確実に良品のテープカートリッジ(磁気記録媒体)を製造することができる。
【0044】
さらに、本発明に係る磁気テープ検査装置によれば、各検査領域毎の判別結果をその磁気テープに関連付けて記憶部に記憶させることにより、検査が完了した磁気テープを裁断してテープカートリッジを製造する際に、どの部位が不良で、どの部位が良好(記録媒体として使用可能な状態)であるかを迅速かつ容易に特定することができるため、テープカートリッジ(磁気記録媒体)の製造コストを十分に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る検査装置1の構成を示すブロック図である。
【図2】検査装置1におけるテンション機構11,11、ガイド13a〜13e、表面検査部5および裏面検査部6と磁気テープ10との位置関係を示す側面図である。
【図3】検査装置1における表面検査部5の記録ヘッド5W、再生ヘッド5R1,5R2および消去ヘッド5Eの位置関係を示す平面図である。
【図4】検査装置1における支持機構3の支持具14と、裏面検査部6による検査光Laの照射位置(領域Ab1)および撮像位置(領域Ab2)との関係を示す平面図である。
【図5】検査装置1の検査対象である磁気テープ10を複数のブロックB,B・・に仮想的に分割した状態の概念図である。
【図6】表面10aの欠陥部Xaの有無、および裏面10bの欠陥部Xbの有無と、磁気テープ10の各ブロックB,B・・の良否との関係を示す概念図である。
【図7】磁気テープ10の各ブロックB,B・・の良否を示す概念図である。
【図8】磁気テープ10の裏面10bを示す平面図である。
【符号の説明】
1 磁気テープ検査装置
2 移動機構
3 支持機構
5 表面検査部
5R1,5R2 再生ヘッド
5W 記録ヘッド
6 裏面検査部
6a 検査光照射部
6b CCDカメラ
7 計測部
8 制御部
9 記憶部
10 磁気テープ
10a 表面
10b 裏面
13a〜13e エアガイド
14 テープ支持具
B,Ba,Bb・・ ブロック
La 検査光
Lb 反射光
Xa,Xb 欠陥部
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気テープの良否を検査可能に構成された磁気テープ検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の磁気テープ検査装置として、長尺状磁気記録媒体(磁気テープ)2の表面(磁性層の形成面)を検査可能に構成された表面検査装置1が特開平9−127011号公報に開示されている。この表面検査装置1は、同公報の図1に示すように、検査対象の長尺状磁気記録媒体2を送り出す巻出手段3と、検査が完了した長尺状磁気記録媒体2を巻き取る巻取手段4との間に、長尺状磁気記録媒体2の表面を磁気的に検査する磁気的欠陥検出手段6と、長尺状磁気記録媒体2の表面を光学的に検査する光学的欠陥検出手段7とが配設されて構成されている。また、磁気的欠陥検出手段6は、長尺状磁気記録媒体2の磁性層に検査用の信号を書き込む書込用磁気ヘッド61と、書込用磁気ヘッド61によって書き込まれた信号を読み取る読取用磁気ヘッド62とを備えている。さらに、光学的欠陥検出手段7は、長尺状磁気記録媒体2の磁性層に検査用の光を照射する発光手段71と、発光手段71によって照射されて長尺状磁気記録媒体2によって反射された反射光を受光する受光手段72とを備えている。
【0003】
この表面検査装置1によって長尺状磁気記録媒体2を検査する際には、まず、検査対象の長尺状磁気記録媒体2を巻取手段4に巻き取らせるようにして巻出手段3から移動(走行)させる。次に、磁気的欠陥検出手段6の書込用磁気ヘッド61が長尺状磁気記録媒体2の各トラックに検査用の信号を磁気的に書き込むと共に、読取用磁気ヘッド62が書込用磁気ヘッド61によって書き込まれた磁気的な信号を各トラックから読み取る。この際に、読取用磁気ヘッド62によって磁気的な信号が電気的な信号に変換されて、この電気的な信号が基準値を超えているか否かに基づいて各トラック毎に欠陥部(記録データの正常書き込み、または再生が困難な部位)の有無が検査される。また、磁気的欠陥検出手段6によっていずれかのトラックに欠陥部が検出された際には、長尺状磁気記録媒体2に対する検査開始点から欠陥部が検出された部位までの距離が表示される。
【0004】
また、この表面検査装置1では、磁気的欠陥検出手段6による磁気的な検査と並行して、光学的欠陥検出手段7によって欠陥部の有無が検査される。具体的には、光学的欠陥検出手段7の発光手段71が長尺状磁気記録媒体2の表面(磁性層)に検査用の光を照射すると共に、受光手段72が発光手段71によって照射されて長尺状磁気記録媒体2の表面で反射された光を受光する。この際に、長尺状磁気記録媒体2の表面で反射された光が受光手段72によって電気的な信号に変換された後に画像処理手段によって画像処理される。また、画像処理手段によって処理された信号に基づいて判定回路による比較処理が実行されることにより、微細な欠陥部(磁性層の塗工むらや、塗工抜け)の有無が検査される。また、光学的欠陥検出手段7によって欠陥部が検出された際には、検査開始点から欠陥部が検出された部位までの距離が表示される。