JP2005062054A - 収束電子回折による結晶格子定数測定法 - Google Patents

収束電子回折による結晶格子定数測定法 Download PDF

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Abstract

【課題】 微小領域において格子定数の6つのパラメータ全てを測定できる収束電子回折測定方法を提供する。
【解決手段】 試料に電子線を収束させて照射し、ディスク状の回折図形を得る収束電子回折法において、透過ディスク内に現れたHOLZラインの交点間の距離から、結晶の格子定数6つ(a、b、c、α、β、γ)全てを10nm以下の微小領域から測定することを可能にする。
【選択図】 選択図なし。

Description

本発明は、収束電子回折法に関し、特に微小領域において格子定数の測定を行う方法に関する。
本来、結晶格子定数とは図1に示したように6つのパラメータがあり、結晶の局所的な格子定数を正確に測るためには、6つ全て求める必要がある。また、結晶の歪みを測定する場合も同様である。なぜなら、ヘテロ界面近傍や欠陥近傍では応力が複雑にかかり、本来の晶系よりも対称性が低下し、6つのパラメータ全てが本来の結晶から変化している可能性があるからである。
局所的な結晶格子定数を測定する方法として、収束電子回折法がある。収束電子回折法は、電子線を収束させて試料に照射してディスク状の回折パターンを得る方法であり、試料内の数nm程度の局所領域の結晶構造解析に用いられる。得られた収束電子回折図形の透過ディスク内にはHOLZラインと呼ばれる細い暗線が現れる。HOLZラインは収束電子回折の高次の反射が透過ディスク内に現れたもので、結晶構造の違いや結晶構造欠陥などにより、HOLZラインの現れる位置や強度が変わる。つまり、格子定数が変化した場合、HOLZラインの現れる位置は変わる。したがって、実験で得た収束電子回折図形内のHOLZラインの位置、あるいはHOLZラインの交点間の距離を、格子定数をパラメータにしてコンピューターシミュレーションにより再現することで格子定数の測定が行えるものである。(例えば非特許文献1)
そこで、格子定数の測定に用いるHOLZラインは適当なものを選び、格子定数を変化させてコンピューターシミュレーションして得たHOLZラインの位置が、実験で得た収束電子回折図形内のHOLZラインの位置を再現できる値が見つかるまで、格子定数を変化させてシミュレーションは繰り返して測定する。
しかし、ある格子定数に対し、どれか一つでも変化の少ないHOLZライン、つまり、その格子定数の測定精度の低いHOLZラインを選んでしまうと、多重解になってしまうか、解が得られない場合が多く、多重解や解無しでは正確な格子定数を求める事ができない。その欠点を解決するため、予め晶系が分かっている、即ち正解を予測できるものを測定する、あるいは晶系を仮定し、いくつかの格子定数を仮定することで、格子定数のうち、1つか2つか3つのみをパラメータとして測定することが試されていた。したがってその測定操作も複雑で容易ではなく、界面近傍など、大きな応力が複雑にかかっている場所では正確に格子定数を求める事ができなかった。(例えば特許文献1)
本来、結晶収束電子回折では、その結晶格子定数の各パラメータに対してそれぞれ測定精度の高いHOLZラインと測定精度の低いHOLZラインがあるが、従来技術では、適切なHOLZラインの区別をせずに格子定数測定を行っているため、測定精度の低いHOLZラインを選択する可能性があり、正確な格子定数が求められない欠点があることが分かった。
従って、従来技術では、実験で得た収束電子回折図形内のHOLZラインとシミュレーションとの比較して格子定数を求める手順を1種類しかしないため、取り扱うパラメータ数が多くなると多重解になり、正確な格子定数が求められない欠点があった。
特開平06−36729号公報 Zuo J M (1992) Automated lattice parameter measurement from HOLZ lines and their use for the measurement of oxygen content in YBa2Cu3O7-δ from nanometer-sized region. Ultramicroscopy 41: P211-223.
