JP2005062223A - 光ファイバ接続装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光ファイバ接続装置10は、素線固定部材14に挟持される素線Cを有する光ファイバFの被覆部分Sを、本体12に対し固定状態に保持可能な被覆保持機構として、作動部材16に設けられる弾性変形可能な一対の保持要素44を備える。それら保持要素44は、光ファイバFを案内する一対の通路を本体12上に形成する。各保持要素44は、素線固定部材14を閉動させる作動部材16の本体12上での移動に伴い弾性変形して、それ自体の弾性復元力により、対応の通路に光ファイバFの被覆部分Sを押圧保持する。各保持要素44は、固定端部52から離隔した自由端に設けられる押圧部54と、固定端部52と押圧部54との間に位置する係止部56とを有する弾性腕50を備える。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一対の光ファイバの素線同士を先端突き合わせ状態で接続可能な光ファイバ接続装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバの接続技術において、被覆を除去した光ファイバの素線同士を、それぞれの先端面を互いに同軸に突き合わせた状態で、融着や接着を行なわずに恒久的に接続できる光ファイバ接続装置が、「メカニカルスプライス」の呼称で知られている。この種の光ファイバ接続装置は、一般に、光ファイバの素線を固定的に挟持する開閉可能な対向挟持面を有した素線固定部材を備え、その対向挟持面の少なくとも一方に、光ファイバの素線を予め定めた位置に収容する直線状のガイド溝(例えば断面V字状のV溝)が形成されている。接続作業に際しては、開位置にある素線固定部材の対向挟持面のガイド溝に一対の光ファイバの素線を挿入して先端突き合わせ状態に置き、その状態で、素線固定部材に外部から圧力を加えることにより、両光ファイバ素線を対向挟持面に所要圧力下で強固に固定的に挟持して、ガイド溝内で相互に恒久的に同軸接続することができる。
【0003】
この種の光ファイバ接続装置において、空洞部を有する本体と、本体の空洞部に開閉動作可能に収容される上記素線固定部材と、本体の空洞部に移動可能に取り付けられ、素線固定部材を開閉動作させる作動部材とを備えたものが知られている(例えば特許文献1参照)。本体には、その外面に開口するとともに空洞部に連通する一対の通路が、互いに同軸状に整列して形成され、一対の光ファイバの素線が対応の通路に導入されて素線固定部材に案内される。接続作業に際しては、一対の光ファイバの素線を先端突き合わせ状態に挿入した開位置にある素線固定部材に対し、作動部材を本体の空洞部に完全に押し込むことにより圧力を加えて、素線固定部材を閉位置に動作させる。それにより、素線固定部材が所要圧力下で、両光ファイバ素線を先端突き合わせ状態で強固に固定的に挟持し、以って一対の光ファイバが相互に恒久的に同軸接続される。
【特許文献1】
特許第2713309号公報
【0004】
特許文献1に開示される光ファイバ接続装置では、ファイバ接続作業に際し、接続対象の各光ファイバは、素線固定部材に挟持される長さを超える領域に渡って被覆が除去されて、端末処理されている。したがって、光ファイバ接続装置によって相互に接続固定された一対の光ファイバは、本体の対応の通路内に、それぞれの素線の一部分とそれに隣接する被覆を有する部分(以下、被覆部分と称する)とが、実質的非拘束状態で受容されることになる。この状態で、光ファイバに引張作用や捻回作用が加わると、特に本体の通路内に非拘束状態で配置される素線部分に、引張応力や捻り応力が集中し、素線の損傷や破断を生じるとともに、その結果として光学的損失等を生じることが危惧される。そこで従来、このような素線への応力集中を回避するために、素線固定部材の外部で光ファイバの被覆部分を本体に対し固定状態に保持可能な被覆保持機構を備えた光ファイバ接続装置が提案されている(例えば特許文献2参照)。
【特許文献2】
米国特許第5638477号明細書
【0005】
特許文献2に開示される光ファイバ接続装置では、本体の一対の通路に連通する一対のスロットが、空洞部とは別に本体に形成され、それらスロットに、断面U字状のクリップ部材がそれぞれ変位可能に取り付けられる。各クリップ部材は、所定間隔を空けて互いに対向する一対の腕を有し、それら腕の間に、通路に配置された光ファイバの被覆部分を圧力下で受容することができる。各クリップ部材は、本体の通路に光ファイバを挿入するときには、その両腕が光ファイバの被覆に干渉しない位置に置かれる。そして、素線固定部材に一対の光ファイバの素線を挟持した後、各クリップ部材を本体の対応のスロットに完全に押し込むことにより、通路内にある光ファイバの被覆部分がクリップ部材の両腕間に圧縮されつつ嵌入され、以って被覆部分が本体に対し固定状態に保持される。なお、光ファイバ接続装置における被覆保持機構は、本願出願人による先願である特願2002−240836号明細書にも記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記した特許文献2に開示される被覆保持機構付きの光ファイバ接続装置は、光ファイバの被覆部分を固定状態に保持するために、本体、素線固定部材及び作動部材のいずれからも独立した別部材としてのクリップ部材を用いている。したがって、構成部品点数が多く、光ファイバ接続装置の組立工程すなわちファイバ接続作業が煩雑になる傾向がある。特に、クリップ部材を本体のスロットの内奥まで深く押し込まなければ、光ファイバの被覆部分を保持できない構造となっているから、ファイバ接続作業に際して特に被覆保持のために特殊な工具が必要となる。さらに、各クリップ部材の一対の腕は、両者の間隔よりも僅かに大きな外径寸法を有する光ファイバの被覆部分を、両者間に圧力下で受容するように構成されるから、クリップ部材や光ファイバ被覆の成形寸法誤差に起因して、被覆保持力にばらつきを生じることが懸念される。
