JP2005061944A - パイプ内圧測定装置およびパイプ内圧測定方法 - Google Patents

パイプ内圧測定装置およびパイプ内圧測定方法 Download PDF

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Masayuki Hamana
雅之 濱名
Teruhisa Ono
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Abstract

【課題】 パイプ内圧の測定誤差をなくして高精度の測定を可能にする。
【解決手段】 超音波発信器(11)から発信された超音波は、超音波発信器側のパイプ(20)の肉厚部を透過し、パイプ内をある圧力で流通する媒体を透過し、超音波受信器側のパイプの肉厚部を透過し、第1透過波として超音波受信(12)で受信される。また、超音波発信器から発信された超音波は、超音波発信器側のパイプの肉厚部を透過し、パイプ内をある圧力で流通する媒体を透過し、超音波受信器側のパイプの内面で反射し、その媒体を再度透過し、超音波発信器側のパイプの内面で反射し、その媒体を再度透過し、超音波受信器側のパイプの肉厚部を透過し、第2透過波として超音波受信で受信される。第1透過波が受信されてから第2透過波が受信されるまでの時間差を測定すると、超音波が媒体を介してパイプ内を1往復するのにかかった時間がわかる。この時間に基づいてパイプの内圧を測定すれば高精度の測定が可能になる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、パイプ内圧測定装置およびパイプ内圧測定方法に関する。
従来、パイプの内圧を測定する装置および方法として、下記特許文献1に記載されているような技術がある。この技術では、パイプの外周部に振動子と検出器を対向させて取り付け、振動子から出力された超音波がパイプの内面を2回反射して検出器に達するまでの時間を測定することによってパイプの内圧を測定している。
特開2002−296133号公報(「0037」段落〜「0044」段落、図2〜図5)
しかしながら、上記のような従来のパイプ内圧測定装置および方法では、振動子から超音波が出力された時を基準に、その超音波が振動子側のパイプの肉厚部を透過しパイプ内面を2回反射して検出器側のパイプの肉厚部を透過し検出器で検出されるまでの伝搬時間を測定していたので、測定された伝搬時間には常にパイプの肉厚部の伝播時間が含まれることになり、この伝播時間がパイプ内圧の測定誤差になるという問題がある。
また、伝播時間を測定するにあたり、振動子から超音波が出力された時点をその波形からオシロスコープで設定(時間原点)していたため、実際に超音波が出力された時点とオシロスコープで設定した時間原点とが一致せず、この設定誤差も測定された伝搬時間に含まれることになり、パイプ内圧の測定誤差になるという問題がある。
本発明は、このような従来の問題を解消するために成されたものであり、超音波発信器からの超音波がパイプの2箇所の肉厚部とパイプ内の媒体を透過して超音波受信器に達した第1透過波と、超音波発信器からの超音波がパイプの2箇所の肉厚部を1回透過しパイプ内の媒体を2回透過して超音波受信器に達した第2透過波との伝搬の時間差を求めることによって、パイプ内圧の測定を正確に行うことができるパイプ内圧測定装置およびパイプ内圧測定方法の提供を目的とする。
上記した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、パイプの外周部に取り付けた超音波発信器と、当該超音波発信器に対し当該パイプの径方向に対向する前記パイプの外周部に取り付けた超音波受信器と、当該超音波受信器で受信された前記超音波発信器からの超音波が、前記パイプを通過して直接前記超音波受信器に達した第1透過波であるのか、前記パイプを通過する間に前記パイプの内周面に2回反射して前記超音波受信器に達した第2透過波であるのか、を判別する透過波判別手段と、当該第1透過波が受信されてから当該第2透過波が受信されるまでの時間を演算する透過波受信時間演算手段と、演算された時間から前記パイプの内圧を演算するパイプ内圧演算手段とを備えている。