本発明の課題は、この従来技術の欠点を解決し容易にかつ正確な結晶定数を求める方法を提供することを課題とする。
本発明は、収束電子回折法による格子定数測定における上記の問題を解決し、微小領域の格子定数の6つのパラメータ全ての測定を実現する手段を提供するものである。
即ち、本発明は、下記(1)から(7)に係わる。
(1) 収束電子回折図形中の透過ディスク内のHOLZラインの交点間の距離から、結晶の格子定数6つ(a、b、c、α、β、γ)全てを同時に測定する格子定数測定法。
(2) 1つの収束電子回折図形から結晶の格子定数6つ全てを同時に測定することを特徴とする上記(1)の格子定数測定法。
(3) 収束電子回折図形中の透過ディスク内の一部のHOLZラインの交点間の距離から、結晶の格子定数6つのうちのどれか1つ以上を求め、さらに別のHOLZラインの交点間の距離から6つの格子定数のうち、残りの格子定数のどれか1つ以上を求めていく操作を2回以上行って、格子定数6つの全てを1枚の収束電子回折図形から測定することを特徴とする上記(1)から(2)の格子定数測定法。
(4) ダイアモンド構造、または閃亜鉛構造をもつ半導体の{210}面に垂直な方向から収束電子線を入射させた時に得られる1枚の収束電子回折図形中の透過ディスク内のHOLZラインの交点間の距離から結晶の格子定数6つ(a、b、c、α、β、γ)全てを同時に測定することを特徴とする上記(1)から(3)の格子定数測定法。
(5) ダイアモンド構造、または閃亜鉛構造をもつ半導体の{210}面に垂直な方向から収束電子線を入射させた時に得られる収束電子回折図形中の透過ディスク内のHOLZラインの交点間距離のうち、<001>方向成分から格子定数α、βを測定する解析方法。
(6) ダイアモンド構造、または閃亜鉛構造をもつ半導体の{210}面に垂直な方向から収束電子線を入射させた時に得られる収束電子回折図形中の
透過ディスク内のHOLZラインのうち、反射の指数が(h k l1)および(h k -l1)の交点と (h k l2)および(h k -l2)の交点の距離から格子定数cを測定できる解析方法。
(7) 結晶の晶系が不明な試料について、上記(1)から(6)を用いて格子定数測定し晶系を解析する解析方法。
上記の問題を解決するために本発明が採用する手段は、結晶解析の為の1枚の収束電子回折図形において、任意のHOLZラインの位置、あるいは交点間の距離を同時にシミュレーションで再現していくのではなく、格子定数の特定のパラメータに対し、感度の高いHOLZラインを選択し、そのHOLZラインの位置、あるいは交点間の距離をシミュレーションで再現し、さらに別のパラメータに対しでも同様な操作を繰り返して、格子定数の6つのパラメータ全てを求める。
ダイアモンド構造、閃亜鉛構造の格子定数測定では、試料の{210}面に垂直に、収束した電子線を入射させ、収束電子回折図形を得る。{210}とは図2に示した面である。この時、測定した位置の結晶に歪みがなければ、透過ディスク内に現れたHOLZラインは[001]方向と垂直かつ透過ディスクの中心を通る対称面を持つ、鏡映対称の位置関係を持つ。この鏡映対称関係が崩れるのはα、βが90°以外の時なので、本来、鏡映対称関係を持つ位置に現れるHOLZライン、例えば反射の指数が(h k l)と(h k -l)のHOLZラインの交点の位置が鏡映対称面からずれたとき、そのずれ量の<001>方向成分からα、βを求めることができる。または、本来、鏡映対称関係にあるべきHOLZラインの交点を複数選び、それらの交点の間の距離の<001>成分を測定し、その距離を再現するα、βをシミュレーションして求める事でもα、βを決定する事ができる。図5で例示すれば、d1、d2が鏡映対称が崩れて位置がずれたHOLZラインの交点同士の距離の<001>成分に相当する。