【0007】
本発明の目的は、一対の光ファイバの素線同士を先端突き合わせ状態で接続可能な光ファイバ接続装置において、構成部品点数を削減してファイバ接続作業を簡略化できるとともに、特殊な工具を要することなくファイバ接続作業を実施でき、しかも、構成部品の成形寸法誤差に左右されずに安定した被覆保持機能を発揮できる光ファイバ接続装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、本体と、本体に支持され、光ファイバの素線を固定的に挟持する閉位置と素線を解放する開位置との間で動作可能な素線固定部材と、本体に支持され、素線固定部材を開位置から閉位置へ動作させる作動部材と、素線固定部材に挟持される素線を有する光ファイバの被覆部分を本体に対し固定状態に保持可能な被覆保持機構とを具備し、一対の光ファイバの素線同士を先端突き合わせ状態で接続する光ファイバ接続装置において、被覆保持機構は、作動部材に設けられる弾性変形可能な保持要素を備え、保持要素は、光ファイバを案内する通路を本体に形成するとともに、素線固定部材を閉位置に動作させる作動部材の本体上での移動に伴い弾性変形して、それ自体の弾性復元力により通路に光ファイバの被覆部分を押圧保持すること、を特徴とする光ファイバ接続装置を提供する。
【0009】
この光ファイバ接続装置では、素線固定部材を開位置から閉位置へ動作させる作動部材の移動に伴い、作動部材に設けた保持要素が弾性変形して、それ自体の弾性復元力により、光ファイバの被覆部分を保持する被覆保持力を発揮する。被覆保持機構として、さらに別体の部材を追加する必要はない。また、被覆保持力は、保持要素の弾性復元力に依存するから、保持要素の成形寸法精度による影響が軽減される。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光ファイバ接続装置において、保持要素は、作動部材に形成される弾性腕を備え、弾性腕は、固定端部と、固定端部から離隔して配置され、弾性腕の弾性復元力により光ファイバの被覆部分を押圧する押圧部とを有する光ファイバ接続装置を提供する。
この構成では、弾性腕の材質、形状等を調整することにより、被覆保持力を適宜制御することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の光ファイバ接続装置において、弾性腕は、固定端部と押圧部との間に位置する係止部をさらに有し、係止部は、通路に、光ファイバの素線の通過を許容する一方で光ファイバの被覆部分の通過を阻止する狭窄領域を形成する光ファイバ接続装置を提供する。
この構成では、弾性腕の係止部が、通路に導入された光ファイバの被覆部分が素線固定部材に進入することを、狭窄領域で阻止する。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の光ファイバ接続装置において、弾性腕の係止部は、作動部材の本体上での移動に伴い弾性腕が弾性変形するに従って、通路の狭窄領域を開放する光ファイバ接続装置を提供する。
この構成では、光ファイバの被覆部分と露出素線との境界領域に、弾性腕から弾性復元力を負荷することが回避される。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項2〜4のいずれか1項に記載の光ファイバ接続装置において、本体は、本体の外面に開口するとともに通路に連通する導入口を備え、弾性腕の押圧部が導入口に近接して配置される光ファイバ接続装置を提供する。
この構成では、光ファイバの被覆部分と露出素線との境界領域に、弾性腕から弾性復元力を負荷することが回避される。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の光ファイバ接続装置において、保持要素が作動部材に一体成形される光ファイバ接続装置を提供する。
この構成では、任意形状の保持要素を容易に作製できる。
【0015】
請求項7に記載の発明は、光ファイバの素線を固定する素線固定部材と、素線固定部材に固定される素線を有する光ファイバの被覆部分を固定状態に保持可能な被覆保持機構とを具備し、一対の光ファイバの素線同士を先端突き合わせ状態で接続する光ファイバ接続装置において、被覆保持機構は、素線固定部材から独立して弾性変形可能な保持要素を備え、保持要素は、光ファイバを案内する通路を素線固定部材の外部に形成するとともに、それ自体の弾性復元力により通路に光ファイバの被覆部分を押圧保持すること、を特徴とする光ファイバ接続装置を提供する。
【0016】