超音波発信器から発信された超音波は、超音波発信器側のパイプの肉厚部を透過し、パイプ内をある圧力で流通する媒体を透過し、超音波受信器側のパイプの肉厚部を透過し、第1透過波として超音波受信器で受信される。また、超音波発信器から発信された超音波は、超音波発信器側のパイプの肉厚部を透過し、パイプ内をある圧力で流通する媒体を透過し、超音波受信器側のパイプの内面で反射し、その媒体を再度透過し、超音波発信器側のパイプの内面で反射し、その媒体を再度透過し、超音波受信器側のパイプの肉厚部を透過し、第2透過波として超音波受信器で受信される。第1透過波が受信されてから第2透過波が受信されるまでの時間差を測定すると、超音波が媒体を介してパイプ内を1往復するのにかかった時間がわかる。
この時間に基づいてパイプ内圧を演算すれば、パイプの肉厚部の伝播時間やオシロスコープによる時間原点の設定誤差の影響を排除することができ、パイプ内圧の測定精度を格段に向上させることができる。
本発明によれば、第1透過波と第2透過波の時間差を測定するようにしたので、純粋に超音波が媒体を介してパイプ内を1往復するのにかかった時間のみを正確に知ることができ、超音波発信器と超音波受信器の構造部分の伝搬時間、パイプ肉厚部の伝播時間、オシロスコープによる時間原点の設定誤差の影響が取り除かれてパイプ内圧の測定精度が向上する。
以下に添付図面を参照して、本発明にかかるパイプ内圧測定装置およびパイプ内圧測定方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明のパイプ内圧測定装置が備える超音波発信器と超音波受信器のパイプへの取り付け状態を示す図である。図2は、図1の断面図であり、(A)は図1のA−A断面図、(B)は図1のB−B断面図である。
図1に示すように、超音波発信器11はパイプ20の外周部に取り付けられる。一方、超音波受信器12は超音波発信器11に対しパイプ20の径方向に対向するパイプ20の外周部に取り付けられる。したがって、超音波発信器11と超音波受信器12はパイプ20の外周部にパイプ20の中心軸21に対し線対称に取り付けられることになる。なお、パイプ20内には所定の圧力の媒体が流通する。
図2に示すように、超音波発信器11はパイプ20の外周面と密着する形状に成形された発信面30を有し、発信面30にはカップリング剤が塗布されてパイプ20の外周部に密着される。また、発信面30はパイプ20の外周面に対して垂直な方向に振動し、パイプ20の中心軸21に向かって線状にパルス状の超音波を発信する。このため、超音波はパイプ20の外周面から垂直に中心軸21に向かって入射されることになる。パイプ20内に入射された超音波は、パイプ20の肉厚部およびパイプ20内を流通している媒体を介して、超音波受信器12に伝搬する。
超音波受信器12もパイプ20の外周面と密着する形状に成形された受信面31を有し、受信面31にはカップリング剤が塗布されてパイプ20の外周部に密着され、受信面31で超音波が受信される。
超音波は、超音波発信器11からパイプ20内に垂直に入射されるので、その多くがパイプ20を透過して受信面31に達し、その一部がパイプ20の内面で垂直に2回反射して受信面31に達する。したがって、超音波受信器12は、パイプ20を全く反射せずに通過して直接超音波受信器12に達した、図2の経路aを伝搬してきた第1透過波と、パイプ20を通過する間にパイプ20の内周面に2回反射して超音波受信器12に達した、経路bを伝搬してきた第2透過波とを検出する。第1透過波は第2透過波よりも早く超音波受信器12に受信され、その受信強度は第2透過波の受信強度よりも大きい。なお、パイプ20の肉厚部内において反射する超音波もわずかにあるが、一般的に、パイプ20および媒体を反射せずに透過するか、またはパイプ20の内面で繰り返し反射する超音波がほとんどなので、肉厚部内において反射する超音波は無視できる。
図3は、本発明にかかるパイプ内圧測定装置の概略構成を示すブロック図である。
本発明にかかるパイプ内圧測定装置は、超音波発信器11、超音波受信器12、測定制御装置50、入力端末器60およびディスプレイ70から構成される。超音波発信器11と超音波受信器12のパイプ20への取り付け状態およびそれらの機能は既に詳しく説明してあるのでここでの説明は省略する。
測定制御装置50は、パルス信号発生器51、閾値記憶部52、比較部53、透過波受信時間演算部54、パイプ内圧演算データ記憶部55およびパイプ内圧演算部56から構成される。
パルス信号発生器51は、超音波発信器11にパルス状の電気信号を出力するものである。