このように、長尺状磁気記録媒体2の長手方向全域に亘って両欠陥検出手段6,7によって欠陥部の有無が検査されることにより、長尺状磁気記録媒体2の良否が判別(検査)される。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−127011号公報(第3−5頁、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の表面検査装置1には、以下の問題点がある。すなわち、従来の表面検査装置1では、磁気的欠陥検出手段6によって長尺状磁気記録媒体2の表面(磁性層)を磁気的に検査すると共に、光学的欠陥検出手段7によって長尺状磁気記録媒体2の表面(磁性層)に微細な欠陥部が存在するか否かを検査している。この場合、近年の磁気記録媒体には、磁性層(データ記録用トラック)に対する記録データの正確な書き込み、および磁性層からの記録データの正確かつ迅速な読み取りを可能とするために、磁気テープの裏面に位置決め用のマークを予め記録(形成)しておくタイプの磁気記録媒体が存在する。例えば、図8に示す磁気テープ10は、記録データの記録再生時に記録再生装置が磁気テープ10の長手方向における位置を特定するための(位置決めするための)マークM(微細な穴)が支持体としてのベースフィルムの裏面10b(バックコート層)に所定のピッチで数多く形成されている。
【0007】
一方、磁気テープ10の裏面10bには、図8に示すように、バックコート層の形成時に生じたコーティング材料の塗布むら、ベースフィルムまたはバックコート層の傷付き、および異物の付着などの微細な欠陥部Xbが発生することがある。この場合、裏面10bに多数くの欠陥部Xb,Xb・・が存在する状態では、記録データの記録再生時に欠陥部Xb,Xb・・が位置決め用のマークM,M・・であると誤って認識されるおそれがある。この際には、この誤った認識に起因して、磁気テープ10の長手方向の位置が誤認識される結果、記録データの正常な書き込みおよび正常な再生が困難となる。したがって、磁気テープ10の裏面10bに欠陥部Xb,Xb・・が存在するか否かを検査する必要がある。しかし、従来の表面検査装置1には、長尺状磁気記録媒体2の表面を検査する磁気的欠陥検出手段6および光学的欠陥検出手段7しか存在しないため、長尺状磁気記録媒体2の裏面(磁気テープ10における裏面10b)を検査することができないという問題点がある。
【0008】
本発明は、かかる改善すべき課題に鑑みてなされたものであり、一方の面に磁性層が形成された磁気テープにおける他方の面に欠陥部が存在するか否かを検査し得る磁気テープ検査装置を提供することを主目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく本発明に係る磁気テープ検査装置は、一方の面に磁性層が形成されて記録データを記録可能に構成された磁気テープをその長手方向に沿って移動させる移動機構と、前記磁気テープにおける他方の面を光学的に検査する光学式検査装置とを備え、前記光学式検査装置は、前記磁気テープにおける前記他方の面に検査用の光を照射する光照射部と、当該光照射部によって照射されて前記他方の面で反射された散乱光を受光して光検出信号を出力する受光部と、当該出力された光検出信号に基づいて前記他方の面を検査する第1検査部とを備えている。
【0010】
この場合、前記磁気テープにおける前記一方の面に検査用データを書き込むデータ書き込み部と、当該書き込まれた前記検査用データを読み取って読み取り信号を出力するデータ読み取り部と、当該出力された読み取り信号に基づいて前記一方の面を検査する第2検査部とを有して前記一方の面を磁気的に検査する磁気式検査装置を備えるのが好ましい。
【0011】
また、前記磁気テープの振動を吸収する一対の振動吸収部を備え、当該一対の振動吸収部の間に前記磁気式検査装置を配置し、前記一対の振動吸収部の間であって前記磁気式検査装置よりも前記磁気テープの移動方向における下流側に前記光学式検査装置を配置するのが好ましい。
【0012】
さらに、前記光学式検査装置および前記磁気式検査装置の検査結果に基づいて前記磁気テープの良否を判別する判別処理を実行する判別部を備え、当該判別部による前記判別処理に際して前記磁気テープを前記長手方向に沿って複数の検査領域に仮想的に分割すると共に前記光学式検査装置および前記磁気式検査装置のいずれかの検査結果が所定の基準に満たない当該検査領域を不良と判別するのが好ましい。
【0013】
また、前記判別部の判別結果を記憶する記憶部を備え、前記判別部が前記各検査領域毎の判別結果をその磁気テープに関連付けて前記記憶部に記憶させるのが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る磁気テープ検査装置の実施の形態について説明する。
【0015】
最初に、テープ検査装置1の構成について、図面を参照して説明する。
【0016】