この光ファイバ接続装置では、保持要素が素線固定部材から独立して弾性変形して、それ自体の弾性復元力により、光ファイバの被覆部分を保持する被覆保持力を発揮する。被覆保持力は、保持要素の弾性復元力に依存するから、保持要素の成形寸法精度による影響が軽減される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。全図面に渡り、対応する構成要素には共通の参照符号を付す。
図1及び図2は、本発明の一実施形態による光ファイバ接続装置10を示す図、図3〜図11は、光ファイバ接続装置10の各構成要素を示す図、図12〜図14は、光ファイバ接続装置10の構成要素群を仮に組み合わせた半完成状態を示す図である。光ファイバ接続装置10は、被覆を除去した一対の光ファイバFの素線C同士を、それぞれの先端面を互いに同軸に突き合わせた状態で、融着や接着を行なわずに恒久的に接続できるものである。
【0018】
光ファイバ接続装置10は、本体12と、本体12に支持され、光ファイバFの素線Cを固定的に挟持する開閉可能な素線固定部材14と、本体12に支持され、素線固定部材14を開閉動作させる作動部材16とを備えて構成される。
図3〜図5に示すように、本体12は、例えば樹脂材料の一体成形品からなる角材状部材であり、その1つの対角線方向に深く抉れるように、素線固定部材14を収容する空洞部18が形成される。本体12は、空洞部18を縦方向及び横方向に二分する仮想中心面TP、LPのそれぞれに関して対称な形状を有する。
【0019】
本体12の空洞部18は、本体12の長手方向中央の比較的幅広の第1部分18aと、本体12の長手方向両端近傍の比較的狭隘な一対の第2部分18bとを有し、その全体が本体12の1つの稜線領域に開口する。空洞部18の第1部分18aには、第2部分18bよりも深く抉れた比較的狭隘な底部分18cが設けられ、底部分18cの底面に沿って直線状に延びる支持溝20が形成される。第1部分18aは、支持溝20に素線固定部材14の後述する蝶番縁14aを受容支持して、素線固定部材14を開閉動作可能に収容する。空洞部18の第2部分18bの各々には、その底面に沿って直線状に延びる通路溝22(例えば断面V字状のV溝)が、仮想中心面LPに沿って支持溝20と整列するように形成される。後述するように各第2部分18bは、作動部材16の一部分を弾性変位可能に収容する。
【0020】
本体12は、空洞部18を画定する各一対の長手方向端壁12a及び横断方向端壁12bを備える。各長手方向端壁12aには、その外面に向かって徐々に広がりつつ開口するとともに、空洞部18の第2部分18bにそれぞれ連通する導入口24が形成される。両長手方向端壁12aに形成した一対の導入口24は、対応の通路溝22に直線状に連通して、互いに同軸状に整列配置される。また、各長手方向端壁12aには、作動部材16を係止するための窪み26及び貫通孔28が、それぞれ所定位置に局所的に形成される。同様に、各横断方向端壁12bには、作動部材16を係止するための複数の窪み30が、それぞれ所定位置に局所的に形成される。
【0021】
図6〜図8に示すように、素線固定部材14は、アルミニウム等の展性材料から予め所定形状に成形した薄板状部材を、その中心線に沿って二つ折りに畳んだ形態を有する。二つ折りの素線固定部材14は、折り目に沿った蝶番縁14aを介して対向配置される一対の翼32を備え、それら翼32の相互対向面に、光ファイバFの素線Cを固定的に挟持する開閉可能な挟持面34がそれぞれ形成される。図示実施形態では、一方の翼32の挟持面34の所定位置に、光ファイバ素線Cを予め定めた位置に挟持するための直線状のガイド溝36(例えば断面V字状のV溝)が、蝶番縁14aに平行に形成される。なお、このようなガイド溝は、一対の挟持面34の双方に整合配置して設けることもできる。
【0022】
素線固定部材14の一対の翼32は、蝶番縁14aの領域における材料の弾性変形を伴いつつ、蝶番縁14aを中心として揺動すなわち開閉動作できるようになっている。通常は素線固定部材14は、両翼32がそれぞれの挟持面34同士を若干離隔させた開位置(図6(c))に置かれ、この開位置から、両翼32に相互接近方向への外力を加えることにより、蝶番縁14aの弾性復元力に抗して、それぞれの挟持面34が密接する閉位置へと変位する。素線固定部材14が開位置にあるときには、ガイド溝36に対する光ファイバ素線Cの円滑な出し入れが許容され、素線固定部材14が閉位置にあるときには、ガイド溝36に受容された光ファイバ素線Cが両挟持面34から圧力を受けて強固に固定的に挟持される。
【0023】
素線固定部材14は、蝶番縁14aを本体12の支持溝20に載置して、本体12の空洞部18の第1部分18aに上記開閉動作が可能な状態で収納される(図13及び図14参照)。このとき、素線固定部材14の両翼32は、本体12の両横断方向端壁12bに対し、それぞれ隙間を介して対向配置される。また、素線固定部材14を本体12の空洞部18の適正位置に収納すると、ガイド溝36は、閉位置で本体12の一対の通路溝22に対し同軸状に整列できるように配置される。
【0024】
図9〜図11に示すように、作動部材16は、例えば樹脂材料の一体成形品からなる棒状部材であり、略U字横断面形状を有する長手方向中央の第1機能部分16aと、第1機能部分16aから延設される長手方向両端の一対の第2機能部分16bとを備える。作動部材16の第1機能部分16aは、素線固定部材14の両翼32を受容可能な寸法の凹所38を画定する一対の抱持壁40を備える。作動部材16は、第1機能部分16aの凹所38を縦方向及び横方向に二分する仮想中心面TP、LPのそれぞれに関して対称な形状を有する。