次に反射の指数が(h k l1)および(h k -l1)の交点と (h k l2)および(h k -l2)の交点の間の距離を再現する格子定数cを測定する。このようなHOLZラインがない場合、(h3 k3 l3)と(h3k3 -l3)と(h4 k4 l4)と(h4k4 -l4)の指数を持つHOLZラインのうち、l3およびl4の絶対値が大きいHOLZライン、またはh3とh4の差およびk3とk4の差が小さなHOLZライン、あるいはそれらを同時に満たすHOLZライン同士の交点間の距離をシミュレーションで再現する格子定数cを求め、他の格子定数を求めた後、再度cを求めるという操作を複数回行う事でも代用できる。図7で例示すれば、(h k l1)および(h k -l1)は5 -9 7および5 -9 -7 、(h k l2)および(h k -l2)は5 -9 5および5 -9 -5 に相当する。
次に、反射の指数(hkl)のうち、h、kが大きなHOLZラインの交点間の距離を複数同時に再現する格子定数a、b、γをシミュレーションで求める。さらに、以上の操作を複数回繰り返して行ってもよい。これらの順序は入れ替わっても構わない。以上の様にして求めた6つの格子定数を用いて収束電子回折図形をシミュレーションして求め、実験結果と比較してHOLZラインの位置が再現できていた場合は格子定数測定終了、ずれがある場合は再度上記の操作を繰り返す。
シミュレーションは運動学理論に基づいたプログラムの場合は電子顕微鏡の加速電圧の値、加速電圧補正値を求めてからシミュレーションを行う。動力学理論に基づいたプログラムの場合は電子顕微鏡の加速電圧の値のみを求めれば良い。
本発明は、この従来技術の欠点を解決し容易にかつ正確な結晶定数を求める方法を提供することができる。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
結晶の格子定数は図1に示したようにa,b,c,角度α、β、γ定義する。収束電子回折とは、汎用の透過型電子顕微鏡を用いて、電子線を直径10nm以下まで収束して試料に照射したときに得られる電子回折である。本発明の収束電子解説による特定方法は、特に10〜1000nm程度の結晶局所の格子定数測定に好ましい。
HOLZラインとは、この収束電子回折図形の中心の透過ディスク内に現れる、細い暗線であり、図4から13までに示される線である。
本発明において、測定する試料は結晶解析に必要な透過性を有する試料であれば好ましくより好ましくは厚み10〜1000nmであれば良い。
本発明の半導体の{210}面とは、図2に示した様に、単位格子の長さaの2分の1の長さでa軸上にある点、単位格子の長さbと同じ長さでb軸方向にある点を含み、c軸と平行な面を言う。
本発明を実施例に基いて説明する。
[実施例1]
図3にGaAs基板上に成長した結晶InAs薄膜断面の透過型電子顕微鏡像を示す。透過型電子顕微鏡は日本電子JEM-2010を使用した。まず、歪みのない結晶を用いて、電子顕微鏡の正確な加速電圧値と、測定する試料における加速電圧補正値をコンピューターシミュレーションにより求める。
収束電子回折図形は図3中に点で示したInAs薄膜内のA、B、Cの3点で測定した。図3にA点で測定した収束電子回折図形を示す。図4中に白い点線で示したのがHOLZラインである。図5は図4の収束電子回折図形の中心付近を拡大した図である。図5に示したHOLZラインの交点間距離の[001]方向成分をd1、d2とする。このd1、d2をシミュレーションにおいて再現するα、βを探す。その結果、α=89.46°、β=89.0°であった。図6にこのα、βを用いてシミュレーションした結果を実線で示し、実験結果に重ねた図を示す。d1、d2が再現されていることが分かる。
次に、図7に点線で示した、同じh、kを持つHOLZラインである5-9 7, 5-9-7の交点と、5-9 5, 5-9-5の交点の距離を再現するcを求める。その結果、cは0.6119nmであった。