磁気テープ検査装置(以下、「検査装置」ともいう)1は、図1に示すように、移動機構2、支持機構3、エア供給部4、表面検査部5、裏面検査部6、計測部7、制御部8および記憶部9を備えて磁気テープ10の良否を検査可能に構成されている。この場合、磁気テープ10は、支持体としてのベースフィルムと、ベースフィルムの表面に形成された磁性層(以下、磁性層の形成面を「表面10a」ともいう)と、ベースフィルムの裏面に形成されたバックコート層(以下、バックコート層の形成面を「裏面10b」ともいう)とを備え、一例として、その厚みが10μm程度で長さが6000m程度に形成されている。また、図8に示すように、磁気テープ10の裏面10b(バックコート層)には、検査装置1による検査が完了した後に、図示しない加工機によって、数多くのマークMが所定のピッチで形成される。また、この磁気テープ10は、検査装置1による検査が完了し、加工機によるマークMの形成が完了した後には、記録再生装置による各種の記録データの記録再生が可能にテープリールに巻回されてカセットケースに収容される。
【0017】
移動機構2は、図1に示すように、検査対象の磁気テープ10が巻回された送り側リール2aと、検査装置1による検査が完了した磁気テープ10を巻回する巻取り側リール2bと、両リール2a,2bを回転させることによって磁気テープ10をその長手方向(同図に示す矢印の向き)に移動させるモータ(図示せず)とを備えて構成されている。この場合、移動機構2は、制御部8の制御下で、一例として毎秒5mの速度で磁気テープ10を高速移動させる。支持機構3は、図2に示すように、テンション機構11,11、エアガイド13a〜13e(以下、区別しないときには「エアガイド13」ともいう)およびテープ支持具14を備えて磁気テープ10に所定の張力を付与しつつ支持する。テンション機構11は、ローラ12a,12a,12bを備えて、磁気テープ10に張力を付与することによって検査時における弛みの発生を回避する。具体的には、ローラ12a,12a間に張架された磁気テープ10をローラ12bによって同図の下方に引き下げることによって磁気テープ10に張力を付与する。エアガイド(以下、「ガイド」ともいう)13は、その表面に多数のエア吐出し細孔が形成されて構成され、エア供給部4から供給されるエア(圧縮空気)を吐出して磁気テープ10との間に空気の層を形成することにより、テープ支持具14と相俟って磁気テープ10を非接触の状態で支持する。また、ガイド13は、本発明における振動吸収部を構成し、テンション機構11によって磁気テープ10に張力が付与されることで磁気テープ10が空気の層を介してガイド13に押し付けられ、これにより、磁気テープ10に生じた振動を吸収して下流側への伝搬を回避する。この場合、ガイド13a,13eが本発明における「一対の振動吸収部」を構成する。
【0018】
テープ支持具(以下、「支持具」ともいう)14は、ベース部14aと、ベース部14aに立設された壁部14b,14b,14c,14cとを備えて、全体としてセラミックによって一体形成されている。壁部14b,14bは、一例として、その厚みが1.5mmの壁状に形成されて、2.5mm程度だけ離間して互いに対向するようにして配置されている。また、壁部14bは、その先端面(同図では下端面)が平坦に形成されると共にその先端面と側面との角部が面取りされて、磁気テープ10の幅方向に沿った線状の領域(壁部14bの厚み(1.5mm)と同幅で線状の平面視長方形の領域)に当接可能に構成されている。一方、壁部14c,14cは、一例として、その厚みが1.5mmの壁状に形成されている。この場合、各壁部14cは、壁部14bに対して、一例として、1.6mm程度だけ離間するように、その各壁面が壁部14b,14bの各壁面と対向するようにして配置されている。また、壁部14cは、壁部14bと同様にして、その先端面が平坦に形成されると共に、先端面と側面との角部が面取りされて、磁気テープ10の幅方向に沿った線状の領域(壁部14cの厚み(1.5mm)と同幅で線状の平面視長方形の領域)に当接可能に構成されている。さらに、壁部14cは、壁部14bと比較して、一例として0.2mmだけ低背に形成されている。
【0019】
表面検査部5は、本発明における磁気式検査装置に相当し、記録ヘッド5W、再生ヘッド5R1,5R2および消去ヘッド5Eを備えて、磁気テープ10の表面10a(磁性層)について検査可能に配置されている。記録ヘッド5Wは、本発明におけるデータ書き込み部に相当し、制御部8の制御下で磁気テープ10の表面10a(磁性層)に検査用データを磁気的に書き込む。この場合、図3に示すように、記録ヘッド5Wは、磁気テープ10の幅方向全域を含んで規定された領域Aa1に磁気的信号(検査用データ)を書き込み可能に構成されている。再生ヘッド5R1,5R2(以下、区別しないときには「再生ヘッド5R」ともいう)は、本発明におけるデータ読み取り部に相当し、記録ヘッド5Wによって書き込まれた磁気的信号を制御部8の制御下で磁気テープ10から読み取って再生信号(本発明における読み取り信号)を出力する。
【0020】
この場合、再生ヘッド5Rは、磁気テープ10の表面10aに規定された複数のデータ記録用トラック(以下、「トラック」ともいう)毎に磁気的信号を別個独立して読み取り可能に構成されている。具体的には、検査対象の磁気テープ10は、その表面10aに例えば48本のトラックが規定されている。一方、再生ヘッド5R1は、48本のトラックのうちの奇数本目のトラックについての磁気的信号を読み取るために、領域Aa11,Aa13・・Aa1(N−1)(この場合、N=48)から磁気的信号を読み取り可能に構成されている。再生ヘッド5R2は、48本のトラックのうちの偶数本目のトラックについての磁気的信号を読み取るために、領域Aa12,Aa14・・Aa1Nから磁気的信号を読み取り可能に構成されている。消去ヘッド5Eは、記録ヘッド5Wによって表面10aに書き込まれた検査用データを磁気的に消去する。