【0025】
作動部材16の第1機能部分16aに設けた一対の抱持壁40は、互いに所定間隔を空けて略平行に対向し、それぞれの相互対向面が、凹所38の開口側の一次加圧面40aと、凹所38の内奥側の二次加圧面40bとを有する段付面として形成される。したがって第1機能部分16aの凹所38には、両一次加圧面40aによって画定される比較的幅広の開口側領域と、両二次加圧面40bによって画定される比較的狭隘な内奥側領域とが形成される。なお、各抱持壁40には、加圧面40a、40bの反対側の外面に、作動部材16を本体12に係止するための複数の突起42が、それぞれ所定位置に局所的に形成される。
【0026】
図12〜図14に示すように、作動部材16は、本体12の空洞部18の開口領域を相補的に塞ぐようにして、空洞部18に移動可能に取り付けられる。このとき作動部材16は、素線固定部材14を空洞部18に適正に収納した本体12に対し、第1機能部分16aの凹所38に素線固定部材14の両翼32を受容した状態に配置される。この状態で、作動部材16の両抱持壁40は、本体12の両横断方向端壁12bと素線固定部材14の両翼32との間に介在し、それぞれの加圧面40a、40bで段階的に、両翼32を外側から抱き込むように支持する。後述するように作動部材16は、本体12に対し図12〜図14の仮取付位置から図2の最終取付位置に移動する間に、両抱持壁40から素線固定部材14の両翼32にそれらの挟持面34を密接させる方向への圧力を加えて、素線固定部材14を開位置から閉位置へと変位動作させる。図2の最終取付位置では、作動部材16は本体12と協働して、光ファイバ接続装置10の四角柱状の外周面を相補的に構成する。
【0027】
光ファイバ接続装置10はさらに、素線固定部材14に挟持される素線Cを有する光ファイバFの、素線Cに隣接する被覆を有する部分S(以下、被覆部分Sと称する)を、本体12に対し固定状態に保持可能な被覆保持機構44を備える。本発明の特徴的構成として、被覆保持機構44は、作動部材16の一対の第2機能部分16bにそれぞれ設けられる弾性変形可能な一対の保持要素44から構成される(図9)。それら保持要素44は、作動部材16を上記したように本体12の空洞部18に適正に取り付けたときに、本体12の空洞部18の一対の第2部分18bにそれぞれ弾性変位可能に収容され、個々に光ファイバFを案内する一対の通路46を、対応の通路溝22との協働により第2部分18bに形成する(図13)。後述するように各保持要素44は、素線固定部材14を閉位置に動作させる作動部材16の本体12上での上記した移動に伴い弾性変形して、それ自体の弾性復元力により、対応の通路溝22すなわち通路46に光ファイバFの被覆部分Sを押圧保持する。
【0028】
図9に示すように、作動部材16の第2機能部分16bの各々は、第1機能部分16bの長手方向両側で長手方向へ固定的に延長される梁要素48をさらに備える。各保持要素44は、各梁要素48の末端から、第1機能部分16aの一対の抱持壁40と同一側に、「く」字状に屈曲して延長される弾性腕50を備える。弾性腕50は、梁要素48の末端に固定される固定端部52と、固定端部52から離隔した自由端に設けられる押圧部54と、固定端部52と押圧部54との間に位置する屈曲領域に設けられる係止部56とを有する。このような屈曲形状の弾性腕50を有する保持要素44は、作動部材16に一体成形されることが、製造工程を容易にする観点で有利である。なお、各第2機能部分16bには、弾性腕50の固定端部52に隣接して、作動部材16を本体12に係止するための突起58が、所定位置に局所的に形成される。
【0029】
弾性腕50は、弾性変形していない無負荷状態(図9)で、固定端部52と係止部56との間の基端側領域50aが、梁要素48の末端から第1機能部分16aの抱持壁40に向かって、梁要素48から徐々に離れるように延設され、係止部56と押圧部54との間の自由端側領域50bが、係止部56から梁要素48の末端に向かって、梁要素48に徐々に接近するように延設される。それにより弾性腕50は、無負荷状態で、基端側領域50aから離れた側の自由端側領域50bの端面(図で下端面)が、係止部56において押圧部54よりも梁要素48から遠隔して配置される(図9(b))。またこの状態で、弾性腕50の自由端側領域50bは、梁要素48を基準として、第1機能部分16aの抱持壁40の図で下端縁40cよりも遠い位置に延出して配置される。
【0030】
無負荷状態にある弾性腕50は、その自由端側領域50bに梁要素48へ接近する方向への外力が加わることにより、基端側領域50aで固定端部52を支点として弾性的に撓むと同時に、自由端側領域50bで係止部56(すなわち屈曲領域)を支点として弾性的に撓み、それにより全体として梁要素48に接近するように弾性変位する。ここで、固定端部52及び係止部56(屈曲領域)はいずれも、基端側領域50a及び自由端側領域50bに交差する方向へ適当な長さを有するので、弾性腕50は、基端側領域50a及び自由端側領域50bの双方が梁要素48に実質的平行に延びる位置まで弾性変位することができる。なお図示実施形態では、この最終変位位置で、弾性腕50の自由端側領域50bの下端面が、梁要素48を基準として、第1機能部分16aの抱持壁40の下端縁40cと実質的に同一距離の位置まで引き込んで配置されるように構成されている。