次に複数の交点間距離を同時に再現するa, b, γを求めた。シミュレーションとの比較に用いたHOLZラインの交点間の距離を図8に示す。その結果、a=0.6113nm, b=0.6148, γ=89.0°であった。したがって、a≠b≠c、α≠β≠γ≠90°であり、晶系はtriclinicであった。
以上、求めた格子定数を用いてシミュレーションした結果を実験結果上に点線で示した図を図9に示す。全てのHOLZラインの位置が実験とシミュレーションで一致しており、求めた格子定数が正しい事を示している。
B点、C点でも同様に格子定数の測定を行った結果、B点ではa=0.6070nm, b=0.6041nm, c=0.6085nm, α=β=γ=90°、C点ではa=0.6072nm, b=0.6048nm, c=0.6065nm, α=β=γ=90°であった。したがって、B点、C点では晶系はorthorhombicであった。
ヘテロ界面近傍や欠陥近傍では応力が複雑にかかり、本来の晶系よりも対称性が低下していると考えられ、晶系はその測定点ごとに調べるべきだが、従来技術では晶系を調べていなかったが、本発明により、各測定点での晶系を明らかにすることができ、InAs本来の晶系であるcubicからtriclinicあるいはorthorhombicに晶系が変化していることが分かった。
本来、格子定数とは6つのパラメータがあり、歪みを測定する場合でも格子定数6つ全てを求める必要があるが、従来技術では晶系を仮定しており、6つ全てを求めていない。本発明では、格子定数の6つパラメータ全てを求めることができた。
本来、格子定数の各パラメータに対して測定精度の高いHOLZラインと測定精度の低いHOLZラインがあるが、従来技術では、適切なHOLZラインの選別をせずに格子定数測定を行っているため、測定精度の低いHOLZラインを選択する可能性があり、正確に格子定数を求められない欠点があった。本発明では格子定数の各パラメータに対し、測定精度の高いHOLZラインを選択することで、測定精度を下げる事無く、格子定数の6つパラメータ全てを求めることができた。
従来技術では実験で得た収束電子回折図形内のHOLZラインとシミュレーションとの比較して格子定数を求める手順を1種類しかしないため、取り扱うパラメータ数が多くなると多重解になり、正確な格子定数が求められない可能性がある。本発明では、実験で得た収束電子回折図形内のHOLZラインとシミュレーションとの比較して格子定数を求める手順を3回に分けて行うことで、操作容易に測定精度を下げる事無く、格子定数の6つパラメータ全てを求めることができた。
[実施例2]
図10にSiGeに収束した電子線を{210}に垂直な方向から入射して得た収束電子回折図形の透過ディスクの拡大図を示す。HOLZラインを黒い点線で示した。これらのHOLZラインの交点間距離の[001]方向成分からα=β=90°と求まった。次に図11に示した、1-3 11と1-3-11の交点と3-7 9と3-7-9の交点間の距離mを再現するcを求める。その結果、c=0.5462nmであった。次に図12に示したHOLZラインの交点間距離n, o, p, q, r, sを同時再現するa, b, γを求める。その結果、a=0.5438nm, b=0.5328nm, γ=90°であった。次に再度図11に示した交点間距離を再現するcを求めた。その結果c=0.5461nmであった。
以上、求めた格子定数を用いてシミュレーションした結果と実験結果上に点線で示した図を図13に示す。全てのHOLZラインの位置が実験とシミュレーションで一致しており、求めた格子定数が正しい事を示している。
以上説明したように本発明は、収束電子回折法において、透過ディスク内に現れたHOLZラインのうち、各格子定数に対して適切なHOLZラインのみを選択し、その格子定数を求めるという操作を2回以上行う事で格子定数の6つのパラメータ全てを10nm以下の微小領域から測定することを可能にするという効果、を有する。
[比較例1]