【0021】
裏面検査部6は、本発明における光学式検査装置に相当し、磁気テープ10の裏面10bに例えば直径10μmよりも大きい欠陥部Xb(傷、剥離部および付着物)が存在するか否かを光学的に検査する。この裏面検査部6は、図2に示すように、検査光照射部6aおよびCCDカメラ6bを備えて構成されている。検査光照射部6aは、本発明における光照射部に相当し、ハロゲンランプ、高輝度LED、ナトリウムランプおよびレーザダイオード等で構成されると共に、制御部8の制御下で支持具14の壁部14b,14b間に張架された磁気テープ10の裏面10bに検査光Laを照射する。この場合、本発明の実施の形態では、高輝度で、しかも調光が容易なハロゲンランプによって検査光照射部6aが構成されて、磁気テープ10の裏面10bに規定された線状の領域Ab1(図4参照)に検査光Laを照射する。
【0022】
CCDカメラ6bは、本発明における受光部に相当し、磁気テープ10の裏面10bに規定された線状の領域Ab2(図4参照)を撮像することにより、検査光照射部6aによって照射されて磁気テープ10の裏面10bで反射された反射光Lb(散乱光)を受光して例えば輝度信号(本発明における光検出信号)を出力する。具体的には、CCDカメラ6bは、検査光照射部6aによって検査光Laが照射された領域Ab1の近傍である領域Ab2を撮像する。この際に、磁気テープ10に欠陥部Xbが存在するときには、検査光照射部6aによって照射された検査光Laが欠陥部Xbによって乱反射されて、その反射光Lb(散乱光)がCCDカメラ6bに入光する。この場合、この裏面検査部6では、検査光照射部6aによって照射されて磁気テープ10の裏面10bで反射された正反射光がCCDカメラ6bに入光しないように、検査光照射部6aによる検査光Laの照射位置(領域Ab1)およびその照射角度と、CCDカメラ6bによる撮像位置(領域Ab2)およびCCDカメラ6bの裏面10bに対する設置角度とが規定されている。したがって、磁気テープ10の裏面10bに欠陥部Xbが存在しないときには、検査光照射部6aから照射した検査光Laの大半がCCDカメラ6bに入光しないため、CCDカメラ6bによって出力される輝度信号が所定の輝度レベル以下となる。逆に、磁気テープ10の裏面10bに欠陥部Xbが存在するときには、検査光照射部6aから照射した検査光Laの一部が乱反射してその一部がCCDカメラ6bに入光するため、CCDカメラ6bによって出力される輝度信号が所定の輝度レベルを超えることとなる。
【0023】
この場合、この種の磁気テープ検査装置では、検査対象の磁気テープ10がテンション機構11などを通過する際に振動が発生し、この振動がその移動方向に沿って伝搬し易いという傾向がある。一方、表面検査部5では、磁気テープ10を記録ヘッド5Wおよび再生ヘッド5Rに接触させた状態で検査する構成のため、磁気テープ10が僅かに振動していたとしても比較的高精度で欠陥部Xaの有無を検査することができる。これに対して、裏面検査部6は、磁気テープ10の裏面10bに検査光Laを照射して、その反射光Lbの有無に基づいて欠陥部Xbの有無を検査する構成のため、検査対象の磁気テープ10が大きく振動している状態では、正確な検査が困難となる。したがって、この検査装置1では、裏面検査部6をガイド13a,13eの間であって表面検査部5よりも移動方向の下流側に配置することにより、裏面検査部6による裏面10bの検査時における磁気テープ10の振動を軽減して欠陥部Xbの有無を高精度で検査可能としている。具体的には、移動方向上流側のテンション機構11において発生した振動は、磁気テープ10の移動方向である表面検査部5の側に向けて伝搬する。この際に、磁気テープ10を伝搬する振動は、磁気テープ10がガイド13a、記録ヘッド5W、ガイド13b、再生ヘッド5R1、ガイド13c、再生ヘッド5R2、ガイド13dに順に接触する毎に徐々に減衰される。したがって、磁気テープ10が支持具14に接触する部位(裏面検査部6による裏面10bの検査が行われる部位)においては、磁気テープ10が殆ど振動しないため、裏面10bを高精度で検査することが可能となっている。
【0024】
計測部7は、移動機構2によって移動させられた磁気テープ10の移動距離(すなわち、表面検査部5および裏面検査部6による検査が完了して巻取り側リール2bに巻回された磁気テープ10の長さ)を計測する。制御部8は、移動機構2を制御して磁気テープ10を高速移動させると共に、表面検査部5を制御して磁気テープ10の表面10aに対する磁気的信号の書き込みおよび読み出しを実行させ、裏面検査部6を制御して裏面10bに対する検査光Laの照射および反射光Lbの受光を実行させる。また、制御部8は、本発明における第1検査部、第2検査部および判別部を構成し、表面検査部5の再生ヘッド5Rによって出力された再生信号、および裏面検査部6のCCDカメラ6bによって出力された輝度信号に基づいて磁気テープ10に欠陥部Xa,Xb(図6参照)が存在するか否かを検査する。
【0025】