閾値記憶部52は、閾値記憶手段として機能するものであって、受信強度の閾値、すなわち、前述の第1透過波を判別するための第1閾値と第2透過波を判別するための第2閾値とを記憶する。なお、第1閾値と第2閾値の値の大きさは異なっており、第2閾値の値方が第1閾値の値よりも小さく設定されている。異なる値に設定したのは受信強度に差がある第1透過波と第2透過波を確実に判別できるようにするためである。第1透過波と第2透過波が確実に判別できるのであれば、第1閾値と第2閾値の値の大きさは同じ値であっても良い。
比較部53は、比較手段として機能するものであって、超音波受信器12で受信された超音波の受信強度を閾値記憶部52に記憶されている第1閾値および第2閾値と比較する。閾値記憶部52と比較部53によって透過波判別手段が構成され、閾値記憶部52と比較部53が協働することによって、超音波受信器12で受信された超音波発信器11からの超音波が、パイプ20を通過して直接超音波受信器12に達した第1透過波であるのか、パイプ20を通過する間にパイプ20の内周面に2回反射して超音波受信器12に達した第2透過波であるのかが判断される。
透過波受信時間演算部54は、比較部53による比較結果から、第1透過波が受信されてから第2透過波が受信されるまでの時間を演算する。
パイプ内圧演算データ記憶部55は、パイプ内圧演算データ記憶手段を構成し、パイプ20の内径、パイプ20の内部を流通する媒体の種類、その媒体の大気圧下における伝搬速度、およびこの伝搬速度を基準とする比速度とパイプ20の内圧との関係を示すデータを記憶する。比速度と内圧との関係は図4に示すようにほぼ比例関係にある。したがって、比速度と内圧との関係は、y=F(x)の一次方程式として記憶されている。この一次方程式に演算された比速度を代入すれば、パイプの内圧が求められる。なお、比速度と内圧との関係を示す一次方程式は媒体の種類によって異なるので、パイプ内圧演算データ記憶部55にはパイプ20に流通させる全種類の媒体の一次方程式を記憶させておく。
パイプ内圧演算部56は、透過波受信時間演算部54によって演算された時間からパイプ20の内圧を演算する。具体的には、第1透過波が受信されてから第2透過波が受信されるまでの時間とパイプ内圧演算データ記憶部55に記憶されているパイプ20の内径とから超音波における媒体の伝搬速度を演算し、パイプ内圧演算データ記憶部55に記憶されている媒体の伝搬速度と演算された伝搬速度とから比速度を演算し、演算された比速度および記憶されている比速度とパイプの内圧の関係を示すデータ(上記の一次方程式)からパイプ20の内圧を演算する。この演算によって、パイプ20内をどのくらいの圧力で媒体が流れているのかを知ることができる。
入力端末器60は、閾値記憶部52に記憶させる第1閾値および第2閾値の値の入力、パイプ内圧演算データ記憶部55に記憶させるべきパイプ20の内径、パイプ20の内部を流通する媒体の種類、その媒体の大気圧下における伝搬速度、およびこの伝搬速度を基準とする比速度とパイプ20の内圧との関係を示すデータの入力、測定時に測定制御装置50に与える媒体の種類の入力、測定開始指示の入力などを行うために使用される。
ディスプレイ70は、閾値記憶部52、パイプ内圧演算データ記憶部55に記憶されている内容を表示したり、入力端末機60から入力される内容を表示したり、測定制御装置50の測定結果を表示したりする。
図5、図7、図10、図11は、図3に示したパイプ内圧測定装置の動作フローチャートであり、本発明にかかるパイプ内圧測定方法の手順を示している。本発明方法は、超音波発信器から発信された超音波が超音波受信器によって受信されるまでの時間を演算することによってパイプの内圧を測定する従来の測定方法を改善し、より正確にパイプの内圧を測定できるようにしたものである。
請求項5の手順に対応する図5のフローチャートにおいて、まず、超音波発信器11からパイプ20の中心軸方向に向けて超音波を発信する。超音波はパルス信号発生器51からパルス状の電気信号が出力されることによって発信される(S1)。次に、パイプ20を通過して直接超音波受信器12に達した第1透過波を受信する。超音波発信器11から発信された超音波は、超音波発信器側のパイプ20の肉厚部を透過し、パイプ内をある圧力で流通する媒体を透過し、超音波受信器側のパイプ20の肉厚部を透過し、第1透過波として超音波受信器12で受信される(S2)。次に、パイプ20を通過する間にパイプ20の内周面に2回反射して超音波受信器12に達した第2透過波を受信する。超音波発信器11から発信された超音波は、超音波発信器側のパイプ20の肉厚部を透過し、パイプ内をある圧力で流通する媒体を透過し、超音波受信器側のパイプ20の内面で反射し、その媒体を再度透過し、超音波発信器側のパイプ20の内面で反射し、その媒体を再度透過し、超音波受信器側のパイプ20の肉厚部を透過し、第2透過波として超音波受信器で受信される(S3)。