多結晶4H-SiCに収束電子線を[-3 2 1 0]方向から照射し、収束電子回折図形を得た。試料は-165℃に冷却してLEO912Ωを用いて観察を行った。照射したのは多結晶の粒界ではなく、一つのグレインの中心付近、つまり応力がかかっていないと考えられる領域から収束電子回折図形を得た。得られた収束電子回折図形の透過ディスク内に現れたHOLZラインの一部を用いて格子定数測定を行った。4H-SiCは歪んでいなければ格子定数はa=b≠c、α=β=90°、γ=120°なので、格子定数aとcを変数として、コンピューターシミュレーションを行ない、実験で得た収束電子回折図形のHOLZラインと一致するHOLZラインが得られるまでシミュレーションを繰り返す。その結果、a=0.3085nm、c=1.0089nmと求まった。しかし、多結晶粒子の粒界や欠陥の近傍ではa=b≠c、α=β=90°、γ=120°が成り立っているとは限らないので、この手法を用いると間違った結果になる。
(Zuo J M, Kim M, and Holmestad R (1998) A new approach to lattice parameter measurments using dynamic electron diffraction and pattern matching. J. Electron Microscopy 47: 121-127)
本来、格子定数とは6つのパラメータがあり、歪みを測定する場合でも格子定数6つ全てを求める必要があるが、従来技術では晶系を仮定しており、6つ全てを求めていない。本発明では、格子定数の6つパラメータ全てを求めることができた。
本来、格子定数の各パラメータに対して測定精度の高いHOLZラインと測定精度の低いHOLZラインがあるが、従来技術では、適切なHOLZラインの選別をせずに格子定数測定を行なっているため、測定精度の低いHOLZラインを選択する可能性があり、正確に格子定数を測定できない欠点がある。本発明では格子定数の各パラメータに対し、測定精度の高いHOLZラインを選択することで、高い測定精度で、格子定数の6つパラメータ全てを求めることができた。
従来技術では実験で得た収束電子回折図形内のHOLZラインとシミュレーションとの比較して格子定数を求める手順を1種類しかしないため、取り扱うパラメータ数が多くなると多重解になり、正確な格子定数が求められない欠点がある。本発明では、実験で得た収束電子回折図形内のHOLZラインとシミュレーションとの比較して格子定数を求める手順を3回に分けて行うことで、高い測定精度で、格子定数の6つパラメータ全てを求めることができた。
本発明の測定方法、解析方法は、結晶がダイアモンド構造、または閃亜鉛構造をもつ半導体の構造を解析できる。
格子定数の定義。 {210}面の図。 GaAs基板上に成長したInAs薄膜の断面TEM像における収束電子測定点のA,B,C点の図。 図3におけるInAs薄膜中のA点で得た収束電子回折図形の透過ディスク。HOLZラインを点線図。 図4の透過ディスクの中心付近の拡大図。HOLZラインの交点間距離の[001]方向成分d1、d2をシミュレーションで再現する格子定数α、βの図。 求めたα、βを使ってシミュレーションした結果を実線で示し、実験結果に重ねたd1、d2の再現図。 cの決定に用いた5 -9 5, 5 -9 -5, 5 -9 7, 5 -9 -7のHOLZラインと、それらの交点間距離の図。 a, b, γの決定に用いたHOLZラインの交点間距離gからlまでの図。 本発明の手法で測定した格子定数を用いてシミュレーションした結果を点線で示し、実験結果に重ねた図。 SiGeから得た収束電子回折図形のHOLZラインを点線で示した図。 cの決定に用いたHOLZラインの交点間距離mの図。 a, b, γの決定に用いたHOLZラインの交点間距離nからsまでの図。 本発明の手法で測定した格子定数を用いてシミュレーションした結果を点線で示し、実験結果に重ねた図。