この場合、図5に示すように、この検査装置1では、磁気テープ10をその長手方向に沿って、その長さL1が10m程度の複数のブロックB,B・・(本発明における検査領域)に仮想的に分割して、制御部8が、各ブロックB,B・・を良否判別の単位として磁気テープ10を検査する。さらに、制御部8は、各ブロックB,B・・毎の良否判別の結果(判別結果)をその磁気テープ10に関連付けて記憶部9に記憶させると共に、図示しない表示部に表示させる。また、検査装置1は、実際には、送り側リール2aに巻回されている磁気テープ10をテンション機構11に案内する各種のローラー等、検査が完了した磁気テープ10をテンション機構11から巻取り側リール2bに案内する各種のローラー等、および磁気テープ10をクリーニングするクリーナーなどを備えているが、本発明についての理解を容易とするために、これらについての説明および図示を省略する。
【0026】
次に、検査装置1による磁気テープ10の検査方法について、図面を参照して説明する。
【0027】
まず、検査対象の磁気テープ10が巻回された送り側リール2aと、検査が完了した磁気テープ10を巻回する巻取り側リール2bとを移動機構2に取り付ける。次に、送り側リール2aから磁気テープ10の先端部を引き出して、図2に示すように、テンション機構11、表面検査部5、裏面検査部6およびテンション機構11をこの順で通過するように磁気テープ10をセットした後に、巻取り側リール2bに先端部を固定する。この際に、磁気テープ10の表面10aには、記録ヘッド5W、再生ヘッド5R1,5R2、支持具14および消去ヘッド5Eが接触し、裏面10bには、ガイド13a〜13eが接触する。次いで、制御部8がエア供給部4を制御して各ガイド13からエアを吐出させる。この際に、吐出されたエアによって各ガイド13と磁気テープ10との間に空気の層が形成され、これにより、磁気テープ10が各ガイド13に対して非接触の状態で支持される。
【0028】
次に、制御部8は、移動機構2を制御して送り側リール2aおよび巻取り側リール2bを回転させることにより、送り側リール2aに巻回されている磁気テープ10を巻取り側リール2bに巻回させる。この際に、テンション機構11,11によって磁気テープ10に所定の張力が付与されているため、磁気テープ10は、空気の層を介してその裏面10bが各ガイド13に押し付けられると共に、その表面10aが記録ヘッド5W、再生ヘッド5R1,5R2、消去ヘッド5Eおよび支持具14に押し付けられた状態で送り側リール2aから巻取り側リール2bに向けて移動させられる。この場合、この検査装置1では、磁気テープ10が空気の層を介して各ガイド13に押し付けられる構成のため、ガイド13によって磁気テープ10が傷付けられる事態が回避されている。また、磁気テープ10がガイド13によって非接触状態で支持されているため、ガイド13の近傍における磁気テープ10の摺動抵抗(移動抵抗)が極く小さくなっている。さらに、支持具14における各壁部14b,14cの先端面が平坦に形成されると共に、その先端面と側面との角部が面取りされているため、支持具14によって磁気テープ10が傷付けられる事態が回避されている。また、支持具14の各壁部14b,14cの厚みが1.5mm程度と薄厚のため、支持具14によって支持されている部位において磁気テープ10との間での摺動抵抗も極く小さくなっている。
【0029】
次に、制御部8は、表面検査部5および裏面検査部6に対して磁気テープ10の表面10aおよび裏面10bの検査を開始させる(検査処理の開始)。この際に、図3に示すように、表面検査部5は、まず、記録ヘッド5Wが磁気テープ10における表面10aの領域Aa1(すべてのデータ記録用トラック)に検査用データを磁気的に書き込む。また、記録ヘッド5Wによって検査用データの書き込まれた部位が磁気テープ10の移動に伴って再生ヘッド5R1の位置まで移動させられた際には、再生ヘッド5R1が表面10aの領域Aa11,Aa13・・Aa1(N−1)(すなわち、奇数番目のデータ記録用トラック)から検査用データ(磁気的信号)を読み取ると共に、磁気的信号を電気的信号に変換して制御部8に出力する。さらに、記録ヘッド5Wによって検査用データが書き込まれた部位が再生ヘッド5R2まで移動させられた際には、再生ヘッド5R1が表面10aの領域Aa12,Aa14・・Aa1N(すなわち、偶数番目のデータ記録用トラック)から検査用データ(磁気的信号)を読み取ると共に、磁気的信号を電気的信号に変換して制御部8に出力する。また、計測部7は、磁気テープ10の移動距離(すなわち、表面検査部5および裏面検査部6による検査が実行されている位置)を特定可能な計測データを制御部8に逐次出力する。
【0030】