超音波受信器12は、図6に示すように、まず第1透過波を受信し次に第2透過波を受信する(図6(A))。第1透過波は第2透過波よりも経路長が短いので、その受信強度は第2透過波の受信強度よりも大きく、その伝播時間は第2透過波の伝播時間よりも短い(図6(A)、(B))。
次に、両透過波の受信時間差を演算する。つまり、第1透過波が受信されてから第2透過波が受信されるまでの時間を演算する。この時間は、透過波受信時間演算部54によって演算される。図6(C)に示す、第1透過波が受信されてから第2透過波が受信されるまでの時間は、超音波が純瑞に媒体を介してパイプ内を1往復するのにかかった時間である。したがって、この時間には超音波発信器と超音波受信器の構造部分の伝搬時間、パイプ肉厚部の伝播時間、オシロスコープによる時間原点の設定誤差の影響は全く含まれていない(S4)。そして、最後に、演算された時間から前記パイプの内圧を演算する
図7は図5のS2のサブルーチンを示すフローチャート、図10は図5のS3のサブルーチンを示すフローチャートである。なお、これらのフローチャートは請求項6および請求項8の手順に対応する。第1透過波の判断は次の手順で行われる。
まず、超音波受信器12が受信した超音波の受信強度をあらかじめ設定されている第1閾値と比較する(S11)。比較部53は、閾値記憶部52に記憶されている第1閾値を基準に、超音波受信器12によって受信された図8に示すような超音波の受信強度が、第1閾値(図8では閾値(A)としてある)よりも大きいか小さいかを判断するため、その比較を一定の測定時間Tの間行う(S11、S12:NO)。受信強度が第1閾値を超えていれば(S12:YES)、第1閾値よりも大きな受信強度の超音波が受信されているのであるから、今受信されている超音波を第1透過波であると判断する(S13)。次に、比較部53は、図9に示してあるように、受信された超音波の受信強度が第1閾値を越えた後この超音波の受信強度が0になった時点に第1透過波が受信されたとする。つまり、受信されている超音波の受信強度が第1閾値を超えた瞬間からその受信強度が0になるのを待ち、受信強度が0になった瞬間を第1透過波の受信時点とする。なお、受信強度が0になったか否かは比較部53に設けられているゼロクロス判断機能を用いる(S14)。なお、図9は、第2透過波の受信時点の説明に供する図であるが、第1透過波の場合も全く同一の処理によってその受信時点を決めているので、図9を用いて説明した。
次に,第2透過波の判断は次の手順で行われる。
まず、第1透過波を受信した後、超音波受信器12が受信した超音波の受信強度をあらかじめ設定されている第2閾値と比較する(S21)。比較部53は、閾値記憶部52に記憶されている第2閾値を基準に、超音波受信器12によって受信された図8に示すような超音波の受信強度が、第2閾値(図8では閾値(B)としてある)よりも大きいか小さいかを判断するため、その比較を一定の測定時間Tの間行う(S21、S22:NO)。受信強度が第2閾値を超えていれば(S22:YES)、第2閾値よりも大きな受信強度の超音波が受信されているのであるから、今受信されている超音波を第2透過波であると判断する(S23)。次に、比較部53は、図9に示してあるように、受信された超音波の受信強度が第2閾値を越えた後この超音波の受信強度が0になった時点に第2透過波が受信されたとする。つまり、受信されている超音波の受信強度が第2閾値を超えた瞬間からその受信強度が0になるのを待ち、受信強度が0になった瞬間を第2透過波の受信時点とする(S24)。
図11は、図5のS5のサブルーチンを示すフローチャートである。なお、このフローチャートは請求項9の手順に対応する。