【0031】
図15〜図17を参照してさらに詳述すると、弾性腕50の自由端側領域50bは、基端側領域50aから離れた側の下端面に、その長手方向中心線に沿って延びる突条60を備える。突条60は、自由端側領域50bの下端面における突出高さが押圧部54及び係止部56において増加する形状を有し、それにより、押圧部54及び係止部56にそれぞれ隆起状の平坦な押圧面54a及び湾曲した係止面56aが形成される。また、押圧部54における突条60の横断方向両側には、押圧面54aの両側に位置する平坦な逃げ面54bがそれぞれ形成され、係止部56における突条60の横断方向両側には、係止面56aの両側に位置する平坦な衝合面56bがそれぞれ形成される。突条60の各側で、逃げ面54bと衝合面56bとは、突条60の長手方向に沿って延長され、所定部位62で互いに鈍角を成して接続される。図示のように、逃げ面54bと衝合面56bとの相互接続部位62は、押圧面54aと係止面56aとの間の中間領域に位置決めされる。さらに、自由端側領域50bの末端には、押圧面54aの反対側で固定端部52に近接する側に、テーパ状の当接端面63が形成される。当接端面63は、弾性腕50が上記した最終変位位置まで弾性変位したときに、固定端部52に設けた対応形状の受け面64に対向する位置に配置される。
【0032】
弾性腕50は、上記した最終変位位置まで弾性変位する間に、後述するように本体12と協働して、全体が固定端部52を中心として梁要素48に接近する方向へ回動するように動作する。その結果、弾性腕50の最終変位位置では、押圧部54の押圧面54aが、第1機能部分16aの抱持壁40の下端縁40cに対し実質的平行な水平姿勢に配置され、係止部56の係止面56は、押圧面54aを含む仮想平面Hよりも梁要素48に近い位置に引き込んで配置される。このような弾性腕50の自由端側領域50bの反転動作については、後に詳述する。
【0033】
図13に示す作動部材16の仮取付位置において、各保持要素44の弾性腕50は、その自由端側領域50bが本体12の空洞部第2部分18bの通路溝22に対向配置されて、通路46を画定する。このとき、各弾性腕50の押圧部54は、本体12の対応の導入口24に近接して配置される。また、各弾性腕50の係止部56は、空洞部第1部分18aに隣接する通路溝22の縮径部分22a(図4)に対向して配置され、その係止面56aが縮径部分22aと協働して、局所的な狭窄領域66を通路46に形成する。通路46の狭窄領域66は、通路46に対して同軸状に縮径して配置され、光ファイバFの素線Cの通過を許容する一方で光ファイバFの被覆部分Sの通過を阻止する寸法に形成される。したがって、導入口24から通路46に導入された接続対象の光ファイバFは、その素線Cが狭窄領域66を通過して、開位置にある素線固定部材14のガイド溝36に直線状に案内される一方、被覆部分Sが狭窄領域66で係止されて、それ以上は素線固定部材14に向けて挿入されないようになる。
【0034】
ここで、図18に拡大して示すように、作動部材16の仮取付位置において、弾性腕50の係止部56の係止面56aと本体12の通路溝22の縮径部分22aとの間の距離(すなわち狭窄領域66の径方向寸法)は、弾性腕50の係止部56に設けた一対の衝合面56bが、通路溝22の両外側に隣接して本体12に設けた一対の肩面68(図4及び図5にも示す)にそれぞれ衝合することによって確保される。なお図示のように、弾性腕50に設けた突条60の横断方向寸法は、本体12の通路溝22(図では縮径部分22a)の径方向寸法よりも大きく形成され、これに対応して、本体12の両肩面68の間に通路溝22に沿って画定される凹所の横断方向寸法が、通路溝22の両側に補足的に延設される拡幅面69によって通路溝22の径方向寸法よりも拡幅されている。このような構成によれば、通路溝22、両肩面68及び突条60がそれぞれに有する寸法公差によって両肩面68の間の凹所の横断方向寸法が突条60の横断方向寸法よりも必要以上に大きくなった場合にも、光ファイバFの素線Cは、通路溝22の縮径部分22aと係止部56の係止面56aとの間に確実に捕捉されるので、通路46の狭窄領域66を正確に通過することになる。
【0035】
なお、上記した作動部材16の仮取付位置において、各弾性腕50は、係止部56の両衝合面56bと本体12の通路溝22両側の肩面68との衝合により、僅かに弾性的に撓んだ状態に置かれる。この状態でもまだ、各弾性腕50の係止部56の係止面56aは、押圧部54の押圧面54aよりも梁要素48から遠隔して配置されており、それにより押圧部54は、対応の導入口24の近傍で、十分に拡張された導入領域を通路46に形成している(図13参照)。
【0036】
上記構成を有する光ファイバ接続装置10によるファイバ接続作業の一例を、図19〜図22を参照して以下に説明する。
まず準備作業として、接続対象の2本(第1及び第2)の光ファイバFに対し、それぞれの線端所望長さ領域の被覆を除去して素線Cを露出させ、露出した素線Cを専用の切断工具で所定長さに切断する端末処理を施す(図1)。他方、光ファイバ接続装置10は、前述したように、本体12の空洞部18の第1部分18aに素線固定部材14を適正に装着した後、作動部材16を素線固定部材14に被せながら本体12に取り付けて、仮取付位置に配置する(図13)。この仮取付位置では、素線固定部材14は、作動部材16の両抱持壁40の一次加圧面40aによって画定される凹所38の比較的幅広の開口側領域に受容されている(図14)。また作動部材16は、第1機能部分16aの下方の突起42が本体12の上方の窪み30に嵌入されるとともに、第2機能部分16bの突起58が本体12の窪み26に受容されて、本体12に仮留めされる。