一方、制御部8は、再生ヘッド5R1,5R2によって出力された再生信号を解析することによって表面10a(磁性層)に欠陥部Xaが存在するか否かを判別する。具体的には、表面10aに例えば図6に示すような線状の欠陥部Xaが存在するときには、その欠陥部Xaの位置に対応するデータ記録用トラックについての再生信号が所定の基準値を下回る。したがって、制御部8は、再生ヘッド5Rの再生信号のうちのいずれかのデータ記録用トラックについての再生信号が基準値を下回ったときに、そのデータ記録用トラックに欠陥部Xaが存在すると判別する。また、制御部8は、欠陥部Xaが存在した数を各データ記録用トラック毎にカウントして、1つのブロックBを計数単位として記憶部9に欠陥部Xaの存在数を記憶させる。この結果、記憶部9には、いずれのブロックBで、いずれのデータ記録用トラックに、幾つの欠陥部Xaが存在したかを特定可能な情報が記憶される。この後、記録ヘッド5Wによって検査用データが書き込まれた部位が裏面検査部6を通過して(裏面検査部6によって裏面10bが検査されて)消去ヘッド5Eまで移動させられた際には、消去ヘッド5Eが、表面10aの領域Aa2(すなわち、記録ヘッド5Wによって書き込まれた検査用データのすべて)を消去する。このように、記録ヘッド5Wによる検査用データの書き込み、再生ヘッド5Rによる検査用データの読み取り、再生ヘッド5Rの再生信号に基づいての欠陥部Xaの有無の判別、欠陥部Xaの存在数の記憶、および消去ヘッド5Eによる検査用データの消去を磁気テープ10の長手方向全域について実行することにより、表面10aの磁気的検査が完了する。
【0031】
また、制御部8は、表面検査部5に対する表面10aの磁気的検査と並行して、裏面検査部6に対して裏面10bの光学的検査を実行させる。この際に、裏面検査部6は、まず、検査光照射部6aが図4に示す領域Ab1に対する検査光Laの照射を開始すると共に、CCDカメラ6bが領域Ab2の撮像を開始する。この際に、磁気テープ10の裏面10bに異物の付着や傷などの欠陥部Xbが存在するときには、検査光照射部6aによって領域Ab1に照射された検査光Laが欠陥部Xbによって反射されて、この反射光Lb(散乱光)がCCDカメラ6bに入光する。この結果、CCDカメラ6bによって出力される輝度信号が所定の輝度レベルを上回る。したがって、この際に、制御部8は、磁気テープ10の裏面10bに欠陥部Xbが存在すると判別する。この場合、CCDカメラ6bが磁気テープ10の幅方向のいずれの部位で反射光Lbが入光したかを特定可能な輝度信号を出力するため、制御部8は、計測部7による計測データと、CCDカメラ6bによる輝度信号とに基づいて、磁気テープ10のどの位置において検査光Laがどの程度反射されたかを特定する。また、制御部8は、特定した結果(欠陥部Xbが存在する位置)を特定可能なデータを記憶部9に記憶させる。また、磁気テープ10の裏面10bに欠陥部Xbが存在しないときには、検査光照射部6aから照射された検査光Laが磁気テープ10によって殆ど乱反射されずに、CCDカメラ6bによって出力される輝度信号が所定の基準値以下となる。したがって、制御部8は、磁気テープ10に欠陥部Xbが存在しないと判別する。このように、検査光Laの照射、反射光Lbの受光位置の特定(欠陥部Xbの位置の特定)、および欠陥部Xbの存在位置の記憶部9への記憶を磁気テープ10の長手方向全域について実行することにより、裏面10bの光学的検査が完了する。
【0032】
次に、制御部8は、記憶部9に記憶されている表面10aについての検査結果と、裏面10bについての検査結果とに基づいて、各ブロックB,B・・の良否を判別する。具体的には、制御部8は、例えば図6に示すブロックBaのように、基準値を超える数の欠陥部Xaが表面10aに存在すると共に、基準値を超える数の欠陥部Xbが裏面10bに存在するときには、そのブロックBaを不良と判別する。また、同図に示すブロックBbのように、基準値を超える数の欠陥部Xaが表面10aに存在する際には、その裏面10bに欠陥部Xbが存在しない(または、欠陥部Xbの数が基準値を下回っている)ときであっても、そのブロックBbを不良と判別する。同様にして、同図に示すブロックBcのように、基準値を超える数の欠陥部Xbが裏面10bに存在するときには、その表面10aに欠陥部Xaが存在しない(または、欠陥部Xaの数が基準値を下回っている)ときであっても、そのブロックBcを不良と判別する。一方、同図に示すブロックBdのように、基準値を超える数の欠陥部Xaが表面10aに存在せず、しかも、基準値を超える数の欠陥部Xbが裏面10bに存在しないときには、そのブロックBdを良好と判別する。また、制御部8は、各ブロックB,B・・毎の良否の判別結果を各ブロックBに関連付けて記憶部9に記憶させると共に、その判別結果を表示部(図示せず)に表示させる。なお、同図および図7では、不良のブロックBを「×」で示し、良好なブロックBを「○」で示している。
【0033】
次いで、制御部8は、記憶部9に記憶させた判別結果に基づいて、テープカセット用の磁気テープとして使用可能な長さL2の間に不良のブロックBが存在するか否かを判別する。具体的には、図7に示すように、長さL2(一例として、500m)の間に存在する50個のブロックB,B・・のすべてが良好のときには、制御部8は、その長さL2の部位が良品であると判別して判別結果を磁気テープ10に関連付けて記憶部9に記憶させる。また、制御部8は、例えば、長さL2の間に存在する50個のブロックB,B・・のうちの少なくとも1つが不良のときには、その長さL2の部位が不良(記録媒体として使用不可能)と判別して、その判別結果を磁気テープ10に関連付けて記憶部9に記憶させる。この判別処理を磁気テープ10の長手方向全域に亘って実行することにより、その磁気テープ10についての検査が完了する。
【0034】