パイプ内圧演算部56は、パイプ内圧演算データ記憶部55に記憶されているパイプ内圧演算データを取得する。パイプ内圧演算データは、パイプ20の内径、パイプ20の内部を流通する媒体の種類、パイプ20の内部を流通する媒体の大気圧下における伝搬速度、およびこの媒体の伝搬速度を基準とする比速度とパイプ20の内圧との関係を示すデータ(一次方程式)である(S31)。次に、パイプ内圧演算部56は、第1透過波が受信されて(第1透過波の受信時点)から第2透過波が受信される(第2透過波の受信時点)までの時間(受信時間差t)とパイプ20の内径とから超音波におけるこの媒体の伝搬速度を演算する。伝搬速度Vは、受信時間差をt、パイプ20の内径をDとした場合、V=2D/tを演算することによって求めることができる(S32)。次に、パイプ内圧演算部56は、パイプ内圧演算データ記憶部55から取得した伝搬速度と演算された伝搬速度とから比速度を演算する。比速度とは、ある媒体の大気圧下における常温時の伝搬速度と実際に演算された伝搬速度Vとの比であり、V/Vを演算することによって求めることができる(S33)。そして、最後に、パイプ内圧演算部56は、演算された比速度を前述の比速度と内圧の関係を示す一時方程式に代入してパイプ20の内圧を演算する(S34)。
以上のように、第1透過波が受信されてから第2透過波が受信されるまでの時間差を測定すると、超音波が媒体を介してパイプ内を1往復するのにかかった時間のみが得られることになり、この時間に基づいてパイプの内圧を測定すれば高精度の測定が可能になる。
なお、以上の実施の形態では、第1閾値の値と第2閾値の値が異なっている場合について説明したが、図12に示すように、その閾値の値を第2透過波も判断することができるような小さな値に設定すれば、第1閾値の値と第2閾値の値として同一の閾値を用いることも可能になる。ただ、この場合、検出された透過波が第1透過波であるのか、第2透過波であるのかを判断できるような仕組みを追加する必要がある。たとえば、超音波が発信された時点を認識しておき、超音波の発信後最初に検出された透過波を第1透過波、次に検出された透過波を第2透過波とし、以降検出された透過波があればその透過波は無視するようにする。このように処理しないと、検出した透過波が第1または第2のいずれであるのかがわからなくなる。
本発明にかかるパイプ内圧測定装置およびパイプ内圧測定方法は請求項ごとに次のような効果が生じる。
請求項1、2、4、5、8または9に記載の発明によれば、パイプ内の媒体の伝播時間を知ることができるので、パイプの肉厚部の伝播時間やオシロスコープによる時間原点の設定誤差の影響を排除することができ、パイプ内圧の測定精度を格段に向上させることができる。
請求項3、6または7に記載の発明によれば、第1閾値と第2閾値を用いて第1または第2透過波を判断しているので、その判断を正確に行うことができ、パイプ内圧の測定精度の向上に寄与する。
本発明は、パイプ内圧を高精度で測定しなければならない分野で利用することができる。
本発明のパイプ内圧測定装置が備える超音波発信器と超音波受信器のパイプへの取り付け状態を示す図である。 図1の断面図であり、(A)は図1のA−A断面図、(B)は図1のB−B断面図である。 本発明にかかるパイプ内圧測定装置の概略構成を示すブロック図である。 図3のパイプ内圧演算データ記憶部に記憶されている、比速度とパイプの内圧の関係を示すデータである。 図3に示したパイプ内圧測定装置の動作フローチャートである。 第1透過波と第2透過波の到達状況を示す図である。 図5のS2のサブルーチンを示すフローチャートである。 第1透過波および第2透過波の判断の説明に供する図である。 第2透過波の受信時点の説明に供する図である。 図5のS3のサブルーチンを示すフローチャートである。 図5のS5のサブルーチンを示すフローチャートである。 第1透過波および第2透過波の判断の説明に供する図である。
符号の説明
11…超音波発信器、
12…超音波受信器、
20…パイプ、
21…パイプの中心軸、
30…発信面、
31…受信面、
50…測定制御装置。

Claims (9)

  1. パイプの外周部に取り付けた超音波発信器と、
    当該超音波発信器に対し当該パイプの径方向に対向する前記パイプの外周部に取り付けた超音波受信器と、
    当該超音波受信器で受信された前記超音波発信器からの超音波が、前記パイプを通過して直接前記超音波受信器に達した第1透過波であるのか、前記パイプを通過する間に前記パイプの内周面に2回反射して前記超音波受信器に達した第2透過波であるのか、を判別する透過波判別手段と、
    当該第1透過波が受信されてから当該第2透過波が受信されるまでの時間を演算する透過波受信時間演算手段と、
    演算された時間から前記パイプの内圧を演算するパイプ内圧演算手段と、