【0037】
そこで、図19に示すように、上記仮取付位置において、本体12の一方の導入口24から、本体12の一方の通路溝22と作動部材16の一方の弾性腕50との間に画定された対応の通路46へ、第1の光ファイバFの素線Cを導入する。第1の光ファイバFは、通路46内で図示α方向へ円滑に案内され、素線Cが、通路46の狭窄領域66を通過して、開位置にある素線固定部材14のガイド溝36に挿し込まれるとともに、被覆部分Sが、通路46の狭窄領域66で弾性腕50の係止部56により係止される(図19(a))。この状態で、素線Cの先端は、素線固定部材14のガイド溝36の中央を幾分越えた位置に到達する。
また、弾性腕50の押圧部54は、第1の光ファイバFの被覆部分Sに非接触に配置されている。
【0038】
次に、本体12の他方の導入口24から、本体12の他方の通路溝22と作動部材16の他方の弾性腕50との間に画定された対応の通路46へ、第2の光ファイバFの素線Cを導入する。第2の光ファイバFは、通路46内で図示β方向へ円滑に案内され、素線Cが、通路46の狭窄領域66を通過して、開位置にある素線固定部材14のガイド溝36に挿し込まれる。このとき第2の光ファイバFは、適当な長さが通路46に挿入されると、その素線Cがガイド溝36内で第1の光ファイバFの素線Cに突き当たる。そこで、第2の光ファイバFを、その被覆部分Sが狭窄領域66で係止されるまで更に通路46内に挿し込むと、第1の光ファイバFが、第2の光ファイバFに押されて、通路46から排出される方向(β方向)へ移動する(図19(b))。作業者は、このような第1の光ファイバFの排出動作を目視することにより、素線固定部材14のガイド溝36内で、一対の光ファイバFの素線C同士が先端突き合わせ状態に至ったことを知ることができる。なお、第2の光ファイバFの被覆部分Sも、弾性腕50の押圧部54に非接触に配置されている。
【0039】
続いて、両光ファイバFの突き合わせた先端位置を必要に応じて素線固定部材14に対し略中心に合わせた後、作動部材16を、本体12の空洞部18に押し込む。この作動部材16の押込移動に伴い、素線固定部材14は、作動部材16の両抱持壁40の二次加圧面40bによって画定される比較的狭隘な内奥側領域に進入し、両翼32がそれら二次加圧面40bから挟持面34を密接させる方向への圧力を受けて、開位置から閉位置へと変位動作する。それにより、一対の光ファイバFの素線Cが、素線固定部材14の両挟持面34間に圧力下で強固に固定的に挟持されて、ガイド溝44内で同軸に相互接続される(図20)。
【0040】
他方、図21に示すように、作動部材16の上記押込移動Mに伴い、各保持要素44の弾性腕50は、その係止部56の両衝合面56bで、本体12の対応の通路溝22両側に設けた肩面68から、梁要素48(図17)へ接近する方向への反力f1を受ける(図21(a))。それにより各弾性腕50は、全体として梁要素48に接近する方向へ弾性的に撓む。この撓み動作の間に、弾性腕50の基端側領域50a及び自由端側領域50bに生じる応力や、自由端側領域50bに設けた逃げ面54bと衝合面56bとの相対角度及び相互接続部位62の位置等の、弾性腕50自体の構造的諸因子により、ある時点で自由端側領域50bが肩面68上で相互接続部位62を支点とした揺動を生じ、衝合面56bが肩面68から乖離する。そして、弾性腕50の撓み動作の進行に従い、肩面68上での自由端側領域50bの揺動角度が増加し、押圧部54の押圧面54aがその係止面56a寄りの縁部分54c(図17にも示す)で、通路46内に位置する光ファイバFの被覆部分Sに接触するようになる(図21(b))。
【0041】
作動部材16が本体12の空洞部18に完全に押し込まれる直前には、各弾性腕50は、その全体が固定端部52を中心として梁要素48に接近する方向へ回動し、押圧部54が、逃げ面54bを通路溝22の肩面68に接触させる前に、押圧面54aを光ファイバFの被覆部分Sに接触させ始める。それに伴い、弾性腕50の自由端側領域50bは、係止部56の係止面56aが押圧部54の押圧面54aよりも梁要素48に引き付けられる前述した反転動作を生じる。その結果、作動部材16を本体12の空洞部18に完全に押し込んだ最終取付位置では、各保持要素44の弾性腕50は、逃げ面54bと衝合面56bとの相互接続部位62も本体12の通路溝22の肩面68から乖離して、係止部56が通路46の狭窄領域66を十分に開放する一方で、押圧部54の押圧面54aがその略全体で、弾性腕50自体の弾性復元力により、通路46内にある光ファイバFの被覆部分Sに適当な押圧力f2を加える(図21(c)及び図22)。
【0042】