このように、この検査装置1によれば、移動機構2によって磁気テープ10をその長手方向に沿って移動させつつ、制御部8が裏面検査部6のCCDカメラ6bによって出力された輝度信号に基づいて(CCDカメラ6bによる散乱光の受光状態に基づいて)磁気テープ10の裏面10bを検査することにより、磁性層が存在しない裏面10bについても、極く小さな欠陥部Xbの存在の有無を確実かつ容易に検査することができる。したがって、例えば、位置合わせ用のマークMが形成されるタイプの磁気テープ10であっても、その製造時に検査装置1によって裏面10bを検査することにより、記録再生装置による記録データの記録再生時において、記録再生装置によって欠陥部Xb,Xb・・がマークM,M・・であると誤って認識される事態を回避することができる。
【0035】
また、この検査装置1によれば、制御部8が表面検査部5の再生ヘッド5Rによって出力された再生信号に基づいて磁気テープ10の表面10aを検査することにより、裏面10bの検査のみならず、表面10a(磁性層)の良否を並行して検査することができるため、表面10aを検査する検査装置と裏面10bを検査する検査装置との2つを使用して2回に亘って磁気テープ10を検査するのと比較して、磁気テープ10の両面10a,10bを一回で検査することができる結果、短時間で検査することができる。
【0036】
さらに、この検査装置1によれば、ガイド13a,13eの間であって表面検査部5よりも磁気テープ10の移動方向における下流側に裏面検査部6を配置したことにより、テンション機構11などで発生した振動が軽減される位置において裏面10bを光学的に検査することができる。このため、欠陥部Xbの存在の有無を一層確実に検査することができる。
【0037】
また、この検査装置1によれば、磁気テープ10を長手方向に沿って複数のブロックB,B・・に仮想的に分割すると共に表面検査部5および裏面検査部6のいずれかの検査結果が所定の基準に満たないブロックBを不良領域と判別することにより、例えば、磁気テープ10の長手方向全域を1つの検査領域として欠陥部Xa,Xbの有無を検査する構成と比較して、検査完了後に磁気テープ10の長手方向におけるいずれの部位が不良で、いずれの部位が良好かを容易に特定することができる。したがって、例えば検査が完了した磁気テープ10を裁断する際に、不良箇所を破棄して、良好な部位のみを使用して確実に良品のテープカートリッジを製造することができる。
【0038】
さらに、この検査装置1によれば、各ブロックB,B・・毎の判別結果をその磁気テープ10に関連付けて記憶部9に記憶させることにより、検査が完了した磁気テープ10を裁断してテープカートリッジを製造する際に(テープリールに巻回する際に)、どの部位が不良で、どの部位が良好(記録媒体として使用可能な状態)であるかを迅速かつ容易に特定することができるため、テープカートリッジ(磁気記録媒体)の製造コストを十分に低減することができる。
【0039】
なお、本発明は、上記した本発明の実施の形態に限定されない。例えば、本発明の実施の形態では、磁気テープ10の表面10aを表面検査部5によって磁気的に検査する構成について説明したが、本発明はこれに限定されず、表面検査部5に代えて裏面検査部6と同様の光学式検査装置を配設して、表面10aを光学的に検査可能に構成することができる。また、検査装置1の構成に加えて裏面検査部6と同様の光学式検査装置を表面10a側に配設して、表面10aを表面検査部5によって磁気的に検査すると共に光学式検査装置によって光学的に検査可能に構成することもできる。
【0040】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る磁気テープ検査装置によれば、移動機構によって磁気テープをその長手方向に沿って移動させつつ受光部によって出力された光検出信号に基づいて第1検査部が磁気テープにおける他方の面を検査することにより、磁性層が存在しない他方の面についても、極く小さな欠陥部の存在の有無を確実かつ容易に検査することができる。したがって、例えば、位置合わせ用のマークが形成されるタイプの磁気テープであっても、その製造時に磁気テープ検査装置によって他方の面を検査することにより、記録再生装置による記録データの記録再生時において、記録再生装置によって欠陥部が位置合わせ用のマークであると誤って認識される事態を回避することができる。
【0041】
また、本発明に係る磁気テープ検査装置によれば、磁気式検査装置によってデータ読み取り部によって出力された読み取り信号に基づいて第2検査部が磁気テープにおける一方の面を検査することにより、他方の面の検査のみならず、一方の面(磁性層)の良否を並行して検査することができるため、一方の面を検査する検査装置と他方の面を検査する検査装置との2つを使用して2回に亘って磁気テープを検査するのと比較して、磁気テープの両面を一回で検査することができる結果、短時間で検査することができる。
【0042】
さらに、本発明に係る磁気テープ検査装置によれば、一対の振動吸収部の間であって磁気式検査装置よりも磁気テープの移動方向における下流側に光学式検査装置を配置したことにより、テンション機構などで発生した振動が軽減される位置において他方の面を光学的に検査することができる。このため、欠陥部の存在の有無を一層確実に検査することができる。