    を有することを特徴とするパイプ内圧測定装置。
  2. 透過波判別手段は、
    受信強度の閾値を記憶する閾値記憶手段と、
    当該閾値と前記受信された超音波の受信強度を比較する比較手段と、
    を有することを特徴とする請求項1記載のパイプ内圧測定装置。
  3. 前記閾値記憶手段は、
    前記第1透過波を判別するための第1閾値と前記第2透過波を判別するための第2閾値とを記憶することを特徴とする請求項2記載のパイプ内圧測定装置。
  4. 前記パイプ内圧演算手段は、
    前記パイプの内径、前記パイプの内部を流通する媒体の大気圧下における伝搬速度、および当該伝搬速度を基準とする比速度と前記パイプの内圧との関係を示すデータを記憶するパイプ内圧演算データ記憶手段を有し、
    前記第1透過波が受信されてから前記第2透過波が受信されるまでの時間と記憶されている前記パイプの内径とから前記超音波における当該媒体の伝搬速度を演算し、記憶されている前記媒体の伝搬速度と演算された当該伝搬速度とから比速度を演算し、演算された比速度および記憶されている前記比速度と前記パイプの内圧の関係を示すデータから前記パイプの内圧を演算することを特徴とする請求項1記載のパイプ内圧測定装置。
  5. パイプの外周部に当該パイプの中心軸に対し線対称に超音波発信器と超音波受信器を取り付け、当該超音波発信器から発信された超音波が当該超音波受信器によって受信されるまでの時間を演算することによって、前記パイプの内圧を測定するパイプ内圧測定方法であって、
    前記超音波発信器から前記パイプの中心軸方向に向けて超音波を発信するステップと、
    前記パイプを通過して直接前記超音波受信器に達した第1透過波を受信するステップと、
    前記パイプを通過する間に前記パイプの内周面に2回反射して前記超音波受信器に達した第2透過波を受信するステップと、
    当該第1透過波が受信されてから当該第2透過波が受信されるまでの時間を演算するステップと、
    演算された時間から前記パイプの内圧を演算するステップと、
    を含むことを特徴とするパイプ内圧測定方法。
  6. 前記第1透過波を受信するステップは、
    前記超音波受信器が受信した超音波の受信強度をあらかじめ設定されている閾値と比較するステップと、
    当該閾値よりも大きな受信強度の超音波が受信されたときには当該超音波を第1透過波であると判断するステップと、
    を含み、
    前記第2透過波を受信するステップは、
    前記超音波受信器が受信した超音波の受信強度をあらかじめ設定されている閾値と比較するステップと、
    当該閾値よりも大きな受信強度の超音波が受信されたときには当該超音波を第2透過波であると判断するステップと、
    を含むことを特徴とする請求項5記載のパイプ内圧測定方法。
  7. 前記第1透過波を判断するときに用いる閾値の値と前記第2透過波を判断するときに用いる閾値の値は異なる値であることを特徴とする請求項6記載のパイプ内圧測定方法。
  8. 前記第1透過波を受信するステップは、さらに、
    受信された超音波の受信強度が閾値を越えた後当該超音波の受信強度が0になった時点に前記第1透過波が受信されたとするステップを含み、
    前記第2透過波を受信するステップは、さらに、
    受信された超音波の受信強度が閾値を越えた後当該超音波の受信強度が0になった時点に前記第2透過波が受信されたとするステップを含むことを特徴とする請求項6記載のパイプ内圧測定方法。
  9. 前記パイプの内圧を演算するステップは、
    前記パイプの内径、前記パイプの内部を流通する媒体の大気圧下における伝搬速度、および当該伝搬速度を基準とする比速度と前記パイプの内圧との関係を示すデータを取得するステップと、
    前記第1透過波が受信されてから前記第2透過波が受信されるまでの時間と前記パイプの内径とから前記超音波における当該媒体の伝搬速度を演算するステップと、
    取得した当該伝搬速度と演算された当該伝搬速度とから比速度を演算するステップと、
    演算された比速度および前記比速度と前記パイプの内圧の関係を示すデータから前記パイプの内圧を演算するステップとからなることを特徴とする請求項5記載のパイプ内圧測定方法。
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