符号の説明
aは、結晶の単位格子の軸の長さ。
bは、結晶の単位格子の軸の長さ。
cは、結晶の単位格子の軸の長さ。
αは、結晶の単位格子のc軸とb軸のなす角。
βは、結晶の単位格子のc軸とa軸のなす角。
γは、結晶の単位格子のa軸とb軸のなす角。
A、B、Cは、収束電子回折の測定点。
3−79および3−7−9は、HOLZ反射の指数。
2−6−16および2−6−16は、HOLZ反射の指数。
−5 9 7および−5 9 −7は、HOLZ反射の指数。
d1、d2はα、βを決定するときに用いたHOLZラインの交点間の距離。
5 9 7および5 9 −7は、HOLZ反射の指数。
5 9 5および5 9 −5は、HOLZ反射の指数。
fは、a、b、γの決定に用いたHOLZラインの交点間の距離。
gは、a、b、γの決定に用いたHOLZラインの交点間の距離。
hは、a、b、γの決定に用いたHOLZラインの交点間の距離。
iは、a、b、γの決定に用いたHOLZラインの交点間の距離。
jは、a、b、γの決定に用いたHOLZラインの交点間の距離。
kは、a、b、γの決定に用いたHOLZラインの交点間の距離。
lは、a、b、γの決定に用いたHOLZラインの交点間の距離。
1−3 11および1−3−11は、HOLZ反射の指数。
3−7 9および3−7−9は、HOLZ反射の指数。
mはcの決定に用いたHOLZラインの交点間の距離。
nは、a、b、γの決定に用いたHOLZラインの交点間の距離。
oは、a、b、γの決定に用いたHOLZラインの交点間の距離。
pは、a、b、γの決定に用いたHOLZラインの交点間の距離。
qは、a、b、γの決定に用いたHOLZラインの交点間の距離。
rは、a、b、γの決定に用いたHOLZラインの交点間の距離。
sは、a、b、γの決定に用いたHOLZラインの交点間の距離。

Claims (7)

  1. 収束電子回折図形中の透過ディスク内のHOLZラインの交点間の距離から、結晶の格子定数6つ(a、b、c、α、β、γ)全てを測定する格子定数測定法。
  2. 1つの収束電子回折図形から結晶の格子定数6つ全てを同時に測定することを特徴とする請求項1の結晶格子定数測定法。
  3. 収束電子回折図形中の透過ディスク内の一部のHOLZラインの交点間の距離から、結晶の格子定数6つのうちのどれか1つ以上を求め、さらに別のHOLZラインの交点間の距離から6つの格子定数のうち、残りの格子定数のどれか1つ以上を求めていくという操作を2回以上行って、格子定数6つの全てを1枚の収束電子回折図形から測定することを特徴とする請求項1ないし2の格子定数測定法。
  4. 該結晶がダイアモンド構造、または閃亜鉛構造をもつ半導体であって、かつ、該結晶の{210}面に垂直な方向から収束電子線を入射させた時に得られる1枚の収束電子回折図形中の透過ディスク内のHOLZラインの交点間の距離から結晶の格子定数6つ(a、b、c、α、β、γ)全てを測定することを特徴とする請求項1ないし3の格子定数測定法。
  5. ダイアモンド構造、または閃亜鉛構造をもつ半導体の{210}面に垂直な方向から収束電子線を入射させた時に得られる収束電子回折図形中の透過ディスク内のHOLZラインの交点間距離のうち、<001>方向成分から格子定数α、βを測定する解析方法。
  6. ダイアモンド構造、または閃亜鉛構造をもつ半導体の{210}面に垂直な方向から収束電子線を入射させた時に得られる収束電子回折図形中の透過ディスク内のHOLZラインのうち、反射の指数が(h k l1)および(h k -l1)の交点と (h k l2)および(h k -l2)の交点の距離から格子定数cを測定できる解析方法。
  7. 結晶の晶系が不明な試料について、請求項1ないし6を用いて格子定数を測定し晶系を解析する解析方法。
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