【0043】
また、本発明に係る磁気テープ検査装置によれば、磁気テープを長手方向に沿って複数の検査領域に仮想的に分割すると共に光学式検査装置および磁気式検査装置のいずれかの検査結果が所定の基準に満たない検査領域を不良領域と判別することにより、例えば、磁気テープの長手方向全域を1つの検査領域として欠陥部の有無を検査する構成と比較して、検査完了後に磁気テープの長手方向におけるいずれの部位が不良で、いずれの部位が良好かを容易に特定することができる。したがって、例えば検査が完了した磁気テープを裁断する際に、不良箇所を破棄して、良好な部位のみを使用して確実に良品のテープカートリッジ(磁気記録媒体)を製造することができる。
【0044】
さらに、本発明に係る磁気テープ検査装置によれば、各検査領域毎の判別結果をその磁気テープに関連付けて記憶部に記憶させることにより、検査が完了した磁気テープを裁断してテープカートリッジを製造する際に、どの部位が不良で、どの部位が良好(記録媒体として使用可能な状態)であるかを迅速かつ容易に特定することができるため、テープカートリッジ(磁気記録媒体)の製造コストを十分に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る検査装置1の構成を示すブロック図である。
【図2】検査装置1におけるテンション機構11,11、ガイド13a〜13e、表面検査部5および裏面検査部6と磁気テープ10との位置関係を示す側面図である。
【図3】検査装置1における表面検査部5の記録ヘッド5W、再生ヘッド5R1,5R2および消去ヘッド5Eの位置関係を示す平面図である。
【図4】検査装置1における支持機構3の支持具14と、裏面検査部6による検査光Laの照射位置(領域Ab1)および撮像位置(領域Ab2)との関係を示す平面図である。
【図5】検査装置1の検査対象である磁気テープ10を複数のブロックB,B・・に仮想的に分割した状態の概念図である。
【図6】表面10aの欠陥部Xaの有無、および裏面10bの欠陥部Xbの有無と、磁気テープ10の各ブロックB,B・・の良否との関係を示す概念図である。
【図7】磁気テープ10の各ブロックB,B・・の良否を示す概念図である。
【図8】磁気テープ10の裏面10bを示す平面図である。
【符号の説明】
1 磁気テープ検査装置
2 移動機構
3 支持機構
5 表面検査部
5R1,5R2 再生ヘッド
5W 記録ヘッド
6 裏面検査部
6a 検査光照射部
6b CCDカメラ
7 計測部
8 制御部
9 記憶部
10 磁気テープ
10a 表面
10b 裏面
13a〜13e エアガイド
14 テープ支持具
B,Ba,Bb・・ ブロック
La 検査光
Lb 反射光
Xa,Xb 欠陥部
Claims (5)
- 一方の面に磁性層が形成されて記録データを記録可能に構成された磁気テープをその長手方向に沿って移動させる移動機構と、前記磁気テープにおける他方の面を光学的に検査する光学式検査装置とを備え、
前記光学式検査装置は、前記磁気テープにおける前記他方の面に検査用の光を照射する光照射部と、当該光照射部によって照射されて前記他方の面で反射された散乱光を受光して光検出信号を出力する受光部と、当該出力された光検出信号に基づいて前記他方の面を検査する第1検査部とを備えている磁気テープ検査装置。 - 前記磁気テープにおける前記一方の面を磁気的に検査する磁気式検査装置を備え、
前記磁気式検査装置は、前記一方の面に検査用データを書き込むデータ書き込み部と、当該書き込まれた前記検査用データを読み取って読み取り信号を出力するデータ読み取り部と、当該出力された読み取り信号に基づいて前記一方の面を検査する第2検査部とを備えている請求項1記載の磁気テープ検査装置。 - 前記磁気テープの振動を吸収する一対の振動吸収部を備え、前記磁気式検査装置は、前記一対の振動吸収部の間に配置され、前記光学式検査装置は、前記一対の振動吸収部の間であって前記磁気式検査装置よりも前記磁気テープの移動方向における下流側に配置されている請求項2記載の磁気テープ検査装置。
- 前記光学式検査装置および前記磁気式検査装置の検査結果に基づいて前記磁気テープの良否を判別する判別処理を実行する判別部を備え、当該判別部は、前記判別処理に際して前記磁気テープを前記長手方向に沿って複数の検査領域に仮想的に分割すると共に前記光学式検査装置および前記磁気式検査装置のいずれかの検査結果が所定の基準に満たない当該検査領域を不良と判別する請求項2または3記載の磁気テープ検査装置。
- 前記判別部の判別結果を記憶する記憶部を備え、前記判別部は、前記各検査領域毎の判別結果をその磁気テープに関連付けて前記記憶部に記憶させる請求項4記載の磁気テープ検査装置。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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Effective date: 20060727 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080603 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20081007 |