なお、弾性腕50自体の構造的諸因子の誤差等により、自由端側領域50bの上記反転動作が予測通りには生じず、押圧部54から通路46内の光ファイバFの被覆部分Sに押圧力を負荷できない状況に陥る危惧がある。このような危惧を排除すべく、作動部材16が最終取付位置に到達する直前に、各弾性腕50に上記反転動作が生じていないときには、弾性腕50の自由端側領域50bの当接端面63(図17)と固定端部52の受け面64(図17)とが相互当接するように、各部寸法設定しておくことが有利である。この構成によれば、反転動作していない弾性腕50の押圧部54に、当接端面63と受け面64との相互当接による下向きの力が加わり、この力が、光ファイバFの被覆部分Sに接触している押圧面54aの縁部分54cを支点とした梃子作用を係止部56に生起する。その結果、作動部材16が最終取付位置に到達したときには、各弾性腕50の自由端側領域50bに所要の反転動作が強制的に生じて、係止部56が梁要素48側へ十分に引き込まれることになる。この構成でも、押圧部54の押圧面54aが光ファイバFの被覆部分Sに負荷する押圧力は、弾性腕50自体の弾性復元力に依存するものとなる。
【0043】
このようにして、作動部材16が本体12に対し最終取付位置に到達すると、一対の光ファイバFの素線Cが素線固定部材14のガイド溝36内で、先端突き合わせ状態で強固に固定的に挟持される一方、両光ファイバFの被覆部分Sが対応の通路46内で、両保持要素44の弾性腕50自体の弾性復元力による適当な押圧力下で、本体12に対し固定状態に押圧保持される。この状態で、両光ファイバFの先端突き合わせ接続が完了する。なお、最終取付位置で、作動部材16は、第1機能部分16aの全ての突起42が本体12の全ての窪み30に嵌入されるとともに、第2機能部分16bの突起58が本体12の貫通孔28に受容されて、本体12に固定される。
【0044】
上記したファイバ接続作業において、光ファイバFの素線Cは、作動部材16が押込移動を開始した直後に、素線固定部材14の両挟持面34の一次加圧面40aと二次加圧面40bとの遷移領域から圧力を受け、素線固定部材14に対し実質的に固定される。しかしこの段階では、各弾性腕50の押圧部54は、光ファイバFの被覆部分Sに所要の押圧力をまだ負荷していない。そして、作動部材16の押込移動を進めるに従い、光ファイバFの素線Cに加わる挟持力が増加して、最終的に素線Cが強固に固定される。この間、各弾性腕50の押圧部54は、弾性腕50の弾性変形量の増加に従って漸増する押圧力を、光ファイバFの被覆部分Sに負荷する。そして前述した最終取付位置で、各弾性腕50の弾性復元力による所要の押圧力が、光ファイバFの被覆部分Sに負荷される。このような動作タイミングによれば、通路46内で光ファイバFの被覆部分Sを押圧保持することに起因して素線固定部材14内で素線Cの位置ずれが生じる懸念は、確実に排除される。
【0045】
また、上記したファイバ接続作業において、作動部材16の各保持要素44の弾性腕50は、最終的に押圧部54が、露出した素線Cから離隔した位置で光ファイバFの被覆部分Sを、押圧面54aによる面接触形態で押圧保持するとともに、係止部56が通路46内の素線Cから十分に乖離するように構成されている。このような構成によれば、素線Cに応力を集中させ易い被覆部分Sの末端領域(すなわち露出素線Cに隣接する領域)に、押圧力を負荷する危険性が排除される。また、作動部材16の仮取付位置では、両光ファイバF同士の突き合わせた先端の位置が素線固定部材14の中心にあるとは限らないので、弾性腕50の押圧部54は、本体12の導入口24に可及的に近接する位置に形成することが、上記した素線Cへの応力集中を防止する観点で有利である。
【0046】
このように、上記構成を有する光ファイバ接続装置10によれば、接続対象の光ファイバFの被覆部分Sを固定状態に保持する被覆保持機構を、作動部材16に設けられる弾性変形可能な保持要素44から構成したので、別部材としてのクリップ部材を用いた従来技術に比べて、構成部品点数が削減され、光ファイバ接続装置10の組立工程すなわちファイバ接続作業が簡略化されることになる。ファイバ接続作業においては、光ファイバ素線Cを素線固定部材14に挟持するのに必要な作動部材16の押込移動によって、保持要素44から光ファイバFの被覆部分Sに所要の押圧力を負荷できるので、従来用いていた一般的な工具によって接続作業を実施できる。
【0047】
さらに、保持要素44による押圧力(被覆保持力)を、弾性腕50自体の弾性復元力によって生成するように構成したから、弾性腕50や光ファイバ被覆の成形寸法誤差が被覆保持力に及ぼす影響を可及的に軽減することができる。したがって光ファイバ接続装置10によれば、構成部品の成形寸法誤差に左右されずに、安定した被覆保持機能を発揮することが可能になる。
【0048】
本発明に係る光ファイバ接続装置の被覆保持機構の構成は、上記した二つ折り形態の素線固定部材14を有する構成に限定するものではなく、他の様々な形態の素線固定部材を有する光ファイバ接続装置に適用できる。この場合、本発明は、光ファイバの素線を固定する素線固定部材と、素線固定部材に固定される素線を有する光ファイバの被覆部分を固定状態に保持可能な被覆保持機構とを具備し、一対の光ファイバの素線同士を先端突き合わせ状態で接続する光ファイバ接続装置において、被覆保持機構は、素線固定部材から独立して弾性変形可能な保持要素を備え、保持要素は、光ファイバを案内する通路を素線固定部材の外部に形成するとともに、それ自体の弾性復元力により通路に光ファイバの被覆部分を押圧保持することを特徴とするものとして規定される。
【0049】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、一対の光ファイバの素線同士を先端突き合わせ状態で接続可能な光ファイバ接続装置において、構成部品点数を削減してファイバ接続作業を簡略化できるとともに、特殊な工具を要することなくファイバ接続作業を実施でき、しかも、構成部品の成形寸法誤差に左右されずに安定した被覆保持機能を発揮できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による光ファイバ接続装置の分解正面図である。
【図2】図1の光ファイバ接続装置の組立正面図である。
【図3】図1の光ファイバ接続装置の本体の図で、(a)平面図、(b)正面図、及び(c)端面図である。
【図4】図3の線IV−IVに沿った本体の断面図である。
【図5】図3の線V−Vに沿った本体の断面図である。
【図6】図1の光ファイバ接続装置の素線固定部材の図で、(a)平面図、(b)正面図、及び(c)端面図である。
【図7】図6の線VII−VIIに沿った素線固定部材の断面図である。
【図8】図6の線VIII−VIIIに沿った素線固定部材の断面図である。
【図9】図1の光ファイバ接続装置の作動部材の図で、(a)平面図、(b)正面図、及び(c)端面図である。
【図10】図9の線X−Xに沿った作動部材の断面図である。
【図11】図9の線XI−XIに沿った作動部材の断面図である。
【図12】図1の光ファイバ接続装置を仮取付位置で示す図で、(a)平面図、(b)正面図、及び(c)端面図である。
【図13】図12の線XIII−XIIIに沿った光ファイバ接続装置の断面図である。
【図14】図12の線XIV−XIVに沿った光ファイバ接続装置の断面図である。
【図15】図1の光ファイバ接像装置の保持要素を無負荷状態で示す部分拡大正面図である。
【図16】図15の矢印XVIから見た弾性腕の端面図である。
【図17】図15の保持要素を最終変位位置で示す部分拡大正面図である。
【図18】図13の線XVIII−XVIIIに沿った断面図である。
【図19】図1の光ファイバ接続装置によるファイバ接続作業を示す断面図で、(a)1本の光ファイバを挿入した状態、及び(b)2本の光ファイバを挿入した状態を示す。
【図20】図1の光ファイバ接続装置によるファイバ接続作業の完了状態を示す断面図である。
【図21】図19及び図20に対応する部分拡大図で、作動部材が(a)仮取付位置から(b)中間位置を経て(c)最終取付位置へ至る間の、弾性腕の反転動作を説明する図である。
【図22】図21の線XXII−XXIIに沿った断面図である。
【符号の説明】
10…光ファイバ接続装置
12…本体
14…素線固定部材
16…作動部材
18…空洞部
24…導入口
34…挟持面
36…ガイド溝
44…保持要素
46…通路
48…梁要素
50…弾性腕
52…固定端部
54…押圧部
56…係止部
66…狭窄領域
Claims (7)
- 本体と、該本体に支持され、光ファイバの素線を固定的に挟持する閉位置と該素線を解放する開位置との間で動作可能な素線固定部材と、該本体に支持され、該素線固定部材を該開位置から該閉位置へ動作させる作動部材と、該素線固定部材に挟持される素線を有する光ファイバの被覆部分を該本体に対し固定状態に保持可能な被覆保持機構とを具備し、一対の光ファイバの素線同士を先端突き合わせ状態で接続する光ファイバ接続装置において、
前記被覆保持機構は、前記作動部材に設けられる弾性変形可能な保持要素を備え、
前記保持要素は、光ファイバを案内する通路を前記本体に形成するとともに、前記素線固定部材を前記閉位置に動作させる前記作動部材の前記本体上での移動に伴い弾性変形して、それ自体の弾性復元力により前記通路に光ファイバの被覆部分を押圧保持すること、を特徴とする光ファイバ接続装置。 - 前記保持要素は、前記作動部材に形成される弾性腕を備え、該弾性腕は、固定端部と、該固定端部から離隔して配置され、該弾性腕の前記弾性復元力により光ファイバの被覆部分を押圧する押圧部とを有する、請求項1に記載の光ファイバ接続装置。
- 前記弾性腕は、前記固定端部と前記押圧部との間に位置する係止部をさらに有し、該係止部は、前記通路に、光ファイバの素線の通過を許容する一方で該光ファイバの被覆部分の通過を阻止する狭窄領域を形成する、請求項2に記載の光ファイバ接続装置。
- 前記弾性腕の前記係止部は、前記作動部材の前記本体上での前記移動に伴い該弾性腕が弾性変形するに従って、前記通路の前記狭窄領域を開放する請求項3に記載の光ファイバ接続装置。
- 前記本体は、該本体の外面に開口するとともに前記通路に連通する導入口を備え、前記弾性腕の前記押圧部が該導入口に近接して配置される請求項2〜4のいずれか1項に記載の光ファイバ接続装置。
- 前記保持要素が前記作動部材に一体成形される請求項1〜5のいずれか1項に記載の光ファイバ接続装置。
- 光ファイバの素線を固定する素線固定部材と、該素線固定部材に固定される素線を有する光ファイバの被覆部分を固定状態に保持可能な被覆保持機構とを具備し、一対の光ファイバの素線同士を先端突き合わせ状態で接続する光ファイバ接続装置において、
前記被覆保持機構は、前記素線固定部材から独立して弾性変形可能な保持要素を備え、
前記保持要素は、光ファイバを案内する通路を前記素線固定部材の外部に形成するとともに、それ自体の弾性復元力により該通路に光ファイバの被覆部分を押圧保持すること、を特徴とする光ファイバ接続装置。
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